説明

商品表示シート付き包装体

【課題】商品表示部を上方に立たせた状態を長時間保持させて、商品に関する情報を確実に視認することが可能な商品表示ラベル付き包装体を提供すること。
【解決手段】商品表示付き包装体は、複数個の物品を熱収縮性フィルム2で覆い、加熱して前記フィルムを収縮させることにより前記物品を固定および保持してなる物品の包装体1と、前記包装体の前側面または後側面から上方に立ち上がる商品表示部11、および前記商品表示部の左右下端部より突出し、前記包装体の左右側面と接合する左右突片部を有する商品表示シート10と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池等の物品を複数個収納してなる商品表示シート付き包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、種々の物品の包装体が考案され、実用化されている。例えば、並列に集合した複数個の円筒形物品を熱収縮性フィルムで覆い、加熱して前記フィルムを熱収縮させることにより前記物品を固定および保持してなる円筒形物品の包装体が用いられている。そして、包装体内の商品に関する情報を表示するために、包装体の表面に商品表示シートが貼付されている。
しかし、包装体の表面に商品表示シートを貼付すると、包装体内の商品自体の表示ラベルを視認することが困難となる場合がある。
【0003】
上記の問題を解決する方法として、例えば、特許文献1では、図9に示すように、向きを揃えて並列に配置した複数個の電池23を熱収縮性フィルム22で覆い、加熱してフィルム22を収縮させることにより電池23を固定および保持してなる電池パック21と、電池パック21の下面26bに接合する接合部29、および接合部29の端縁部から延設された商品表示部28からなる商品表示ラベル27とを備え、商品表示ラベル27において接合部29と商品表示部28との境界付近を電池23の形状に沿うように大きく湾曲させることにより、商品表示部28を上方に立たせた状態とする商品表示シート付き電池パックが提案されている。
【0004】
しかし、商品表示ラベル27が大きく湾曲した状態を長時間維持することは困難であり、商品表示部28を常に上方に立たせた状態で長時間展示することは難しい。
また、電池23を個々に切り離し易くするために上面26aおよび下面26bにおける隣接する電池の境界部にミシン目を設ける場合、接合部29が下面26bのミシン目上を覆っているため、電池23の切り離しが困難となる。この状態で無理に電池23を切り離そうとすると、その力が商品表示ラベル27に加わることにより、商品表示ラベル27が電池パックから脱離しやすい。また、ミシン目に沿って電池23とともに接合部29の一部が切り離された場合、接合部29と電池パック21との接合面積が小さくなり、電池パック21から商品表示ラベル27が脱離しやすくなる。
【特許文献1】特開2003−142055号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、商品表示部を上方に立たせた状態を長時間保持させて、商品に関する情報を確実に視認することが可能な商品表示ラベル付き包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の商品表示シート付き包装体は、複数個の物品を熱収縮性フィルムで覆い、加熱して前記フィルムを収縮させることにより前記物品を固定および保持してなる物品の包装体と、前記包装体の前側面または後側面から上方に立ち上がる商品表示部、および前記商品表示部の左右下端部より突出し、前記包装体の左右側面と接合する左右突片部を有する商品表示シートと、を具備することを特徴とする。
【0007】
換言すると、本発明は、物品複数個、および前記物品複数個を覆いかつ固定して保持する樹脂製フィルムを含む包装体と、商品表示シート、ならびに前記商品表示シートの左下端部および右下端部にそれぞれ設けられた左側突片部および右側突片部、を含む商品表示部と、を具備し、前記商品表示部が、前記左側突片部および前記右側突片部がそれぞれ前記包装体の左側面および右側面に接合されることによって、前記包装体の前側面または後側面において上方に立ち上がるように設けられていること、を特徴とする商品表示シート付き包装体を提供する。
前記物品複数個が、前記包装体の前側面から後側面にかけて並列に配置されていること、すなわち、前記複数個の物品は、前記包装体の上面、下面、および左右側面に沿って、前側面側から後側面側にかけて並列に配置されること、が好ましい。
