説明

商品注文装置、表示制御方法、電子書籍端末、プログラム、および、記憶媒体

【課題】注文する商品を選択中であることを忘れてしまったユーザに、まだ商品を注文していないことに気付かせ易くする商品注文装置を実現する。
【解決手段】電子書籍端末1は、入力デバイス40を介して受け付けた商品の選択指示に応じた注文データを生成するカート状態参照更新部14と、電子カタログのサムネイルをディスプレイ30に表示する描画部12と、注文データをサーバに送信する出力処理部13と、を備えている。描画部12は、上記注文データが生成されてから上記サーバに送信されるまでの期間において、電子カタログのサムネイルの側に注文が完了していないことを示すカートアイコンを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、商品の注文情報の入力を受け付ける商品注文装置、および、そのような商品注文装置における表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットが一般家庭に普及したことに伴い、現在では、インターネットを通じてオンラインで商品の注文を行う電子商取引がごく一般的になっている。
【0003】
また、電子商取引による商品の注文は、WEBブラウザにより商品の販売サイトにアクセスし、販売サイトにおいて商品を購入する形態が一般的である。
【0004】
一方、最近では、スマートフォン用のアプリケーションを中心に、汎用のWEBブラウザでなく、専用のカタログアプリケーションを通じて、カタログに掲載された商品を注文することも可能になっている。
【0005】
さらに、非特許文献1に記載されているiPhone(登録商標)のアプリケーションのように、アプリケーション自身にカートの機能を備え、iPhoneがオフラインの状態であってもユーザが注文する商品を選択することができるようなアプリケーションも存在する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】”iPhoneで楽天ブックスを便利に使おう”、楽天株式会社、[online],[平成22年9月15日検索],インターネット<http://books.rakuten.co.jp/event/iphone/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、iPhoneのように、一般的なスマートフォンでは、マルチタスクに対応していても、同時に複数のアプリケーションをアクティブにすることができない。スマートフォンにはアプリケーションランチャ画面が設けられており、アプリケーションランチャ画面を通じて、アクティブにすべきアプリケーションをユーザに選択させるようになっている。
【0008】
そのため、例えば、ユーザは、買い物アプリケーションでの買い物を中断して別のアプリケーションを使用することを所望する場合、一度、買い物アプリケーションを非アクティブにしてアプリケーションランチャ画面に戻ってから別のアプリケーションをアクティブにするといった操作を行うことになる。
【0009】
そして、この場合、買い物アプリケーションは非アクティブになっているので、ユーザは別のアプリケーションの使用中に買い物アプリケーションで買い物をしていたこと自体を忘れてしまうことがある。
【0010】
上記従来の構成では、この場合、元の買い物アプリケーションをアクティブにしてカートの中身を表示させる操作を行わない限り、ユーザは買い物中であったことになかなか気付きにくいという問題がある。
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、注文する商品を選択中であることを忘れてしまったユーザに、まだ商品を注文していないことに気付かせ易くする商品注文装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る商品注文装置は、上記課題を解決するために、ユーザから操作部を介して受け付けた商品の選択指示に応じた注文データを生成する生成手段を備えた商品注文装置において、オブジェクトを表示部に表示する表示制御手段であって、上記操作部がユーザから上記オブジェクトを指定する指示を受け付けると、上記選択指示を受付可能な商品を取り扱う仮想店舗の情報を上記表示部に表示する表示制御手段と、上記選択指示を受け付けた商品の注文データをサーバに送信する送信手段と、を備え、上記表示制御手段は、上記注文データが生成されてから上記サーバに送信されるまでの期間に含まれる所定の期間、上記オブジェクトと注文データの送信が完了していないことを示す付加情報とを対にして、上記表示部に表示することを特徴としている。ここで、上記オブジェクトとは、例えば、アプリケーションランチャに登録されているカタログアプリケーションのアイコンや、カタログアプリケーションのユーザインタフェースに表示される電子カタログのサムネイル等が挙げられる。
