説明

商品検索システム、商品検索方法及び商品検索プログラム

【課題】 顧客情報の曖昧性を考慮し、性質の異なる複数の属性情報を統合して顧客の要望に応じた商品を検索する商品検索システムを提供する。
【解決手段】 コンピュータ3と、コンピュータ3上で動作する商品検索プログラム2から構成され、前記商品検索プログラム2が、データ入力された固有の商品名に対応する当該商品の複数種類の属性情報を評価の次元を固定した同一スケールの対極尺度で取り扱い三角型メンバシップ関数を用いて商品属性評価モデルマトリクスとしてデータベース52に蓄積しておき、その後、評価の次元を固定した同一スケールの対極尺度でデータ入力された顧客が要望する複数種類の属性要望情報を三角型メンバシップ関数を用いて要望データマトリクスとし、次に、前記データベース52の中から前記要望データマトリクスとの適合度が最大値となる前記商品属性評価モデルマトリクスを有する商品名を検索し抽出してディスプレイ8に画面表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客の要望に応じた商品を検索する商品検索システム、商品検索方法及び商品検索プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品には、値段、サイズ、材質、色調、日常用(或いは贈答用)、実用(或いは装飾用)、暖かい感じ(或いは冷たい感じ)、伝統的(或いは現代的)、などの多種多様な属性がある。顧客が商品を選択するに際しては、これら性質の異なる属性情報を感覚的に曖昧な要望として店員に伝えることが大半である。そして、商品を熟知したエキスパート店員が自身が長年培ってきた経験に基づき、前記顧客からの性質の異なる属性情報を統合して、顧客の感性価値に近い商品を探して提示することとなる。しかし、一般に、有能な店員は多忙であるし、顧客が店舗に足を運ぶ機会も限られるため、顧客が自身の要望に合った商品を入手し易いとはいい難い。
【0003】
発明者は、従前より感性データ解析手法を研究しており、例えば非特許文献1には、特定の対象に対して感性表現の対極尺度で5段階或いは7段階評価し、クラスタリングして代表感性を表現することが開示されている。
【0004】
また、コンピュータ技術の発達によって、コンピュータを用いた商品検索システムがいくつか提案されている。
【0005】
特許文献1には、商品販売者によって予め登録された商品の感性評価値と、利用者がデータ入力した商品に関する感性評価データとの間で距離計算を行うことで算出した一致度から利用者の嗜好に近い商品を検索し、商品情報を出力表示させる商品検索システムが開示されている。
【0006】
特許文献2には、商品と感性ワードとのファジィ距離をファジィ対応分析により同定し、利用者は用意された感性ワードをいくつか選択しデータ入力することにより、OWA(Ordered Weighted Averaging Aggregation Operators)法により商品が順序づけられて提示される商品提示システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−288216号公報
【特許文献2】特開2008−250809号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】感性データ解析 中森義輝 著、森北出版株式会社、2000年8月10日発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のように、商品には多種多様な属性があることから、発明者は、これらの商品属性を物理属性と文脈属性と感性属性に大別することとした。つまり、値段、サイズ、材質、色調などは物理属性情報であり、日常用(或いは贈答用)、実用(或いは装飾用)などは文脈属性情報であり、暖かい感じ(或いは冷たい感じ)、伝統的(或いは現代的)などは感性属性情報である。これらの物理属性情報と文脈属性情報と感性属性情報はそれぞれ性質が異なっているから、同じ尺度で取り扱うことが困難である。しかし実際のところ、顧客はこれら性質の異なる複数の属性情報が混ざり合った状態で商品への要望としている。そして、実際に顧客が発信する要望は、やや大きい、さりげない、カジュアルで飽きのこない、など曖昧な情報となっている。
【0010】
また、商品のデータ収集段階では、多くの商品について感性ワードによる評価データを得ることは時間的制約から困難である。そこで、従来は、評価の曖昧性を考慮せず、7段階評価値など整数値のみを扱っていた。一方、多くの被験者による評価実験では時間的・経済的制約から多くの商品を登録できないという問題があった。モデリングに際しては、評価データそのものを加工しないで用いる方法や、因子分析や対応分析などの多変量解析により商品と感性ワードとの距離を同定する方法などが提案されているが、意見の分散、あるいは意見の違いについて十分考慮したモデリングではなかった。推論・検索段階では、従来の感性検索システムでは「かわいらしい」「伝統的な」などの形容詞・形容動詞を用いた評価による検索が主流であるが、実際の商品検索においては、利用者の関心は「大きさ」「値段」などの物理属性や、「贈答用」「日常用」などの文脈属性にも関心が少なからずあり、そのため、検索のステップが2段階や3段階となってしまい煩雑となっていた。そして、既知の手法では、性質の異なる複数の属性情報からなる複数の希望情報を総合化することが困難であった。
【0011】
