説明

商品パッケージ

【課題】刃物類等による事件の発生を抑制し、万引き等の犯罪の抑制をすることが可能な商品パッケージを提供することを課題とする。
【解決手段】商品パッケージ1は、包丁4を収納する商品収納部3を有するパッケージ本体部2と、パッケージ本体部2の上部取出口5を閉塞する上部閉塞部6の一端からパッケージ本体部2の方向に曲折された上部曲折部7を有する上蓋部8と、パッケージ本体部2の下部取出口13を閉塞する閉塞する下部閉塞部14の一端からパッケージ本体部2の方向に曲折された下部曲折部15を有する下蓋部16と、パッケージ本体部2のパッケージ前面部9、パッケージ後面部10、及び上部曲折部7又は下部曲折部15を貫通する挿軸部11を有する計4つの上部ホック鋲部12a及び下部ホック鋲部12bを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品パッケージに関するものであり、特に、商品の外観を被覆し、運搬時や商品陳列時に商品の傷付きを防止するとともに、店舗等においてそのまま陳列可能な商品パッケージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、デパート、ショッピングセンター、家電等各種小売量販店、またはホームセンターなどの種々の業態または各種の商品を取扱う店舗において、消費者に対して購買意欲を高めさせるために商品の陳列に種々の趣向を凝らすことが行われている。ここで、これらの店舗において商品が陳列される場合、商品の外観形状やサイズ、或いは色等を容易に把握可能とするとともに、商品の表面に傷等が付かないように傷付きを防止する目的で、所謂「ブリスター包装(ブリスターパッケージ)」と呼ばれる商品パッケージが多く採用されている。このブリスター包装とは、商品の外観形状に略一致するように膨張させ、略諜報形状の少なくとも一辺(一般には、三辺、或いは四辺)を折曲げ、レール状に形成したレール部を有するプラスチック製シートと、該プラスチック製シートのレール部に摺動或いは挟込等によって保持される厚紙とによって主に構成されている。これにより、商品の取出し及び収納(格納)が容易となるとともに、商品の外観形状等の視認性を損なうことが小さくなる。一方、ブリスター包装に使用されるプラスチック製シートと略同様の素材を利用し、一枚のプラスチック製シートを折畳み、立体的な筐体状に形成し、該筐体内に商品を収納可能とする商品パッケージも製造されている。なお、これらのブリスター包装等の各種商品パッケージの中には、店舗での陳列個数をできるだけ多くするために、フックなどに引っ掛けて吊下げ支持することのできる吊下げ支持タイプの商品パッケージも知られている。
【0003】
このとき、従来のブリスター包装等によって収納された商品が、商品の製造工場から店舗に至るまでの流通・配送段階において、或いは店舗での陳列時に不用意に飛出することを防止するために、或いは万引き等の犯罪行為を未然に防ぐ目的で、プラスチック製シート及び厚紙または筺体状に形成された商品パッケージの商品取出口を閉塞する蓋部をセロハンテープやステープル等の既知の固定手段で固定することが行われている。
【0004】
以上の従来技術は、当業者として当然に実施されているものであり、本願出願人は、係る従来技術が記載された文献等を本願出願時において特に知見するものではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記に掲げた従来型の商品パッケージでは、下記に掲げるような問題を生じることがあった。すなわち、近年の社会構造の変化に伴って、従来では想到することのできない各種の犯罪が増加する傾向がある。例えば、上述したショッピングセンター等の商品を小売りする店舗では、売場に陳列されている包丁などの刃物類の商品を、商品パッケージから取出し、そのまま付近の買い物客に向けて脅したり、最悪のケースでは係る商品を利用してケガをさせるなどの事件も発生している。そのため、特に、包丁などの刃物類を取扱うショッピングセンター、或いは工具類を取扱うホームセンター等、人体に危害を加える可能性の高い商品を販売している店舗では、これらの商品の店舗内での取扱いに注意し、及び上記事件を未然に防ぐための対策などを講じる必要性があった。
