商品販売データ処理装置及びカードリーダライタ
【課題】 カードリーダライタから排出された直後のリライトカードであったとしても、顧客の種類を問わず、直ちに顧客に渡すことができるようにする。
【解決手段】 リライトカードに対して情報のリード及びライトを実行するカードリーダライタ101との間で信号を送受信し、リライトカードに対するライト完了後のカードリーダライタ101にカード排出命令を送信するに際して、遅延指定が実行されていた場合には、カードリーダライタ101からリライトカードを排出させるためのカード排出命令の送信を遅らせ、情報ライト後に高温になったリライトカードが充分に冷えてから排出されるようにした。
【解決手段】 リライトカードに対して情報のリード及びライトを実行するカードリーダライタ101との間で信号を送受信し、リライトカードに対するライト完了後のカードリーダライタ101にカード排出命令を送信するに際して、遅延指定が実行されていた場合には、カードリーダライタ101からリライトカードを排出させるためのカード排出命令の送信を遅らせ、情報ライト後に高温になったリライトカードが充分に冷えてから排出されるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードリーダライタが接続される例えばPOS端末等の商品販売データ処理装置及びカードリーダライタに関する。
【背景技術】
【0002】
リライトカードの普及に伴い、各種店舗において、リライトカードは、例えばポイントカードとして用いられる(特許文献1参照)。このようなリライトカードは、例えばサーマルプリンタヘッド等によって加える熱と空気冷却とによって情報を可視的に記録することが可能である。このようなリライトカードに対する情報の記録は、リライトカード用のカードリーダライタによって実現可能である。
【0003】
【特許文献1】特開平10−241021号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
情報記録後のリライトカードは例えば70度程度の高温になっている。このため、情報記録後のリライトカードをカードリーダライタから直ちに排出した場合、触ると熱い状態になっていることがある。このため、例えば幼児や子供など、指の皮膚が敏感な顧客に対しては、カードリーダライタから排出した直後のリライトカードを直ぐに渡すことは好ましくない。
【0005】
その反面、相手が大人であるならば、カードリーダライタから排出された直後のリライトカードを直ぐに渡したとしても、とりたてて問題になることはない。したがって、相手が大人であれば、業務の迅速化の観点から、カードリーダライタから排出された直後のリライトカードを直ぐに渡した方が好ましい。
【0006】
しかしながら、特に繁忙時などには、商品の購入に待機している顧客を速やかに処理したいというのが自然な要求である。しかも、このような気持ちは、金銭の授受やリライトカードの返却等が行われる接客の最終局面においてより一層沸き易い。このため、相手が幼児や子供などの場合であったとしても、カードリーダライタから排出された直後のリライトカードを直ぐに渡してしまいがちである。
【0007】
本発明の目的は、カードリーダライタから排出された直後のリライトカードであったとしても、顧客の種類を問わず、直ちに顧客に渡すことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、商品販売データ処理を実行する商品販売データ処理装置において、リライトカードに対して情報のリード及びライトを実行するカードリーダライタとの間で信号を送受信する手段と、リライトカードに対するライト完了後の前記カードリーダライタに対して、カード排出命令を送信する手段と、遅延指定を実行する手段と、前記遅延指定が実行された場合、リライトカードに対するライト完了後の前記カードリーダライタに対して、前記カード排出命令の送信を遅らせる処理を実行する手段と、を備える。
【0009】
本発明は、リライトカードに対して情報のリード及びライトを実行するカードリーダライタにおいて、リライトカードをリードライト位置まで引き込む動作と排出する動作とを行なうカード搬送部と、外部機器との間で信号を送受信する手段と、遅延指定を実行する手段と、前記遅延指定が実行された場合、リライトカードに対するライト完了後、前記カード搬送部を駆動制御して当該リライトカードの排出を遅らせる処理を実行する手段と、備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、予め遅延指定がなされていれば、カードリーダライタから排出された直後のリライトカードであったとしても、充分に冷めた状態にすることができ、したがって、顧客の種類を問わず、そのようなリライトカードを直ちに顧客に渡すことができる状態にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の第1の実施の形態を図1ないし図8に基づいて説明する。本実施の形態は、リライトカードをポイントカードとして用いる一例を示す。
【0012】
図1は、POS端末とカードリーダライトを示す斜視図である。カードリーダライタ101は、ポイントカードとなるリライトカードに対して情報のリードライトを実行する。このようなカードリーダライタ101は、POS端末102に接続されて使用される。したがって、POS端末102からの指示に基づいてカードリーダライタ101を動作させることができる。
【0013】
POS端末102は、ドロワ103の上に載置されており、ドロワ103の引出し104の開放動作を制御することができる。POS端末102の上面右側にはキーボード105とオペレータ用表示器106とが配列され、上面左側にはR/Jプリンタ107が配列されている。POS端末102の上面後方には、客用表示器108が立設されている。POS端末102における商品コードの入力は、キーボード105によって可能であり、その他、図示しないバーコードリーダによっても可能である。
【0014】
カードリーダライタ101は、その上面に操作部109を有している。正面にはリライトカードを挿入するためのカード挿入口110が配置されている。このようなカードリーダライタ101は、下ユニット111と上ユニット112とからなる上下二分割構造をなしており、上ユニット112に操作部109が設けられている。下ユニット111と上ユニット112とは、後方ヒンジ構造によって、カード挿入口110の箇所で開放自在であり、開放することによって例えばメンテナンスの容易化が図られる。また、カードリーダライタ101は、カード挿入口110にリライトカードが挿入されたことをカード挿入口110の近傍に配置されたカードセンサ113(図4参照)によって検知する。そして、カードリーダライタ101は、カードセンサ113によるカード検知に応じて挿入されたリライトカードを内部に引き込み、リードライト位置まで搬送し、リードライト後のリライトカードをカード挿入口110まで搬送して排出させるカード搬送部114(図4参照)を内蔵している。更に、リードライト位置には、リライトカードに対して情報のリードライトを実行するリードライトヘッド115(図4参照)が設けられている。
【0015】
図2は、POS端末102のキーボード105を例示する平面図である。キーボード105には、その右上に、リライトカードの排出を遅延させるための遅延キーとしての子供キー116と排出キー117とが割り当てられている。
【0016】
