説明

商品登録装置

【課題】小型・低コストであり、煩雑な作業を伴うことなく、商品ごとに適切に金属異物を検査する。
【解決手段】スキャナ9のバーコード読取部9aによって商品コードが読み出された商品に鉄片が混入されているか否かを検査する鉄片検出部13を、チェックアウトカウンタ3のテーブル3a上の、登録前の商品を載置するための第1エリアE1と登録後の商品を載置するための第2エリアE2との間であって、且つ、顧客の進行方向Aと直交する平面であって、検出面13aの中心点と交わる面が、バーコード読取部9aの中心点と交わる面よりも第2エリアE2に近くなる位置に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は商品登録装置に係り、特に、顧客が購入しようとする商品の登録を行うとともに、商品に混入された異物を検出することのできる商品登録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の商品棚に陳列される商品には、商品の製造工程、輸送工程、又は陳列中に、意図的若しくは非意図的にかかわらず金属等の異物が混入されることがある。そこで、顧客が購入しようとする商品の登録を行って購入金額を精算するレジカウンタに設置され、商品に金属異物が混入されているか否かを検査することのできる金属探知機付金銭登録機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−276655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の金属探知機付金銭登録機では、商品を収納した籠をベルトコンベアに載せ、金属探知機のセンス領域を通過させて籠内の商品に金属異物が混入されているか否かを検査する構成であるため、レジカウンタの長手方向の寸法が長くなってしまい、レジカウンタの設置スペースを広くとる必要がある。このため、店舗における商品の陳列スペースを減らすことになる。また、この金属探知機付金銭登録機では、可動部であるベルトコンベアを用いるため、レジカウンタにかかるコストが高価になる。さらに、いくつもの種類の商品を収納した籠をベルトコンベアに載せて一度に検査させようとした場合に、缶詰のような商品自体に金属が使用されている商品が籠の中に入っていると、その金属を検出してしまい、その他の商品の有効な検査ができなくなる。このような場合は、商品自体に金属が使用されている商品と、そうでない商品とを区別する作業が必要となり煩雑である。
【0005】
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、小型・低コストであり、煩雑な作業を伴うことなく、商品ごとに適切に異物を検査することのできる商品登録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下[1]−[5]の手段を提供するものである。
[1] オペレータによる商品登録作業の際に登録前の商品を1つずつ取り上げるために登録前の商品が載置される第1エリアと、登録後の商品が載置される第2エリアとが設けられたテーブルを有する勘定台と、前記第1及び第2エリアの間であって前記テーブルの上方に設けられたバーコード読取手段により、前記登録前の商品に付されたバーコードから商品コードを読み出して登録する商品登録装置において、
前記バーコード読取手段によって商品コードが読み出された商品に異物が混入されているか否かを検査する異物検出手段を、前記勘定台の前記第1及び第2エリアの間の位置に設けたことを特徴とする商品登録装置。
[2] 前記異物検出手段による検査対象であるか否かを示すフラグデータを商品コード又は商品分類コードごとに関連付けて記憶した記憶手段と、
前記バーコード読取手段により読み出された商品コード又は商品分類コードに対応するフラグデータを前記記憶手段から読み出して、そのフラグデータが検査対象であることを示す場合に、前記異物検出手段を作動させるよう制御する制御手段と、
をさらに備えたことを特徴とする上記[1]記載の商品登録装置。
[3] 前記異物検出手段による検査対象であるか否かを示すフラグデータを商品コード又は商品分類コードごとに関連付けて記憶した記憶手段と、
報知手段と、
前記バーコード読取手段により読み出された商品コード又は商品分類コードに対応するフラグデータを前記記憶手段から読み出して、そのフラグデータが検査対象であることを示す場合に、前記異物検出手段において異物が検出されたときに、前記報知手段からアラーム情報を報知するよう制御する制御手段と、
をさらに備えたことを特徴とする上記[1]記載の商品登録装置。
[4] 前記記憶手段は、前記異物検出手段の検出感度データを商品コードごとにさらに関連付けて記憶するようにし、
前記制御手段は、前記バーコード読取手段によって読み出された商品コードに対応する検出感度データを前記記憶手段から読み出して、前記異物検出手段に設定するよう制御することを特徴とする上記[2]又は[3]記載の商品登録装置。
