説明

喫煙室換気方法および喫煙室と壁部材

【課題】
喫煙室内の喫煙者のアメニティに考慮し、かつこれらを省エネルギーで行えるとともに、喫煙者に着座定着を強いることなく喫煙室内から非喫煙室内への煙の漏洩を防ぎ、しかも施設の盛り替えに柔軟に対応できる設備を廉価に提供する。
【解決手段】
壁面4面により周囲を仕切られる喫煙室1の一壁面10bにおいて、灰皿20の高さ位置の下方で風速0.3〜0.7m/secで室内に向けて給気し、灰皿20の高さ位置の上方で排気して、他に補助空気流を生成することなく、前記室内に向けて給気した空気が、前記一壁面10bに向う方向に反転して排気されるように構成し、灰皿20がテーブル21の上に配置され、テーブル21の下方で給気し、テーブル21の上方で排気することを特徴とする、喫煙室換気方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙ブースその他喫煙を許容する空間(以下、本発明において「喫煙室」という)とその換気方法に関し、さらに喫煙室に使用される壁部材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、健康増進法の施行により、公共施設などでは喫煙を限られた空間においてのみ許容するようになっている。そして、建物内で分煙のための喫煙室が形成される例が多い。ここでは煙草の煙を喫煙室の外に漏らさないことが重要である。さらに、喫煙室においても、煙草の煙が衣服に付着しないこと、喫煙室内に煙が充満することによって喫煙者が必要とする以上の煙を吸込まないことが望まれる。
【0003】
一方、例えば分煙に配慮して既存の建物に喫煙室を設けようとする場合、排気処理、例えば排気ダクトの敷設に苦慮することになる。天井裏には既設の配管やダクト、ケーブル類が縦横にめぐらされており、これを迂回する必要がある。この問題は新築建物において天井裏の高さを抑えて建築費を低廉に抑えようとする場合にも共通する。なお、喫煙室内に空気清浄機を設置し、煙を浄化して循環させても効果は限られ、喫煙者のアメニティを考慮すれば排気処理は不可避である。
【0004】
加えて、建物管理者には排気ファンその他の動力費を抑えて省エネルギーに貢献したいという要望もある。
【0005】
本出願人の先行技術調査の結果では、(1)灰皿近くに設けた空気吹き出し器で上向き気流を生成させ、対向する排気口から排気するもの(特許文献1)、(2)喫煙者の足下近くに空気を吹き出す吹出口と天井近くの吸込口を備えた空気浄化装置を設置し、かつテーブルに上向き気流を生成するミニ送風機を複数設置するもの(特許文献2)、(3)同様に下吹出し上吸込み空気清浄機を用い、吸込み風量のうち下部吹出しの給気量と排気量の割合を1:4(吸込量は吹出量の5倍)に分流させるもの(特許文献3)が見出された。なお、本発明の構成要素としての「遮蔽体」について、非喫煙室空間と喫煙空間を天井から垂下した垂れ壁で仕切るサービスステーションの発明も開示されている(特許文献4)。
【0006】
【特許文献1】特開平10−170036号公報
【特許文献2】特開平5−237321号公報
【特許文献3】特開平10−381号公報
【特許文献4】特開2005−36536号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、前記した(1)から(3)の発明は、喫煙者が定位置での喫煙をすることを前提としている。実際には喫煙者は喫煙者同士で会話をし、あるいは運動のために喫煙室内を歩行するなど、定位置にとどまることは少ない。この事情は省スペースその他の理由から椅子を設置しない喫煙室では顕著である。また、前記した(1)から(3)の発明では、ミニ送風機や空気清浄機などのコストがかかる。さらに前述した既設建物の盛り替えに際しての融通性については開示していない。
【0008】
本発明の目的は、喫煙室内の喫煙者のアメニティに考慮し、かつこれらを省エネルギーで行えるとともに、喫煙者に着座定着を強いることなく喫煙室内から非喫煙室内への煙の漏洩を防ぎ、しかも施設の盛り替えに柔軟に対応できる設備を廉価に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、壁面4面により周囲を仕切られる喫煙室の一壁面において、灰皿の高さ位置の下方で風速0.3〜0.7m/secで室内に向けて給気し、灰皿の高さ位置の上方で排気して、他に補助空気流を生成することなく、前記室内に向けて給気した空気が、前記一壁面に向う方向に反転して排気されるように構成し、前記灰皿がテーブルの上に配置され、該テーブルの下方で給気し、テーブルの上方で排気することを特徴とする、喫煙室換気方法が提供される。
【0010】