【0013】
また、本発明に係る商品注文装置は、上記商品注文装置は複数の相異なる仮想店舗に対して商品を注文可能に構成されており、上記生成手段は、上記仮想店舗ごとに個別に上記注文データを生成するように構成されており、上記表示制御手段は、上記複数の相異なる仮想店舗の各々について対応する上記オブジェクトを表示するように構成されており、上記表示制御手段は、上記複数のオブジェクトのうち上記注文データが生成された仮想店舗に対応するオブジェクトについて、上記所定の期間において上記オブジェクトと上記付加情報とを対にして表示することが望ましい。
【0014】
上記の各構成によれば、本発明に係る商品注文装置は、上記注文データが生成されてからサーバに送信されるまでの期間に含まれる所定の期間、上記オブジェクトと注文が完了していないことを示す付加情報とを対にして上記表示部に表示する。換言すると、上記商品注文装置は、ユーザが上記仮想店舗が取り扱う商品を選択してから注文が完了するまでの期間に含まれる所定の期間、上記オブジェクトと注文が完了していないことを示す付加情報とを対にして上記表示部に表示する。
【0015】
したがって、上記商品注文装置は、ユーザが仮想店舗での買い物を中断し、注文する商品を選択中であることを忘れてしまった場合に、そのユーザに、上記仮想店舗に対応するオブジェクトと対にして表示されている付加情報を視認させることにより、まだ商品を注文していないことに容易に気付かせることができるという効果を奏する。
【0016】
本発明に係る表示制御方法は、上記課題を解決するために、ユーザから操作部を介して受け付けた商品の選択指示に応じた注文データを生成する商品注文装置の表示制御方法において、オブジェクトを表示部に表示する第1の表示制御工程と、上記操作部がユーザから上記オブジェクトを指定する指示を受け付けると、上記選択指示を受付可能な商品を取り扱う仮想店舗の情報を上記表示部に表示する第2の表示制御工程と、上記選択指示を受け付けた商品の注文データをサーバに送信する送信工程と、を含み、上記第2の表示制御工程にて、上記注文データが生成されてから上記サーバに送信されるまでの期間に含まれる所定の期間、上記オブジェクトと注文データの送信が完了していないことを示す付加情報とを対にして、上記表示部に表示することを特徴としている。
【0017】
上記の構成によれば、本発明に係る表示制御方法は、本発明に係る商品注文装置と同様の作用効果を奏する。
【0018】
本発明に係る商品注文装置は、複数の相異なる仮想店舗に対して商品を注文可能に構成されており、上記表示制御手段が、上記複数の相異なる仮想店舗の各々について対応する上記オブジェクトを表示するように構成されており、上記複数の相異なる仮想店舗が同一の業者により運営される仮想店舗である場合、上記生成手段と上記表示制御手段とは、上記生成手段が上記複数の相異なる仮想店舗に共通に使用する注文データを生成するとともに、上記表示制御手段が上記所定の期間において上記複数のオブジェクトの各々に対し上記付加情報を対にして表示するように、動作することが望ましい。
【0019】
上記の構成によれば、同一の業者が運営する複数の相異なる仮想店舗のいずれかにおいてユーザが注文する商品を選択中である場合に、本発明に係る商品注文装置は、複数の相異なる仮想店舗に対応するいずれのオブジェクトに対しても、上記付加情報を対にして表示する。
【0020】
したがって、本発明に係る商品注文装置は、ユーザに、商品を注文していないことに、より一層容易に気付かせることができるというさらなる効果を奏する。
【0021】
本発明に係る商品注文装置は、上記表示制御手段が、上記付加情報に、上記仮想店舗が取り扱う商品の注文データを上記サーバに送信した回数を示す情報を含めて表示することが望ましい。
【0022】
上記の構成によれば、本発明に係る商品注文装置は、上記仮想店舗においてこれまでにユーザが何回買い物をしたかを、ユーザに把握させることができるというさらなる効果を奏する。
【0023】
本発明に係る商品注文装置は、上記表示制御手段が、上記付加情報に、上記注文データに含まれる注文合計金額を示す情報を含めて表示することが望ましい。
【0024】
上記の構成によれば、本発明に係る商品注文装置は、ユーザに注文合計金額を把握させ易くすることができるというさらなる効果を奏する。
【0025】
