説明

商用車の視界を視覚的に描くための表示装置

【課題】車両の運転者に周囲の状況を適切に見せる。
【解決手段】少なくとも1台の表示ユニット110を含み、商用車の運転室に商用車の法律で定められた視界を視覚的に描写するための表示装置100であって、この表示装置100は、法律で定められた恒久的に表示されるべき少なくとも2つの視界を車両の運転中に運転室の表示ユニット110に恒久的に実時間で表示するようになっており、少なくとも2つの視界は、共通の画像で表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商用車の視界をこの商用車の運転室内で視覚的に描くための表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車において、「視界」は、例えばオートバイや、人々を運ぶための自動車や、荷物を運ぶための自動車などの如き自動車の種類に応じて法的に定められて(法律により要求されて)いる。この視界は、1つ以上の「間接的に見るための器具」によって与えられなければならず、これは伝統的に反射鏡であり、この視界は、間接的に見るための器具を用いる運転席に着座した運転者によって視認可能または観測可能でなければならない。車両の種類および特に運転者が直接見ることができる車両の周囲の領域に応じた様々な法規は、特定の視界を間接視用の器具を用いて常時見ることができることを車両の種類に応じて要求している。
【0003】
従って、例えばトラックや配送車両の如き商用車のため、例えば主反射鏡が間接視のための器具として運転者側および同乗者側のそれぞれに一般的に配されている。主反射鏡を用い、車両の運転者は、地平線および車両運転者の視点の背後の規定距離から地平線まで延在する所定幅の路面の水平な部分を見ることができる。加えて、運転者の視点の背後の至近距離にて始まるより狭い幅の領域がこの反射鏡を用いる車両の運転者によって視認可能または観測可能でなければならない。主反射鏡を用いて見ることができ、かつ常に視認可能または観測可能であることが法的に要求される車両の近傍の領域は、「主反射鏡の視界」として以下に示されよう。
【0004】
これら2つの主反射鏡に加え、広角反射鏡によりもたらされる視界が商用車の両側に捉えられることを要求されている。運転者の視点の背後のそれぞれの領域は、車両の長手方向に規定された長さの広角反射鏡を用いて観測される。この領域は、運転者により主反射鏡を用いて観測できる領域よりも広いけれども、これは車両の側面に沿った所定の(より短い)長さだけ延在する。
【0005】
必要とされる視界を満たすか、または与えるために適用可能な法律規定に従うと、商用車は、直近反射鏡をさらに必要とする。この直近反射鏡を用いると、運転者は運転室のすぐそばの前方領域と運転室の直近領域とに位置する領域を視認可能または観測可能である。最後に、少なくともいくつかの種類の商用車に対し、1つの追加視界が、例えば前反射鏡によって与えられることを要求される。この追加の(例えば前)反射鏡を用いると、商用車の前方の商用車の同乗者側の端部を越えた商用車の横方向に延在する領域を運転者は直接見ることができる。
【0006】
しかしながら、間接視のためのこれら法律で定められた反射鏡および/または器具にも拘らず、事故と背中合わせの商用車の周囲の領域を常時完全かつ充分に注意し続けることは、車両運転者にとってほとんど不可能および/または著しく困難である。さらに、複数の反射鏡のため、これらの反射鏡のすべてをほぼ同時に見続ける車両運転者に対する負担が増大する。さらに、反射鏡を用いて与えられる視界のため、反射鏡は結果として走行中の車両の周囲の円滑な空気の流れを乱し、車両抵抗が増大し、従って燃料消費量が増大するようになる。
【0007】
表示装置が特許文献1(本件出願の優先日に関して公開後の従来技術)から知られている。少なくとも第1および第2の監視器具を有する車両の周囲を監視するための装置がここに記述されている。これら監視器具は、制御装置に表示信号を出力する。制御装置と結合された表示装置は、監視器具からの表示信号を分割スクリーンモードにて少なくとも2つの部分に分けて描くことができる。この制御装置は、走行状態信号線と結合され、これが監視器具からの少なくとも2つの表示信号をもたらし、分割スクリーンモードで車両の走行状態に従って表示装置に表示されるようになっている。
【0008】
さらに、表示装置が特許文献2から知られている。自動車および/または自動車トレーラーの後部の少なくとも1台のカメラから自動車、特にトラックの少なくとも1台の表示ユニットまでビデオ信号を伝送するため、カメラから出力されるビデオ信号は、デジタル化されて符号化され、同時に実時間でデータ圧縮が行われ、次いでこれらの符号化されたビデオ信号が電源電圧システムに印加され、この電源電圧システムを介して伝送される。この電源電圧システムを介して伝送されるビデオ信号は、電源電圧システムからのノイズが続いて除去され、復号および/または復元されると共に画像のレンダリングのために表示ユニットに与えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】WO2011/061238A1
【特許文献2】DE102006020511A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、法律で定められた商用車の視界を視覚的に描き、車両運転者が明確に配された状態の視界を簡単な方法で監視することができ、しかも走行中の車両の周囲の空気流の影響を最小にする表示装置を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、請求項1の特徴を有する表示装置にて達成される。好ましい実施形態が従属請求項に与えられている。
【0012】
本表示装置の根底にある概念は、法律で定められた視界の少なくとも一部に関し、法律で定められた車両の視界を間接的に見るための常套手段としての反射鏡の代わりに、走行中に恒久的に視認可能または観測可能なように、車室内に配された少なくとも1台の表示ユニットに恒久的に表示することができる表示装置を提供することにある。ここで、「恒久的に」という用語は、本表示装置を用いた視界の表示が他の入力によって(時間的に)中断されないことを意味し、運転者は表示ユニットへの一瞥にて法律で定められた視界を見ることができるようになっている。けれども、「恒久的に」はまた、法律で定められた視界の表示が、商用車の少なくとも運転中は連続的にもたらされることを意味するようにも意図している。この「恒久的に」という用語はまた、車両の点火(すなわちエンジンは動いているが車両は走行していない)状態および/または、例えば車両内および/または車両の近傍に配されたキー装置の検出により車両に運転者が乗っている(けれどもエンジンがまだ動いていない)という状態を包含するようにも広げられる。
