説明

商品引渡システム

【課題】パークアンドライドシステムの駐車場の利用者が都心部で買い物をした商品を駐車場で利用者に適正に引き渡すことができる商品引渡システムを提供することである。
【解決手段】駐車券発券機11はパークアンドライドシステムの駐車場に設置され、入庫日時が記録された駐車券を発券する。商品情報書込機12a〜12nは小売店舗に設置され、購入商品を一意に特定する購入商品情報を駐車券16に記録する。また、倉庫管理サーバ15は倉庫内に保管されている商品の在庫情報が記憶され、商品識別記号から商品の格納場所や数量を検索する。そして、商品受取端末13は倉庫管理サーバ15とネットワーク14で接続され、駐車券16から購入商品の商品識別記号を読み込み、商品の在庫情報を倉庫管理サーバ15に問い合わせ、その在庫情報を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パークアンドライドシステムの駐車場の利用者が都心部で買い物をした商品を駐車場で引き渡すための商品引渡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
都心部の郊外や近郊まで車を運転してきた利用者がその郊外や近郊の駐車場に車を駐車し、その郊外や近郊の駅からLRT(Light Rail Transit)、バス、コミュニティバスなどの公共交通システムを利用して都心に向かう、いわゆるパークアンドライドシステムが採用されている。
【0003】
このパークアンドライドシステムを採用することにより、都心部への車の乗り入れが少なくなり、交通渋滞が緩和されるとともに排ガス量も削減され環境性も向上するので、その利用拡大が望まれる。
【0004】
パークアンドライドシステムでは、都心部でのショッピング等で発生した荷物を都心から駐車場まで利用者自身で運搬する必要があり、特に大型の手荷物を運搬する場合や高齢者にとっては負担となっている。このために、都心部まで車で乗り入れる場合も多く、パークアンドライドシステムの促進の妨げとなっている。
【0005】
ここで、買物商品を駐車場の駐車位置まで運ぶという買物客の負担をなくすことにより買物客へのサービスを向上させると共に、駐車場から出庫時の駐車料金の清算効率を上げることにより駐車場の入出庫の回転を良くするようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
これは、売り場から駐車場の各駐車位置まで買物商品を搬送する搬送装置を備え、ホストコンピュータにより、駐車カード発行装置、駐車場カードリーダ、POS端末装置、店内カードリーダからの情報に基づき駐車料金を算出して表示装置に表示すると共に、搬送装置を制御して買物商品を該当駐車位置まで搬送するものである。
【特許文献1】特開平6−259699号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1のものはパークアンドライドシステムの駐車場ではなく、売り場の近在の駐車場(売り場と同じ建家)に商品を搬送するものであり、駐車場が遠方であるパークアンドライドシステムにはそのまま適用できない。パークアンドライドシステムでは、都心部でのショッピング等で発生した荷物を都心から駐車場まで利用者自身で運搬する必要があり、特に大型の手荷物を運搬する場合や高齢者にとっては負担となっている。このために、都心部まで車で乗り入れる場合も多く、パークアンドライドシステムの促進の妨げとなっている。
【0008】
本発明の目的は、パークアンドライドシステムの駐車場の利用者が都心部で買い物をした商品を駐車場で利用者に適正に引き渡すことができる商品引渡システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の商品引渡システムは、郊外や近郊から都心周辺まで自動車で移動して都心周辺の駐車場に駐車し都心と都心周辺の駐車場を結ぶ公共交通システムに乗り換えて都心へ移動するパークアンドライドシステムの前記駐車場に設置され入庫日時が記録された駐車券を発券する駐車券発券機と、小売店舗に設置され購入商品を一意に特定する購入商品情報を前記駐車券に記録する商品情報