本発明に係る商品注文装置は、上記表示制御手段が、上記付加情報に、上記注文データに含まれる商品の個数を示す情報を含めて表示することが望ましい。
【0026】
上記の構成によれば、本発明に係る商品注文装置は、ユーザに注文する商品の個数を把握させ易くすることができるというさらなる効果を奏する。
【0027】
本発明に係る商品注文装置は、上記表示制御手段が、上記所定の期間として、上記注文データが生成されてから上記サーバに送信されるまでの全期間、上記付加情報を表示することが望ましい。
【0028】
上記の構成によれば、本発明に係る商品注文装置は、注文データが生成されてからサーバに送信されるまでの間、常に上記付加情報を表示する。
【0029】
したがって、本発明に係る商品注文装置は、ユーザに、より一層、商品を注文していないことに気づかせ易くすることができるというさらなる効果を奏する。
【0030】
本発明に係る商品注文装置は、上記送信手段が上記注文データを送信する送信経路となるネットワーク網に上記商品注文装置が接続したことを検出する接続検出手段をさらに備え、上記表示制御手段は、上記注文データが生成されてから上記接続検出手段が接続を検出するまでの期間と上記接続が検出されてから上記注文データが上記サーバに送信されるまでの期間とで、異なる表示態様の付加情報を上記表示部に表示することが望ましい。
【0031】
上記の構成によれば、本発明に係る商品注文装置は、該商品注文装置をネットワーク網への接続の検出をトリガとして注文データをサーバに送信するような実装とした場合に、ユーザに、商品注文装置が商品の注文処理を行っている際中であるか否かを把握させることができるというさらなる効果を奏する。
【0032】
本発明に係る商品注文装置は、上記表示制御手段が、上記オブジェクトとして、上記仮想店舗の電子カタログのサムネイルを上記表示部に表示することができる。また、本発明に係る商品注文装置は、電子書籍端末としても実現することができる。
【0033】
なお、本発明に係る商品注文装置は、コンピュータによって実現してもよい。この場合、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記商品注文装置をコンピュータにおいて実現する商品注文プログラム、およびそのような商品注文プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように、本発明に係る商品注文装置は、注文する商品を選択中であることを忘れてしまったユーザに、まだ商品を注文していないことに気付かせ易くするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】(a)は本発明の一実施形態に係る電子書籍端末のハードウェア構成を示すブロック図であり、(b)は電子書籍端末のCPUにより実現される機能を示す機能ブロック図である。
【図2】図1の電子書籍端末が表示するユーザインタフェース(以下、「UI」とも称する)の一例を示す図であり、(a)(b)は、共に、複数の電子カタログが登録されているアプリケーションのUIの一例を示している。
【図3】図1の電子書籍端末が表示するUIの一例を示す図であり、(a)(b)は、共に、複数の電子カタログが登録されているアプリケーションのUIの一例を示している。
【図4】アプリケーションが各電子カタログについてとり得る状態を示す状態遷移図である。
【図5】アプリケーションの現在の状態に応じて、UI中に各電子カタログのサムネイルと対にして表示されるカートアイコンの様々な表示態様を示す図である。
【図6】本発明において、カートアイコンとして採用可能な様々なバリエーションを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の一実施形態に係る電子書籍端末について、図1〜図6に基づいて以下に説明する。本実施形態に係る電子書籍端末は、起動すると、一般的な電子書籍と電子カタログとの双方を閲覧可能なアプリケーション(以下、「デスクアプリ」と称する)を立ち上げるようになっている。ユーザは、デスクアプリ上の各電子カタログに掲載されている販売業者の商品を、デスクアプリを通じてオンラインで注文することができるようになっている。また、ユーザは、オフラインであっても、デスクアプリを通じて、注文する商品を選択することができるようになっている。
【0037】
最初に本実施形態に係る電子書籍端末の構成について図1(a)を参照しながら説明する。図1(a)は、電子書籍端末の要部構成を示すブロック図である。
【0038】
(電子書籍端末1の構成)