【0013】
少なくとも2つの法律で定められた視界が運転室内の共通の画像で表示されるため、改善された人間工学の点で、車室の外側に配された複数の表示ユニット(すなわち反射鏡)の代わりに、運転者は少なくとも2つの視界を共通の画像で表示する単一の表示ユニットを観測することができ、そのため表示された少なくとも2つの視界で起きていることの全体像を維持することが運転者にとってより容易となる。
【0014】
例えば、スクリーンおよび/またはディスプレイを表示ユニットとして与えることができるが、これらは排他的ではない。代わりに、本教示による表示ユニットはまた、車両の内部コンソール部(例えば計器盤)または同種のものに対する1つ以上の投写も包含する。
【0015】
乗用車とは対照的に、商用車の運転者は複数の非直接的に見える視界の全体像を同時に維持しなければならない。加えて、商用車の周囲を運転者が直接見ることは、乗用車と比較して実質的に制限される。従って、共通の表示ユニットに複数の視界を共通の画像で表示することは、希望するのであれば、商用車を取り囲むより大きな領域が運転室の単一の場所にて単一のディスプレイで描かれるため、商用車の運転者にとって特に役立つ。さらにまた、これによって車両の外に普通に装着される1つ以上の反射鏡を省略することができる。結果として、(省いた)反射鏡が直視を妨げないので、運転者のための直視が改善され、車両の周囲の気流にもまた、それほど妨害または影響を与えず、燃費に対して好ましい効果を有することができる。
【0016】
さらに、本教示の少なくとも1つの実施形態による表示装置は、恒久的に表示される視界の画像に補足的情報を同時に重ねることができるという利点を与える。例えば、商用車の主反射鏡および同じ側にある広角反射鏡の視界の共通画像において、このような補足的情報が例えばトレーラーの後端であってよい。このような一実施形態において、描写される法律で定められた視界によってもたらされる視覚的情報に加え、車両運転者はこの補足的(例えば車両の位置)情報から、画像内での彼/彼女の車両位置に関する情報を同時に得ることができる。
【0017】
本教示による商用車の法律で定められた視界を視覚的に描写するための表示装置は、商用車の法律で定められた視界のすべてか、またはその選択した部分のみのために利用されることができる。特に、例えば運転者と反対側にある商用車の同乗者側の主および広角反射鏡を本表示装置と置き換えることが可能であるのに対し、他の反射鏡、例えば運転者側の主および広角反射鏡を維持することができる。代わりに、これまで反射鏡として具体化された間接視のための器具のいくつかまたはすべてをこの表示装置と置き換えることができる。
【0018】
商用車の同じ側にある主反射鏡および広角反射鏡の視界か、あるいはさらに好ましい実施形態によると、隣接する視界の任意の別な組み合わせを共通の画像で表示することが特に好ましく、相互に隣接および相互に移行および/または重なり合って描かれる。これは、商用車の周囲の連続した描写が、例えば運転者および反対の車両の両側を単一の画像でできることを意味する。これは運転者が法律で定められた視界を把握することに関して特に有利であり、従って道路交通での安全性を全体的に改善する。代わりに、複数の視界を分割スクリーンモードで描くことができ、これは運転者が2つ以上の異なる利用可能な表示画像を有する、例えば共通の表示ユニットの1つの分割スクリーンの視界のそれぞれを見ることを意味する。
【0019】
車両の同じ側面の主反射鏡および広角反射鏡の視界は、共通の画像取り込みユニットか、または複数の異なる画像取り込みユニットの何れかにより、取り込まれるか、検知されるか、記憶されるか、あるいは検出されることができる。共通の(単一)画像取り込みユニットが与えられた場合、この場合には高解像度センサーおよびパナモーフ(panamorph)レンズを用いることができる。パナモーフレンズは、異なる画像領域に対して異なる解像度を実現またはもたらすことができるレンズである。
【0020】
より好ましくは、表示装置の表示ユニットに対する視覚的描写は、右主反射鏡および/または右広角反射鏡の視界と同様に、左主反射鏡および/または左広角反射鏡の視界を含む。従って、表示ユニットに対し、左主反射鏡および/または左広角反射鏡の視界を視覚的に左に描写すると共にこの表示ユニットに対し、右主反射鏡および/または右広角反射鏡の視界を視覚的に右に描写することが特に好ましい。これは、運転者にとって表示ユニットでの向きを単純化し、その理由は運転者が車両前方を見ている場合、これが車両の周囲の状態の向きに対応しているからである。主反射鏡または広角反射鏡の視界の上下(垂直)方向の向きは、運転者を基準としてさらに前方に位置する領域が画像のさらに上方に描かれ、かつ運転者を基準としてさらに後方に位置する領域が、画像のさらに下方に描かれるように好ましくは配置される。
【0021】
この明細書で用いたように、「前方」,「後方」,「左」および「右」の方向は、商用車の前進方向をそれぞれ基準としている。
【0022】
上述した実施形態の代わり、またはそれに加え、表示装置は、共通の画像中に直近反射鏡および/または前反射鏡の視界を示すようにすることができる。主反射鏡および広角反射鏡の視界の共通の画像と同様に、特にこれらの反射鏡からの情報が相互に隣接および/または重なり合った状態で表示ユニットに表示される場合、表示ユニットの向きを車両運転者のために単純化することができる。従って、運転者は視界の領域内の交通状況に関する情報をより簡単に得ることができる。
【0023】
直近反射鏡および/または前反射鏡の視界が1つ以上の主反射鏡および/または広角反射鏡の視界に加えて描かれる場合、直近反射鏡および/または前反射鏡の視界を表示ユニットの左右方向に関して中央に視覚的に描写すると共に、主反射鏡および広角反射鏡の視界を直近反射鏡および/または前反射鏡の視界のそれぞれ左右に配置することが好ましい。直近反射鏡および/または前反射鏡の視界を主反射鏡および/または広角反射鏡の視界よりも表示ユニットのさらに上方に視覚的に描写することがさらに好ましい。このような構成は、この画像展望の構成が商用車の周囲を眺めた領域の自然な位置に対応するので、表示ユニットの画像の向きを運転者のための単純化することを可能にする。特に、描かれる視界をこれらが商用車の周囲のそれらの位置に対応して表示ユニットに配置し、すなわち前領域の画像の中身を上方に、側方領域の画像の中身をそれぞれの側に、そして後部領域からの追加の視覚的情報を描くのであれば、これを下方に描写することが有利である。