書込機と、倉庫内に保管されている商品の在庫情報が記憶され商品識別記号から商品の格納場所や数量を検索する倉庫管理サーバと、倉庫管理サーバとネットワークで接続され駐車券から購入商品の商品識別記号を読み込み商品の在庫情報を前記倉庫管理サーバに問い合わせその在庫情報を表示する商品受取端末とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、パークアンドライドシステムの駐車場の利用者が都心部で買い物をした商品を駐車場で利用者に適正に引き渡すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係わる商品引渡システムの構成図である。商品引渡システムは、パークアンドライドシステムの駐車場(以下P&R駐車場という)に設置されたスタンドアロンの駐車券発券機11と、各々の小売店舗にスタンドアロンで設置された商品情報書込機12a〜12nと、P&R駐車場に併設された商品受取所の商品受取端末13と、商品受取端末13とネットワーク14で接続された倉庫管理サーバ15とからなる。
【0012】
駐車券発券機11はP&R駐車場に設置され、入庫日時が記録された磁気記録可能な駐車券16を発券する。商品情報書込機12a〜12nは各々の小売店舗に設置され、利用者の購入商品を一意に特定する商品識別記号および数量等の購入商品情報を駐車券16に磁気情報で追加記録する。
【0013】
倉庫管理サーバ15は商品の格納場所を記憶した格納場所DB17を有し、この格納場所DB17により倉庫内に保管されている商品の在庫情報を管理し、商品受取端末13からの商品の格納場所の問い合わせに応じて、商品識別記号から商品の格納場所や数量を検索する。
【0014】
商品受取端末13は駐車券16の磁気情報を読み取る読取装置と商品情報や商品の格納場所を表示するための表示装置を有する。また、商品受取端末13は倉庫管理サーバ15とネットワーク14で接続され、駐車券16から購入商品の商品識別記号を読取装置で読み込み、倉庫管理サーバ15に商品の格納場所の問い合わせを行い、その在庫情報及び格納場所を取得して表示装置に表示する。商品引渡所の係員は表示装置に表示された情報に基づき商品を用意し利用者に引き渡す。
【0015】
次に、本発明の第1の実施の形態に係わる商品引渡システムの処理の流れを説明する。図2は本発明の第1の実施の形態に係わる商品引渡システムの処理の流れ図である。利用者18は、自宅から車で移動しP&R駐車場の入庫時に、P&R駐車場運営者19が運営する駐車場発券機11から駐車券16を受け取る。駐車場発券機11は駐車券16に入庫日時を印字し、さらに入庫日時を磁気記録する。
【0016】
利用者18はP&R駐車場に駐車した後、LRT等で都心部へ移動し、小売業者20が営業する小売店舗で商品を購入する。そして、小売業者20に商品代金を支払う。利用者はP&R駐車場での商品受け取りを希望する場合、その旨を店員に伝え駐車券16を提示する。小売業者20の店員は商品情報書込機12で駐車券に購入商品情報(商品番号、数量)を記録する。
【0017】
そして、ショッピングを終え帰宅する利用者18は都心からLRT等でP&R駐車場まで移動し、P&R駐車場の商品保管/引渡業者21の商品受取所にて駐車券16を提示する。商品保管/引渡業者21の係員は、商品受取所に設置された商品受取端末13に駐車券16をかけ商品の格納場所を調べる。商品受取端末13は購入商品情報を読み込み、その情報を基に商品保管/引渡業者21の倉庫管理サーバ15に格納場所を問合せ、その問い合わせ結果を表示装置上に表示する。
【0018】
商品保管/引渡業者21の係員はこの表示装置に表示された情報を基に倉庫から商品を集め利用者18に引き渡す。利用者18は購入商品を受け取り、駐車場料金を精算してP&R駐車場を出庫し車で帰宅する。
【0019】
次に、本発明の第1の実施の形態における駐車券16の磁気記録のフォーマットを説明する。図3は第1の実施の形態における駐車券16の磁気記録の一例を示すフォーマット図である。日時の日付を6桁、時刻を4桁で記録し、商品情報として10桁の商品番号と2桁の数量(99個までの数量)を有する。図3では5組の商品情報を有した場合を示しており、この場合は全データ長は70桁となる。
