説明

商品情報処理装置及びプログラム

【課題】会員の階級に応じた値引を効果的に行うこと。
【解決手段】撮像手段が撮像した画像を取り込む画像取込手段と、前記画像取込手段が取り込んだ画像から、購入対象の商品に付されたサービスラベルの種別を検出するサービスラベル検出手段と、前記商品を購入する会員の階級を示した階級情報の入力を受け付ける入力受付手段と、前記サービスラベル検出手段が検出したサービスラベルの種別と、前記入力受付手段が受け付けた階級情報との組み合わせに応じた値引額を、前記商品の価格から値引する値引手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットの小売店では、会員登録した顧客に対して値引等のサービスを提供している。例えば、会員となった顧客の店舗利用度や取引金額に応じて会員の階級付けを行い、その階級に応じた金額を値引できるものとしている。これにより、会員は提供されるサービスの恩恵を受けることができる一方、店舗側は会員の来店機会を増やして販売促進を図ることができる。
【0003】
また、店舗での商品管理はJAN等の商品コードにより行われており、該商品コードはバーコード等の形態で各商品に付されている。商品に付されたバーコードの読み取りに関し、CCD等のイメージセンサを用いて撮像された商品のバーコードから商品コードを読み取り、この読み取った商品コードをPOS端末に出力する技術が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、各会員の階級に応じて値引を実際の店舗で行う場合、会員の階級に応じた値引額(又は商品価格)を各商品に提示する必要があるが、来店した顧客側では商品価格に差があることを露わに提示されると、かえって購買意欲が低下する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施の形態の商品情報処理装置は、画像取込手段と、サービスラベル検出手段と、入力受付手段と、値引手段とを備えている。画像取込手段は、撮像手段が撮像した画像を取り込む。サービスラベル検出手段は、画像取込手段が取り込んだ画像から、購入対象の商品に付されたサービスラベルの種別を検出する。入力受付手段は、商品を購入する会員の階級を示した階級情報の入力を受け付ける。値引手段は、サービスラベル検出手段が検出したサービスラベルの種別と、入力受付手段が受け付けた階級情報との組み合わせに応じた値引額を、商品の価格から値引する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、第1の実施形態に係るチェックアウトシステムの構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】図2は、第1の実施形態に係るPOS端末及び商品コード読取装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、PLUファイルの一例を示す図である。
【図4】図4は、会員マスタファイルの一例を示す図である。
【図5】図5は、値引マスタファイルの一例を示す図である。
【図6】図6は、撮像部の撮像領域と商品との関係の一例を示す図である。
【図7】図7は、サービスラベルの例を示す図である。
【図8】図8は、サービスラベルの例を示す図である。
【図9】図9は、サービスラベル特徴ファイルを説明するための図である。
【図10】図10は、第1の実施形態の商品コード読取装置が行う情報出力処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】図11は、第1の実施形態のPOS端末が行う決済処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】図12は、第1の実施形態のPOS端末に表示された表示画面の一例を示す図である。
【図13】図13は、第2の実施形態に係るPOS端末及び商品コード読取装置の構成を示すブロック図である。
【図14】図14は、グレードラベルの配布形態の一例を示す図である。
【図15】図15は、グレードラベル特徴ファイルを説明するための図である。
【図16】図16は、第2の実施形態の商品コード読取装置が行う情報出力処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】図17は、第2の実施形態の商品コード読取装置に表示された表示画面の一例を示す図である。
【図18】図18は、第2の実施形態のPOS端末が行う決済処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、チェックアウトシステムを例に、本実施形態に係る商品情報処理装置及びプログラムを説明する。本実施形態では、飲食店やスーパーマーケット等の店舗に導入されたチェックアウトシステムに適用した例について説明する。
【0008】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係るチェックアウトシステムの構成を概略的に示す斜視図である。図1に示すように、チェックアウトシステムは、POS端末100と商品コード読取装置200とを備える。
【0009】
POS端末100は、顧客が購入する商品の販売登録を行うための商品情報処理装置であって、チェックアウト台11に載置されている。POS端末100は、キーボード101と、オペレータ用の表示器102と、顧客用の表示器103と、プリンタ104と、カードリーダ105と、ドロワ106とを備えている。なお、POS端末100が備える各部については後述する。
【0010】
また、チェックアウト台11とL字を形成するようにして、横長テーブル状のカウンタ台12が配置されている。カウンタ台12の上面には、荷受面13が形成されている。商品コード読取装置200は、この荷受面13に載置され、有線又は無線によりPOS端末100との間で通信可能に接続されている。
【0011】
商品コード読取装置200は、商品に付されたコードシンボルを検出し、該コードシンボルに保持された商品コードをPOS端末100に出力するための装置である。図1に示すように、商品コード読取装置200は、読取窓201と、キーボード202と、オペレータ用の表示器203と、顧客用の表示器204とを備えている。なお、商品コード読取装置200が備える各部については後述する。
【0012】
荷受面13には、後述するコードラベルやサービスラベルが貼付された商品Gを収納する買物カゴ14が載置される。買物カゴ14は、顧客によって持ち込まれる第1の買物カゴ14aと、第1の買物カゴ14aから商品コード読取装置200を挟んだ位置に載置される第2の買物カゴ14bとに分別される。
【0013】
