説明

商品情報配信システム、管理サーバ装置および商品情報配信方法

【課題】商品情報に対応付けられた電話番号のみを用いて、その商品の商品情報を配信する。
【解決手段】通信販売の対象とされている商品の商品情報のIDを携帯電話機へ配信する商品情報配信システム1であって、商品情報および商品情報のIDを記憶する商品情報データベース40と、携帯電話機20から、商品情報に対応付けられた電話番号に着信があったときに、商品情報データベース40から、着信があった電話番号に対応する商品情報のIDを取得して、携帯電話機20に対して、取得した商品情報のIDをセンタープッシュ方式で配信する管理サーバ装置30と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信販売の対象とされている商品の商品情報を携帯電話機へ配信する商品情報配信システム、管理サーバ装置および商品情報配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から知られている通信販売では、例えば、通販番組をテレビ放送し、その番組内で、通信販売の対象とされている商品と対応付けられた電話番号を画面に表示したり、また、その商品の情報が掲載されているWEBページのURLやQRコードを表示したりして、視聴者に商品の情報を得たり、購入をしたりするための手段を提供している。視聴者が、通販番組で紹介された商品に興味を持ち、その商品の商品情報を得ようと考えた場合またはその商品を購入しようと考えた場合は、通販番組内で示された電話番号に電話をかけたり、URLやQRコードを入力したりする必要がある。この操作を行なうことにより、視聴者は通販番組で紹介された商品の情報を得たり、購入をしたりすることができることとなる。
【0003】
また、特開2005−234980号公報では、発注用端末および受注用サーバにおいて、通信ネットワークを介して発注側から受注側に商品の発注を行なう際の発注側の操作性、利便性の向上、発注側および受注側の通信回数(通信費)の削減、受注側の処理負荷の削減などを図る技術が開示されている。この技術では、受注側から発注側に配布される商品情報が掲載されたカタログやチラシ(印刷物)上に、複数の商品に係る情報をコード化した2次元バーコードを印刷する。携帯電話機(発注用端末)において、この2次元バーコードを撮像してコード解析することにより、複数の商品に係る情報が取り込まれる。さらに、この携帯電話機には、複数の商品から任意の商品を選択することが可能な表示画面が表示される。ユーザによって選択された発注商品に係る情報は、通信ネットワークを介して受注用サーバに送信されることによって発注が行なわれる。また、複数の発注商品が存在する場合には、これらの複数の発注商品に係る情報が1回の送信動作で発注側から受注側に送信される。
【特許文献1】特開2005−234980号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の通信販売の方式では、電話番号、URLおよびQRコードなど、商品情報を得たいと考えた視聴者の選択肢が多くなり、その選択を行なう判断自体が面倒になってしまう場合がある。例えば、通販番組で複数の情報を表示すると、どの手法を選んだらよいか判断がつかない場合もある。また、URLを表示しても、その入力に手間取ってしまう視聴者や、QRコードを入力する際に、携帯電話機が搭載しているカメラとそのアプリケーションをうまく使えない視聴者も存在する。このような場合、視聴者は、興味を持った商品の商品情報を得たり、その商品を購入したりすることをあきらめてしまうこともある。その結果、機会損失が発生してしまうこととなり、通販業者にとって、ビジネス展開上、好ましくない事態が生ずる。また、携帯電話の通信事業者としては、携帯電話事業を発展させるために、視聴者による商品情報の取得から商品購入までの一連の手順を、携帯電話機を通して行なってもらいたいという基本的な欲求がある。
【0005】
また、特許文献1記載の技術でも、2次元バーコード(QRコード)を用いて商品情報を取得することから、上記の問題と同様に、視聴者によっては、携帯電話機が搭載しているカメラとそのアプリケーションをうまく使えず、興味を持った商品の商品情報を得たり、その商品を購入したりすることをあきらめてしまうことが予想される。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、商品情報に対応付けられた電話番号のみを用いて、その商品の商品情報を配信することができる商品情報配信システム、管理サーバ装置および商品情報配信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の商品情報配信システムは、通信販売の対象とされている商品の商品情報のIDを携帯電話機へ配信する商品情報配信システムであって、商品情報および商品情報のIDを記憶する商品情報データベースと、携帯電話機から、商品情報に対応付けられた電話番号に着信があったときに、前記商品情報データベースから、前記着信があった電話番号に対応する商品情報のIDを取得して、前記携帯電話機に対して、前記取得した商品情報のIDをセンタープッシュ方式で配信する管理サーバ装置と、を備えることを特徴としている。