【0020】
例えば、入庫日時が2005年1月31日12時35分の場合は、日付を「050131」と記録し、時刻は「1235」と記録する。駐車券16の発行時点では商品番号および数量の欄には何も記録しない。ここでは、駐車券16の初期状態として記録なしの状態を全て0と記録しておくとする。そうすると、記録された情報は図4に示すようになる。
【0021】
そして、利用者が都心部へ移動し買い物をしたとすると、商品購入時に、小売店舗に設置された商品情報書込機12にて、P&R駐車場での受け取りを希望する商品の情報を書き込むことになる。例えば、東芝製ノートパソコン(商品番号を148003100とする)を3台購入し、P&R駐車場での受け取りを希望したとする。この場合は、駐車券16の最初の商品番号欄に「148003100」と記録し、数量欄に「03」と記録する。記録された情報は図5に示すようになる。
【0022】
さらに、東芝製HDD&DVDレコーダ(商品番号を1048001071とする)を1台購入した場合は、図6に示すように、2番目の商品番号欄に「1048001071」と記録し2番目の数量欄に「01」と記録する。
【0023】
次に、商品受取端末13における購入商品情報の読込みは次のように行う。駐車券16のフォーマットに従って、まず最初の商品番号欄(先頭から11〜20桁目)と数量欄(先頭から21,22桁目)を読み込む。最初の商品番号欄(先頭から11〜20桁目)は、商品番号が「148003100」、数量が「03」である。以下、順次、商品番号欄と数量欄を読み込む。商品番号欄が記録なし(この例ではすべて0)となるか、全データ(この例では5組分)を読み取ると商品情報の読取は終了する。読み取った商品情報の商品番号をキーとして倉庫管理サーバ15に格納場所を問い合わせる。
【0024】
倉庫管理サーバ15は商品受取端末13からの問い合わせがあると、商品番号をキーとして倉庫管理サーバ13の格納場所DB17を検索し格納場所を抽出する。格納場所DB17の一例を図7に示す。
【0025】
商品番号「1048001071」の商品の場合、倉庫管理サーバ13は商品番号が「1048001071」のレコードを検索する。その結果、図7では(1)のレコードがヒットする。また、商品番号「148003100」の商品の場合は、図7では(2)のレコードがヒットする。
【0026】
倉庫管理サーバ13はこのレコードの在庫数量および格納場所情報(区画、棚番号、棚方向、段)を商品受取端末13に返信する。商品受取端末13は返信データを表示装置の画面上に表示する。この表示から、商品番号「1048001071」の商品は、C2区画の棚番号18Aの棚の北側の棚の1段目に10個の在庫があることがわかる。商品番号「148003100」の商品は、C2区画の棚番号16Eの棚の南側の棚の2段目に10個の在庫があることがわかる。全ての商品番号について同様に検索し、すべての購入商品の格納場所を商品受取端末13の表示装置に表示する。商品保管/引渡業者の係員はこの情報を基に倉庫から商品を集め利用者に引き渡すことになる。
【0027】
第1の実施の形態によれば、P&R駐車場に商品受取所を併設し、利用者18は都心部で購入した商品をP&R駐車場に併設された商品受取所で受け取るので、都心部の小売店舗から離れたP&R駐車場まで購入商品を運搬する負担を大幅に軽減できパークアンドライドの促進に貢献する。また、小売店舗としては、地価の高い都心部に倉庫スペースを確保せずに済むことで倉庫費を抑制できる。
【0028】
(第2の実施の形態)
図8は本発明の第2の実施の形態に係わる商品引渡システムの構成図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、駐車券発券機11が発行する駐車券16に駐車管理IDを記録する発券管理サーバ22を設けるとともに、商品情報書込機12に代えて、ネットワーク14に接続され各々の小売店舗に設置される小売店舗端末23a〜23nを設けたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0029】