【0024】
好ましくは、表示装置は、鳥瞰立体視または鳥瞰視(すなわち車両の上から)の視界を示すようになっている。これによって、描かれる視界のゆがみが可能な限り回避される。加えて、この画像はそれが可能な場合(すなわち、視野角が商用車の一部により妨げられない場合)、運転室の外を対応した自然な直視で運転者が見ることができる画像に対応する。運転者の車室が路面に対して相当高いので、従って鳥瞰視は賢明である。
【0025】
画像取り込みユニットによって取り込まれた画像、例えばカメラまたは他のイメージセンサーによって取り込まれた画像を例えば適切に変換して表示することにより、鳥瞰視での表示を達成することができる。
【0026】
視界が表示ユニットに対して同じ位置かつ同じ大きさで恒久的に描かれる場合、運転者は彼/彼女が表示ユニットのどの領域を見ているのかを迅速に理解することがより容易である。これは、走行状態または他の外的影響を受けることなく、この視界が常にスクリーンの同じ位置に同じ大きさで描かれることを意味する。
【0027】
代わりに、視界を表示ユニットに対しさまざまな方法で、例えばそれらの大きさまたは位置に関し、例えば走行状況または状態に応じて視覚的に描写することが可能である。しかしながら、法律で定められた視界が描かれて常時視認できる(観測できる)ことを保証されなくてはならない。例えば、視界の視覚的描写を走行速度に応じて適合または修正することが可能であり、低速走行(例えば30km/h)の場合には、車両の前領域からの情報の視覚の描写が拡大されると共に後部領域からの情報の視覚の描写がより小さくなるのに対し、より高速走行、すなわち、例えば>50km/hの場合には、前領域の視覚の描写が縮小されると共に後方に向けた視覚の描写が拡大されるようになっている。最後に、後進走行時には、対象を同乗者側の周囲の情報の描写にすることができる。
【0028】
好ましい一実施形態において、この表示装置は、法律で定められた視界に加え、追加の視野を表示ユニットにさらに視覚的に描写するようになっている。このような一実施形態において、表示ユニットに対して内容の動的、すなわち変化する描写が特に好ましい。このような追加の視野は、法律で定められた視界の外側に位置する領域を含むことができる。このような追加の視野は、例えば法律で定められた視界の外側にある商用車の前領域からの情報および/または例えば1台以上の追加の後進走行(後方視)カメラによって取り込まれる商用車の後部領域からの情報を含むことができる。このような一実施形態において、画像の内容を動的に描く場合、前方に拡がった眺めを低速走行中に表示ユニットに示すことが特に有用である。すなわち、低速走行中の場合、商用車の前領域からの情報を示す追加の視野を描くことができるけれども、後部領域の地平線まで拡がる情報を省略することができる。他方、より高速で走行する場合、後部領域における視野からの補足的情報を法律で定められた視界に加えて同時に描くことができる。例えば、1台以上の後方視カメラおよび/または後部領域の画像取り込みユニットにより取り込まれる情報を主反射鏡および広角反射鏡の視界からの情報と共に表示することができる。
【0029】
従って、車両後方の領域における視野からの情報が主反射鏡および広角反射鏡からの視界と少なくとも部分的に重なり合うおよび/または混ざり合うように、情報が表示ユニットに好ましくは描かれる。この場合、前進高速走行時、例えば追い越し操作中に、法律で定められた視界ではなくて追加で描かれる視野内に位置する車両を車両周囲の側方の画像表示で認識可能である。この追加の視覚情報は、走行安全性をさらに増大させる。
【0030】
最後に、後進走行時における後部領域の視野からの画像情報を同乗者側の全体と同様に、より大きく描くことができ、すなわち同乗者側の主反射鏡および広角反射鏡の視界を描写することができる。両方の画像は、地平線までそれぞれ達することができ、運転者もまた、後進走行中に良好な方向付けを持つようになっている。この目的のため、少なくとも1台の後進走行(後方視)カメラが商用車の後部領域からの情報を取り込むために好ましくは設けられる。
【0031】
さらに、必要性および/または表示ユニットに対するそれらの位置に関して異なるか、または変更する場合にのみ、法律で定められた視界に加えて視覚的に描かれる追加の視野を視覚的に描写することが可能である。例えば、低速および/または高速前進走行速度では、補足的情報を商用車の後部領域に関して表示ユニットの中央に相対的により小さな大きさで描くことができる。他方、後進走行中には、後部領域からの情報が中央領域のみを占めるだけではなく、車両後部領域からの画像の拡大された描写のため、これは画像の側方領域へと突出することができる。
【0032】
後部領域からの情報は、車両により近い領域が画像のさらに下側に位置すると共に車両からより遠い領域が画像のさらに上側に描かれ、すなわち運転者がリヤウィンドウの外を見ていることを認識するように好ましくは描かれる。
【0033】
他の好ましい実施形態において、補足的情報を追加の視野の描写と同様に、法律で定められた視界の描写の画像に重ね合わせることが可能である。例えば、位置情報はその基準として車両を利用する情報であって、対応する画像に重ね合わせることができる。例えば、ある方角での車両までの距離、例えば後方に向けたトレーラーの端縁からの離隔距離を対応する画像に重ね合わせることができる。商用車の後方のトレーラーの後端縁を対応する画像に示すこともまた、可能である。商用車のトレーラーの後端縁の描写は、特に追い越し操作中の交通安全を少なからず増大する。このような走行状態において、運転者は車両の周囲を常時見ることができ、追い越された車両が後方のトレーラーの後端縁の前方または後方に位置することを画像で明確に認識可能であるので、彼/彼女が追い越し操作後に再び非追い越し車線へと戻ることができる時期を認識することができる。いわゆる重畳機能を利用する場合、商用車の位置を特に良好に認識することができる。単一の視界のみをそれぞれの画像で表示装置を用いて個々に表示することもまた、この実施形態のための1つの選択肢である。例えば、表示ユニットへのこのような補足的情報の重ね合わせもまた、主反射鏡の視界専用の描写または広角反射鏡の視界専用の描写のために可能である。
