説明

商品券類処理機

【課題】使用済みの商品券類シートを予め定められた区分にしたがって分けることができるとともに、手間および時間をかけずに、いずれの処理単位の商品券類シートであるかを見分ける必要が生じた場合の対応が可能な商品券類処理機の提供。
【解決手段】搬送中の商品券類シートから情報を読み取る券情報読取部43と、商品券類シートを振り分ける券振分手段51,52と、商品券類シートSを集積させる券一時貯留部55、券集積部25および券排除部24と、券一時貯留部55の商品券類シートを収納する券収納部60とを有し、制御部33は、券情報読取部43が連続する処理特定シートを読み取ったとき、振分処理の開始を判断して、処理特定シートを券集積部25および券排除部24に1枚ずつ振り分ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回収された商品券や小切手等の商品券類シートを処理する商品券類処理機に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗等において現金の代わりに使用されてレジ等に収納される商品券類シートは、例えば売上金回収時にレジ毎に纏められて商品券類処理機で識別および計数され、精算処理されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−340368号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記技術にあっては、商品券類処理機によって読み取った商品券類シートの識別情報をオンラインによって管理センタに照会し、真偽確認した後に、識別情報を使用済みとしてデータ処理する消し込み処理を行い、視覚的にも使用済みであることを明示することで、その後は商品券類シートを商品券類処理機の管理側で廃棄可能としている。しかしながら、実際には、商品券類シートを発行した発行元によっては、消し込み処理後は廃棄して良いとする発行元があれば、消し込み処理後も自社に回収することを要求する発行元もあり、消し込み処理した商品券類シートを、さらに廃棄処理するものと、回収処理するものとに区分けする必要があった。このように使用済みの商品券類シートを商品券類処理機によって処理した後に区分けする必要がある場合、従来は手作業で行っていた。
【0004】
また、上記の区分け作業を商品券類処理機に行わせることを考えた場合、レジ単位等の処理単位毎に商品券類シートを振分処理する際に、一の処理単位の商品券類シートを処理した後、この処理単位の商品券類シートを取り除いてから、次の処理単位の商品券類シートを処理しなければ、処理中あるいは処理後にいずれの処理単位の商品券類シートであるかを見分ける必要が生じた場合に、対応できなくなってしまう。このため、処理単位毎に商品券類シートを抜き取る必要があり、複数の処理単位について処理を行う際に手間と時間がかかってしまう。
【0005】
したがって、本発明は、使用済みの商品券類シートを予め定められた区分にしたがって分けることができるとともに、手間および時間をかけずに、いずれの処理単位の商品券類シートであるかを見分ける必要が生じた場合の対応が可能な商品券類処理機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、商品券類シートが投入される券投入部と、該券投入部に投入された商品券類シートを1枚ずつ分離して搬送する券搬送部と、該券搬送部で搬送中の商品券類シートから情報を読み取る券情報読取部と、該券情報読取部の読み取り後の商品券類シートを振り分ける券振分手段と、商品券類シートを集積させるM個(Mは1以上)の券一時貯留部と、該券一時貯留部に集積された商品券類シートを一対一で収納するM個の券収納部と、商品券類シートを集積させるN個(Nは1以上)の券集積部と、商品券類シートを集積させる1個の券排除部と、前記券投入部に投入された商品券類シートを前記券情報読取部の読み取り結果に基づき前記券振分手段によって前記M個の券一時貯留部と前記N個の券集積部と前記1個の券排除部とに選択的に振り分ける制御部とを有する商品券類処理機であって、前記券情報読取部は、前記商品券類シート以外に処理特定シートから情報を読み取り可能とされ、前記制御部は、前記券情報読取部が連続するN+1枚の前記処理特定シートを読み取ったとき、振分処理の開始を判断して、該処理特定シートを前記券振分手段により前記N個の券集積部および前記1個の券排除部に1枚ずつ振り分け、続いて前記券情報読取部が商品券類シートを読み取ったとき、該商品券類シートを予め定められた区分にしたがって前記M個の券一時貯留部と前記N個の券集積部と前記1個の券排除部とに選択的に振り分けることを特徴としている。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記券情報読取部は、終了シートから情報を読み取り可能とされ、前記制御部は、前記券情報読取部が連続するN+1枚の前記処理特定シートを読み取ったとき、振分処理の開始を判断して、該処理特定シートを前記券振分手段により前記N個の券集積部および前記1個の券排除部に1枚ずつ振り分け、続いて前記券情報読取部が商品券類シートを読み取ったとき、該商品券類シートを予め定められた区分にしたがって前記M個の券一時貯留部と前記N個の券集積部と前記1個の券排除部とに選択的に振り分け、その後、前記券情報読取部が前記終了シートを読み取ると振分処理の終了を判断することを特徴としている。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、前記制御部は、振分処理の終了判断後に承認操作が操作部に入力されると、当該振分処理によって前記M個の券一時貯留部に集積された商品券類シートを前記M個の券収納部に収納することを特徴としている。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に係る発明において、M=1であり、且つN=1であって、前記制御部は、前記券情報読取部が同一処理を特定する連続する2枚の前記処理特定シートを読み取ったとき、これら処理特定シートに続いて前記券情報読取部に読み取られた商品券類シートを当該特定された処理について入金処理された商品券類シートであるとして記憶することを特徴としている。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に係る発明において、前記制御部は、前記券情報読取部の読み取り結果に基づいて、受付可能且つ収納する商品券類シートと識別した商品券類シートを前記券一時貯留部に送り込み、受付可能且つ収納しない商品券類シートと識別した商品券類シートを前記券集積部に送り込み、受付不可で排除する商品券類シートと識別した商品券類シートを前記券排除部に送り込むことを特徴としている。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明において、前記券搬送部における前記振分手段の直前位置には、前記券情報読取部の読み取り結果に基づいて、受付可能且つ収納する商品券類シートと識別された商品券類シートおよび受付可能且つ収納しない商品券類シートと識別された商品券類シートに使用済み印を印刷するエンドーサを有することを特徴としている。