第2の実施の形態に係わる商品引渡システムは、P&R駐車場に設置されたスタンドアロンの駐車券発券機11と、駐車券発券機11が発行する駐車券16に駐車管理IDを記録する発券管理サーバ22と、ネットワーク14に接続され各々の小売店舗に設置された小売店舗端末23a〜23nと、ネットワーク14に接続されP&R駐車場に併設された商品受取所の商品受取端末13と、ネットワーク14に接続され商品の格納場所を記憶する格納場所DBを備えた倉庫管理サーバ15とからなる。
【0030】
駐車券発券機11はパークアンドライドシステムの駐車場に設置され、入庫日時が記録された磁気記録可能な駐車券16を発券する。発券管理サーバ22は駐車管理IDを格納した駐車管理DB24を有し、駐車券発券機11が発行する駐車券16に駐車管理IDを追加記録する。倉庫管理サーバ15は倉庫内に商品の在庫情報が記憶された格納場所DBを有し、商品識別記号から商品の格納場所や数量を検索する。
【0031】
小売店舗端末23a〜23nはネットワーク14に接続され、駐車券発券機11で発券された駐車券16の磁気情報を読み取る読取装置と在庫情報を表示するための表示装置とを有する。そして、小売店舗端末23a〜23nは駐車券16から商品識別記号を読取装置で読み取り、その商品識別記号を基に倉庫管理サーバ15に商品の在庫照会して表示装置に表示するとともに、商品の在庫がある場合には駐車管理ID及び在庫確保要求を倉庫管理サーバ15に送信する。
【0032】
商品受取端末13は小売店舗端末23a〜23nと同様にネットワーク14に接続され、駐車券16の磁気情報を読み取る読取装置と商品情報や商品の格納場所を表示するための表示装置を有する。そして、商品受取端末13は駐車券16から駐車管理IDを読取装置で読み取り、その駐車管理IDに対応する購入商品の商品情報や商品の格納場所を倉庫管理サーバ15から取り出し表示装置に表示する。
【0033】
次に、本発明の第2の実施の形態に係わる商品引渡システムの処理の流れを説明する。図9は本発明の第2の実施の形態に係わる商品引渡システムの処理の流れ図である。利用者18は、自宅から車で移動しP&R駐車場に入庫時に、P&R駐車場運営者19が運営する駐車場発券機11から駐車券16を受け取る。駐車場発券機11は駐車券16に入庫日時を印字し、さらに入庫日時を磁気記録するとともに、発券管理サーバ22からの駐車場管理IDを磁気記録する。
【0034】
利用者18はP&R駐車場に駐車した後、LRT等で都心部へ移動し、小売業者20が営業する小売店舗で商品を購入する。そして、小売業者20に商品代金を支払う。利用者18はP&R駐車場での商品受け取りを希望する場合、その旨を店員に伝え駐車券16を提示する。
【0035】
小売業者20の店員は小売店舗端末23で駐車券16から駐車管理IDを読み取り、商品保管/引渡業者21の倉庫管理サーバ15に在庫を問い合わせる。在庫がある場合には、駐車管理IDと購入商品情報(商品番号、数量)とを記録して商品保管/引渡業者21の倉庫管理サーバ15に対し在庫を確保する。
【0036】
そして、ショッピングを終え帰宅する利用者18は都心からLRT等でP&R駐車場まで移動し、P&R駐車場の商品保管/引渡業者21の商品受取所にて駐車券16を提示する。商品保管/引渡業者21の係員は、商品受取所に設置された商品受取端末13に駐車券16をかけ駐車管理IDに対応する商品の格納場所を倉庫管理サーバ15に問い合わせる。その問い合わせ結果は表示装置上に表示される。商品保管/引渡業者21の係員はこの表示装置に表示された情報を基に倉庫から商品を集め利用者18に引き渡す。利用者18は購入商品を受け取り、駐車場料金を精算してP&R駐車場を出庫し車で帰宅する。
【0037】
次に、本発明の第2の実施の形態における駐車券16の磁気記録のフォーマットを説明する。図10は第2の実施の形態における駐車券16の磁気記録の一例を示すフォーマット図である。磁気記録のフォーマットの1例を以下に示した。日付を6桁、時刻を4桁で記録し、10桁の駐車管理IDを記録する。全データ長は20桁である。
【0038】
