説明

唾液分泌促進剤

【課題】摂取後30分を経過した後にも唾液分泌効果が持続する唾液分泌促進剤であり、摂取しても安全で日常的に利用できる唾液分泌促進剤の提供を目的とする。
【解決手段】カリン果汁を含むことを特徴とする唾液分泌促進剤を口腔組成物や食品に添加して摂取することにより、唾液分泌効果が摂取した後30分を経過した後まで持続する。また、カリン果汁は従来よりキャンディーなどの添加物として使用されてきており、摂取しても安全性に問題はない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、唾液分泌量を持続的に高めることができる唾液分泌促進剤に関する。
【背景技術】
【0002】
唾液は、口腔内を湿潤状態に保ち、食物の消化や咀嚼・嚥下を円滑にし、物理的あるいは生化学的メカニズムで口腔内を清掃する作用等がある。つまり、唾液は摂食や口腔の健康維持において重要な役割を担っている。口腔組織の乾燥によって特徴付けられる臨床状態をドライマウスというが、唾液分泌量の低下によってドライマウスとなるのが一般的である。唾液分泌量が低下すると、う蝕リスクの増大、口腔粘膜の感染、歯周炎、口臭の発生、べとべとした不快感、嚥下や会話への支障等につながる(非特許文献1、非特許文献2)。従って、唾液分泌を促進させることができれば、こうした状態を改善することができる。
【0003】
ドライマウスの治療には唾液分泌刺激薬として塩酸セビメリン、塩酸ピロカルピン、アネトールトリチオン等が用いられることがある。しかし、これら医薬品には吐き気、多汗、頻尿、腹部膨満、腹痛等の副作用がある(非特許文献3)。
【0004】
また、食物やその中に含まれる糖質、酸、香り成分等によって味覚や嗅覚が刺激されたり、咀嚼等の機械的な刺激があったりすると唾液分泌量が増加することは一般的に知られている。しかし、このような唾液分泌量の増加は一時的であり、刺激が消失すると唾液分泌量は元に戻る。従って、唾液分泌量が増加した状態を維持するためには刺激を継続させる必要があり、日常生活の中で実施するには支障がある。
【0005】
一方で、唾液分泌促進剤として、フウチョウソウ科植物やセリ科植物(特許文献1)、アオギリ科植物コーラノキの種子(特許文献2)、PAR−2を活性化させるペプチド(特許文献3)、ポリグルタミン酸(特許文献4)、テアニンとソーマチン(特許文献5)等が開示されているが、効果の強さや持続性について十分とはいい難い。特に、いずれの文献も、摂取後30分を経過した後にまで唾液分泌効果が持続するかについて開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−265375号公報
【特許文献2】特許第3690442号公報
【特許文献3】特開2001−64203号公報
【特許文献4】国際公開2005/049050号パンフレット
【特許文献5】特開2009−184927号公報
【特許文献6】特開2005−343836号公報
【特許文献7】特開2007−131599号公報
【特許文献8】特許第3660822号公報
【特許文献9】特開2000−136146号公報
【特許文献10】特開2001−31582号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Jorma O. Tenovuo、唾液の科学、1998年、21頁、一世出版
【非特許文献2】斎藤一郎、ドライマウスの臨床、2007年、180〜182頁、医歯薬出版
【非特許文献3】斎藤一郎、ドライマウスの臨床、2007年、128〜135頁、医歯薬出版
【非特許文献4】Sawai R. et al.、Journal of Ethnopharmacology、2008年、118巻、1号、108〜112頁、Anti-influenza virus activity of Chaenomeles sinensis.
【非特許文献5】Hamauzu Y. et al.、Journal of Agricultural and Food Chemistry、2005年、53巻、4号、928〜934頁、Phenolic profile, antioxidant property, and anti-influenza viral activity of Chinese quince (Pseudocydonia sinensis Schneid.), quince (Cydonia oblonga Mill.), and apple (Malus domestica Mill.) fruits.
【非特許文献6】Gao H. et al.、Chemical & Pharmaceutical Bulletin、2003年、51巻、11号、1318〜1321頁、Antitumor-promoting constituents from Chaenomeles sinensis KOEHNE and their activities in JB6 mouse epidermal cells.
【非特許文献7】Oku H. et al.、Biological & Pharmaceutical Bulletin、2003年、26巻、7号、1031〜1034頁、Antipruritic effects of the fruits of Chaenomeles sinensis.
【非特許文献8】Matsuda H. et al.、Biological & Pharmaceutical Bulletin、1994年、17巻、10号、1417〜1420頁、Studies of cuticle drugs from natural sources. II Inhibitory effects of Prunus plants on melanin biosynthesis.
【非特許文献9】Shinoyama F. et al.、Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry、2009年、73巻、8号、1773〜1778頁、Anti-allergic effect of a hot-water extract of quince (Cydonia oblonga)