【0008】
このように、携帯電話機から、商品情報に対応付けられた電話番号に着信があったときに、その着番情報および携帯電話機を識別する識別情報を取得し、商品情報および商品情報のIDを記憶する商品情報データベースから、前記着信があった電話番号に対応する商品情報のIDを取得して、前記携帯電話機に対して、前記取得した商品情報のIDをセンタープッシュ方式で配信するので、携帯電話機のユーザは、商品情報に対応付けられた電話番号のみを使用して、商品情報を取得することが可能となる。これにより、ユーザは、簡単な操作で通信販売の対象となっている商品の商品情報を取得することができるので、通販業者にとっては機会損失が少なくなり、携帯電話の通信事業者にとっては携帯電話の利用率が向上することとなる。なお、センタープッシュ方式とは、管理サーバ装置(センター)側からの指示により、特定の携帯電話機にインストールされているアプリケーション等を起動させる機能である。
【0009】
(2)また、本発明の商品情報配信システムにおいて、前記管理サーバ装置は、前記携帯電話機の識別情報に基づいて、前記携帯電話機がセンタープッシュ方式に対応しているかどうかを判断し、その判断の結果、前記携帯電話機がセンタープッシュ方式に対応している場合は、前記商品情報データベースから前記着信があった電話番号に対応する商品情報のIDを取得して、前記携帯電話機に対して、前記取得した商品情報のIDをセンタープッシュ方式で配信する一方、前記携帯電話機がセンタープッシュ方式に対応していない場合は、オペレータの電話機へ前記着信を転送することを特徴としている。
【0010】
このように、管理サーバ装置の判断の結果、携帯電話機がセンタープッシュ方式に対応している場合は、前記商品情報データベースから前記着信があった電話番号に対応する商品情報のIDを取得して、前記携帯電話機に対して、前記取得した商品情報のIDをセンタープッシュ方式で配信するので、携帯電話機のユーザは、商品情報に対応付けられた電話番号のみを使用して、商品情報を取得することが可能となる。これにより、ユーザは、簡単な操作で通信販売の対象となっている商品の商品情報を取得することができるので、通販業者にとっては機会損失が少なくなり、携帯電話の通信事業者にとっては携帯電話の利用率が向上することとなる。一方、管理サーバ装置の判断の結果、携帯電話機がセンタープッシュ方式に対応していない場合は、オペレータの電話機へ前記着信を転送するので、ユーザは、通常の通信販売と同様のサービスを受けることができる。
【0011】
(3)また、本発明の商品情報配信システムは、通信販売の対象とされている商品の商品情報を表示すると共に、通信販売における決済手続をするためのアプリケーションを保管するアプリケーション保管サーバ装置を更に備え、前記管理サーバ装置は、前記商品情報のID、および前記アプリケーションを特定するIDを、前記携帯電話機の発番情報を宛先にしてセンタープッシュ方式で配信し、前記アプリケーションが携帯電話機に存在する場合は、そのアプリケーションを起動させる一方、前記アプリケーションが携帯電話機に存在しない場合、またはセンタープッシュ方式による配信が失敗した場合は、前記アプリケーションを前記アプリケーション保管サーバ装置から前記アプリケーションをダウンロードするためのURLを記載した電子メールを前記携帯電話機へ送信することを特徴としている。
【0012】
このように、通信販売の対象とされている商品の商品情報を表示すると共に、通信販売における決済手続をするためのアプリケーションを用いるので、携帯電話機において、商品情報の表示と決済を行なうことが可能となる。その結果、ユーザにとっては、携帯電話機のみで簡易に通信販売の決済を行なうことが可能となり、通販事業者にとっては、ユーザの簡易な操作による決済が可能であることから機会損失が少なくなり、携帯電話の通信事業者にとっては、携帯電話の利用率を高めることが可能となる。また、アプリケーションが携帯電話機に存在しない場合、またはセンタープッシュ方式による配信が失敗した場合は、アプリケーションをアプリケーション保管サーバ装置からダウンロードするためのURLを記載した電子メールを前記携帯電話機へ送信するので、ユーザは、シームレスにアプリケーションのダウンロードおよびそのアプリケーションの起動という操作を行なうことが可能となる。
【0013】
(4)また、本発明の商品情報配信システムにおいて、前記アプリケーションは、前記商品情報に対応する商品をオペレータに直接通話で注文するための表示、前記アプリケーションを介して前記携帯電話機で注文するための表示、またはその商品の詳細情報の表示のいずれかを選択可能に表示することを特徴としている。
【0014】
このように、上記アプリケーションは、前記商品情報に対応する商品をオペレータに直接通話で注文するための表示、前記アプリケーションを介して前記携帯電話機で注文するための表示、またはその商品の詳細情報の表示のいずれかを選択可能に表示するので、ユーザは、これらのうちのいずれかを自由に選択することが可能となる。