[5] 所定の作業指示情報を提示する提示手段を更に備え、
前記制御手段は、前記記憶手段から読み出したフラグデータが検査対象であることを示す場合に、前記提示手段に前記所定の作業指示情報を提示させるよう制御することを特徴とする上記[2]乃至[4]のうちいずれか一項記載の商品登録装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、商品登録装置を小型・低コストに実現できるとともに、オペレータが商品コードをバーコード読取手段に読取らせる動作を利用して、異物検出手段に異物検査を行わせることができるため、オペレータの作業の増加や負担が少なく、商品ごとに適切に異物を検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態である商品登録装置を適用したキャッシュレジスタ・システムの概略の外観図である。
【図2】キャッシュレジスタ・システムのブロック構成図である。
【図3】分類ファイルに収容される分類データのデータ構成例である。
【図4】商品ファイルに収容される商品データのデータ構成例である。
【図5】キャッシュレジスタ・システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1に、本発明の実施形態である商品登録装置を適用したキャッシュレジスタ・システムの概略の外観図を示す。同図において、キャッシュレジスタ・システム100は、キャッシュレジスタ部(キャッシャ部)1と、チェッカ部4と、鉄片検出部13とを含んで構成されている。キャッシャ部1は、店員(オペレータ)の操作により、顧客に販売する商品の販売価格を精算して合計金額を顧客に提示するとともに、顧客によって支払われた金銭の額を入力して、必要なつり銭の額を精算するものである。チェッカ部4は、顧客に販売する商品の各種データを一品ずつ登録し、その登録データを顧客に表示して提示するとともに、キャッシャ部1に供給するものである。鉄片検出部13は、市販されている検針機と同様の構造を有したものであり、商品に鉄片又は鉄部品(以下、鉄片という。)が混入されているか否かを検査してその検査結果をチェッカ部4に通知するものである。
【0010】
このキャッシュレジスタ・システム100において、キャッシャ部1は載置台2に載置されている。そして、チェッカ部4は、オペレータと顧客との間に配設されたチェックアウトカウンタ(勘定台)3に取付けられている。チェックアウトカウンタ3のテーブル3aには、鉄片検出部13が、その検出面13aをテーブル3aの面と略同一平面になるようにして設けられている。そして、テーブル3aには、その長手方向において検出面13aを挟むようにして、チェッカ部4への各種データの登録前の商品を収納した籠を載置可能な面積を有した第1エリアE1と、チェッカ部4による各種データの登録、又は鉄片検出部13による検査を行った後の商品を収納するための籠を載置可能な面積を有した第2エリアE2とが確保されている。よって、顧客は、図1に示した矢印Aの方向に進んでいくことになる。
【0011】
キャッシャ部1において、第1顧客側表示部5は、精算時の合計金額等を顧客に提示するための表示部であり、複数のドット表示器と、複数の7セグメント表示器とを備えている。操作キー部6は、主に顧客と金銭の授受を行う際にオペレータによって操作されるものであり、数字キーの他、小計キー6a、締めキー6b等を備えている。プリンタ7は売上明細書(レシート)を印字するものである。そして、ドロア8は貨幣を収納する収納部である。
【0012】
チェッカ部4において、スキャナ9は、商品に付されたバーコードがオペレータによってバーコード読取部9aにかざされることにより、バーコード読取部9aがバーコードをスキャンしてそのバーコードに記録された商品コードを読み取る。オペレータ側表示部10は、スキャナ9で読み取られた商品コードに対応する所定の商品データの他、鉄片検出部13から供給された検査結果を表示するための表示部であり、液晶表示器(LCD)で構成され、オペレータと対向する側に、オペレータに見やすく傾斜を有して配設されている。また、オペレータ側表示部10には、モード設定時やメンテナンス時に種々の表示がされる。第2顧客側表示部11は、図1においてはその外観が不図示であるが、顧客と対向する側に配設されている。この第2顧客側表示部11は、商品データ等を表示するための表示部であり、複数のドット表示器と、複数の7セグメント表示器とを備えている。ブザー12は、スキャナ9のスキャン動作に伴って発せられるべき確認音やアラーム音の他、鉄片検出部13から供給された検査結果に応じて発せられるべき確認音やアラーム音を出力するものである。
【0013】
