説明

商品情報読取装置、および商品情報読取プログラム

【課題】RFIDタグの一括読み取り時に不具合を生じた原因商品の特定を容易にする商品情報読取装置、および商品情報読取プログラムを提供する。
【解決手段】
商品情報読取装置10は、RFIDタグ(無線タグ)を付した商品からスキャンコードを取得し、商品情報取得手段12は、スキャンコードに基づいて、商品コードと商品情報とを対応付けた商品情報ファイルを検索する。商品位置関連付手段13は、商品がどの位置にあるものとしてスキャンコードが取得されたかを把握可能な情報を生成する。商品情報取得判定手段14は、商品が商品情報ファイルに登録されている登録商品か、商品情報ファイルに登録されていない未登録商品かを判定する。商品情報報知手段15は、商品情報の取得の成否を位置情報とともに報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品情報読取装置、および商品情報読取プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストアをはじめとして、商品販売の現場では、POS(Point Of Sale)端末が広く普及している。POS端末は、バーコードスキャナを備え、商品に付されたバーコードをスキャンし、スキャンコードを取得する。そして、POS端末は、取得したスキャンコードで商品情報ファイルを検索し、商品名や販売価格などの商品情報を取得する。
【0003】
このようなPOS端末が備えるバーコードスキャナは、レジでオペレータにより操作されるのが普通である。そして、たとえば、バーコードを読み取ったにもかかわらず、商品マスタに商品登録がされていないために商品名や価格を取得できなかったり、バーコードを汚損等していてバーコードを読み取ることができなかったりするなど、POS端末は、バーコードスキャン時にトラブルを生じることがある。しかし、バーコードスキャンをするために手に取っている商品が不具合対象であることは、オペレータにとって明らかであるためオペレータによる迅速なトラブル対応処理が期待できた。
【0004】
そして、近年は、バーコードに代えて、RFID(Radio Frequency IDentification「電波による個体識別」)タグを付した商品に対応して、RFIDタグから商品識別情報を取得可能なPOS端末が市場に展開されつつある。バーコードからRFIDタグへの転換過程では、一店舗内にバーコードとRFIDタグとが混在することとなり、商品登録作業の効率化が十分に図れないという問題が生じていた。そこで、こうした過渡期における商品登録作業の効率化に関して、商品についてRFIDタグにより商品登録作業がなされたか否かを報知して、効率のよい商品登録作業を実現する商品販売登録処理システムの提案がある(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
また、RFIDリーダライタにより一括読み取りされなかった商品についてバーコード読み取りをする際、商品の読取がRFIDリーダライタによりなされたのか、バーコードリーダによりなされたのかを報知して、顧客の二重読み取りに対する不安を払拭する商品販売データ処理装置の提案がある(たとえば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−141648号公報
【特許文献2】特開2007−264918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、RFIDタグのメリットは、買い物かごに商品を納めた状態でのRFIDタグの一括読み取りであり、不具合があったからといって商品を1つずつ取り出して確認を要するようでは、RFIDタグを用いるメリットが大きく減殺する。ここでいう不具合とは、たとえば、RFIDタグから商品識別情報を読み取ったにもかかわらず商品マスタに商品登録がされていないために商品名や価格を取得できなかったり、RFIDタグが破損等していて商品識別情報を読み取ることができなかったりする場合が挙げられる。
【0008】
また、RFIDタグからの商品識別情報の読み取りは、バーコードと違ってオペレータが商品を1つずつ手に取ることを要さないから、不具合を引き起こした場合に、オペレータにとって不具合の原因となった商品の発見が容易でない。
【0009】
そこで、RFIDタグの一括読み取り時に不具合を生じた原因商品の特定を容易にする商品情報読取装置、および商品情報読取プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、商品情報読取装置は、識別情報取得手段と、商品情報取得手段と、商品位置関連付手段と、商品情報取得判定手段と、商品情報報知手段を備える。
識別情報取得手段は、識別情報を有する無線タグを付した商品から識別情報を取得する。商品情報取得手段は、識別情報に基づいて商品情報を取得する。商品位置関連付手段は、識別情報取得手段が識別情報を取得する位置を予め設定した位置情報に基づいて、商品と位置情報とを関連付ける。商品情報取得判定手段は、識別情報に基づく商品情報の取得の成否を判定する。商品情報報知手段は、商品情報の取得の成否を前記位置情報とともに報知する。
【発明の効果】
【0011】
上記の商品情報読取装置、および商品情報読取プログラムによれば、RFIDタグの一括読み取り時に不具合を生じた原因商品の特定を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態の商品情報読取装置のブロック図である。
【図2】第2の実施形態のPOSシステムを示す図である。
【図3】第2の実施形態のチェッカユニットのハードウェア構成例を示す図である。
【図4】第2の実施形態のチェッカユニットとキャッシャユニットにおけるスキャンコード入力処理のシーケンス図である。
【図5】第2の実施形態のチェッカユニットにおけるRFID読取処理のフローチャートである。
【図6】第2の実施形態のチェッカユニットにおける特定位置RFID読取処理のフローチャートである。
【図7】第2の実施形態のチェッカユニットにおけるマスタ未登録商品位置情報表示処理のフローチャートである。
【図8】第2の実施形態のRFIDタグを付した商品の一例を示す図である。
【図9】第2の実施形態の買い物かごにある商品の読取状況の一例を示す図である。
【図10】第2の実施形態のチェッカユニットのディスプレイの画面表示例を示す図である。
【図11】第3の実施形態のRFIDリーダライタ配置例を示す図である。
【図12】第4の実施形態のチェッカユニットにおけるマスタ未登録商品位置情報表示処理のフローチャートである。
【図13】第4の実施形態のチェッカユニットのディスプレイの画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態の商品情報読取装置のブロック図である。
