説明

商品処理システム

【課題】本発明の課題は、包装商品の過剰生産や包装フィルムの無駄使いなどを防止することができる商品処理システムを提供することにある。
【解決手段】本発明に係る商品処理システム1では、情報受信部65が、計量装置2の計量処理毎に、正常商品のカウント数Ncの情報を良品カウント装置90から受信する。正常商品の目標生産数Ntから包装経路内袋数Nbを差し引いた値に正常商品のカウント数が達すると、良品判定装置5が包装商品Bを不良品と判定する度に、都度計量処理実行機能により計量装置に対して計量処理が一回だけ実行させられる。そして、正常商品のカウント数が正常商品の目標生産数に達すると、停止機能により少なくとも計量装置および製袋包装装置3が停止させられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品処理システム、特に計量装置、製袋包装装置および検査装置などが相互に連動して動作する商品処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
過去に「中央制御装置により計量装置、製袋包装装置および検査装置など、複数の商品処理装置を連動制御する商品処理システム」が提案されている(たとえば、特開2001−101303号公報、特開2006−131267号公報、特開2006−131269号公報など参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、このような商品処理システムでは、通常、不良品発生対策のため余分に包装商品が製造される。また、このような商品処理システムでは、高速で包装商品が製造される場合、生産終了間際にシステム停止を行っても計量装置や製袋包装装置などが完全停止するまでには多少の時間が必要がとなり、その結果、包装商品が余分に生産されることになってしまう。このため、このような商品処理システムでは、包装商品の過剰生産や包装フィルムの無駄使いなどが問題視されている。
本発明の課題は、包装商品の過剰生産や包装フィルムの無駄使いなどを防止することができる商品処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1発明に係る商品処理システムは、計量装置、製袋包装装置、良品判定装置、良品カウント装置、情報記憶装置および制御装置を備える。計量装置は、商品を所定量はかり取って排出する。なお、ここにいう「量」には、重量および数量の両方が含まれる。製袋包装装置は、袋を製造し、計量装置が排出する所定量の商品を袋に包装して包装商品を生成する。良品判定装置は、包装商品が良品であるか不良品であるかを判定する。良品カウント装置は、良品判定装置において良品と判定された包装商品(以下「正常商品」という)の数をカウントする。情報記憶装置には、正常商品の目標生産数の情報が記憶される。なお、正常商品の目標生産数は、ユーザによって入力されるようにしておいてもかまわない。制御装置は、情報受信部、都度計量処理実行機能および停止機能を有する。情報受信部は、計量装置の計量処理毎に、正常商品のカウント数の情報を良品カウント装置から受信する。正常商品の目標生産数から包装経路内袋数(製袋包装装置から良品判定装置の入口までに存在する包装商品の数)を差し引いた値(以下「生産能力変更指標値」という)に正常商品のカウント数が達すると、良品判定装置が包装商品を不良品と判定する度に、都度計量処理実行機能により計量装置に対して計量処理が一回だけ実行させられる。なお、包装経路内袋数は、ユーザによって入力されるようにしておいてもかまわないし、カウンター装置によりカウントされるようにしてもかまわない。また、正常商品の目標生産数および包装経路内袋数が固定値である場合にはユーザが生産能力変更指標値を計算することが可能なため、生産能力変更指標値がユーザによって入力されるようにしておいてもかまわない。正常商品のカウント数が正常商品の目標生産数に達すると、停止機能により少なくとも計量装置および製袋包装装置が停止させられる。
このため、この商品処理システムでは、正常商品の過剰生産を回避することができ、ひいては包装フィルムの無駄使いなどを防止することができる。
【0005】
第2発明に係る商品処理システムは、第1発明に係る商品処理システムであって、制御装置は、運転能力低下実行機能をさらに有する。正常商品のカウント数が生産能力変更指標値に達すると、運転能力低下実行機能により計量装置の運転能力が低下させられる。
このため、この商品処理システムでは、生産終了間際における不良商品の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の実施の形態に係る商品処理システム全体の斜視図である。
【図2】カバー類などを脱着した状態の商品処理システムの側面図である。
【図3】組合せ計量装置の外観斜視図である。
【図4】組合せ計量装置のA−A断面図である。
【図5】組合せ計量装置の制御ブロック図である。
【図6】横シール機構の正面図である。
【図7】横シール機構の平面図である。
【図8】横方向駆動機構の外観斜視図である。
【図9】横シール機構、回転ブラシ機構、シュートコンベアの位置関係を示す図である。
【図10】包装商品を搬送する際におけるシュートコンベアの状態を示す図である。
【図11】非正常な袋を系外に排出する際におけるシュートコンベアの状態を示す図である。
【図12】製袋包装装置の制御ブロック図である。
【図13】シールチェッカの制御ブロック図である。
【図14】重量チェッカの制御ブロック図である。
【図15】第1操作盤の内部構造および外部接続状態を表す図である。
【図16】自動全停止モジュールにより生産能力変更指標値が算出されるまでの流れを表すフローチャートである。
【図17】自動全停止モジュールにより正常な包装商品の生産量調整がなされる流れを表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施の形態に係る商品処理システム1は、図1および図2に示されるように、主に、組合せ計量装置2、製袋包装装置3、シールチェッカ4、重量チェッカ5、第1操作盤6および第2操作盤7から構成されている。以下、商品処理システム1の構成について詳述する。
<商品処理システムの構成>
(1)組合せ計量装置
【0008】
組合せ計量装置2は、図3、図4および図5に示されるように、主に、分散フィーダ22、放射フィーダ23、プールホッパ24、計量ホッパ25、集合排出シュート26および計量制御部21から構成されている。なお、放射フィーダ23、プールホッパ24、計量ホッパ25は、それぞれ円形に配置されている。また、以下、関連する放射フィーダ23、プールホッパ24および計量ホッパ25をまとめてヘッドと称する。
【0009】
分散フィーダ22は、扁平な円錐テーブル状の部材である。分散フィーダ22には、分散フィーダ22の上方に備えられる供給コンベア9から被計量物(例えば、ポテトチップススやあめ玉など)が供給される。分散フィーダ22は、その下部に有する電磁石(図示せず)により振動し、上面に供給された被計量物を周方向に分散させながら径方向に搬送し、放射フィーダ23に被計量物を供給する。