【0006】
ところが、ブリスター包装等の商品パッケージでは、前述したように、セロハンテープやステープル等で止めた箇所を手で容易に解除する(取り外す)ことができ、収納された包丁などの取扱いに注意を要する商品を簡単に取出すことができてしまった。そのため、商品パッケージに収納された商品を通常の店舗内では取出すことが困難、或いは取出し難い構造にした商品パッケージを構築し、購入者が自宅に戻り、ハサミやカッター等の比較的簡易な切断工具を利用して商品を取出すことのできるものを望み、店舗等で自らが販売している商品を利用した傷害事件等の発生を極力抑えることができる商品パッケージを期待する声が大きかった。
【0007】
加えて、万引き等の犯罪や不正行為を行い場合でも、ブリスター包装のままでは比較的嵩張り、カバンなどに隠すことが難しいため、従来はブリスター包装から取出した状態で店舗外へ商品を持ち出すケースが従来は多く行われていた。そのため、ブリスター包装等から商品を取出しにくい構成とすることにより、万引き等の犯罪の発生件数を抑制し、窃盗による被害金額を抑えることが可能であると期待されていた。
【0008】
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、店舗内における刃物類等の商品の取出しを困難にし、刃物類等による事件の発生を抑制し、かつ万引き等の不正行為の発生を抑えることが可能な商品パッケージの提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明の商品パッケージは、「商品の収納される略筐体状の商品収納部、及びパッケージ前面部及び前記パッケージ後面部を貫設する一対の第二貫通孔を有するパッケージ本体部と、前記パッケージ本体部の商品取出口を閉塞する閉塞部、及び前記閉塞部の一端から前記パッケージ本体部の内側に曲折され、前記パッケージ後面部に設けられた前記第二貫通孔と相対する第一貫通孔が穿設された曲折部を有する蓋部と、互いに相対して位置する前記第一貫通孔及び前記第二貫通孔に挿入され、互いに相対して位置する前記第一貫通孔及び前記パッケージ後面部の前記第二貫通孔に前記商品収納部の一部を貫通して挿入され、軸先端径よりも縮径した凹溝部を有する挿軸部、前記挿軸部の一端に取設され、前記第一貫通孔及び前記第二貫通孔よりも少なくとも一部が狭径のリング孔径を有し、弾性変形によって前記挿軸部の前記凹溝部に嵌合されるリング状のメス鋲部、及び前記凹溝部に嵌合された前記メス鋲部の嵌合方向と逆方向への移動を規制し、嵌合状態の解除を禁止する解除禁止手段を備え、前記パッケージ前面部及び前記パッケージ後面部の間で前記曲折部の移動を禁止する樹脂製のホック鋲部と」を主に具備して構成されている。
【0010】
したがって、本発明の商品パッケージによれば、曲折部をパッケージ本体部の内側に曲折させ、曲折部とパッケージ本体部のパッケージ前面部及びパッケージ後面部にホック鋲部を貫通させ、内側に曲折された曲折部によって商品取出口が開口しないような構成を有して構成されている。また、使用されるホック鋲部の挿軸部は、パッケージ本体部の本体厚以上の長さのものが必要とされることは言うまでもない。これにより、略筐体状の商品パッケージから手のみでの商品の取出しが困難となる。
【0011】
ここで、ホック鋲部とは、包装用資材として市販されているポリアセタール樹脂製或いはポリエチレン樹脂製等から形成され、特に二種以上の平板状の部材を表裏から挟み込み、部材の積層状態を維持することができるものである。なお、樹脂製のホック鋲部は、主に二つの部材から構成され、挟止めの際に双方を弾性変形させることによって挟止状態にするものである。そのため、ホック鋲部による挟止状態を解除することは、再び双方を弾性変形させる必要があり、一般的に手では容易に解除することができない。そのため、係る樹脂製のホック鋲部を商品パッケージに採用することにより、店舗に陳列された商品を商品パッケージからカッターやハサミ等の切断工具をしないで取出すことが困難となる。そのため、悪意者による不正な商品の取出し及び傷害等の犯罪事件等に商品を利用する可能性が低くなる。なお、パッケージ本体部、蓋部、及び延出部を形成する素材は、特に限定されないが、立体的な筺体状の商品パッケージを折畳んで形成するために、ポリエチレンテレフタレート樹脂のような樹脂製のシート部材、或いは紙素材からなるものを用いることが好適である。なお、収納された商品を視認しやすくするために、樹脂製のシート部材の場合は、透明性状を呈する素材を用いるものが特に好適である。