【0008】
前記物品は円筒形物品であり、前記商品表示部は、前記包装体の前側面または後側面において、最端に位置する円筒形物品の筒状側部に対応する部分から上方に立ち上がり、前記左右突片部は、前記包装体の左右側面において、前記円筒形物品の左右端面と対応する部分に接合すること、が好ましい。
換言すれば、前記物品が円筒形物品であり、前記商品表示部が、前記包装体の前側面または後側面に位置する前記円筒形物品の筒状側部に対応する部分から上方に立ち上がり、前記左突片部および前記右突片部が、それぞれ前記包装体の左側面および右側面において、前記円筒形物品の左端面および右端面に対応する部分に接合されていること、が好ましい。
【0009】
前記商品表示部の下端縁部が、前記包装体の前側面または後側面と接合すること、が好ましい。
前記物品の左右端面の少なくも一方が中央に凸部を有し、前記包装体において、前記凸部を有する前記端面に対応する部分に接合する前記接合部が、中央部から周縁部にかけて放射状に延びる複数の切り込み線を有すること、が好ましい。
【0010】
前記フィルムは、隣接する前記物品の境界部に切離線を有し、前記左右突片部は、前記包装体の左右側面において、前記商品表示部側の最端に位置する前記物品の左右端面と対応する部分に接合すること、が好ましい。
前記突片部は、前記包装体と接合する接合部と、前記接合部と前記商品表示部との間に配され、前記接合部および前記商品表示部の境界に、それぞれ折り曲げ可能な折曲線を有する折り曲げ部とからなること、が好ましい。
【0011】
前記接合部は円形であること、が好ましい。
前記熱収縮性フィルムは、厚さ40〜100μmのポリエチレンテレフタレートからなるフィルムであること、が好ましい。
前記折り曲げ部は、前記円筒形物品の軸を含む水平面よりも下方に位置していること、が好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、商品表示部を折曲または湾曲させることなく、商品表示部を上方に立たせた状態にできるため、商品表示部を上方に立たせた状態で長時間展示することができ、商品表示部の表示内容を確実に視認することができる。
また、包装体において、物品を覆う熱収縮性フィルムが透明である場合、商品表示シートは、包装体の側面のみに貼付されており、包装体の上面および下面を覆っていないため、商品展示時において包装体の上面における物品自体の表示ラベルの視認を妨げることがない。
【0013】
包装体の上面および下面に個々の物品を切り離すための切離線が設けられた場合、商品表示シートにおける左右突片部を、包装体の左右側面において、商品表示シート側の最端に位置する物品の左右端面と対応する部分に接合することにより、商品表示シートに影響されずに物品の切り離しを容易に行うことができる。また、物品の切り離しの際に、商品ラベルが破れること、および商品表示シートが包装体から脱離することがない。
【0014】
また、物品が左右端面の少なくとも一方に凸部を有する場合、包装体における凸部を有する端面に対応する部分に接合する接合部が、中央部から周縁部にかけて放射状に延びる複数の切り込み線を有することにより、凸部に対応する部分においても接合部を容易に端面に接着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、複数個の物品(商品)を熱収縮性フィルムで覆い、加熱して前記フィルムを収縮させることにより前記物品を固定および保持してなる物品の包装体と、前記包装体の前側面または後側面から上方に立ち上がる商品表示部、および前記商品表示部の左右下端部より突出し、折り曲げることにより前記包装体の左右側面と接合する左右突片部を有し、前記包装体に固定された商品表示シートと、を具備する商品表示シート付き包装体に関する。
【0016】
これにより、店頭で包装体を展示する際に、商品表示部を大きく折曲または湾曲させることなく商品表示部を上方に立たせた状態にできるため、商品表示部を上方に立たせた状態で長時間保持することができ、商品表示部の包装体側に印刷されたメーカー名や商品名等の商品情報に関する記載を確実に視認することができる。
【0017】