【0010】
放射フィーダ23は、ステンレス鋼板を折り曲げて成形した板金製の部材であり、分散フィーダ22の周囲に配置されている。放射フィーダ23は、その下部に有する電磁石(図示せず)により振動し、被計量物を径方向に搬送し、同一のヘッドにあるプールホッパ24に被計量物を供給する。なお、各放射フィーダ23の搬送能力は、電磁石の振動振幅および振動時間により調整される。これにより、各プールホッパ24に保持される被計量物の重量が既定の範囲内になるように制御される。
【0011】
プールホッパ24は、各放射フィーダ23の先端部下方に配置されており、放射フィーダ23から供給された被計量物を一時的に貯め込む。また、このプールホッパ24は、計量制御部21(後述)の指示により下部に設けられているゲート24aを開け、同一のヘッドにある計量ホッパ25に被計量物を供給する。
計量ホッパ25は、各プールホッパ24の直下に配置されており、プールホッパ24から供給された被計量物の重量をロードセル28(図5参照)により計量する。また、この計量ホッパ25は、計量制御部21(後述)の指示により下部に設けられているゲート25aを開けることにより被計量物を集合排出シュート26に排出する。
【0012】
ロードセル28は、各計量ホッパ25に保持される被計量物を計量する重量計測器である。そして、このロードセル28は、被計量物の計量結果である計量信号を計量制御部21(後述)へと送信する。
集合排出シュート26は、計量ホッパ25から排出される被計量物を下方に集合させて排出するための部材である。
計量制御部21は、組合せ計量装置2を制御する。計量制御部21は、主に、被計量物の組合せ計量を対象とした制御などを行う。この計量制御部21は、図5に示されるように、分散フィーダ22、放射フィーダ23、プールホッパ24、計量ホッパ25、ロードセル28、第1操作盤6および第2操作盤7に接続されている。また、この計量制御部21は、図5に示されるように、主に、CPU211、ROM(Read Only Memory)212、RAM(Random Access
Memory)213、EEPROM(図示せず)および通信回路(図示せず)から構成されている。そして、これらのデバイス211,212,213は、アドレスバスやデータバス等のバスラインを介して相互に接続されている。ROM212には、各部22,23,24,25を制御するための制御プログラムが格納されている。CPU211は、ROM212に格納される制御プログラムを実行するとともに必要な制御データをRAM213から読み出して各部22,23,24,25の制御を行う。また、このCPU211は、ロードセル28からRAM213に書き込まれる計量データを基準値と比較し、計量データが基準値を超過した場合、オーバースケールエラーが発生したと判断し、オーバースケールエラー識別信号を発信する。EEPROMは、一定の電圧を印加することにより書き換え可能になるROMであって、後述する予約番号等の各種設定値などを格納する。また、この計量制御部21は、各操作盤6,7のタッチパネル61,71において入力された設定値や上下限値などをRAM213やEEPROMに記憶したり、各部22,23,24,25,28から得られる情報を操作盤6,7に送信したりする。また、この計量制御部21は、計量処理が完了する度に、第1操作盤6を介して計量完了信号を重量チェッカ制御部51に送信する。また、この計量制御部21は、第1操作盤6から計量処理能力低下信号Sd(後述)を受信すると、各部22,23,24,25の運転能力を低下させる。また、この計量制御部21は、第1操作盤6から一回計量処理実行信号Sp(後述)を受信する度に、一回だけ計量処理を実行する。また、この計量制御部21は、第1操作盤6から完全停止信号Stを受信すると、各部22,23,24,25の運転を停止させる。
(2)製袋包装装置
製袋包装装置3は、図2に示されるように、主に、縦型の製袋包装部32、フィルム供給部33、回転ブラシ機構34、シュートコンベア35、搬送コンベア36、バーコードスキャナ37(図12参照)および包装制御部31から構成されている。以下、製袋包装装置3の構成について詳述する。なお、以下、製袋包装装置3において包装された被計量物Bを「包装商品」と称する。
(2−1)製袋包装部
製袋包装部32は、図2に示されるように、主に、成形機構321、プルダウンベルト機構322、縦シール機構323、横シール機構324および支持フレーム325から構成されており、組合せ計量装置2から排出された被計量物を袋詰めする役割を担う。
成形機構321は、図2に示されるように、チューブ321Aおよびフォーマー321Bを有しており、後述するフィルム供給部33からシート状で送られてくるフィルムFを筒状に成形する。チューブ321Aは、円筒形状の部材であり、上下端が開口している。また、このチューブ321Aは、平面的に天板38の中央近傍の開口部分に配置され、図示しないブラケットを介してフォーマー321Bと一体にされている。そして、このチューブ321Aの上端の開口部には、組合せ計量装置2から計量された被計量物が投入される。フォーマー321Bは、チューブ321Aを取り囲むように配置されている。なお、このフォーマー321Bは、フィルム供給部33から送られてきたシート状のフィルムFがフォーマー321Bとチューブ321Aとの間を通るときに筒状に成形されるような形状とされている。このフォーマー321Bも、図示しない支持部材を介して支持フレーム325に固定されている。また、成形機構321のチューブ321Aやフォーマー321Bは、製造する袋の幅寸法に応じて取り替えることができるようにされている。そのため、成形機構321は、支持フレーム325に対し着脱自在に構成されている。
プルダウンベルト機構322と縦シール機構323とは、天板38から吊り下げられているレール39に支持されており、チューブ321Aを両側から挟むように配置されている。これらの機構322,323は、チューブ321Aが取り付けられるときに、レール39に沿って移動して位置合わせされる。プルダウンベルト機構322は、チューブ321Aに巻き付いた筒状フィルムFを吸着して下方に搬送する機構であり、主として、駆動ローラ322A、従動ローラ322Bおよび吸着機能を有するベルト322Cから構成されている。縦シール機構323は、チューブ321Aに巻き付いている筒状フィルムの重なり部分を、一定の加圧力でチューブ321Aに押しつけながら加熱して、縦にシールする機構である。この縦シール機構323は、主に、ヒータ323A(図12参照)や、ヒータにより加熱され筒状フィルムの重なり部分に接触するヒータベルト等から構成されている。