また本発明によれば、壁面4面により周囲を仕切られる喫煙室の一壁面および該一壁面に対向する他の一壁面において、灰皿の高さ位置の下方で風速0.3〜0.7m/secで室内に向けてそれぞれ給気し、灰皿の高さ位置の上方でそれぞれ排気して、他に補助空気流を生成することなく、前記室内に向けて給気した空気が、前記一壁面もしくは前記他の一壁面に向う方向に反転して排気されるように構成し、前記灰皿がテーブルの上に配置され、該テーブルの下方で給気し、テーブルの上方で排気することを特徴とする、喫煙室換気方法が提供される。
【0011】
本発明によれば、低速の吹き出しにより室内の喫煙者にドラフトを感じさせず、反転気流により煙を速やかに室内から排除できる。在室者が所定位置にとどまっていなくとも、反転気流に誘引されて煙が排出される。なお、「風速0.3〜0.7m/secで室内に向けて給気する」とは、給気口の給気面(開口面)で計測した風速が0.3〜0.7m/secであることを意味する。通常、給気面で計測する風速は例えば2m/secであるが、本発明では、0.3〜0.7m/secの低速での吹き出しを採用する。さらに同一壁面に給気口と排気口を備えるためダクト工事その他の施工が容易で、かつスペースを有効に利用できる。さらに低速吹き出しにより省エネルギーに寄与する。なお「喫煙室」とは、仮設間仕切りやビニールカーテンで空間を区画したいわゆる喫煙ブースのほか、カラオケルームや応接室、その他飲食店の喫煙スペースなど、喫煙を許容する室を指す。「他に補助空気流を生成することなく」とは、喫煙室の気流生成を実質上喫煙室の一壁面もしくは一壁面および該一壁面に対向する他の一壁面における給気と排気でまかなうことである。つまり前記特許文献2にあるミニ送風機のような補助送風機を喫煙室内に持ち込むことを意味しない。さらに「灰皿の高さ位置」とは、煙草が載置される高さ位置(煙草から煙が発生する高さ位置)を指す。灰皿はスタンド式の灰皿等を含む。
【0012】
前記室内に向けて給気した空気が、前記一壁面もしくは前記他の一壁面に向う方向に反転して排気される途中で、前記喫煙室の天井部に設けた遮蔽体の上下を通過する構成としても良い。遮蔽体としては、例えば垂れ壁が例示できる。本発明者らの知見によれば、遮蔽体を天井部に設置しない場合、室内天井部近くで煙の渦が発生することが視認された。これが滞留すると喫煙者の頭部への煙の付着するなどのおそれがある。そこで、本発明者らは室の天井部に遮蔽体を設けることで煙渦滞留を未然に防止することに成功した。また喫煙室の在室者が例えば灰皿の位置から離れて移動しても、排気口からの吸引による反転流と遮蔽体周囲の風みちにより有効に排気がなされることが判明した。
【0013】
本発明によれば、壁面4面により周囲を仕切られる喫煙室の一壁面において、灰皿の高さ位置の下方に、幅方向に長い帯状または線状の気流を給気する給気口を設け、灰皿の高さ位置の上方に、略全面から排気する排気口を設け、前記一壁面の内側面に灰皿を配置させるテーブルを設け、テーブルの下方に給気口を設け、テーブルの上方に排気口を設けたことを特徴とする、喫煙室が提供される。
【0014】
また本発明によれば、壁面4面により周囲を仕切られる喫煙室の一壁面および該一壁面に対向する他の一壁面において、灰皿の高さ位置の下方に、幅方向に長い帯状または線状の気流を給気する給気口をそれぞれ設け、灰皿の高さ位置の上方に、略全面から排気する排気口をそれぞれ設け、前記一壁面の内側面および/または前記他の一壁面の内側面に灰皿を配置させるテーブルを設け、テーブルの下方に給気口を設け、テーブルの上方に排気口を設けたことを特徴とする、喫煙室が提供される。
【0015】
本発明によれば、煙草の煙が通常発生する位置を基準に給気口と排気口を設定しているため、煙草の煙は新鮮空気とともに反転流により室外へ速やかに排出される。すなわち少風量で換気ができ省エネルギーに貢献する。なお、「幅方向に長い帯状または線状の気流を給気する」とは、給気が幅方向に長い横長形状で室内に吹き出される様子を現出することを指す。つまりいわゆる置換換気と同様、床を這う気流が喫煙室の対向面に向かって吹き出される構成である。給気口は幅方向に連続した開口であってもよく、断続していてもよい。また本出願人が商品名「SWIT」として販売する旋回流形成機構(特開2002−372268号公報参照)を用いてもよい。「略全面から排気する排気口」とは、後述のパンチングや通気性素材のように、灰皿の上方において、壁面のほぼ全面から排気できる構成を指す。
【0016】
給気口と排気口を備えた一壁面に対向する他の一壁面は、同様に給気口と排気口を備えた壁面で構成し対称面とすることもできる。このようにすると、室の対向する2面両面が給排気面となり広い喫煙スペースを構築するのに有利である。
【0017】
また、前記一面と略平行の遮蔽体を喫煙室の天井部に設けても良い。この遮蔽体は、前記一壁面とその対向面の間に位置させ、前記一壁面と略平行に設置される。「対向面」は非通気性壁体または前記一壁面と同様に構成された面である。そうすれば、天井部近辺に煙の渦が滞留するのを幅方向にわたって防止できる。
