説明

商品登録装置

【課題】 個体識別(ロット)番号をレシートあるいはラベルに印字させることができると共に、ワンタッチキーにも個体識別(ロット)番号も表示すること。
【解決手段】 表示部24aと、商品番号、商品名等の商品情報を記憶する商品情報記憶手段13aと、前記商品情報記憶手段に記憶されている商品の商品情報をワンタッチで前記表示部に呼び出すための前記表示部に設けられたワンタッチキー41と、ワンタッチキーに対する商品番号、キー表示名称、個体識別(ロット)番号等を記憶するワンタッチキー記憶手段13bと、レシートまたはラベル発行時に、前記ワンタッチキーに対応する個体識別(ロット)番号を前記ワンタッチキー記憶手段から呼び出すとともに、前記ワンタッチキーで指定された商品情報を前記商品情報記憶手段から読み出してレシートまたはラベル上に商品情報及び個体識別(ロット)番号と共に印字する印字手段(S20,S21)とを具備した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個体識別番号あるいはロット番号をレシートまたはラベル等に印字することができる商品登録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
牛や豚等の家畜のトレイサビリティ(tracability)を確保するために、例えば牛1頭毎に固有の番号である個体識別番号が付されている。また、複数の牛を一度に仕入れた場合には、複数の牛に対して同じロット番号が付与される。
【0003】
従来の商品登録装置において、個体識別(ロット)番号の表示を確認したり、商品に個体識別番号を割り付ける割付け方法は、以下に述べるような2つの方法があった。
【0004】
第1に個体識別(ロット)番号が記載されているバーコードをスキャナで読み取ることにより、その商品に対して個体識別(ロット)番号を割り付けている。また、スキャナで読み取られた個体識別(ロット)番号は、商品登録装置の表示部に表示されて、オペレータによりその値が確認されていた。
【0005】
第2に、以前登録してレシート等を発行している商品の場合は、個体識別(ロット)番号の履歴画面を表示部に表示させて、その中から個体識別番号をオペレータが選択していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
商品を登録する作業が一日で終了しなかった場合に、その商品を保存場所に保存しておき、翌日にその商品を保存場所から取り出して商品を登録する作業を行なっていた。この際に、保存場所から取り出した商品の個体識別(ロット)番号がワンタッチキーに登録されている商品の個体識別(ロット)番号と一致するかを確認する必要がある。
【0007】
商品を登録する場合に、商品に対する商品情報をワンタッチキーを操作することにより、商品情報を個体識別(ロット番号)と共に表示部に表示させるようにしていが、ワンタッチキーを操作する前、つまり商品を登録する前には、ワンタッチキーには商品名が表示されているのみであるので、その商品の個体識別(ロット)番号が何番であるかは確認することはできなかった。このため、商品の登録作業の利便性の向上を図ることはできなかった。
【0008】
また、従来の商品登録装置では、発行されたレシートやラベルには個体識別(ロット番号)が印字されていなかったので、商品と個体識別(ロット)番号との対応関係を確認することができなかった。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、その目的は、個体識別(ロット)番号をレシートあるいはラベルに印字させることができると共に、ワンタッチキーにも個体識別(ロット)番号も表示するようにした商品登録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、表示部と、商品番号、商品名等の商品情報を記憶する商品情報記憶手段と、前記商品情報記憶手段に記憶されている商品の商品情報をワンタッチで前記表示部に呼び出すための前記表示部に設けられたワンタッチキーと、ワンタッチキーに対する商品番号、キー表示名称、個体識別(ロット)番号等を記憶するワンタッチキー記憶手段と、レシートまたはラベル発行時に、前記ワンタッチキーに対応する個体識別(ロット)番号を前記ワンタッチキー記憶手段から呼び出すとともに、前記ワンタッチキーで指定された商品情報を前記商品情報記憶手段から読み出してレシートまたはラベル上に商品情報及び個体識別(ロット)番号と共に印字する印字手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上詳述したように本発明によれば、個体識別(ロット)番号をレシートあるいはラベルに印字するようにしたので、商品と個体識別(ロット)番号との対応関係を視認することができる。