【0034】
この表示装置は、これが描写される視界の数に関係なく、単一の表示ユニットを有するように設計されることができる。例えば、置き換えられた(省略された)すべての反射鏡、例えば前反射鏡および直近反射鏡と同様に、運転者側および同乗者側の両方の主反射鏡および広角反射鏡によって通常与えられる視覚情報は、例えば単一の表示ユニット、例えば運転室の計器盤に配されたスクリーンを用いて表示されることができる。補足的情報または補足的視野からの情報もまた、この単一の画像に重ね合わせることができる。
【0035】
代わりに、相互に切り離され、必要に応じて車両の異なる場所に配することができる複数の表示ユニットを与えることが可能である。例えば、車両の両側の主反射鏡および広角反射鏡を置き換えた場合、その場合には左主反射鏡の視界および左広角反射鏡の視界用と、右広角反射鏡の視界および右主角反射鏡の視界用とにそれぞれ別個の表示ユニットを設けることができる。これらの表示ユニットは、例えば運転者の車室のそれぞれ左右の適当な場所、例えば従来の反射鏡の位置の近くに配されることができる。代わりに、このような切り離された表示ユニットを運転室の中央部に配することができる。この場合、車両を取り囲んで描かれる場所に対応するように、例えば車両の左側領域を左側に描くと共に車両の右側領域を右側に描写するように、表示ユニットを配することが好ましい。
【0036】
描かれるべき視界の情報を取り込むため、例えばカメラ,イメージセンサーおよび/または他の画像取り込み手段の如き少なくとも1台の画像取り込みユニット、好ましくは複数の画像取り込みユニットが設けられる。画像取り込みユニットの数は、表示ユニットの数よりも好ましくは多い。このような一実施形態は、例えばそれぞれ取り込まれるべき視界のための情報が少なくとも2台の画像取り込みユニットによって余分に取り込まれることを可能にするという利益をもたらす。従って、画像取り込みユニットのうちの1台が故障した場合、法律で定められた視界の恒久的な表示が残りで確保される。加えて、描かれるべき領域のために複数の画像取り込みユニットを設けることにより、視界の表示に要求される力学をより容易に確保することができる。
【0037】
さらに、表示ユニットよりも数の多い画像取り込みユニットを用いることによって、それぞれの視界ために必要とされる画角は、複数の画像取り込みユニット、例えば2台以上の画像取り込みユニットからの情報を組み合わせることによって、得られることができる。従って、相対的に低解像度の画像取り込みユニットを用いたとしても表示のために必要とされる解像度を達成することが可能である。
【0038】
好ましくは、画像取り込みユニットの解像度は、少なくとも1台の表示ユニットの解像度よりも高く、少なくとも2Mピクセルに達する。より高い画像取り込みユニットの解像度を2Mピクセルよりもかなり高く、例えば6〜8Mピクセルの範囲にすることができ、より好ましくは、より多くの入力情報を出力されるべき情報よりも利用可能であるので、描かれるべき情報、すなわち視界の表示を最適化することができる。好ましくは、複数の画像取り込みユニットを用いる場合、要求および例えば取得されるべき領域までの距離に応じて異なる解像度がそれぞれの画像取り込みユニットで用いられる。従って、主反射鏡の視界のための画像取り込みユニットの解像度が2Mピクセルよりも高いのに対し、他の視界のための画像取り込みユニットはより低い解像度を有することができることがさらに好ましい。
【0039】
好ましくは、この表示ユニットは車載電源から独立した電源を含む。これは、車両が静止して止められ、すなわち点火装置が止まっている車両の状態においても、同様に視界の表示を可能にするために特に重要である。法律で定められた視界内の情報が少なくとも必要な場合、また必要ならば車両が静止して点火装置が止まっている時に追加の視野を車両運転者が視認できることは特に重要である。この実施形態は、安全性を増大させて事故の可能性を減少させる。
【0040】
一方において、視界の恒久的表示を確実にすると共に使用者による操作の誤りなどを同時に最小にするため、表示ユニットが付加的な操作部材を全く含まないか、僅かしか含まない場合、これは有利である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】表示装置の概念図を示す。
【図2】図1による表示装置の別な一実施形態を示す。
【図3】図1による表示装置の表示ユニットに描写される画像の高速走行での典型的な一例を示す。
【図4】図1による表示装置に描写される画像の低速走行での典型的な一例を示す。
【図5】図1による表示装置に描写される画像の後進走行時の典型的な一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下において、本発明が単なる典型的な一例により添付図面を用いて記述されよう。
【0043】
図1および図2は、商用車の法律で定められた視界を視覚的に描写するための装置100をそれぞれ概略的に示す。図1の場合において、表示装置100は単一の表示ユニット110を含むのに対し、図2の場合には、複数の表示ユニット110が設けられている。この/これらの表示ユニット110は、商用車の運転室に配されている。さらに、表示装置100は、1台以上の画像取り込みユニット130によって取り込まれた情報を処理し、この処理された情報を選択された描写による法律で定められた視界の形態で、好ましくは鳥瞰視または立体視にて表示ユニット110に与えるため、例えば少なくとも1つのCPU120または他の演算処理ユニットを含む。この画像取り込みユニット130は、必要に応じて任意の数、すなわち表示ユニット110に描かれる視界の数および種類に応じて設けることができる。
【0044】
加えて、図1による表示装置100は、さまざまなセンサー140、例えば車速および/または車両の状態などを検出し、動的に、すなわち車両の状態および/または車速に応じて画像の内容および情報を表示ユニット110に描写できるようにするため、1つ以上のセンサーとの接続を含む。この目的のため、これらセンサー140もまた、センサー情報と画像取り込みユニット130からの画像情報とから描かれるべき画像を取得または計算するCPU120と結合される。
【0045】