【0012】
請求項7に係る発明は、請求項5または6に係る発明において、前記券情報読取部は、商品券類シートの券面画像を読み取るとともに、商品券類シートに記載された券特定番号を読み取り、前記制御部は、前記券情報読取部の読み取り結果に基づいて、受付可能且つ収納する商品券類シートと識別した商品券類シートおよび受付可能且つ収納しない商品券類シートと識別した商品券類シートの前記券面画像と前記券特定番号とを関連づけて記憶することを特徴としている。
【0013】
請求項8に係る発明は、請求項1乃至7のいずれか一項に係る発明において、商品券類シートの種類を指定する種類入力手段を有し、前記制御部は、前記種類入力手段によって商品券類シートの種類が選択されると、前記券情報読取部の読み取り結果に基づいて、当該選択された種類と識別した商品券類シートを前記振分手段によって前記券一時貯留部および前記券集積部のいずれか一方に送り込み、前記選択された種類とは異なる種類と識別した商品券類シートを前記振分手段によって前記券一時貯留部および前記券集積部のいずれか他方に送り込み、前記選択された種類および前記選択された種類とは異なる種類のいずれにも識別できなかった商品券類シートを前記振分手段によって前記券排除部に送り込むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、券投入部に投入された商品券類シートを、券搬送部が1枚ずつ分離して搬送し、券情報読取部がその情報を読み取り、制御部が、適宜処理するとともに券情報読取部の読み取り結果に基づき券振分手段によってM個の券一時貯留部とN個の券集積部と1個の券排除部とに選択的に振り分ける。したがって、使用済みの商品券類シートを予め定められた区分にしたがって分けることができる。また、N+1枚の処理特定シートを処理単位の商品券類シートの先頭にそれぞれ挿入するようにして、複数の処理単位の商品券類シートを重ねて券投入部に投入すると、券情報読取部が最初の処理単位の先頭に挿入された連続するN+1枚の処理特定シートを読み取ることになり、これにより、制御部は、一の単位振分処理の開始を判断して、処理特定シートを券振分手段によりN個の券集積部および1個の券排除部に1枚ずつ振り分ける。続いて券情報読取部が商品券類シートを読み取ったとき、商品券類シートを予め定められた区分にしたがってM個の券一時貯留部とN個の券集積部と1個の券排除部とに選択的に振り分ける。その後、券情報読取部が次の処理単位の先頭に挿入された連続するN+1枚の処理特定シートを読み取ることになり、これにより、制御部は、一の単位振分処理の終了と、次の単位振分処理の開始とを判断し、次の単位振分処理について、上記した一の単位振分処理と同様の処理を行う。このように、各単位振分処理の開始時に処理特定シートをN個の券集積部および1個の券排除部に1枚ずつ振り分けるため、N個の券集積部および1個の券排除部においては、一の処理特定シートと次の処理特定シートとの間に集積された商品券類シートが、前記一の処理特定シートに対応する処理単位に含まれる商品券類シートであることが分かることになる。したがって、処理単位毎に商品券類シートを抜き取るといった手間および時間をかけることなく、複数の処理単位の商品券類シートを連続的に処理しても、N個の券集積部および1個の券排除部に集積された商品券類シートについては、いずれの処理単位の商品券類シートであるかを見分ける必要が生じた場合の対応が可能となる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、複数の処理単位の商品券類シートを重ね、これらの末端に終了シートを挿入するようにして券投入部に投入すると、最後に券情報読取部が終了シートを読み取ると、制御部は、一連の振分処理の終了を判断する。したがって、一連の振分処理の終了を即座に、且つ確実に判断することができる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、制御部は、振分処理の終了判断後に承認操作が操作部に入力されると、当該振分処理によってM個の券一時貯留部に集積された商品券類シートをM個の券収納部に収納するため、例えば、いずれの処理単位の商品券類シートであるかを後で見分ける必要が生じない廃棄処理する商品券類シートについては、承認した後はまとめて収納し、まとめて廃棄処理することができる。したがって、廃棄処理の効率を向上できる。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、券一時貯留部が1個あり、券集積部が1個あって、制御部は、券情報読取部が同一処理を特定する連続する2枚の処理特定シートを読み取ったとき、これら処理特定シートに続いて券情報読取部に読み取られた商品券類シートを当該特定された処理について入金処理された商品券類シートであるとして記憶する。よって、例えば、いずれの処理単位の商品券類シートであるかを後で見分ける必要が生じ得る回収処理する商品券類シートを券集積部に、いずれの処理単位の商品券類シートであるかを後で見分ける必要が生じない廃棄処理する商品券類シートについては券一時貯留部に集積させることができ、適正に区分けすることができる。
【0018】
請求項5に係る発明によれば、制御部は、券情報読取部の読み取り結果に基づいて受付可能且つ収納する商品券類シートと識別した商品券類シートを券一時貯留部に送り込み、券情報読取部の読み取り結果に基づいて受付可能且つ収納しない商品券類シートと識別した商品券類シートを券集積部に送り込み、券情報読取部の読み取り結果に基づいて受付不可で排除する商品券類シートと識別した商品券類シートを券排除部に送り込むため、受付可能且つ機内に収納する商品券類シートと、受付可能且つ機内に収納せず取り出される商品券類シートと、受付不可で排除する商品券類シートとを適正に区分けすることができる。
【0019】
請求項6に係る発明によれば、券情報読取部の読み取り結果に基づいて受付可能且つ収納する商品券類シートと識別された商品券類シートおよび券情報読取部の読み取り結果に基づいて受付可能且つ収納しない商品券類シートと識別された商品券類シートにエンドーサで使用済み印を印刷することになるため、受付可の商品券類シートに使用済みであることを明示できる。