つまり、上述のように、実際に顧客が発信する要望は、曖昧な情報であるとともに、性質の異なる複数の属性情報がまとまりなく混ざり合った状態となっているが、従来の商品検索システムでは、曖昧性を考慮せずに整数値のみを扱っており、顧客の要望が十分に反映されているとはいい難い。また、性質の異なる複数の属性情報については統合する良い方法がなかったことから検索のステップが複数段階となってしまい手続きが煩雑となっていたので、使い勝手が良くなかった。
【0012】
そこで、本願発明の目的は、顧客からの情報の曖昧性を考慮し、性質の異なる複数の属性情報を統合して顧客の要望に応じた商品を検索する商品検索システム、商品検索方法及び商品検索プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の商品検索システムは、データ入力を受け付ける入力手段と入力されたデータに演算処理を行うCPUと演算処理後のデータを蓄積保存するデータベースとデータ処理前後のデータを画面表示するディスプレイを備えたコンピュータと、前記コンピュータ上で動作する商品検索プログラムから構成され、前記商品検索プログラムが、データ入力された固有の商品名に対応する当該商品の複数種類の属性情報を評価の次元を固定した同一スケールの対極尺度で取り扱い三角型メンバシップ関数を用いて商品属性評価モデルマトリクスとして前記データベースに蓄積しておき、その後、評価の次元を固定した同一スケールの対極尺度でデータ入力された顧客が要望する複数種類の属性要望情報を三角型メンバシップ関数を用いて要望データマトリクスとし、次に、前記データベースの中から前記要望データマトリクスとの適合度が最大値となる前記商品属性評価モデルマトリクスを有する商品名を検索し抽出して画面表示することを特徴とする。
【0014】
本発明では、前記商品検索プログラムが、データ入力された固有の商品名に対応する当該商品の複数種類の属性情報を評価の次元を固定した同一スケールの対極尺度で取り扱い三角型メンバシップ関数を用いて商品属性評価モデルマトリクスとして前記データベースに蓄積しておき、その後、評価の次元を固定した同一スケールの対極尺度でデータ入力された顧客が要望する複数種類の属性要望情報を三角型メンバシップ関数を用いて要望データマトリクスとし、次に、前記データベースの中から前記要望データマトリクスとの適合度の値が高い前記商品属性評価モデルマトリクスを有する商品名を検索し抽出して画面表示する。つまり、商品の複数種類の属性情報並びに顧客が要望する複数種類の属性要望情報を評価の次元を固定した同一スケールの対極尺度で取り扱うことで、同じ尺度で取り扱うことができるようになり、三角型メンバシップ関数を用いることで、大量の曖昧なデータが容易にデータ処理できるようになる。そして、オリジナルデータを直接的に用いるモデリングであるから、多変量解析などを用いたモデリングに比べて、情報のロスが少なくなる。本発明は、「目標志向の意思決定分析」の考え方に基づいており、従来の、最大化或いは最小化を目指す最適化とは異なり、「ちょっと現代的」等のような両端に位置しない(中途半端な)目標を達成できるようになることが、大きな特徴である。なお、ここで、前記要望データマトリクスとの適合度が最大値となるとは、計算上の有意性の範囲内での最大値ということであり、前記適合度が最大値の前記商品属性評価モデルマトリクスを有する商品名のみならず、前記適合度が最大値に近い値の前記商品属性評価モデルマトリクスを有する商品名をも含んで最大値とみなしても良い。また、意図的に最大値から二番目や三番目の前記商品属性評価モデルマトリクスを有する商品名を抽出した場合においても、前記適合度が最大値の前記商品属性評価モデルマトリクスを有する商品名を基準としているのであるから本発明の範疇であるとみなされる。
【0015】
本発明の商品検索方法は、データ入力を受け付ける入力手段と入力されたデータに演算処理を行うCPUと演算処理後のデータを蓄積保存するデータベースとデータ処理前後のデータを画面表示するディスプレイを備えたコンピュータを使用し、前記コンピュータ上で商品検索プログラムを動作させて商品を検索する方法であって、コンピュータ上で前記商品検索プログラムを動作させて、管理者が固有の商品名とそれに対応する当該商品の複数種類の属性情報を予めデータ入力して、前記商品検索プログラムがデータ入力された固有の商品名に対応する当該商品の複数種類の属性情報を評価の次元を固定した同一スケールの対極尺度で取り扱い三角型メンバシップ関数を用いて商品属性評価モデルマトリクスとして前記データベースに蓄積しておき、その後、利用者が顧客が要望する複数種類の属性要望情報を評価の次元を固定した同一スケールの対極尺度でデータ入力すると、前記商品検索プログラムがデータ入力された複数種類の属性要望情報を三角型メンバシップ関数を用いて要望データマトリクスとし、次に、前記データベースの中から前記要望データマトリクスとの適合度が最大値となる前記商品属性評価モデルマトリクスを有する商品名を検索し抽出して画面表示することを特徴とする。
【0016】
本発明の商品検索プログラムは、データ入力を受け付ける入力手段と入力されたデータに演算処理を行うCPUと演算処理後のデータを蓄積保存するデータベースとデータ処理前後のデータを画面表示するディスプレイを備えたコンピュータ上で動作し商品を検索する商品検索プログラムであって、固有の商品名とそれに対応する当該商品の複数種類の属性情報をデータ入力する属性情報入力ステップと、データ入力された固有の商品名に対応する当該商品の複数種類の属性情報を評価の次元を固定した同一スケールの対極尺度で取り扱い三角型メンバシップ関数を用いて商品属性評価モデルマトリクスとして前記データベースに蓄積するデータベース構築ステップと、その後、顧客が要望する複数種類の属性要望情報を評価の次元を固定した同一スケールの対極尺度でデータ入力する属性要望情報入力ステップと、データ入力された複数種類の属性要望情報を三角型メンバシップ関数を用いて要望データマトリクスとする要望データマトリクス構築ステップと、構築された前記データベースの中から前記要望データマトリクスとの適合度が最大値となる前記商品属性評価モデルマトリクスを有する商品名を検索する商品検索ステップと、検索し抽出された前記商品属性評価モデルマトリクスを有する商品名を画面表示する画面表示ステップとを備えることを特徴とする。