【0012】
さらに、本発明の商品パッケージによれば、挿軸部に取設された軸頭部を有するオス鋲部と、挿軸部に嵌合されるメス鋲部とによって曲折部及びパッケージ後面部の当接状態が保持される。さらに、本発明に使用されるホック鋲部は、メス鋲部の嵌合方向とは逆方向への移動を規制する解除禁止手段が設けられている。すなわち、弾性変形によって嵌合されたメス鋲部は、再び弾性変形させたとしても嵌合を解除することができない仕掛けが施されている。例えば、軸径が縮径した凹溝部の溝壁部分をメス鋲部の嵌合方向に若干傾斜させる構成とすることにより、嵌合方向と逆方向への移動が規制され、一度、凹溝部に嵌合されたメス鋲部は、かかる嵌合状態を容易に解除することができなくなる。すなわち、解除が禁止されることとなる。その結果、一度、凹溝部と嵌合した第二挟止部は二度と元に戻らなくなり、係る部位をハサミ等の切断工具で切断するしかない。すなわち、ホック鋲部によって曲折部及び延出部が当接状態にされたものは、該ホック鋲部を破壊しないかぎり、係る当接状態を解除することができない。そのため、店舗内等で商品を取出すことができる可能性が低くなる。
【0013】
さらに、本発明の商品パッケージは、上記構成に加え、「前記パッケージ後面部及び前記曲折部の間に手指が挿入されることを防止する手指挿入防止部を」具備するものであっても構わない。
【0014】
したがって、本発明の商品パッケージによれば、ホック鋲部によって当接されたパッケージ後面部及び曲折部の間に手指を挿入し、当接状態を解除しようとする動作を防ぐ手指挿入防止部が設けられている。ここで、具体的に説明すると、手指挿入防止部は、例えば、商品パッケージを形成する際に、商品パッケージを構成する樹脂製のシート部材を利用し、パッケージ後面部及び曲折部の互いの辺縁をシート部材によって被覆するものや、シート部材を折返すことにより、収納本体部及び基台部の辺縁が係る折返された部位で構成されるようにすることが想定される。
【0015】
さらに、本発明の商品パッケージは、上記構成に加え、「前記パッケージ本体部及び前記蓋部は、一枚の樹脂製のシート部材から形成されている」ものであっても構わない。
【0016】
したがって、本発明の商品パッケージによれば、一枚のシート部材を利用し、予め指定された折曲線に従って折曲げることにより、立体的な商品収納部を有する商品パッケージを構築することが可能となる。
【0017】
さらに、本発明の商品パッケージは、上記構成に加え、「前記商品収納部に収納される前記商品は、刃物類及び工具類の少なくともいずれか一方である」ものであっても構わない。
【0018】
したがって、本発明の商品パッケージによれば、ホック鋲部によって蓋部の曲折部とパッケージ後面部との当接状態が強固に保持されるため、手などによって容易に商品収納部から商品を取出すことができない。特に、包丁、カッター、のこぎり、ハサミ等の刃物類、或いはドリル刃、ドライバー、ノミ、キリ等の工具類を商品として本発明の商品パッケージに収納することにより、店舗内等における傷害事件に該商品が使用される可能性が低くなる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の効果として、樹脂製のホック鋲部を利用し、パッケージ前面部及びパッケージ後面部を貫通し、商品収納部の内部で曲折部の移動を規制することができる。特に、オス鋲部及びメス鋲部からなるホック鋲部は、一度嵌合されると、手では簡単に嵌合状態を解除することができなくなるため、商品収納部からの商品の取出しを防止することができる。その結果、店舗内における包丁等の刃物類或いは工具類を利用した傷害事件等の発生を未然に防止することが可能となる。加えて、商品パッケージに収納されたままの商品は、比較的嵩張るため、万引き等の不正行為を抑止することも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態である商品パッケージ1について、図1乃至図3に基づいて説明する。ここで、図1は本実施形態の商品パッケージの構成を示す正面図であり、図2は商品パッケージ1の構成を示す右側面図であり、図3は商品パッケージ1の構成を示す要部拡大断面図である。ここで、本実施形態の商品パッケージ1は、商品収納部3に商品として包丁4を収納するものとし、ホームセンター等の店舗内で陳列されるケースについて説明を行うものとする。