商品情報読取装置10は、RFIDタグ(無線タグ)を付した商品から識別情報21を取得する。商品情報読取装置10は、たとえば、スーパーマーケットのレジに設けられたRFID読取装置(POS端末装置)であり、商品に付されたRFIDタグからスキャンコードを取得する。
【0014】
商品情報読取装置10は、識別情報取得手段11と、商品情報取得手段12と、商品位置関連付手段13と、商品情報取得判定手段14と、商品情報報知手段15を備える。
識別情報取得手段11は、RFIDタグを付した商品からスキャンコード(識別情報)21を取得する。識別情報取得手段11は、たとえば、RFIDリーダライタである。
【0015】
商品情報取得手段12は、スキャンコードに含まれる商品コードに基づいて、商品コードと商品情報22とを対応付けた商品情報ファイルを検索する。そして、商品情報取得手段12は、商品情報22を取得する。商品情報22は、たとえば、商品名や価格である。
【0016】
商品位置関連付手段13は、識別情報取得手段11がスキャンコードを取得する位置を予め設定した位置情報23に基づいて、商品と位置情報23とを関連付ける。いいかえれば、商品位置関連付手段13は、商品がどの位置にあるものとしてスキャンコードが取得されたかを把握可能な情報を生成する。識別情報取得手段11がスキャンコードを取得する位置とは、たとえば、商品位置関連付手段13が配設されている位置であり、より具体的には、RFIDリーダライタが配設されている位置である。また、識別情報取得手段11がスキャンコードを取得する位置とは、複数のRFIDリーダライタを備える場合は、各RFIDリーダライタの位置(相対的な位置関係を含む)である。また、識別情報取得手段11がスキャンコードを取得する位置とは、RFIDリーダライタまたは商品のうち少なくともいずれか一方が移動する場合は、RFIDリーダライタと商品の相対的な位置関係を含む情報である。
【0017】
商品情報取得判定手段14は、スキャンコードに基づく商品情報22の取得の成否を判定する。商品情報取得判定手段14は、たとえば、スキャンコードに含まれる商品コードに対応した商品情報22が商品情報ファイルに登録されているか否かを判定する。つまり、商品情報取得判定手段14は、商品が商品情報ファイルに登録されている登録商品か、商品が商品情報ファイルに登録されていない未登録商品かを判定する。
【0018】
商品情報報知手段15は、商品情報22の取得の成否を位置情報23とともに報知する。位置情報23は、たとえば、買い物かごに納められた商品の位置を示す情報であり、買い物かごを俯瞰したときの商品の位置を示す。
【0019】
次に、より具体的な第2の実施形態について説明する。図2は、第2の実施形態のPOSシステムを示す図である。
POSシステム100は、ネットワーク140と、ネットワーク140に接続するPOS端末装置101とPOSサーバ130を備える。POS端末装置101は、販売時点情報管理をおこなうための端末である。POSサーバ130は、POS端末装置101により登録された販売情報を一元管理し、商品を識別するための商品コード(商品識別情報)、商品名(商品名情報)や価格(価格情報)などを登録した商品マスタ(商品情報ファイル)を管理する。
【0020】
POS端末装置101は、キャッシャユニット110と、チェッカユニット120を有する。
キャッシャユニット110は、主として販売代金の受領作業をおこなうためのユニットである。キャッシャユニット110は、制御ユニット111、自動釣銭機112、キャッシュドロア113、自動釣札機114、キーボード115、タッチパネル116、ディスプレイ117、カスタマディスプレイ118、プリンタ119を有する。
【0021】
制御ユニット111は、キャッシャユニット110を制御するとともに、POS端末装置101を統括的に制御するコンピュータである。自動釣銭機112は、顧客から受け取った硬貨の入金と、釣銭の出金とをおこなう。自動釣札機114は、顧客から受け取った紙幣の入金と、釣札の出金とをおこなう。キャッシュドロア113は、硬貨および紙幣を収納する収納庫である。ディスプレイ117は、取引作業をおこなうための所定のGUI(Graphical User Interface)を表示する。ディスプレイ117は、たとえば、液晶ディスプレイである。ディスプレイ117は、タッチパネル116の下層に位置している。ディスプレイ117の表示する画像は、タッチパネル116を透過して、オペレータから視認可能である。オペレータは、ディスプレイ117によって表示された画像を見ながら、タッチパネル116に対するタッチ操作をおこなうことができる。キーボード115は、ディスプレイ117に表示されたGUIを操作するための入力装置である。カスタマディスプレイ118は、客側に取引情報を表示する表示装置であり、たとえば、商品購入代金の合計額、客からの預かり金額、釣銭金額などを表示する。プリンタ119は、客との取引結果をロール紙に印字してレシートを発行する印刷装置である。
【0022】
チェッカユニット120は、主としてスキャンコードの入力作業をおこなうためのユニットである。チェッカユニット120は、タッチパネル121、スピーカ122、レーン台123、支柱124、RFIDリーダライタ125、多項目キーボード126、ディスプレイ127、カスタマディスプレイ128を有する。
【0023】
レーン台123は、支柱124を支持する。支柱124は、タッチパネル121、スピーカ122、多項目キーボード126、ディスプレイ127、カスタマディスプレイ128を支持する。また、レーン台123には、客が持参した買い物かごが載置される買い物かご載置部123aを有する。レーン台123は、レーン入り口側から緩傾斜のスロープ状の買い物かご案内部123bと、スロープ終端は買い物かご載置部123aに向けて立ち下がった壁状の位置指定部123cと、位置指定部123cから買い物かご1つ分だけ離れた位置で買い物かご載置部123aから立ち上がった壁状の位置指定部123dとを有する。位置指定部123cと位置指定部123dは、買い物かご底部の前側と後ろ側を位置決めして、買い物かご載置部123aに載置される買い物かごの位置を好適にする。RFIDリーダライタ125は、買い物かご載置部123aに埋設、あるいは買い物かご載置部123aの裏面側に配設される。
【0024】
RFIDリーダライタ125は、商品に付されたRFIDタグからスキャンコードを読み取るための装置である。オペレータは、買い物かご載置部123aに商品を納めた買い物かごを載せることで、RFIDリーダライタ125を入力装置としたスキャンコードの入力をおこなう。なお、RFIDリーダライタ125は、3行3列のマトリクス状に配置された9個の小型RFIDリーダライタの集合体である。小型のRFIDリーダライタは、各々に割り当てられた領域の商品に付されたRFIDタグからスキャンコードを読み取る。