鉄片検出部13は、その検出面13aの上部空間である検出空間内に鉄片が存在するか否かを磁気誘導方式によって検査し、その検査結果を検出結果信号としてチェッカ部4に出力するものである。この鉄片検出部13は、検出空間内の物体の有無を検出する物体検出センサをも備えている。そして、鉄片検出部13は、物体検出センサが検出空間に物体があることを検出してから一定時間内に鉄片を検出した場合には、鉄片を検出したことを示すデータを検出結果信号に含めて出力し、鉄片を検出しなかった場合には、鉄片を検出しなかったことを示すデータを検出結果信号に含めて出力する。鉄片検出部13において、物体検出センサが物体を検出してから鉄片の有無の計測を開始する一定時間は変更可能である。また、鉄片の検出感度を例えば3段階に切換えることができる。
【0014】
次に、オペレータによる商品の取扱いの流れを、図1を参照して示しながら、第1エリアE1、スキャナ9、鉄片検出部13、及び第2エリアE2の位置関係について説明する。商品を収納した籠が顧客によって第1エリアE1に置かれると、オペレータはその籠の中から1個又は1束の商品を取り出し、そこからスキャナ9のバーコード読取部9aが設けられている方向である左斜め上方向に持ち上げる。そして、オペレータは、その商品に付されたバーコードをバーコード読取部9aにかざしてバーコードをスキャンさせる。その後、オペレータは、その商品をそこから左斜め下方向に移動させて、鉄片検出部13の検出面13aの検出空間を通過させる。商品の検出空間の通過の段階で、鉄片検出部13により鉄片が検出されなかった場合は、オペレータは、その商品を第2エリアE2に載置された籠に入れる。一方、鉄片検出部13により鉄片が検出された場合は、オペレータは、その商品を第2エリアE2に載置された籠には入れず、販売対象から外す処置を行う。
【0015】
このようにしてオペレータは商品を取り扱うことにより、第1エリアE1から第2エリアE2までの商品の移動は、図1における上下移動を伴った矢印A方向の移動となる。よって、スキャナ9と鉄片検出部13との位置関係は、矢印Aの方向と直交する平面であって、検出面13aの中心点と交わる面が、バーコード読取部9aの中心点と交わる面よりも第2エリアE2に近くなるようにすることが好ましい。このようにすることにより、オペレータは、商品を把持した腕を凸型の山を描くようにして移動させることになるため、人体にとって無理のない動きをすることができる。
【0016】
図2に、キャッシュレジスタ・システム100のブロック構成図を示す。同図において、図1に示した構成に対応するブロックには同一の符号を付してその説明を省略する。CPU(中央処理装置)20は図2の各部を制御する。ROM21は、CPU20において実行される制御プログラムや文字パターンデータ等が格納される。RAM22は、CPU20によりROM21から読み出されて実行されるべき制御プログラムや作業領域が展開されるメモリである。また、RAM22には、チェッカ部4を設定モードにして入力された分類ファイル及び商品ファイルのデータが、制御プログラムの実行によって展開される。通信部23は、外部のストア・コンピュータ等のコンピュータと接続されることにより、このコンピュータとの通信を行う。
【0017】
次に、分類ファイルのデータ構成について説明する。分類ファイルは、店舗で扱う商品の分類を定義した分類データが収容されたファイルである。図3に、分類ファイルに収容される分類データのデータ構成例を示す。同図において、分類ファイル30は、分類の識別子である分類コード30aと、分類の名称である分類名30bと、鉄片検出部13における検査対象外を指定するための検査対象外フラグ30cとが関連付けられた分類データの集合である。本実施形態においては、検査対象外フラグ30cは、検査非対象を「1」とし、検査対象を「0」として指定する。同図の例によれば、分類コード30a=「2」(分類名30b=「缶詰」)の商品は検査対象外フラグ30c=「1」(検査非対象)であるため、缶詰の商品は鉄片検出部13による検査対象から外されることを意味している。
【0018】
次に、商品ファイルのデータ構成について説明する。商品ファイルは、店舗で扱う商品の各種属性を定義した商品データが収容されたファイルである。図4に、商品ファイルに収容される商品データのデータ構成例を示す。同図において、商品ファイル40は、商品の識別子である商品コード40aと、商品の名称である商品名40bと、商品を販売する単価である単価40cと、商品分類の識別子である分類コード40dと、鉄片検出部13における検査対象外を指定するための検査対象外フラグ40eと、鉄片検出部13の検出感度を表す検出感度40fとが関連付けられた商品データの集合である。本実施形態においては、検査対象外フラグ40eは、検査非対象を「1」とし、検査対象を「0」として指定する。また、検出感度40fは、3段階の検出感度「1」,「2」,「3」と、指定なし「−」とを設定することができる。3段階の検出感度は、数値の大きな方が、検出感度が高いことを意味している。例えば、図4に示すように、商品名40bが豚レバーのように血液成分を多く含み鉄分反応を示しやすい商品については、検出感度4fを「2」に設定して他の商品よりも検出感度を下げる。