【0015】
(5)また、本発明の管理サーバ装置は、通信販売の対象とされている商品の商品情報のIDを携帯電話機へ配信する商品情報配信システムに適用される管理サーバ装置であって、携帯電話機から、商品情報に対応付けられた電話番号に着信があったときに、商品情報および商品情報のIDを記憶する商品情報データベースから、前記着信があった電話番号に対応する商品情報のIDを取得する取得部と、前記携帯電話機に対して、前記取得した商品情報のIDをセンタープッシュ方式で配信する配信部と、を備えることを特徴としている。
【0016】
このように、携帯電話機から、商品情報に対応付けられた電話番号に着信があったときに、商品情報および商品情報のIDを記憶する商品情報データベースから、前記着信があった電話番号に対応する商品情報のIDを取得し、前記携帯電話機に対して、前記取得した商品情報のIDをセンタープッシュ方式で配信するので、携帯電話機のユーザは、商品情報に対応付けられた電話番号のみを使用して、商品情報を取得することが可能となる。これにより、ユーザは、簡単な操作で通信販売の対象となっている商品の商品情報を取得することができるので、通販業者にとっては機会損失が少なくなり、携帯電話の通信事業者にとっては携帯電話の利用率が向上することとなる。
【0017】
(6)また、本発明の管理サーバ装置は、携帯電話機から、商品情報に対応付けられた電話番号に着信があったときに、前記携帯電話機の識別情報に基づいて、前記携帯電話機がセンタープッシュ方式に対応しているかどうかを判断し、その判断の結果、前記携帯電話機がセンタープッシュ方式に対応している場合は、前記商品情報データベースから前記着信があった電話番号に対応する商品情報のIDを取得して、前記携帯電話機に対して、前記取得した商品情報のIDをセンタープッシュ方式で配信する一方、前記携帯電話機がセンタープッシュ方式に対応していない場合は、オペレータの電話機へ前記着信を転送する制御部を更に備えることを特徴としている。
【0018】
このように、制御部の判断の結果、携帯電話機がセンタープッシュ方式に対応している場合は、前記商品情報データベースから前記着信があった電話番号に対応する商品情報のIDを取得して、前記携帯電話機に対して、前記取得した商品情報のIDをセンタープッシュ方式で配信するので、携帯電話機のユーザは、商品情報に対応付けられた電話番号のみを使用して、商品情報を取得することが可能となる。これにより、ユーザは、簡単な操作で通信販売の対象となっている商品の商品情報を取得することができるので、通販業者にとっては機会損失が少なくなり、携帯電話の通信事業者にとっては携帯電話の利用率が向上することとなる。一方、制御部の判断の結果、携帯電話機がセンタープッシュ方式に対応していない場合は、オペレータの電話機へ前記着信を転送するので、ユーザは、通常の通信販売と同様のサービスを受けることができる。
【0019】
(7)また、本発明の管理サーバ装置において、前記制御部は、前記商品情報のID、および通信販売の対象とされている商品の商品情報を表示すると共に通信販売における決済手続をするためのアプリケーションを特定するIDを、前記携帯電話機の発番情報を宛先にしてセンタープッシュ方式で配信し、前記アプリケーションが携帯電話機に存在する場合は、そのアプリケーションを起動させる一方、前記アプリケーションが携帯電話機に存在しない場合またはセンタープッシュ方式による配信が失敗した場合は、前記アプリケーションを保管するアプリケーション保管サーバ装置から前記アプリケーションをダウンロードするためのURLを記載した電子メールを前記携帯電話機へ送信することを特徴としている。
【0020】
このように、通信販売の対象とされている商品の商品情報を表示すると共に、通信販売における決済手続をするためのアプリケーションを用いるので、携帯電話機において、商品情報の表示と決済を行なうことが可能となる。その結果、ユーザにとっては、携帯電話機のみで簡易に通信販売の決済を行なうことが可能となり、通販事業者にとっては、ユーザの簡易な操作による決済が可能であることから機会損失が少なくなり、携帯電話の通信事業者にとっては、携帯電話の利用率を高めることが可能となる。また、アプリケーションが携帯電話機に存在しない場合、またはセンタープッシュ方式による配信が失敗した場合は、アプリケーションをアプリケーション保管サーバ装置からダウンロードするためのURLを記載した電子メールを前記携帯電話機へ送信するので、ユーザは、シームレスにアプリケーションのダウンロードおよびそのアプリケーションの起動という操作を行なうことが可能となる。
【0021】