【0017】
これら本発明によれば、管理者が固有の商品名とその属性情報を予めデータ入力しておけば商品属性評価モデルマトリクスとして前記データベースに蓄積され、その後、利用者(顧客)が要望する属性要望情報をデータ入力すると、瞬時に、前記データベースの中から前記要望データマトリクスとの適合度が最大値となる前記商品属性評価モデルマトリクスを有する商品名が検索され抽出されて画面表示されるので、商品を熟知したエキスパート店員がその場に居なくとも、顧客が直接、店舗に足を運ばなくとも、顧客からの情報の曖昧性を考慮し、性質の異なる複数の属性情報を統合して顧客の要望に応じた商品を検索することとなる。
【0018】
本発明は、前記属性情報並びに前記属性要望情報が、各々物理属性情報と文脈属性情報と感性属性情報を含むことを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、前記属性情報並びに前記属性要望情報が、各々物理属性情報と文脈属性情報と感性属性情報を含むことで、実際に顧客が発信する要望が十分に反映されている情報となり、検索のステップも1回で済むこととなる。
【0020】
本発明は、前記商品検索プログラムが、前記要望データマトリクスを構成する前記属性要望情報と、前記商品属性評価モデルマトリクスを構成する前記属性情報のそれぞれの属性適合度を比較したときの、最小値を前記商品属性評価モデルマトリクスを有する商品名の適合度の代表値とすることを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、前記要望データマトリクスを構成する前記属性要望情報と、前記商品属性評価モデルマトリクスを構成する前記属性情報のそれぞれの属性適合度を比較して、最も小さい値の属性適合度を前記商品属性評価モデルマトリクスを有する商品名の適合度の代表値とし、これら適合度の代表値が最も高い前記商品名を検索し抽出する。そして、前記商品名を検索し抽出する作業を繰り返して前記適合度の代表値が高い前記商品名から順に画面表示することで、顧客の不満足度が最も小さい商品から順に画面表示することとなる。すなわち、顧客の満足度が最も大きい商品から順に抽出して画面表示することとなる。
【0022】
本発明は、前記属性要望情報には、それぞれ同一スケールの優先度が割り当てられており、前記商品検索プログラムが、前記優先度に応じた関数によって前記属性要望情報と対応する前記商品属性評価モデルとの適合度の値を数値変換し、前記優先度の低い属性を前記比較の対象から積極的に外す処理を行うことを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、前記属性要望情報には、それぞれ同一スケールの優先度が割り当てられていることから、前記属性要望情報毎の優先順位が付け易い。そして、前記商品検索プログラムが、前記優先度に応じた関数によって前記属性要望情報と対応する前記商品属性評価モデルとの適合度の値を数値変換し、前記優先度の高い属性を前記比較の対象としつつ、前記優先度の低い属性を前記比較の対象から積極的に外す処理を行うことで、顧客の優先度に応じながら、希望を出来るだけ満たすような商品を検索対象とすることとなる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の商品検索システムによれば、商品の複数種類の属性情報並びに顧客が要望する複数種類の属性要望情報を評価の次元を固定した同一スケールの対極尺度で取り扱うことで、同じ尺度で取り扱うことができるようになり、三角型メンバシップ関数を用いることで、大量の曖昧なデータが容易にデータ処理できるようになる。そして、オリジナルデータを直接的に用いるモデリングにより、多変量解析などを用いたモデリングに比べて、情報のロスが少なくなる。本発明は、「目標志向の意思決定分析」の考え方に基づいており、顧客の要望により近づけることができる。本発明によれば、前記属性情報並びに前記属性要望情報が、各々物理属性情報と文脈属性情報と感性属性情報を含むことで、実際に顧客が発信する要望が十分に反映されている情報となり、検索のステップも1回で済むこととなる。そして、顧客の満足度が最も大きい商品から順番に抽出して画面表示することとなる。
本発明によれば、前記商品検索プログラムが、前記優先度に応じた関数によって前記属性要望情報と対応する前記商品属性評価モデルとの適合度の値を数値変換し、前記優先度の高い属性を前記比較の対象としつつ、前記優先度の低い属性を前記比較の対象から積極的に外す処理を行うことで、顧客の優先度に応じながら、希望を出来るだけ満たすような商品を検索対象とすることとなる。
【0025】
本発明によれば、管理者が固有の商品名とその属性情報を予めデータ入力しておけば商品属性評価モデルマトリクスとして前記データベースに蓄積され、その後、利用者(顧客)が要望する属性要望情報をデータ入力すると、瞬時に、前記データベースの中から前記要望データマトリクスとの適合度の値が高い前記商品属性評価モデルマトリクスを有する商品名が検索され抽出されて画面表示されるので、商品を熟知したエキスパート店員がその場に居なくとも、顧客が直接、店舗に足を運ばなくとも、顧客からの情報の曖昧性を考慮し、性質の異なる複数の属性情報を統合して顧客の要望に応じた商品を検索することとなる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態の商品検索システムを機能的に説明するブロック図である。
