説明

商品パッケージ及び梱包資材

【課題】外側から収納物と、内箱部材に係止されている紙類とが視認でき、かつ輸送中における収納物の損傷を防止することができる商品パッケージを提供する。
【解決手段】収容物(6)が固定されている外箱(2)に、紙類(8)が係止されている内箱部材(5)を収納してなる商品パッケージ(1)である。前記外箱(2)が、内部を透視可能な、第1の窓部(10a)と第2の窓部(10b)とを含む複数の窓部を有している。前記第1の窓部(10a)が、外部から前記収容物(6)の全部または一部を視認可能となるように設けられている。
前記紙類(8)が、前記第2の窓部(10b)を介して外部から前記紙類(8)の全部または一部を視認可能となるように前記内箱部材に係止されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品パッケージ及び梱包資材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、切り花を輸送する際には、扁平な梱包用の収納箱が多く使用されてきた。収納箱には切り花を横倒しにして収納され、紐孔に通した紐などにより箱内に切り花が固定されていた。また、輸送中の切り花の損傷を防ぐため、切り花が定位置に保持されるような収納箱が考案されてきた(例えば、特許公報1)。しかし、このような収納箱は顧客に直接配達されるものでなく、輸送のみを目的としており、外側から収納物が視認されるものではなかった。そのうえ、同時にカタログ等のその他の収納物が収容される場合、その収納物が切り花を損傷するため、別々に梱包しなければならない問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−198983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、外側から収納物と、内箱部材に係止されている紙類とが視認でき、かつ輸送中における収納物の損傷を防止することができる商品パッケージを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討した結果、収容物が固定されている外箱に、紙類が係止されている内箱部材を収納してなる商品パッケージにおいて、前記外箱が、内部を透視可能な、第1の窓部と第2の窓部とを含む複数の窓部を有し、前記紙類が前記内箱部材に係止されることにより、外側から収納物と、内箱部材に係止されている紙類とが視認でき、紙類が収納物を損傷しないことを見出し、この知見を得た後、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
【0006】
即ち、本発明の実施の形態を示す図1から図4に基づいて説明すると、本発明1は、収容物が固定されている外箱に、紙類が係止されている内箱部材を収納してなる商品パッケージに関し、前記外箱が、内部を透視可能な、第1の窓部と第2の窓部とを含む複数の窓部を有しており、前記第1の窓部が、外部から前記収容物の全部または一部を視認可能となるように設けられており、前記紙類が、前記第2の窓部を介して外部から前記紙類の全部または一部を視認可能となるように前記内箱部材に係止されていることを特徴とする。
【0007】
本発明2は、収容物の固定装置を備えた外箱と、前記外箱に収納される内箱部材とから構成される梱包資材に関し、前記外箱が、内部を透視可能な、第1の窓部と第2の窓部とを含む複数の窓部を有しており、前記第1の窓部が、前記外箱に前記収容物を前記固定装置で固定した際に、前記収容物の全部または一部を外部から視認可能となるように設けられており、前記内箱部材が、紙類を係止する係止部を有しており、前記係止部が、前記紙類を前記係止部で係止した前記内箱部材を前記外箱に収納した状態で、前記第2の窓部を介して外部から前記紙類の全部または一部を視認可能となるように設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の商品パッケージは、外側から収納物と、内箱部材に係止されている紙類とが視認でき、かつ輸送中における収納物の損傷を防止することができる。したがって、商品受取時などに、一つの商品パッケージでもって、収納物と紙類とを目視で確認でき、また花のような損傷しやすい収納物と同時に書類等を一つの商品パッケージでもって収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態を示す商品パッケージの斜視図である。
【図2】実施形態の、商品パッケージの一部を破断した平面図である。
【図3】図2のA−A線矢視断面図である。
【図4】実施形態の、商品パッケージの一部を破断した分解斜視図である。
【図5】実施形態の、外箱用上蓋を示す展開図である。
【図6】実施形態の、外箱本体を示す展開図である。
【図7】実施形態の、内箱部材を示す展開図である。