【0012】
さらに、商品の個体識別(ロット)番号をワンタッチキーに表示させるようにしたので、商品を登録する前に個体識別(ロット)番号を確認でき、商品の登録作業の利便性の向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。まず、図1を参照して商品登録装置であるラベル発行機のシステム構成について説明する。図1において、11は本装置を統括して制御するためのCPU(中央処理装置)である。このCPU11からのシステムバス11aには、図3及び図4のフローチャートで示したような制御を行なうプログラムの他各種制御プログラムが記憶されているフラッシュROM(リード・オンリ・メモリ)12、商品番号、商品名、商品価格等の商品情報を記憶する商品情報記憶手段としてのPLUファイル13a、図2に示すようなワンタッチキーの設定データを記憶するワンタッチキー記憶手段としてのワンタッチキーファイル13bが記憶されるRAM(ランダム・アクセス・メモリ)13、ロードセルユニット14からの重量データを取り込む秤インタフェース15、上位からの各種設定データ、本ラベル発行機からの生産実績データ等の送受信を行うイーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))インターフェイス16、スキャナー17との通信を行なうシリアルインターフェース18、商品登録時の単価変更操作や各種設定操作を行うキーボード19、タッチパネル20からの入力データを取り込むキーコントコーラ21、商品呼び出し画面でのワンタッチキー等の表示を行なうLCD22及びLED23の表示制御を行なう表示コントローラ24、ラベルあるいはレシートを発行するプリンタユニット25を制御するプリンタエンジン26、透過、反射、温度等の各種センサ27とデータの受け渡しを行なうI/Oポート28が接続されている。なお、タッチパネル20とLCD22とにより表示部24aが構成される。
【0014】
次に、図7を参照してラベル発行機の外観について説明する。図7において、図1と同一部分には同一番号を付し、その詳細な説明については省略する。図7において、ラベル発行機の筐体31の上面には、ロードセルユニット14が設けられている。また、ラベル発行機の前面に設けられた表示部24aの側面には、ラベルが排出されるラベル発行口32が設けられている。
【0015】
次に、図2を参照してワンタッチキーファイル13bの構成について説明する。図2において、ワンタッチキーファイル13bには、ワンタッチキーの識別番号であるキーNO、このキーNOに対する割付コード、キー表示名称、個体識別(ロット)番号、キー種別、キーサイズ、キー色、キーに表示される文字のドット数を示す文字サイズ、キーに表示される文字の色を示す文字が記憶されている。なお、キー種別に「PLU」が設定されている場合には、割付コードとしてPLUファイルの品番が記憶される。
【0016】
次に、上記のように構成された本発明の一実施の形態の動作について説明する。例えば、「牛ロース」のワンタッチキーに個体識別(ロット)番号を割付る場合を一例にとって説明する。まず、タッチパネル20を操作して商品登録モードを設定すると、図4のフローチャートの処理が開始される。そして、商品登録画面を表示部24aに表示させる処理がなされる(ステップS11)。
【0017】
この表示処理において、表示コントローラ24は図2のワンタッチキーファイル13bを参照してワンタッチキーを表示部24aに表示させている。つまり、ワンタッチキーに表示される名称、そのキーの大きさ、色、文字サイズ、文字色は、それぞれワンタッチキーファィルに記憶されている「キー表示名称」、「キーサイズ」、「キー色」、「文字サイズ」、「文字色」に基づいて表示制御される。図2のワンタッチキーファイル13bでは、「牛ロース」に対する個体識別(ロット)番号はまだ割付られていないため、ワンタッチキー「牛ロース」41には個体識別(ロット)番号は表示されていない。なお、他のワンタッチキー「牛肩肉」42、…についてはすでにワンタッチキーファイルに個体識別(ロット)番号が記憶されているため、個体識別(ロット)番号「9876543210」が表示される。