【0018】
遮蔽体は多少傾斜していてもよく、設置手段は垂下するほか脚付きスタンドで支持されていてもよい。その下端の高さは、室内の喫煙者が起立したときの呼吸器の高さより高く、望ましくは頭部の位置より高いと移動の邪魔にならない。またその端部がドアにかかる場合はドアの高さより高くする必要がある。
【0019】
また、前記遮蔽体と喫煙室の天井との間には、開放空間が設けられていても良い。そうすれば、天井と遮蔽体との間で煙が流通し、より有効に渦の滞留を防止できる。
【0020】
また、前記一壁面の背部および/または前記他の一壁面の背部において、テーブルの下方に給気チャンバを形成し、テーブルの上方に排気チャンバを形成しても良い。また、前記一壁面および/または前記他の一壁面の側端に、前記給気チャンバと前記排気チャンバのいずれか一方もしくは両方に連通する竪ダクトを設けても良い。この構成により、給排気機能を有する壁面への給排気源を近接させて施工性を良くすることができる。また、前記竪ダクトは下方が開口し当該開口より上方が閉塞されていてもよい。このように構成すると、普及しつつある床吹き出しシステムに適用できる。すなわち該システムの給気源からの給気を利用して喫煙室の給気口からそのまま、他に動力を使用せずに給気できる。
【0021】
さらに本発明によれば、壁面の内側面に灰皿を配置させるテーブルを備え、壁面のテーブルの下方に給気口を設け、テーブルの上方に排気口を設け、壁面の背部において、テーブルの下方に給気チャンバを形成し、テーブルの上方に排気チャンバを形成したことを特徴とする、壁部材が提供される。なお、前記壁面の側端に、前記給気チャンバと前記排気チャンバのいずれか一方もしくは両方に連通する竪ダクトを設けても良い。
【0022】
この構成により前述の諸利点を享受しうるほか、給排気機能と灰皿を配置させるテーブルが備えられていて、プレハブ化された部材として、建て込むだけで容易に喫煙室を容易に形成できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、喫煙者のアメニティに考慮しつつ喫煙室内から非喫煙空間への煙の漏洩を防ぐことができ、喫煙者に着座定着を強いることなくかつこれらを省エネルギーで行い、しかも施設の盛り替えに柔軟に対応できる喫煙室を廉価に提供できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。図1は、本発明の実施の形態に係る喫煙室1の分解斜視図である。喫煙室1は、その周囲を壁面4面10a、10b、10c、10dで囲み、上下を天井面11と床面12で囲むことにより、喫煙をするための仕切られた空間に形成されている。
【0025】
図示の喫煙室1では、左奥側に位置する壁面10aにはドア15が、設けられている。喫煙者は、このドア15を開閉することにより、喫煙室1に対して出入りすることができる。このドア11が閉められると、喫煙室1の内部から外に空気が漏れ出ないようになる。
【0026】
図1中の右手前側に位置する壁面10c及び左手前側に位置する壁面10dと、天井面11及び床面12は、実質的に喫煙室1の内部から外に空気を流通させない閉鎖面となっている。壁面10c、10dは、例えばガラス面などとしても良いが、後述する壁面10bと同様なサンドイッチパネルで形成しても良い。
【0027】
一方、図1中の右奥側に位置する壁面10bの内側面には、灰皿20を載置させるテーブル21が設けてある。なお、灰皿20はテーブル21上に固定配置されていても良い。テーブル21は、喫煙者の腰の高さ近傍に、室内方向に400mmの奥行きで壁面10bの幅いっぱいに設けられている。この実施の形態では、2500mmの高さの喫煙室1に対して、テーブル21の高さを床上900mmとしている。
【0028】
壁面10bにおいて、テーブル21の下方に給気口25が設けられ、テーブル21の上方に排気口26が設けられている。これにより、テーブル21上に配置された灰皿20の高さ位置の下方に給気口25が位置し、灰皿20の高さ位置の上方に排気口26が位置するようになっている。
【0029】
給気口25は、壁面10bの下部において幅方向に長いスリット形状になっている。この実施の形態では、床上100mmの位置に幅700mmのスリット形状の給気口25が、500mmの間隔をおいて2つ配置してある。
【0030】
テーブル21よりも上方では、壁面10bは、多数の円孔からなる排気口26を全体的に分布形成させている。テーブル21よりも下方における壁面10bと同様、テーブル21よりも上方においても壁面10bをサンドイッチパネルとし、その内壁面に多数の排気口26を開口させても良いが、加工上の便宜から、図示の形態では、テーブル21よりも上方において壁面10bの内壁面をパンチングメタル27で構成している。このようにテーブル21よりも上方においてパンチングメタル27で構成される壁面10bは、開口率が上方が小さく、下方が大きくなっている。この実施の形態では、テーブル21上から800mmの高さまではパンチングメタル27に形成される排気口26の直径が6φで開口率が20%であり、それ以上の高さではパンチングメタル27に形成される排気口26の直径が2.5φで開口率が20%になっている。