図2に示した実施形態においては、センサー140が設けられていない。従って、表示ユニットの画像の内容は、車速および車両の状態と無関係である。
【0046】
画像取り込みユニット130によって検知される情報は、これがもたらされる場合、センサー140からの情報と同様にCPU120に与えられる。CPU120は、この情報を処理し、この処理された情報を1台以上の表示ユニット110に適切に出力することにより、商用車の法律で定められた視界を表示ユニット110に描くことができるようになっている。法律で定められた2つの視界は、少なくとも1台の表示ユニット110に共通の画像で示されることができる。
【0047】
図1はまた、エンジンの作動時またはイグニッションキーが電源投入位置に回された時に、照明や計器盤表示やラジオなどの如きさまざまな車両システムに電力を供給する車載電源と無関係に、表示装置100および特に表示ユニット110に電力を供給する電源装置150を示す。
【0048】
電源装置150は、少なくとも表示ユニット110を駆動するために適当な調整された電流および電圧を好ましくは出力するけれども、これはまた、これが設けられている場合、CPU120および画像取り込みユニット130およびセンサー140をも好ましくは駆動し、車両の点火スイッチが切られていても、システム全体を作動できるようになっている。
【0049】
電源装置150は、電力を車両電源および/または車両交流発電機/発電システムから直接得るようになっている。代わりに、この電源装置150は、外部エネルギー源か、太陽電池か、または車両の減速からエネルギーを回収するために形成された交流発電機/発電機(例えば電気ブレーキ)と接続することができる別個の再充電可能電池を含むことができる。
【0050】
図2の表示装置はまた、独立した電源装置から図1の実施形態と同様な方法で電力を供給されることも選択的に可能である。
【0051】
図3から図5は、商用車の3つの走行状態に関して図1の表示ユニット110に描かれた情報を示している。これらの走行状態は、例えばセンサー140によって検知される。より詳細には、図3は例えば50km/h以上の速い走行時の表示を示し、図4は例えば30km/h未満または50km/h未満のより遅い走行時の表示を示し、図5は後進走行時の表示を示している。図3および図4に示した表示は時間的および車両の状態に関して変化し、図1による表示装置100のスクリーン(表示ユニット110)に描かれる描写に対応する。
【0052】
図3に描かれた画像において、速い前進走行速度での商用車の輪郭が参照符号10で概略的に示される。商用車のトレーラー後端12もまた、この画像中に概略的に示されている。図1による表示ユニット110で見ることができる図3に描かれた画像において、右主反射鏡の視界210および右広角反射鏡の視界220および左主反射鏡の視界230および左広角反射鏡の視界235は、前反射鏡および直近反射鏡の視界240,250と同様に、共通の画像で示される。従って、図3から理解することができるように、右主反射鏡の視界210および右広角反射鏡の視界220は、共通の画像における表示装置の共通領域で重なり合っている。これらの視界は、表示ユニット110の右側、すなわちこれらがその情報を描写する特定の側にある運転室における運転者の観察方角と対応して描かれる。左主反射鏡の視界230および左広角反射鏡の視界235は、画像の左側に描かれる。描かれた実施形態において、左主反射鏡が運転者側主反射鏡である。図3および図5に示した画像表示構成は、車両運転者が運転室の左側に着座する右側走行のために用意された車両のための一実施形態に関する。他方において、左側走行のために用意された車両において、画像の配置は、車両の長手方向軸線に関して軸対称に逆転すなわち反対にされよう。
【0053】
表示ユニット110の画像の上部領域において、前反射鏡および直近反射鏡の視界240,250は、図面の紙面における画像の上方、すなわち左右の主および広角反射鏡のための視界210,220,230,235の上方にそれぞれ示される。前反射鏡および直近反射鏡のための相互に直接隣り合うそれぞれの視界240および250は、画像中で他方へと移行、すなわち繋がるように描かれ、運転者が見て運転室を取り囲む領域を1つのユニットとして認識することができるようになっている。
【0054】
加えて、法律で定められた視界210,220,230,235,240および250を超える、つまり補足的視野が表示ユニット110に描かれる。特に、2つの側方視野260および270は、それぞれ側方に向け、かつ商用車の左側および右側の後方へと延在している。加えて、前視野280は、前反射鏡および直近反射鏡の視界240および250に直接隣り合うように、商用車の運転者の車室の前方の両側に直接延在する。視野260〜280は、これらがまた視界210〜250間の接続とこれらの視界210〜250への移行をも与えるように選択される。結果として、運転者の車室の周囲を商用車と同じように表示ユニット110に連続的に描くことができる。
【0055】
代わりに、視野260,270および280をこれらの視野に含まれる視界と同様、個別に表示ユニット110にそれぞれ描写することもまた、可能である。また、本実施形態のように、左右の主反射鏡および左右の広角反射鏡および前反射鏡の中からすべての反射鏡を直近反射鏡と同様に取り替えることは、表示装置100にとって明らかに必要ではない。代わりに、これらの反射鏡の一部のみ、選択的に取り替えることができ、表示ユニット110への表示をこれに応じて適合させることができる。例えば、商用車の右(同乗者)側の視野260のみを表示ユニット110に描写させることができ、この視野260は右主反射鏡の視界210および右広角反射鏡の視界220を包含しよう。このような実施形態において、他の視界を反射鏡により従来の方法で与えることができる。
【0056】
さらに、視野290が図3に描かれた表示装置に表示され、商用車の右側用の視野260と、商用車の左側用の視野270との間に配され、すなわちこの視野290は中央に表示される。この視野290は商用車の後方領域用の視野であって、例えば画像取り込みユニット130として機能する後進(後方視)カメラによって検出または取り込まれる。この視野290は表示ユニット110に描かれ、車両に近い領域が画像の下方にさらに配されると共に車両から遠い領域が画像の上方にさらに配されるようになっている。
【0057】