【0025】
スキャンコードの入力結果は、ディスプレイ127に表示されて、オペレータがスキャンコードの入力結果を確認することができる。また、タッチパネル121は、RFIDタグの付されていない商品(たとえば、ばら売りの野菜や魚などの生鮮食料品や、惣菜など)をディスプレイ127に表示される商品群から選択する入力装置である。カスタマディスプレイ128は、客側に取引情報を表示する表示装置であり、たとえば、スキャンコードを入力した商品の名称、単価などを表示する。また、スピーカ122により音声で入力結果を報知する。たとえば、スピーカ122は、入力が正常になされたときと、入力についてオペレータに注意喚起をする必要があるときなど状態に応じて異なる態様の音声出力をおこなう。より具体的には、たとえば、正常時は、「ピッ」という単発音で、注意喚起時は、「ピピッ」という連続音のようにオペレータが容易に区別可能な音声出力をおこなう。多項目キーボード126は、オペレータの操作を受け付ける。たとえば、多項目キーボード126は、スピーカ122からの音声出力で注意喚起されたときに、スキャンコードの入力の不具合を認識したオペレータによる訂正操作を受け付ける。
【0026】
次に、第2の実施形態のチェッカユニット120のハードウェア構成について説明する。図3は、第2の実施形態のチェッカユニットのハードウェア構成例を示す図である。
チェッカユニット120は、CPU120aによって装置全体が制御されている。CPU120aには、バス120gを介してRAM120b、HDD(Hard Disk Drive)120c、通信インタフェース120d、グラフィック処理装置120e、および入出力インタフェース120fが接続されている。
【0027】
RAM120bには、CPU120aに実行させるOS(Operating System)のプログラムやサーバを実行するためのアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM120bには、CPU120aによる処理に必要な各種データが格納される。HDD120cには、OSやアプリケーションプログラムが格納される。
【0028】
グラフィック処理装置120eには、ディスプレイ127、カスタマディスプレイ128が接続されている。ディスプレイ127は、取引作業をおこなうための所定のGUI(Graphical User Interface)を表示する。ディスプレイ127は、たとえば、液晶ディスプレイである。ディスプレイ127は、タッチパネル121の下層に位置している。ディスプレイ127の表示する画像は、タッチパネル121を透過して、オペレータから視認可能である。オペレータは、ディスプレイ127によって表示された画像を見ながら、タッチパネル121に対するタッチ操作をおこなうことができる。グラフィック処理装置120eは、CPU120aからの命令に従って、画像をディスプレイ127、カスタマディスプレイ128の画面に表示させる。
【0029】
入出力インタフェース120fには、RFIDリーダライタ125、タッチパネル121、多項目キーボード126、スピーカ122が接続されている。また、入出力インタフェース120fは、可搬型記録媒体129への情報の書込み、および可搬型記録媒体129への情報の読出しが可能な可搬型記録媒体インタフェースと接続可能になっている。入出力インタフェース120fは、RFIDリーダライタ125、タッチパネル121、多項目キーボード126、スピーカ122、可搬型記録媒体インタフェースから送られてくる信号を、バス120gを介してCPU120aに送信する。
【0030】
通信インタフェース120dは、たとえば、RS−232C(Recommended Standard 232 version C)やUSB(Universal Serial Bus)接続の接続形式でキャッシャユニット110に接続されている。通信インタフェース120dは、キャッシャユニット110との間でデータの送受信をおこなう。
【0031】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、キャッシャユニット110も同様のハードウェア構成で実現できる。
なお、チェッカユニット120、キャッシャユニット110は、それぞれFPGA(Field Programmable Gate Array)やDSP(Digital Signal Processer)などからなるモジュールを含んで構成することもでき、CPU120aを有しない構成とすることもできる。その場合、チェッカユニット120、キャッシャユニット110は、それぞれ不揮発性メモリ(たとえば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、フラッシュメモリ型メモリカードなど)を備え、モジュールのファームウェアを記憶する。不揮発性メモリは、可搬型記録媒体129、あるいは通信インタフェース120dを介してファームウェアを書き込むことができる。このようにチェッカユニット120、キャッシャユニット110は、不揮発性メモリに記憶されているファームウェアを書き換えることにより、ファームウェアの更新をすることもできる。
【0032】
次に、第2の実施形態のPOS端末装置101のスキャンコード入力処理について図4を用いて説明する。図4は、第2の実施形態のチェッカユニットとキャッシャユニットにおけるスキャンコード入力処理のシーケンス図である。
【0033】
POS端末装置101は、買い物ごとに少なくとも1つ以上のスキャンコードの入力と精算をおこなう。スキャンコード入力処理は、キャッシャユニット110とチェッカユニット120とが商品に付されたRFIDタグからスキャンコードを読み取り、スキャンコードの入力をおこなう処理である。
【0034】
[ステップS11]キャッシャユニット110は、RFIDリーダライタ125の初期化を指示する。RFIDリーダライタ125の初期化の指示は、たとえば、オペレータによるキーボード115の操作に基づいておこなわれる。キャッシャユニット110は、客の買い物1回ごとに1度の初期化指示をおこなう。
【0035】
[ステップS21]チェッカユニット120は、キャッシャユニット110からの初期化指示を受けてスキャンコードを記憶するRFID記憶領域の初期化をおこなう。
[ステップS22]チェッカユニット120は、スキャンコード入力処理を終了するか否かを判定する。スキャンコード入力処理の終了判定は、キャッシャユニット110からの終了指示を受けて判定する。チェッカユニット120は、スキャンコード入力処理を終了すると判定した場合は、スキャンコード入力処理を終了する。一方、チェッカユニット120は、スキャンコード入力処理を終了しないと判定した場合は、ステップS23にすすむ。