包装体は、主面としての上面および下面、ならびに前側面、後側面、左側面、および右側面の側面からなる。商品表示付き包装体が、包装体の後側面から商品表示部が立ち上がり、商品表示部の商品情報が印刷された面が包装側に位置するように構成されている場合、店頭での展示時には、包装体は下面を下にして、前側面が通路側、後側面が展示棚の奥側に向くように、展示棚上に陳列される。熱収縮性フィルムには、例えば、包装体内の物品を視認できるように、ポリ塩化ビニル樹脂やポリエチレンテレフタレート等の透明性を有する材料が用いられ、通路側から展示棚上に展示された包装体の上面において物品の表面に表示されたラベルを視認することができる。さらに、上記の商品表示シートは、包装体の側面のみに接合し、商品表示部が包装体の後側面より上方に立ち上がり、包装体の上面を覆っていないため、商品表示シートにより、包装体の上面における物品自体のラベル(例えば、商品名等)の視認が妨げられない。
【0018】
包装体内の複数の物品は、例えば上面、下面および左右側面に沿って、前側面から後側面にかけて並列に配置される。さらに、この時、商品の展示効果の観点から、各物品に表示されたラベルにおける商品名が包装体の上面に向くように物品の向きを揃えて配置するのが好ましい。
なお、物品の形状は、例えば、円筒形や直方体などが挙げられる。なお、商品表示部は、包装体の下面(展示棚等の設置面)に対して垂直に立ち上がっていてもよく、包装体と反対側に若干傾斜していてもよい。
【0019】
包装体内の複数の物品を、包装体における上面、下面および左右側面に沿って、前側面から後側面にかけて並列に配し、個々の物品を切り離すために隣接する物品の境界部に切離線を設ける場合、商品表示シートにおける左右突片部を、包装体の左右側面において、商品表示シート側の最端に位置する物品の左右端面と対応する部分のみに接合するのが好ましい。商品表示シートに影響されずに物品の切り離しを容易に行うことができる。また、物品の切り離しの際に商品表示シートが切り離されることがない。
【0020】
物品が左右端面(包装体の左右側面に対応する部分)の少なくとも一方に凸部を有する場合、凸部を有する端面に対応する突片部が中央から周縁部にかけて放射状に延びる複数の切り込み線を有するのが好ましい。これにより、凸部に対応する部分においても突片部を容易に端面に接着することができる。
【0021】
本発明の一実施の形態を以下に説明するが、本発明は以下に示す実施の形態に限定されない。本実施の形態では、物品(商品)が円筒形乾電池である例を示す。本発明に係る商品表示シート突き包装体の一実施の形態を図1〜3に示す。図1は、本発明の商品表示シート付き物品の包装体の一例を示す斜視図である。図2は、図1における包装体の斜視図であり、図3は、図1における商品表示シートの展開図である。
【0022】
商品表示シート付き物品の包装体は、複数個の円筒形電池3を収納した包装体1と、包装体1と一体化され、包装体1の後側面7bから上方に立ち上がり、包装体1内の商品情報を表示した商品表示シート10とを具備する。
図2に示すように、包装体1は、向きを揃えて並列に集合した4個の電池3を熱収縮性フィルム2で覆い、加熱してフィルム2を収縮させることにより電池3を固定および保持している。熱収縮性フィルム2には、例えば厚さが20〜30μmのポリエチレンレフタレートからなるフィルムが用いられる。そして、個々の電池3を容易に切り離すことができるように、隣接する電池3の境界部にはミシン目状の切断線2aが設けられている。
【0023】
包装体1内の円筒形電池3は、左端面として中央に凸部4aを有する正極端子面4、右端面として負極端子面5、および表面にラベルが表示された筒状側部6からなる。そして、包装体1において、上面9a、下面9b、前側面7a、および後側面7bは、筒状側部6に対応し、左側面8aは正極端子面4に対応し、右側面8bは負極端子面5に対応する。
【0024】
一方、図3に示すように、商品表示シート10は、片面に商品に関する情報が印刷された四角形の商品表示部11、および商品表示部8の左右下端から突出する左右突片部12a、12bからなる。左右突片部12a、12bは、包装体1の左右側面8a、8bと接合する円形状の接合部13a、13b、および接合部13a、13bと商品表示部11との間に配された折り曲げ部14a、14bからなる。そして、図4に示すように、折り曲げ部14a、14bと、接合部13a、13bおよび商品表示部11との境界部には、それぞれ折り曲げ可能な折曲線16a、16bが設けられている。折曲線13a、13bはミシン目により形成されている。左接合部13aには、中央部から周縁部にかけて等間隔で放射状に延びる3本の切り込み線15が設けられている。
【0025】