【0031】
壁面10bの下部は、前後二枚の板部材で構成されたサンドイッチパネルであり、壁面10bの上部は、前後二枚の板部材の内、内壁面をパンチングメタル27としたサンドイッチパネルであり、壁面10bの背部には、テーブル21の高さ位置の下方に給気チャンバ30が形成され、テーブル21の高さ位置の上方に排気チャンバ31が形成されている。前述の給気口25は給気チャンバ30に連通し、前述の排気口26は排気チャンバ31に連通している。なお、サンドイッチパネルで構成される壁面10bの内部を適当な仕切部材を用いてテーブル21の高さで上下に区画することにより、下方に給気チャンバ30、上方に排気チャンバ31を形成させている。また、この実施の形態では、これら給気チャンバ30と排気チャンバ31の幅は、2500mmである。
【0032】
壁面10bの側端部(壁面10bと壁面10aが交差する隅角部)には、天井裏から調和空気を導いて喫煙室1内に給気するための竪ダクト35が設けられている。竪ダクト35は、横断面が三角形状で喫煙室1のコーナーに立設されている。この実施の形態では、壁面10bに接している位置での竪ダクト35(三角形状)の辺の長さが400mmである。この構成により、給気風量に比して竪ダクト35の幅をとらず、喫煙者に圧迫感なく室内を有効に使用できる。
【0033】
竪ダクト35の下端は喫煙室1の床の高さで閉塞されており、その上端(上流側)は開口し、空調機で生成された調和空気を竪ダクト35内に受け入れる。竪ダクト35は、テーブル21よりも下方において給気チャンバ30に連通しており、これにより、竪ダクト35内に受け入れられた調和空気が、給気口25から、幅方向に長い帯状または線状の気流となって喫煙室1内に給気される。竪ダクト35内は、空調機の送風動力を利用するため空洞であるが、静圧が不足する場合には必要に応じクロスフローファンを竪ダクト35内や天井裏などに設置してもよい。そして、風速0.3〜0.7m/secの低速(本実施の形態では0.5m/sec)で喫煙室1内に給気する。
【0034】
排気チャンバ31の上面には、喫煙室1内の煙草煙で汚染された空気を排出するための排気ダクト40が複数箇所に接続されている。テーブル21よりも上方では、壁面10bは排気口26を全体的に分布形成させたパンチングメタル27で構成されているので、喫煙室1内の煙草煙で汚染された空気を、テーブル21よりも上方において壁面10bのほぼ全面から排気チャンバ31内に吸い込んで、排気ダクト40に排気するようになっている。
【0035】
この排気は、排気口26の吸込み面(壁面10b)において、給気風速(0.3〜0.7m/sec)よりもさらに低速で行い、例えば0.1〜0.3m/sec(本実施の形態では平均0.2m/sec)で吸込むようにする。また、排気量を給気量より多くすることで、喫煙室1内を負圧に保ち、室外への汚染空気の漏出を避けている。
【0036】
更に本発明の特徴の一つは、喫煙室1内を歩き回る喫煙者に対し環境の劣化をさほど感じさせず、しかも室外への汚染空気の漏出を避けたことにもある。そのための手段が、喫煙室1の天井部に設けられる遮蔽体としての垂れ壁45である。垂れ壁45は、給気口25及び排気口26が設けられている壁面10bと略平行に配置された板部材からなり、喫煙室1の上方において、排気口26(壁面10b)に向って流れる空気を部分的に遮るように配置される。この垂れ壁45と喫煙室1の天井11との間には、開放空間46が設けられている。本実施の形態では、垂れ壁45として、高さ250mmの鋼板製の板を金具を介してボルトで吊り下げており、垂れ壁45の上端と天井面11の間には高さ50mmの隙間(開放空間46)が設けられている。垂れ壁45の材質としては、例えば錘付きのビニールカーテンやステンレス板、アクリル板でもよく、これらの上部をあらかじめ切欠加工したものを天井11に直付けして前記開放空間46を形成しても良い。なお、垂れ壁45の位置は、給気口25と排気口26の形成された壁面10bとそれに対向する壁面10dの略中間(本実施の形態では奥行き1850mmに対し950mmの位置)の幅方向いっぱいに垂下されている。そしてその下端は喫煙者の頭部より上(本実施の形態では天井高さ2500mmに対し高さ2200mmの位置)に配置されている。
【0037】