【0036】
[ステップS23]チェッカユニット120は、商品に付されたRFIDタグからスキャンコードをRFIDリーダライタ125によって読み取るRFID読取処理を実行する。RFID読取処理の詳細は、図5を用いて後で詳述する。
【0037】
[ステップS24]チェッカユニット120は、RFIDリーダライタ125によって読み取ったスキャンコードをキャッシャユニット110に通知するか否かを判定する。チェッカユニット120は、RFIDリーダライタ125によって読み取ったスキャンコードをキャッシャユニット110に通知すると判定した場合は、ステップS25にすすむ。一方、チェッカユニット120は、RFIDリーダライタ125によって読み取ったスキャンコードをキャッシャユニット110に通知しないと判定した場合は、ステップS22にすすむ。
【0038】
[ステップS25]チェッカユニット120は、入力データ(RFIDリーダライタ125によってRFIDタグから読み取ったスキャンコード)、およびスキャンコードを商品マスタに照会して取得した商品情報(たとえば、商品名、商品単価)、オペレータが手動で登録した商品情報をキャッシャユニット110に通知する。チェッカユニット120は、読み取ったスキャンコードをRFID記憶領域に保存し、ステップS22にすすむ。
【0039】
[ステップS12]キャッシャユニット110は、チェッカユニット120からの入力データおよび商品情報の通知、または小計キーの押下を待ち受ける。キャッシャユニット110は、チェッカユニット120からの入力データおよび商品情報の通知があった場合、ステップS13にすすむ。一方、キャッシャユニット110は、小計キーの押下があった場合、ステップS14にすすむ。
【0040】
[ステップS13]キャッシャユニット110は、入力データおよび商品情報について所要の処理を実行する。キャッシャユニット110は、取得した商品名、商品単価をディスプレイ117、カスタマディスプレイ118に表示する。また、キャッシャユニット110は、商品名、商品単価、商品数を精算対象として一次記憶する。キャッシャユニット110は、入力データについて所要の処理の実行が終了すると、ステップS12にすすむ。
【0041】
[ステップS14]キャッシャユニット110は、キーボード115により小計キーが押下されたことで、チェッカユニット120にスキャンコード入力処理の終了を指示して、スキャンコード入力処理を終了する。
【0042】
なお、キャッシャユニット110は、チェッカユニット120から入力データの通知を受けて、自ら商品マスタに照会して商品情報を取得するようにしてもよい。
また、POS端末装置101がキャッシャユニット110とチェッカユニット120からなる構成について説明したが、POS端末装置101は、キャッシャユニット110とチェッカユニット120を別体とせずに一体化することもできる。
【0043】
次に、第2の実施形態のチェッカユニット120におけるRFID読取処理について図5を用いて説明する。図5は、第2の実施形態のチェッカユニットにおけるRFID読取処理のフローチャートである。
【0044】
チェッカユニット120は、買い物かごの中にある商品について、RFIDタグからスキャンコードを一括して読み取る。チェッカユニット120は、読取結果をディスプレイ127、カスタマディスプレイ128に表示する。
【0045】
[ステップS31]チェッカユニット120は、商品の読取位置と対応付け可能にスキャンコードを読み取る特定位置RFID読取処理を実行する。RFIDリーダライタ125は、3行3列のマトリクス状に配置された9個の小型RFIDリーダライタの集合体であり、小型のRFIDリーダライタは、各々に割り当てられた領域の商品に付されたRFIDタグからスキャンコードを読み取る。ここでは、チェッカユニット120は、複数ある領域の1つについて、RFIDタグからスキャンコードを読み取る。特定位置RFID読取処理は、図6を用いて後で詳述する。
【0046】
[ステップS32]チェッカユニット120は、全位置(9個の小型RFIDリーダライタの各々に対応する領域)についてスキャンコードの読み取りが終了したか否かを判定する。チェッカユニット120は、全位置についてスキャンコードの読み取りが終了したと判定した場合、ステップS33にすすむ。一方、チェッカユニット120は、全位置についてスキャンコードの読み取りが終了していないと判定した場合、ステップS31にすすむ。
【0047】
このようにして、チェッカユニット120は、複数(9つの)の領域について順次タイミングをずらしてRFIDタグからのスキャンコードの読み取りを実行する。
なお、チェッカユニット120がスキャンコードの読み取りタイミングをずらすのは、重複読み取りの際の優先順位を読み取り順序により設定するためである。したがって、予め小型RFIDリーダライタに優先順位が設定されている場合は、同時読み取りとしてもよい。また、読取範囲が重複しない小型RFIDリーダライタについては、同時読み取りとし、読取範囲が重複する小型RFIDリーダライタについては、読み取りタイミングをずらすようにしてもよい。
【0048】
[ステップS33]チェッカユニット120は、RFIDタグからのスキャンコードの読み取り漏れを防止するため、RFIDタグからのスキャンコードの再確認のための読み取りを実行する。チェッカユニット120は、再確認をおこなうと判断した場合は、ステップS31にすすみ、再確認をおこなわないと判断した場合は、ステップS34にすすむ。
【0049】
なお、チェッカユニット120は、機械的に2度読みをおこなうだけでなく、連続する2回の読み取り結果が一致するまで再確認をおこなうようにしてもよい。これにより、買い物かご内の商品が崩れるなどして位置関係に変化が生じた場合でも、チェッカユニット120は、読み取り前の領域から読み取り済みの領域に移動した商品からのスキャンコードの未読を防止することができる。また、チェッカユニット120は、読み取り前の領域から読み取り済みの領域に移動した商品の位置を好適に把握することができる。
【0050】
[ステップS34]チェッカユニット120は、スキャンコードを読み取った商品について、買い物かご内の位置情報の表示をおこなうマスタ未登録商品位置情報表示処理を実行する。特に、チェッカユニット120は、スキャンコードを読み取った商品のうち商品マスタに商品情報が登録されていない商品について、買い物かご内の位置を特定可能な情報(位置情報、メーカ名など)の表示をおこなう。マスタ未登録商品位置情報表示処理は、図7を用いて後で詳述する。チェッカユニット120は、マスタ未登録商品位置情報表示処理の実行後、RFID読取処理を終了する。