【0021】
本実施形態の商品パッケージ1は、図1乃至図3に示すように、全体が筐体状に形成されている。そして、包丁4を収納する商品収納部3を有するパッケージ本体部2と、パッケージ本体部2の上部取出口5を閉塞する上部閉塞部6の一端からパッケージ本体部2の方向に曲折された上部曲折部7を有する上蓋部8と、パッケージ本体部2の下部取出口13を閉塞する閉塞する下部閉塞部14の一端からパッケージ本体部2の方向に曲折された下部曲折部15を有する下蓋部16と、パッケージ本体部2のパッケージ前面部9、パッケージ後面部10、及び上部曲折部7又は下部曲折部15を貫通する挿軸部11を有する計4つの上部ホック鋲部12a及び下部ホック鋲部12bを具備して主に構成されている。
【0022】
さらに、詳細に説明すると、パッケージ本体部2のパッケージ前面部9及びパッケージ後面部10には、互いに相対するように、第二貫通孔19が穿設されている。一方、上蓋部8の上部曲折部7及び下部蓋部16の下部曲折部15には、パッケージ後面部10と当接した際に第二貫通孔18と相対する位置に第一貫通孔20が穿設されている。そして、係る第一貫通孔20及び第二貫通孔19を貫き通すようにホック鋲部12a等の挿軸部11が挿入されている。すなわち、この挿軸部11はパッケージ本体部2の厚さ、換言すれば、商品パッケージ1のパッケージ厚さよりも僅かに長く、パッケージ後面部10から一部が突出した状態となっている。なお、挿軸部11の一端には軸頭部25が設けられ、オス鋲部22が形成されている。一方、挿軸部11に嵌合可能にメス鋲部23が設けられている。
【0023】
ここで、ホック鋲部12a等についてさらに詳細に説明すると、図3に示すように、第一貫通孔20及び第二貫通孔19よりも小さい狭径の軸端24を有し、軸端24から僅かにテーパー状に形成された挿軸部11、及び挿軸部11の他端(軸端24と相対する端に相当)に取設された略円板状の軸頭部25を有するオス鋲部22と、挿軸部11の軸径よりも小さいリング口径26を有し、弾性変形によって挿軸部11に嵌合される円環状(リング状)のメス鋲部23とによって主に構成されている。ここで、挿軸部11及び軸頭部25のオス鋲部22、及びメス鋲部23は、いずれもポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などの応力に対して比較的強い力学的特性を有する樹脂によって形成されている。そして、挿軸部11及び軸頭部25のオス鋲部22は、金型によって一体化して成形され、一方、メス鋲部23はオス鋲部22に対して独立して成型されている。すなわち、ホック鋲部12a等は、それぞれ二つの部材によって構成されている。
【0024】
さらに、挿軸部11は、先端近傍が軸端24よりも縮径した凹溝部21を有して構成されている。さらに、軸端24から凹溝部21に向かうに従って軸径が拡開するようにテーパ状に形成され、さらに凹溝部21の溝壁27はメス鋲部12a等の嵌合方向に向かって僅かに傾斜して形成されている(図示しない)。ここで、上部閉塞部6及び下部閉塞部14が本発明の閉塞部に相当し、上部曲折部7及び下部曲折部15が本発明の曲折部に相当し、上蓋部8及び下蓋部16が本発明の蓋部に相当し、軸端24がテーパ形状に形成された挿軸部11及び凹溝部21の溝壁が本発明における解除禁止手段に相当する。
【0025】
ここで、パッケージ本体部2、上蓋部8及び下蓋部16は、ポリエチレンテレフタレート樹脂をシート状にした一枚の透明の部材によって構成されている。そして、これを予め規定した折曲線に沿って90°ずつ折曲げることにより、立体的な筺形状のパッケージ本体部2を有する商品パッケージ1を構成することができる。なお、係る組み立て作業を行う前に包丁4を予め商品収納部3に相当する箇所に収納しておく必要があることは当然のことである。