折曲線16a、16bに沿って折り曲げることにより、左右接合部13a、13bは、包装体1の左右側面8a、8bを挟むような形で左右側面8a、8bと接合し、商品表示部11は包装体1の後側面7bから上方に立ち上がった状態を保持できる。また、電池3は熱収縮性フィルム2で覆われ、フィルム2を加熱して収縮させることにより電池3は固定および保持されており、フィルム2は電池3に密着した状態であるため、フィルム3とともに左右接合部13a、13bがずれることがない。
これにより、商品表示部11を大きく折曲または湾曲させることなく、商品表示部11を上方に立たせた状態を長時間保持することができ、長時間展示時に、安定した展示効果が得られる。
また、折り曲げ部14a、14bが正負極端面4、5の周縁部に形成されたR部分に対応するため、接合部13a、3bを包装体1の左右側面8a、8bに確実に接合させることができる。
【0026】
店頭にて展示する場合は、包装体1は、下面9bが展示棚の設置面、前側面7aが通路側、および後側面7bが展示棚の奥側に向くように、展示棚上に陳列される。商品表示シート10は、商品表示部11が商品情報が印刷された面が包装体1側に位置し、包装体1の後側面7bから立ち上がるように、包装体1に設けられている。これにより、通路側から、商品表示部11に印刷された商品情報を容易に視認することができる。
また、商品表示シート10は、包装体1の上面9aを覆うことなく包装体1の左右側面8a、8bのみに接合し、商品表示部11が包装体1の後側面7bから上方に立ち上がる構成であるため、商品表示シート10の影響を受けることなく、包装体1の上面より電池3自体の筒状側部6に表示されたラベルも容易に視認することができる。
商品表示部11は、包装体の下面9b(展示棚等の設置面)に対して垂直に立ち上がっていてもよく、包装体1と反対側に若干傾斜していてもよい。
【0027】
図5に示すように、左接合部13aは、包装体1の左側面8aにおいて、商品表示部11側の最端に位置する電池3の凸部4aを有する正極端子面4に対応する部分に接合している。左接合部13aは、中央部から周縁部にかけて等間隔で放射状に延びる3本の切り込み線15を有するため、凸部4aに対応する部分においても接合部13aを左側面8aに接合しやすい。なお、切り込み線の数や形状は、包装体の左側面8aにおける、電池3の凸部4aを有する正極端子面4に対応する部分において左接合部10aが良好な接着性が得られるのであれば何でもよく、本発明の切り込み線の数や形状は本実施の形態の切り込み線15に限定されるものではない。
また、反対側の円形の右接合部13bは、図6に示すように、包装体1の右側面8bにおいて、商品表示部11側の最端に位置する電池3の負極端子面5に対応する部分に接合している。
【0028】
左右突片部12a、12bを有する商品表示部11の下端縁部は、包装体1の後側面7bにおける電池3の筒状側部6の形状に対応するように湾曲しているが、接合部13a、13bと商品表示部11の間に折り曲げ部14a、14bが存在することにより、折り曲げ部14a、14bにおいて湾曲させる力が吸収される。このため、商品表示部11の下端縁部における湾曲の影響を受けて、接合部13a、13bは湾曲することがない。
さらに、商品表示部11の下端縁部を包装体1の後側面7bと接着してもよい。この場合、商品表示シート11はより強固に包装体1に固定することができる。
【0029】
上記のように接合部13a、13bは、包装体1の左右側面8a、8bにおいて、商品表示部11側の最端に位置する電池3の正負極端子面4、5に対応する部分に接合しているため、包装体1に固定された商品表示シート10に影響されずに隣接する電池3の境界部に設けられたミシン目状の切離線2aに沿って電池3を容易に切り離すことができる。また、電池3の切り離しの際に商品表示シート11が破断することがない。
上記のように、本実施の形態では、包装体1の切離線2aによる電池3の切り離しを容易にするために、接合部13a、13bは、包装体1の左右側面8a、8bにおいて、商品表示部11側の最端に位置する電池3の正負極端子面4、5に対応する部分のみに接合しているが、包装体1に切離線2aを設けない場合は、4つの電池3のうち少なくとも1つの電池3の負極端子面4、5に対応する部分に接合していればよい。
【0030】
商品表示シート10には、例えば、ポリエチレンテレフタレートからなるフィルムが用いられる。このフィルムの厚さは、取り扱い易さおよび強度の観点から40〜100μmであるのが好ましい。フィルムの厚さが40μm未満であると、強度が弱すぎるため、自重で湾曲する場合があり、商品表示部を上方から真っ直ぐに立ち上がる状態に保持することが困難となる。一方、フィルムの厚さが100μmを超えると、変形しないが、強度が強すぎるため、包装体を重ねて展示する場合に、商品表示部を折り畳む作業で大きな力が必要となる。