【0051】
次に、第2の実施形態のチェッカユニット120における特定位置RFID読取処理について図6を用いて説明する。図6は、第2の実施形態のチェッカユニットにおける特定位置RFID読取処理のフローチャートである。
【0052】
[ステップS41]チェッカユニット120は、RFIDリーダライタを指定する。具体的には、チェッカユニット120は、予め定められている順番にしたがい9個の小型RFIDリーダライタのいずれかを指定する。たとえば、3行3列のマトリクス配置された9個の小型RFIDリーダライタの読み取り順序は、「1行1列」、「2行1列」、「3行1列」、「1行2列」、「2行2列」、「3行2列」、「1行3列」、「2行3列」、「3行3列」のように列ごとの順次走査とすることができる。
【0053】
[ステップS42]チェッカユニット120は、RFIDタグと通信をおこなうため、ステップS41で指定した小型RFIDリーダライタを作動(Enable)状態にして電波を発信する。
【0054】
[ステップS43]チェッカユニット120は、ステップS41で指定した小型RFIDリーダライタとの通信範囲内にある読み取り未完了の商品を検出する。
ここで、図8を用いて商品から取得するスキャンコードと読取フラグについて説明する。図8は、第2の実施形態のRFIDタグを付した商品の一例を示す図である。たとえば、商品A500に付されたRFIDタグ501と通信をおこなうと、チェッカユニット120は、スキャンコードと、読取フラグ、その他情報を読み取ることができる。スキャンコードは、国識別コード、メーカコード、商品コードを含む。例示のスキャンコードは、日本国を識別する国識別コード49を含む。したがって、チェッカユニット120は、スキャンコードを取得することでメーカコード、商品コードを併せて取得することができる。読取フラグは、チェッカユニット120が商品A500が読み取り完了の商品か、読み取り未完了の商品かの判断をおこなうためのフラグである。
【0055】
なお、チェッカユニット120は、1つの商品について繰り返し読出しをおこなうため、読み取りフラグは読出しタイミングを特定可能な情報(読出タイミング情報)、あるいは読み出したRFIDリーダライタを特定可能な情報(RFIDリーダライタ特定情報)を付与可能にしてもよい。
【0056】
[ステップS44]チェッカユニット120は、ステップS43で検出した読み取り未完了の商品のすべてについて、スキャンコードを取得する。このとき、チェッカユニット120は、読み取り完了となった商品のRFIDタグに記録されている読み取りフラグを更新して読取が完了した情報(読取完了情報)を付す。
【0057】
[ステップS45]チェッカユニット120は、取得した商品コードに対応する商品名、価格を、商品マスタ301から検索する。商品マスタ301は、商品を識別するための商品コード(商品識別情報)、商品名(商品名情報)や価格(価格情報)などを登録した商品情報ファイルである。
【0058】
[ステップS46]チェッカユニット120は、取得した商品コードに対応する商品名、価格を、商品マスタ301から検索できた場合、ステップS47にすすむ。一方、チェッカユニット120は、取得した商品コードに対応する商品名、価格を、商品マスタ301から検索できなかった場合、ステップS48にすすむ。スキャンコードを取得できたのに商品名、商品価格を商品マスタ301から検索できなかった場合とは、たとえば、商品コードに対応する商品名、価格が商品マスタ301に登録されていない場合がある。商品コードに対応する商品名、価格が商品マスタ301に登録されていない事態は、商品の納入後の商品マスタ301への登録前に、商品が店頭に陳列されてしまう場合などに起こりえる。
【0059】
[ステップS47]チェッカユニット120は、取得した商品コードに対応する商品名、価格を記憶領域に保持し、ディスプレイ117、カスタマディスプレイ118に表示する。
【0060】
[ステップS48]チェッカユニット120は、取得したメーカコードに対応するメーカ名を、メーカマスタ302から検索する。メーカマスタ302は、メーカを識別するためのメーカコード(メーカ識別情報)、メーカ名(メーカ名情報)などを登録したメーカ情報ファイルである。
【0061】
[ステップS49]チェッカユニット120は、取得したメーカコードに対応するメーカ名を、メーカマスタ302から検索できた場合、ステップS50にすすむ。一方、チェッカユニット120は、取得したメーカコードに対応するメーカ名を、メーカマスタ302から検索できなかった場合、ステップS51にすすむ。スキャンコードを取得できたのにメーカ名をメーカマスタ302から検索できなかった場合とは、たとえば、メーカコードに対応するメーカ名がメーカマスタ302に登録されていない場合がある。
【0062】
[ステップS50]チェッカユニット120は、取得したメーカコードに対応するメーカ名、商品マスタ301への未登録商品ありの情報(未登録商品情報)を記憶領域に保持する。そして、チェッカユニット120は、取得できなかった商品名、価格を不明にしてディスプレイ117、カスタマディスプレイ118に表示する。オペレータは、メーカ名の表示により商品名、価格の不明な商品を買い物かごの中から見つける手がかりを得ることができる。
【0063】
[ステップS51]チェッカユニット120は、商品マスタ301への未登録商品あり、かつメーカマスタ302への未登録メーカありの情報(未登録商品情報)を記憶領域に保持する。そして、チェッカユニット120は、取得できなかった商品名、価格、メーカ名を不明にしてディスプレイ117、カスタマディスプレイ118に表示する。オペレータは、商品名、価格、メーカ名ともに不明な商品の存在を知ることができる。
【0064】
[ステップS52]チェッカユニット120は、スキャンコードの読み取りが終了したか否かを判定する。チェッカユニット120は、スキャンコードの読み取りが終了したと判定した場合はステップS53にすすみ、スキャンコードの読み取りが終了していないと判定した場合はステップS43にすすむ。
【0065】
[ステップS53]チェッカユニット120は、RFIDタグとの通信を終了して、ステップS41で指定した小型RFIDリーダライタを非作動(Disable)状態にして電波の発信を停止する。そして、チェッカユニット120は、指定していたRFIDリーダライタの指定を解除して、特定位置RFIDリーダライタ読取処理を終了する。
【0066】
次に、第2の実施形態のチェッカユニット120におけるマスタ未登録商品位置情報表示処理について図7を用いて説明する。図7は、第2の実施形態のチェッカユニットにおけるマスタ未登録商品位置情報表示処理のフローチャートである。
【0067】