顧客によって持ち込まれた第1の買物カゴ14aには、一取引にかかる商品Gが収納されている。商品Gには、バーコードや二次元コード等のコードシンボルを表したコードラベルや、提供するサービス内容を記号や文字等で表したサービスラベルが貼付されている。コードシンボルには、商品Gに関する商品コードが符号化された状態で保持されている。ここで商品コードは、商品Gを特定するために各商品に割り当てられたコードであり、一例としてJANコードがある。
【0014】
第1の買物カゴ14a内の商品Gは、商品コード読取装置200を操作するオペレータにより第2の買物カゴ14bへと移動される。この移動過程で、コードラベルやサービスラベルが商品コード読取装置200の読取窓201に向けられる。この際、読取窓201内に設けられた後述する撮像部216(図2参照)は、商品に付されたコードラベルやサービスラベルを撮像する。
【0015】
商品コード読取装置200では、撮像部216で撮像された画像に含まれるコードシンボルやサービスラベルを検出し、商品Gに関する商品コードの読み取りや、サービスラベルの種別を検出する。なお、本実施形態ではコードシンボルとしてバーコードを用いた例を説明するが、これに限らず二次元コードを用いる形態としてもよい。
【0016】
以下、チェックアウトシステムの構成について説明する。図2は、POS端末100及び商品コード読取装置200の構成を示すブロック図である。
【0017】
まず、POS端末100の構成について説明する。POS端末100は、情報処理を実行するマイクロコンピュータとして、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112及びRAM(Random Access Memory)113を備えている。
【0018】
CPU111は、ROM112や後述する記憶部114に記憶された各種プログラムを実行することにより、POS端末100を統括的に制御する。ROM112は、基本動作を行うためのプログラムが記憶される。RAM113は、POS端末100の主記憶装置であって、CPU111のワークエリアとして機能する。
【0019】
また、CPU111には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、上述したキーボード101、表示器102、表示器103、プリンタ104、カードリーダ105及びドロワ106が接続されている。
【0020】
キーボード101は、POS端末100を操作するオペレータから入力されたキーの情報(以下、キー情報という)をCPU111に通知する入力デバイスである。このキーボード101には、数字や演算子を入力するためのテンキーや、商品代金の決済に必要な「締め」キー等の各種操作キーが配設されている。
【0021】
表示器102及び表示器103は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスを有し、CPU111の指示に基づいて商品の名称や価格等の各種の情報を表示する。ここで、表示器102は、POS端末100を操作するオペレータ用の表示器であって、その表示面がオペレータに向けて配置されている(図1参照)。また、表示器103は、顧客用の表示器であって、その表示面が顧客に向けて配置されている(図1参照)。なお、表示器102をタッチパネル構成とすることで、キーボード101の全てのキー又は一部のキーをタッチパネル上に実現する形態としてもよい。
【0022】
プリンタ104は、サーマルプリンタ等の印刷装置であって、CPU111の制御に従い、レシートやジャーナル等を印字する。
【0023】
カードリーダ105は、会員カードCに記憶された会員識別情報を読み出すリーダ装置である。ここで、会員カードCは、会員に対して発光された会員固有の会員識別情報を、読み出し可能に記憶したものであって、本実施形態では、磁気テープに会員識別情報を記憶した磁気カードである。なお、カードリーダ105により会員カードCから読み出された会員識別情報は、CPU111の制御により、一取引の間RAM113に保持される。
【0024】
ドロワ106は、現金等を収容するためのキャッシュドロワであって、CPU111の制御に従い開閉する。
【0025】
また、CPU111には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、記憶部114及び通信I/F115が接続されている。
【0026】
記憶部114は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体であって、CPU111が実行可能なプログラム114aや各種ファイルを記憶している。記憶部114に記憶されるプログラム114aとしては、決済処理用のプログラム等が挙げられる。また、記憶部114に記憶されるファイルとしては、PLUファイル114b、会員マスタファイル114c及び値引マスタファイル114d等が挙げられる。
【0027】
PLUファイル114bは、店舗で販売される各商品に関する情報を管理するためのファイルである。具体的に、PLUファイル114bには、店舗で販売される商品毎に、各商品にユニークに割り当てられた商品コード、商品名及び価格等が対応付けて格納されている。ここで、図3は、PLUファイル114bの一例を示す図である。同図に示すように、PLUファイル114bには、各商品の商品コード、商品名及び価格等を対応付けたレコードが格納されている。
【0028】
会員マスタファイル114cは、各会員の会員識別情報と当該会員の階級を示すグレード情報とを対応付けて管理するためのファイルである。ここで、図4は、会員マスタファイル114cの一例を示す図である。同図に示すように、会員マスタファイル114cには、各会員の会員識別情報と、そのグレード情報とを対応付けたレコードが格納されている。ここで、各会員の階級付けは、例えば、店舗の利用頻度や支払金額の合計値等の所定の基準に基づき予め行われているものとする。同図では、グレード情報として、3段階の階級付けをした例を示しており、Grade1、Grade2、Grade3の順にグレードが下降するよう設定されている。なお、会員マスタファイル114cに格納する情報は、図4の例に限らず、例えば会員の氏名や年齢、住所等の個人情報、各会員に付与されたポイントの累積値等を格納する形態としてもよい。
【0029】
値引マスタファイル114dは、各会員のグレードに応じた値引額を管理するためのファイルである。ここで、図5は、値引マスタファイル114dの一例を示す図である。同図に示すように、値引マスタファイル114dには、後述する各ラベル識別情報と、このラベル識別情報に応じたグレード情報毎の値引額を示した情報と、が対応付けて格納されている。この値引情報には、値引を行う金額や値引率を、POS端末100のCPU111が識別可能な英数値に変換した情報が格納される。例えば、“−30YEN”は商品の価格から30円値引きすることを示すものであり、“−20%”は商品の価格に対し20%の値引きを行うことを示すものである。
【0030】
図2に戻り、通信I/F115は、商品コード読取装置200とデータ通信を行うためのインタフェースである。CPU111は、この通信I/F115を介し、商品コード読取装置200との間で種々のデータを送受信する。