【0019】
次に、キャッシュレジスタ・システム100の動作について、図5のフローチャートを参照して説明する。CPU20が、ROM21に記憶された制御プログラムをRAM22に読み出して実行を開始し、分類ファイル30及び商品ファイル40の各データをRAM22に展開した後に、本フローチャートによる処理が実行される。テーブル3aの第1エリアE1に載置された籠から取り出された1つ又は1束の商品に付されたバーコードが、スキャナ9のバーコード読取部9aにかざされると、バーコード読取部9aによってバーコードがスキャンされ、そのバーコードから商品コードが読み出される(S501)。CPU20は、スキャナ9によってバーコードから商品コードが読み出されたか否かをチェックし、正常に読み出されたと判定された場合はステップS503の処理に移行し、そうでない場合はステップS513の処理に移行する(S502)。
【0020】
CPU20が、スキャナ9によってバーコードから商品コードが読み出されたと判定した場合(S502 Yes)、CPU20は、読み出された商品コードに対応する商品データを商品ファイル40から抽出し、この抽出された商品データの分類コード40dに対応する分類データを分類ファイル30から抽出する(S503)。具体的には、CPU20は、商品ファイル40の商品コード40aのうち、スキャナ9によって読み出された商品コードと同一の商品コード40aに関連付けられた商品データを商品ファイル40から抽出する。そして、この抽出された商品データの分類コード40dと同一の分類コード30aに関連付けられた分類データを分類ファイル30から抽出する。
【0021】
次に、CPU20は、抽出された商品データにおける検査対象外フラグ40eと、抽出された分類データにおける検査対象外フラグ30cとのうち、いずれか一方でも検査非対象である「1」となっていると判定した場合は、ステップS505の処理に移行し、検査対象外フラグ40e及び30cいずれとも検査対象である「0」となっていると判定した場合は、ステップS508の処理に移行する(S504)。
【0022】
CPU20が、検査対象外フラグ40e又は30cのいずれか一方でも検査非対象である「1」となっていると判定した場合(S504 Yes)、CPU20は、鉄片検出部13を休止状態にさせて、検出動作が開始しないように制御する。つまり、オペレータの動作によって商品が検出面13aの検出空間に入来したとしても、CPU20は、鉄片検出部13の物体検出センサによる商品の検出、又は鉄片の有無の検査を行わないように制御する。そして、CPU20は、抽出された商品データに基づいて商品登録と、顧客への表示による提示とを行うとともに、この登録された登録データをキャッシャ部1に供給する。そして、キャッシャ部1では、供給された登録データに基づいて商品の販売価格の合計を計算するとともに、顧客への表示による提示を行う(S505)。具体的には、CPU20は、抽出された商品データのうち商品名40bと、単価40cと、オペレータによって入力された販売個数とをチェッカ部4からキャッシャ部1に送信するとともに、これらの情報をオペレータ側表示部10及び第2顧客側表示部11に表示させる。そして、キャッシャ部1は、チェッカ部4から送信された各種データを受信して、単価40cと販売個数とに基づいて販売価格の小計を算出するとともに、算出した販売価格の小計等を第1顧客側表示部5に表示させる。
【0023】
第1エリアE1に載置された籠に収納された全ての商品について、オペレータによる商品登録の手続が行われる(S506 No→S501)。そして、オペレータによる商品登録の手続が終了すると(S506 Yes)、キャッシャ部1では、オペレータによって操作キー部6の小計キー6aが押下されることにより、販売合計金額を算出して第1顧客側表示部5に表示させる。そして、オペレータが顧客から代金を受け取った後、操作キー部6の所定キーと締めキー6bを押下することによってドロア8を開放させ、プリンタ7から売上明細書を印字して精算処理を終了する(S507)。
【0024】
一方、ステップS504の処理において、CPU20が、検査対象外フラグ40e及び30cいずれとも検査対象である「0」となっていると判定した場合(S504 No)、CPU20は、チェッカ部4のオペレータ側表示部10に、鉄片混入の検査を行うことを促す内容の表示(作業指示表示)をさせる(S508)。具体的には、例えば、「異物検査をしてください。」という内容の表示をさせる。
【0025】
次に、CPU20は、ステップS503の処理で抽出した商品データのうち検出感度40fを鉄片検出部13に設定するとともに、鉄片検出部13を起動させて鉄片の検出検査が行えるようにする(S509)。次に、オペレータの動作によって商品が検出面13aの検出空間に入来し、鉄片検出部13の物体検出センサが商品を検出すると、鉄片検出部13は内部の時計による時間の計測を開始する。そして、計時開始から一定時間以内において、鉄片検出部13は鉄片の有無を検査する(S510)。