以上のように構成された喫煙室1にあっては、テーブル21下方の給気口25から給気を風速0.3〜0.7m/secの低速で吹き込み、テーブル21上方の面積の大きい排気口26から均一に吸込むことで、喫煙室1内に向けて給気した空気が、壁面10bに向う方向に反転して排気口26に吸い込まれる反転流を形成し、少ない換気回数で喫煙室1内を換気できるようになる。天井面に給気口と排気口を備えたシステムでは換気回数60回であるところ、本発明の実施の形態の喫煙室1によれば換気回数が20回に低減した。換気回数を低減すれば、省エネルギーに寄与するほかダクトのサイズダウンにつながり設備費・運転費ともに安価になる。
【0038】
また、給気ダクト(排気ダクト)のサイズも、上記在来手法では口径300φのところ175φのスパイラルダクトの使用が可能になった。これによりダクトの梁貫通も可能となり納まりに貢献し、かつダクトワークも簡潔になる。さらに低速で排気チャンバ31上部の略全面で吸込むため、喫煙者にドラフトを感じさせることもない。
【0039】
また、テーブル21よりも上方に分布して配置される排気口26の開口率が、上方(テーブル21から離れた位置)では小さく、下方(テーブル21に近い位置)では大きくなっているので、テーブル21上面付近で喫煙された煙は、大部分が速やかに排出されることになる。また、熱気を含む煙草の煙は天井部に上昇する途中で下方からの新鮮空気で希釈されて排気口26に吸込まれる。また、サンドイッチパネルなどで構成される排気チャンバ31の内部には、補強材が十字型に取り付けられており(図2参照)、それらが通気抵抗となるが、排気口26の開口率が、上方で小さく、下方で大きくなっているので、テーブル21よりも上方において壁面10b全体に空気が偏り無く吸い込まれるようになる。
【0040】
また、喫煙者は喫煙室1内を歩行し移動する場合もある。かかる場合、そのままでは、喫煙室1の壁面10a、10b、10c、10dの間または天井11及び床面12と壁の間の隙間から煙が漏洩する。しかし、喫煙室1内に給気した空気が排気口26としてのパンチングメタル27に向って流れる途中に垂れ壁45を設ければ、垂れ壁45下部で流路が絞られて、戻り流速が速くなり、浮上した煙がパンチングメタル27に向けて流れることが発明者の実験でわかった。ただし、垂れ壁45近傍で煙溜まりができ、滞留することも同時に判明し、発明者らはさらにこの解決に取り組んだ。喫煙室1の上部、垂れ壁45近傍の滞留空気は、入退室時の扉15の開閉や喫煙室1の給排気停止時に漏出するおそれがあるためである。そこで、発明者らは垂れ壁45の上部に空気の流通可能な開放空間46を設ければよいことを見出した。この上部開口(開放空間46)は垂れ壁45の排気口26の反対側に滞留した煙を排気口26に向けて逃がすが、開口(開放空間46)が大きすぎると煙の溜まりが逆に大きくなり、結局垂れ壁45の高さの半分以下が最も好適(本実施態様では垂れ壁45の1/6の高さ)であることがわかった。こうすることにより喫煙者とその衣服は煙排出の一方向流に曝されることで煙の影響を最小限に抑えられると共に、室外への煙の漏洩もほとんどなくなる。
【0041】
図1では、天井裏から給気源と排気先を連絡する形態を示したが、本発明は床吹き出し方式の空調システムにも適用可能である。すなわち、床吹出し空調システムは2重床空間から調和空気を床面に設けた床吹出口から(場合によりカーペットを介して)給気し、天井裏に排気するのが一般であるが、かような床吹出し空調システムに本発明を適用することもできる。これを図2を参照に説明する。
【0042】
図2に示す喫煙室1’では、壁面10bと、壁面10bに対向する他の壁面10dを、先に図1で説明した実施の形態における壁面10bと同様の構成の、給気口25と排気口26を有し、背後にテーブル21下方の給気チャンバ30とテーブル21上方の排気チャンバ31を形成したサンドイッチパネル構造(テーブル21上方の内壁面はパンチングメタル27)に構成している。
【0043】
この喫煙室1’では、壁面10b、10dのそれぞれの側端部(壁面10bと壁面10aが交差する隅角部および壁面10dと壁面10aが交差する隅角部)に横断面が三角形状の竪ダクト35’が設けられている。但し、この喫煙室1’では、竪ダクト35’は、上下端がいずれも開口し、テーブル21の高さ位置で、竪ダクト35’の内部が上下に仕切られており、竪ダクト35’の内部において上方が排気側に区画され、下方が給気側に区画されている。竪ダクト35’の上方は、壁面10b、10dの背後に形成された排気チャンバ31にそれぞれ連通し、竪ダクト35’の下方は、壁面10b、10dの背後に形成された給気チャンバ30にそれぞれ連通している。そして、給気チャンバ30の下端と排気チャンバ31の下端はそれぞれ閉塞されていて、各々竪ダクト35’との連通口のみが空気の出入り口となっている。
【0044】
竪ダクト35’の下端部は、喫煙室1’の下方に形成された二重床に連通している。二重床を介して空調機から送気された空調空気が、竪ダクト35’の下方から壁面10b、10d背後の給気チャンバ30に流入し、壁面10b、10d下部の給気口25から喫煙室1’にそれぞれ吹き込まれる。