【非特許文献10】Fattouch S. et al.、Journal of Agricultural and Food Chemistry、2007年、55巻、3号、963〜969頁、Antimicrobial activity of Tunisian quince (Cydonia oblonga Miller) pulp and peel polyphenolic extracts.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、安全な唾液分泌促進剤の提供を目的とする。また、摂取後30分を経過した後にも唾液分泌効果が持続する唾液分泌促進剤の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記の課題について鋭意研究を進めた結果、カリン果汁に唾液分泌を促進する効果があり、その効果がカリン果汁を摂取した後30分を経過した後まで持続することを見出した。
【発明の効果】
【0010】
カリン果汁は従来よりキャンディーなどの添加物として使用されてきており、摂取しても安全性に問題はない。また、カリン果汁を含む口腔組成物や食品を摂取することにより、強い唾液分泌効果を長時間持続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】透析内液画分のIRスペクトルを示す図である。
【図2】25%エタノール画分のIRスペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の唾液分泌促進剤は、カリン果汁を含むことを特徴とする。
本発明の唾液分泌促進剤を摂取又は口に含むことにより、唾液分泌量を高めることができ、その効果は摂取後30分以降にも持続し、特に摂取してから45〜60分後においても高い唾液分泌促進効果を有する。
【0013】
カリン(花梨)はバラ科の植物で学名をChaenomeles sinensis (Thouin) KoehneまたはPseudocydonia sinensis (Thouin) Schneid.という。果実はカリン酒などの原料になり、木瓜(モッカ)、和木瓜(ワモッカ)、メイサといった生薬名で呼ばれる。また、バラ科植物のマルメロ(学名:Cydonia oblonga Miller)もカリンと呼ばれることがある。
【0014】
カリンは民間伝承的に鎮咳、鎮痛、利水、疲労回復に有効といわれ、のど飴に配合されているほか、様々な食品及び嗜好品に安全に使用されている。
【0015】
カリンやマルメロの生理活性については、抗インフルエンザウイルス(非特許文献4、非特許文献5、特許文献6)、抗酸化(非特許文献5)、発ガンプロモーション抑制(非特許文献6)、鎮痒(非特許文献7)、メラニン合成抑制(非特許文献8)、グリケーション抑制(特許文献7)、リパーゼ阻害(特許文献8)、プロテアーゼ阻害(特許文献9)、抗アレルギー(非特許文献9、特許文献10)、抗菌作用(非特許文献10)等が開示されているが、カリンの唾液分泌に及ぼす効果について科学的知見はない。
【0016】
本発明において、カリン果汁は、カリン果実の濾過、遠心分離、圧縮等の公知の方法により得ることができる。また、得られたカリン果汁はそのまま用いてもよいし、これを濃縮したものや粉末状にしたものを用いることもできる。
【0017】
また、本発明においては、カリン果汁を透析膜(分画分子量14000)等による透析処理、又はカリン果汁をDiaion HP20等の合成吸着剤カラムに吸着させ、25%以上の100%以下のエタノールを用いて分画処理することでカリン果汁の酸味や甘味を官能的に感じないレベルまで除去した分画物によっても同様の効果を得ることができる。
【0018】
これらの分画物はリンゴ酸等の有機酸や糖類等を含まず、無味無臭である。そのため、いかなる食品に添加してもその風味を損なうことがなく、味覚や嗅覚を刺激せずに唾液分泌効果を持続させることができるため、日常的に継続して摂取することができる。
【0019】
また、本発明の唾液分泌促進剤は、安全性が高いことから、例えば、含そう剤及び練り歯磨き等の口腔組成物、又はチューインガム、キャンディ、錠菓、グミゼリー、チョコレート、ビスケット及びスナック等の菓子、アイスクリーム、シャーベット及び氷菓等の冷菓、飲料、パン、ホットケーキ、乳製品、ハム及びソーセージ等の畜肉製品類、カマボコ及びチクワ等の魚肉製品、惣菜類、プリン、スープ並びにジャム等の飲食品に配合して利用することが可能である。
【実施例1】
【0020】
カリン果汁の唾液分泌促進効果の評価
被験者は前日の過度な飲酒や激しい運動を避け、通常の状態で試験を実施した。また、唾液の日内変動を考慮し、同じ時間帯(14:30から開始)に試験を実施した。昼食後から試験開始までの約2時間は少量の水以外の飲食を禁止した。初めに、被験者は水で口を漱ぎ座位で安静に保ち、洗口後5分から20分までの唾液を採取した。これを安静時唾液量とした。次に、水または試料溶液20mlを口に含み、飲み込まないようにして5分間口中に留めた後に吐き出し、吐き出してから5分から20分後まで、25分から40分後まで、45分から60分後までの唾液を採取して重量を測定した。唾液の採取は、被験者が唾液を飲み込まないように口中に溜めて1分毎にプラスチック製容器に吐き出す方法で行った。試験中は話したりせず、座位で安静にした。
以下の3種類を試料溶液として用いた。ポリグルタミン酸とクエン酸は比較試料として用いた。
カリン果汁:カリンの6倍濃縮果汁0.7gを100mlの純水に溶解し試料水溶液とした。
ポリグルタミン酸:ポリグルタミン酸0.1gを100mlの純水に溶解し比較試料溶液とした。
リンゴ酸:食品添加物のDL−リンゴ酸(粉末)0.1gを100mlの純水に溶解し比較試料溶液とした。
【0021】
被験者Aでの測定結果は以下の表1に示す通りであった。ポリグルタミン酸やリンゴ酸に比べてカリン果汁には唾液分泌を持続的に増加させる効果が認められた。
【0022】
【表1】