【0031】
商品表示シート付き包装体は以下の方法により得られる。
ポリエチレンテレフタレートからなるフィルムシート(例えば、東洋紡(株)製、E5100)において左右接合部13a、13bおよび商品表示部11の下端縁部に対応する部分に、印刷方式または部分のり敷方式により、アクリル樹脂系の接着剤(リンテック(株)製、PAT1 8LK)を塗布する。次に、接着剤を塗布した位置と同期させて、間欠オフセット印刷または凸版輪転印刷により接着剤を塗布した面と反対側の面に商品表示内容を印刷する。そして、接着剤を塗布した箇所が左右接合部13a、13bおよび商品表示部11の下端部に対応し、商品表示内容を印刷した部分が商品表示部11に対応するように、刃物によるプレス切断により図3に示す形状に姿抜きをするとともに、切り込み線15および折曲線16a、16bを設けて、商品表示シート10を得る。
そして、商品表示シート10の下端縁部を、包装体1の後側面7bに接着させた後、これを、商品表示シート10側を進行方向として包装体1の幅に対応する一対のガイドに通過させて、商品表示シート10の突片部12a、12bを包装体1の左右側面8a、8bへ押し倒すことにより、左右接合部13a、13bを包装体1の左右側面8a、8bに接着させる。
【0032】
また、包装体1の左右側面8a、8bにおいて、包装体1内の電池3の正負極端子面4、5に対応する部分に接合する円形接合部13a、13bは、確実にかつ安定した状態で包装体1に接合させるためには、電池3の正負極端子面4、5よりも径が若干小さいことが好ましい。
例えば、図1に示す電池3が単3形アルカリ乾電池(径:φ14.5mm、高さ50mm)の場合、商品表示シート10の寸法は、例えば、商品表示部11の高さ:51 mm、商品表示部11の幅:45mm、円形接合部13a、13bの径:φ13.5mmである。
また、図1に示す電池3が単4形アルカリ乾電池(径:φ10.5mm、高さ45mm)の場合、商品表示シート10の寸法は、例えば、商品表示部11の高さ:40mm、商品表示部11の幅:38mm、円形接合部13a、13bの径:φ9.5mmである。
また、折り曲げ部14a、14bと、接合部13a、13bおよび商品表示部11との境界に設けられる折曲線16a、16bは、例えば、長さが0.4mmの切り込み線を0.3mm間隔で設けてミシン目状に形成される。
【0033】
商品表示シート付き包装体を複数個展示する場合、例えば、以下に示す形態で展示させることができる。
展示形態の一例として、3つの包装体1を積み重ねて積層体17として展示する場合を図7に示す。上方から視認可能な最上段の包装体1は商品表示部11を立たせた状態で設置し、商品表示部11による表示の必要のない下段の2つの包装体1は、それぞれ商品表示部11を包装体1の上面側に湾曲させた状態とし、その上に包装体1が積み重ねられている。すなわち、最上段以外の包装体1に付けられた商品表示部11は、隣接する上段の包装体1の底部との間に配され、上方の包装体1と下方の包装体1とで挟まれ、包装体1間に収納・固定されている。これにより、複数個の包装体1を積み重ねた場合でも、各包装体1の商品表示シート11が重なり合うことなく、最上段以外の包装体1に付けられた商品表示部11は、外から見えないように包装体1間に安定して収納・保持することができるため、優れた展示効果が得られる。
【0034】
また、図8に示すように、図7に示す3つの包装体1を積み重ねた積層体17の複数個を、横に並べて展示することもできる。それぞれ最上段の包装体1は商品表示部11を、包装体1の寸法に対応するように、等間隔に距離をおいて斜め上方に立たせた状態で展示することができ、商品表示シート11が見やすく、複数個の包装体1をきれいに展示することができ、高い商品展示効果が得られる。
【0035】
図8に示す展示形態では、折り曲げ部14a、14bは、図5および6に示すように、円筒形電池1の軸Xを含む水平面Hよりも下方に位置するのが好ましい。包装体1を横に並べて展示すると、隣接する包装体1の側面7a、7b同士が当接する。このとき、折り曲げ部14a、14bが水平面Hに含まれる位置に存在すると、隣接する包装体1の前側面7aが折り曲げ部14a、14bを有する商品表示部11の下端縁部に当接することにより、商品表示部11が倒れやすくなる。折り曲げ部14a、14bが水平面Hよりも下方に位置すると、商品表示部11は折り曲げ部14a、14bを有する下端縁部よりも上部において、隣接する包装体1の前側面7aと当接するため、商品表示部11は倒れにくい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の商品表示シート付き包装体は、例えば、アルカリ乾電池またはマンガン乾電池などの円筒形電池を収納する包装体として好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施の形態の商品表示シート付き物品の包装体の斜視図である。