【0026】
そして、折曲線に沿って所定方向に曲折した後に、上部曲折部7の第一貫通孔20とパッケージ前面部9及びパッケージ後面部10の第二貫通孔19の位置を合わせ、さらにオス鋲部22と取設した挿軸部11を軸端24から係る第一貫通孔20及び第二貫通孔19に挿入する。これにより、挿軸部11によって上部曲折部7及びパッケージ後面部10が互いに横方向に移動する動きが規制される。そして、貫通孔19,20に挿入された挿軸部11の軸端24にメス鋲部23の内径部を合わせ、上部曲折部7をパッケージ前面部9及びパッケージ後面部10で挟込むようにして軸端24から凹溝部21に向かう嵌合方向に力を加える。ここで、メス鋲部23の内径部は、軸端24によりも狭径に形成されているため、上記操作を行うことにより、樹脂製のメス鋲部23は弾性変形し、徐々にそのリング孔径を拡げながら凹溝部21まで到達する。このとき、軸端20はテーパ形状に形成されているため、係る操作はさらに行い易くなる。
【0027】
その後、メス鋲部23は、軸端24よりも縮径した凹溝部21に到達すると、弾性復帰し、元のリング孔径に戻る。その結果、メス鋲部23が挿軸部11に嵌合することとなる。このとき、オス鋲部22の軸頭部25及びメス鋲部23は、いずれも貫通孔19,20の孔径よりも大きな径の円板体として形成されているため、ホック鋲部12a等によって上部曲折部7とパッケージ後面部10との当接状態が保持される。加えて、メス鋲部23の嵌合を解除しようとしても凹溝部21の溝壁27、すなわち、軸径が変化する箇所でメス鋲部23の内径部が引っ掛かるため、嵌合方向に傾斜した溝壁27を乗り越えて挿軸部11から外れることができない。また、リング孔径を拡径しようとすることも困難である。したがって、一度、嵌合状態になったホック鋲部12a等を再び元の構成部材に戻すことは不可能である。そのため、上述した当接状態が継続して保持される。すなわち、ホック鋲部12a等を破壊しない限り、掛かる保持を解除することができない。さらに、残りの3カ所に対して、上記と同様の操作を行うことにより、商品(包丁4)を商品収納部3に収容した状態で商品パッケージ1が完成する。
【0028】
以上説明したように、本実施形態の商品パッケージ1は、第二貫通孔19がパッケージ前面部9及びパッケージ後面部10に設けられ、商品パッケージ1の商品収納部3を貫くようにしてホック鋲部12a等が取付けられているものである。これにより、ホック鋲部12a等の挿軸部11とメス鋲部23とが弾性変形によって嵌合し、手では係る嵌合が容易に解除することができなくなる。そのため、店舗等で陳列された場合でも不正に商品の取出がなされる可能性を軽減することができる。その結果、店舗内の商品を使用した傷害事件等の発生、或いは万引き等の犯罪行為を抑止することができる。なお、本実施形態の商品パッケージ1は、筐体状の包装に適した商品に特に有効であるが、当然のことながら、従来のように店舗に吊下げて陳列されるような場合には、通常の吊下タイプの包装のように吊下孔を有する延出部を設けるものであってももちろん構わない。
【0029】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0030】
すなわち、本発明の商品パッケージ1において、その他の構成として、ホック鋲部によって当接されたパッケージ後面部及び曲折部の間に手指を挿入し、当接状態を解除しようとする動作を防ぐ手指挿入防止部が設けられたものであっても構わない。これにより、例えば、樹脂製のシート部材を利用して商品パッケージを構成する際、パッケージ後面部及び曲折部の互いの辺縁をシート部材によって被覆するものや、シート部材を折返すことにより、収納本体部及び基台部の辺縁が係る折返された部位で構成されるようにするものが挙げられる。
【0031】