【0031】
また、POS端末100のCPU111は、ROM112や記憶部114に記憶されたプログラムとの協働により、図2に示すように決済処理部121を実現させる。
【0032】
決済処理部121は、商品コード読取装置200から商品コードの入力を受け付けると、この商品コードに対応するレコードをPLUファイル114bから読み出し、決済対象商品として販売登録を行う。ここで、販売登録とは、PLUファイル114bから読み出した各商品のレコードを、その商品の購入数等と関連付けてRAM113に保持することを意味する。
【0033】
また、決済処理部121は、商品コード読取装置200から後述するラベル識別情報の入力を受け付けると、カードリーダ105により会員カードCから読み取られた会員識別情報に対応するグレード情報を会員マスタファイル114cから読み出し、このグレード情報と入力されたラベル識別情報との組に対応する値引情報を値引マスタファイル114dから読み出す。そして、決済処理部121は、値引情報に応じた値引額を商品金額から値引すると、値引後のレコードを用いて販売登録を行う。
【0034】
また、決済処理部121は、キーボード101の「締め」キーの入力に応じて、販売登録した各商品の価格及び販売個数から全商品の購入金額を算出し、販売登録したレコードの内容を取引内容として、表示器102及び表示器103への表示出力や、プリンタ104からレシート出力させる。
【0035】
次に、商品コード読取装置200の構成について説明する。図2に示すように、商品コード読取装置200は、情報処理を実行するマイクロコンピュータとして、CPU211、ROM212及びRAM213を備えている。
【0036】
CPU211は、ROM212に記憶された各種プログラムを実行することにより、商品コード読取装置200を統括的に制御する。ROM212は、基本動作を行うためのプログラムが記憶される。RAM213は、商品コード読取装置200の主記憶装置であって、CPU211のワークエリアとして機能する。
【0037】
また、CPU211には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、上述したキーボード202、表示器203及び表示器204が接続されている。
【0038】
キーボード202は、商品コード読取装置200を操作するオペレータから入力されたキー情報をCPU211に通知する入力デバイスである。このキーボード202は、販売個数の入力や、バーコードを読み取ることができない商品の商品コードの入力を行う場合等に用いられる。
【0039】
表示器203及び表示器204は、LCD等の表示デバイスを有し、CPU211の指示に基づいて商品の名称や価格等の各種の情報を表示する。ここで、表示器203は、商品コード読取装置200を操作するオペレータ用の表示器であって、その表示面がオペレータに向けて配置されている(図1参照)。また、表示器204は、顧客用の表示器であって、その表示面が顧客に向けて配置されている(図1参照)。なお、表示器203をタッチパネル構成とすることで、キーボード202の全てのキー又は一部のキーを該タッチパネル上に実現する形態としてもよい。
【0040】
また、CPU211には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、通信I/F214、計時部215、撮像部216及び記憶部217が接続されている。
【0041】
通信I/F214は、POS端末100とデータ通信を行うためのインタフェースである。CPU211は、この通信I/F214を介し、POS端末100との間で種々のデータを送受信する。計時部215は、RTC等の計時装置であって、現在日時(時間)をCPU211に出力する。
【0042】
撮像部216は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサであって、図1に示した読取窓201内に設けられている。また、撮像部216は、CPU211の制御に従って撮像を開始/停止する。
【0043】
以下、図6を参照して、撮像部216の撮像領域と商品Gとの関係について説明する。図6は、撮像部216の撮像領域と商品Gとの関係の一例を示す図である。図中破線で囲った領域は、撮像部216が1フレームで撮像できる領域である撮像領域216aである。ここで、商品Gには、コードラベルCLとサービスラベルSL1とが付されている。
【0044】
コードラベルCLには、商品名「豚バラうす切り」や商品価格「200円」の他、コードシンボルとしてバーコードBC等が表されている。バーコードBCの下部には、このバーコードBCに組み込まれている商品コードの数値「2101234567890」が表されている。
【0045】
また、サービスラベルSL1は、所定の記号や色彩を表したラベルである。ここで、サービスラベルは、その商品が値引対象であることを顧客に明示するために付されるものであって、値引マスタファイル114dで説明したように、サービスラベルの種別を表すサービス識別情報毎に値引額や値引率が異なっている。
【0046】
なお、図6では、星形のサービスラベルSL1を示したが、図7に示すように円形のサービスラベルSL2を用いる形態としてもよい。また、図8に示すように、ロゴタイプ等をサービスラベルSL3として用いる形態としてもよい。この場合、サービスラベルSL3となるロゴタイプは、商品Gのパッケージに予め印刷されたものを用いる形態としてもよく、例えば、商品Gを製造・販売する企業の標識(商標)や、特定の商品名を表す標識(商標)をサービスラベルSL3として用いてもよい。
【0047】
図2に戻り、記憶部217は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体であって、CPU211が実行可能なプログラム217aや、各種ファイルを記憶している。ここで、記憶部217に記憶されるプログラム217aとしては、撮像部216の制御用プログラムや、コードシンボル読取用のプログラム、OCRやパターンマッチング等の文字や画像認識用のプログラム等が挙げられる。また、記憶部217に記憶されるファイルとしては、サービスラベル特徴ファイル217b等が挙げられる。
【0048】
サービスラベル特徴ファイル217bは、各サービスラベルの特徴と、そのサービスラベルを識別するラベル識別情報とを対応付けて管理するためのファイルである。図9は、サービスラベル特徴ファイル217bを説明するための図である。同図に示すように、サービスラベル特徴ファイル217bは、サービスラベルの形状(ラスタデータ、ベクトルデータ)や色彩等の特徴を示したサービスラベル特徴データと、当該サービスラベルを識別するための予め命名されたラベル識別情報とを対応付けて記憶している。
【0049】