図1(a)に示すように、電子書籍端末1は、CPU10、メモリ20、ディスプレイ30、入力デバイス40、外部メモリ50、およびネットワークI/F60を備えている。
【0039】
CPU10は、入力デバイス40から供給された操作指示信号に応じて、ディスプレイ30による画像の表示やネットワークI/F60を介したデータの送受信などを制御する。
【0040】
メモリ20は、CPU10がデスクアプリを立ち上げるときに、デスクアプリのアプリケーションデータが外部メモリ50から展開される揮発性の記憶部である。
【0041】
ディスプレイ30は、デスクアプリのUIを表示する表示部である。
【0042】
入力デバイス40は、ユーザの操作指示を受け付けて操作指示信号をCPU10に供給する入力インタフェースである。
【0043】
外部メモリ50は不揮発性の記憶部である。外部メモリ50にはデスクアプリのプログラムが格納されている。また、外部メモリ50には、デスクアプリに関する各種データ(例えば、書籍や電子カタログ等のデータ、商品の注文データ等)が格納される。
【0044】
ネットワークI/F60は、外部のサーバを通信先としてデータの送受信を行う。例えば、ネットワークI/F60は、販売業者のサーバから電子カタログのカタログデータを受信する。また、例えば、ネットワークI/F60は、商品の注文データを販売業者のサーバに送信する。
【0045】
次に、電子書籍端末1のCPU10がデスクアプリを立ち上げることにより、CPU10に備えられる機能について、図1(b)の機能ブロック図を参照しながら以下に説明する。
【0046】
入力処理部11は、デスクアプリに対する各種操作に応じた操作指示信号を取得し、描画部12に供給する。
【0047】
描画部12は、操作指示信号が示す操作に応じてデスクアプリのUIを示すUIデータをメモリ20上に生成する。
【0048】
描画部12は、UIデータを生成すべきデスクアプリのUIが図2(a)等に示すような電子カタログのサムネイルを含むUIである場合には、特に以下の処理を行う。すなわち、描画部12は、カート状態参照更新部14に対し、各電子カタログの注文データを読み出させ、注文データをカート状態参照更新部14から取得する。ここで、電子カタログの注文データとは、その電子カタログから選択した商品が格納されるカートを表すデータである。すなわち、注文データには注文合計金額やカートに格納されている商品の個数の情報が含まれている。
【0049】
そして、描画部12は、電子カタログの注文データがカートに商品が格納されていることを示す場合には、その電子カタログのサムネイルと対にしてカートアイコンを表示する。
【0050】
出力処理部13は、描画部12が生成したUIデータをメモリ20上のデータを読み出して、UIの映像信号をディスプレイ30に供給する。また、出力処理部13は、CPU10が3Gネットワーク等のネットワークへの接続を検出した場合に、注文データをネットワークI/F60を介して外部に送信する。
【0051】
カート状態参照更新部14は、電子カタログの注文データを外部メモリ50から読み出す。また、カート状態参照更新部14は、電子カタログから商品を選択する(すなわち、商品をカートに入れる)旨の操作指示信号を入力処理部11が受け取った場合には、その電子カタログの注文データを更新する。さらに、カート状態参照更新部14は、電子カタログのカートを空にする旨の操作指示信号を入力処理部11が受け取った場合には、その電子カタログの注文データを消去する。
【0052】
(デスクアプリのユーザインタフェース)
デスクアプリのユーザインタフェースについて、図2および図3を参照して以下に説明する。
【0053】
図2(a)および図2(b)は、デスクアプリに登録されている電子カタログから抽出された未読の電子カタログとお奨めの電子カタログとのサムネイルを一覧表示するUIである。図2(a)は、UI中のいずれの電子カタログにおいてもユーザが商品を選択する操作を行っていない場合のUIを示している。また、図2(b)は、UI中のお奨めの電子カタログの一部についてユーザが商品を選択する操作を行った場合のUIを示している。
【0054】
図2(a)に示すように、カートが空であることを電子カタログの注文データが示している場合には、その電子カタログのサムネイル25の側には、何も表示されない。一方、図2(b)に示すように、電子カタログの注文データがカートに商品が含まれていることを示している場合には、描画部12は、その電子カタログのサムネイル25と対にして、カートアイコン26(付加情報)を表示する。
【0055】