図3は、POS端末102のハードウェア構成を示すブロック図である。POS端末102は、各種演算処理を実行し各部を制御するCPU141を備えている。CPU141には、固定データを固定的に記憶保存するROM142と、可変データを書き換え自在に記憶してワークエリアとして使用されるRAM143と、HDD144とがバスライン145を介して接続されている。HDD144は、各種のプログラムを記憶する。これらのプログラムは、POS端末102の起動時、その全部又は一部がRAM143にコピーされる。CPU141は、RAM143にコピーされたプログラムに従った処理を実行する。
【0017】
前述したドロワ103、キーボード105、オペレータ用表示器106、RJプリンタ107、客用表示器108は、いずれも各種の入出力回路(全て図示せず)とバスライン145とを介してCPU141に接続され、CPU141によって動作制御される。
【0018】
POS端末102は、カードリーダライタ101との間で信号を送受信するためのインターフェース146と、POS端末102が設置される店舗に設けられる構内回線網(図示せず)等に接続するための通信インターフェース147とを備えており、これらのインターフェース146及び通信インターフェース147も、バスライン145を介してCPU141に接続されている。POS端末102は、インターフェース146を用いてカードリーダライタ101との間で信号を送受信するための通信用プログラムを例えばROM142に記憶保存している。
【0019】
図4は、カードリーダライタ101のハードウェア構成を示すブロック図である。カードリーダライタ101は、各種演算処理を実行し各部を制御するCPU161を備えている。CPU161には、固定データを固定的に記憶保存するROM162と、可変データを書き換え自在に記憶してワークエリアとして使用されるRAM163とがバスライン164を介して接続されている。一例として、カードリーダライタ101は、ROM142に各種のプログラムをファームウェアとして記憶保存している。
【0020】
前述した操作部109、カードセンサ113、カード搬送部114、リードライトヘッド115は、いずれも各種の入出力回路(全て図示せず)とバスライン164とを介してCPU161に接続され、CPU161によって動作制御される。
【0021】
カードリーダライタ101は、は、POS端末102との間で信号を送受信するためのインターフェース165を備えており、このインターフェース165も、バスライン164を介してCPU161に接続されている。カードリーダライタ101は、インターフェース165を用いて外部機器としてのPOS端末102との間で信号を送受信するための通信用プログラムを例えばROM162に記憶保存している。
【0022】
図5は、POS端末102での商品販売データ処理の一例を示すフローチャートである。まず、商品の登録業務においては、顧客が購入しようとする商品の商品コードを読み取るのに先立ち、ポイントカードの提示を求める。したがって、顧客がポイントカードの使用を望む場合には、ポイントカードであるリライトカードをカードリーダライタ101に挿入することから一取引の登録業務が始まる。
【0023】
カードリーダライタ101は、カードセンサ113によってカード検知をした場合(図6のステップS141のY)、カードセット信号をPOS端末102に送信する(図6のステップS143)ので、POS端末102では、カードセット信号の受信に待機している(ステップS101)。カードセット信号の受信を判定したら(ステップS101のY)、POS端末102のメモリ資源であるRAM143のワークエリアを利用し、カードセットメモリを0から1に設定する。このカードセットメモリの「1」は、後々の処理で、カードリーダライタ101との間で信号を送受信すべきことを規定している。
【0024】
POS端末102では、商品コードの読み取りがあれば(ステップS103のY)、RAM143のワークエリアを利用して仮登録処理を実行し(ステップS104)、預/現計キーの押下を判定したら(ステップS105のY)、カードセットメモリの状態判定(ステップS106)の後に登録処理を実行し(ステップS107)、一取引を終了する。この際、カードセットメモリが「1」であった場合、POS端末102は、取引に伴い生じたポイント計算をしてポイントデータを生成し、生成したポイントデータをカードリーダライタ101に送信する(ステップS108)。そして、カードリーダライタ101との間で一連の信号送受信処理を実行する。この信号送受信処理の理解は、カードリーダライタ101での処理内容の理解を前提とするため、ここで、図6を参照してカードリーダライタ101での処理を説明する。
【0025】
図6は、カードリーダライタ101での情報のリードライト動作を示すフローチャートである。カードリーダライタ101では、前述したように、カードセンサ113でのカード検知を実行する(ステップS141)。その結果、カードセンサ113がリライトカードの検出信号を出力してCPU161がカード検知を判定すると(ステップS141のY)、カード搬送部114を用いたカードローディグ処理を実行してカード挿入口110に挿入されたポイントカードであるリライトカードを内部に引き込む(ステップS142)。そして、POS端末102に向けてカードセット信号を送信し(ステップS143)、ポイントデータの受信に待機する(ステップS144)。そして、ポイントデータの受信を判定したら(ステップS144のY)、リードライトヘッド115を駆動制御し、ポイントカードであるリライトカードに対するリードライト動作を実行する(ステップS145)。つまり、受信したポイントデータに基づいてポイントをポイントカードにライトする。その後、リードライト動作を完了したら、POS端末102に向けてライト完了信号を送信する(ステップS146)。そして、POS端末102からのカード排出命令の受信に待機し(ステップS147)、カード排出命令を受信したら(ステップS147のY)、カード搬送部114を駆動制御してカード排出処理を実行する(ステップS148)。
【0026】
図7は、POS端末102において子供キー116が押下された場合の処理を示すフローチャートである。POS端末102は、子供キー116の押下を認識したら(ステップS121のY)、RAM143のワークエリアを利用し、子供メモリを0から1に設定する。つまり、遅延指定を実行する。
【0027】
図8は、POS端末102において排出キー117が押下された場合の処理を示すフローチャートである。POS端末102は、排出キー117の押下を認識したら(ステップS131のY)、RAM143のワークエリアを利用し、排出メモリを0から1に設定する。つまり、排出指定を実行する。
【0028】
ここで、POS端末102において実行される図5のフローチャートの説明に戻る。POS端末102は、生成したポイントデータをカードリーダライタ101に送信した後、カードリーダライタ101からのライト完了信号(図6のステップS146)の受信に待機する(ステップS109)。そこで、ライト完了信号の受信を判定したら(ステップS109のY)、子供メモリが「1」になっているかどうかをもって、子供キー116が押下されたかどうかを判定する(ステップS110)。子供メモリが「1」になっていると判定した場合(ステップS110のY)、排出待ち時間10秒経過を待ち(ステップS111)、カード排出命令をカードリーダライタ101に送信する(ステップS112)。カードリーダライタ101では、カード排出命令の受信をもってカード排出処理を実行することは、前述したとおりである(図6のステップS147、ステップS148)。したがって、ステップS111での「10秒」という時間は、子供キー116が押下された場合には、カードリーダライタ101においてリライトカードに対するライト動作が完了したとしても、10秒間はその排出を待ちなさい、ということを意味している。この様な事情からして、「10秒」というのは、ライト後のリライトカードの70度程度という温度が低下する時間を想定しているわけであるので、実情に合わせて、より短い時間としてもより長い時間としても良い。