【0018】
ここで、図3のフローチャートを参照して、ワンタッチキー「牛ロース」41に対して個体識別(ロット)番号を割付ける処理について説明する。
【0019】
まず、個体識別(ロット)番号を割付けるワンタッチキー「牛ロース」41を押し下げする。すると、図3のフローチャートに示す処理が開始される。まず、商品「牛ロース」に張られている個体識別(ロット)番号が印字されたバーコードをスキャナー17でスキャンする(ステップS1)。このようにして、スキャナー17でスキャンされた個体識別(ロット)番号は、表示部24aの個体識別(ロット)番号表示エリア43に表示される(ステップS2)。この例では、「牛ロース」の固定識別(ロット)番号として「1234567895」が表示エリア43に表示される。
【0020】
次に、表示エリア43に表示されている個体識別(ロット)番号をワンタッチキーファイル13bに記憶させる「固体記憶」キー44が押下されたかが判定される(ステップS3)。このステップS3の判定で「YES」と判定された場合には、表示エリア43に表示されている個体識別(ロット)番号は、ワンタッチキーファイル13bの「個体識別(ロット)番号」欄に書き込まれる(ステップS4)。このようにして、ワンタッチキーファイル13bに個体識別(ロット)番号を割り付けた後は、前述した表示コントローラ24によりワンタッチキー41の下側に個体識別(ロット)番号「1234567895」が表示される。
【0021】
このように、商品の個体識別(ロット)番号をワンタッチキーに表示させるようにしたので、商品を登録する前に個体識別(ロット)番号を確認でき、商品の登録作業の利便性の向上させることができる。
【0022】
次に、ワンタッチキーに割付けた個体識別(ロット)番号をラベルに印字する処理について図4のフローチャートを参照して説明する。「牛ロース」のラベルを発行する場合を一例にとって説明する。まず、タッチパネル20を操作して商品登録モードを設定すると、図4のフローチャートの処理が開始される。そして、商品登録画面を表示部24aに表示させる処理がなされる(ステップS11)。このステップS11の処理は前述したとおりである。しかし、前述したときには、まだワンタッチキー「牛ロース」41には個体識別(ロット)番号は割付られていなかったため、ワンタッチキー「牛ロース」41の下部には個体識別(ロット)番号は表示されていなかったが、今回は図5では図示されていないが、ワンタッチキー「牛ロース」41の下部に個体識別(ロット)番号は表示されているものとする。
【0023】
そして、商品を呼び出すワンタッチキー「牛ロース」41を押し下げる(ステップS12)。
【0024】
次に、ワンタッチキーファイル13bのワンタッチキー「牛ロース」41に対するキー種別が「PLU」であるかが判定される(ステップS13)。このステップS13の判定で「YES」と判定された場合には、ワンタッチキーファイル13bのワンタッチキー「牛ロース」41に対する「割付コード」欄に記憶されている品番をキーにしてPLUファイルを検索して、「牛ロース」の商品情報が表示部24aに表示される(ステップS14)。
【0025】
そして、商品情報の呼び出しが正常に行なわれたかが判定される(ステップS15)。
【0026】
このステップS15で「YES」と判定された場合には、ワンタッチキーに個体識別(ロット)番号が割付られているかが判定される(ステップS16)。つまり、ワンタッチキーファィル13bにおいて、「牛ロース」に対して個体識別(ロット)番号が設定されているかが判定される。この場合、「牛ロース」に対する個体識別(ロット)番号は前述したように設定されているため、このステップS16の判定で「YES」と判定される。
【0027】
そして、ワンタッチキーファイル13bに設定されている牛ロースの個体識別(ロット)番号「1234567895」が表示エリア43に表示される(ステップS17)。
【0028】
そして、その個体識別番号「1234567895」は、RAM13の作業エリアに記憶される(ステップS18)。
【0029】
そして、ラベル発行キー45が押下げられて商品登録されたかが判定される(ステップS19)。この判定で「YES」と判定された場合には、ステップS18の処理で作業エリアに記憶されている個体識別(ロット)番号及びPLUファイル13aの商品情報は印字のために編集処理される(ステップS20)。
【0030】