【0023】
被験者Bの結果は以下の表2の通りであり、カリン果汁に唾液分泌量を持続的に増加させる作用があると考えられた。
【0024】
【表2】

【実施例2】
【0025】
カリン果汁透析分画物の唾液分泌促進効果の評価
透析膜(三光純薬株式会社製、製品番号UC 20−32−100)を洗浄してグリセリンや硫化物を除いた後、定法に従ってカリン果汁(6倍濃縮果汁)15mlを透析した。外液には1Lのイオン交換水を用い、半日おきに3回外液を交換して約3Lの外液と約30mlの内液を得た。内液を凍結乾燥して得られた固形分(52mg)を透析前の液量である15mlの水に溶解し内液画分とした、外液はエバポレーターで濃縮して液量を15mlに調整して外液画分とした。100mlの水に内液画分0.7gまたは外液画分0.7gを溶解し、これを試料溶液として唾液分泌量に及ぼす影響を評価した。唾液分泌促進効果の評価はカリン果汁の評価と同様に行った。
【0026】
各試料溶液及び分画前のカリン果汁を口に含んだ場合の官能評価の結果を表3に示した。外液や分画前のカリン果汁は試料溶液に酸味や甘味が感じられたが、内液はほとんど無味であった。
【0027】
被験者Aでの測定結果は以下の表4に示す通りであった。5〜20分後における唾液分泌促進効果は内液より外液のほうが高いが、45〜60分後では外液より内液のほうが高い効果を示した。被験者Bでの測定結果は以下の表5に示す通りであり、内液のみに唾液分泌促進効果を認めた。これらの結果から、内液に含まれる成分に唾液分泌を持続的に高める作用があると考えられた。
【0028】
【表3】