【0020】
請求項7に係る発明によれば、券情報読取部が、商品券類シートの券面画像を読み取り、商品券類シートに記載された券特定番号を読み取ると、制御部が、消し込み処理として、受付可能且つ収納する商品券類シートと識別した商品券類シートおよび受付可能且つ収納しない商品券類シートと識別した商品券類シートの券面画像と券特定番号とを関連づけて記憶するため、必要により、これらの関連付けされたデータを確認することができる。
【0021】
請求項8に係る発明によれば、種類入力手段によって商品券類シートの種類が選択されると、制御部が、券情報読取部の読み取り結果に基づいて当該選択された種類と識別した商品券類シートを振分手段によって券一時貯留部および券集積部のいずれか一方に送り込み、券情報読取部の読み取り結果に基づいて選択された種類とは異なる種類と識別した商品券類シートを振分手段によって券一時貯留部および券集積部のいずれか他方に送り込み、券情報読取部の読み取り結果に基づいて選択された種類および選択された種類とは異なる種類のいずれにも識別できなかった商品券類シートを振分手段によって券排除部に送り込むことになるため、振り分けの仕方を容易に設定可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の一実施形態の商品券類処理機を図面を参照して以下に説明する。
本実施形態の商品券類処理機11は、図1に示すように、処理機本体12と、処理機本体12の前面側上部に引き出し可能に設けられる上段ユニット13と、処理機本体12の前面側下部に引き出し可能に設けられる下段ユニット14とで全体が構成されている。
【0023】
上段ユニット13の前面側の上面には、ユーザによって入力が行われるとともにユーザに対して操作ガイダンス等の表示を行うタッチパネル式の表示操作部18と、商品券類シート等のシートが集積状態で投入される券投入部19とが設けられている。券投入部19には、横長のシートが機体前後方向に長手方向を沿わせ上下方向に集積された状態で装填されることになり、その際にシートを上側から押すビルプレス20が設けられている。また、上段ユニット13の前面には、電源スイッチ23と、機内から繰り出されたシートを取り出し可能に集積させる券排除部24および券集積部25と、上段ユニット13を処理機本体12から引き出す際に操作される引出用取っ手26とが設けられている。
【0024】
下段ユニット14の前面には、下段ユニット14を処理機本体12から引き出す際に操作される引出用取っ手27と、下段ユニット14を処理機本体12に対して閉状態でロックおよびロック解除するための専用の鍵28とが設けられている。
【0025】
処理機本体12の上面には、着脱可能な外部記憶媒体30が挿入されることで外部記憶媒体30と通信可能になる記憶媒体挿入口31が設けられている。
【0026】
商品券類処理機11の内部には、図2に示すように、商品券類処理機11の全体を制御する制御部33と、各種データを記憶する記憶部34とが設けられており、制御部33は図1に示す記憶媒体挿入口31に装着された外部記憶媒体30とも通信可能となっている。
【0027】
券投入部19の内側には、券投入部19に投入された集積状態のシートSを最下のものから1枚ずつ分離して繰り出し搬送する券搬送部37が設けられている。この券搬送部37は、券投入部19の位置から機体の後方に向け延出する前段搬送部38と、前段搬送部38の端末から下側に半円状に湾曲することで搬送方向を180度反転させる中間搬送部39と、中間搬送部39の端末から機体の前方に向け延出する後段搬送部40とを有している。
【0028】
券搬送部37の前段搬送部38には、前段搬送部38で搬送中のシートSから情報を読み取る券情報読取部43が設けられている。この券情報読取部43は、例えばCCDカメラ等の画像検出装置44を備えており、搬送中のシートSの券面画像データを撮像する。そして、制御部33は、シートSが図3に示すような商品券類シートS(1)である場合、その券面画像データを画像処理することで券種(発行元)、額面、商品券類シートS(1)に個別に与えられた券特定番号等を割り出す。ここでは、表面にこれらの読み取るべき情報がすべて印刷されている商品券類シートS(1)を処理対象としている。つまり、受付可能な商品券類シートS(1)の裏面に読み取るべき情報はない。よって、画像検出装置44は表面を撮像可能に片側にのみ設けられている。これに合わせて搬送時に表面が、下側に配置された画像検出装置44に向くように、券投入部19への装填時の商品券類シートS(1)の向きも表面を下向きにするように規定される。
【0029】
ここで、例えば、商品券類シートS(1)は、発行元毎に特有の位置に券特定番号Aが印刷されているため、制御部33は、画像検出装置44で読み取った券面画像データから番号表示を切り出し、その印刷位置から発行元つまり券種を特定する。また、切り出した番号表示の券面画像データをOCR処理して券特定番号Aを割り出すとともに、券特定番号Aに含まれる数字から額面を割り出す。なお、券特定番号を示すバーコードBが記載されている場合、これから情報を読み取っても良い。
【0030】
また、券情報読取部43は、商品券類シートS(1)以外に、図4に示す処理特定シートS(2)および図5に示す終了シートS(3)についても情報を読み取り可能となっている。
【0031】
商品券類シートS(1)は、例えばレジ単位あるいは店舗単位等を処理単位として処理単位毎に処理されることになり、処理特定シートS(2)は、各処理単位を他の処理単位と識別するためのものである。処理特定シートS(2)は、受付可能なすべての商品券類シートの券特定番号の印刷位置とは異なる位置に、処理単位を特定する処理特定番号Cが印刷されている。制御部33は、画像検出装置44で読み取った券面画像データから番号表示を切り出し、その印刷位置から処理特定シートS(2)であることを特定する。また、切り出した番号表示の券面画像データをOCR処理して処理特定番号Cを割り出す。レジ単位を処理単位とする場合は処理特定番号Cがレジを特定するレジ特定番号となり、店舗単位を処理単位とする場合は処理特定番号Cが店舗を特定する店舗特定番号となる。また、処理特定シートS(2)には、目視容易なように、「処理特定シート」の文字と、処理単位であるレジを特定するレジ特定番号Dとが記載されている。この処理特定シートS(2)は、同じ処理特定番号を有するものが券排除部24および券集積部25の数と同数つまり2枚一組で使用される。
【0032】
終了シートS(3)には、処理特定シートS(2)の処理特定番号Cと同じ位置に、処理特定番号Cでは採り得ない、終了シートS(3)であることを特定する終了番号Eが印刷されている。制御部33は、画像検出装置44で読み取った券面画像データから終了番号Eを読み取ると終了シートS(3)であることを特定する。また、終了シートS(3)には、目視容易なように、「終了シート」の文字が記載されている。
