説明

商品管理装置

【課題】搬送路に供給される品目を顧客に分かりやすく表示させる商品管理装置を提供する。
【解決手段】物品を搬送する搬送路と、顧客の座る客席と、搬送路上に供給され、非接触型ICタグが取り付けられる容器と、客席に対向して配置される表示器と、容器上に載置される商品に関する商品情報を蓄積した商品情報データベースと、容器上に載置される商品に対応して、商品情報データベースに蓄積した商品情報を非接触型ICタグに書き込むデータ書き込み装置と、を備え、商品が載置された容器が、客席に近接したときに、商品情報を表示器に表示させる商品管理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
商品管理装置として、例えば無端状の循環搬送路に複数の飲食物用容器を供給する、いわゆる回転寿司システムが知られている。
【0003】
このような回転寿司システムでは、顧客は、循環搬送路に供給されてくる寿司を目視して寿司等の飲食物の内容を判断する必要がある。
【0004】
しかしながら、供給される飲食物の品目も形態も非常に多様化しているため、顧客が当該寿司等を見た目で判断し難いことが増えているという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−17902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、搬送路に供給される品目を顧客に分かりやすく表示させる商品管理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の商品管理装置は、物品を搬送する搬送路と、顧客の座る客席と、前記搬送路上に供給され、非接触型ICタグが取り付けられる容器と、前記客席に対向して配置される表示器と、前記容器上に載置される商品に関する商品情報を蓄積した商品情報データベースと、前記容器上に載置される商品に対応して、前記商品情報データベースに蓄積した商品情報を前記非接触型ICタグに書き込むデータ書き込み装置と、を備え、前記商品が載置された前記容器が、前記客席に近接したときに、前記商品情報を前記表示器に表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態に係る商品管理装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、実施形態に係る商品管理装置の構成例を示す図である。図1に示すように、この商品管理装置100は、無端状の循環搬送路10と、この循環搬送路10上に供給される複数の飲食物用容器20と、顧客の座る客席30に対向して配置される表示器40と、商品情報データベース50と、データ書き込み装置60から構成されている。
【0011】
循環搬送路10は、その上に置かれた商品を所定時間かけて1周させるものである。例えば、回転寿司店において寿司の載った容器(皿)を移動させるコンベアである。
【0012】
循環搬送路に載せる飲食物用容器20には、非接触型ICタグ(図示しない)を取り付けておく。非接触型ICタグとは、IC(集積回路)、アンテナ等を備え、無線通信を利用して個別情報の送受信(読み書き)ができるものであり、一般には、RFID(Radio Frequency Identification)、無線タグ、ICチップ等とも呼ばれている。本実施形態において使用する非接触型ICタグには、電磁誘導等によって非接触で電力供給できるものが好ましい。また、非接触型ICタグは、飲食物用容器20の底に貼り付けるか、又は埋め込んで使用すると好ましく、さらに好ましくは、着脱可能に取り付ける。
【0013】
データ書き込み装置60は、非接触型ICタグに情報を書き込むこと、及び非接触型ICタグに入力されている情報を削除することができるものである。データ書き込み装置60は、識別番号等が入力されていない非接触型ICタグに、後述する商品情報データベース50からの情報を基に、個別の識別番号、品目名、後述する商品情報、価格等を入力する。データ書き込み装置60は、非接触型ICタグの読取手段も備えている。また、データ書き込み装置60は、循環搬送路10から商品を排除する際には、排除する商品の非接触型ICタグの情報を削除するか、または、周回数を更新することが好適である。
商品情報データベース50は、顧客に提供される個々の商品の詳細な情報を商品イメージとともに、例えばテーブル形式で記憶保持している。商品の詳細な情報としては、例えば、カロリー、栄養分、産地、鮮度、食品添加物の有無、原材料、特定原材料(食物アレルギー情報)等がある。商品情報データベース50の情報はタイムリーに更新あるいは削除し、例えば書き換え可能なハードディスクで構築することができる。
【0014】
表示器40は、循環搬送路10上に供給されている飲食物用容器20上に載置される商品に関する情報を、顧客に提示するものである。表示器40は、小型で省スペースに適した例えば液晶ディスプレイが好適である。さらに、表示器40は、顧客が見やすいように、角度が変えられるように設置するのが好適である。表示器40に提示する情報には、上述した商品の詳細な情報に加えて、商品の外観の映像(商品イメージ)も映しだすので、個々の商品とその商品に関する情報が1対1となって、顧客に分かり易い。
【0015】
また、ちょうど顧客の席の近傍まで循環してきた飲食物用容器20上の商品に関する表示は、飲食物用容器20が当該客席30から所定距離だけ離れたあるいは所定時間循環したら、表示内容が切り替わるのが好適である。尚、切り替わり後は、次に循環してくる飲食物用容器20上の商品の情報を提示する。
【0016】
次に、以上のように構成された商品管理装置100における商品管理について説明する。
【0017】
ここでは、寿司を商品とする例で説明する。商品である寿司等を載せる飲食物用容器20の底に非接触型ICタグを取り付ける。循環搬送路10であるコンベアに供給する前の飲食物用容器20に取り付けられた非接触型ICタグには、識別番号及び商品の詳細情報は書き込まれていない。
商品情報データベース50に、各商品のカロリー、栄養分、産地、鮮度、食品添加物の有無、原材料、特定原材料(食物アレルギー情報)、価格、画像情報を登録しておく。登録する画像情報としては、寿司の場合、その魚の全体像が好適である。画像情報は、静止画でも動画でもよい。