駐車管理IDには駐車場16の利用を一意に決めるためのユニークなIDが記録される。例えば駐車券16を発券するごとに番号を1ずつ増やすこととする。2005年1月31日の駐車場利用で駐車管理IDが「0000120034」だったとすると駐車券16に記録された情報は図11に示すようになる。
【0039】
次に、小売業者20の店員が店舗に設置された小売店舗端末23にて、倉庫管理サーバ15に駐車管理IDや購入商品を登録する場合について説明する。前述したように、小売店舗端末23と倉庫管理サーバ15とはネットワーク14で接続されており、既存の通信プロトコル(例えばTCP/IP)を用いて通信可能となっている。小売業者20の店員は小売店舗端末23に購入商品の情報(商品番号および数量)を入力する。この場合、POS(point of sale)と連動させて入力するようにしてもよい。
【0040】
小売店舗端末23に購入商品の情報(商品番号および数量)を入力すると、小売店舗端末23のメモリ上には図12に示すような商品番号と数量とを対にしたデータが格納される。図12では、第1の実施の形態と同様に、商品番号「1048001071」の商品を1個、商品番号「1048003100」の3個の商品を購入した場合を示している。
【0041】
これらの情報を基に小売店舗端末23は、倉庫管理サーバ15に在庫照会するための在庫照会要求を送信する。小売店舗端末23から倉庫管理サーバ15への在庫照会のフォーマットの一例を図13に示す。
【0042】
店番号/照会番号には小売店舗を一意に識別するためのユニークな10桁のID番号を入れる。組数には後に続く商品番号と数量が何組あるかを示す。問合せデータの全長は、組数をnとすると10+12*nとなる。このようなデータを既存の通信プロトコル(例えばTCP/IP)に従って送信する。
【0043】
倉庫管理サーバ15は小売店舗端末23からの在庫照会を受けると、倉庫管理サーバ15の格納場所DB17を検索し、在庫情報(商品番号と在庫数量)を小売店舗端末23に返信する。小売店舗端末23では店員が在庫情報を確認し、在庫がある場合は、小売店舗端末23から倉庫管理サーバ15へ在庫確保要求を駐車管理IDとともに送信する。在庫確保要求を受信した倉庫管理サーバ15は格納場所DB17に当該商品の在庫確保数と在庫とを確保した駐車管理IDを登録する。
【0044】
そして、商品保管/引渡業者21の係員は商品受取端末13に駐車券16をかけ、駐車券16から駐車管理IDを読取装置で読み取り、その駐車管理IDに対応する購入商品の商品情報や商品の格納場所を倉庫管理サーバ15から取り出し表示装置に表示する。商品保管/引渡業者21の係員はこの表示装置に表示された情報を基に倉庫から商品を集め利用者18に引き渡す。利用者18は購入商品を受け取り、駐車場料金を精算してP&R駐車場を出庫し車で帰宅する。
【0045】
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、小売店舗側で商品引渡所に対する在庫問合せ実施するので、商品引渡所で商品が受け取れないという事態を防止できる。
【0046】
(第3の実施の形態)
図14は本発明の第3の実施の形態に係わる商品引渡システムの構成図である。この第3の実施の形態は、図8に示した第2の実施の形態に対し、複数の商品引渡所24a〜24mを有し、各々の商品引渡所24a〜24mに倉庫管理サーバ15a〜15mと商品受取端末13a〜13mとをぞれぞれ設置し、駐車管理IDと商品引渡所24a〜24mの倉庫管理サーバ15a〜15mとの対応テーブルを有した商品引渡所サーバ25を設けたものである。駐車管理IDと商品引渡所24a〜24mの倉庫管理サーバ15a〜15mとの対応テーブルは、商品引渡所DB26に格納されている。図8と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0047】
図14において、小売店舗端末23a〜23nは、商品の在庫照会に先立って商品引渡所サーバ25に当該駐車券16の駐車管理IDに対応した倉庫管理サーバ15a〜15mを問合せ、商品引渡所サーバ25は、小売店舗端末23a〜23nからの駐車管理IDを含む倉庫管理サーバ15a〜15mの照会要求を受けると、駐車管理IDに対応する商品引渡所24a〜24mを商品引渡所DB26の対応テーブルから検索し、当該倉庫管理サーバ15a〜15mの識別記号を小売店舗端末23a〜23nに返信する。