【0033】
図2に示すように、券搬送部37の後段搬送部40は、上流側に、二方向に分岐する分岐搬送路46,47を有しており、一方の分岐搬送路46は略水平に機体前方に延出し、他方の分岐搬送路47は前下がりの姿勢で機体前方に延出する。また、後段搬送部40は、下流側に、分岐搬送路46をさらに二方向に分岐する分岐搬送路48,49を有しており、一方の分岐搬送路48は略水平に機体前方に延出し、他方の分岐搬送路49は前下がりの姿勢で機体前方に延出する。そして、分岐搬送路48は上記した券排除部24につながり、分岐搬送路49は上記した券集積部25につながっている。
【0034】
券搬送部37の後段搬送部40には、中間搬送部39から搬送されてきたシートSを分岐搬送路46,47に選択的に振り分ける上流側券振分部(券振分手段)51と、分岐搬送路46から搬送されてきたシートSを分岐搬送路48,49に選択的に振り分ける下流側券振分部(券振分手段)52とが設けられている。これら上流側券振分部51および下流側券振分部52は、券情報読取部43より下流側つまり券情報読取部43の読み取り後の商品券類シートを主体とするシートSを振り分ける。
【0035】
上流側で分岐する分岐搬送路47の端末位置には、商品券類シートS(1)を上下方向に集積させて一時貯留させる、底部が開閉可能な券一時貯留部55が設けられている。この券一時貯留部55は、券情報読取部43の読み取り結果に基づいて受付可能と識別された商品券類シートS(1)のうち機内に収納する所定の商品券類シートS(1)、具体的には、発行元に回収せず、商品券類処理機11の管理側でまとめて廃棄処理する使用済みの商品券類シートS(1)を受け入れる。
【0036】
券一時貯留部55は、上下に開口する四角枠状の枠体56と、相互に近接・離間するように水平移動することで枠体56の下部開口部を開閉する一対のシャッタ57,57と、枠体56内を上下に貫通するように昇降するプッシャ58とを有している。この券一時貯留部55は、プッシャ58が枠体56の上方に位置する状態で、分岐搬送路47から1枚ずつ繰り出される商品券類シートS(1)を閉状態のシャッタ57,57上に下から上に順に集積させる。券一時貯留部55は、券投入部19、券搬送部37、券情報読取部43、上流側券振分部51、下流側券振分部52、券排除部24および券集積部25とともに上段ユニット13に設けられており、上段ユニット13が処理機本体12から引き出されると、集積させていた商品券類シートS(1)が機外に取り出し可能になる。
【0037】
券一時貯留部55の下方には、券一時貯留部55に集積された商品券類シートS(1)を収納する券収納部60が設けられている。この券収納部60は、上部開口部を有する有底筒状の箱体61と、箱体61内で上下に昇降するとともに上側に図示略のスプリングで付勢される底板62と、箱体62の上部開口部の対辺位置に揺動可能に設けられた一対の係止板63,63とを有している。一対の係止板63,63はともに水平位置にある閉状態からともに下方向に揺動して開状態となるもので、閉状態を維持するように図示略のスプリングで付勢されている。
【0038】
この券収納部60は、上下に集積された商品券類シートS(1)を、閉状態の一対の係止板63,63と上方に付勢された底板62とで挟持する。券一時貯留部55の商品券類シートS(1)を収納する際には、券一時貯留部55のシャッタ57,57が開作動されることによって券一時貯留部55から落下した商品券類シートS(1)を閉状態の一対係止板63,63およびすでに収納している商品券類シートS(1)で受け取る。そして、券一時貯留部55のプッシャ58が下降することで、プッシャ58が係止板63,63上の商品券類シートS(1)、すでに券収納部60に収納されている商品券類シートS(1)および底板62を下方に押圧し、これらを下降させる。すると、係止板63,63上の商品券類シートS(1)は、一対の係止板63,63を開作動させながら下降することになり、係止板63,63上にあった商品券類シートS(1)が一対の係止板63,63を通過すると、一対の係止板63,63は図示略のスプリングの付勢力で閉状態に戻る。その後、プッシャ58が上昇すると、底板62が図示略のスプリングの付勢力で上昇し、商品券類シートS(1)を一対の係止板63,63との間に保持する。プッシャ58は、最終的に枠体56の上方の待機位置に戻る。
【0039】
この券収納部60は、下段ユニット14に着脱可能に設けられており、鍵28によってロックが解除されて下段ユニット14が処理機本体12から引き出された状態で、下段ユニット14から取り外される。
【0040】
券排除部24は、分岐搬送路48から1枚ずつ繰り出される商品券類シートを主体とするシートSを下から上に順に集積させるもので、機外に開口していることで、集積させていたシートSがそのまま機外に取り出し可能となっている。この券排除部24には、券情報読取部43の読み取り結果に基づいて受付不可と識別された商品券類シートを集積させる。
【0041】
券集積部25は、分岐搬送路49から1枚ずつ繰り出される商品券類シートを主体とするシートSを下から上に順に集積させるもので、機外に開口していることで、集積状態のシートSがそのまま機外に取り出し可能となっている。この券集積部25には、券情報読取部43の読み取り結果に基づいて受付可能且つ機内に収納しないと識別された商品券類シート、具体的には発行元に回収する使用済みの商品券類シートを集積させる。
【0042】
券搬送部37における上流側券振分部51の直前位置には、券情報読取部43の読み取り結果に基づいて受付可能且つ収納する商品券類シートと識別された商品券類シート(つまり券一時貯留部55に送り込まれる商品券類シート)および券情報読取部43の読み取り結果に基づいて受付可能且つ収納しない商品券類シートと識別された商品券類シート(つまり券集積部25に送り込まれる商品券類シート)に、消し込み処理として使用済み印を印刷する図示略のインクローラを備えたエンドーサ65が設けられている。
【0043】
なお、上記のように、券搬送部37が、商品券類シートを機体の前から後に搬送し下側で180度反転させて後から前に搬送することから、ユーザによる取り出し時のことを考慮して券集積部25および券排除部24において表面側が上側となるように商品券類シートを集積させるべく、上記のように券投入部19における商品券類シートの装填方向を表面を下向きとし、券搬送部37の前段搬送部38に画像検出装置44を下側に配置するようにした。しかしながら、画像検出装置44を券搬送部37の前段搬送部38の搬送範囲の上側に配置するように配置しても良く、この場合は、券投入部19への装填時の商品券類シートの向きも情報が記載された面が上側に向くように規定される。また、商品券類シートの両面を検出可能となるように画像検出装置44を券搬送部37を挟むように一対設けても良く、この場合、券投入部19への装填時の商品券類シートの集積方向は特に規定しなくても済むことになる。