【0029】
このように、本実施の形態によれば、予め子供キー116が押下なされていれば、カードリーダライタから排出された直後のリライトカードであったとしても、充分に冷めた状態にすることができる。したがって、顧客の種類を問わず、排出直後のリライトカードを直ちに顧客に渡すことができる状態にすることができる。
【0030】
これに対して、ステップS111の処理で排出待ち時間10秒経過が判定されない場合であっても、排出メモリが「1」になっているかどうかをもって排出キー117が押下されたかどうかを判定し(ステップS113)、排出メモリが「1」になっていると判定した場合には(ステップS113のY)、排出待ち時間10秒の経過を待つことなくカード排出命令をカードリーダライタ101に送信する(ステップS112)。つまり、排出指定が実行された場合には、カード排出命令の送信を遅らせる処理に優先してカードリーダライタ101に対してカード排出命令を送信するわけである。このような処理の実益としては、例えば、顧客が子供と判断した場合に画一的に子供キー116を押下することをオペレータに許容する。その後、オペレータの判断で、子供とはいっても年齢が高そうな顧客や、あるいは屈強そうな男の子が顧客であるような場合には、排出キー117を押下することによって、排出待ち時間10秒という意外にも長い待ち時間の経過を省略することができるわけである。
【0031】
ここで、子供キー116及び排出キー117の押下タイミングについて説明する。子供キー116の押下に伴い図7に示す子供メモリの設定処理が実行されるのは、一例として、前の顧客の取引処理においてステップS114のメモリクリア処理を実行した後、現在応対中の顧客についてステップS109でライト完了信号の受信を判定するまでである。したがって、カードリーダライタ101にリライトカードを挿入する操作に先立った子供キー116の押下が有効となる。また、排出キー117の押下に伴い図8に示す排出メモリの設定処理が実行されるのは、一例として、図7に示す処理で子供メモリが「1」に設定された後、ステップS111で排出待ち時間10秒経過が判定されるまでである。したがって、オペレータは、子供キー116を押下した後、カードリーダライタ101からリライトカードが排出されるまでの間、いつでも排出キー117を押下して直ちにリライトカードを排出させることができる。
【0032】
カード排出命令をカードリーダライタ101に送信したPOS端末102では、カードセットメモリ、子供メモリ、排出メモリ等をメモリクリアし(ステップS114)、処理を終了する。
【0033】
本発明の第2の実施の形態を図9ないし図12に基づいて説明する。第1の実施の形態と同一部分は同一符号で示し、説明も省略する。第2の実施の形態が第1の実施の形態と相違するのは、主に、子供キー116が押下された場合にリライトカードの排出を遅らせる処理を、POS端末102ではなしにカードリーダライタ101で実行する点である。以下、第2の実施の形態の処理内容を説明する。
【0034】
図9は、POS端末102での商品販売データ処理の一例を示すフローチャートである。POS端末102では、カードセット信号の受信に待機している(ステップS201)。カードセット信号の受信を判定したら(ステップS201のY)、POS端末102のメモリ資源であるRAM143のワークエリアを利用し、カードセットメモリを0から1に設定する。このカードセットメモリの「1」は、後々の処理で、カードリーダライタ101との間で信号を送受信すべきことを規定している。
【0035】
POS端末102では、商品コードの読み取りがあれば(ステップS203のY)、RAM143のワークエリアを利用して仮登録処理を実行し(ステップS204)、預/現計キーの押下を判定したら(ステップS205のY)、カードセットメモリの状態判定(ステップS206)の後に登録処理を実行し(ステップS207)、一取引を終了する。この際、カードセットメモリが「1」であった場合、POS端末102は、取引に伴い生じたポイント計算をしてポイントデータを生成し、生成したポイントデータをカードリーダライタ101に送信する(ステップS208)。そして、カードセットメモリ等をメモリクリアし(ステップS209)、処理を終了する。
【0036】
図10は、POS端末102において子供キー116が押下された場合にPOS端末102とカードリーダライタ101とで実行される処理を示すフローチャートである。POS端末102は、子供キー116の押下を認識したら(ステップS221のY)、子供キー押下信号をカードリーダライタ101に送信する(ステップS222)。カードリーダライタ101は、POS端末102からの子供キー押下信号を受信したら(ステップS223のY)、RAM163のワークエリアを利用し、子供メモリを0から1に設定する。つまり、遅延指定を実行する。
【0037】
図11は、POS端末102において排出キー117が押下された場合にPOS端末102とカードリーダライタ101とで実行される処理を示すフローチャートである。POS端末102は、排出キー117の押下を認識したら(ステップS231のY)、排出キー押下信号をカードリーダライタ101に送信する(ステップS232)。カードリーダライタ101は、POS端末102からの排出キー押下信号を受信したら(ステップS233のY)、RAM163のワークエリアを利用し、排出メモリを0から1に設定する。つまり、排出指定を実行する。
【0038】
図12は、カードリーダライタ101での情報のリードライト動作を示すフローチャートである。カードリーダライタ101では、カードセンサ113でのカード検知を実行する(ステップS241)。その結果、カードセンサ113がリライトカードの検出信号を出力してCPU161がカード検知を判定すると(ステップS241のY)、カード搬送部114を用いたカードローディグ処理を実行してカード挿入口110に挿入されたポイントカードであるリライトカードを内部に引き込む(ステップS242)。そして、POS端末102に向けてカードセット信号を送信し(ステップS243)、ポイントデータの受信に待機する(ステップS244)。そして、ポイントデータの受信を判定したら(ステップS244のY)、リードライトヘッド115を駆動制御し、ポイントカードであるリライトカードに対するリードライト動作を実行する(ステップS245)。つまり、受信したポイントデータに基づいてポイントをポイントカードにライトする。その後、リードライト動作を完了したら、子供メモリが「1」になっているかどうかをもって、子供キー116が押下されたかどうかを判定する(ステップS246)。子供メモリが「1」になっていると判定した場合(ステップS246のY)、排出待ち時間10秒経過を待ち(ステップS247)、メモリクリアをし(ステップS248)、カード搬送部114を駆動制御してカード排出処理を実行する(ステップS249)。ステップS247での「10秒」という時間は、第1の実施の形態でも述べたように、子供キー116が押下された場合には、カードリーダライタ101においてリライトカードに対するライト動作が完了したとしても、10秒間はその排出を待ちなさい、ということを意味している。この様な事情からして、「10秒」というのは、ライト後のリライトカードの70度程度という温度が低下する時間を想定しているわけであるので、実情に合わせて、より短い時間としてもより長い時間としても良い。
【0039】