図4は、図3に対応した画像の構成を示すが、車両の低速走行状態に関する。図3とは異なり、運転室の前方を取り囲む領域のためのここでの視野280は前方に延在し、運転者は彼/彼女の商用車の前方の領域のより良好な全体像が与えられる。同時に、車両の後方領域のための視野290は、縮小または切り詰めて描かれる。しかしながら、視野と視界との相対位置は、高速走行に関して図3に示す表示と比較して変わらない。従って、走行中の状況または状態に適合した視界および視野の描写は、表示装置100によって選択される。しかしながら、法律で定められた視界210〜250が恒久的に常時視認可能または観測可能であることに注意されたい。
【0058】
低速走行のための図4による表示の場合と同様に、高速走行のための図3による表示において、例えばトレーラーの端縁12に関連する情報の如き追加の情報を入れたり、または重ね合わせることができる。これによって、表示された画像内の彼/彼女の車両の位置を運転者が判断することをより容易にする。
【0059】
最後に、図5は後進走行時に表示される画像のための一実施形態を示している。ここで、視野および視界の別な構成が選択され、特に商用車の後方領域のための視野290が拡大されると共に表示ユニット110の中央に描かれ、この実施形態においては、画像の左上方から中央まで描かれている。従って、前反射鏡の視界240は縮小して描かれ、および/または端部が除去されるのに対し、 左右の主反射鏡のそれぞれの視界210および230もまた、同じ位置に描かれるが、必要に応じて縮小または切り詰めて描かれる。加えて、右(同乗者側)および左(運転者側)の広角反射鏡の視界220,235もまた、切り詰めまたは縮小することができる。トレーラーの端縁12に関する追加の情報は、左右の主反射鏡のそれぞれの視界210および230を参照して重ね合わされ、また情報14が視野290に重ね合わされ、商用車からの距離を示している。
【0060】
図1による表示装置を作動させるための代表的であるが限定されないアルゴリズムは以下の通りである。
・画像取り込みユニットを用いて第1の画像データを取り込み、この取り込んだ第1の画像データをCPUと結合したメモリーに伝送し、
・画像取り込みユニットを用いて第2の画像データを取り込み、この取り込んだ第2の画像データをCPUと結合したメモリーに伝送し、
・車両の走行状態を検出し、この検出した車両の走行状態をCPUと結合したメモリーに伝送し、
・車両の走行速度を検出し、この検出した車両の走行速度をCPUと結合したメモリーに伝送し、
・CPUと結合したメモリーにアクセスし、取り込んだ第1および第2の画像データの空間的に重なり合う領域がある場合には、CPUを用いてこれを決定し、
・1つ以上の空間的に重なり合う領域がある場合、この重なり合う空間領域内の画素を補間し、
・取り込んだ第1および第2の画像データにおいて重なり合わない空間領域と補間した重なり合う空間領域とを用い、取り込んだ画像データの領域をあらかじめ設定された空間構成に従ってマップ化することにより、組み合わせた画像データを生成し、
・組み合わせた画像データを鳥瞰立体視に変換し、
・検出した車両の走行状態および/または車両の走行速度に基づき、組み合わせた画像データの少なくとも1部を必要に応じて拡大または縮小し、
・表示ユニットのスクリーン解像度が組み合わせた画像データの解像度よりも低い場合、この場合には組み合わせた画像データをスクリーン解像度へとダウンコンバートし、
・組み合わせた画像データを用いて表示ユニットを駆動し、共通の画像を示す。
【0061】
もちろん、本教示は上記アルゴリズムに限定されず、種々の方法で変更することができる。
【0062】
例えば、重なり合う空間領域の画素を補間する代わりに、より高解像度またはより低解像度の何れかの画像取り込みユニットから取り込んだ画像データだけを用いると共に他の画像取り込みユニットから取り込んだ画像データを無視することによって、重なり合う空間領域の画像を生成させることができる。
【0063】
加えて、あるいは代わりに、上記アルゴリズムは以下の追加のステップを加えることによって変更することができ、
・法律で定められた視界の外にある追加の視野から、画像取り込みユニットを用いて第3の画像データを取り込み、取り込んだ第3の画像データをCPUと結合したメモリーに伝送し、
・CPUと結合したメモリーにアクセスし、取り込んだ第1,第2および第3の画像データの空間的に重なり合う領域がある場合には、CPUを用いてこれを決定し、
・1つ以上の空間的に重なり合う領域がある場合、この重なり合う空間領域内の画素を補間し、
・取り込んだ第1,第2および第3の画像データにおいて重なり合わない空間領域と補間した重なり合う空間領域とを用い、取り込んだ画像データの領域をあらかじめ設定された空間構成に従ってマップ化することにより、組み合わせた画像データを生成する。
【0064】
加えて、あるいは代わりに、上記アルゴリズムは以下の追加のステップを加えることによって変更することができ、
・CPUと結合したメモリーにアクセスし、商用車に関して記憶された車両の輪郭および/または車両の或る部分からの距離の如き位置情報を取り出し、
・取り出した位置を組み合わせた画像データに重畳することにより、取り出した位置情報を組み合わされた画像データに重ね合わせる。
【0065】
要するに、商用車の法律で定められた視界は、従来の方法での反射鏡を用いて与えられずに表示装置を用いて描かれ、少なくとも2つの法律で定められた視界が共通の画像で描かれる。従って、商用車の周囲の人間工学的かつ包括的観察により走行安全性が改善されるのみならず、1つ以上のより大きく高価な反射鏡を省略することによって、走行中の商用車を取り囲む気流もまた改善することができる(すなわち空気抵抗を減少させることができる)。これは、燃費の低減およびこれによるより高効率を都合良くもたらす。
【0066】
添付図面を参照して本発明の代表的な限定しない例示を上で詳細に記述した。この詳細な説明は、本教示の好ましい形態を実行するためのさらなる詳細を当業者に教示することを意図しているだけであって、本発明の範囲を限定することを意図していない。さらに、以下に開示した追加の特徴および教示のそれぞれは、別々にあるいは他の特徴および教示と関連させて用いることができ、改善された表示を作成すると共に用いるための方法と同様、改善された表示を与える。
【0067】