横シール機構324は、成形機構321、プルダウンベルト機構322および縦シール機構323の下方に配置され、支持フレーム325に支持されている。この横シール機構324は、図6および図7に示されるように、主に、左右のシールジョー移動ユニット324a,324bから構成されている。これらのシールジョー移動ユニット324a,324bは、それぞれ、2つのシールジョー371,372をD字状に旋回させながら、筒状フィルムを横シールするときに両ユニット324a,324bの一対のシールジョー371又はシールジョー372を押しつけ合わせる役目を担う。以下、図6および図7において、筒状フィルムFの左側に位置するものを第1シールジョー移動ユニット324a、右側に位置するものを第2シールジョー移動ユニット324bと呼ぶ。なお、筒状フィルムFは、両シールジョー移動ユニット324a,324bを区切る面C0に沿って、面C0が筒状フィルムFの幅方向中心となるような状態で下方に搬送される。
【0013】
シールジョー移動ユニット324a,324bはともにシールジョー371,372を有しているが、シールジョー371の駆動モータとシールジョー372の駆動モータとは異なっている。シールジョー371は、駆動モータ373によって軸C1,C2を中心に回転する。すなわち、第1シールジョー移動ユニット324aのシールジョー371は軸C1を中心として回転し、第2シールジョー移動ユニット324bのシールジョー371は軸C2を中心として回転する。一方、シールジョー372は、駆動モータ374によって軸C1,C2を中心に回転する。すなわち、第1シールジョー移動ユニット324aのシールジョー372は軸C1を中心として回転し、第2シールジョー移動ユニット324bのシールジョー372は軸C2を中心として回転する。
【0014】
駆動モータ373が回転されると、ギア373b,373cが回転し、シュミットカップリング375を介してシールジョー移動ユニット324a,324bの旋回中心C1,C2と同軸の旋回軸94,96に回転動力が伝わる。そして、旋回軸94にはレバー373dの一端が固定され、旋回軸96にはレバー373fの一端が固定されているため、各レバー373d,373fが旋回中心C1,C2の周りを回転することになる。
【0015】
一方、駆動モータ374が回転されると、ギア374b,374cが回転し、シュミットカップリング376を介してシールジョー移動ユニット324a,324bの旋回中心C1,C2と同軸の旋回軸95,97に回転動力が伝わる。そして、旋回軸95にはレバー374dの一端が固定され、旋回軸97にはレバー374fの一端が固定されているため、各レバー374d,374fが旋回中心C1,C2の周りを回転することになる。
【0016】
第1シールジョー移動ユニット324aのシールジョー371は、一端がレバー373dの先端に支持され、他端がレバー373eの先端に支持されている。レバー373eは、旋回中心C1を中心として回転する部材であり、旋回軸95に相対回転可能に支持されている。
【0017】
第2シールジョー移動ユニット324bのシールジョー371は、一端がレバー373fの先端に支持され、他端がレバー373gの先端に支持されている。レバー373gは、旋回中心C2を中心として回転する部材であり、旋回軸97に相対回転可能に支持されている。
【0018】
第1シールジョー移動ユニット324aのシールジョー372は、一端がレバー374dの先端に支持され、他端がレバー374eの先端に支持されている。レバー374eは、旋回中心C1を中心として回転する部材であり、旋回軸94に相対回転可能に支持されている。
【0019】
第2シールジョー移動ユニット324bのシールジョー372は、一端がレバー374fの先端に支持され、他端がレバー374gの先端に支持されている。レバー374gは、旋回中心C2を中心として回転する部材であり、旋回軸96に相対回転可能に支持されている。
各シールジョー371,372は、図7の垂直方向に筒状フィルムFの寸法より長く延びて形成された部材であり、内部にヒータ324A,324B(図12参照)を有している。そして、このヒータ324A,324Bによってシールジョー371,372のシール面が加熱される。そして、筒状フィルムFの一部が左右のシールジョー371,372によって挟み込まれると、その加熱部分が熱シールされるようになっている。なお、このヒータ324A,324Bは、待機状態(シール面が空気に接している状態)におけるシール面の温度と、運転状態(シール面がフィルムFに接している状態)におけるシール面の温度とがほぼ同一になるように温度制御される。具体的には、待機状態のヒータ制御目標値が運転状態のヒータ制御目標値よりも低く設定される。なお、これらのヒータ制御目標値は、シールジョー371,372の動作速度やフィルムFの厚み等に依存するため、これらの因子が変化する場合は再調整が必要となる。また、商品等が変更される度に上記ヒータ制御目標値を記憶させておくのが好ましい。また、この製袋包装装置3が待機状態であるか運転状態であるかは、組合せ計量装置2から送信される計量完了信号や排出完了信号などに基づいて判定される。
【0020】
なお、シュミットカップリング375,376は、リンクにより結合されている3枚の円板から構成されており、入力軸の回転を出力軸に伝達する軸継手である。これらのシュミットカップリング375,376は、平面的に固定されている入力軸に対して出力軸が平面的に移動して両者の軸芯距離が変わった場合にも、入力軸の回転を出力軸に伝えることができるものである。
また、旋回軸94,95,96,97は、それぞれ、水平移動板381a,382a,381b,382bに軸支されている。これらの水平移動板381a,382a,381b,382bは、図8等に示される横方向駆動機構385によって水平移動する。なお、水平移動板381a,382aは互いに同じ動きをする。また、水平移動板381b,382bは互いに同じ動きをする。ここでは、水平移動板381a,381bを例にとって横方向駆動機構385の説明を行う。図8に示されるように、横方向駆動機構385は、水平移動板381a,381bを互いに近接又は離反させるための駆動機構75を有するとともに、水平移動板381a,381bを水平方向にスライド自在に支持するガイド部やガイドレールを有している。
駆動機構75は、主に、サーボモータ80(図6参照)によって回転するボールねじ80a、ボールねじ80aに螺合する第1および第2ナット部材81,82、ボールねじ80aと水平方向で直交するように設けられた第1および第2連結ロッド83,84、移動方向に沿って設けられた1対の第3連結ロッド85、第3連結ロッド85と平行に設けられた第4連結ロッド86から構成されている。
【0021】
第1連結ロッド83は継手87を介して1対の第3連結ロッド85に連結されており、1対の第3連結ロッド85の先端は水平移動板381bの側端面に固定されている。なお、1対の第3連結ロッド85は、水平移動板381aをスライド自在に貫通している。また、第2連結ロッド84は継手88を介して第4連結ロッド86に連結されており、第4連結ロッド86の先端は水平移動板381aの側端面に固定されている。
【0022】
そして、ボールねじ80aにおいて、第1ナット部材81が螺合する部分と、第2ナット部材82が螺合する部分とは、互いに逆ねじになっている。このような駆動機構75によってボールねじ80aが回転させられることにより、水平移動板381a,381bを互いに近接させたり、離反させたりすることが可能となる。