そして、このように編集された印字データはプリンタエンジン26に送られ、プリンタユニット25から図6に示すようなラベルが発行される(ステップS21)。
【0031】
このように、個体識別(ロット)番号をラベルに印字するようにしたので、商品と個体識別(ロット)番号との対応関係を視認することができる。
【0032】
次に、各種メモリの加算処理が行なわれる(ステップS22)。
【0033】
なお、ステップS13において「NO」と判定された場合には、その他の処理が行なわれる(ステップS23)。
【0034】
さらに、ステップS15で「NO」と判定された場合には、エラー表示がされ(ステップS24)、エラーが解除される(ステップS25)。
【0035】
また、ステップS16の判定で「NO」と判定された場合には、ステップS17,S18の処理はスキップされる。
【0036】
また、ステップS19の判定で「NO」と判定された場合には、ステップS20〜22の処理はスキップされる。
【0037】
なお、上記した実施の形態では、商品「牛ロース」に貼られている個体識別(ロット)番号が印字されたバーコードをスキャナー17でスキャンするようにしたが、スキャナー17でスキャンしなくても良い。例えば、「固体入力」ボタン46を押下げすることにより、割付画面(図示しない)を表示され、この割付画面からテンキーを操作することにより、個体識別(ロット)番号を入力させるようにしても良い。
【0038】
さらに、テンキー部47から品番を入力して表示部24aに商品登録画面を表示させた後、個体識別(ロット)番号をテンキー部47から入力した後、「固体記憶」キー44を操作することにより、入力した固体記憶(ロット)番号をワンタッチキーファイル13bに記憶させるようにしても良い。
【0039】
また、上記実施の形態では、ラベルを発行するラベル発行機について説明したが、本発明はレシートを発行する商品登録装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施の形態に係る商品登録装置のシステム構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態に係るワンタッチキーファイルの構成を示す図。
【図3】同実施の形態に係るワンタッチキーに個体識別(ロット)番号を割り付ける処理を説明するためのフローチャート。
【図4】同実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図5】同実施の形態に係る登録画面を示す図。
【図6】同実施の形態に係るラベルの印字例を示す図。
【図7】同実施の形態に係る商品登録装置の外観図。
【符号の説明】
【0041】
11…CPU、12…フラッシュROM、13…RAM、13a…PLUファイル、13b…ワンタッチキーファイル、14…ロードセルユニット、17…スキャナ、21…キーコントローラ、24…表示コントローラ、26…プリンタエンジン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
商品番号、商品名等の商品情報を記憶する商品情報記憶手段と、
前記商品情報記憶手段に記憶されている商品の商品情報をワンタッチで前記表示部に呼び出すための前記表示部に設けられたワンタッチキーと、
ワンタッチキーに対する商品番号、キー表示名称、個体識別(ロット)番号等を記憶するワンタッチキー記憶手段と、
レシートまたはラベル発行時に、前記ワンタッチキーに対応する個体識別(ロット)番号を前記ワンタッチキー記憶手段から呼び出すとともに、前記ワンタッチキーで指定された商品情報を前記商品情報記憶手段から読み出してレシートまたはラベル上に商品情報及び個体識別(ロット)番号と共に印字する印字手段とを具備したことを特徴とする商品登録装置。
【請求項2】
前記表示部に表示されるワンタッチキーに前記ワンタッチキー記憶手段に記憶されているキー表示名称及び個体識別(ロット)番号を表示させる表示手段を具備したことを特徴とする請求項1記載の商品登録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−309394(P2006−309394A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−129420(P2005−129420)
【出願日】平成17年4月27日(2005.4.27)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】