これに対して、ステップS247の処理で排出待ち時間10秒経過が判定されない場合であっても、排出メモリが「1」になっているかどうかをもって排出キー117が押下されたかどうかを判定し(ステップS250)、排出メモリが「1」になっていると判定した場合には(ステップS250のY)、排出待ち時間10秒の経過を待つことなく、メモリクリアをし(ステップS248)、カード搬送部114を駆動制御してカード排出処理を実行する(ステップS249)。つまり、排出指定が実行された場合には、カード排出命令の送信を遅らせる処理に優先してカードリーダライタ101に対してカード排出命令を送信するわけである。このような処理の実益としては、第1の実施の形態でも述べたように、例えば、顧客が子供と判断した場合に画一的に子供キー116を押下することをオペレータに許容する。その後、オペレータの判断で、子供とはいっても年齢が高そうな顧客や、あるいは屈強そうな男の子が顧客であるような場合には、排出キー117を押下することによって、排出待ち時間10秒という意外にも長い待ち時間の経過を省略することができるわけである。
【0040】
ここで、子供キー116及び排出キー117の押下タイミングについて説明する。POS端末102では、子供キー116の押下に伴い、時間を限ることなく、図10に示す子供キー押下信号の送信処理(ステップS222)を実行する。また、排出キー117の押下に伴い、時間を限ることなく、図11に示す排出キー押下信号の送信処理(ステップS232)を実行する。これに対して、カードリーダライタ101において図10に示す子供メモリの設定処理が実行されるのは、一例として、前の顧客の取引処理においてステップS249のカード排出処理を実行した後、現在応対中の顧客についてステップS245のライト動作が完了するまでである。したがって、カードリーダライタ101にリライトカードを挿入する操作に先立った子供キー116の押下が有効となる。また、カードリーダライタ101において図11に示す排出メモリの設定処理が実行されるのは、一例として、図10に示す処理で子供メモリが「1」に設定された後、ステップS247で排出待ち時間10秒経過が判定されるまでである。したがって、オペレータは、子供キー116を押下した後、カードリーダライタ101からリライトカードが排出されるまでの間、いつでも排出キー117を押下して直ちにリライトカードを排出させることができる。
【0041】
本発明の第3の実施の形態を図13及び図14に基づいて説明する。第2の実施の形態と同一部分は同一符号で示し、説明も省略する。本実施の形態では、子供キー116に相当する子供キー及び排出キー117に相当する排出キーが、カードリーダライタ101の操作部109に設けられている。この点が、第2の実施の形態との相違点である。以下、第3の実施の形態の処理内容を説明する。
【0042】
図13は、カードリーダライタ101において子供キーが押下された場合の処理を示すフローチャートである。カードリーダライタ101は、子供キーの押下を認識したら(ステップS251のY)、RAM163のワークエリアを利用し、子供メモリを0から1に設定する。つまり、遅延指定を実行する。
【0043】
図14は、カードリーダライタ101において排出キーが押下された場合の処理を示すフローチャートである。カードリーダライタ101は、排出キーの押下を認識したら(ステップS261のY)、RAM163のワークエリアを利用し、排出メモリを0から1に設定する。つまり、排出指定を実行する。
【0044】
その他の処理内容については、第2の実施の形態と相違する点はないため、説明を省略する。重要なことは、本実施の形態では、カードリーダライタ101での操作により、遅延指定と排出指定とを共に実行することができる点である。つまり、第2の実施の形態では、POS端末102からの遅延指定信号、排出指定信号の受信に応じてカードリーダライタ101での遅延指定、排出指定が実行されていたのに対して、本実施の形態では、操作部109での操作入力に応じてカードリーダライタ101での遅延指定、排出指定が実行される点である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1の実施の形態として、POS端末とカードリーダライトを示す斜視図である。
【図2】POS端末のキーボードを例示する平面図である。
【図3】POS端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】カードリーダライタのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】POS端末での商品販売データ処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】カードリーダライタでの情報のリードライト動作を示すフローチャートである。
【図7】POS端末において子供キーが押下された場合の処理を示すフローチャートである。
【図8】POS端末において排出キーが押下された場合の処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施の形態として、POS端末での商品販売データ処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】POS端末において子供キーが押下された場合にPOS端末とカードリーダライタとで実行される処理を示すフローチャートである。
【図11】POS端末において排出キーが押下された場合にPOS端末とカードリーダライタとで実行される処理を示すフローチャートである。
【図12】カードリーダライタでの情報のリードライト動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第3の実施の形態として、カードリーダライタにおいて子供キーが押下された場合の処理を示すフローチャートである。
【図14】カードリーダライタにおいて排出キーが押下された場合の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
101…カードリーダライタ、102…POS端末(商品販売データ処理装置)、114…カード搬送部
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードリーダライタが接続される例えばPOS端末等の商品販売データ処理装置及びカードリーダライタに関する。
【背景技術】
【0002】
リライトカードの普及に伴い、各種店舗において、リライトカードは、例えばポイントカードとして用いられる(特許文献1参照)。このようなリライトカードは、例えばサーマルプリンタヘッド等によって加える熱と空気冷却とによって情報を可視的に記録することが可能である。このようなリライトカードに対する情報の記録は、リライトカード用のカードリーダライタによって実現可能である。
【0003】
【特許文献1】特開平10−241021号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
情報記録後のリライトカードは例えば70度程度の高温になっている。このため、情報記録後のリライトカードをカードリーダライタから直ちに排出した場合、触ると熱い状態になっていることがある。このため、例えば幼児や子供など、指の皮膚が敏感な顧客に対しては、カードリーダライタから排出した直後のリライトカードを直ぐに渡すことは好ましくない。
【0005】
その反面、相手が大人であるならば、カードリーダライタから排出された直後のリライトカードを直ぐに渡したとしても、とりたてて問題になることはない。したがって、相手が大人であれば、業務の迅速化の観点から、カードリーダライタから排出された直後のリライトカードを直ぐに渡した方が好ましい。