(2−2)フィルム供給部
【0023】
フィルム供給部33は、本実施形態では製袋包装部32に隣接して設けられており、製袋包装部32の成形機構321にシート状のフィルムFを供給する役割を担う。このフィルム供給部33にはフィルムFが巻かれたロールがセットされ、このロールからフィルムFが繰り出される。
(2−3)回転ブラシ機構
回転ブラシ機構34は、横シール機構324における包装商品Bの排出位置の直下であって、横シール機構324とシュートコンベア35との間に配置されている。そして、この回転ブラシ機構34は、図9に示されるように、主に、ぞれぞれの回転軸を中心に回転する一対の回転ブラシ331a,331bと、回転ブラシ331a,331bを回転駆動させる駆動モータ332a,332bとから構成されている。
一対の回転ブラシ331a,331bは、図9に示されるように、各回転軸が水平になるように配置されている。そして、一対の回転ブラシ331a,331bは、横シール機構324において上端のシール部分から吊り下げられた状態で送られてくる包装商品Bを両側から挟み込んでシュートコンベア35の所定の位置へ搬送し包装商品Bをそのまま落下させる。また、この回転ブラシ331a,331bは、同じ大きさであって、そのブラシの先端部分が回転軸を中心として円軌道を描くように回転する。このため、包装商品Bが横シール機構324のシールジョー(図示せず)のいずれか一方にくっついて回転ブラシ331a,331bの間の中心部分に落下しない場合でも、回転ブラシ331a,331bは、頭頂部近傍から内側の範囲内であればその間に巻き込むようにして包装商品Bを両側から挟み込むことができる。なお、一対の回転ブラシ331a,331bは、包装商品Bが回転ブラシ機構33において滞留することのないように、製袋包装部32における包装商品Bの製造速度と同等の速度、あるいはそれよりも若干速い速度で回転する。さらに、一対の回転ブラシ331a,331bは、その間の隙間が包装商品Bの厚みよりもやや狭くなるように配置されている。また、回転ブラシ機構34には、包装商品Bの厚みに応じて回転ブラシ331a,331b間の距離を調整することができるように、調整機構333が設けられている。
【0024】
なお、回転ブラシ331a,331bは実際には回転軸を中心とする半径方向に向かって伸びるブラシ部分を有しているが、各図では便宜上、ブラシ部分は単なる円として示されている。このため、両回転ブラシ331a,331b間に挟まれるようにして搬送される包装商品Bは、このブラシ部分の弾性によって適度な圧力を両側から受けながらシュートコンベア35へ送られる。
【0025】
駆動モータ332a,332bは、回転ブラシ331a,331bをそれぞれ独立して回転駆動する。また、駆動モータ332a,332bは、包装制御部31に接続されており、包装制御部31によって製袋包装部32における運転速度に応じて回転速度が制御される。また、包装制御部31は、駆動モータ332a,332bを独立して制御することで、回転ブラシ331a,331bの個々の回転速度に差をつけて包装商品Bの搬送方向を調整することができる。
(2−4)シュートコンベア
シュートコンベア35は、図2に示されるように、横シール機構324における包装商品Bの排出位置であって回転ブラシ機構34の下方に配置されており、搬送面の角度が約30度に設置された状態で落下してくる包装商品Bを受け止めて下流側へと搬送する。また、シュートコンベア35は、図9に示されるように、主に、開閉可能なコンベア(以下、開閉コンベアという)351(図中の2点鎖線矢印参照)、回転ブラシ機構34から送り出される包装商品Bを搬送する無端状の平ベルト352、平ベルト352を内側から支持する駆動ローラ353、回転駆動力を発生させるモータ354等から構成されている。そして、このシュートコンベア35は、モータ354の回転駆動力がタイミングベルトを介して駆動ローラ353に伝達されて平ベルト352が回転させられることで、平ベルト352上に載置された包装商品Bを所望の方向へ搬送する。
開閉コンベア351は、図9〜図11に示される包装制御部31によって開閉状態を制御されており、閉状態では搬送コンベア36に対して包装商品Bを搬送し(図10参照)、開状態ではロングバッグB1(後述)等の非正常な包装商品Bをシステム系外に排出する(図11参照)。具体的には、包装制御部31は、通常運転中においては、図10に示されるように、開閉コンベア351を閉状態としており、包装商品Bを搬送コンベア36に対して搬送する。一方、図11に示されるように、包装商品Bよりも搬送方向における長さが大きい、いわゆるロングバッグB1が製袋包装部32の横シール機構324から排出される場合、包装制御部31は、開閉コンベア351を開状態とする。
(2−5)搬送コンベア
搬送コンベア36は、図2に示されるように、シュートコンベア35に対して排出された包装商品Bをシールチェッカ4まで搬送するためのコンベアである。この搬送コンベア36は、図2に示されるように、水平方向よりも斜め上方に向かって延びる搬送ラインであって、シールチェッカ4に対して包装商品Bを搬送する。
(2−6)バーコードスキャナ
【0026】
バーコードスキャナ37は、袋の原材料であるフィルムFに印刷されている複数のバーコードデータを連続的に読み取る装置である。なお、このバーコードスキャナ37は、RS232Cにより包装制御部31に接続されており、自身が読み取ったバーコードデータ(以下「監視バーコードデータ」という)を、包装制御部31から提供されるバーコードデータ(以下「基準バーコードデータ」という)と照合する。そして、監視バーコードデータが基準バーコードデータと一致しない場合、バーコードスキャナ37は、包装制御部31に対してバーコード不適正通知信号を送信する。そして、包装制御部31は、バーコードスキャナ37からバーコード不適正通知信号を受信すると、各部80,322C,322D,322E,323A,323B,324A,324B,332a,332b,354,355,373,374の運転を停止させる。
(2−7)包装制御部