[ステップS61]チェッカユニット120は、小型RFIDリーダライタの1つを指定して、指定した小型RFIDリーダライタに対応した記憶領域に保持した未登録商品情報を参照する。
【0068】
[ステップS62]チェッカユニット120は、未登録商品情報より未登録商品があると判定した場合にステップS63にすすみ、未登録商品がないと判定した場合にステップS65にすすむ。
【0069】
[ステップS63]チェッカユニット120は、リーダ位置マスタ303を参照して、指定した小型RFIDリーダライタのリーダNo(読取装置識別情報)に対応したリーダ位置(位置情報)を取得する。リーダ位置マスタ303は、リーダ位置を識別するためのリーダNo、リーダ位置などを登録したリーダ位置情報ファイルである。
【0070】
リーダNoは、ユニークな識別情報であり、たとえば、1から9までのシリアル番号である。リーダ位置は、買い物かご載置部123aを9分割した位置に対応する位置情報であり、たとえば、「1行1列」、「2行1列」、「3行1列」、「1行2列」、「2行2列」、「3行2列」、「1行3列」、「2行3列」、「3行3列」である。
【0071】
[ステップS64]チェッカユニット120は、指定した小型RFIDリーダライタの対応する位置(買い物かごの対応する位置)に商品マスタ未登録商品が存在することを示す報知情報(色、文字、商品表示番号、図形、これらの組み合わせなど)を、ディスプレイ117、カスタマディスプレイ118に表示する。
【0072】
[ステップS65]チェッカユニット120は、すべての位置(すべての小型RFIDリーダライタ)について、記憶領域に保持した未登録商品情報を参照したか否かを判定する。チェッカユニット120は、すべての位置について、記憶領域に保持した未登録商品情報を参照していないと判定した場合、ステップS61にすすむ。一方、チェッカユニット120は、すべての位置について、記憶領域に保持した未登録商品情報を参照したと判定した場合、マスタ未登録商品位置情報表示処理を終了する。
【0073】
これにより、買い物かご内のいずれの位置に対応する商品が未登録商品であるかをオペレータに容易に認識させることができる。
次に、第2の実施形態のチェッカユニット120における買い物かごにある商品の読取状況ついて図9を用いて説明する。図9は、第2の実施形態の買い物かごにある商品の読取状況の一例を示す図である。
【0074】
買い物かご510は、複数の商品を収納した状態で、買い物かご載置部123aに載置されている状態を示す。買い物かご載置部123aは、RFIDリーダライタ125を備える。RFIDリーダライタ125は、3行3列に配置された9つの小型RFIDリーダライタ125a、125b、125c、125d、125e、125f、125g、125h、125iで構成される。図は、買い物かご510に15個の商品が収納されている状態を示し、うち13個の商品は商品マスタ301に登録されている商品(白色)であり、うち2個の商品は商品マスタ301に登録されていない商品(網掛け)511、512であることを示す。商品511からスキャンコードを取得した小型RFIDリーダライタ125fは、リーダNoが「6」であり、リーダ位置マスタ303から「3行2列」に配置されていることがわかる。これにより、商品511が買い物かご510の「3行2列」に対応した位置に収納されていることを把握することができる。同様にして、商品512が買い物かご510の「1行3列」に対応した位置に収納されていることを把握することができる。
【0075】
次に、第2の実施形態のチェッカユニット120における商品の読取結果の表示について図10を用いて説明する。図10は、第2の実施形態のチェッカユニットのディスプレイの画面表示例を示す図である。
【0076】
画面表示600は、チェッカユニット120がディスプレイ117に表示する商品の読取結果の表示例である。画面表示600は、オペレータ側に向けて商品の読取結果を報知する表示であるが、同じ画面表示600、あるいは客にとって不要な一部の表示を削除した簡易表示をカスタマディスプレイ118に表示するようにしてもよい。
【0077】
画面表示600は、登録済商品表示601、未登録商品表示602、読取点数603、読取済点数604、マスタ未登録点数605、読取日時表示606、商品位置表示607、緊急登録ボタン表示608、再読取ボタン表示609を含む。
【0078】
登録済商品表示601は、商品マスタ301から商品名、価格(単価)を取得できた商品を表示する。複数ある同一商品については、単価と数量を積算した合価(合計価格)を表示する。登録済商品表示601は、一度に4つの商品を確認可能な領域とサイドバーを有する。登録済商品表示601は、サイドバーにより表示する商品を切り替えることができる。また、登録済商品表示601は、商品表示番号(図中のNo表示)を表示する。
【0079】
未登録商品表示602は、商品マスタ301から商品名、価格(単価)を取得できなかった商品を表示する。未登録商品表示602は、メーカマスタ302からメーカ名を取得できた場合、メーカ名を表示する。未登録商品表示602は、一度に2つの商品を確認可能な領域とサイドバーを有する。未登録商品表示602は、サイドバーにより表示する商品を切り替えることができる。また、未登録商品表示602は、商品表示番号(図中のNo表示)を表示する。
【0080】
読取点数603は、RFIDタグからスキャンコードを読み取った商品数を表示する。読取済点数604は、商品マスタ301から商品名、価格(単価)を取得できた商品数を表示する。マスタ未登録点数605は、商品マスタ301から商品名、価格(単価)を取得できなかった商品数を表示する。読取日時表示606は、RFIDタグからスキャンコードを読み取った日時を表示する。なお、RFIDタグからスキャンコードを読み取った日時の表示に代えて時計表示とすることもできる。
【0081】
商品位置表示607は、買い物かご510を上から俯瞰して商品収納領域を9分割した分割領域表示をする。各分割領域表示は、小型RFIDリーダライタのリーダNoを表示する。また、各分割領域表示は、マスタ未登録商品位置である場合に網掛け表示される。網掛け表示された分割領域表示をタッチすることで、タッチした分割表示領域に対応するマスタ未登録商品情報を表示するようにしてもよい。また、各分割領域表示の小型RFIDリーダライタのリーダNoの表示に代えて、商品位置表示607は、商品表示番号を表示するようにしてもよい。
【0082】
緊急登録ボタン表示608は、商品マスタ未登録商品について商品情報の緊急登録をおこなうための操作ボタン表示である。オペレータが緊急登録ボタン表示608をタッチすることで、タッチパネル121から入力が受け付けられ、商品マスタ未登録商品について商品情報の緊急登録をおこなうための表示に切り替わる。緊急登録された商品情報は、POS端末装置101が備える商品マスタ301に登録される。緊急登録された商品情報は、その他のPOS端末装置およびPOSサーバ130に通知され、POS端末装置101が備える商品マスタ301と、その他のPOS端末装置およびPOSサーバ130が備える商品マスタとの間で同期が取られる。