【0006】
しかしながら、特に繁忙時などには、商品の購入に待機している顧客を速やかに処理したいというのが自然な要求である。しかも、このような気持ちは、金銭の授受やリライトカードの返却等が行われる接客の最終局面においてより一層沸き易い。このため、相手が幼児や子供などの場合であったとしても、カードリーダライタから排出された直後のリライトカードを直ぐに渡してしまいがちである。
【0007】
本発明の目的は、カードリーダライタから排出された直後のリライトカードであったとしても、顧客の種類を問わず、直ちに顧客に渡すことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、商品販売データ処理を実行する商品販売データ処理装置において、リライトカードに対して情報のリード及びライトを実行するカードリーダライタとの間で信号を送受信する手段と、リライトカードに対するライト完了後の前記カードリーダライタに対して、カード排出命令を送信する手段と、遅延指定を実行する手段と、前記遅延指定が実行された場合、リライトカードに対するライト完了後の前記カードリーダライタに対して、前記カード排出命令の送信を遅らせる処理を実行する手段と、を備える。
【0009】
本発明は、リライトカードに対して情報のリード及びライトを実行するカードリーダライタにおいて、リライトカードをリードライト位置まで引き込む動作と排出する動作とを行なうカード搬送部と、外部機器との間で信号を送受信する手段と、遅延指定を実行する手段と、前記遅延指定が実行された場合、リライトカードに対するライト完了後、前記カード搬送部を駆動制御して当該リライトカードの排出を遅らせる処理を実行する手段と、備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、予め遅延指定がなされていれば、カードリーダライタから排出された直後のリライトカードであったとしても、充分に冷めた状態にすることができ、したがって、顧客の種類を問わず、そのようなリライトカードを直ちに顧客に渡すことができる状態にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の第1の実施の形態を図1ないし図8に基づいて説明する。本実施の形態は、リライトカードをポイントカードとして用いる一例を示す。
【0012】
図1は、POS端末とカードリーダライトを示す斜視図である。カードリーダライタ101は、ポイントカードとなるリライトカードに対して情報のリードライトを実行する。このようなカードリーダライタ101は、POS端末102に接続されて使用される。したがって、POS端末102からの指示に基づいてカードリーダライタ101を動作させることができる。
【0013】
POS端末102は、ドロワ103の上に載置されており、ドロワ103の引出し104の開放動作を制御することができる。POS端末102の上面右側にはキーボード105とオペレータ用表示器106とが配列され、上面左側にはR/Jプリンタ107が配列されている。POS端末102の上面後方には、客用表示器108が立設されている。POS端末102における商品コードの入力は、キーボード105によって可能であり、その他、図示しないバーコードリーダによっても可能である。
【0014】
カードリーダライタ101は、その上面に操作部109を有している。正面にはリライトカードを挿入するためのカード挿入口110が配置されている。このようなカードリーダライタ101は、下ユニット111と上ユニット112とからなる上下二分割構造をなしており、上ユニット112に操作部109が設けられている。下ユニット111と上ユニット112とは、後方ヒンジ構造によって、カード挿入口110の箇所で開放自在であり、開放することによって例えばメンテナンスの容易化が図られる。また、カードリーダライタ101は、カード挿入口110にリライトカードが挿入されたことをカード挿入口110の近傍に配置されたカードセンサ113(図4参照)によって検知する。そして、カードリーダライタ101は、カードセンサ113によるカード検知に応じて挿入されたリライトカードを内部に引き込み、リードライト位置まで搬送し、リードライト後のリライトカードをカード挿入口110まで搬送して排出させるカード搬送部114(図4参照)を内蔵している。更に、リードライト位置には、リライトカードに対して情報のリードライトを実行するリードライトヘッド115(図4参照)が設けられている。
【0015】
図2は、POS端末102のキーボード105を例示する平面図である。キーボード105には、その右上に、リライトカードの排出を遅延させるための遅延キーとしての子供キー116と排出キー117とが割り当てられている。
【0016】
図3は、POS端末102のハードウェア構成を示すブロック図である。POS端末102は、各種演算処理を実行し各部を制御するCPU141を備えている。CPU141には、固定データを固定的に記憶保存するROM142と、可変データを書き換え自在に記憶してワークエリアとして使用されるRAM143と、HDD144とがバスライン145を介して接続されている。HDD144は、各種のプログラムを記憶する。これらのプログラムは、POS端末102の起動時、その全部又は一部がRAM143にコピーされる。CPU141は、RAM143にコピーされたプログラムに従った処理を実行する。
【0017】
前述したドロワ103、キーボード105、オペレータ用表示器106、RJプリンタ107、客用表示器108は、いずれも各種の入出力回路(全て図示せず)とバスライン145とを介してCPU141に接続され、CPU141によって動作制御される。
【0018】
POS端末102は、カードリーダライタ101との間で信号を送受信するためのインターフェース146と、POS端末102が設置される店舗に設けられる構内回線網(図示せず)等に接続するための通信インターフェース147とを備えており、これらのインターフェース146及び通信インターフェース147も、バスライン145を介してCPU141に接続されている。POS端末102は、インターフェース146を用いてカードリーダライタ101との間で信号を送受信するための通信用プログラムを例えばROM142に記憶保存している。
【0019】
図4は、カードリーダライタ101のハードウェア構成を示すブロック図である。カードリーダライタ101は、各種演算処理を実行し各部を制御するCPU161を備えている。CPU161には、固定データを固定的に記憶保存するROM162と、可変データを書き換え自在に記憶してワークエリアとして使用されるRAM163とがバスライン164を介して接続されている。一例として、カードリーダライタ101は、ROM142に各種のプログラムをファームウェアとして記憶保存している。
【0020】
前述した操作部109、カードセンサ113、カード搬送部114、リードライトヘッド115は、いずれも各種の入出力回路(全て図示せず)とバスライン164とを介してCPU161に接続され、CPU161によって動作制御される。
【0021】
カードリーダライタ101は、は、POS端末102との間で信号を送受信するためのインターフェース165を備えており、このインターフェース165も、バスライン164を介してCPU161に接続されている。カードリーダライタ101は、インターフェース165を用いて外部機器としてのPOS端末102との間で信号を送受信するための通信用プログラムを例えばROM162に記憶保存している。
【0022】