【0044】
次に、制御部33の制御内容を、商品券類処理機11の作動とともに説明する。
【0045】
まず、オペレータは、図6に示すように、2枚一組の処理特定シートS(2)を各処理単位Tの商品券類シートS(1)の先頭にそれぞれ挿入し、一度に券投入部19に投入する最後の処理単位Tの末端に終了シートS(3)を挿入するようにして複数の処理単位Tを重ねて券投入部19に投入する。つまり、オペレータは、一の処理特定番号が記載された1枚の処理特定シートS(2)、これと同じ処理特定番号が記載された1枚の処理特定シートS(2)、一の処理単位Tの1枚以上の商品券類シートS(1)、別の処理特定番号が記載された1枚の処理特定シートS(2)、これと同じ処理特定番号が記載された1枚の処理特定シートS(2)、別の処理単位Tの1枚以上の商品券類シートS(1)、という順にシートを集積させ、これら集積の最後に1枚の終了シートS(3)を重ねる。このとき、オペレータは、処理特定シートS(2)、商品券類シートS(1)、終了シートS(3)のすべてが、上記した集積時の順番における先側に、情報が記載された表面を向けるように集積させて、この先側を下に向けて券投入部19に投入する。このとき、投入されたシート群を上側からピルプレス20で押圧する。
【0046】
そして、表示操作部18に振分処理開始の操作入力がなされると、制御部33は、券搬送部37を駆動して、集積されたシートSを最下のものから1枚ずつ分離して機内に取り込み搬送する。すると、券情報読取部43がシートSの表面を順次読み取って記憶部34に記憶することになり、制御部33は、読み取り記憶した券面画像データから番号表示の位置を割り出すとともに番号表示の番号を割り出し、これらを記憶部34に記憶されたマスタデータと比較することによって、読み取ったシートSが、処理特定シートS(2)であるか、商品券類シートS(1)であるか、終了シートS(3)であるか、これら以外であるかを判断する。
【0047】
制御部33は、振分処理開始後に、券情報読取部43が最初に読み取ったシートSが、一の処理特定番号が記載された処理特定シートS(2)であり、次に読み取ったシートSが、これと同じ処理特定番号が記載された処理特定シートS(2)であった場合、この処理特定番号で特定される一の単位振分処理の開始を判断するとともに、これらの処理特定シートS(2)を券排除部24および券集積部25に1枚ずつ振り分ける。つまり、これらの処理特定シートS(2)を上流側券振分部51によって分岐搬送路46に案内し、さらに下流側券振分部52によって、1枚の処理特定シートS(2)を分岐搬送路48を介して券排除部24に、もう1枚の処理特定シートS(2)を分岐搬送路49を介して券集積部25にそれぞれ送りこむ。
【0048】
上記した2枚の処理特定シートS(2)に続いて、券情報読取部43が商品券類シートS(1)を読み取ることになるが、制御部33は、その読み取り結果に基づいて、商品券類シートS(1)を予め定められた区分にしたがって、上流側券振分部51および下流側券振分部52によって券一時貯留部55と券排除部24と券集積部25とに選択的に振り分ける。
【0049】
つまり、券情報読取部43で読み取った券面画像データから、番号表示の印刷位置を割り出し、番号表示が読み出せなかった商品券類シートS(1)と、番号表示の印刷位置のデータに対して、記憶部34に記憶されたマスタデータの中に一致するものがない商品券類シートS(1)と、二種類以上のマスタデータに類似していて一つに特定できない商品券類シートS(1)とについては、受付不可と判断し、券特定番号をOCR処理することなく、且つエンドーサ65で印刷を行うことなく、上流側券振分部51および下流側券振分部52によって券排除部24に繰り出す。
【0050】
また、券情報読取部43の読み取り結果に基づく印刷位置のデータに対して、記憶部34に記憶されたマスタデータの中に一致するものがあった商品券類シートS(1)については、受付可能であると識別するとともに、一致したマスタデータの券種と識別して、券特定番号をOCR処理で特定し、券種と、券特定番号と、商品券類シートS(1)の表面全体の券面画像データとを、使用済みであることおよびこの一の単位振分処理の開始を判断した処理特定シートS(2)に印刷されていた処理特定番号にすべて関連付けして記憶部34に記憶する消し込み処理を行う。この受付可能な商品券類シートS(1)については、さらに、エンドーサ65で使用済みの印を印刷して、券種毎に記憶部34に記憶されている、収納するか否かの情報に応じて券一時貯留部55と券集積部25とに振り分ける。つまり、受付可能且つ収納する券種と識別された商品券類シートS(1)は券一時貯留部55に、受付可能且つ収納しない券種と識別された商品券類シートS(1)は券集積部25に、それぞれ送りこむ。なお、消し込み処理として、オンラインによって券特定番号を券種から割り出される発行元に照会するようにしても良い。
【0051】
ここで、番号表示の印刷位置のデータに対して、マスタデータの中に一致するものがあっても、券特定番号をOCR処理で特定できなかった商品券類シートS(1)および券特定番号が不適切であった商品券類シートS(1)等のエラーシートについては、受付不可と判断し、エンドーサ65で印刷を行うことなく、券排除部24に繰り出す。
【0052】
以上のようにして最初の処理単位Tの商品券類シートS(1)をすべて振り分けた後、券情報読取部43が別の処理特定番号が記載された処理特定シートS(2)を読み取ると、制御部33は、前記一の単位振分処理、つまり最初の処理単位Tの商品券類シートS(1)の単位振分処理の終了を判断する。
【0053】
以上により、制御部33は、券情報読取部43が同一の単位振分処理を特定する連続する2枚の処理特定シートS(2)を読み取ると、これら処理特定シートS(2)に続いて券情報読取部43に読み取られた商品券類シートS(1)のうち受付可能なものを、当該特定された処理について入金処理された商品券類シートS(1)であるとして、処理特定シートS(2)に印刷されていた処理特定番号にすべて関連づけして記憶部34に記憶することになる。
【0054】
制御部33は、券情報読取部43が読み取ったシートSが、上記のように別の処理特定番号が記載された処理特定シートS(2)であり、次に読み取ったシートSが、これと同じ処理特定番号が記載された処理特定シートS(2)であった場合、この処理特定番号で特定される次の単位振分処理の開始を判断するとともに、これらの処理特定シートS(2)を券排除部24および券集積部25に1枚ずつ振り分け、その後、上記と同様に処理を行う。