また、本実施形態の商品パッケージ1において、商品収納部3に収納される商品として、包丁4を例示したが、もちろんこれに限定されるものではない。すなわち、店舗等に陳列した際に、不正に商品を取出し、店舗内で買い物客を傷つける等の可能性の高いナイフ、カッター、ハサミ等の刃物類、或いはノコギリ、キリ、ドリル、及びドライバー等の工具類、カマ等の農機具類等に対して適用することが可能となる。この場合、個々の商品のサイズ及び形状に合わせて商品パッケージを任意のサイズ等にすることは当然である。
【0032】
さらに、上記刃物類や工具類等以外にも、市場に流通している全ての商品に対して適用することも可能である。これにより、商品を取出し、比較的嵩を低くした状態でカバンの中に入れる万引き等の犯罪行為を未然に防ぐこともできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本実施形態の商品パッケージの構成を示す正面図である。
【図2】商品パッケージの構成を示す右側面図である。
【図3】商品パッケージの構成を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 商品パッケージ
2 パッケージ本体部
3 商品収納部
4 包丁(商品)
5 上部取出口
6 上部閉塞部
7 上部曲折部
8 上蓋部
9 パッケージ前面部
10 パッケージ後面部
11 挿軸部
12a 上部ホック鋲部
12b 下部ホック鋲部
13 下部取出口
14 下部閉塞部
15 下部曲折部
16 下蓋部
19 第二貫通孔
20 第一貫通孔
21 軸頭部
22 オス鋲部
23 メス鋲部
24 軸端
25 軸頭部
26 リング口径
27 溝壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の収納される略筐体状の商品収納部、及びパッケージ前面部及び前記パッケージ後面部を貫設する一対の第二貫通孔を有するパッケージ本体部と、
前記パッケージ本体部の商品取出口を閉塞する閉塞部、及び前記閉塞部の一端から前記パッケージ本体部の内側に曲折され、前記パッケージ後面部に設けられた前記第二貫通孔と相対する第一貫通孔が穿設された曲折部を有する蓋部と、
互いに相対して位置する前記第一貫通孔及び前記第二貫通孔に挿入され、互いに相対して位置する前記第一貫通孔及び前記パッケージ後面部の前記第二貫通孔に前記商品収納部の一部を貫通して挿入され、軸先端径よりも縮径した凹溝部を有する挿軸部、前記挿軸部の一端に取設され、前記第一貫通孔及び前記第二貫通孔よりも少なくとも一部が狭径のリング孔径を有し、弾性変形によって前記挿軸部の前記凹溝部に嵌合されるリング状のメス鋲部、及び前記凹溝部に嵌合された前記メス鋲部の嵌合方向と逆方向への移動を規制し、嵌合状態の解除を禁止する解除禁止手段を備え、前記パッケージ前面部及び前記パッケージ後面部の間で前記曲折部の移動を禁止する樹脂製のホック鋲部と
を具備することを特徴とする商品パッケージ。
【請求項2】
前記パッケージ後面部及び前記曲折部の間に手指が挿入されることを防止する手指挿入防止部をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の商品パッケージ。
【請求項3】
前記パッケージ本体部及び前記蓋部は、
一枚の樹脂製のシート部材から形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の商品パッケージ。
【請求項4】
前記商品収納部に収納される前記商品は、
刃物類及び工具類の少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の商品パッケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−198591(P2007−198591A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−339403(P2006−339403)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【分割の表示】特願2006−13338(P2006−13338)の分割
【原出願日】平成18年1月23日(2006.1.23)
【出願人】(306001426)三誠紙工株式会社 (2)
【Fターム(参考)】