また、図3(a)は、デスクアプリに登録されている電子カタログから抽出された定期購読中の電子カタログの最新号のサムネイルを一覧表示するUIであり、図3(b)は、図3(a)のUIにおいて選択された電子カタログの最新号のサムネイルとバックナンバーのサムネイルとを一覧表示するUIである。
【0056】
図3(a)および図3(b)に示すように、定期購読中の電子カタログのサムネイル27を表示するUIにおいても、電子カタログの注文データがカートに商品が含まれていることを示している場合には、描画部12は、その電子カタログのサムネイル27と対にして、カートアイコン26を表示するようになっている。
【0057】
なお、ユーザは、各UIのサムネイル25を、入力デバイス40を用いて指定することにより、通信カタログに掲載されている商品の販売情報を閲覧することができるようになっている。
【0058】
(カタログアイコンについて)
ところで、描画部12が電子カタログのサムネイル25、27と対にして表示するカートアイコンは、その電子カタログ(以下、「対象電子カタログ」とも称する)に掲載されている商品の注文状況に応じて変化するようになっている。描画部12が表示するカートアイコンの表示態様について、図4および図5を参照しながら以下に説明する。
【0059】
図4は、カタログアプリが各電子カタログについてとり得る状態を示す状態遷移図である。また、図5は、描画部12が表示するカートアイコンの各表示態様を示す図である。
【0060】
カートアイコン26gは、対象電子カタログに掲載されている商品がカートに入れられてから、電子書籍端末1がネットワークへの接続動作を完了する(オンライン状態になる)時点まで(すなわち、図4の状態遷移図で「買い物中」の状態において)、対象電子カタログと対にして表示される緑色のカートアイコンである。より具体的に言うと、電子書籍端末1がオフライン状態のときに商品がカートに入れられた場合には、その後オンライン状態になるときまでカートアイコン26gが表示される。また、電子書籍端末1がオンライン状態のときに商品がカートに入れられた場合には、その後一度オフライン状態になってから再度オンライン状態になる時点までカートアイコン26gが表示される。なお、図5を見るとわかるように、カートアイコン26gは、買い物かごの中に商品が格納されている絵柄のアイコンとなっている。
【0061】
カートアイコン26rは、電子書籍端末1がネットワークへの接続動作を完了した時点から、電子カタログの注文データを外部のサーバに送信する処理が完了する時点まで(すなわち、図4の状態遷移図で「送信待ち」の状態において)、該電子カタログのサムネイルと対にして表示される、カートアイコン26gと色違いの赤色のアイコンである。
【0062】
さらに、カートアイコン26r’は、注文データを送信する処理が完了した時点以降、注文データを送信した電子カタログのサムネイルを含むUIの画面が初めて表示されるときのみ(すなわち、図4の状態遷移図で「送信済み」の状態において)、サムネイルと対にして表示される赤色のアイコンである。図5を見るとわかるように、カートアイコン26r’は、カートアイコン26rと違い、中身が空の買い物かごの絵柄のアイコンとなっている。
【0063】
なお、描画部12は、入力処理部11がカートアイコン26g、26rを指定する操作指示信号を受け付けると、カートに格納されている商品に関する注文情報を表示するようになっている。また、出力処理部13は、各電子カタログについて、図4の状態遷移図の各状態に応じた値を持つフラグをメモリ20に格納するようになっている。そして、描画部12は、メモリ20に格納されている各フラグを参照して、各電子カタログのサムネイルの側にカートアイコン26を表示するか否か、および、カートアイコン26を表示する場合にはカートアイコン26g、26r、および26r’のいずれを表示するかを決定するようになっている。
【0064】
(電子書籍の利点)
以上のように、電子書籍端末1は、入力デバイス40を介して受け付けた商品の選択指示に応じた注文データを生成するカート状態参照更新部14と、電子カタログのサムネイルをディスプレイ30に表示する描画部12と、注文データをサーバに送信する出力処理部13と、を備えている。描画部12は、注文データが生成されてから(すなわち、カートに商品が格納されてから)注文データがサーバに送信されるまでの期間において、電子カタログのサムネイルの側に注文が完了していないことを示すカートアイコン26g、26rを表示する。
【0065】
したがって、電子書籍端末1は、買い物を中断し、注文すべき商品がカートに入っていることを忘れてしまったユーザに、電子カタログのサムネイルの側に表示されているカートアイコンを視認させることにより、商品の注文が完了していないことに容易に気付かせることができる。