包装制御部31は、図12に示されるように、駆動ローラ322Aの駆動モータ322C、従動ローラ322Bの駆動モータ322D、吸着機能を有するベルト322Cの駆動モータ322E、縦シール機構323のヒータ323A、ヒータベルトの駆動モータ323B、駆動モータ373,374、シールジョー324a,324bの内部ヒータ324A,324B、サーボモータ80、回転ブラシ331a,331bの駆動モータ332a,332b、駆動ローラ353のモータ354、開閉コンベア351の開閉駆動部355、温度センサ(図示せず)、バーコードスキャナ37、第1操作盤6および第2操作盤7に接続されている。また、この包装制御部31は、図12に示されるように、主に、CPU311、ROM312、RAM313、EEPROM(図示せず)および通信回路(図示せず)から構成されている。そして、これらのデバイス311,312,313は、アドレスバスやデータバス等のバスラインを介して相互に接続されている。ROM312には、各部37,80,322C,322D,322E,323A,323B,324A,324B,332a,332b,354,355,373,374を制御するための制御プログラムが格納されている。CPU311は、ROM312に格納される制御プログラムを実行するとともに必要な制御データをRAM313から読み出して、各部37,80,322C,322D,322E,323A,323B,324A,324B,332a,332b,354,355,373,374の制御(例えば、袋の生成スピードや包装商品Bの搬送スピード)を行う。また、このCPU311は、温度センサからRAM313に書き込まれる温度データに基づいてヒータ323A,324A,324Bの加熱温度を調節する。EEPROMは、一定の電圧を印加することにより書き換え可能になるROMであって、後述する予約番号等の各種設定値や、その予約番号に対応する商品用のバーコードデータ、バーコードスキャナテスト用バーコードデータなどを格納する。また、この包装制御部31は、各操作盤6,7のタッチパネル61,71において入力された設定値や上下限値などをRAM313やEEPROMに記憶したり、各部(温度センサ含む)80,322C,322D,322E,323A,323B,324A,324B,332a、332b、354,355,373,374から得られる情報を操作盤6,7に送信したりする。また、この包装制御部31は、第1操作盤6から完全停止信号Stを受信すると、各部80,322C,322D,322E,323A,323B,324A,324B,332a,332b,354,355,373,374の運転を停止させる。
(3)シールチェッカ
シールチェッカ4は、袋のシール不良を検査する装置であって、図2に示されるように、主に、包装商品Bを搬送する搬送ベルト45、包装商品Bを上から押さえる押え具42、押え具42を平行運動させる平行運動機構43、押え具42と平行運動機構43とを移動自在に接合するリンク44、リンク44の下端の回転中心に設けられる回転角検出器(例えば、ロータリーエンコーダ等)48(図13参照)およびシールチェッカ制御部41から構成されている。
搬送ベルト45は、駆動モータ47(図13参照)により回転駆動される回転駆動ロータ46により駆動される。
【0027】
押え具42は、リンク44を介して平行運動機構43に、所定の角度の範囲内において回転自在に取り付けられており、下部に包装商品Bが進入してくると、若干斜め上方に移動し、その後、押え具42の自重によって、包装商品Bの袋を押さえ付ける。
シールチェッカ制御部41は、図13に示されるように、駆動モータ47、平行運動機構43および回転角検出器48に接続されている。また、このシールチェッカ制御部41は、図13に示されるように、主に、CPU411、ROM412、RAM413、EEPROM(図示せず)、および通信回路(図示せず)から構成されている。そして、これらのデバイス411,412,413は、アドレスバスやデータバス等のバスラインを介して相互に接続されている。ROM412には、各部43,47を制御するための制御プログラムが格納されている。CPU411は、ROM412に格納される制御プログラムを実行するとともに必要な制御データをRAM413から読み出して、各部43,47の制御を行う。また、このCPU411は、回転角検出器48からRAM413に書き込まれるリンク44の回転角データを基準回転角と比較し、回転角データが基準回転角よりも小さい場合、シール不良信号を発信する。EEPROMは、一定の電圧を印加することにより書き換え可能になるROMであって、後述する予約番号等の各種設定値などを格納する。また、このシールチェッカ制御部41は、各操作盤6,7のタッチパネル61,71において入力された設定値や上下限値などをRAM413やEEPROMに記憶したり、各部43,47,48から得られる情報を操作盤6,7に送信したりする。また、このシールチェッカ制御部41は、第1操作盤6から完全停止信号Stを受信すると、各部43,47,48の運転を停止させる。
(4)重量チェッカ
重量チェッカ5は、包装商品Bの重量が規定値内に収まっているか否かを検査するための装置であって、主に、包装商品Bの重量を計量するロードセル58(図14参照)、ロードセル58の上部に支持される計量コンベヤ54、包装商品Bを搬送するための取込みコンベア52、包装商品Bに金属が混入されていないかを検査するための金属検出器59(図14参照)、非正常な包装商品Bを系外から排出するための振分レバー(図示せず)、正常な包装商品Bの個数をカウントするカウンター90(図14参照)および重量チェッカ制御部51から構成されている。
取込みコンベア52および計量コンベア54は、駆動モータ56,57により回転駆動される回転駆動ロータ53,55により駆動される。
【0028】
振分レバーは、駆動モータ60によって駆動され、正常な包装商品Bを正規のルートに搬送するパラレル状態と、非正常な包装商品Bを系外に排出するクロス状態とに切り換わる。
【0029】
カウンター90は、振分レバーにより系外に排出されなかった包装商品B、つまり正常な包装商品Bの個数をカウントする。なお、このカウンター90は、例えば、赤外線センサ等である。
重量チェッカ制御部51は、図14に示されるように、駆動モータ56,57、ロードセル58、金属検出器59、カウンター90および駆動モータ60に接続されている。また、この重量チェッカ制御部51は、図14に示されるように、主に、CPU511、ROM512、RAM513、EEPROM(図示せず)および通信回路(図示せず)等から構成されている。そして、これらのデバイス511,512,513は、アドレスバスやデータバス等のバスラインを介して相互に接続されている。ROM512には、駆動モータ56,57を制御するための制御プログラムが格納されている。CPU511は、ROM512に格納される制御プログラムを実行するとともに必要な制御データをRAM513から読み出して、駆動モータ56,57,60の制御を行う。また、このCPU511は、ロードセル58からRAM513に書き込まれる計量データが所定の許容値内に収まっているか否かを判断し、計量データが所定の許容値内にある場合、重量正常信号を第1操作盤6に送信し、計量データが所定の許容値内にない場合、重量不良信号Swを第1操作盤6に送信する。また、このCPU511は、金属検出器59からRAM513に書き込まれる金属検出データが所定の許容値内に収まっているか否かを判断し、金属検出データが所定の許容値内にある場合、金属無混入通知信号を第1操作盤6に送信し、金属検出データが所定の許容値内にない場合、金属混入通知信号Smを第1操作盤6に送信する。また、このCPU511は、計量制御部21から計量完了信号を受信する度に、カウンター90に対して正常な包装商品Bのカウントデータを要求して同データを受信し、同データを第1操作盤6に送信する。EEPROMは、一定の電圧を印加することにより書き換え可能になるROMであって、後述する予約番号等の各種設定値などを格納する。また、この重量チェッカ制御部51は、各操作盤6,7のタッチパネル61,71において入力された設定値や上下限値などをRAM513やEEPROMに記憶したり、各部56,57,58から得られる情報を操作盤6,7に送信したりする。また、この重量チェッカ制御部51は、第1操作盤6から完全停止信号Stを受信すると、各部56,57,58,59,60,90の運転を停止させる。