さらに、上記詳細な説明に開示された特徴およびステップの組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施するために必要ではない可能性があり、本発明の代表的な例示を詳細に記述することを代わりに教示するだけである。さらに、上述した代表的な例示の種々の特徴は、種々の独立および従属請求項と同様に、本教示の追加の有用な実施形態をもたらすため、具体的かつ明確に列挙しない方法で組み合わせることができる。
【0068】
この詳細な説明および/または請求項に開示されたすべての特徴は、請求対象か、実施形態の特徴の構成の独自性および/または請求項を限定するための目的と同様に、最初に記述された開示の目的のため、相互に別々かつ独立に開示されるように意図される。加えて、すべての値の範囲または実在するグループの表示は、最初に記述された開示の目的のため、請求対象を限定するための目的と同様に、すべての可能な中間値または中間構成要素を開示するように意図される。
【符号の説明】
【0069】
10 商用車の輪郭
12 トレーラーの端縁
14 距離情報
100 表示装置
110 表示ユニット
120 CPU
130 画像取り込みユニット
140 センサー
150 電源
210 右主反射鏡の視界
220 右広角反射鏡の視界
230 左主反射鏡の視界
235 左広角反射鏡の視界
240 前反射鏡の視界
250 直近反射鏡の視界
260 商用車の右側の視野
270 商用車の左側の視野
290 運転室の前方を取り囲む視野
280 後部領域の視野

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用車の運転室にこの商用車の法律で定められた視界(210,220,230,235,240,250)を視覚的に描写するための表示装置(100)であって、
少なくとも1台の表示ユニット(110)を含み、
この表示装置(100)は、前記車両の運転中に恒久的に表示されるように法律で定められた少なくとも2つの視界(210,220,230,235,240,250)を前記運転室の前記表示ユニット(110)に実時間で恒久的に表示するようになっており、
前記少なくとも2つの視界(210,220,230,235,240,250)が共通の画像で表示されることを特徴とする表示装置(100)。
【請求項2】
前記法律で定められた視界(210,220,230,235,240,250)は、主反射鏡の視界(210,230)と、広角反射鏡の視界(220,235)とを含み、これらの両方が前記共通の画像で表示されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置(100)。
【請求項3】
前記視界(210,220,230,235,240,250)が隣接し、相互に直接接するか、あるいは相互に重なり合って表示されることを特徴とする請求項2に記載の表示装置(100)。
【請求項4】
前記視界(210,220,230,235,240,250)が左主反射鏡の視界(230)および/または左広角反射鏡の視界(235)と、右主反射鏡の視界(210)および/または右広角反射鏡の視界(220)とを含むことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の表示装置(100)。
【請求項5】
この表示装置(100)は、前記表示ユニット(110)の左側に左主反射鏡の視界(230)および/または前記左広角反射鏡の視界(235)を描写するようになっていることを特徴とする請求項4に記載の表示装置(100)。
【請求項6】
この表示装置(100)は、前記表示ユニット(110)の右側に右主反射鏡の視界(210)および/または右広角反射鏡の視界(220)を描写するようになっていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の表示装置(100)。
【請求項7】
前記視界(210,220,230,235,240,250)が直近反射鏡の視界(250)および/または前反射鏡の視界(240)を含むことを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の表示装置(100)。
【請求項8】
この表示装置(100)は、左右方向に関して前記表示ユニット(110)の中央部に前記直近反射鏡の視界(250)および/または前記前反射鏡の視界(240)を描写するようになっていることを特徴とする請求項7に記載の表示装置(100)。
【請求項9】
この表示装置(100)は、前記視界(210,220,230,235,240,250)を鳥瞰視で表示するようになっていることを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載の表示装置(100)。
【請求項10】
この表示装置(100)は、前記視界(210,220,230,235,240,250)を前記表示ユニット(110)に同じ位置かつ同じ大きさで恒久的に描写するようになっていることを特徴とする請求項1から請求項9の何れかに記載の表示装置(100)。
【請求項11】
この表示装置(100)は、前記視界(210,220,230,235,240,250)を前記表示ユニット(110)にさまざまな位置および/またはさまざまな大きさで恒久的に描写するようになっていることを特徴とする請求項1から請求項9の何れかに記載の表示装置(100)。
【請求項12】
この表示装置(100)は、前記表示ユニットに追加の視野(260,270,280,290)を描写するようになっており、この視野(260,270,280,290)は、前記商用車の前部領域および/または前記商用車の後部領域からの情報を含むことを特徴とする請求項1から請求項11の何れかに記載の表示装置(100)。
【請求項13】
前記商用車の後部領域からの視覚情報を取り込むための後方視カメラをさらに具えたことを特徴とする請求項12に記載の表示装置(100)。
【請求項14】
前記視野(260,270,280,290)が前記商用車の後部領域からの情報を含み、この表示装置(100)は、前記主反射鏡の視界(210,230)および/または前記広角反射鏡の視界(220,235)を重ねるおよび/または接するように前記視野(260,270,280,290)を描写するようになっていることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の表示装置(100)。
【請求項15】
この表示装置(100)は、前記追加の視野(260,270,280,290)を必要に応じておよび/またはその位置に関してさまざまな方法で前記表示ユニット(110)に描写するようになっていることを特徴とする請求項12から請求項15の何れかに記載の表示装置(100)。