【0048】
図15は本発明の第3の実施の形態に係わる商品引渡システムの処理の流れ図である。図15において、商品引渡所サーバ25は倉庫照会センタ27に設置される。倉庫照会センタ27は小売業者20の小売店舗端末23a〜23nからの倉庫管理サーバ照会要求に対して、商品引渡所サーバ25により、駐車管理IDに対応した倉庫管理サーバ15a〜15mを特定する。
【0049】
まず、倉庫照会センタ27の商品引渡所サーバ25は、小売店舗端末23a〜23nから倉庫管理サーバ照会要求(駐車管理ID)を受け取ると、駐車管理IDに対応するP&R駐車場を選択するとともに、駐車管理IDと倉庫管理サーバ15a〜15mを対応付ける商品引渡所DB26を駐車管理IDをキーとして検索し、その利用者が駐車したP&R駐車場に併設された商品保管/引渡業者21の倉庫管理サーバ15a〜15mを特定する。そして、商品引渡所サーバ25は、特定した倉庫管理サーバ15a〜15mの情報{サーバ名やサーバのアドレス(例えばTCP/IPで通信する場合はIPアドレス)}を小売店舗端末23a〜23nに返信する。
【0050】
倉庫管理サーバ15a〜15mの情報を受け取った小売店舗端末23a〜23nはその倉庫管理サーバ15a〜15mに対して第2の実施の形態と同様に、在庫照会や在庫確保を行う。すなわち、小売業者20の店員は小売店舗端末23で駐車券16から駐車管理IDを読み取り、商品保管/引渡業者21の倉庫管理サーバ15に在庫を問い合わせる。在庫がある場合には、駐車管理IDと購入商品情報(商品番号、数量)とを記録して商品保管/引渡業者21の倉庫管理サーバ15に対し在庫を確保する。
【0051】
そして、ショッピングを終え帰宅する利用者18は都心からLRT等でP&R駐車場まで移動し、P&R駐車場の商品保管/引渡業者21の商品受取所にて駐車券16を提示する。商品保管/引渡業者21の係員は、商品受取所に設置された商品受取端末13に駐車券16をかけ駐車管理IDに対応する商品の格納場所を倉庫管理サーバ15に問い合わせる。その問い合わせ結果は表示装置上に表示される。商品保管/引渡業者21の係員はこの表示装置に表示された情報を基に倉庫から商品を集め利用者18に引き渡す。利用者18は購入商品を受け取り、駐車場料金を精算してP&R駐車場を出庫し車で帰宅する。
【0052】
第3の実施の形態によれば、第2の実施の形態の効果に加え、商品引渡所サーバ25により、小売店舗端末23a側で接続すべきP&R駐車場の倉庫管理サーバ15a〜15mを特定できるので、複数のP&R駐車場がある場合でも駐車券16から読み取った情報から自動的に適切なP&R駐車場に併設された商品引渡所24a〜24mに問合せができる。また、P&R駐車場に関する情報の新規の登録やデータの変更等は、商品引渡所サーバ25の商品引渡所DB26のみ更新すればよいので保守性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる商品引渡システムの構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係わる商品引渡システムの処理の流れ図。
【図3】本発明の第1の実施の形態における駐車券の磁気記録の一例を示すフォーマット図。
【図4】本発明の第1の実施の形態における駐車券の入庫日時が記録された状態のデータ配置図。
【図5】本発明の第1の実施の形態における駐車券の入庫日時及び一つの商品番号と個数が記録された状態のデータ配置図。
【図6】本発明の第1の実施の形態における駐車券の入庫日時及び二つの商品番号と個数が記録された状態のデータ配置図。
【図7】本発明の第1の実施の形態における倉庫管理サーバの格納場所DBの一例を示す説明図。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係わる商品引渡システムの構成図。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係わる商品引渡システムの処理の流れ図。
【図10】本発明の第2の実施の形態における駐車券の磁気記録の一例を示すフォーマット図。