【0066】
(付記事項1)
なお、上記実施形態では、カートアイコン26の表示態様として、カートアイコン26g、26r、および、26r’のいずれかを表示するように構成したが、カートアイコン26の表示態様はこれに限定されない。すなわち、図6(a)のカートアイコン26a―1、および、26a―2のように、買い物かごの絵柄と注文状況を示す文字列とを組み合わせたアイコンをカートアイコンとしてもよい。
【0067】
また、カートアイコン26g、26rの代わりに、図6(b)に示すように、買い物かごの絵柄と買い物かごに入っている商品の個数を示す情報とを組み合わせたアイコン26c、26c’を用いてもよい。なお、商品の個数を示す情報は、アイコン26cに示すように文字列として表現されてもよいし、アイコン26c’に示すように絵柄で示されてもよい。
【0068】
また、図6(c)に示すように、カートアイコン26の絵柄を、対象電子カタログでの注文回数が何回目であるかに応じた(すなわち、今までに何回注文したかに応じた)絵柄としてもよい。例えば、対象電子カタログでの注文回数が3回目である場合には、アイコン26−1を表示し、13回目である場合にはアイコン26d−2を表示するようにしてもよい。
【0069】
さらに、カートアイコン26g、26rの代わりに、図6(d)に示すように、買い物かごの絵柄と注文する商品の合計金額を示す文字列とを組み合わせたアイコンをカートアイコンとしてもよい。
【0070】
なお、上記実施形態で用いたカートアイコンの代わりに他の絵柄のアイコンを用いてもよいし、アイコンの代わりに単なる文字列を用いてもよい。すなわち、本発明では、対象電子カタログにおいてカートに入っている商品の注文が完了していないことをユーザに気づかせることができるような任意のオブジェクトをカートアイコンの代わりに用いることができる。
【0071】
また、上記実施形態では、カートに商品が格納されてから、注文データの送信後に対象電子カタログのサムネイル一覧が表示されるUIを最初に表示する時点まで、カートアイコン26を表示するものとしたが、カートアイコンを表示する期間はこれに限定されない。すなわち、注文データの送信が完了していなくても、カートに商品が格納されてから一定期間が経過したら上記UIにおいてカートアイコン26を消去するようにしてもよい。あるいは、上記UIにおいて、カートに商品が格納されてから一定期間後にカートアイコン26の表示を開始するようにしてもよい。
【0072】
(付記事項2)
上記実施形態では、デスクアプリに登録されている各電子カタログに個別にカートが設けられているものとした。すなわち、電子カタログAに掲載されている商品を選択すると電子カタログA用のカートに商品が格納され、電子カタログBに掲載されている商品を選択すると、電子カタログB用のカートに商品が格納されるものとした。本発明は上記構成に限定されず、以下のような構成により実施されてもよい。
【0073】
すなわち、各電子カタログに個別にカートを設けるのではなく、同一の販売業者が発行する複数の電子カタログについて共通のカートを設けるようにしてもよい。そして、上記複数の電子カタログのいずれかに掲載されている商品がカートに格納されている場合、描画部12は、上記複数の電子カタログの各サムネイルに対し、カートアイコン26を対にして表示するようにしてもよい。例えば、デスクアプリに登録されている電子カタログのうち電子カタログC、Dが同一の販売業者により発行される電子カタログである場合には、電子カタログC、Dで共通のカートを設けるようにしてもよい。そして、電子カタログCおよびDのいずれかに掲載されている商品がカートに格納されている場合には、電子カタログCと電子カタログDとの双方のサムネイルの側にカートアイコンが表示するようにしてもよい。
【0074】
また、デスクアプリに登録されている全ての電子カタログに共通のカートを設けてもよい。この場合、描画部12は、いずれかの電子カタログに掲載されている商品がカートに格納されている場合、一般の電子書籍を除くすべての電子カタログのサムネイルに対し、カートアイコン26を対にして表示するようにしてもよい。
【0075】
(付記事項3)
上記実施形態では、1つのデスクアプリの中に複数の電子カタログが登録されており、買い物中の電子カタログのサムネイルの側にカートアイコンを表示するものとしたが、本発明は、このような構成に限定されない。
【0076】