【図2】上記実施形態の商品検索システムをネットワークを介して接続する接続例を説明するブロック図である。
【図3】上記実施形態の商品検索システムにおけるプログラム同士の関係を説明するブロック図である。
【図4】上記実施形態の商品検索システムにおける固有の商品情報の入力手順を説明するフローチャートである。
【図5】上記実施形態の商品検索システムにおける顧客が要望する属性要望情報に適合する商品名の検索手順を説明するフローチャートである。
【図6】三角型メンバシップ関数による商品のモデル化を説明する図である。
【図7】三角型メンバシップ関数による要望を説明する図である。
【図8】三角型メンバシップ関数による要望と商品のモデルとの適合度を説明する図である。
【図9】優先度に関する変換関数を説明する図である。
【図10】固有の商品に対する評価シートを例示する図である。
【図11】上記実施形態の商品検索システムにおける表示画面の遷移図である。
【図12】上記表示画面のうち属性要望入力画面を例示する図である。
【図13】上記表示画面のうち優先度入力画面を例示する図である。
【図14】上記表示画面のうち推薦商品表示画面を例示する図である。
【図15】上記実施形態の商品検索システムの商品登録画面を例示する図である。
【図16】上記実施形態の商品検索システム全体の画面遷移を機能的に示した図である。
【図17】上記実施形態の商品検索システムへのモデルの直接登録を例示する概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(システム構成)
図1は、本発明の実施の形態の商品検索システムを機能的に説明するブロック図である。本実施形態の商品検索システム1は、コンピュータ3と、当該コンピュータ3上で動作するソフトウエアプログラム2からなる。コンピュータ3には、ディスプレイ8とプリンター801と入力手段7が接続される(図1)。入力手段7は、キーボード、マウス、タッチパネル等である。本実施形態で使用するコンピュータ3の性能としては、いわゆる個人向けのパーソナルコンピュータで足りる。ここでは、コンピュータ3には、データ入力を受け付ける入力手段7と、入力されたデータに演算処理を行うCPU4と、演算処理後のデータを蓄積保存するデータベース5、データベース6とデータ処理前後のデータを画面表示するディスプレイ8が備わっており、コンピュータ3上で商品検索プログラム2が動作する。商品検索プログラム2は、管理プログラム22、推論プログラム23、要望処理プログラム24、及びモデルプログラム25から構成される。
【0028】
図2は、本実施形態の商品検索システム1をネットワークサーバ93を介して接続する接続例を説明するブロック図である。本実施形態の商品検索システム1は、ネットワークサーバ93を介して、インターネットサービスプロバイダ92経由で遠隔地にある複数の端末91とネットワーク接続することができ、インターネット経由でアクセスして、商品検索を行なうことや、データベース5を追加更新することができる。
【0029】
(データ収集)
図4は、本実施形態の商品検索システム1における固有の商品情報の入力手順を説明するフローチャートである。管理者は、最初に固有の商品名(商品ID)と、それに対応する商品写真、プロフィール、図柄、サイズ、価格、メーカー、特徴等のデータを商品データシート211にデータ入力する(符号S1)。データ管理し易いことからデータ入力の形式としては、エクセル形式などの表形式を使用する。
【0030】
次に、固有の商品名に対応する当該商品の複数種類の属性情報を評価の次元を固定した同一スケールの対極尺度で、商品評価データシート212にデータ入力する(符号S2)。商品の属性情報としては、値段、サイズ、材質、色調などの物理属性情報と、日常用(或いは贈答用)、実用(或いは装飾用)などの文脈属性情報と、暖かい感じ(或いは冷たい感じ)、伝統的(或いは現代的)などの感性属性情報とをそれぞれ評価の次元を固定した同一スケールのデータとして取り扱う。本実施形態では、これら異なるタイプの属性情報を評価の次元を固定した同一スケールの対極尺度でデータ入力する。属性値は、0を中心値とした負の整数と正の整数とで奇数のスケールで定義し、3段階、5段階、7段階、又は9段階で表す。ここでは、[-3, -2, -1, 0, +1, +2, +3]の7段階で表している。
【0031】
図10は、固有の商品に対する評価シートを例示する図である。評価シートは、サイズが大きい(或いはサイズが小さい)、重量が重い(或いは軽い)などの物理属性情報と、日常用(或いは贈答用)、実用(或いは装飾用)などの文脈属性情報と、暖かい感じ(或いは冷たい感じ)、伝統的(或いは現代的)などの感性属性情報とをそれぞれ7段階評価してチェックする。
【0032】
商品評価データシート212にデータ入力する属性情報は、商品を熟知したエキスパート店員が自身が長年培ってきた経験に基づき、直接入力する。又は、複数の評価者からの情報を集計してそれぞれの属性情報の分布の山の平均値を属性情報の代表値とする方法を用いる。なお、前記属性情報の分布の山が複数になった場合や、歪な分布となった場合には、商品の販売従事者の評価値を用いて補正する。表1は、複数の評価者からの情報を集計した集計表を例示している。
【0033】
【表1】