++:強く感じる、+:弱く感じる、−:ほとんど感じない
【0029】
【表4】

【0030】
【表5】

【実施例3】
【0031】
カリン果汁カラム分画物の唾液分泌促進効果の評価
Diaion HP20(日本錬水株式会社製)をガラスカラムに充填し約30ml(内径20mm×長さ100mm)のカラムを作製した。このカラムにカリン果汁(6倍濃縮果汁)20mlを供し、水200ml、25%エタノール水溶液200ml、75%エタノール水溶液200mlで順に溶出した。水溶出液をエバポレーターで濃縮し、分画前の果汁の液量である20mlに調整して水溶出画分とした。25%エタノール溶出液と75%エタノール溶出液は、それぞれエバポレーターで濃縮後に凍結乾燥し、95.5mg、8.6mgの固形分を得た。これらをそれぞれ20mlの水に溶解し25%エタノール溶出画分、75%エタノール溶出画分とした。各画分0.7gを100mlの水に溶解し、これを試料溶液として唾液分泌量に及ぼす影響を評価した。唾液分泌促進効果の評価はカリン果汁の評価と同様に行った。
【0032】
各試料溶液及び分画前のカリン果汁を口に含んだ場合の官能評価の結果を表6に示した。分画前の果汁や水溶出画分には酸味や甘味が感じられたが、25%エタノール溶出画分や75%エタノール溶出画分はほとんど無味であった。
【0033】
被験者Aでの唾液分泌量測定結果は以下の表7に示す通りであり、25%エタノール溶出画分に唾液分泌促進効果があると考えられた。
【0034】
【表6】

++:強く感じる、+:弱く感じる、−:ほとんど感じない
【0035】
【表7】

【実施例4】
【0036】
実施例2の内液画分、実施例3の25%エタノール溶出画分をそれぞれ凍結乾燥し、得られた固形分を定法に従ってKBr錠法で透過光測定により測定した。透析内液画分のIRスペクトルを図1に、25%エタノール画分のIRスペクトルを図2に示す。
いずれのIRスペクトルも似たようなピーク分布を示し、実施例2及び実施例3において、分画された物質は同一のものであると考えられた。
【実施例5】
【0037】
カリン果汁配合キャンディによる唾液分泌促進効果の評価
被験者は前日の過度な飲酒や激しい運動を避け、通常の状態で試験を実施した。また、唾液の日内変動を考慮し、同じ時間帯(14:30から開始)に試験を実施した。昼食後から試験開始までの約2時間は少量の水以外の飲食を禁止した。初めに、被験者は水で口を漱ぎ座位で安静に保ち、洗口後5分から20分までの唾液を採取した。これを安静時唾液量とした。次に試験食品(一粒約5.5gのハードキャンディ)を噛み砕いたりせずに普通に舐めて摂取し、口中からキャンディが完全に溶けて無くなってから5分から20分後まで、25分から40分後まで、45分から60分後までの唾液を採取して重量を測定した。唾液の採取は、被験者が唾液を飲み込まないように口中に溜めて1分毎にプラスチック製容器に吐き出す方法で行った。試験中は話したりせず、座位で安静にした。
試験食品には、以下の表8に示す配合で試作した2種類のハードキャンディを用いた。
【0038】
【表8】

【0039】
外観や味において試作キャンディ2種類に明瞭な違いは認められなかった。唾液分泌量については、以下の表9及び表10に示す結果のように、被験者A及び被験者Bのいずれにおいても、対照キャンディよりカリン果汁配合キャンディのほうが唾液分泌量は摂取後60分まで高いレベルを維持していた。
【0040】
【表9】