図5は、POS端末102での商品販売データ処理の一例を示すフローチャートである。まず、商品の登録業務においては、顧客が購入しようとする商品の商品コードを読み取るのに先立ち、ポイントカードの提示を求める。したがって、顧客がポイントカードの使用を望む場合には、ポイントカードであるリライトカードをカードリーダライタ101に挿入することから一取引の登録業務が始まる。
【0023】
カードリーダライタ101は、カードセンサ113によってカード検知をした場合(図6のステップS141のY)、カードセット信号をPOS端末102に送信する(図6のステップS143)ので、POS端末102では、カードセット信号の受信に待機している(ステップS101)。カードセット信号の受信を判定したら(ステップS101のY)、POS端末102のメモリ資源であるRAM143のワークエリアを利用し、カードセットメモリを0から1に設定する。このカードセットメモリの「1」は、後々の処理で、カードリーダライタ101との間で信号を送受信すべきことを規定している。
【0024】
POS端末102では、商品コードの読み取りがあれば(ステップS103のY)、RAM143のワークエリアを利用して仮登録処理を実行し(ステップS104)、預/現計キーの押下を判定したら(ステップS105のY)、カードセットメモリの状態判定(ステップS106)の後に登録処理を実行し(ステップS107)、一取引を終了する。この際、カードセットメモリが「1」であった場合、POS端末102は、取引に伴い生じたポイント計算をしてポイントデータを生成し、生成したポイントデータをカードリーダライタ101に送信する(ステップS108)。そして、カードリーダライタ101との間で一連の信号送受信処理を実行する。この信号送受信処理の理解は、カードリーダライタ101での処理内容の理解を前提とするため、ここで、図6を参照してカードリーダライタ101での処理を説明する。
【0025】
図6は、カードリーダライタ101での情報のリードライト動作を示すフローチャートである。カードリーダライタ101では、前述したように、カードセンサ113でのカード検知を実行する(ステップS141)。その結果、カードセンサ113がリライトカードの検出信号を出力してCPU161がカード検知を判定すると(ステップS141のY)、カード搬送部114を用いたカードローディグ処理を実行してカード挿入口110に挿入されたポイントカードであるリライトカードを内部に引き込む(ステップS142)。そして、POS端末102に向けてカードセット信号を送信し(ステップS143)、ポイントデータの受信に待機する(ステップS144)。そして、ポイントデータの受信を判定したら(ステップS144のY)、リードライトヘッド115を駆動制御し、ポイントカードであるリライトカードに対するリードライト動作を実行する(ステップS145)。つまり、受信したポイントデータに基づいてポイントをポイントカードにライトする。その後、リードライト動作を完了したら、POS端末102に向けてライト完了信号を送信する(ステップS146)。そして、POS端末102からのカード排出命令の受信に待機し(ステップS147)、カード排出命令を受信したら(ステップS147のY)、カード搬送部114を駆動制御してカード排出処理を実行する(ステップS148)。
【0026】
図7は、POS端末102において子供キー116が押下された場合の処理を示すフローチャートである。POS端末102は、子供キー116の押下を認識したら(ステップS121のY)、RAM143のワークエリアを利用し、子供メモリを0から1に設定する。つまり、遅延指定を実行する。
【0027】
図8は、POS端末102において排出キー117が押下された場合の処理を示すフローチャートである。POS端末102は、排出キー117の押下を認識したら(ステップS131のY)、RAM143のワークエリアを利用し、排出メモリを0から1に設定する。つまり、排出指定を実行する。
【0028】
ここで、POS端末102において実行される図5のフローチャートの説明に戻る。POS端末102は、生成したポイントデータをカードリーダライタ101に送信した後、カードリーダライタ101からのライト完了信号(図6のステップS146)の受信に待機する(ステップS109)。そこで、ライト完了信号の受信を判定したら(ステップS109のY)、子供メモリが「1」になっているかどうかをもって、子供キー116が押下されたかどうかを判定する(ステップS110)。子供メモリが「1」になっていると判定した場合(ステップS110のY)、排出待ち時間10秒経過を待ち(ステップS111)、カード排出命令をカードリーダライタ101に送信する(ステップS112)。カードリーダライタ101では、カード排出命令の受信をもってカード排出処理を実行することは、前述したとおりである(図6のステップS147、ステップS148)。したがって、ステップS111での「10秒」という時間は、子供キー116が押下された場合には、カードリーダライタ101においてリライトカードに対するライト動作が完了したとしても、10秒間はその排出を待ちなさい、ということを意味している。この様な事情からして、「10秒」というのは、ライト後のリライトカードの70度程度という温度が低下する時間を想定しているわけであるので、実情に合わせて、より短い時間としてもより長い時間としても良い。
【0029】
このように、本実施の形態によれば、予め子供キー116が押下なされていれば、カードリーダライタから排出された直後のリライトカードであったとしても、充分に冷めた状態にすることができる。したがって、顧客の種類を問わず、排出直後のリライトカードを直ちに顧客に渡すことができる状態にすることができる。
【0030】
これに対して、ステップS111の処理で排出待ち時間10秒経過が判定されない場合であっても、排出メモリが「1」になっているかどうかをもって排出キー117が押下されたかどうかを判定し(ステップS113)、排出メモリが「1」になっていると判定した場合には(ステップS113のY)、排出待ち時間10秒の経過を待つことなくカード排出命令をカードリーダライタ101に送信する(ステップS112)。つまり、排出指定が実行された場合には、カード排出命令の送信を遅らせる処理に優先してカードリーダライタ101に対してカード排出命令を送信するわけである。このような処理の実益としては、例えば、顧客が子供と判断した場合に画一的に子供キー116を押下することをオペレータに許容する。その後、オペレータの判断で、子供とはいっても年齢が高そうな顧客や、あるいは屈強そうな男の子が顧客であるような場合には、排出キー117を押下することによって、排出待ち時間10秒という意外にも長い待ち時間の経過を省略することができるわけである。
【0031】
ここで、子供キー116及び排出キー117の押下タイミングについて説明する。子供キー116の押下に伴い図7に示す子供メモリの設定処理が実行されるのは、一例として、前の顧客の取引処理においてステップS114のメモリクリア処理を実行した後、現在応対中の顧客についてステップS109でライト完了信号の受信を判定するまでである。したがって、カードリーダライタ101にリライトカードを挿入する操作に先立った子供キー116の押下が有効となる。また、排出キー117の押下に伴い図8に示す排出メモリの設定処理が実行されるのは、一例として、図7に示す処理で子供メモリが「1」に設定された後、ステップS111で排出待ち時間10秒経過が判定されるまでである。したがって、オペレータは、子供キー116を押下した後、カードリーダライタ101からリライトカードが排出されるまでの間、いつでも排出キー117を押下して直ちにリライトカードを排出させることができる。
【0032】