(8)また、本発明の商品情報配信方法は、通信販売の対象とされている商品の商品情報のIDを携帯電話機へ配信する商品情報配信方法であって、携帯電話機から、商品情報に対応付けられた電話番号に着信があったときに、前記携帯電話機を識別する識別情報を取得するステップと、管理サーバ装置において、商品情報および商品情報のIDを記憶する商品情報データベースから、前記着信があった電話番号に対応する商品情報のIDを取得して、前記携帯電話機に対して、前記取得した商品情報のIDをセンタープッシュ方式で配信するステップと、を少なくとも含むことを特徴としている。
【0022】
このように、携帯電話機から、商品情報に対応付けられた電話番号に着信があったときに、その着番情報および携帯電話機を識別する識別情報を取得し、商品情報および商品情報のIDを記憶する商品情報データベースから、前記着信があった電話番号に対応する商品情報のIDを取得して、前記携帯電話機に対して、前記取得した商品情報のIDをセンタープッシュ方式で配信するので、携帯電話機のユーザは、商品情報に対応付けられた電話番号のみを使用して、商品情報を取得することが可能となる。これにより、ユーザは、簡単な操作で通信販売の対象となっている商品の商品情報を取得することができるので、通販業者にとっては機会損失が少なくなり、携帯電話の通信事業者にとっては携帯電話の利用率が向上することとなる。
【0023】
また、本発明の商品情報配信方法は、前記管理サーバ装置において、前記携帯電話機の識別情報に基づいて、前記携帯電話機がセンタープッシュ方式に対応しているかどうかを判断するステップと、前記判断の結果、前記携帯電話機がセンタープッシュ方式に対応している場合は、前記商品情報データベースから前記着信があった電話番号に対応する商品情報のIDを取得して、前記携帯電話機に対して、前記取得した商品情報のIDをセンタープッシュ方式で配信するステップと、前記携帯電話機がセンタープッシュ方式に対応していない場合は、オペレータの電話機へ前記着信を転送するステップと、を含んでも良い。
【0024】
このように、管理サーバ装置の判断の結果、携帯電話機がセンタープッシュ方式に対応している場合は、前記商品情報データベースから前記着信があった電話番号に対応する商品情報のIDを取得して、前記携帯電話機に対して、前記取得した商品情報のIDをセンタープッシュ方式で配信するので、携帯電話機のユーザは、商品情報に対応付けられた電話番号のみを使用して、商品情報を取得することが可能となる。これにより、ユーザは、簡単な操作で通信販売の対象となっている商品の商品情報を取得することができるので、通販業者にとっては機会損失が少なくなり、携帯電話の通信事業者にとっては携帯電話の利用率が向上することとなる。一方、管理サーバ装置の判断の結果、携帯電話機がセンタープッシュ方式に対応していない場合は、オペレータの電話機へ前記着信を転送するので、ユーザは、通常の通信販売と同様のサービスを受けることができる。
【0025】
本発明の商品情報配信方法は、前記管理サーバ装置において、前記商品情報のID、および通信販売の対象とされている商品の商品情報を表示すると共に、通信販売における決済手続をするためのアプリケーションを特定するIDをセンタープッシュ方式で配信するステップと、前記アプリケーションが携帯電話機に存在する場合は、そのアプリケーションを起動させる一方、前記アプリケーションが携帯電話機に存在しない場合またはセンタープッシュ方式による配信が失敗した場合は、前記アプリケーションを前記アプリケーション保管サーバ装置から前記アプリケーションをダウンロードするためのURLを記載した電子メールを前記携帯電話機へ送信するステップと、を含んでも良い。
【0026】
このように、通信販売の対象とされている商品の商品情報を表示すると共に、通信販売における決済手続をするためのアプリケーションを用いるので、携帯電話機において、商品情報の表示と決済を行なうことが可能となる。その結果、ユーザにとっては、携帯電話機のみで簡易に通信販売の決済を行なうことが可能となり、通販事業者にとっては、ユーザの簡易な操作による決済が可能であることから機会損失が少なくなり、携帯電話の通信事業者にとっては、携帯電話の利用率を高めることが可能となる。また、アプリケーションが携帯電話機に存在しない場合、またはセンタープッシュ方式による配信が失敗した場合は、アプリケーションをアプリケーション保管サーバ装置からダウンロードするためのURLを記載した電子メールを前記携帯電話機へ送信するので、ユーザは、シームレスにアプリケーションのダウンロードおよびそのアプリケーションの起動という操作を行なうことが可能となる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、携帯電話機から、商品情報に対応付けられた電話番号に着信があったときに、その着番情報および携帯電話機を識別する識別情報を取得し、商品情報および商品情報のIDを記憶する商品情報データベースから、前記着信があった電話番号に対応する商品情報のIDを取得して、前記携帯電話機に対して、前記取得した商品情報のIDをセンタープッシュ方式で配信するので、携帯電話機のユーザは、商品情報に対応付けられた電話番号のみを使用して、商品情報を取得することが可能となる。これにより、ユーザは、簡単な操作で通信販売の対象となっている商品の商品情報を取得することができるので、通販業者にとっては機会損失が少なくなり、携帯電話の通信事業者にとっては携帯電話の利用率が向上することとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