本発明は、例えば、一般のアプリケーションのアイコンと通販アプリケーションのアイコンとが登録されたアプリケーションランチャに対しても適用することができる。具体的には、商品注文装置の表示制御手段は、通販アプリケーションが備えるカートに商品が格納されている場合、その通販アプリケーションのアイコンと対にしてカートアイコンを表示すればよい。すなわち、電子カタログのサムネイルや通販アプリケーションのアイコン等に限らず、ユーザが操作部を用いて指定すると、仮想店舗の情報が表示されるオブジェクトであれば、オブジェクトとカートアイコンとを対にして表示することにより、本発明を実施可能である。
【0077】
なお、本発明において、カートに格納される商品は、電子カタログに掲載される商品のように販売業者が販売するものに限られない。すなわち、カートに格納される商品は、例えば音楽や映画のディスクのように、レンタル業者が貸与するレンタル商品であってもよい。
【0078】
(プログラム等)
最後に、電子書籍端末1に含まれている各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成すればよい。また、電子書籍端末1の各制御は、次のように、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0079】
すなわち、電子書籍端末1の各制御を実現する制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録していればよい。電子書籍端末1(またはCPUやMPU)が、供給された記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し、実行すればよい。
【0080】
プログラムコードを電子書籍端末1に供給する記録媒体は、たとえば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などとすることができる。
【0081】
また、電子書籍端末1は、通信ネットワークと接続可能に構成しても、本発明の目的を達成できる。この場合、上記のプログラムコードを、通信ネットワークを介して電子書籍端末1に供給する。この通信ネットワークは、電子書籍端末1にプログラムコードを供給できるものであればよく、特定の種類または形態に限定されない。たとえば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、移動体通信網、衛星通信網等であればよい。
【0082】
この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な任意の媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。たとえば、IEEE1394、USB(Universal Serial Bus)、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線などの有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0083】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、PDAやスマートフォン、電子書籍端末等の携帯情報端末に特に好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0085】
1 電子書籍端末(商品注文装置)
10 CPU(接続検出手段)
11 入力処理部
12 描画部(表示制御手段)
13 出力処理部(送信手段)
14 カート状態参照更新部(生成手段)
20 メモリ
30 ディスプレイ(表示部)
40 入力デバイス(操作部)
50 外部メモリ
60 ネットワークI/F

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザから操作部を介して受け付けた商品の選択指示に応じた注文データを生成する生成手段を備えた商品注文装置において、
オブジェクトを表示部に表示する表示制御手段であって、上記操作部がユーザから上記オブジェクトを指定する指示を受け付けると、上記選択指示を受付可能な商品を取り扱う仮想店舗の情報を上記表示部に表示する表示制御手段と、
上記選択指示を受け付けた商品の注文データをサーバに送信する送信手段と、を備え、
上記表示制御手段は、上記注文データが生成されてから上記サーバに送信されるまでの期間に含まれる所定の期間、上記オブジェクトと注文データの送信が完了していないことを示す付加情報とを対にして、上記表示部に表示することを特徴とする商品注文装置。
【請求項2】
上記商品注文装置は複数の相異なる仮想店舗に対して商品を注文可能に構成されており、