カード排出命令をカードリーダライタ101に送信したPOS端末102では、カードセットメモリ、子供メモリ、排出メモリ等をメモリクリアし(ステップS114)、処理を終了する。
【0033】
本発明の第2の実施の形態を図9ないし図12に基づいて説明する。第1の実施の形態と同一部分は同一符号で示し、説明も省略する。第2の実施の形態が第1の実施の形態と相違するのは、主に、子供キー116が押下された場合にリライトカードの排出を遅らせる処理を、POS端末102ではなしにカードリーダライタ101で実行する点である。以下、第2の実施の形態の処理内容を説明する。
【0034】
図9は、POS端末102での商品販売データ処理の一例を示すフローチャートである。POS端末102では、カードセット信号の受信に待機している(ステップS201)。カードセット信号の受信を判定したら(ステップS201のY)、POS端末102のメモリ資源であるRAM143のワークエリアを利用し、カードセットメモリを0から1に設定する。このカードセットメモリの「1」は、後々の処理で、カードリーダライタ101との間で信号を送受信すべきことを規定している。
【0035】
POS端末102では、商品コードの読み取りがあれば(ステップS203のY)、RAM143のワークエリアを利用して仮登録処理を実行し(ステップS204)、預/現計キーの押下を判定したら(ステップS205のY)、カードセットメモリの状態判定(ステップS206)の後に登録処理を実行し(ステップS207)、一取引を終了する。この際、カードセットメモリが「1」であった場合、POS端末102は、取引に伴い生じたポイント計算をしてポイントデータを生成し、生成したポイントデータをカードリーダライタ101に送信する(ステップS208)。そして、カードセットメモリ等をメモリクリアし(ステップS209)、処理を終了する。
【0036】
図10は、POS端末102において子供キー116が押下された場合にPOS端末102とカードリーダライタ101とで実行される処理を示すフローチャートである。POS端末102は、子供キー116の押下を認識したら(ステップS221のY)、子供キー押下信号をカードリーダライタ101に送信する(ステップS222)。カードリーダライタ101は、POS端末102からの子供キー押下信号を受信したら(ステップS223のY)、RAM163のワークエリアを利用し、子供メモリを0から1に設定する。つまり、遅延指定を実行する。
【0037】
図11は、POS端末102において排出キー117が押下された場合にPOS端末102とカードリーダライタ101とで実行される処理を示すフローチャートである。POS端末102は、排出キー117の押下を認識したら(ステップS231のY)、排出キー押下信号をカードリーダライタ101に送信する(ステップS232)。カードリーダライタ101は、POS端末102からの排出キー押下信号を受信したら(ステップS233のY)、RAM163のワークエリアを利用し、排出メモリを0から1に設定する。つまり、排出指定を実行する。
【0038】
図12は、カードリーダライタ101での情報のリードライト動作を示すフローチャートである。カードリーダライタ101では、カードセンサ113でのカード検知を実行する(ステップS241)。その結果、カードセンサ113がリライトカードの検出信号を出力してCPU161がカード検知を判定すると(ステップS241のY)、カード搬送部114を用いたカードローディグ処理を実行してカード挿入口110に挿入されたポイントカードであるリライトカードを内部に引き込む(ステップS242)。そして、POS端末102に向けてカードセット信号を送信し(ステップS243)、ポイントデータの受信に待機する(ステップS244)。そして、ポイントデータの受信を判定したら(ステップS244のY)、リードライトヘッド115を駆動制御し、ポイントカードであるリライトカードに対するリードライト動作を実行する(ステップS245)。つまり、受信したポイントデータに基づいてポイントをポイントカードにライトする。その後、リードライト動作を完了したら、子供メモリが「1」になっているかどうかをもって、子供キー116が押下されたかどうかを判定する(ステップS246)。子供メモリが「1」になっていると判定した場合(ステップS246のY)、排出待ち時間10秒経過を待ち(ステップS247)、メモリクリアをし(ステップS248)、カード搬送部114を駆動制御してカード排出処理を実行する(ステップS249)。ステップS247での「10秒」という時間は、第1の実施の形態でも述べたように、子供キー116が押下された場合には、カードリーダライタ101においてリライトカードに対するライト動作が完了したとしても、10秒間はその排出を待ちなさい、ということを意味している。この様な事情からして、「10秒」というのは、ライト後のリライトカードの70度程度という温度が低下する時間を想定しているわけであるので、実情に合わせて、より短い時間としてもより長い時間としても良い。
【0039】
これに対して、ステップS247の処理で排出待ち時間10秒経過が判定されない場合であっても、排出メモリが「1」になっているかどうかをもって排出キー117が押下されたかどうかを判定し(ステップS250)、排出メモリが「1」になっていると判定した場合には(ステップS250のY)、排出待ち時間10秒の経過を待つことなく、メモリクリアをし(ステップS248)、カード搬送部114を駆動制御してカード排出処理を実行する(ステップS249)。つまり、排出指定が実行された場合には、カード排出命令の送信を遅らせる処理に優先してカードリーダライタ101に対してカード排出命令を送信するわけである。このような処理の実益としては、第1の実施の形態でも述べたように、例えば、顧客が子供と判断した場合に画一的に子供キー116を押下することをオペレータに許容する。その後、オペレータの判断で、子供とはいっても年齢が高そうな顧客や、あるいは屈強そうな男の子が顧客であるような場合には、排出キー117を押下することによって、排出待ち時間10秒という意外にも長い待ち時間の経過を省略することができるわけである。
【0040】
ここで、子供キー116及び排出キー117の押下タイミングについて説明する。POS端末102では、子供キー116の押下に伴い、時間を限ることなく、図10に示す子供キー押下信号の送信処理(ステップS222)を実行する。また、排出キー117の押下に伴い、時間を限ることなく、図11に示す排出キー押下信号の送信処理(ステップS232)を実行する。これに対して、カードリーダライタ101において図10に示す子供メモリの設定処理が実行されるのは、一例として、前の顧客の取引処理においてステップS249のカード排出処理を実行した後、現在応対中の顧客についてステップS245のライト動作が完了するまでである。したがって、カードリーダライタ101にリライトカードを挿入する操作に先立った子供キー116の押下が有効となる。また、カードリーダライタ101において図11に示す排出メモリの設定処理が実行されるのは、一例として、図10に示す処理で子供メモリが「1」に設定された後、ステップS247で排出待ち時間10秒経過が判定されるまでである。したがって、オペレータは、子供キー116を押下した後、カードリーダライタ101からリライトカードが排出されるまでの間、いつでも排出キー117を押下して直ちにリライトカードを排出させることができる。
【0041】
本発明の第3の実施の形態を図13及び図14に基づいて説明する。第2の実施の形態と同一部分は同一符号で示し、説明も省略する。本実施の形態では、子供キー116に相当する子供キー及び排出キー117に相当する排出キーが、カードリーダライタ101の操作部109に設けられている。この点が、第2の実施の形態との相違点である。以下、第3の実施の形態の処理内容を説明する。