(5)操作盤
【0030】
本実施の形態に係る商品処理システム1では製袋包装装置3の位置に第1操作盤6が設けられ、重量チェッカ5の位置に第2操作盤7が設けられているが、これらの操作盤6,7は、全く同一のものである。したがって、ここでは、第1操作盤6についてのみ詳述することにする。
(5−1)第1操作盤の構成
第1操作盤6は、図15に示されるように、計量制御部21、包装制御部31、シールチェッカ制御部41および重量チェッカ制御部51とイーサーネット(登録商標)等のネットワーク回線を通じて通信接続される。また、この第1操作盤6は、図15に示されるように、主に、CPU62、メインメモリとしてのRAM63、補助記憶装置64(例えば、ハードディスクやコンパクトフラッシュ(登録商標)など)、タッチパネル61および通信インターフェイス65から構成されている。そして、これらのデバイス61,62,63,64は、バスライン等を介して相互に接続されている。補助記憶装置64には、商品処理システム1を管理するための管理プログラム64aや、予約設定データベース64b(後述)、各種データが格納されている。なお、ここで、管理プログラム64aは、Windows(登録商標)上で動作することが可能であり、主に、予約設定モジュール、予約選択モジュール、個別装置設定モジュール、情報加工モジュール、零点調整モジュール、全排出モジュール、チューブモジュール、ワンバッグモジュール、全スタートモジュール、自動全停止モジュール、電源投入モジュール、電源切断モジュール、品質管理モジュール、撮影モジュール、印刷モジュール、コピーモジュール、エラーログ表示モジュールおよびバーコードテストモジュール等のモジュールから構成されている。また、各種データとしては、例えば、正常な包装商品Bの目標生産数データDtや、包装経路内袋数データDw(製袋包装装置3から重量チェッカ5の入口までに存在する袋および包装商品Bの数のデータ)等が挙げられる。なお、この目標生産数データDtおよび包装経路内袋数データDwは、タッチパネル61を利用して設定することが可能となっている。CPU62は、管理プログラム64aを実行し、各制御部21,31,41,51を通じて商品処理システム1全体の制御を行ったり、各装置2,3,4,5の個別制御を行ったり、各装置2,3,4,5から送信されてくる種々のデータを加工してタッチパネル61に表示させたりする。RAM63は、補助記憶装置64から管理プログラム64aや予約番号データベース64bを適宜読み込み、CPU62に供給する。タッチパネル61は、操作者に対して種々の設定画面や情報提供画面を表示するとともに、操作者が画面上に表示されるコマンドボタンなどを指などで押す又は触れる(以下「選択する)という)ことによって種々の設定値などを入力することができる表示装置である。通信インターフェイス65は、各装置2,3,4,5の制御部21,31,41,51の通信回路とイーサーネット(登録商標)等のネットワーク回線を通じて接続されている。このため、第1操作盤6は、第1操作盤6において入力された設定値などを各制御部21,31,41,51に送信したり、逆に各制御部21,31,41,51から各種データを受信したりすることができる。
なお、以下、本発明の実施の形態に係る自動全停止モジュールおよびバーコードテストモジュールについて詳述する。
<自動全停止モジュール>
【0031】
正常な包装商品Bの目標生産数データDtおよび包装経路内袋数データDwが操作者によって設定され、それらのデータDt,Dwが補助記憶装置64に記憶されると(図16のステップS1参照)、CPU62が補助記憶装置64から正常な包装商品Bの目標生産数データDtおよび包装経路内袋数データDwを読み出し(図16のステップS2参照)、正常な包装商品Bの目標生産数Ntから包装経路内袋数Nbを差し引いて生産能力変更指標値Ndを算出する(図16のステップS3参照)。
【0032】
そして、包装商品Bの生産が開始されると、第1操作盤6が重量チェッカ制御部51から正常な包装商品BのカウントデータDcを受信する度に(図17のステップS11参照)、そのカウント数Ncが生産能力変更指標値Ndに達したか否かをCPU62が判定する(図17のステップS12参照)。
【0033】
カウント数Ncが生産能力変更指標値Ndに達した場合、CPU62は、計量制御部21に対して計量処理能力低下信号Sdを送信し、組合せ計量装置2の運転能力を低下させる(図17のステップ13参照)。なお、このとき、組合せ計量装置2は待機状態とされている。次いで、CPU62は、重量チェッカ5から重量不良信号Swまたは金属混入通知信号Smを受信する度に(図17のステップS14参照)、計量制御部21に対して一回計量処理実行信号Spを送信し、組合せ計量装置2に一回だけ計量処理を実行させる(図17のステップS15参照)。
【0034】
そして、カウント数Ncが目標生産数Ntに達すると(図17のステップS16参照)、CPU62は、計量制御部21および包装制御部31に完全停止信号Stを送信し、組合せ計量装置2および製袋包装装置3を停止させ(図17のステップS17参照)、所定時間経過後にシールチェッカ4および重量チェッカ5に完全停止信号Stを送信し、シールチェッカ4および重量チェッカ5を停止させる。
<バーコードテストモジュール>
【0035】
CPU62がタッチパネル61上に「バーコードスキャナテストキー(図示せず)」を表示する。そして、このバーコードテストキーが操作者によって押されると、先ず、CPU62が包装制御部31に対して停止信号を送信して製袋包装装置全体を停止させる。その後、CPU62は、包装制御部31に対してバーコードテスト開始指令信号を送信する。そして、包装制御部31は、バーコードテスト開始指令信号を受信すると、バーコードスキャナ37にバーコードスキャナテスト用バーコードデータを送信する。なお、このバーコードスキャナテスト用バーコードデータは、いずれの監視バーコードデータとも一致しないように作成されている。バーコードスキャナ37は、バーコードスキャナテスト用バーコードデータを受信すると、包装制御部31に対して包装処理開始指令信号を送信し、製袋包装装置3の運転を再開させる。その後、バーコードスキャナ37は、通常通り、バーコードデータを読み取り、監視バーコードデータをバーコードスキャナテスト用バーコードデータと照合する。そして、このバーコードスキャナ37は、監視バーコードデータがバーコードスキャナテスト用バーコードデータと一致しない場合、包装制御部31にバーコード不適正通知信号を送信し、監視バーコードデータがバーコードスキャナテスト用バーコードデータと一致する場合、包装制御部31にバーコード適正通知信号を送信する。