【0055】
このようにして、券情報読取部43が最後の処理単位Tの商品券類シートS(1)をすべて読み取り、最後に終了シートS(3)を読み込むと、制御部33は、一以上の単位振分処理で構成される一連の振分処理が終了したと判断して、この一連の振分処理で消し込み処理した商品券類シートS(1)について、表示操作部18に、例えば額面別データおよび合計額面を券種毎にわけて表示させる。なお、終了シートS(3)については、券排除部24(券集積部25でも可)に送り込むことになり、この送り込みが完了すると、制御部33は券搬送部37を停止させる。上記表示を見てオペレータが表示操作部18に承認操作を入力すると、制御部33は、この一連の振分処理によって券一時貯留部55に集積された商品券類シートS(1)を券収納部60に収納する。
【0056】
上記した一連の振分処理の終了後、券集積部25には、発行元に回収する使用済みの商品券類シートS(1)が集積されることになり、これをオペレータは取り出して、例えば目視で分類して各発行元への回収に備える。
【0057】
また、券収納部60には、発行元に回収する必要のない使用済みの商品券類シートS(1)が収納されることになり、複数の振分処理で処理された使用済みの商品券類シートS(1)がまとめて商品券類処理機11の管理側で廃棄される。
【0058】
また、券排除部24に排除された商品券類シートS(1)については、オペレータは目視で確認の上、手入力によって、券種と券特定番号とを、使用済みであることと関連付けして記憶部34に記憶する消し込み処理を行って、商品券類処理機11の管理側で廃棄するものか、発行元へ回収するものかに分類することになる。あるいは、券排除部24に排除された商品券類シートS(1)については、処理単位T間に一枚ずつすでに挿入されている処理特定シートS(2)のそれぞれに隣り合うように一枚ずつ処理特定シートS(2)を追加し、券投入部19に投入して再度振分処理を行うようにしても良い。
【0059】
なお、上記した承認操作ではなく、表示操作部18にキャンセル操作が入力されると、制御部33は、券一時貯留部55に集積された商品券類シートS(1)を券収納部60に収納しない。よって、オペレータは、上部ユニット13を引き出して券一時貯留部55に集積された商品券類シートS(1)を取り出すことになる。
【0060】
上記振分処理において、券情報読取部43によって一番最初に処理特定シートS(2)を読み取った場合と、商品券類シートS(1)の直後に処理特定シートS(2)を読み取った場合とについては、それぞれ読み取った処理特定シートS(2)を含んで同じ処理特定番号を有する2枚の処理特定シートS(2)を連続して読み取ることができなかった場合(3枚以上読み取った場合を含む)に、制御部33は、券投入部19へのシートSの投入が適正でなくエラーが発生したと判断してアラームを発生させるとともに、券搬送部37による搬送を停止させることになる。これにより、オペレータは、上部ユニット13を引き出すことでその側面を開放して、券搬送部37および券一時貯留部55からシートSを取り出すとともに、券投入部19、券排除部24のおよび券集積部25にあるシートSを取り出し、再度集積し直して、券投入部19へ投入する。
【0061】
なお、連続検出の規定枚数である2枚よりも多い3枚目の処理特定シートS(2)を券情報読取部43が検出した時点で、制御部33が券搬送部37による搬送を停止したときに、3枚目の処理特定シートS(2)よりも前に読み取った2枚の処理特定シートS(2)が券搬送部37内に留まるように、券搬送部37の搬送長さ等が設定されている。これは、エラーが発生した単位振分処理の、それ以前の単位振分処理との区別を容易にするためである。
【0062】
また、上記エラー発生時点で、それ以降の券投入部19からのシートSの券搬送部37による搬送を停止させ、券搬送部37に存在するすべてのシートSを、上流側券振分部51および下流側券振分部52によって券排除部24に繰り出すようにしても良い。この場合、券排除部24にすでに集積されている、処理済みのシートSと一緒になり錯誤を生じる可能性があるため、専用でエラーのシートSを集積させる第2の券排除部を設けるのが良い。
【0063】
以上に述べた本実施形態の商品券類処理機11によれば、券投入部19に投入された商品券類シートS(1)を、券搬送部37が1枚ずつ分離して搬送し、券情報読取部43がその情報を読み取り、制御部33が、適宜消し込み処理するとともに券情報読取部43の読み取り結果に基づき上流側券振分部51および下流側券振分部52によって1個の券一時貯留部55と1個の券集積部25と1個の券排除部24とに選択的に振り分ける。したがって、使用済みの商品券類シートS(1)を予め定められた区分にしたがって分けることができる。
【0064】
また、2枚の処理特定シートS(2)を処理単位の商品券類シートS(1)の先頭にそれぞれ挿入するようにして、複数の処理単位Tの商品券類シートS(1)を重ねて券投入部19に投入すると、券情報読取部43が最初の処理単位Tの先頭位置に挿入された連続する2枚の処理特定シートS(2)を読み取ることになり、これにより、制御部33は、一の単位振分処理の開始を判断して、処理特定シートS(2)を上流側券振分部51および下流側券振分部52により1個の券集積部25および1個の券排除部24に1枚ずつ振り分ける。続いて券情報読取部43が商品券類シートS(1)を読み取ったとき、商品券類シートS(1)を予め定められた区分にしたがって1個の券一時貯留部55と1個の券集積部25と1個の券排除部24とに選択的に振り分ける。その後、券情報読取部43が次の処理単位の先頭に挿入された連続する2枚の処理特定シートS(2)を読み取ることになり、これにより、制御部33は、一の単位振分処理の終了と、次の単位振分処理の開始とを判断し、次の単位振分処理について、上記した一の単位振分処理と同様の処理を行う。
【0065】
このように、各単位振分処理の開始時に処理特定シートS(2)を券集積部25および券排除部24に1枚ずつ振り分けるため、券集積部25および券排除部24においては、一の処理特定シートS(2)と次の処理特定シートS(2)との間に集積された商品券類シートS(1)が、一の処理特定シートS(2)に対応する処理単位に含まれる商品券類シートS(1)であることが分かることになる。したがって、処理単位毎に商品券類シートS(1)を抜き取るといった手間および時間をかけることなく、複数の処理単位の商品券類シートS(1)を連続的に処理しても、券集積部25および券排除部24に集積された商品券類シートS(1)については、いずれの処理単位Tの商品券類シートS(1)であるかを見分ける必要が生じた場合の対応が可能となる。