【0042】
図13は、カードリーダライタ101において子供キーが押下された場合の処理を示すフローチャートである。カードリーダライタ101は、子供キーの押下を認識したら(ステップS251のY)、RAM163のワークエリアを利用し、子供メモリを0から1に設定する。つまり、遅延指定を実行する。
【0043】
図14は、カードリーダライタ101において排出キーが押下された場合の処理を示すフローチャートである。カードリーダライタ101は、排出キーの押下を認識したら(ステップS261のY)、RAM163のワークエリアを利用し、排出メモリを0から1に設定する。つまり、排出指定を実行する。
【0044】
その他の処理内容については、第2の実施の形態と相違する点はないため、説明を省略する。重要なことは、本実施の形態では、カードリーダライタ101での操作により、遅延指定と排出指定とを共に実行することができる点である。つまり、第2の実施の形態では、POS端末102からの遅延指定信号、排出指定信号の受信に応じてカードリーダライタ101での遅延指定、排出指定が実行されていたのに対して、本実施の形態では、操作部109での操作入力に応じてカードリーダライタ101での遅延指定、排出指定が実行される点である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1の実施の形態として、POS端末とカードリーダライトを示す斜視図である。
【図2】POS端末のキーボードを例示する平面図である。
【図3】POS端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】カードリーダライタのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】POS端末での商品販売データ処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】カードリーダライタでの情報のリードライト動作を示すフローチャートである。
【図7】POS端末において子供キーが押下された場合の処理を示すフローチャートである。
【図8】POS端末において排出キーが押下された場合の処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施の形態として、POS端末での商品販売データ処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】POS端末において子供キーが押下された場合にPOS端末とカードリーダライタとで実行される処理を示すフローチャートである。
【図11】POS端末において排出キーが押下された場合にPOS端末とカードリーダライタとで実行される処理を示すフローチャートである。
【図12】カードリーダライタでの情報のリードライト動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第3の実施の形態として、カードリーダライタにおいて子供キーが押下された場合の処理を示すフローチャートである。
【図14】カードリーダライタにおいて排出キーが押下された場合の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
101…カードリーダライタ、102…POS端末(商品販売データ処理装置)、114…カード搬送部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品販売データ処理を実行する商品販売データ処理装置において、
リライトカードに対して情報のリード及びライトを実行するカードリーダライタとの間で信号を送受信する手段と、
リライトカードに対するライト完了後の前記カードリーダライタに対して、カード排出命令を送信する手段と、
遅延指定を実行する手段と、
前記遅延指定が実行された場合、リライトカードに対するライト完了後の前記カードリーダライタに対して、前記カード排出命令の送信を遅らせる処理を実行する手段と、
を備えることを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
排出指定を実行する手段と、
前記排出指定が実行された場合、前記カード排出命令の送信を遅らせる処理に優先して前記カードリーダライタに対してカード排出命令を送信する手段と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
リライトカードに対して情報のリード及びライトを実行するカードリーダライタにおいて、
リライトカードをリードライト位置まで引き込む動作と排出する動作とを行なうカード搬送部と、
外部機器との間で信号を送受信する手段と、
遅延指定を実行する手段と、
前記遅延指定が実行された場合、リライトカードに対するライト完了後、前記カード搬送部を駆動制御して当該リライトカードの排出を遅らせる処理を実行する手段と、
を備えることを特徴とするカードリーダライタ。
【請求項4】
排出指定を実行する手段と、
前記排出指定が実行された場合、前記カードの排出を遅らせる処理に優先して前記カード搬送部にリライトカードの排出動作を実行させる手段と、
を備えることを特徴とする請求項5記載のカードリーダライタ。
【請求項1】
商品販売データ処理を実行する商品販売データ処理装置において、
リライトカードに対して情報のリード及びライトを実行するカードリーダライタとの間で信号を送受信する手段と、
リライトカードに対するライト完了後の前記カードリーダライタに対して、カード排出命令を送信する手段と、
遅延指定を実行する手段と、
前記遅延指定が実行された場合、リライトカードに対するライト完了後の前記カードリーダライタに対して、前記カード排出命令の送信を遅らせる処理を実行する手段と、
を備えることを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
排出指定を実行する手段と、
前記排出指定が実行された場合、前記カード排出命令の送信を遅らせる処理に優先して前記カードリーダライタに対してカード排出命令を送信する手段と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
リライトカードに対して情報のリード及びライトを実行するカードリーダライタにおいて、
リライトカードをリードライト位置まで引き込む動作と排出する動作とを行なうカード搬送部と、
外部機器との間で信号を送受信する手段と、
遅延指定を実行する手段と、
前記遅延指定が実行された場合、リライトカードに対するライト完了後、前記カード搬送部を駆動制御して当該リライトカードの排出を遅らせる処理を実行する手段と、
を備えることを特徴とするカードリーダライタ。
【請求項4】
排出指定を実行する手段と、
前記排出指定が実行された場合、前記カードの排出を遅らせる処理に優先して前記カード搬送部にリライトカードの排出動作を実行させる手段と、
を備えることを特徴とする請求項5記載のカードリーダライタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−52468(P2007−52468A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−235027(P2005−235027)
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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