【請求項16】
この表示装置(100)は、車速および/または車両の駆動方向に応じて追加の視野(260,270,280,290)の描写を変更するようになっていることを特徴とする請求項15に記載の表示装置(100)。
【請求項17】
この表示装置(100)は、前記商用車を基準として、前記視界(210,220,230,235,240,250)または前記視野(260,270,280,290)の少なくとも一方を重ね合わせた位置情報(12)を表示するようになっていることを特徴とする請求項1から請求項16の何れかに記載の表示装置(100)。
【請求項18】
この表示装置(100)は、すべての視界を描写するための単一の表示ユニット(110)を有することを特徴とする請求項1から請求項17の何れかに記載の表示装置(100)。
【請求項19】
この表示装置(100)は、相互に分かれた2台か、3台か、または4台の表示ユニット(110)を有することを特徴とする請求項1から請求項17の何れかに記載の表示装置(100)。
【請求項20】
この表示装置(100)は、すべての描かれるべき視界の中から、前記左主反射鏡の視界(230)および/または前記左広角反射鏡の視界(235)のみを第1の前記表示ユニット(110)に描写するようになっていることを特徴とする請求項19による表示装置(100)。
【請求項21】
この表示装置(100)は、すべての描かれるべき視界の中から、前記右主反射鏡の視界(210)および/または前記右広角反射鏡の視界(220)のみを第2の前記表示ユニット(110)に描写するようになっていることを特徴とする請求項19または請求項20に記載の表示装置(100)。
【請求項22】
この表示装置(100)は、すべての描かれるべき視界の中から、前記直近反射鏡の視界(250)および/または前記前反射鏡の視界(240)のみを第3の前記表示ユニット(110)に描写するようになっていることを特徴とする請求項19から請求項21の何れかに記載の表示装置(100)。
【請求項23】
視界情報を取り込むための少なくとも1台の画像取り込みユニット(130)をさらに含むことを特徴とする請求項1から請求項22の何れかに記載の表示装置(100)。
【請求項24】
複数の画像取り込みユニット(130)が設けられ、これら画像取り込みユニットの数が前記表示ユニット(110)の数よりも多いことを特徴とする請求項23による表示装置(100)。
【請求項25】
少なくとも1台の前記画像取り込みユニット(130)の解像度は、少なくとも1台の前記表示ユニット(110)の解像度よりも高いことを特徴とする請求項23または請求項24に記載の表示装置(100)。
【請求項26】
前記少なくとも1台の画像取り込みユニット(130)の解像度が少なくとも2Mピクセルであって、好ましくは前記主反射鏡の視界(210,230)のための前記画像取り込みユニット(130)の解像度であることを特徴とする請求項23から請求項25の何れかに記載の表示装置(100)。
【請求項27】
この表示装置(100)は、少なくとも2台の画像取り込みユニット(130)を含み、該表示装置(100)はこれら少なくとも2台の画像取り込みユニット(130)によって取り込まれる少なくとも2組の視界情報を単一の描かれるべき視界(210,220,230,235,240,250)へと組み合わせるようになっていることを特徴とする請求項24から請求項26の何れかに記載の表示装置(100)。
【請求項28】
この表示装置(100)は、少なくとも2台の画像取り込みユニット(130)を含み、1つの描かれるべき視界(210,220,230,235,240,250)のために重複した視界情報を取り込むようになっていることを特徴とする請求項24から請求項26の何れかに記載の表示装置(100)。
【請求項29】
単一の画像取り込みユニット(130)が車両の同じ側の主反射鏡の視界(210,230)および広角反射鏡の視界(220,235)の視界情報を取り込むために設けられ、これらの視界(210,220,230,235)が共通の表示ユニット(110)の別々の領域に前記分割スクリーンモードで表示されることを特徴とする請求項2に従属する場合の請求項23から請求項28に記載の表示装置(100)。
【請求項30】
第1の画角を取り込むための第1の解像度を有する第1の画像取り込みユニット(130)および前記第1の画角と異なる第2の画角を取り込むための第2の解像度を有する第2の画像取り込みユニットが設けられ、前記第1の解像度が第2の解像度よりも高く、
前記第1および第2の画像取り込みユニットによってそれぞれ取り込まれた前記第1および第2の画角が共通の表示ユニット(110)に表示されて実質的に重なり合わず、
前記車両の同じ側の前記主反射鏡の視界(210,230)および前記広角反射鏡の視界(230,235)の重なり部分が表示され、
好ましくは前記第1の画角は前記第2の画角よりも狭いことを特徴とする請求項2に従属する場合の請求項23から請求項28の何れかに記載の表示装置(100)。
【請求項31】
共通の画像取り込みユニット(130)が車両の同じ側の主反射鏡の視界(210,230)および広角反射鏡の視界(220,235)のために設けられ、この画像取り込みユニットが好ましくは高解像度センサーおよびパナモーフレンズを含み、前記視界(210,220,230,235)が共通の表示ユニット(110)によって表示されることを特徴とする請求項2に従属する場合の請求項23から請求項28の何れかに記載の表示装置(100)。
【請求項32】
前記商用車の車載電源から独立した電源装置をさらに含むことを特徴とする請求項1から請求項31の何れかに記載の表示装置(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−178150(P2012−178150A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−23065(P2012−23065)
【出願日】平成24年2月6日(2012.2.6)
【出願人】(500020380)メクラ・ラング・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲー (21)
【氏名又は名称原語表記】MEKRA Lang GmbH & Co. KG
【Fターム(参考)】