そして、包装制御部31がバーコードスキャナ37からバーコード不適正通知信号を受信すると、包装制御部31は、バーコードスキャナ37が正常であると判断し、各部80,322C,322D,322E,323A,323B,324A,324B,332a,332b,354,355,373,374の運転を停止させる。その後、包装制御部31は、予約番号対応商品に対応する基準バーコードデータをバーコードスキャナ37に送信する。バーコードスキャナ37は、基準バーコードデータを受信すると、バーコードスキャナテスト用バーコードデータをその基準バーコードデータで上書き処理する。その後、バーコードスキャナ37は、包装制御部31に対して運転再開指令信号を送信する。包装制御部31は、運転再開指令信号を受信すると、各部80,322C,322D,322E,323A,323B,324A,324B,332a,332b,354,355,373,374の運転を再開させる。その一方、包装制御部31がバーコードスキャナ37からバーコード適正通知信号を受信すると、包装制御部31は、バーコードスキャナ37が異常であると判断し、第1操作盤6に対してスキャナ異常メッセージ表示指令信号を送信し、第1操作盤6に対してタッチパネル61上にスキャナ異常メッセージを表示させる。
<商品処理システムの特徴>
(1)
【0036】
本実施の形態に係る商品処理システム1では、正常な包装商品Bのカウント数Ncが生産能力変更指標値Ndに達すると、第1操作盤6から計量制御部21に対して計量処理能力低下信号Sdが送信され、組合せ計量装置2の運転能力が低下させられる。そして、その後、第1操作盤6は、重量チェッカ5から重量不良信号Swまたは金属混入通知信号Smを受信する度に計量制御部21に対して一回計量処理実行通知信号Smを送信し、組合せ計量装置2に一回だけ計量処理を実行させる。そして、正常な包装商品Bのカウント数Ncが目標生産数Ntに達すると、第1操作盤6は、計量制御部21および包装制御部31に完全停止信号Stを送信し、組合せ計量装置2および製袋包装装置3を停止させる。
【0037】
このため、この商品処理システム1では、生産終了間際における不良商品の発生を抑制することができると共に正常な包装商品Bの過剰生産を回避することができ、ひいてはフィルムFの無駄使いなどを防止することができる。
(2)
【0038】
本実施の形態に係る商品処理システム1では、横シール機構324において、待機状態におけるヒータ324A,324Bのシール面の温度と、運転状態におけるヒータ324A,324Bのシール面の温度とがほぼ同一になるようにヒータ324A,324Bが温度制御される。このため、製袋包装装置3が待機状態から運転状態に遷移した直後から所定時間内であっても適正温度でフィルムFのシール処理が行われ、製袋処理における外観不良品の発生を抑制することができる。また、上述したように、待機状態のヒータ制御目標値が運転状態のヒータ制御目標値よりも低く設定される。このため、待機状態では従来よりも消費エネルギーが少なくなる。したがって、この横シール機構324では省エネルギー効果を享受することができる。
【0039】
なお、従来通り、ヒータ324A,324Bのヒータ制御目標値が待機状態、運転状態にかかわらず一定であり、運転状態におけるシール面の温度がシール処理適正温度に設定されていると、待機状態におけるヒータ324A,324Bのシール面の温度が不適正に高くなる。なお、これは、待機状態ではヒータ324A,324B近傍に配置されている温度センサとシール面との間に自然放熱による温度勾配が生じており、運転状態ではシール面からフィルムFに熱が奪われた状態で熱平衡となり温度センサとシール面との間に待機状態よりも大きな温度勾配が生じることに起因する。そして、製袋包装装置3が待機状態から運転状態に遷移してもヒータ324A,324Bのシール面の温度変化は緩やかである。このため、待機状態から運転状態への遷移後から所定時間内に生産される袋は適正温度よりも高い温度でシール処理されて生産されることになり、それらの袋はちぢれ等の外観不良の品となってしまうという問題があった。
(3)
【0040】
先の実施の形態に係る商品処理システム1には、バーコードスキャナテスト用バーコードデータを利用してバーコードスキャナ37が正常に動作しているか否かを確認する機能が設けられている。このため、操作者はバーコードスキャナ37の異常を自発的に検知することができる。
<他の実施形態>
(A)
【0041】
先の実施の形態に係る商品処理システム1では包装経路内袋数Nbは操作者により設定されるものであったが、包装経路内袋数Nbは包装経路内にカウンターを設置することにより逐次カウントするようにしてもかまわない。
(B)
【0042】
先の実施の形態に係る商品処理システム1では組合せ計量装置2および製袋包装装置3が停止されてから所定時間経過後にシールチェッカ4および重量チェッカ5が停止されたが、シールチェッカ4および重量チェッカ5は、停止させなくてもよいし、組合せ計量装置2および製袋包装装置3と同時に停止させてもよい。
(C)
【0043】
先の実施の形態に係る商品処理システム1ではバーコードスキャナ37はフィルムFに印刷されている複数のバーコードデータを連続的に読み取ったが、バーコードスキャナ37は、フィルムFが袋に加工された後にバーコードデータを読み取るように設置されてもかまわない。
(D)
【0044】
先の実施の形態に係る商品処理システム1では第1操作盤6のタッチパネル61に表示されるバーコードスキャナテストキーが押されたことに起因してバーコードスキャナテストが実行されたが、バーコードスキャナテストが定期的に自動実行されるようにしてもかまわない。
(E)
【0045】
先の実施の形態に係る商品処理システム1では計量装置として図1に示されるような円形型の組合せ計量装置2が採用され、包装装置として図1に示されるような縦型ピロータイプの製袋包装装置3が採用されたが、計量装置として3チャンネル計量・ダブル排出式の直線型組合せ計量装置が採用され、包装装置として2台の横型ピロータイプの製袋包装装置が採用されてもかまわない。なお、かかる場合、計量装置と包装装置とを連動制御するようにしてもかまわない。また、かかる場合、包装装置からの原点信号をそのまま、連動制御開始に利用するとともに3チャンネル計量の開始タイミングに利用するのが好ましい。なお、かかる場合、計量2サイクル(チャンネル3つ分)には、計量開始信号(連動信号)が6つ必要であるが、包装装置の原点信号は計量2サイクルにつき3つ(計量1サイクルでは1.5)しか発信されない。したがって、この原点信号間に原点信号間隔の半分のタイミングで仮想原点信号を挿入させて計量装置と包装装置とを連動制御させる必要がある。
【0046】