ここで、サービスラベル特徴データは、パターンマッチングやOCR、色彩認識処理等によって、撮像部216が撮像した画像データからサービスラベルの画像を検出するために用いられる。例えば、図9のサービスラベル特徴ファイル217bにおいて、No.1のサービスラベル特徴データに基づき、撮像部216が撮像した画像データから図6に示した星形のサービスラベルSL1が検出されると、このサービスラベルSL1のラベル識別情報として「Label01」が特定される。
【0050】
次に、商品コード読取装置200が有する特徴的な機能について説明する。CPU211は、ROM212や記憶部217に記憶されたプログラムとの協働により、図2に示すように、画像データ取込部221、コード読取部222、ラベル検出部223及び情報出力部224を実現させる。
【0051】
画像データ取込部221は、撮像部216に撮像オン信号を出力することで撮像部216に撮像動作を開始させる。画像データ取込部221は、撮像部216が撮像した撮像領域216a内の画像データを取り込んで、RAM213に格納する。また、画像データ取込部221は、ラベル検出部223の指示を受けた場合に、撮像部216が撮像した撮像領域216a内の画像データを取り込んで、RAM213に格納する。
【0052】
コード読取部222は、画像データ取込部221がRAM213に格納した画像データから、バーコードの画像を検出し、検出したバーコードから商品コードを読み取るバーコード読取処理を行う。具体的に、コード読取部222は、RAM213に格納された1フレームの画像データを二値化し、この二値化したデータ内にバーコードに関するデータ領域が存在するか否かを検出する。コード読取部222は、バーコードに関するデータ領域を検出した場合には、そのバーコードをデコードし、デコードしたデータを商品Gの商品コードとして読み取る。そして、コード読取部222は、読み取った商品コードをRAM213に格納する。
【0053】
ラベル検出部223は、画像データ取込部221がRAM213の画像ワークエリアに格納した1フレームの画像データから、サービスラベルの画像を検出するサービスラベル検出処理を行う。このサービスラベル検出処理では、ラベル検出部223は、パターンマッチングやOCR文字認識等により画像データに含まれたサービスラベルの特徴と、サービスラベル特徴ファイル217bに登録された各サービスラベル特徴データ(図9参照)とを照合し、何れかのサービスラベル特徴データに一致又は類似した場合に、サービスラベルを検出したと判定する。そして、ラベル検出部223は、一致したサービスラベル特徴データに対応付けられたラベル識別情報を読み出し、RAM213に格納する。
【0054】
さらに、ラベル検出部223は、計時部215が計時する時間に基づき、サービスラベル検出処理を実行する時間を制限する。具体的に、ラベル検出部223は、サービスラベル検出処理の実行時に、計時部215が計時する時間に基づいて、該ラベル読取処理の実行時間(例えば、5秒等)となるタイムアウト時間の計時を開始する。そして、ラベル検出部223は、サービスラベルを検出しない場合であっても、タイムアウト時間に到達するまではラベル読取処理を継続して実行し、画像データ取込部221に対して画像取り込みを行うよう指示して、撮像部216が撮像した撮像領域216a内の画像データを新たに取り込む処理を行わせる。このようにすることで、商品コード読取装置200のオペレータは、サービスラベル読取処理が実行される所定時間の間、商品Gを撮像部216によって複数回撮像することができる。
【0055】
情報出力部224は、コード読取部222が読み取った商品コード、ラベル検出部223が読み出したラベル識別情報を、通信I/F214を介してPOS端末100に送信(出力)する。具体的に、情報出力部224は、RAM113に格納された情報が商品コードのみの場合、この商品コードをPOS端末100に送信する。また、情報出力部224は、RAM113に商品コードとラベル識別情報とが格納されている場合、この商品コードとラベル識別情報とをPOS端末100に送信する。
【0056】
例えば、図6に示すように、商品Gに星形のサービスラベルSL1が貼付されていた場合、ラベル検出部223は、このサービスラベルSL1のラベル識別情報「Label01」をRAM213に格納する。従って、情報出力部224は、「2101234567890」を表わす商品コードと、「Label01」を表わすラベル識別情報との組をPOS端末100に送信することになる。
【0057】
次に、図10〜図12を参照して、本実施形態のチェックアウトシステムの動作について説明する。ここで、図10は、商品コード読取装置200が行う情報出力処理の手順を示すフローチャートである。
【0058】
商品コード読取装置200のCPU211は、POS端末100からの所定の信号により取引開始が指示されると、情報出力処理を開始する。画像データ取込部221は、撮像部216に撮像オン信号を出力し、撮像部216による撮像動作を開始する(ステップS11)。画像データ取込部221は、撮像部216が撮像した画像データをRAM213に取り込む(ステップS12)。そして、コード読取部222は、上述したバーコード読取処理を開始する(ステップS13)。
【0059】
コード読取部222は、ステップS13のバーコード読取処理においてバーコードを検出したか否かを判定する(ステップS14)。ここで、バーコードを検出することができない場合には(ステップS14;No)、ステップS12に再び戻ることで、新たに取り込まれた画像データに対してバーコード読取処理を実行する。
【0060】
バーコードを検出した場合(ステップS14:Yes)、ラベル検出部223は、計時部215が計時する時間に基づき、タイムアウト時間の計時を開始する(ステップS15)。続いて、ラベル検出部223は、ステップS12でRAM213に取り込まれた画像データに対して、サービスラベル検出処理を開始する(ステップS16)。そして、ラベル検出部223は、ステップS16のサービスラベル検出処理において、サービスラベルを検出したか否かを判定する(ステップS17)。
【0061】
ここで、サービスラベルを検出できない場合(ステップS17;No)、ラベル検出部223は、タイムアウト時間に到達したか否かを判定する(ステップS18)。タイムアウト時間に到達していない場合(ステップS18;No)、ラベル検出部223は、画像データ取込部221を制御して画像データの取り込みを新たに行う(ステップS19)。そして、ラベル検出部223は、ステップS16に戻ることで、新たに取り込まれた画像データに対してサービスラベル読取処理を実行する。
【0062】
また、ラベル検出部223がタイムアウト時間に到達したと判定した場合(ステップS18;Yes)、情報出力部224は、ステップS13のバーコード読取処理でRAM213に格納された商品コードを、通信I/F214を介してPOS端末100に送信し(ステップS20)、ステップS23に移行する。
【0063】