【0066】
しかも、複数の処理単位Tの商品券類シートS(1)を重ね、これらの末端に終了シートS(3)を挿入するようにして券投入部19に投入すると、最後に券情報読取部43が終了シートS(3)を読み取ると、制御部33は、一連の振分処理の終了を判断する。したがって、一連の振分処理の終了を即座に、且つ確実に判断することができる。なお、券投入部19に投入されたすべてのシートSが、券排除部24、券集積部25および券一時貯留部55のいずれかに送り込まれることで、券投入部19に存在しなくなったことを検出すると、制御部33が、一連の振分処理の終了を判断するようにしても良い。
【0067】
また、制御部33は、一連の振分処理の終了判断後に承認操作が表示操作部18に入力されると、当該一連の振分処理によって券一時貯留部55に集積された商品券類シートS(1)を券収納部60に収納するため、いずれの処理単位Tの商品券類シートS(1)であるかを後で見分ける必要が生じない廃棄処理する商品券類シートS(1)については、承認した後は券収納部60にまとめて収納し、商品券類処理機11の管理側でまとめて廃棄処理することができる。したがって、廃棄処理の効率を向上できる。
【0068】
また、券一時貯留部55が1個あり、券集積部25が1個あって、制御部33は、券情報読取部43が同一の振分処理を特定する連続する2枚の処理特定シートS(2)を読み取ったとき、これら処理特定シートS(2)に続き、且つ終了シートS(3)が読み取られる前に券情報読取部43に読み取られた商品券類シートS(1)を当該特定された一連の振分処理について入金処理された商品券類シートS(1)であるとして記憶する。よって、いずれの処理単位の商品券類シートS(1)であるかを後で見分ける必要が生じ得る回収処理する商品券類シートS(1)を券集積部25に、いずれの処理単位の商品券類シートS(1)であるかを後で見分ける必要が生じない、商品券類処理機11の管理側で廃棄処理する商品券類シートS(1)については券一時貯留部55に集積させることができ、区分けすることができる。
【0069】
また、制御部33は、券情報読取部43の読み取り結果に基づいて受付可能且つ収納すると識別した商品券類シートS(1)を券一時貯留部55に送り込み、券情報読取部43の読み取り結果に基づいて受付可能且つ収納しないと識別した商品券類シートS(1)を券集積部25に送り込み、券情報読取部43の読み取り結果に基づいて受付不可で排除すると識別した商品券類シートS(1)を券排除部24に送り込むため、受付可能且つ機内に収納する商品券類シートS(1)と、受付可能且つ機内に収納せず取り出される商品券類シートS(1)と、受付不可で排除する商品券類シートS(1)とを適宜区分けすることができる。
【0070】
また、券情報読取部43の読み取り結果に基づいて受付可能且つ収納すると識別された商品券類シートS(1)および券情報読取部43の読み取り結果に基づいて受付可能且つ収納しないと識別された商品券類シートS(1)にエンドーサ65で使用済み印を印刷することになるため、受付可で消し込み処理した商品券類シートS(1)に使用済みであることを明示できる。
【0071】
また、券情報読取部43が、商品券類シートS(1)の券面画像を読み取り、商品券類シートS(1)に記載された券特定番号を読み取ると、制御部33が、受付可能且つ収納すると識別した商品券類シートS(1)および受付可能且つ収納しないと識別した商品券類シートS(1)の券面画像と券特定番号とを関連づけて記憶するため、必要により、これらの関連付けされたデータを表示操作部18に表示させて確認することができる。また、このデータを記憶媒体挿入口31に挿入された外部記憶媒体30に記憶して外部の管理機で管理することも可能である。券情報読取部43が商品券類シートの両面の券面画像データを読み取り可能に構成される場合も、両面の券面画像データを券特定番号と関連づけて記憶部43に記憶したり、これを外部記憶媒体30に記憶したりすることができる。
【0072】
なお、以上においては、1個の券一時貯留部55と1個の券集積部25とを有する場合を例にとり説明したが、例えば商品券類シートS(1)をそれぞれが券種別(発行元別)に分類するように、券一時貯留部55を1以上のM個に、券収納部60を券一時貯留部55と同数の1以上のM個に、券集積部25を1以上のN個にしても良い。この場合、上記M,Nを用いて表すと、各振分処理単位の商品券類シートS(1)の前それぞれにN+1枚の処理特定シートS(2)が挿入されることになり、制御部33は、券情報読取部43が連続するN+1枚の処理特定シートS(2)を読み取ったとき、一の単位振分処理の開始を判断して、処理特定シートS(2)をN個の券集積部25および1個の券排除部24に1枚ずつ振り分け、続いて券情報読取部43が商品券類シートS(1)を読み取ったとき、商品券類シートS(1)を予め定められた区分にしたがってM個の券一時貯留部55とN個の券集積部25と1個の券排除部24とに選択的に振り分けることになる。
【0073】
また、以上においては、使用済みの商品券類シートS(1)を、発行元に回収する商品券類シートS(1)と、回収せずに商品券類処理機11の管理側で廃棄する商品券類シートS(1)とに振り分けるようにしたが、ローカルモードにおいて、表示操作部(種類入力手段)18への操作入力で、振り分ける種類を指定して、指定された種類の商品券類シートS(1)と、それ以外の商品券類シートS(1)とに、券情報読取部43の読み取り結果に基づいて振り分けるようにしても良い。
【0074】
この場合、制御部33は、商品券類シートS(1)の種類が選択されると、選択された種類と識別した商品券類シートS(1)、つまり複数のマスタデータのうち選択された種類のマスタデータと一致すると識別した商品券類シートS(1)を券一時貯留部55に送り込み、選択された種類とは異なる種類と識別した商品券類シートS(1)、つまり複数のマスタデータのうち選択された種類以外のマスタデータと一致すると識別した商品券類シートS(1)を券集積部25に送り込み、これら以外の、選択された種類および選択された種類とは異なる種類のいずれのマスタデータにも一致すると識別されなかった商品券類シートS(1)を、券排除部24に送り込むようにしても良い。あるいは、選択された種類と識別した商品券類シートS(1)を券集積部25に送り込み、選択された種類とは異なる種類と識別した商品券類シートS(1)を券一時貯留部55に送り込み、選択された種類および選択された種類とは異なる種類のいずれにも識別されなかった商品券類シートS(1)を、券排除部24に送り込むようにしても良い。この場合、例えば、種類として特定の発行元を指定することで、特定の発行元の商品券類シートS(1)を、他の発行元の商品券類シートS(1)と分類することができる。このように、振り分けの仕方を容易に設定可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の一実施形態の商品券類処理機を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態の商品券類処理機を示す側断面図である。