なお、従来、包装装置は、計量装置との連動能力に応じたスピードで回転するエンコーダのタイミングで動作していた(例えば、包装装置の片側の能力が60回/分であれば、エンコーダの回転スピードは60rpmとなる)。また、計量装置における被計量物の排出タイミングを包装スピードと同期させるため、包装能力設定用エンコーダの回転軸にギアを挟み込み、2/3倍で回転する円板スリット(3つのスリットが等間隔に配置され、連動制御起点用に1つのスリットだけスリット幅が広くなっている)のスリットが光電センサを通過するタイミングを計量タイミングとしていた。このため、計量装置は、円板スリットのスリット位置で動作することになる。したがって、計量装置と包装装置とが連動制御される場合、包装装置の商品挟持爪の位置が計量装置から商品の排出タイミングと合致するように、包装装置と計量装置との原点同期がとられる必要があった。よって、計量装置の運転開始後、包装装置の原点に対応した原点信号と円板スリットの原点位置とが一致するまで、連動制御を開始することができないという不都合があった。つまり、計量装置および包装装置の待機時間が長くなってしまうという問題が生じていた。また、エンコーダと円板スリットを設置する際にスリットの位置合わせが必要であり手間がかかる、エンコーダ交換時に位置合わせしづらいという問題点もあった。また、連動制御開始後にスリットまたはエンコーダにずれが生じた場合、計量装置における商品の排出タイミングがずれ包装ミスが発生する問題もあった。
このような背景から、上記技術案には以下のような新たな効果がある。
a.円板スリットおよびエンコーダに対して2/3倍で回転させるためのギア等の構成品が不要となる。
b.連動制御開始までの待機時間が短縮される。
c.新規設置時および修理時においてエンコーダと円板スリットの位置合わせが不要となる。
【0047】
d.連動制御中にエンコーダが故障し包装装置から原点信号が発信されない場合、包装されない商品は排出中の商品と計量1回分の商品のみロスとなり、従来に比べて商品ロスを低減することができる。
(F)
【0048】
先の実施の形態に係る商品処理システム1ではカウント数Ncが生産能力変更指標値Ndに達した場合、CPU62は、計量制御部21に対して計量処理能力低下信号Sdを送信し、組合せ計量装置2の運転能力を低下させたが、本発明の実施の形態に係る商品処理システム1においてこの運転能力の低下処理は必須ではない。つまり、カウント数Ncが生産能力変更指標値Ndに達した場合、CPU62が重量チェッカ5から重量不良信号Swまたは金属混入通知信号Smを受信する度に、CPU62が計量制御部21に対して一回計量処理実行信号Spを送信し、組合せ計量装置2に一回だけ計量処理を実行させるように制御モードが変更されるようにしてもかまわない。
(G)
【0049】
先の実施の形態に係る商品処理システム1ではCPU62が重量チェッカ5から重量不良信号Swまたは金属混入通知信号Smを受信する度に、CPU62が計量制御部21に対して一回計量処理実行信号Spを送信し、組合せ計量装置2に一回だけ計量処理を実行させたが、包装制御部31から送信される連動信号により組合せ計量装置2が動作を開始するように設定されている場合、第1操作盤6が、包装制御部31に対して一回計量処理実行信号Spを送信し、計量制御部21に連動信号を送信するように包装制御部31に指令してもかまわない。また、重量チェッカ制御部51が第1操作盤6の機能を有している場合、重量チェッカ制御部51が、重量不良信号Swまたは金属混入通知信号Smを生成する度に、包装制御部31に対して一回計量処理実行信号Spを送信し、計量制御部21に連動信号を送信するように包装制御部31に指令してもかまわない。
【0050】
また、重量チェッカ制御部51が第1操作盤6の機能を有している場合、重量チェッカ制御部51が、重量不良信号Swまたは金属混入通知信号Smを生成する度に、計量制御部21に対して一回計量処理実行信号Spを送信し、組合せ計量装置2に一回だけ計量処理を実行させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 商品処理システム
2 組合せ計量装置(計量装置)
5 重量チェッカ(良品判定装置)
6 第1操作盤(制御装置)
65 通信インターフェイス(情報受信部)
90 カウンター(良品カウント装置)
B 包装商品
Nb 包装経路内袋数
Nc 正常な包装商品のカウント数(正常商品のカウント数)
Nt 正常な包装商品の目標生産数(正常商品の目標生産数)
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明に係る商品処理システムは、生産終了間際における不良商品の発生を抑制することができると共に正常商品の過剰生産を回避することができ、ひいては包装フィルムの無駄使いなどを防止することができるという特徴を有し、例えば、ポテトチップスや飴玉のパッケージの計量包装システムとして有用である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0053】
【特許文献1】特開2001−101303号公報
【特許文献2】特開2006−131267号公報
【特許文献3】特開2006−131269号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を所定量はかり取って排出する計量装置と、
袋を製造し、前記計量装置が排出する前記所定量の商品を前記袋に包装して包装商品を生成する製袋包装装置と、
前記包装商品が良品であるか不良品であるかを判定する良品判定装置と、
前記良品判定装置において良品と判定された前記包装商品(以下「正常商品」という)の数をカウントする良品カウント装置と、
前記正常商品の目標生産数の情報を記憶する情報記憶装置と、
前記正常商品のカウント数の情報を前記計量装置の計量処理毎に前記良品カウント装置から受信する情報受信部と、前記製袋包装装置から前記良品判定装置の入口までに存在する前記包装商品の数を前記正常商品の目標生産数から差し引いた値(以下「生産能力変更指標値」という)に前記正常商品のカウント数が達すると、前記良品判定装置が前記包装商品を不良品と判定する度に前記計量装置に対して計量処理を一回だけ実行させる都度計量処理実行機能と、前記正常商品のカウント数が前記正常商品の目標生産数に達すると少なくとも前記計量装置および前記製袋包装装置を停止させる停止機能とを有する制御装置と
を備える商品処理システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記生産能力変更指標値に前記正常商品のカウント数が達すると、前記計量装置の運転能力を低下させる運転能力低下実行機能をさらに有する
請求項1に記載の商品処理システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−276563(P2010−276563A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−131750(P2009−131750)
【出願日】平成21年6月1日(2009.6.1)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】