また、タイムアウト時間に到達する前にサービスラベルを検出した場合(ステップS17:Yes)、ラベル検出部223は、このサービスラベルに対応するラベル識別情報をサービスラベル特徴ファイル217bから読み出し、RAM213に格納する(ステップS21)。次いで、情報出力部224は、ステップS21でRAM213に格納されたラベル識別情報を、ステップS13のバーコード読取処理でRAM213に格納された商品コードとともに、通信I/F214を介してPOS端末100に送信し(ステップS22)、ステップS23に移行する。
【0064】
ステップS23において、CPU211は、POS端末100からの所定の信号により取引終了が指示されたか否かを判定する(ステップS23)。取引終了が指示されない場合には(ステップS23;No)、ステップS12に再び戻り、ステップS12〜S23を全ての商品の販売登録が完了するまで繰り返し実行する。また、取引終了が指示された場合(ステップS23;Yes)、画像データ取込部221は、撮像部216に撮像オフ信号を出力することで撮像部216による撮像動作を停止し(ステップS24)、本処理を終了する。
【0065】
次に、図11を参照して、POS端末100が行う決済処理について説明する。ここで、図11は、POS端末100が行う決済処理の手順を示すフローチャートである。
【0066】
まず、POS端末100のCPU111は、キーボード101の所定のキー操作に応じて、取引開始を指示する信号を商品コード読取装置200に送信する(ステップS31)。続いて、決済処理部121は、カードリーダ105を介し会員識別情報が入力されたか否かを判定する(ステップS32)。ここで、決済処理部121は、会員識別情報の入力を確認すると(ステップS32;Yes)、この会員識別情報をRAM113に格納し(ステップS33)、ステップS34に移行する。なお、会員識別情報の入力が確認できない場合、ステップS34に直ちに移行する。
【0067】
ステップS34において、決済処理部121は、商品コード読取装置200から商品コードが入力されるまで待機し(ステップS34;No)、商品コードの入力を受け付けると(ステップS34;Yes)、この商品コードに対応するレコードをPLUファイル114bから読み出す(ステップS35)。
【0068】
次いで、決済処理部121は、ステップS34で入力された商品コードとともに、ラベル識別情報の入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS36)。ここで、ラベル識別情報の入力が確認できない場合(ステップS36;No)、決済処理部121は、ステップS35で読み出したレコードに基づいて販売登録を実行し(ステップS41)、ステップS42に移行する。
【0069】
また、ステップS36において、ラベル識別情報の入力を受け付けたと判定した場合(ステップS36;Yes)、決済処理部121は、RAM113に保持した会員識別情報に対応するグレード情報を会員マスタファイル114cから読み出す(ステップS37)。次いで、決済処理部121は、ステップS37で読み出したグレード情報と、ステップS36で受け付けたラベル識別情報との組み合わせに対応する値引情報を、値引マスタファイル114dから読み出す(ステップS38)。
【0070】
続いて、決済処理部121は、ステップS38で読み出した値引情報に基づき、ステップS35で読み出したレコードに含まれる商品価格から値引すると(ステップS39)、この値引を行った旨を表示器102に表示する(ステップS40)。そして、決済処理部121は、値引後のレコードに基づいて販売登録を実行し(ステップS41)、ステップS42に移行する。
【0071】
ここで、図12は、ステップS40で表示器102に表示される画面の一例を示す図である。同図では、ステップS35で読み出したレコードに含まれる情報(商品名“豚バラうす切り”、価格“200円”)と、値引額“30円”とを組み合わせて表示した例を示している。これにより、サービスラベル(ラベル識別情報)による値引の発生毎に、その旨をPOS端末100のオペレータに報知することができるため、該オペレータに値引が行われたことを認識させることができる。なお、顧客用の表示器103に表示させる形態としてもよく、この場合、サービスラベル(ラベル識別情報)による値引の発生を、顧客(会員)に認識させることができる。
【0072】
ステップS42において、CPU111は、キーボード101から「締め」キーを表わすキー情報の入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS42)。ここで、「締め」キーの入力を確認できない場合(ステップS42;No)、決済処理部121は、ステップS34に再び戻り、新たな商品コードの入力を待機する。また、ステップS42において、「締め」キーの入力を受け付けた場合(ステップS42;Yes)、決済処理部121は、販売登録したデータ内容をプリンタ104に印字させることで、一取引分の取引内容をレシート出力する(ステップS43)。そして、CPU111は、取引の終了を指示する信号を通信I/F115を介し商品コード読取装置200に送信し(ステップS44)、本処理を終了する。
【0073】
以上のように、本実施形態によれば、来店した顧客(会員)に値引額を意識させることなく、各会員の階級グレードに応じた値引サービスを提供することができるため、店舗側では会員の来店機会を増やして販売促進を図ることができる。
【0074】
なお、本実施形態では、図11に示したように取引開始後直ちに会員識別情報の入力判定を行う形態としたが、これに限らないものとする。例えば、「締め」キー入力後の会員識別情報の入力が行われた場合には、ラベル識別情報の入力が行われた各商品(商品コード)の価格から、そのラベル識別情報と会員識別情報のグレード情報との組に応じた値引額(値引情報)を、夫々値引するものとする。
【0075】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。本実施形態では、サービスラベルと同様に、所定のラベルに基づいて顧客のグレードを判定し、該グレードに応じたサービスを提供することが可能な形態について説明する。なお、上述した第1の実施形態と同様の要素については、同一の符号を付与し説明を省略する。
【0076】
図13は、第2の実施形態に係るPOS端末300及び商品コード読取装置400の構成を示すブロック図である。なお、POS端末300と商品コード読取装置400との配置関係は、図1に示した態様と同様である。
【0077】
図13に示すように、POS端末300は、上述したPOS端末100と同様のハードウェア構成を備えている。ここで、記憶部114は、上述したプログラム114a、PLUファイル114b及び会員マスタファイル114cを記憶している。なお、本実施形態では、会員識別情報を用いないため、該会員識別情報に係るカードリーダ105及び会員マスタファイル114cを取り除く形態としてもよい。
【0078】