【図3】本発明の一実施形態の商品券類処理機で処理される商品券類シートの一例を示す正面図である。
【図4】本発明の一実施形態の商品券類処理機に用いられる処理特定シートの一例を示す正面図である。
【図5】本発明の一実施形態の商品券類処理機に用いられる終了シートの一例を示す正面図である。
【図6】本発明の一実施形態の商品券類処理機に対し投入されるシートの投入時の配列を示す側面図である。
【符号の説明】
【0076】
11 商品券類処理機
18 表示操作部(操作部,種類入力手段)
19 券投入部
24 券排除部
25 券集積部
37 券搬送部
33 制御部
43 券情報読取部
51 上流側券振分部(券振分手段)
52 下流側券振分部(券振分手段)
55 券一時貯留部
60 券収納部
65 エンドーサ
S(1) 商品券類シート(シート)
S(2) 処理特定シート(シート)
S(3) 終了シート(シート)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品券類シートが投入される券投入部と、
該券投入部に投入された商品券類シートを1枚ずつ分離して搬送する券搬送部と、
該券搬送部で搬送中の商品券類シートから情報を読み取る券情報読取部と、
該券情報読取部の読み取り後の商品券類シートを振り分ける券振分手段と、
商品券類シートを集積させるM個(Mは1以上)の券一時貯留部と、
該券一時貯留部に集積された商品券類シートを一対一で収納するM個の券収納部と、
商品券類シートを集積させるN個(Nは1以上)の券集積部と、
商品券類シートを集積させる1個の券排除部と、
前記券投入部に投入された商品券類シートを前記券情報読取部の読み取り結果に基づき前記券振分手段によって前記M個の券一時貯留部と前記N個の券集積部と前記1個の券排除部とに選択的に振り分ける制御部とを有する商品券類処理機であって、
前記券情報読取部は、前記商品券類シート以外に処理特定シートから情報を読み取り可能とされ、
前記制御部は、前記券情報読取部が連続するN+1枚の前記処理特定シートを読み取ったとき、該処理特定シートを前記券振分手段により前記N個の券集積部および前記1個の券排除部に1枚ずつ振り分け、続いて前記券情報読取部が商品券類シートを読み取ったとき、該商品券類シートを予め定められた区分にしたがって前記M個の券一時貯留部と前記N個の券集積部と前記1個の券排除部とに選択的に振り分けることを特徴とする商品券類処理機。
【請求項2】
前記券情報読取部は、終了シートから情報を読み取り可能とされ、
前記制御部は、前記券情報読取部が連続するN+1枚の前記処理特定シートを読み取ったとき、振分処理の開始を判断して、該処理特定シートを前記券振分手段により前記N個の券集積部および前記1個の券排除部に1枚ずつ振り分け、続いて前記券情報読取部が商品券類シートを読み取ったとき、該商品券類シートを予め定められた区分にしたがって前記M個の券一時貯留部と前記N個の券集積部と前記1個の券排除部とに選択的に振り分け、その後、前記券情報読取部が前記終了シートを読み取ると振分処理の終了を判断することを特徴とする請求項1に記載の商品券類処理機。
【請求項3】
前記制御部は、振分処理の終了判断後に承認操作が操作部に入力されると、当該振分処理によって前記M個の券一時貯留部に集積された商品券類シートを前記M個の券収納部に収納することを特徴とする請求項2に記載の商品券類処理機。
【請求項4】
M=1であり、且つN=1であって、
前記制御部は、前記券情報読取部が同一処理を特定する連続する2枚の前記処理特定シートを読み取ったとき、これら処理特定シートに続いて前記券情報読取部に読み取られた商品券類シートを当該特定された処理について入金処理された商品券類シートであるとして記憶することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の商品券類処理機。
【請求項5】
前記制御部は、前記券情報読取部の読み取り結果に基づいて、受付可能且つ収納する商品券類シートと識別した商品券類シートを前記券一時貯留部に送り込み、受付可能且つ収納しない商品券類シートと識別した商品券類シートを前記券集積部に送り込み、受付不可で排除する商品券類シートと識別した商品券類シートを前記券排除部に送り込むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の商品券類処理機。
【請求項6】
前記券搬送部における前記振分手段の直前位置には、前記券情報読取部の読み取り結果に基づいて、受付可能且つ収納する商品券類シートと識別された商品券類シートおよび受付可能且つ収納しない商品券類シートと識別された商品券類シートに使用済み印を印刷するエンドーサを有することを特徴とする請求項5に記載の商品券類処理機。
【請求項7】
前記券情報読取部は、商品券類シートの券面画像を読み取るとともに、商品券類シートに記載された券特定番号を読み取り、
前記制御部は、前記券情報読取部の読み取り結果に基づいて、受付可能且つ収納する商品券類シートと識別した商品券類シートおよび受付可能且つ収納しない商品券類シートと識別した商品券類シートの前記券面画像と前記券特定番号とを関連づけて記憶することを特徴とする請求項5または6に記載の商品券類処理機。
【請求項8】
商品券類シートの種類を指定する種類入力手段を有し、
前記制御部は、前記種類入力手段によって商品券類シートの種類が選択されると、前記券情報読取部の読み取り結果に基づいて、当該選択された種類と識別した商品券類シートを前記振分手段によって前記券一時貯留部および前記券集積部のいずれか一方に送り込み、前記選択された種類とは異なる種類と識別した商品券類シートを前記振分手段によって前記券一時貯留部および前記券集積部のいずれか他方に送り込み、前記選択された種類および前記選択された種類とは異なる種類のいずれにも識別できなかった商品券類シートを前記振分手段によって前記券排除部に送り込むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の商品券類処理機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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