【0034】
(モデリング)
商品評価データシート212にデータ入力すると(符号S2)、前記管理プログラム22がデータ入力された固有の商品名に対応する当該商品の複数種類の属性情報を商品データベース51に蓄積するとともに、モデルプログラム25を作動させて前記商品の複数種類の属性情報を評価の次元を固定した同一スケールの対極尺度で取り扱い三角型メンバシップ関数を用いて商品属性評価モデルマトリクスとしてモデルデータベース52に蓄積する(符号S3)。商品データベース51に蓄積される固有の商品名とモデルデータベース52に蓄積される商品属性評価モデルマトリクスとは一対一で対応付けされている。図1に示す例では、商品データベース51とモデルデータベース52とは別個のデータベースで例示しているが、商品データベース51とモデルデータベース52とを統合したひとつのデータベース5としても良い。
【0035】
三角型メンバシップ関数は、条件により、次の数式1又は数式2で表される。
【0036】
【数1】

【0037】
【数2】

【0038】
ここでは、商品をi、属性をj、評価の平均をmij、評価の標準偏差をσijとしており、cはチューニングパラメータである。図6は、三角型メンバシップ関数による商品のモデル化を説明する図である(c=1のケース)。ここでは、[m−σ,m+σ]の外側はε>0とする。
【0039】
(要望入力)
前記属性値は、[-n, -n+1,…, -1, 0, +1, …,+n-1, +n]の(2n+1)段階で表す。ここで、nは自然数(正の整数)である。要望レベルkに対応する三角型メンバシップ関数は、条件により、次の数式3から数式5で表される。
【0040】
【数3】

【0041】
【数4】

【0042】
【数5】

【0043】
図7は、三角型メンバシップ関数による要望の表現を説明する図であり、n=3の場合を例示している。
【0044】
(適合度計算)
希望を受ける前記属性の数は実際には限定されないが、簡単な例として商品の属性を、j1=<小さい, 大きい>, j2=<若者向き, 老人向き>, j3=<地味な, 派手な>
の3つとして、適合度の計算方法を説明する。商品iの上記属性に対する評価モデルは、次のメンバシップ関数μij1(x), μij2(x), μij3(x)
で与えられる。本実施形態では、例えば、この商品iの、「小さい」、「とても老人向き」、「やや地味」、という要望に対する適合度を次の数式6から数式8で求める。
【0045】
【数6】

【0046】
【数7】

【0047】
【数8】

【0048】
商品iの3つの要望への適合度は、次の数式9で定義される。
【0049】
【数9】

【0050】
ここで、AOは情報統合化オペレータ(Aggregation Operator)である。AOには、本実施形態の手法が適用され、それ以外の手法としては、OWAオペレータ(Ordered Weighted Averaging Aggregation Operators)など既知の情報統合手法が適用可能である。
【0051】
図8は、三角型メンバシップ関数により表現された要望と商品との適合度(Fitness)を例示して説明する図である。ここで、μ-1(x)は要望のメンバシップ関数であり、ここでは7つの三角形が描かれており、顧客はそのうちの1つの三角形を選択する。μij(x)は固有の商品の属性を表すメンバシップ関数であり、両者の重なっている位置(Fitness)が適合度である。適合度は、例えば、次の数式10で求める。
【0052】
【数10】

【0053】
一般に、商品iの要望のあった属性に対する評価モデルは、次のメンバシップ関数μij(x), j∈J で与えられる。ここで、Jは要望のあった属性の集合である。本実施形態では、この商品iの要望に対する適合度を次の数式11で求める。
【0054】
【数11】

【0055】
ここで、μjk(x)は属性jに対する要望レベルkのメンバシップ関数である。商品iの要望への適合度は、次の数式12で定義される。
【0056】
【数12】