【0026】
鉄片検出部13が、一定時間内に鉄片を検出しなかった場合は、鉄片を検出しなかったことを示すデータを含めた検出結果信号をCPU20に対して送信する(S511 Yes)。一方、鉄片検出部13が、一定時間内に鉄片を検出した場合は、鉄片を検出したことを示すデータを含めた検出結果信号をCPU20に対して送信する(S511 No)。CPU20が、鉄片検出部13から鉄片を検出したことを示すデータが含められた検出結果信号を受信した場合(S511 No)、CPU20は、チェッカ部4のオペレータ側表示部10に、商品に鉄片が混入されていることを知らせる内容の表示を行い、ブザー12からアラーム音を出力させる。そして、ステップS503の処理で抽出した商品データを消去してステップS501の処理に移行する(S512)。
【0027】
ステップS502の処理において、CPU20が、スキャナ9によりバーコードから商品コードが正常に読み出されたと判定しなかった場合(例えば、スキャナ9による読取り操作ではない操作がされた場合等も含まれる。)(S502 No)、ステップS503以降の処理以外の特定処理を実行してステップS501に戻る(S513)。この特定処理とは、例えば、スキャナ9によるバーコードの読取エラーが発生した場合にブザー12からアラーム音を発生させたり、返品処理を行ったり、当該商品が値引対象となっている場合に値引処理を行ったりすることである。
【0028】
以上説明したように、本実施形態によれば、オペレータは、商品を把持した腕を凸型の山を描くようにして移動させることになるため、人体にとって無理のない動きをすることができる。また、鉄片検出部にベルトコンベアを用いる必要がないため、チェックアウトカウンタの長手方向を広くとる必要がなく、またレジカウンタにかかるコストを低く抑えることができる。
【0029】
また、本実施形態によれば、商品自体に鉄が使用されているものについて検査対象外としておくことにより、鉄片検出部が不要な検査を行わないようにすることができる。これにより、オペレータに煩雑な作業を強いることなく商品ごとに適切に鉄片混入の検査を行わせることができる。また、ブザーからの確認音やアラーム音、オペレータ側表示部への表示によって、オペレータに対する注意喚起がなされ、作業ミスの発生を抑えることができる。
【0030】
さらに、本実施形態によれば、商品ごとに検出感度を設定できるため、例えば、レバー肉のように血液成分を多く含む食品等の鉄分反応を示しやすい商品については、検出感度を下げることにより鉄片の誤検出を防止することができる。一方で、そのようなおそれのない商品については、検出感度を上げてより高感度に鉄片検出の検査を行うことができる。
【0031】
以上、本発明の実施形態について説明したが、これ以外にも以下の形態を取り入れてもよい。すなわち、本実施形態においては、分類データ及び商品データの両方に検査対象外フラグを設けておき、いずれか一方の検査対象外フラグが検査非対象である場合に、当該商品の鉄片混入検査を対象外にするようにした。これ以外にも、商品ごとに設定可能な商品データにおける検査対象外フラグの方を分類データにおける検査対象外フラグよりも優先して判定するようにしてもよい。また、分類データ又は商品データのいずれか一方のデータのみに検査対象外フラグを設けるようにしてもよい。
【0032】
また、商品ファイルは、チェッカ部が予め記憶しておくものに限らず、通信部を介して接続されたコンピュータに記憶するようにしてもよい。この場合、チェッカ部は、スキャナで読み取った商品コードをコンピュータに送信し、コンピュータはその商品コードを受信してそれに対応する商品データを商品ファイルから抽出してチェッカ部に送信し、チェッカ部がその商品データを受信するようにすればよい。
【0033】
また、本実施形態では、鉄片検出部を、その検出面がチェックアウトカウンタのテーブル面と略同一平面になるようにして設けた例について説明したが、必ずしも同一平面となるようにする必要はない。例えば、鉄片検出部を、その検出面がスキャナの読取面と略平行に且つ近傍になるように設けてもよい。さらには、鉄片検出部を、その検出空間とスキャナのバーコード読取部の読取可能な空間とが全体的又は部分的に重なる位置に設けるようにしてもよい。例えば、鉄片検出部を、両空間が重なる位置であって、且つ検出面が上空から下向きとなるような位置に設けるようにしてもよい。
【0034】