【0083】
再読取ボタン表示609は、オペレータが再読取が必要だとした場合に再読取をおこなうための操作ボタン表示である。オペレータが再読取ボタン表示609をタッチすることで、タッチパネル121から入力が受け付けられ、RFID読取処理が実行され、読み取り結果が更新される。
【0084】
このように、商品位置と商品情報とを対応付けて表示することで、RFIDタグの一括読み取り時に不具合を生じた原因商品の買い物かご510内の位置特定を容易にすることができる。
【0085】
なお、商品位置表示607は、各分割領域表示がマスタ登録商品位置である場合に網掛け表示するようにしてもよい。網掛け表示された分割領域表示をタッチすることで、タッチした分割表示領域に対応するマスタ登録商品情報を表示するようにしてもよい。また、各分割領域表示の小型RFIDリーダライタのリーダNoの表示に代えて、商品位置表示607は、商品表示番号を表示するようにしてもよい。これにより、スキャンデータを取得できた商品を明示することができ、RFIDタグが故障した商品を消去法的に特定することができる。
【0086】
次に、第3の実施形態のチェッカユニット120におけるRFIDリーダライタ配置について図11を用いて説明する。図11は、第3の実施形態のRFIDリーダライタ配置例を示す図である。
【0087】
第3の実施形態のチェッカユニット120におけるRFIDリーダライタ135は、第2の実施形態のRFIDリーダライタ125と異なり、3行3列のマトリクス配置された9個の小型RFIDリーダライタに代えて1行3列の3個の小型RFIDリーダライタを備える。また、レーン台123は、たとえば、ベルトコンベアを備えて載置した買い物かご530を搬送する。図11(a)のときに、1行3列の3個の小型RFIDリーダライタは、小型RFIDリーダライタ135c、135f、135iとして機能する。図11(b)のときに、1行3列の3個の小型RFIDリーダライタは、小型RFIDリーダライタ135b、135e、135hとして機能する。図11(c)のときに、1行3列の3個の小型RFIDリーダライタは、小型RFIDリーダライタ135a、135d、135gとして機能する。
【0088】
各小型RFIDリーダライタに対応する商品位置は、ベルトコンベア(買い物かご搬送手段)の搬送距離に基づいて切替制御することができる。なお、切替制御のタイミング検出は、搬送距離に代えて、買い物かごの搬送位置検出や、ベルトコンベアの駆動時間とすることもできる。また、買い物かごの搬送位置検出は、レーン台123に備えた位置検出センサ(たとえば、フォトセンサ)により買い物かご530を検出することで実現できる。また、買い物かご530の所定領域ごとに領域を示すRFIDタグを設け、所定のRFIDタグを検出している状態で買い物かごの領域を識別することもできる。
【0089】
次に、第4の実施形態のチェッカユニット120におけるマスタ未登録商品位置情報表示処理について図12を用いて説明する。図12は、第4の実施形態のチェッカユニットにおけるマスタ未登録商品位置情報表示処理のフローチャートである。
【0090】
第4の実施形態のマスタ未登録商品位置情報表示処理は、スキャンデータを取得した商品数に対応して商品の位置表示を変更可能な点で、第2の実施形態のマスタ未登録商品位置情報表示処理と異なる。
【0091】
[ステップS71]チェッカユニット120は、スキャンデータを取得した商品数を参照する。
[ステップS72]チェッカユニット120は、小型RFIDリーダライタの1つを指定して、指定した小型RFIDリーダライタに対応した記憶領域に保持した未登録商品情報を参照する。
【0092】
[ステップS73]チェッカユニット120は、未登録商品情報より未登録商品があると判定した場合にステップS74にすすみ、未登録商品がないと判定した場合にステップS77にすすむ。
【0093】
[ステップS74]チェッカユニット120は、リーダ位置マスタ304を参照して、指定した小型RFIDリーダライタのリーダNo(読取装置識別情報)に対応したリーダ位置(位置情報)を取得する。リーダ位置マスタ304は、リーダ位置を識別するためのリーダNo、リーダ位置、商品数対応位置表示情報などを登録したリーダ位置情報ファイルである。
【0094】
リーダNoは、ユニークな識別情報であり、たとえば、1から9までのシリアル番号である。リーダ位置は、買い物かご載置部123aを9分割した位置に対応する位置情報であり、たとえば、「1行1列」、「2行1列」、「3行1列」、「1行2列」、「2行2列」、「3行2列」、「1行3列」、「2行3列」、「3行3列」である。商品数対応位置表示情報は、商品数に対応した位置表示領域数と、各位置表示領域とリーダ位置との対応関係を示す情報である。具体的には、たとえば、商品数が5以下ならば、位置表示領域数を3として第1の位置表示領域に「1行1列」、「1行2列」、「1行3列」を割り当て、第2の位置表示領域に「2行1列」、「2行2列」、「2行3列」を割り当て、第3の位置表示領域に「3行1列」、「3行2列」、「3行3列」を割り当てる。
【0095】
[ステップS75]チェッカユニット120は、リーダ位置マスタ304を参照して、指定した小型RFIDリーダライタのリーダNo(読取装置識別情報)に対応した商品数対応位置表示情報を取得する。
【0096】
[ステップS76]チェッカユニット120は、指定した小型RFIDリーダライタの対応する位置(買い物かごの対応する位置)に商品マスタ未登録商品が存在することを示す報知情報(色、文字、商品表示番号、図形、これらの組み合わせなど)を、ディスプレイ117、カスタマディスプレイ118に表示する。
【0097】
[ステップS77]チェッカユニット120は、すべての位置(すべての小型RFIDリーダライタ)について、記憶領域に保持した未登録商品情報を参照したか否かを判定する。チェッカユニット120は、すべての位置について、記憶領域に保持した未登録商品情報を参照していないと判定した場合、ステップS72にすすむ。一方、チェッカユニット120は、すべての位置について、記憶領域に保持した未登録商品情報を参照したと判定した場合、マスタ未登録商品位置情報表示処理を終了する。
【0098】
これにより、商品の数に応じた買い物かご内のいずれの位置に対応する商品が未登録商品であるかをオペレータに容易に認識させることができる。特に商品数が少ないときに、買い物かご内のいずれの位置に対応する商品が未登録商品であるかをオペレータに迅速に認識させることができる。
【0099】