【0045】
竪ダクト35’の上端部には、排気ダクト(図示せず)を接続してある。喫煙室1’内の煙草煙で汚染された空気を、テーブル21よりも上方において壁面10b、10dのほぼ全面から排気チャンバ31内にそれぞれ吸い込んで、竪ダクト35’の上方から排気ダクトに排気するようになっている。
【0046】
この喫煙室1’では、壁面10b、10dのそれぞれについて、遮蔽体としての垂れ壁45を配置し、同様に、垂れ壁45と喫煙室1の天井11との間に開放空間46を設けている。この喫煙室1’でも、喫煙者の頭部より高い位置に設けられた垂れ壁45とその上部の開放空間46の存在によって、喫煙室1’の中央帯域で煙が滞留することはない。すなわち、スリット状の給気は喫煙室1’の中央帯域で合流し、両側の排気口26に向けてそれぞれ反転する。煙の一部は浮力で喫煙室1の天井11近辺に浮上するが、両側の垂れ壁45の内側へいったん遮られた後、その堰(垂れ壁45)の上下の自由空間(開放空間46と垂れ壁45の下面近傍の空間)を急速に流れ、対向する両壁面10b、10dのパンチングメタル27にそれぞれ吸引される。この実施の形態では、図1よりも奥行き方向に面積が大きくなるが、面積に対する在室人員の割合を大きくできる。さらに図2の実施の形態では、壁面10aに扉15を配置し、その下方をアンダーカット50し、給気量を超えて排気する量の空気をここから室内に導くようにしている。
【0047】
この喫煙室1’によっても、先に図1で説明した喫煙室1と同様に、喫煙室1’内に向けて給気した空気が、壁面10bに向う方向に反転して排気口26に吸い込まれる反転流を形成し、少ない換気回数で喫煙室1内を換気できるようになる。また、喫煙室1’内では、喫煙者とその衣服は煙排出の一方向流に曝されることで煙の影響を最小限に抑えられると共に、室外への煙の漏洩もほとんどなくなる。加えて、この喫煙室1’によれば、給気チャンバ30への給気と排気チャンバ31からの排気を竪ダクト35’のみから行うため、給気チャンバ30と排気チャンバ31の上下面は閉塞されており、貫通部処理やダクト接続の作業が容易である。
【0048】
本発明は、以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、適宜変更して用いることが可能である。例えば図1の喫煙室1において、壁面10bの両端に竪ダクト35を立設し、2つの竪ダクト35間に四角形状の排気チャンバ31が囲まれるようにしても良い。また、既設設備に喫煙室を製作する場合は、既設の給気ダクトから分岐取り出しをしてもよい。排気は、喫煙室が外壁近傍に設置されていればそのまま換気扇等から排気してもよいし、近くに敷設された便所ダクト等の排気ダクトに合流させて排気(排気ファンを兼用)してもよい。
【0049】
もっとも、本発明では竪ダクトは必ずしも必要要件ではなく、テーブルの高さ位置で仕切られた幅広の給気チャンバ30と排気チャンバ31の上下端を幅一杯開口し、その全面から給気、排気してもよい。特に、二重床と、天井板と天井スラブで形成される天井裏空間が空気流路となる設備(床下チャンバー方式、天井チャンバー方式)には適している。
【0050】
給気に際して、空調機で床下二重床から給気を取り入れられる圧力を付与できれば空調機のファンのみでよいが、不足であれば補助ファンを床下または給気チャンバ30の空気入口部に設けても良い。なお変形例としては、扉側に広がる三角形状の竪ダクトそのものにも、その上部内壁面にパンチング、下部内壁面にスリットを形成し、それぞれ排気、給気の各エアチャンバとすれば、扉近傍の風速は吹出口からの距離が短い分、奥方向(紙面の手前方向)より速くなり、扉開閉の干渉を受けにくくなる。
【0051】
なお、床吹き出し形式の空調システムに適用する場合、床面12近傍に配置された給気口25からの吹き出し気流と干渉しないよう、喫煙室には床吹出口を設けない方が望ましい。既設を改修する場合に、喫煙室に既設の床吹出口が配置されていれば、その開口を盲板等により閉塞すれば、床を這う給気の気流を乱すことはない。
【0052】
給気口25は複数のスリットを図示したが、奥行き方向に連続した1つのスリットやシャッタ付きレジスタを用いることができる。後者の場合、夏季等に冷気を供給する場合は水平に、冬季等に暖気を供給する場合は下向きにシャッタを位置させることで風向を良好に調整できる。
【0053】
排気口26も円孔を多数穿孔した例を示したが、長孔状、楕円状、銀杏形状、菱形状の開口であってもよい。また、1面を布等の通気性素材で形成し、排気流路を下方にいくに従い漸縮小するなど適宜の抵抗をもたせても同様の効果が得られる。
【0054】
また前記した給気口25と排気口26、内部送風機とテーブル21を一体に製作した壁部材は、空気流通用開口を天井部または床部に設ければ、所定位置に据え付けてそのまま喫煙室を構成できるという、施工容易性・迅速性の効果を発揮できる。