【0057】
(商品検索)
次に、商品検索方法について説明する。本実施形態では、最も小さい値の属性適合度を前記商品名の適合度の代表値とし、前記推論プログラム23が、これら適合度の代表値が最も高い前記商品名から順番に検索し抽出して画面表示する仕組みとなっており、適合度の最小値が高い商品から順番に顧客に見せるというマクシミン戦略(Min-max戦略)手法を用いている。つまり、顧客の不満足度が最も小さい商品から順番に抽出して画面表示する方式であるから、顧客の満足度が最も大きい商品から順番に抽出して画面表示することとなる。
【0058】
図3は、本実施形態の商品検索システム1における商品検索プログラム2内のプログラム同士の関係を説明するブロック図である。ここでは、管理プログラム22が、データ入力された固有の商品名とそれに対応する当該商品の複数種類の属性情報を商品データベース51に蓄積するとともに、モデルプログラム25を作動させて前記商品の複数種類の属性情報を評価の次元を固定した同一スケールの対極尺度で取り扱い三角型メンバシップ関数を用いて商品属性評価モデルマトリクスとしてモデルデータベース52に蓄積して行き、データベースを構築する。そして、要望処理プログラム24が、顧客が要望する複数種類の属性要望情報を評価の次元を固定した同一スケールの対極尺度でデータ入力された複数種類の属性要望情報を三角型メンバシップ関数を用いて要望データマトリクスとして要望データベース6に一旦蓄積する。そして、推論プログラム23が、要望処理プログラム24とCPU4を介して要望データベース6にアクセスして前記要望データマトリクスを引き出すとともに、管理プログラム22とCPU4を介して商品データベース5にアクセスして前記商品データベース5の中から前記要望データマトリクスとの適合度の値が高い前記商品属性評価モデルマトリクスを有する商品名を検索する。そして、管理プログラム22が、検索し抽出された前記商品属性評価モデルマトリクスを有する商品名を前記要望データマトリクスとの適合度が高いものから順番に画面表示するか、幾つかリストアップされた前記商品属性評価モデルマトリクスを有する商品名を一覧表形式で画面表示する。前記データベース5,6は、データ記憶装置であり、ハードディスクやUSBメモリ等の書き換え可能なデータ記憶装置が用いられる。
【0059】
(属性優先度入力)
次に、属性優先度入力手順について説明する。図5は、本実施形態の商品検索システム1における顧客が要望する属性要望情報に適合する商品名の検索手順を説明するフローチャートである。利用者(顧客)は、最初に、顧客が要望する複数種類の属性要望情報を物理属性情報と文脈属性情報と感性属性情報を含む情報として評価の次元を固定した同一スケールの対極尺度で属性要望データシート213にデータ入力する(符号S11)。そして引き続き、前記属性要望情報に、それぞれ割り当てられた同一スケールの優先度を優先度データシート214にデータ入力する(符号S12)。優先度は、重み付け処理を行うための指標であるが、優先度の取り扱い方法については、その詳細を後述する。優先度データシート214にデータ入力するステップ(符号S12)はスキップすることができ、この場合は、データ入力された前記属性要望情報は重み付けされずにデータ処理されることとなる。
【0060】
前記データ入力(符号S11,S12)を行なうと、前記要望処理プログラム24が、データ入力された複数種類の属性要望情報を三角型メンバシップ関数を用いて要望データマトリクスとして要望データベース6に一旦蓄積する(符号S13)。要望データベース6は、一時的にデータ記憶させる装置であれば良いことから、ハードディスクやUSBメモリ等の他、コンピュータ付属のRAMに一時的に記憶させても良い。そして、前記属性要望情報が要望データマトリクスとして要望データベース6に一旦蓄積されると(符号S13)、推論プログラム23が要望データベース6にアクセスして前記要望データマトリクスを引き出すとともに、モデルデータベース52にアクセスしてモデルデータベース52の中から前記要望データマトリクスとの適合度が最大値となる前記商品属性評価モデルマトリクスを有する商品名を検索する(符号S15)。そして、管理プログラム22が、検索し抽出された前記商品属性評価モデルマトリクスを有する商品名を商品データベース51から取り出し、そして、前記商品名を検索し抽出する作業を繰り返して前記適合度の代表値が高い前記商品名から順にリストアップして推薦商品リスト215を作成し、一覧表形式で画面表示する(符号S16)。前記推薦商品リスト215に記載の商品IDと商品詳細データリスト216はリンクしており、顧客は画面表示された推薦商品リスト215のうち興味のある商品IDのリンクボタンをクリックすると、商品詳細データリスト216にジャンプするので、商品の詳しい内容を知ることができる。ここでは、管理プログラム22が、推薦商品リスト215を作成し、一覧表形式で画面表示するとしたが、検索し抽出された前記商品属性評価モデルマトリクスを有する商品名を順番に一つずつ画面表示する方法としても良い。
【0061】
(優先度付き推論)
本実施形態では、顧客がいくつかの希望属性の優先度を入力する仕組みとなっている。優先度データシート214には、前記属性要望情報に対応して、それぞれ同一スケールの優先度が割り当てられている(図1)。優先度は自然数(正の整数)を用いた奇数のスケールで定義し、3段階、5段階、7段階、又は9段階で表す。ここでは、[1, 2, 3, 4, 5]の5段階で表している。
【0062】
希望を受ける前記属性の数は実際には限定されないが、簡単な例として商品の属性を、j1=<小さい, 大きい>, j2=<若者向き, 老人向き>, j3=<地味な, 派手な>
の3つとする。商品iの上記属性に対する評価モデルは、次のメンバシップ関数μij1(x),
μij2(x), μij3(x) で与えられる。本実施形態では、例えば、この商品iの、小さい、とても老人向き、やや地味、という要望に対する適合度は上述の数式6から数式8で求められる。ここでは、優先度(例えば、「小さい」の優先度を「普通」、「とても老人向き」の優先度を「最優先」、「やや地味」の優先度と「優先しない」とする)に応じて、次の数式13から数式15のように適合度の値を数値変換する。
【0063】
【数13】

【0064】
【数14】

【0065】
【数15】

【0066】
商品iの3つの要望への適合度は、次の数式16で定義される。
【0067】
【数16】

【0068】
商品iの3つの要望への適合度は、最小値を考慮すると次の数式17で定義される。
【0069】
【数17】

【0070】
図9は、優先度に関する変換関数を説明する図である。優先度の順番は、優先度が高い順に並べると、G5, G4, G3, G2, G1 の順番となる。
【0071】
図9に示す5段階の場合、次の数式18から数式22にて、優先度に関する変換関数を求める。
【0072】
【数18】

【0073】
【数19】

【0074】
【数20】

【0075】
【数21】

【0076】
【数22】

【0077】
一般に、商品iの要望のあった属性に対する評価モデルは、優先度を考慮すると次の数式23、数式24で求められる。また、優先レベルL,優先度lの場合の変換関数は次の数式25で求められる。
【0078】
【数23】