なお、商品の位置表示の変更は、スキャンデータを取得した商品数に対応しておこなう場合に限らず、たとえば、商品マスタ301から取得する商品の重量、商品の嵩など、その他の情報に基づいておこなうこともできる。
【0100】
次に、第4の実施形態のチェッカユニット120における商品の読取結果の表示について図13を用いて説明する。図13は、第4の実施形態のチェッカユニットのディスプレイの画面表示例を示す図である。
【0101】
画面表示610は、スキャンデータを取得した商品数が2点しかなく比較的商品数が少ない点で第2の実施形態の画面表示例(画面表示600)と異なる。また、第2の実施形態の画面表示600は、商品位置表示607が買い物かごを9分割した領域表示で表すのに対して、第4の実施形態の画面表示610は、商品位置表示611が買い物かごを3分割した領域表示で表す点で異なる。
【0102】
このように商品点数が少ない場合には、買い物かごを分割する領域の大きさを粗くして商品位置を表示したほうがオペレータにとって商品位置の識別が容易かつ迅速になる。
なお、第2の実施形態から第4の実施形態で説明したRFIDリーダライタは、レーン台123の買い物かご載置部123aに沿って配置したが、レーン台123の長手方向に起立壁を設けてRFIDリーダライタを配置し、買い物かごを側面から領域分割した商品位置の報知をおこなうようにしてもよい。また、RFIDリーダライタをレーン台123の買い物かご載置部123aおよび長手方向起立壁とに設けて、買い物かごを側面、および底面で3次元に領域分割した商品位置の報知をおこなうようにしてもよい。
【0103】
なお、買い物かごに入れた商品について商品位置の報知をおこなう例を示したが、買い物かごに限らず買い物カートに入れた商品を商品位置報知の対象としてもよい。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、キャッシャユニット110、チェッカユニット120が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(可搬型記録媒体を含む)に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
【0104】
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0105】
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
【0106】
なお、上述の実施の形態は、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
さらに、上述の実施の形態は、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0107】
10 商品情報読取装置
11 識別情報取得手段
12 商品情報取得手段
13 商品位置関連付手段
14 商品情報取得判定手段
15 商品情報報知手段
21 識別情報
22 商品情報
23 位置情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報を有する無線タグを付した商品から前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報に基づいて商品情報を取得する商品情報取得手段と、
前記識別情報取得手段が前記識別情報を取得する位置を予め設定した位置情報に基づいて、前記商品と前記位置情報とを関連付ける商品位置関連付手段と、
前記識別情報に基づく商品情報の取得の成否を判定する商品情報取得判定手段と、
前記商品情報の取得の成否を前記位置情報とともに報知する商品情報報知手段と、
を備えたことを特徴とする商品情報読取装置。
【請求項2】
前記識別情報取得手段は、位置を違えて複数配設され、
前記位置情報は、前記識別情報取得手段を識別可能な識別情報取得手段識別情報と、前記識別情報取得手段の配設位置とを対応付けた情報であることを特徴とする請求項1記載の商品情報読取装置。
【請求項3】
複数配設された前記識別情報取得手段は、各々異なるタイミングで
前記位置情報は、前記識別情報取得手段を識別可能な識別情報取得手段識別情報と、前記識別情報取得手段の配設位置とを対応付けた情報であることを特徴とする請求項2記載の商品情報読取装置。
【請求項4】
前記識別情報取得手段は、前記商品と相対的な位置関係を変更可能な位置関係変更手段を備え、
前記位置情報は、前記識別情報取得手段を識別可能な識別情報取得手段識別情報と、前記位置関係とを対応付けた情報であることを特徴とする請求項1記載の商品情報読取装置。
【請求項5】
前記商品情報報知手段は、前記商品の検出範囲を所定数に分割した領域表示ごとに、前記商品情報の取得の成否を報知することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の商品情報読取装置。
【請求項6】
前記商品情報報知手段は、前記商品の検出範囲を分割する所定数を可変とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の商品情報読取装置。
【請求項7】
前記商品情報報知手段は、前記商品情報の取得ができなかった商品についてメーカ情報を取得して報知することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の商品情報読取装置。
【請求項8】
前記識別情報取得手段は、前記商品から前記識別情報を取得した場合、前記無線タグに情報取得済情報を記録することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の商品情報読取装置。
【請求項9】
コンピュータを、
識別情報を有する無線タグを付した商品から前記識別情報を取得する識別情報取得手段、
前記識別情報に基づいて商品情報を取得する商品情報取得手段、
前記識別情報取得手段が前記識別情報を取得する位置を予め設定した位置情報に基づいて、前記商品と前記位置情報とを関連付ける商品位置関連付手段、
前記識別情報に基づく商品情報の取得の成否を判定する商品情報取得判定手段、
前記商品情報の取得の成否を前記位置情報とともに報知する商品情報報知手段、
として機能させることを特徴とする商品情報読取プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2011−76266(P2011−76266A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−225525(P2009−225525)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】