【図8】別の実施形態の、内箱部材を示す展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の商品パッケージは、収容物が固定されている外箱に、紙類が係止されている内箱部材を収納してなる商品パッケージであって、前記外箱が、内部を透視可能な、第1の窓部と第2の窓部とを含む複数の窓部を有しており、前記第1の窓部が、外部から前記収容物の全部または一部を視認可能となるように設けられており、前記紙類が、前記第2の窓部を介して外部から前記紙類の全部または一部を視認可能となるように前記内箱部材に係止されていることを特徴とする。
【0011】
前記収容物は、外箱に収容可能なものであれば特に限定されないが、輸送中への損傷防止と、紙類との相乗効果の観点から、植物または食物であるのが好ましい。前記植物は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されないが、本発明の商品パッケージは贈答用に特に適しているため、贈答用の植物であるのが好ましく、切り花を含む花類であるのがより好ましく、薔薇の切り花であるのが最も好ましい。前記収容物が切り花の場合、切り口は給水スポンジ等の保水装置に保持されるのが好ましい。また、前記食物は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されないが、贈答用の食物であるのが好ましく、果物がより好ましい。
また、本発明の商品パッケージは、外側から外箱に収納された収容物を視認できるので、前記収容物が、贈答用に、前記植物または食物にメッセージ等を印字したものであるのが好ましい。なお、メッセージ等の印字手段は、通常、レーザー加工等の公知の手段であってよい。
【0012】
前記紙類は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、贈答用の紙類であることが好ましく、メッセージカード等の紙そのものでもよい。前記紙類は梱包等がなされていてもよい。本発明では、前記紙類が、輸送中の収容物の損傷防止および前記収容物との同時収納の観点から、書物であるのが好ましく、冊子であるのがより好ましく、ギフトカタログであるのが最も好ましい。なお、前記ギフトカタログは、贈答先が任意の商品群から選択して贈答品を受けることができる公知のギフトカタログであってよい。
【0013】
前記外箱は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、紙製および樹脂製のいずれであってもよい。本発明では、前記外箱が、外箱用上蓋と外箱本体とを嵌合してなるものであって、外箱用上蓋が、第1の窓部と第2の窓部とを有しており、前記外箱本体が、前記収容物の固定装置を備えているのが好ましい。
【0014】
前記内箱部材は、前記外箱に収納可能であって、前記第2の窓部を介して外部から前記紙類の全部または一部を視認可能となるように、紙類を係止することができさえすれば特に限定されず、紙製および樹脂製のいずれであってもよい。本発明では、前記内箱部材が、前記外箱本体の内側寸法と同じ寸法の辺を有するのが好ましい。なお、前記内箱部材の好適な断面形状としては、例えばH型、凹型、凸型などが挙げられる。このような好適な寸法形状とすることで、本発明の目的を阻害せずに、輸送中の特に強い揺れや強い衝撃によって、前記内箱部材および前記紙類がズレて、外箱の収容物を損傷するのを防ぐことができる。
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0016】
図1に示すように、本発明の商品パッケージ(1)は外箱(2)及び内箱部材(5)により主に構成される。外箱(2)は直方体に形成され、外箱用上蓋(3)と外箱本体(4)とを嵌合させて構成される。
外箱用上蓋(3)には複数の窓部(10a、10b)が形成され、各窓部(10a、10b)には透明で外側から内容物が視認可能なフィルムが貼られる。本実施態様では、第1の窓部(10a)からフィルム(11a)を通して収容物である切り花(6)が視認され、第2の窓部(10b)からフィルム(11b)を通してギフトカタログ(8)が視認される。前記切り花(6)の切り口は、保水装置(9)に保持される。各窓部(10a、10b)の形状は長方形であるが、これらは限定されるものではなく、収容物の全部または一部が視認可能であればどのような形状でもよい。
なお、前記外箱用上蓋(3)の好適な例を展開図でもって図5に示す。
【0017】
外箱本体(4)の底面には、一対の固定用孔(13)が複数形成されており、この固定用孔に通したゴム、ワイヤなどの固定装置(7)により切り花(6)が固定される。固定装置(7)は、これらに限定されるものではなく、例えばブロック形状の固定装置(実公平05−011162号公報、実開平02−037838号公報)を使用してもよい。なお、このようなブロック形状の固定装置を用いる場合は、外箱本体(4)の底面に固定用孔(13)が形成されない。
外箱本体(4)の側面には、複数の空気孔(12a、12b)が形成されてもよい。本実施態様では、空気孔(12a、12b)の形状が丸又は長円であり、固定用孔(13)の形状が長方形であるが、これらは限定されるものではなく、外箱本体(4)の側面又は底面を貫通していればどのような形状でもよい。