【0079】
【数24】

【0080】
【数25】

【0081】
本実施形態では、要望処理プログラム24が、前記優先度に応じた関数によって前記属性要望情報と対応する前記商品属性評価モデルとの適合度の値を数値変換し、前記推論プログラム23が、これら適合度の代表値が最も高い前記商品名から順番に検索し抽出する。つまり、変換後の適合度の最小値が高い商品から順番に顧客に見せるというマクシミン戦略(Min-max戦略)手法を用いており、優先順位を考慮しつつ、顧客の不満足度が最も小さい商品から順番に抽出して画面表示する。すなわち、優先順位を考慮しつつ、顧客の満足度が最も大きい商品から順番に抽出して画面表示することとなる。
【0082】
本実施形態によれば、前記属性要望情報には、それぞれ同一スケールの優先度が割り当てられていることから、前記属性要望情報毎の優先順位が付け易い。そして、商品検索プログラム2が、前記優先度に応じた関数によって前記属性要望情報と対応する前記商品属性評価モデルとの適合度の値を数値変換し、前記優先度の高い属性を前記比較の対象としつつ、前記優先度の低い属性を前記比較の対象から積極的に外す処理を行うことで、顧客の優先度に応じながら、希望のすべてを出来るだけ満たすような商品の順序付けが行なわれることとなる。
【0083】
図11は、本実施形態の商品検索システム1における表示画面の遷移図である。ここでは、九谷焼の商店がインターネットショップを設立し、伝統工芸品の商品選定サイトに加入して、管理者が固有の商品名(商品ID)とそれに対応する当該商品の複数種類の属性情報を予めデータ入力して、前記商品検索プログラムがデータ入力された固有の商品名に対応する当該商品の複数種類の属性情報を評価の次元を固定した同一スケールの対極尺度で取り扱い三角型メンバシップ関数を用いて商品属性評価データマトリクスとして商品データベース5に蓄積しておいたとして、以下に説明する。
【0084】
利用者(顧客)は、個人所有のPCや携帯電話等のインターネット端末91を起動し、インターネットサービスプロバイダ92に接続して、WWWブラウザから、所定の初期画面を開いてディスプレイ8に表示させる(図2、図11)。そして、画面上の開始ボタンをクリックすると、属性要望入力画面81が表示される(図12)。顧客は、表示画面のStep1,2,3の順に、選択ボタンやチェックボックスをクリックする。ここでは、Step1として、伝統工芸品のブランド(産地)、種類を選択する。次にStep2として、商品の属性要望情報を、評価の次元を固定した7段階の対極尺度でデータ入力する。入力データとしては、値段が高い(或いは値段が安い)、サイズが大きい(或いはサイズが小さい)、重量が重い(或いは軽い)などの物理属性情報と、日常用(或いは贈答用)、実用(或いは装飾用)などの文脈属性情報と、暖かい感じ(或いは冷たい感じ)、伝統的(或いは現代的)などの感性属性情報とをそれぞれ7段階評価してチェックする。チェックは複数種類の属性情報について要望値を入力するものであり、全てのチェック欄をチェックしなければならない訳ではない。複数種類の属性情報について要望値を入力すれば、商品検索プログラムが正常に動作する。そして、チェックが終了すると、Step3で決定ボタンをクリックする。
【0085】
前記属性要望情報を入力すると、入力した情報の確認と、それぞれの属性要望情報に対応した優先度入力画面82が表示される(図13)。ここでは、商品の属性要望情報の優先度を、5段階でチェックしデータ入力する。そして、チェックが終了すると、商品検索ボタンをクリックする。
【0086】
優先度を入力し商品検索ボタンをクリックすると、優先度を考慮した顧客の前記属性要望情報と適合度の代表値が最も高い商品名から順に検索し、推薦商品リスト画面83が表示される(図14)。そして、顧客が気に入った商品が見つかると、商品ID(又は商品画面)をクリックする。そうすると、該当する商品のインターネットショップサイトにジャンプして、商品の詳しい内容を知ることができるとともに、商品の購入手続きができるようになる。
【0087】
図15は、本実施形態の商品検索システム1の商品登録画面84を例示する図である。本実施形態では、端末91を用いてインターネット経由で管理サイトにアクセスして、商品登録情報を、適宜更新しデータベース5に蓄積することができる。
【0088】
図16は、本実施形態の商品検索システム1全体の画面遷移を機能的に示した図である。符号85は、一般ユーザ用の画面遷移を示している。符号86は、ショップ管理者用の画面遷移を示しており、ログイン認証を行なってから、ショップ情報を追加・修正・削除し、データベース5を更新する。
【0089】
図17は、本実施形態の商品検索システム1へのデータ入力を例示する概略説明図である。例えば、先ず商品IDと詳細データ並びに商品画像をコンピュータ3内にデータ入力しておき、その後、店主・従業員が、コンピュータ3にアクセスして、ディスプレイ8に表示された商品画像を見ながら、対応する当該商品の複数種類の属性情報を評価しデータ入力して、アップロードする方法としても良い。この方法によれば、隙間時間を利用してデータベースを構築することができるので、システム構築に着手し易い。
【0090】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、本発明は、伝統工芸品に特化したものではなく、顧客が曖昧なイメージを抱くあらゆる商品の販売において商品検索に適用可能である。例えば、絵画、彫刻、家具、インテリア用品、雑貨、洋服、装飾品等多種多様な商品検索に適用できる。ボルトや釘などそのサイズや形式等の規格がJISやISO規格などで厳格に決まっている商品は本発明の適用外となるが、飾りネジやドアノブなど装飾性が高い商品については本発明の適用対象となり得る。本発明は、「目標志向の意思決定分析」の考え方に基づいており、従来の、最大化或いは最小化を目指す最適化とは異なり、「ちょっと現代的」等のような両端に位置しない(中途半端な)目標を達成できるようになったことが、大きな特徴である。そして、商品検索の過程で、顧客が要望する複数種類の属性要望情報を適宜増減させて検索対象を絞ってゆくような使い方もできる。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0091】