【0055】
給気には空調機からの調和空気を必ずしも用いる必要は無く、外気を取り入れ、給気口25までの連通路に設けたフイルタで浄化して給気してもよい。喫煙室1、1’が設置階の隅部に設けられることが多いが、そのような場合には、外壁に設けたベントキャップ類から空気を連通させれば、ダクト費用を節減できる。この場合、冬季の防寒対策として電気ヒータを前記連通路に設けることもできる。
【0056】
また、給気チャンバまたは排気チャンバの一方は、メインダクトと接続されなくともよい。例えば、天井裏を調和空気または排気の通り道とする天井チャンバに構成すれば、当該天井チャンバから空調機のファンまたは排気ファンの動力を利用して、間接的に給排気させることができる。
【0057】
テーブル21は壁面10b、10dと一体で作りつけられていてもよいし、脚付きの別体テーブルとして壁面10b、10dに隣接して設置されていても良い。また、壁面10a、10b、10c、10d、天井11及び床面12、垂れ壁45には光触媒を塗布しておき、適宜紫外線を照射可能にしておくと、汚れ対策となり清掃の頻度を低減できる。
【実施例】
【0058】
図1で説明した喫煙室1において、煙の排出の様子をシミュレーションした結果を図3に示す。図3(a)は、喫煙室1の天井11に垂れ壁45を直接取り付け、開放空間46をなしとした場合のシミュレーション結果を示す斜視図であり、図3(b)は、図3(a)と同じシミュレーション結果を示す正面図である。図3(c)は、喫煙室1の天井11に垂れ壁45を隙間を空けて取り付け、開放空間46をありとした場合のシミュレーション結果を示す斜視図であり、図3(d)は、図3(c)と同じシミュレーション結果を示す正面図である。図3(e)は、喫煙室1の天井11に垂れ壁45を設けなかった場合のシミュレーション結果を示す斜視図であり、図3(f)は、図3(e)と同じシミュレーション結果を示す正面図である。図4は、図3(a)(b)のシミュレーション結果を、模式的に示した説明図である。図5は、図3(c)(d)のシミュレーション結果を、模式的に示した説明図である。図6は、図3(e)(f)のシミュレーション結果を、模式的に示した説明図である。
【0059】
図1で説明した喫煙室1において、実施例では、寸法が2.9m×2m×2.5m(高さ)の室容積14.3mの喫煙室1において、換気回数20回/h、排気風量290m/h、給気風量250m/h(風速3.93m/s)とした。壁面10bの下方に形成される給気口25は、700mm×50mmのスリット形状を2箇所に配置し、風速1.00m/sとした。また、壁面10bの上方に形成される排気口26は、上段を562mm×338mm×4枚+588mm×338mm×4枚の開口率10%(有効開口面積0.155m)のパンチングメタル27を用い、下段を562mm×337mm×4枚+588mm×337mm×4枚の開口率20%(有効開口面積0.310m)のパンチングメタル27を用いて構成した。排気口26における平均風速は0.18m/sである。
【0060】
喫煙室1の天井11に垂れ壁45を直接取り付け、開放空間46をなしとした場合は、図3(a)(b)及び図4に示したように、テーブル21上の灰皿20付近から発生した煙の一部が、垂れ壁45の裏側(壁面10bから遠い方の側)に回り込み、喫煙室1の上部に煙が滞留してしまうことが確認された。
【0061】
これに対して、喫煙室1の天井11に垂れ壁45を隙間を空けて取り付け、開放空間46をありとした場合は、図3(c)(d)及び図5に示したように、テーブル21上の灰皿20付近から発生した煙の一部は、垂れ壁45の裏側(壁面10bから遠い方の側)に回り込んでも、開放空間46を通して壁面10bに向けて煙が流れて室外に排気されることが確認された。
【0062】
また、喫煙室1の天井11に垂れ壁45を設けなかった場合は、図3(e)(f)及び図6に示したように、テーブル21上の灰皿20付近から発生した煙の一部が室内で渦を巻いてしまい、室内の上方全体に煙が混合してしまうことが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、近年の分煙の要請に応え、建物に喫煙を許容する空間をフレキシビリティ、アメニティとともに、低コストしかも省エネルギーで提供でき、建築設備として有益である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態に係る喫煙室の分解斜視図である。
【図2】本発明の別の実施の形態に係る喫煙室の説明図である。
【図3】図1で説明した喫煙室における煙の排出の様子をシミュレーションした結果を示す説明図である。
【図4】図3(a)(b)のシミュレーション結果を、模式的に示した説明図である。
【図5】図3(c)(d)のシミュレーション結果を、模式的に示した説明図である。