次に、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。本明細書において、「電子メール」という用語は、メールアドレスを使用する「e−mail」および電話番号を使用する「SMS(Short Message Service)メール」の両方の意味を含むものとする。図1は、本発明の実施形態に係る商品情報配信システムの概略構成を示す図である。商品情報配信システム1は、電話網10、管理サーバ装置30、商品情報データベース40、アプリケーション保管サーバ装置60、および加入者データベース70から構成されている。商品情報配信システム1は、電話網10内に、発番契約認証システム11、事業者コード照会システム12、および着番契約認証システム13を備えている。発番契約認証システム11は、携帯電話機20から得られる発番情報に基づいて、この発番が、契約上有効であるかどうかをチェックするシステムである。無効である場合は、携帯電話機20に対してエラーを返し、通信を中止する機能を果たす。「発番情報」とは、携帯電話機20から発信した電話番号を意味する。なお、発番契約認証システム11は、携帯電話機20から着番情報も取得する。この「着番情報」とは、通販番組で、商品と対応付けられた電話番号で、着信先の電話番号を意味する。
【0029】
事業者コード照会システム12は、電話番号から事業者コードを対応付けるシステムであり、番号と電話会社との関連付け情報を有する。発番契約認証システム11から着番情報を取得し、着番事業者コードを発番契約認証システム11に出力する。この「着番事業者コード」とは、着番情報が、どの事業者に管理されているのかを示すコードを意味する。
【0030】
着番契約認証システム13は、携帯電話機からの着番が、契約上有効であるかどうかをチェックするシステムである。無効である場合は、携帯電話機20に対してエラーを返し、通信を中止する機能を果たす。また、着番契約認証システム13は、発番契約認証システム11から発番情報、着番情報、発番事業者コードおよび着番事業者コードを取得して、後述する管理サーバ装置30に出力する。この「発番事業者コード」とは、発番情報が、どの事業者に管理されているかを示すコードを意味する。
【0031】
これらの発番契約認証システム11、事業者コード照会システム12、および着番契約認証システム13は、通信事業者が管理・運営をするシステムであり、「契約情報管理システム」を構成する。
【0032】
また、本実施形態に係る商品情報配信システム1は、管理サーバ装置30を備えている。この管理サーバ装置30は、商品情報および商品情報のIDを記憶する商品情報データベース40から、着信があった電話番号に対応する商品情報のIDを取得して、携帯電話機20に対して、取得した商品情報のIDを、センタープッシュ方式で配信する。このセンタープッシュ方式とは、管理サーバ装置(センター)側からの指示により、特定の携帯電話機にインストールされているアプリケーション等を起動させる機能である。
【0033】
図2は、管理サーバ装置30の概略構成を示すブロック図である。取得部31は、携帯電話機20から、商品情報に対応付けられた電話番号に着信があったときに、商品情報データベース40から、着信があった電話番号に対応する商品情報のIDを取得する。配信部32は、携帯電話機20に対して、取得部31が取得した商品情報のIDをセンタープッシュ方式で配信する。ここで、「商品情報に対応付けられた電話番号」とは、商品毎に1回線を割り当てても良いし、受付用の回線として1回線を用意し、付加コードにより商品を識別するようにしても良い。後者については、例えば、“03−9999−9999+付加コード4桁(9999)”のような電話番号となる。
【0034】
制御部33は、携帯電話機20から、商品情報に対応付けられた電話番号に着信があったときに、携帯電話機20を識別する識別情報として、着番情報、発番情報、発番事業者コードおよび着番事業者コードに基づいて、携帯電話機20がセンタープッシュ方式に対応しているかどうかを判断する。ここで、管理サーバ装置30に、携帯電話機20がセンタープッシュ方式に対応しているかどうかを判断するための情報を事前に登録しておいても良い。その判断の結果、携帯電話機20がセンタープッシュ方式に対応している場合は、商品情報データベース40から着信があった電話番号に対応する商品情報のIDを取得して、携帯電話機20に対して、取得した商品情報のIDをセンタープッシュ方式で配信する。一方、携帯電話機20がセンタープッシュ方式に対応していない場合は、オペレータの電話機50へ着信を転送する。この場合は、管理サーバ装置30が、事業者コードおよび発番情報を取得して、既存の「フリーダイヤル」のサービスと同様に機能する。
【0035】