なお、前記外箱本体(4)の好適な例を展開図でもって図6に示す。
【0018】
図4に示すように、内箱部材(5)は、上面及び側面により構成され、断面がコ型である。
内箱部材(5)の上面に切れ込みを入れ、折り曲げることにより一対の係止片(14a、14b)が形成される。内箱部材(5)の上面に載置されたギフトカタログ(8)は、係止片(14a、14b)により係止される。係止片(14a、14b)の高さはギフトカタログ(8)の厚みと略同一であり、係止片(14a、14b)の間の距離はギフトカタログ(8)の縦寸法と略同一である。
内箱部材(5)の側面には、複数の空気孔(12c)が形成されてもよい。本実施態様では空気孔(12c)の形状が長円であるが、これらは限定されるものではなく、内箱部材(5)の側面を貫通していればどのような形状でもよい。前記空気孔(12c)は、前記外箱(2)に内箱部材(5)が収納され、内箱部材(5)側面と外箱本体(4)側面とが当接した際に、前記外箱本体(4)の側面に形成される空気孔(12a)と重なる位置に形成されるのが好ましい。
内箱部材(5)は、内箱部材(5)の高さとギフトカタログ(8)の厚みとを合わせた寸法が、外箱本体(4)の内側の高さ以下となるように設定される。内箱部材(5)側面の縦寸法は外箱本体(4)側面の内側の縦寸法と略同一である。したがって、内箱部材(5)は内箱部材(5)の側面全体が外箱本体(4)側面の内側と当接した状態で外箱本体(4)に収容される。
なお、前記内箱部材(5)の好適な例を展開図でもって図7に示す。
【0019】
図8は別の実施形態の、内箱部材(5)を示す展開図である。この実施形態では、ギフトカタログ(8)を載置する部分に隣接させて、メッセージカード保持部(15)が形成してある。このメッセージカード保持部(15)には差し込み部(16)が設けてあり、この差し込み部(16)に図示しないメッセージカードが差し込まれて保持される。その他の構成は前記の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明の商品パッケージは、外側から収納物と内箱部材に係止されている紙類とが視認でき、かつ輸送中における収納物の損傷を防止することができる。
【符号の説明】
【0021】
1…商品パッケージ
2…外箱
3…外箱用上蓋
4…外箱本体
5…内箱部材
6…収容物(切り花)
7…固定装置
8…紙類(ギフトカタログ)
9…保水装置
10a、10b…窓部
11a、11b…フィルム
12a、12b、12c…空気孔
13…固定用孔
14a、14b…係止片
15…メッセージカード保持部
16…差し込み部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容物が固定されている外箱に、紙類が係止されている内箱部材を収納してなる商品パッケージであって、
前記外箱が、内部を透視可能な、第1の窓部と第2の窓部とを含む複数の窓部を有しており、
前記第1の窓部が、外部から前記収容物の全部または一部を視認可能となるように設けられており、
前記紙類が、前記第2の窓部を介して外部から前記紙類の全部または一部を視認可能となるように前記内箱部材に係止されていることを特徴とする商品パッケージ。
【請求項2】
前記外箱が、外箱用上蓋と外箱本体とを嵌合してなるものであって、
前記外箱用上蓋が、前記第1の窓部と第2の窓部とを有しており、
前記外箱本体が、前記収容物の固定装置を備えている請求項1記載の商品パッケージ。
【請求項3】
前記内箱部材が、前記外箱本体の内側寸法と同じ寸法の辺を有する請求項2記載の商品パッケージ。
【請求項4】
前記収容物が花であり、前記紙類がギフトカタログである請求項1〜3のいずれかに記載の商品パッケージ。
【請求項5】
収容物の固定装置を備えた外箱と、前記外箱に収納される内箱部材とから構成される梱包資材であって、
前記外箱が、内部を透視可能な、第1の窓部と第2の窓部とを含む複数の窓部を有しており、
前記第1の窓部が、前記外箱に前記収容物を前記固定装置で固定した際に、前記収容物の全部または一部を外部から視認可能となるように設けられており、
前記内箱部材が、紙類を係止する係止部を有しており、
前記係止部が、前記紙類を前記係止部で係止した前記内箱部材を前記外箱に収納した状態で、前記第2の窓部を介して外部から前記紙類の全部または一部を視認可能となるように設けられていることを特徴とする梱包資材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−42389(P2011−42389A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191664(P2009−191664)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(506329018)SGホールディングス株式会社 (7)
【Fターム(参考)】