【0041】
【表10】

【0042】
以上の結果から、カリン果汁には唾液分泌を持続的に高める効果があると考えられた。また、透析やカラム分画物を評価した結果から、果汁に含まれる低分子量の酸や糖類等の味を感じる成分には持続的な唾液分泌促進効果は認められず、これらを除いた無味無臭の画分に効果が認められた。
【0043】
カリン果汁、カリン果汁カラム分画物(実施例3記載の方法で25%エタノール溶出により得られた固形分)、カリン果汁透析分画物(実施例2記載の方法で内液を乾燥して得られた固形分)を用いて、うがい薬、吸入剤、トローチ剤、スプレー液、チューインガム、キャンディ、錠菓、飲料、粉末剤、錠剤、含漱剤、グミゼリー、チョコレート、ビスケット、アイス、シャーベット、スープ、ジャム、ウェットティッシュ、マスクを調製した。以下に実施例としてその処方を示した。
【実施例6】
【0044】
うがい薬の処方
エタノール 2.00部
香料 1.00部
サッカリン 0.05部
塩酸クロルヘキシジン 0.01部
カリン濃縮果汁 2.00部
水 94.94部
【実施例7】
【0045】
吸入剤の処方
エタノール 5.00部
カリン果汁透析分画物 0.005部
水 94.995部
【実施例8】
【0046】
トローチ剤の処方
ブドウ糖 72.295部
乳糖 20.0部
アラビアゴム 6.0部
香料 1.0部
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.7部
カリン果汁カラム分画物 0.005部
【実施例9】
【0047】
スプレー液の処方
エタノール 1.5部
クエン酸 0.3部
クエン酸三ナトリウム 0.2部
カリン濃縮果汁 5.0部
水 93.0部
【実施例10】
【0048】
チューインガムの処方
ガムベース 20.0部
砂糖 54.99部
グルコース 15.0部
水飴 9.3部
香料 0.7部
カリン果汁カラム分画物 0.01部
【実施例11】
【0049】
キャンディの処方
砂糖 50.0部
水飴 50.0部
クエン酸 0.3部
香料 0.7部
カリン濃縮果汁 0.7部
【実施例12】
【0050】
錠菓の処方
砂糖 76.1部
グルコース 19.0部
ショ糖脂肪酸エステル 0.2部
香料 0.2部
カリン濃縮果汁 1.0部
水 3.5部
【実施例13】
【0051】
飲料の処方
ミカン属植物果汁 30.00部
異性化糖 15.24部
クエン酸 0.10部
ビタミンC 0.04部
香料 0.10部
カリン濃縮果汁 0.10部
水 54.42部
【実施例14】
【0052】
粉末剤の処方
トウモロコシ澱粉 58.0部
カルボキシセルロース 40.0部
カリン果汁カラム分画物 2.0部
【実施例15】
【0053】
錠剤の処方
ラクトース 74.0部
結晶性セルロース 20.0部
ステアリン酸マグネシウム 5.0部
カリン果汁透析分画物 1.0部
【実施例16】
【0054】
含漱剤の処方
エタノール 2.00部
香料 1.00部
サッカリン 0.05部
塩酸クロルヘキシジン 0.01部
カリン果汁透析分画物 0.10部
水 96.84部
【実施例17】
【0055】
グミゼリーの処方
ゼラチン 60.0部
水飴 23.0部
砂糖 8.5部
植物油脂 4.5部
マンニトール 3.0部
レモン果汁 0.5部
カリン濃縮果汁 0.5部
【実施例18】
【0056】
チョコレートの処方
粉糖 40.75部
カカオビター 20.00部
全脂粉乳 20.00部
カカオバター 18.00部
マンニトール 1.00部
香料 0.20部
カリン果汁カラム分画物 0.05部
【実施例19】
【0057】
ビスケットの処方
薄力1級 25.59部
中力1級 22.22部
精白糖 4.80部
食塩 0.73部
ブドウ糖 0.78部
パームショートニング 11.78部
炭酸水素ナトリウム 0.17部
重亜硫酸ナトリウム 0.16部
米粉 1.45部
全脂粉乳 1.16部
代用粉乳 0.29部
カリン果汁透析分画物 0.04部
水 30.83部
【実施例20】
【0058】
アイスの処方
脱脂粉乳 50.0部
生クリーム 25.0部
砂糖 10.0部
卵黄 10.0部
カリン濃縮果汁 1.0部
香料 0.1部
水 3.9部
【実施例21】
【0059】
シャーベットの処方
ミカン属植物果汁 25.0部
砂糖 25.0部
卵白 10.0部
カリン濃縮果汁 1.5部
水 38.5部
【実施例22】
【0060】
スープの処方
牛乳 60.00部
たまねぎ 20.00部
にんじん 10.00部
野菜ブイヨン 1.00部
バター 0.10部
コショウ 0.05部
塩 0.05部
カリン濃縮果汁 0.80部
水 8.00部
【実施例23】
【0061】
ジャムの処方
果肉 4.0部
砂糖 65.0部
清澄果汁 15.0部
クエン酸 0.1部
カリン濃縮果汁 10.0部
水 5.9部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カリン果汁を含むことを特徴とする唾液分泌促進剤。
【請求項2】
分画分子量14000の透析膜を用いてカリン果汁を透析処理することにより得られる分画物を含むことを特徴とする唾液分泌促進剤。
【請求項3】
カリン果汁を合成吸着剤カラムに吸着させた後、25%以上100%以下のエタノールで溶出することにより得られる分画物を含むことを特徴とする唾液分泌促進剤。
【請求項4】
有機酸及び糖類を含まないことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の唾液分泌促進剤
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の唾液分泌促進剤を含むことを特徴とする口腔組成物。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の唾液分泌促進剤を含むことを特徴とする食品。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−41298(P2012−41298A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183951(P2010−183951)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(307013857)株式会社ロッテ (101)
【Fターム(参考)】