【図2】図1における包装体の斜視図である。
【図3】図1における商品表示シートの展開図である。
【図4】図3における折り曲げ部付近(X部分)の拡大図である。
【図5】図1における商品表示シート付き包装体の左側面の要部正面図である。
【図6】図1における商品表示シート付き包装体の右側面の要部正面図である。
【図7】図1の商品表示シート付き包装体の複数個を積み重ねた積層体の一例を示す斜視図である。
【図8】図7の積層体の複数個を横に並べた状態の一例を示す斜視図である。
【図9】従来の商品表示シート付き電池パックの側面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 包装体
2 熱収縮性フィルム
2a 切離線
3 電池
4 正極端子面
5 負極端子面
6 筒状側部
7a 前側面
7b 後側面
8a 左側面
8b 右側面
9a 上面
9b 下面
10 商品表示シート
11 商品表示部
12a 左突片部
12b 右突片部
13a 左接合部
13b 右接合部
14a 左折り曲げ部
14b 右折り曲げ部
15 切り込み線
16a、16b 折曲線
17 積層体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の物品を熱収縮性フィルムで覆い、加熱して前記フィルムを収縮させることにより前記物品を固定および保持してなる物品の包装体と、
前記包装体の前側面または後側面から上方に立ち上がる商品表示部、および前記商品表示部の左右下端部より突出し、前記包装体の左右側面と接合する左右突片部を有する商品表示シートと、
を具備することを特徴とする商品表示シート付き包装体。
【請求項2】
前記複数個の物品は、前記包装体の上面、下面、および左右側面に沿って、前側面から後側面にかけて並列に配置された請求項1記載の商品表示シート付き包装体。
【請求項3】
前記物品は円筒形物品であり、
前記商品表示部は、前記包装体の前側面または後側面において、最端に位置する円筒形物品の筒状側部に対応する部分から上方に立ち上がり、
前記左右突片部は、前記包装体の左右側面において、前記円筒形物品の左右端面と対応する部分に接合する請求項2記載の商品表示シート付き包装体。
【請求項4】
前記商品表示部の下端縁部が、前記包装体の前側面または後側面と接合する請求項1〜3のいずれかに記載の商品表示シート付き包装体。
【請求項5】
前記物品の左右端面の少なくも一方が中央に凸部を有し、
前記包装体において、前記凸部を有する前記端面に対応する部分に接合する前記接合部が、中央部から周縁部にかけて放射状に延びる複数の切り込み線を有する請求項1〜3のいずれかに記載の商品表示シート付き包装体。
【請求項6】
前記フィルムは、隣接する前記物品の境界部に切離線を有し、
前記左右突片部は、前記包装体の左右側面において、前記商品表示部側の最端に位置する前記物品の左右端面と対応する部分に接合する請求項2または3記載の商品表示シート付き包装体。
【請求項7】
前記突片部は、前記包装体と接合する接合部と、前記接合部と前記商品表示部との間に配され、前記接合部および前記商品表示部の境界に、それぞれ折り曲げ可能な折曲線を有する折り曲げ部とからなる請求項3記載の商品表示シート付き包装体。
【請求項8】
前記接合部は円形である請求項3記載の商品表示シート付き包装体。
【請求項9】
前記熱収縮性フィルムは、厚さ40〜100μmのポリエチレンテレフタレートからなるフィルムである請求項1記載の商品表示シート付き包装体。
【請求項10】
前記折り曲げ部は、前記円筒形物品の軸を含む水平面よりも下方に位置する請求項3記載の商品表示シート付き包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−269333(P2007−269333A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−94915(P2006−94915)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】