また、制御部33は、商品情報のID、および通信販売の対象とされている商品の商品情報を表示すると共に通信販売における決済手続をするためのアプリケーションを特定するIDを、前記発番情報を宛先にしてセンタープッシュ方式で配信し、そのアプリケーションが携帯電話機20に存在する場合は、そのアプリケーションを起動させる一方、そのアプリケーションが携帯電話機20に存在しない場合、またはセンタープッシュ方式による配信が失敗した場合は、そのアプリケーションを保管するアプリケーション保管サーバ装置60からそのアプリケーションをダウンロードするためのURLを記載した電子メールを携帯電話機20へ送信する。なお、電子メールは、SMSメールであってもEメールであっても良い。SMSメールとは、ショートメッセージサービス(SMS)により携帯電話機やPHS間でごく短い文字メッセージが送受信される電子メールである。例えば、au(登録商標)のCメール(登録商標)等がこれに該当する。SMSメールは発番情報を宛先として送信することができる。
【0036】
例えば、通信事業者Kに対応するAという機種の携帯電話機のみが、センタープッシュ方式に対応しているものとする。発呼した携帯電話機20の発番情報および発番事業者コードにより、その携帯電話機に対応する通信事業者を特定することができる。もし、発呼した携帯電話機20に対応する通信事業者が、通信事業者K以外の通信事業者であれば、管理サーバ装置30は、携帯電話機20がセンタープッシュ方式に対応していないと判断し、オペレータの電話機50へ着信を転送する。一方、発呼した携帯電話機20に対応する通信事業者が、通信事業者Kである場合は、管理サーバ装置30は、機種までは分からないが、原則として携帯電話機20がセンタープッシュ方式に対応していると判断し、センタープッシュを試みる。センタープッシュ方式に対応する機種Aであれば、通常のフローに基づいて情報を配信する。一方、センタープッシュ方式に対応しない機種Bである場合は、エラーとなるため、Cメール(登録商標)またはEメールを配信する。ユーザが、Cメール(登録商標)またはEメールに記載されたURLをクリックするとWEBに繋がるため、そのときに機種判別を行ない、非対応であることが分かる。この場合は、URLの商品コードに基づいて、ECサイトにジャンプさせて、フローを終了する。
【0037】
上記の取得部31、配信部32および制御部33は、制御バス34を介して相互に接続されており、データの送受信が可能となっている。
【0038】
次に、以上のように構成された本実施形態に係る商品情報配信システムの動作について説明する。図1において、携帯電話機20から通販番組などで紹介された電話番号に発信が行なわれると(ステップS1)、発番契約認証システム11は、携帯電話機20から発番情報および着番情報を取得し、発番情報の契約が有効であるかどうかを判断する。また、発番事業者コードを取得する。契約が無効である場合は、エラーを返し、通信を終了する。事業者コード照会システム12は、発番契約認証システム11から着番情報を取得し(ステップS2)、着番情報を照会して、着番事業者コードを発番契約認証システム11へ出力する(ステップS3)。
【0039】
発番契約認証システム11は、着番契約認証システム13に対して、発番情報、着番情報、発番事業者コードおよび着番事業者コードを出力する(ステップS4)。ここで、着番契約認証システム13は、着番情報の契約が有効であるかどうかをチェックし、無効である場合は、エラーを携帯電話機20に返して、通信を終了する。
【0040】
次に、着番契約認証システム13は、管理サーバ装置30に対して、発番情報、着番情報、発番事業者コードおよび着番事業者コードを送信する(ステップS5)。そして、管理サーバ装置30は、受信した発番事業者コードに基づいて、携帯電話機20が、センタープッシュ方式に対応しているかどうかを判断する。携帯電話機20が、センタープッシュ方式に対応していない場合は、オペレータの電話機50へ発番情報を転送する。これにより、携帯電話機20のユーザは、オペレータと通話することが可能となる。
【0041】
一方、管理サーバ装置30における判断の結果、携帯電話機20が、センタープッシュ方式に対応している場合は、商品情報データベース40に対して、発番情報、発番事業者コード、および着番情報を送信する(ステップS6)。商品情報データベース40は、管理サーバ装置30から発番情報、発番事業者コード、および着番情報を受信すると、これらに基づいて、商品情報IDおよびアプリケーションID(アプリID)を管理サーバ装置30に対して送信する(ステップS7)。
【0042】
管理サーバ装置30は、発番情報、商品情報IDおよびアプリケーションIDを、携帯電話機20に対してセンタープッシュ方式で送信する(ステップS8)。携帯電話機20に、通信販売の対象とされている商品の商品情報を表示すると共に、通信販売における決済手続をするためのアプリケーションが存在する場合は、そのアプリケーションが起動し、商品情報IDが商品情報データベース40に送信され(ステップS9)、商品情報データベース40から商品情報が携帯電話機20へ送信される(ステップS10)。なお、ステップS8において、商品情報IDと共に商品情報そのものを配信しても良い。その場合、ステップS9、ステップS10による商品情報の取得ステップを省略することもできる。