上記表示制御手段は、上記複数の相異なる仮想店舗の各々について対応する上記オブジェクトを表示するように構成されており、
上記複数の相異なる仮想店舗が同一の業者により運営される仮想店舗である場合、上記生成手段と上記表示制御手段とは、上記生成手段が上記複数の相異なる仮想店舗に共通に使用する注文データを生成するとともに、上記表示制御手段が上記所定の期間において上記複数のオブジェクトの各々に対し上記付加情報を対にして表示するように、動作することを特徴とする請求項1に記載の商品注文装置。
【請求項3】
上記商品注文装置は複数の相異なる仮想店舗に対して商品を注文可能に構成されており、
上記生成手段は、上記仮想店舗ごとに個別に上記注文データを生成するように構成されており、
上記表示制御手段は、上記複数の相異なる仮想店舗の各々について対応する上記オブジェクトを表示するように構成されており、
上記表示制御手段は、上記複数のオブジェクトのうち上記注文データが生成された仮想店舗に対応するオブジェクトについて、上記所定の期間において上記オブジェクトと上記付加情報とを対にして表示することを特徴とする請求項1に記載の商品注文装置。
【請求項4】
上記表示制御手段は、上記付加情報に、上記仮想店舗が取り扱う商品の注文データを上記サーバに送信した回数を示す情報を含めて表示することを特徴とする請求項3に記載の商品注文装置。
【請求項5】
上記表示制御手段は、上記付加情報に、上記注文データに含まれる注文合計金額を示す情報を含めて表示することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の商品注文装置。
【請求項6】
上記表示制御手段は、上記付加情報に、上記注文データに含まれる商品の個数を示す情報を含めて表示することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の商品注文装置。
【請求項7】
上記表示制御手段は、上記所定の期間として、上記注文データが生成されてから上記サーバに送信されるまでの全期間、上記付加情報を表示することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の商品注文装置。
【請求項8】
上記送信手段が上記注文データを送信する送信経路となるネットワーク網に上記商品注文装置が接続したことを検出する接続検出手段をさらに備え、
上記表示制御手段は、上記注文データが生成されてから上記接続検出手段が接続を検出するまでの期間と上記接続が検出されてから上記注文データが上記サーバに送信されるまでの期間とで、異なる表示態様の付加情報を上記表示部に表示することを特徴とする請求項7に記載の商品注文装置。
【請求項9】
上記表示制御手段は、上記オブジェクトとして、上記仮想店舗の電子カタログのサムネイルを上記表示部に表示することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の商品注文装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の商品注文装置として動作することを特徴とする電子書籍端末。
【請求項11】
ユーザから操作部を介して受け付けた商品の選択指示に応じた注文データを生成する商品注文装置の表示制御方法において、
オブジェクトを表示部に表示する第1の表示制御工程と、
上記操作部がユーザから上記オブジェクトを指定する指示を受け付けると、上記選択指示を受付可能な商品を取り扱う仮想店舗の情報を上記表示部に表示する第2の表示制御工程と、
上記選択指示を受け付けた商品の注文データをサーバに送信する送信工程と、を含み、
上記第2の表示制御工程にて、上記注文データが生成されてから上記サーバに送信されるまでの期間に含まれる所定の期間、上記オブジェクトと注文データの送信が完了していないことを示す付加情報とを対にして、上記表示部に表示することを特徴とする表示制御方法。
【請求項12】
請求項1から9のいずれか1項に記載の商品注文装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする商品注文プログラム。
【請求項13】
請求項12に記載の商品注文プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−73931(P2012−73931A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219716(P2010−219716)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】