1 商品検索システム、
2 商品検索プログラム、
21 データシート、
22 管理プログラム、
23 推論プログラム、
24 要望処理プログラム、
25 モデルプログラム、
3 コンピュータ、
4 CPU、
5 データベース、
51 商品データベース、
52 モデルデータベース、
6 要望データベース、
7 入力手段、
8 ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ入力を受け付ける入力手段と入力されたデータに演算処理を行うCPUと演算処理後のデータを蓄積保存するデータベースとデータ処理前後のデータを画面表示するディスプレイを備えたコンピュータと、前記コンピュータ上で動作する商品検索プログラムから構成され、前記商品検索プログラムが、データ入力された固有の商品名に対応する当該商品の複数種類の属性情報を評価の次元を固定した同一スケールの対極尺度で取り扱い三角型メンバシップ関数を用いて商品属性評価モデルマトリクスとして前記データベースに蓄積しておき、その後、評価の次元を固定した同一スケールの対極尺度でデータ入力された顧客が要望する複数種類の属性要望情報を三角型メンバシップ関数を用いて要望データマトリクスとし、次に、前記データベースの中から前記要望データマトリクスとの適合度が最大値となる前記商品属性評価モデルマトリクスを有する商品名を検索し抽出して画面表示することを特徴とする商品検索システム。
【請求項2】
前記属性情報並びに前記属性要望情報が、各々物理属性情報と文脈属性情報と感性属性情報を含むことを特徴とする請求項1記載の商品検索システム。
【請求項3】
前記商品検索プログラムが、前記要望データマトリクスを構成する前記属性要望情報と、前記商品属性評価モデルマトリクスを構成する前記属性情報のそれぞれの属性適合度を比較したときの、最小値を前記商品属性評価モデルマトリクスを有する商品名の適合度の代表値とすることを特徴とする請求項1または2記載の商品検索システム。
【請求項4】
前記属性要望情報には、それぞれ同一スケールの優先度が割り当てられており、前記商品検索プログラムが、前記優先度に応じた関数によって前記属性要望情報と対応する前記商品属性評価モデルとの適合度の値を数値変換し、前記優先度の低い属性を前記比較の対象から積極的に外す処理を行うことを特徴とする請求項3記載の商品検索システム。
【請求項5】
データ入力を受け付ける入力手段と入力されたデータに演算処理を行うCPUと演算処理後のデータを蓄積保存するデータベースとデータ処理前後のデータを画面表示するディスプレイを備えたコンピュータを使用し、前記コンピュータ上で商品検索プログラムを動作させて商品を検索する方法であって、コンピュータ上で前記商品検索プログラムを動作させて、管理者が固有の商品名とそれに対応する当該商品の複数種類の属性情報を予めデータ入力して、前記商品検索プログラムがデータ入力された固有の商品名に対応する当該商品の複数種類の属性情報を評価の次元を固定した同一スケールの対極尺度で取り扱い三角型メンバシップ関数を用いて商品属性評価モデルマトリクスとして前記データベースに蓄積しておき、その後、利用者が顧客が要望する複数種類の属性要望情報を評価の次元を固定した同一スケールの対極尺度でデータ入力すると、前記商品検索プログラムがデータ入力された複数種類の属性要望情報を三角型メンバシップ関数を用いて要望データマトリクスとし、次に、前記データベースの中から前記要望データマトリクスとの適合度が最大値となる前記商品属性評価モデルマトリクスを有する商品名を検索し抽出して画面表示することを特徴とする商品検索方法。
【請求項6】
データ入力を受け付ける入力手段と入力されたデータに演算処理を行うCPUと演算処理後のデータを蓄積保存するデータベースとデータ処理前後のデータを画面表示するディスプレイを備えたコンピュータ上で動作し商品を検索する商品検索プログラムであって、固有の商品名とそれに対応する当該商品の複数種類の属性情報をデータ入力する属性情報入力ステップと、データ入力された固有の商品名に対応する当該商品の複数種類の属性情報を評価の次元を固定した同一スケールの対極尺度で取り扱い三角型メンバシップ関数を用いて商品属性評価モデルマトリクスとして前記データベースに蓄積するデータベース構築ステップと、その後、顧客が要望する複数種類の属性要望情報を評価の次元を固定した同一スケールの対極尺度でデータ入力する属性要望情報入力ステップと、データ入力された複数種類の属性要望情報を三角型メンバシップ関数を用いて要望データマトリクスとする要望データマトリクス構築ステップと、構築された前記データベースの中から前記要望データマトリクスとの適合度が最大値となる前記商品属性評価モデルマトリクスを有する商品名を検索する商品検索ステップと、検索し抽出された前記商品属性評価モデルマトリクスを有する商品名を画面表示する画面表示ステップとを備えることを特徴とする商品検索プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−45183(P2013−45183A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180974(P2011−180974)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成23年度、総務省、戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)プログラム「地域ICT振興型研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(304024430)国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学 (169)
【Fターム(参考)】