【0018】
次に、読取手段を備えたデータ書き込み装置60の手前で、寿司を載せた飲食物用容器20をコンベア10上に置く。データ書き込み装置60は、移動してきた飲食物用容器20の非接触型ICタグを読み込む。このとき、非接触型ICタグには識別番号が付与されていないので、データ書き込み装置60は、商品情報データベース50に登録された画像情報(光学的画像情報)と照合し、品目が特定される。品目の特定は、これに限られず、寿司職人が品目毎のコード番号を読取手段に読み込ませることで行っても良い。
【0019】
品目が特定されると、個別の識別番号、及び商品情報データベース50に登録されている各商品のカロリー、栄養分、産地、鮮度、食品添加物の有無、原材料、特定原材料(食物アレルギー情報)、価格等の情報を非接触型ICタグに入力する。
【0020】
尚、データ書き込み装置60による非接触型ICタグへの入力と同時に、新たにコンベア10に供給されたこの商品のデータを、別途、店舗全体を管理する管理装置(図示しない)に記憶するのが好適である。
コンベア10上を1周した飲食物用容器20は、再びデータ書き込み装置60上に来たときに非接触型ICタグの情報を読み込まれる。このとき読み込まれた識別番号は、管理装置に記憶された商品データと照合される。商品データにある識別番号の中で、データ書き込み装置60で読み取られない識別番号は、客によって取られた(コンベア10上にない)ものとして、その旨商品データを更新する。
また、コンベア10に配置された排除手段(図示しない)は、周回数が、寿司ネタ毎に定められた所定回数になったら、客に提供するにはふさわしくない商品として、コンベア10上からその寿司を排除する。このとき、排除手段は、この寿司の非接触型ICタグに入力されていた識別番号等の商品情報を削除する。それと同時に、その商品は排除された旨、管理装置の商品データを更新する。尚、排除の基準は、周回数ではなく、コンベア10に供給されてからの時間によって判断することもできる。
コンベア10に載せた飲食物用容器20が、各客席の近傍に通り掛かると、客用テーブル(図示しない)に予め設置してある読取装置(図示しない)は、非接触型ICタグの情報を読み込み、表示器40に転送する。表示器40は、転送された商品情報に基づき、飲食物用容器20上の商品イメージ及び詳細な情報を表示する。
【0021】
本実施形態によれば、循環搬送路に供給される品目を顧客に分かりやすく表示させることができるので、品目の顧客への訴求力が高まり、顧客サービスの向上に加えて、消費意欲を刺激させることができる。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0023】
100・・・商品管理装置、
10・・・循環搬送路、
20・・・飲食物用容器、
30・・・客席、
40・・・表示器、
50・・・商品情報データベース、
60・・・データ書き込み装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送する搬送路と、
顧客の座る客席と、
前記搬送路上に供給され、非接触型ICタグが取り付けられる容器と、
前記客席に対向して配置される表示器と、
前記容器上に載置される商品に関する商品情報を蓄積した商品情報データベースと、
前記容器上に載置される商品に対応して、前記商品情報データベースに蓄積した商品情報を前記非接触型ICタグに書き込むデータ書き込み装置と、
を備え、
前記商品が載置された前記容器が、前記客席に近接したときに、前記商品情報を前記表示器に表示させる商品管理装置。
【請求項2】
前記商品情報は、各商品のカロリー、栄養分、産地、鮮度、食品添加物の有無、原材料、特定原材料(食物アレルギー情報)、価格、画像情報等である請求項1記載の商品管理装置。
【請求項3】
前記画像情報は、当該商品の全体を映したイメージ画像である請求項1又は請求項2記載の商品管理装置。
【請求項4】
前記表示器は、液晶ディスプレイである請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の商品管理装置。
【請求項5】
前記表示器は、角度が変えられるように設置される請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の商品管理装置。
【請求項6】
前記客席に設けた客用テーブルに、前記非接触型ICタグの情報を読み込む読取装置が設置されている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の商品管理装置。
【請求項7】
前記搬送路に入ってから所定時間経過した商品を前記搬送路から排除する排除装置を備える請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の商品管理装置。
【請求項8】
少なくとも前記データ書き込み装置及び前記排除装置と接続され、前記搬送路上に供給された商品データを管理する商品管理装置、をさらに備える請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の商品管理装置。
【請求項9】
前記商品が載置された前記容器が前記客席から所定距離だけ離れた場合には、次に循環して来る前記容器上の商品情報を前記表示器に表示する請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の商品管理装置。
【請求項10】
前記容器に載置された前記商品が消費あるいは排除された場合には、前記商品情報データベースを更新する請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の商品管理装置。

【図1】
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【公開番号】特開2013−52181(P2013−52181A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193998(P2011−193998)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】