【図11】本発明の第2の実施の形態における駐車券の入庫日時及び駐車管理IDが記録された状態のデータ配置図。
【図12】本発明の第2の実施の形態における小売店舗端末のメモリ上に記録された商品番号と数量のデータ配列説明図。
【図13】本発明の第2の実施の形態における小売店舗端末から倉庫管理サーバへの在庫照会の一例を示すフォーマット図。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係わる商品引渡システムの構成図。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係わる商品引渡システムの処理の流れ図。
【符号の説明】
【0054】
11…駐車券発券機、12…商品情報書込機、13…商品受取端末、14…ネットワーク、15…倉庫管理サーバ、16…駐車券、17…格納場所DB、18…利用者、19…P&R駐車場運営者、20…小売業者、21…商品保管/引渡業者、22…発券管理サーバ、23…小売店舗端末、24…駐車管理DB、25…商品引渡所サーバ、26…商品引渡所DB、27…倉庫照会センタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
郊外や近郊から都心周辺まで自動車で移動して都心周辺の駐車場に駐車し都心と都心周辺の駐車場を結ぶ公共交通システムに乗り換えて都心へ移動するパークアンドライドシステムの前記駐車場に設置され入庫日時が記録された駐車券を発券する駐車券発券機と、小売店舗に設置され購入商品を一意に特定する購入商品情報を前記駐車券に記録する商品情報書込機と、倉庫内に保管されている商品の在庫情報が記憶され商品識別記号から商品の格納場所や数量を検索する倉庫管理サーバと、倉庫管理サーバとネットワークで接続され駐車券から購入商品の商品識別記号を読み込み商品の在庫情報を前記倉庫管理サーバに問い合わせその在庫情報を表示する商品受取端末とを備えたことを特徴とする商品引渡システム。
【請求項2】
郊外や近郊から都心周辺まで自動車で移動して都心周辺の駐車場に駐車し、都心と都心周辺の駐車場を結ぶ公共交通システムに乗り換えて都心へ移動するパークアンドライドシステムの前記駐車場に設置され入庫日時が記録された駐車券を発券する駐車券発券機と、前記駐車券発券機が発行する駐車券に駐車管理IDを記録する発券管理サーバと、倉庫内に保管されている商品の在庫情報が記憶され商品識別記号から商品の格納場所や数量を検索する倉庫管理サーバと、前記倉庫管理サーバにネットワークで接続され前記商品識別記号を基に前記倉庫管理サーバに商品の在庫照会し商品の在庫がある場合には前記駐車管理ID及び在庫確保要求を前記倉庫管理サーバに送信する小売店舗端末と、前記倉庫管理サーバとネットワークで接続され駐車券から駐車管理IDを読み込みその駐車管理IDに対応する購入商品情報を前記倉庫管理サーバから取り出し表示する商品受取端末とを備えたことを特徴とする商品引渡システム。
【請求項3】
複数の商品引渡所を有し各々の商品引渡所に前記倉庫管理サーバと前記商品受取端末とをぞれぞれ設置し、前記駐車管理IDと商品引渡所の倉庫管理サーバとの対応テーブルを有した商品引渡所サーバを設け、前記小売店舗端末は、商品の在庫照会に先立って前記商品引渡所サーバに当該駐車券の駐車管理IDに対応した倉庫管理サーバを問合せ、商品引渡所サーバは、前記小売店舗端末からの駐車管理IDを含む倉庫管理サーバの照会要求を受けると、駐車管理IDに対応する商品引渡所を対応テーブルから検索し、当該倉庫管理サーバの識別記号を前記小売店舗端末に返信することを特徴とする請求項2記載の商品引渡システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−219980(P2007−219980A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−42038(P2006−42038)
【出願日】平成18年2月20日(2006.2.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】