【0043】
図3は、携帯電話機20でアプリケーションによって商品情報が表示された表示例を示す図である。図3に示すように、商品に関する画像、商品名、商品説明などが表示される。また、この画面から、ユーザは、(1)電話注文、(2)携帯注文(アプリケーションを介するオンライン注文)、または(3)商品詳細を選択することが可能となっている。なお、図3に示す画面において、「電話注文」が選択された場合は、携帯電話機20からオペレータの電話機50に対して発呼を行なう。
【0044】
一方、携帯電話機20に、上記アプリケーションが存在しない場合、または、圏外などでセンタープッシュによる送信が失敗した場合は、管理サーバ装置30は、携帯電話機20に対して、電子メールを送信する(ステップS11)。このとき、送信する電子メールがSMSメールならば発番情報により送信する。また、送信する電子メールがEメールであっても良く、そのようなシステムの場合は、加入者情報を蓄積している加入者データベース70に照会をかけて(図1のステップS14)、発番情報のEメールを取得してそれを宛先として送信する。
【0045】
図4は、管理サーバ装置30が携帯電話機20に対して送信する電子メールの内容の例を示す図である。図4の左端に示すように、電子メールには、宛先の電話番号と、送信先の電話番号と、題名と、URLを含む内容とが記載される。ユーザがこのURLを介してアプリケーション保管サーバ装置60にアクセスすると、携帯電話機20の画面には、図4の中央に示すように、ブラウザの画面が表示され、ユーザに対してアプリケーション(オブジェクト)のダウンロードが促される。
【0046】
ここで、ユーザが「ダウンロード」を選択し、携帯電話機20にアプリケーションが存在していた場合は、図4の右端のように、図3に示した内容と同様の表示がなされる(図1のステップS9、ステップS10)。一方、携帯電話機20にアプリケーションが存在していなかった場合は、ユーザが「ダウンロード」を選択したときに、携帯電話機20からアプリケーションIDがアプリケーション保管サーバ装置60に送信され(図1のステップS12)、アプリケーション保管サーバ装置60からアプリケーションのダウンロードが行なわれる(図1のステップS13)。ダウンロードが終了すると、そのアプリケーションが起動し、図4の右端に示すような表示がなされる(図1のステップS9、ステップS10)。これにより、ユーザは、シームレスにダウンロード、起動、という操作が可能となる。
【0047】
以上説明したように、本実施形態に係る商品情報配信システムによれば、携帯電話機20から、商品情報に対応付けられた電話番号に着信があったときに、その着番情報および携帯電話機20を識別する識別情報を取得し、商品情報および商品情報のIDを記憶する商品情報データベース40から、前記着信があった電話番号に対応する商品情報のIDを取得して、前記携帯電話機20に対して、前記取得した商品情報のIDをセンタープッシュ方式で配信するので、携帯電話機20のユーザは、商品情報に対応付けられた電話番号のみを使用して、商品情報を取得することが可能となる。これにより、ユーザは、簡単な操作で通信販売の対象となっている商品の商品情報を取得することができるので、通販業者にとっては機会損失が少なくなり、携帯電話の通信事業者にとっては携帯電話の利用率が向上することとなる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態に係る商品情報配信システムの概略構成を示す図である。
【図2】管理サーバ装置30の概略構成を示すブロック図である。
【図3】携帯電話機20でアプリケーションによって商品情報が表示された表示例を示す図である。
【図4】管理サーバ装置30が携帯電話機20に対して送信する電子メールの内容の例を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1 商品情報配信システム
10 電話網
11 発番契約認証システム
12 事業者コード照会システム
13 着番契約認証システム
20 携帯電話機
30 管理サーバ装置
31 取得部
32 配信部
33 制御部
34 制御バス
40 商品情報データベース
50 電話機
60 アプリケーション保管サーバ装置
70 加入者データベース


【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信販売の対象とされている商品の商品情報のIDを携帯電話機へ配信する商品情報配信システムであって、
商品情報および商品情報のIDを記憶する商品情報データベースと、
携帯電話機から、商品情報に対応付けられた電話番号に着信があったときに、前記商品情報データベースから、前記着信があった電話番号に対応する商品情報のIDを取得して、前記携帯電話機に対して、前記取得した商品情報のIDをセンタープッシュ方式で配信する管理サーバ装置と、を備えることを特徴とする商品情報配信システム。