【図6】図3(e)(f)のシミュレーション結果を、模式的に示した説明図である。
【符号の説明】
【0065】
1、1’ 喫煙室
10a、10b、10c、10d 壁面
15 ドア
11 天井面
12 床面
20 灰皿
21 テーブル
25 給気口
26 排気口
27 パンチングメタル
30 給気チャンバ
31 排気チャンバ
35、35 竪ダクト
40 排気ダクト
45 垂れ壁
46 開放空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面4面により周囲を仕切られる喫煙室の一壁面において、灰皿の高さ位置の下方で風速0.3〜0.7m/secで室内に向けて給気し、灰皿の高さ位置の上方で排気して、他に補助空気流を生成することなく、前記室内に向けて給気した空気が、前記一壁面に向う方向に反転して排気されるように構成し、前記灰皿がテーブルの上に配置され、該テーブルの下方で給気し、テーブルの上方で排気することを特徴とする、喫煙室換気方法。
【請求項2】
壁面4面により周囲を仕切られる喫煙室の一壁面および該一壁面に対向する他の一壁面において、灰皿の高さ位置の下方で風速0.3〜0.7m/secで室内に向けてそれぞれ給気し、灰皿の高さ位置の上方でそれぞれ排気して、他に補助空気流を生成することなく、前記室内に向けて給気した空気が、前記一壁面もしくは前記他の一壁面に向う方向に反転して排気されるように構成し、前記灰皿がテーブルの上に配置され、該テーブルの下方で給気し、テーブルの上方で排気することを特徴とする、喫煙室換気方法。
【請求項3】
壁面4面により周囲を仕切られる喫煙室の一壁面において、灰皿の高さ位置の下方に、幅方向に長い帯状または線状の気流を給気する給気口を設け、灰皿の高さ位置の上方に、略全面から排気する排気口を設け、前記一壁面の内側面に灰皿を配置させるテーブルを設け、テーブルの下方に給気口を設け、テーブルの上方に排気口を設けたことを特徴とする、喫煙室。
【請求項4】
前記一壁面の背部において、テーブルの下方に給気チャンバを形成し、テーブルの上方に排気チャンバを形成したことを特徴とする、請求項3に記載の喫煙室。
【請求項5】
前記一壁面の側端に、前記給気チャンバと前記排気チャンバのいずれか一方もしくは両方に連通する竪ダクトを設けたことを特徴とする、請求項4に記載の喫煙室。
【請求項6】
壁面4面により周囲を仕切られる喫煙室の一壁面および該一壁面に対向する他の一壁面において、灰皿の高さ位置の下方に、幅方向に長い帯状または線状の気流を給気する給気口をそれぞれ設け、灰皿の高さ位置の上方に、略全面から排気する排気口をそれぞれ設け、前記一壁面の内側面および/または前記他の一壁面の内側面に灰皿を配置させるテーブルを設け、テーブルの下方に給気口を設け、テーブルの上方に排気口を設けたことを特徴とする、喫煙室。
【請求項7】
前記一壁面の背部および/または前記他の一壁面の背部において、テーブルの下方に給気チャンバを形成し、テーブルの上方に排気チャンバを形成したことを特徴とする、請求項6に記載の喫煙室。
【請求項8】
前記一壁面および/または前記他の一壁面の側端に、前記給気チャンバと前記排気チャンバのいずれか一方もしくは両方に連通する竪ダクトを設けたことを特徴とする、請求項7に記載の喫煙室。
【請求項9】
前記テーブルよりも上方に分布して配置される排気口の開口率が、上方では小さく、下方では大きくなっていることを特徴とする、請求項3〜8のいずれかに記載の喫煙室。
【請求項10】
壁面の内側面に灰皿を配置させるテーブルを備え、壁面のテーブルの下方に給気口を設け、テーブルの上方に排気口を設け、壁面の背部において、テーブルの下方に給気チャンバを形成し、テーブルの上方に排気チャンバを形成したことを特徴とする、壁部材。
【請求項11】
前記壁面の側端に、前記給気チャンバと前記排気チャンバのいずれか一方もしくは両方に連通する竪ダクトを設けたことを特徴とする、請求項10に記載の壁部材。
【請求項12】
前記テーブルよりも上方に分布して配置される排気口の開口率が、上方では小さく、下方では大きくなっていることを特徴とする、請求項10または11に記載の壁部材。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−80354(P2011−80354A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259455(P2010−259455)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【分割の表示】特願2005−113631(P2005−113631)の分割
【原出願日】平成17年4月11日(2005.4.11)
【出願人】(000169499)高砂熱学工業株式会社 (287)
【Fターム(参考)】