POS端末300のCPU111は、ROM112又は記憶部114に記憶されたプログラムとの協働により、本実施形態に特有の機能部である決済処理部301を実現する。
【0079】
決済処理部301は、上述した決済処理部121と同様の機能を有している。また、決済処理部301は、本実施形態に特有の機能として、商品コード読取装置400から値引情報の入力を受け付け、この値引情報に応じた値引額を、PLUファイル114bから読み出したレコード中の価格(商品価格)から値引する。
【0080】
商品コード読取装置400は、上述した商品コード読取装置200と同様のハードウェア構成を備えている。ここで、記憶部217は、プログラム217a及びサービスラベル特徴ファイル217bに加え、グレードラベル特徴ファイル217cと、上述した値引マスタファイル114dとを記憶している。なお、本実施形態では、記憶部217に値引マスタファイル114dを記憶する形態としたが、これに限らず、POS端末300が値引マスタファイル114dを記憶する場合には、この値引マスタファイル114dを通信I/F214を介し参照する形態としてもよい。
【0081】
グレードラベル特徴ファイル217cは、グレードラベルの特徴と、そのグレードラベルのグレード情報とを対応付けて格納したファイルである。ここで、グレードラベルは、所定の記号や色彩を表したラベルであって、各会員のグレードに応じたグレードラベルが当該会員に予め配布されている。
【0082】
図14は、グレードラベルの配布形態の一例を示す図である。ここで、図14は、各会員宛に配布されたDM(ダイレクトメール)の一例を示しており、スペード形の記号GL1がグレードラベルに対応する。このDMには、該DMの配布先となる会員のグレードに応じたグレードラベルが付されており、該DMを受け取った会員は、商品の決済時においてこのDMを商品コード読取装置400のオペレータに引き渡すことで、グレードラベルの撮像が行われる。なお、本実施形態では、DMを用いて各会員にグレードラベルを配布する形態としたが、これに限らず、例えば電子メール等を用いてグレードラベルの画像を配布する形態としてもよい。
【0083】
グレードラベル特徴ファイル217cには、各会員に配布されるグレードラベルの種別と、そのグレード情報が定義されている。ここで、図15は、グレードラベル特徴ファイル217cを説明するための図である。同図に示すように、グレードラベル特徴ファイル217cは、グレードラベルの形状(ラスタデータ、ベクトルデータ)や色彩等の特徴を示したグレードラベル特徴データと、そのグレードラベルに割り当てられたグレード情報とを対応付けて記憶している。
【0084】
グレードラベル特徴データは、上述したサービスラベル特徴データと同様、パターンマッチングやOCR、色彩認識処理等によって、撮像部216が撮像した画像データからグレードラベルの画像を検出するために用いられる。例えば、図15のグレードラベル特徴ファイル217cにおいて、No.1のグレードラベル特徴データに基づき、撮像部216が撮像した画像データから図14に示したスペード形のグレードラベルGL1が検出されると、このグレードラベルGL1のグレード情報として「Grade01」が特定される。
【0085】
また、商品コード読取装置400のCPU211は、ROM212又は記憶部217に記憶されたプログラムとの協働により、上述した画像データ取込部221及びコード読取部222を実現させるとともに、本実施形態に特有の機能部としてラベル検出部401、値引情報読出部402及び情報出力部403を実現させる。
【0086】
ラベル検出部401は、上述したラベル検出部223と同様の機能を有している。また、ラベル検出部401は、本実施形態に特有の機能として、画像データ取込部221がRAM213の画像ワークエリアに格納した1フレームの画像データから、グレードラベルの画像を検出するグレードラベル検出処理を行う。このグレードラベル検出処理では、ラベル検出部401は、サービスラベル検出処理と同様、パターンマッチングやOCR文字認識等により画像データに含まれたグレードラベルの特徴と、グレードラベル特徴ファイル217cに登録された各グレードラベル特徴データ(図15参照)とを照合し、何れかのグレードラベル特徴データに一致した場合に、サービスラベルを検出したと判定する。そして、ラベル検出部401は、一致したグレードラベル特徴データに対応付けられたグレード情報を読み出し、RAM213に格納する。
【0087】
値引情報読出部402は、ラベル検出部401がRAM213に格納したグレード情報と、ラベル識別情報との組み合わせに対応する値引情報を、記憶部217の値引マスタファイル114dから読み出し、RAM213に格納する。また、値引情報読出部402は、値引マスタファイル114dから読み出した値引情報に基づいて、値引を行う旨のメッセージを表示器203に表示する。
【0088】
情報出力部403は、コード読取部222が読み取った商品コード、値引情報読出部402が読み出した値引情報を、通信I/F214を介してPOS端末300に送信(出力)する。具体的に、情報出力部403は、RAM113に格納された情報が商品コードのみの場合、この商品コードをPOS端末300に送信する。また、情報出力部403は、RAM113に商品コードと値引情報とが格納されている場合、この商品コードと値引情報とをPOS端末300に送信する。
【0089】
以下、図16〜図18を参照して、本実施形態のチェックアウトシステムの動作について説明する。ここで、図16は、商品コード読取装置400が行う情報出力処理の手順を示すフローチャートである。
【0090】
商品コード読取装置400のCPU211は、POS端末300からの所定の信号により取引開始が指示されると、情報出力処理を開始する。画像データ取込部221は、撮像部216に撮像オン信号を出力し、撮像部216による撮像動作を開始する(ステップS51)。画像データ取込部221は、撮像部216が撮像した画像データをRAM213に取り込む(ステップS52)。
【0091】
次いで、ラベル検出部401は、グレードラベル検出処理を開始し(ステップS53)、画像データ中にグレードラベルを検出したか否かを判定する(ステップS54)。グレードラベルを検出した場合(ステップS54;Yes)、ラベル検出部401は、このグレードラベルに対応するグレード情報をグレードラベル特徴ファイル217cから読み出し、RAM213に格納した後(ステップS55)、ステップS56に移行する。なお、グレードラベルを検出できない場合(ステップS54;No)、ステップS56に直ちに移行する。
【0092】
次いで、コード読取部222は、画像データ取込部221を制御して画像データの取り込みを新たに行い(ステップS56)、バーコード読取処理を開始する(ステップS57)。続いて、コード読取部222は、ステップS57のバーコード読取処理においてバーコードを検出したか否かを判定する(ステップS58)。ここで、バーコードを検出することができない場合には(ステップS58;No)、ステップS52に再び戻る。