【請求項2】
前記管理サーバ装置は、前記携帯電話機の識別情報に基づいて、前記携帯電話機がセンタープッシュ方式に対応しているかどうかを判断し、その判断の結果、前記携帯電話機がセンタープッシュ方式に対応している場合は、前記商品情報データベースから前記着信があった電話番号に対応する商品情報のIDを取得して、前記携帯電話機に対して、前記取得した商品情報のIDをセンタープッシュ方式で配信する一方、前記携帯電話機がセンタープッシュ方式に対応していない場合は、オペレータの電話機へ前記着信を転送することを特徴とする請求項1記載の商品情報配信システム。
【請求項3】
通信販売の対象とされている商品の商品情報を表示すると共に、通信販売における決済手続をするためのアプリケーションを保管するアプリケーション保管サーバ装置を更に備え、
前記管理サーバ装置は、前記商品情報のID、および前記アプリケーションを特定するIDを、前記携帯電話機の発番情報を宛先にしてセンタープッシュ方式で配信し、前記アプリケーションが携帯電話機に存在する場合は、そのアプリケーションを起動させる一方、前記アプリケーションが携帯電話機に存在しない場合、またはセンタープッシュ方式による配信が失敗した場合は、前記アプリケーションを前記アプリケーション保管サーバ装置から前記アプリケーションをダウンロードするためのURLを記載した電子メールを前記携帯電話機へ送信することを特徴とする請求項2記載の商品情報配信システム。
【請求項4】
前記アプリケーションは、前記商品情報に対応する商品をオペレータに直接通話で注文するための表示、前記アプリケーションを介して前記携帯電話機で注文するための表示、またはその商品の詳細情報の表示のいずれかを選択可能に表示することを特徴とする請求項3記載の商品情報配信システム。
【請求項5】
通信販売の対象とされている商品の商品情報のIDを携帯電話機へ配信する商品情報配信システムに適用される管理サーバ装置であって、
携帯電話機から、商品情報に対応付けられた電話番号に着信があったときに、商品情報および商品情報のIDを記憶する商品情報データベースから、前記着信があった電話番号に対応する商品情報のIDを取得する取得部と、
前記携帯電話機に対して、前記取得した商品情報のIDをセンタープッシュ方式で配信する配信部と、を備えることを特徴とする管理サーバ装置。
【請求項6】
携帯電話機から、商品情報に対応付けられた電話番号に着信があったときに、前記携帯電話機の識別情報に基づいて、前記携帯電話機がセンタープッシュ方式に対応しているかどうかを判断し、その判断の結果、前記携帯電話機がセンタープッシュ方式に対応している場合は、前記商品情報データベースから前記着信があった電話番号に対応する商品情報のIDを取得して、前記携帯電話機に対して、前記取得した商品情報のIDをセンタープッシュ方式で配信する一方、前記携帯電話機がセンタープッシュ方式に対応していない場合は、オペレータの電話機へ前記着信を転送する制御部を更に備えることを特徴とする請求項5記載の管理サーバ装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記商品情報のID、および通信販売の対象とされている商品の商品情報を表示すると共に通信販売における決済手続をするためのアプリケーションを特定するIDを、前記携帯電話機の発番情報を宛先にしてセンタープッシュ方式で配信し、
前記アプリケーションが携帯電話機に存在する場合は、そのアプリケーションを起動させる一方、
前記アプリケーションが携帯電話機に存在しない場合またはセンタープッシュ方式による配信が失敗した場合は、前記アプリケーションを保管するアプリケーション保管サーバ装置から前記アプリケーションをダウンロードするためのURLを記載した電子メールを前記携帯電話機へ送信することを特徴とする請求項6記載の管理サーバ装置。
【請求項8】
通信販売の対象とされている商品の商品情報のIDを携帯電話機へ配信する商品情報配信方法であって、
携帯電話機から、商品情報に対応付けられた電話番号に着信があったときに、前記携帯電話機を識別する識別情報を取得するステップと、
管理サーバ装置において、商品情報および商品情報のIDを記憶する商品情報データベースから、前記着信があった電話番号に対応する商品情報のIDを取得して、前記携帯電話機に対して、前記取得した商品情報のIDをセンタープッシュ方式で配信するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする商品情報配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−151412(P2009−151412A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−326830(P2007−326830)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】