また、鉄片検出部について、アラーム音を発生させることのできる鉄片検出部を用いて、キャッシャ部と通信可能に接続する形態もとることができる。この場合、チェッカ部は、通常は鉄片検出部の検出動作を停止させておくためのコマンドを鉄片検出部に対して発行して鉄片検出部の動作を停止させておく。そして、スキャナにより商品コードが読み取られ、チェッカ部が、当該商品が検査対象であると判定した場合に、鉄片検出部を起動させるための起動コマンドを鉄片検出部に対して発行し、鉄片検出部の動作を開始させる。このように構成することにより、検査対象外である商品が、スキャナによるバーコードのスキャン動作の前に鉄片検出部によって検査されようとしてもこれを防ぐことができ、よって不要な報知を防止することができる。よって、この方式によれば、オペレータが同じ位置から手の届く範囲であればスキャナ及び鉄片検出部の配置関係は不問であり、特に両者の配置順序はいずれが先に配置されてもよい。
【0035】
また、異物検査においては、当該商品が異物検査対象であるデータを得るまでブザーの鳴動を待つようにしてもよく、これにより不要な報知の発生を防ぐことができる。ここで、待っている間は、検査結果の表示のみを行うようにしてもよい。さらには、商品コードを読取った際に、異物検査対象外か否かを音声ガイドで報知するようにしてもよい。
【0036】
さらに、商品に混入された異物を検出する手段として、本実施形態では鉄片を検出するための鉄片検出部を用いた例について説明したが、これ以外にも、例えば、ステンレス等の金属片を検出するための金属探知機や、X線を放射してガラスや石等の異物を検出するためのX線探知機を異物検出装置として用いてもよい。
【0037】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0038】
1 キャッシャ部
2 載置台
3 チェックアウトカウンタ
3a テーブル
4 チェッカ部
5 第1顧客側表示部
6 操作キー部
6a 小計キー
6b 締めキー
7 プリンタ
8 ドロア
9 スキャナ
9a バーコード読取部
10 オペレータ側表示部
11 第2顧客側表示部
12 ブザー
13 鉄片検出部
13a 検出面
100 キャッシュレジスタ・システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレータによる商品登録作業の際に登録前の商品を1つずつ取り上げるために登録前の商品が載置される第1エリアと、登録後の商品が載置される第2エリアとが設けられたテーブルを有する勘定台と、前記第1及び第2エリアの間であって前記テーブルの上方に設けられたバーコード読取手段により、前記登録前の商品に付されたバーコードから商品コードを読み出して登録する商品登録装置において、
前記バーコード読取手段によって商品コードが読み出された商品に異物が混入されているか否かを検査する異物検出手段を、前記勘定台の前記第1及び第2エリアの間の位置に設けたことを特徴とする商品登録装置。
【請求項2】
前記異物検出手段による検査対象であるか否かを示すフラグデータを商品コード又は商品分類コードごとに関連付けて記憶した記憶手段と、
前記バーコード読取手段により読み出された商品コード又は商品分類コードに対応するフラグデータを前記記憶手段から読み出して、そのフラグデータが検査対象であることを示す場合に、前記異物検出手段を作動させるよう制御する制御手段と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の商品登録装置。
【請求項3】
前記異物検出手段による検査対象であるか否かを示すフラグデータを商品コード又は商品分類コードごとに関連付けて記憶した記憶手段と、
報知手段と、
前記バーコード読取手段により読み出された商品コード又は商品分類コードに対応するフラグデータを前記記憶手段から読み出して、そのフラグデータが検査対象であることを示す場合に、前記異物検出手段において異物が検出されたときに、前記報知手段からアラーム情報を報知するよう制御する制御手段と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の商品登録装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記異物検出手段の検出感度データを商品コードごとにさらに関連付けて記憶するようにし、
前記制御手段は、前記バーコード読取手段によって読み出された商品コードに対応する検出感度データを前記記憶手段から読み出して、前記異物検出手段に設定するよう制御することを特徴とする請求項2又は3記載の商品登録装置。
【請求項5】
所定の作業指示情報を提示する提示手段を更に備え、
前記制御手段は、前記記憶手段から読み出したフラグデータが検査対象であることを示す場合に、前記提示手段に前記所定の作業指示情報を提示させるよう制御することを特徴とする請求項2乃至4のうちいずれか一項記載の商品登録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−191810(P2010−191810A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−36933(P2009−36933)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】