【0093】
また、コード読取部222がバーコードを検出した場合(ステップS58;Yes)、ラベル検出部401は、計時部215が計時する時間に基づき、タイムアウト時間の計時を開始する(ステップS59)。続いて、ラベル検出部401は、ステップS56でRAM213に取り込まれた画像データに対して、サービスラベル検出処理を開始する(ステップS60)。そして、ラベル検出部401は、ステップS60のサービスラベル検出処理において、サービスラベルを検出したか否かを判定する(ステップS61)。
【0094】
ここで、サービスラベルを検出できない場合(ステップS61;No)、ラベル検出部401は、タイムアウト時間に到達したか否かを判定する(ステップS62)。タイムアウト時間に到達していない場合(ステップS62;No)、ラベル検出部401は、画像データ取込部221を制御して画像データの取り込みを新たに行う(ステップS63)。そして、ラベル検出部401は、ステップS60に戻ることで、新たに取り込まれた画像データに対してサービスラベル読取処理を実行する。
【0095】
また、ラベル検出部401がタイムアウト時間に到達したと判定した場合(ステップS62;Yes)、情報出力部403は、ステップS57のバーコード読取処理でRAM213に格納された商品コードを、通信I/F214を介してPOS端末100に送信し(ステップS64)、ステップS69に移行する。
【0096】
また、タイムアウト時間に到達する前にサービスラベルを検出した場合(ステップS61;Yes)、ラベル検出部401は、このサービスラベルに対応するラベル識別情報をサービスラベル特徴ファイル217bから読み出し、RAM213に格納する(ステップS65)。次いで、値引情報読出部402は、ステップS55でRAM213に格納されたグレード情報と、ステップS65でRAM213に格納されたラベル識別情報との組み合わせに対応する値引情報を値引マスタファイル114dから読み出し、RAM213に格納する(ステップS66)。次いで、値引情報読出部402は、読み出した値引情報に基づいて、値引を行う旨のメッセージを表示器203に表示する(ステップS67)。
【0097】
ここで、図17は、ステップS67で表示器203に表示される画面の一例を示す図である。同図では、ステップS66で読み出した値引情報に含まれる値引額(30円)を、通常価格から値引することを示している。これにより、サービスラベル(ラベル識別情報)による値引の発生毎に、その旨を商品コード読取装置400のオペレータに報知することができるため、該オペレータに値引対象の商品であることを認識させることができる。なお、顧客用の表示器204に表示させる形態としてもよく、この場合、サービスラベル(ラベル識別情報)による値引の発生を、顧客(会員)に認識させることができる。
【0098】
図16に戻り、情報出力部403は、ステップS66でRAM213に格納された値引情報を、ステップS57のバーコード読取処理でRAM213に格納された商品コードとともに、通信I/F214を介してPOS端末300に送信し(ステップS68)、ステップS69に移行する。なお、グレード情報とラベル識別情報との組み合わせに対応する値引情報が存在しない場合には(例えば、グレードラベルの検出が行われなかった場合等)、ステップS66及びS67はスキップされ、ステップS68で商品コードのみが送信されることになる。
【0099】
ステップS69において、CPU211は、POS端末300からの所定の信号により取引終了が指示されたか否かを判定する(ステップS69)。取引終了が指示されない場合には(ステップS69;No)、ステップS52に再び戻り、ステップS52〜S69を全ての商品の販売登録が完了するまで繰り返し実行する。また、取引終了が指示された場合(ステップS69;Yes)、画像データ取込部221は、撮像部216に撮像オフ信号を出力することで撮像部216による撮像動作を停止し(ステップS70)、本処理を終了する。
【0100】
次に、図18を参照して、POS端末300が行う決済処理について説明する。ここで、図18は、POS端末300が行う決済処理の手順を示すフローチャートである。
【0101】
まず、POS端末300のCPU111は、キーボード101の所定のキー操作に応じて、取引開始を指示する信号を商品コード読取装置400に送信する(ステップS81)。続いて、決済処理部301は、商品コード読取装置400から商品コードが入力されるまで待機し(ステップS82;No)、商品コードの入力を受け付けると(ステップS82;Yes)、この商品コードに対応するレコードをPLUファイル114bから読み出す(ステップS83)。
【0102】
次いで、決済処理部301は、ステップS82で入力された商品コードとともに、値引情報の入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS84)。ここで、値引情報の入力が確認できない場合(ステップS84;No)、決済処理部301は、ステップS83で読み出したレコードに基づいて販売登録を実行し(ステップS87)、ステップS88に移行する。
【0103】
また、ステップS84において、値引情報の入力を受け付けたと判定した場合(ステップS84;Yes)、決済処理部301は、この値引情報に応じた値引額を、ステップS83で読み出したレコードに含まれる商品価格から値引すると(ステップS85)、図12に示したように、値引した旨を表示器102に表示する(ステップS86)。そして、決済処理部301は、値引後のレコードに基づいて販売登録を実行し(ステップS87)、ステップS88に移行する。
【0104】
ステップS88において、CPU111は、キーボード101から「締め」キーを表わすキー情報の入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS88)。ここで、「締め」キーの入力を確認できない場合(ステップS88;No)、決済処理部301は、ステップS82に再び戻り、新たな商品コードの入力を待機する。また、ステップS88において、「締め」キーの入力を受け付けた場合(ステップS88;Yes)、決済処理部301は、販売登録したデータ内容をプリンタ104に印字させることで、一取引分の取引内容をレシート出力する(ステップS89)。そして、CPU111は、取引の終了を指示する信号を通信I/F115を介し商品コード読取装置400に送信し(ステップS90)、本処理を終了する。
【0105】
以上のように、本実施形態によれば、来店した顧客(会員)に値引額を意識させることなく、各会員のグレードに応じた値引サービスを提供することができるため、店舗側では会員の来店機会を増やして販売促進を図ることができる。また、商品コード読取装置400では、撮像部216が撮像した画像データからグレードラベルを検出し、そのグレード情報に応じた値引額を導出することができるため、商品コード読取装置400側で値引額を導出することが可能となるため、会員カードを用いることなく各会員の階級グレードに応じた値引サービスを提供することができる。
【0106】
なお、本実施形態では、各会員に応じたグレードラベルをDMにより配布し、このDMに付されたグレードラベルを撮像することで、各会員の階級を特定する形態としたが、グレードラベルの利用形態はこれに限らないものとする。例えば、グレードラベル裏面に粘着剤を塗布し、該粘着剤が完全に貼り付かないよう処置された剥離紙の上に仮止したシール状の状態でグレードラベルを配布し、サービスラベルの付された値引対象の商品に、顧客自らが自己に配布されたグレードラベルを貼付する形態としてもよい。なお、この場合、図16で説明したステップS54及びステップS55の処理を、ステップS58以降(例えば、ステップS58とS59の間)に行うことで、サービスラベルとグレードラベルとを同一の画像データから検出することが可能となる。
【0107】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲での種々の変更、置換、追加等が可能である。
【0108】
例えば、上記の実施形態では、PLUファイル114b、会員マスタファイル114c及び値引マスタファイル114dを、POS端末100(POS端末300)内に記憶する形態としたが、これに限らず、POS端末100(POS端末300)がアクセス可能な外部装置にこれらのファイルを記憶する形態としてもよい。
【0109】
また、上記実施形態では、サービスラベル特徴ファイル217b及びグレードラベル特徴ファイル217cを商品コード読取装置200(商品コード読取装置400)内に記憶する形態としたが、これに限らず、商品コード読取装置200(商品コード読取装置400)がアクセス可能な外部装置にこれらのファイルを記憶する形態としてもよい。
【0110】
また、上記実施形態のPOS端末100(POS端末300)及び商品コード読取装置200(商品コード読取装置400)で実行されるプログラムを、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0111】
また、上記実施形態のPOS端末100(POS端末300)及び商品コード読取装置200(商品コード読取装置400)で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上記実施形態のPOS端末100(POS端末300)及び商品コード読取装置200(商品コード読取装置400)で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0112】
11 チェックアウト台
12 カウンタ台
13 荷受面
14、14a、14b 買物カゴ
100 POS端末
101 キーボード
102 表示器
103 表示器
104 プリンタ
105 カードリーダ
106 ドロワ
111 CPU
112 ROM
113 RAM
114 記憶部
114a プログラム
114b PLUファイル
114c 会員マスタファイル
114d 値引マスタファイル
115 通信I/F
121 決済処理部
200 商品コード読取装置
201 読取窓
202 キーボード
203 表示器
204 表示器
211 CPU
212 ROM
213 RAM
214 通信I/F
215 計時部
216 撮像部
217 記憶部
217a プログラム
217b サービスラベル特徴ファイル
217c グレードラベル特徴ファイル
221 画像データ取込部
222 コード読取部
223 ラベル検出部
224 情報出力部
300 POS端末
301 決済処理部
400 商品コード読取装置
401 ラベル検出部
402 値引情報読出部
403 情報出力部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0113】
【特許文献1】特開2008−33640公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段が撮像した画像を取り込む画像取込手段と、
前記画像取込手段が取り込んだ画像から、購入対象の商品に付されたサービスラベルの種別を検出するサービスラベル検出手段と、
前記商品を購入する会員の階級を示した階級情報の入力を受け付ける入力受付手段と、
前記サービスラベル検出手段が検出したサービスラベルの種別と、前記入力受付手段が受け付けた階級情報との組み合わせに応じた値引額を、前記商品の価格から値引する値引手段と、
を備えたことを特徴とする商品情報処理装置。
【請求項2】
前記入力受付手段は、
前記会員に予め配布された会員カードから、当該会員カードに保持された会員識別情報を読み取る読取手段と、
各会員に割り当てられた会員識別情報と当該会員の階級情報とを対応付けた会員管理ファイルから、前記読取手段が読み取った会員識別情報に対応する階級情報を読み出す階級読出手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の商品情報処理装置。
【請求項3】
前記入力受付手段は、
前記画像取込手段が取り込んだ画像から、前記商品を購入する会員に予め配布された当該会員の階級を示した階級ラベルの種別を検出する階級ラベル検出手段を有することを特徴とする請求項1に記載の商品情報処理装置。
【請求項4】
前記画像取込手段が取り込んだ画像から、前記商品に付されたコードシンボルを検出し、当該コードシンボルに保持された商品コードを読み取るコード読取手段を更に備え、
前記値引手段は、各商品を識別する商品コードと当該商品の価格とを対応付けた商品管理ファイルから、前記コード読取手段が読み取った商品コードに対応する商品の価格を読み出し、当該価格から値引を行うことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の商品情報処理装置。
【請求項5】
前記値引手段が値引する値引額を報知する報知手段を更に備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の商品情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
撮像手段が撮像した画像を取り込む画像取込手段と、
前記画像取込手段が取り込んだ画像から、購入対象の商品に付されたサービスラベルの種別を検出するサービスラベル検出手段と、
前記商品を購入する会員の階級を示した階級情報の入力を受け付ける入力受付手段と、
前記サービスラベル検出手段が検出したサービスラベルの種別と、前記入力受付手段が受け付けた階級情報との組み合わせに応じた値引額を、前記商品の価格から値引する値引手段と、
して機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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