回覧管理システム、携帯端末、情報作成プログラム、印刷装置、及び印刷プログラム
【課題】回覧用の特定の携帯端末にのみ回覧データを入力してオフラインで回覧情報を回覧させる場合に、配布者が回覧の進捗状況を容易に管理することができる回覧管理システム、及びこのシステムを構成する携帯端末、印刷装置、並びに各装置で動作する情報作成プログラム、印刷プログラムを提供する。
【解決手段】携帯端末には、ユーザに回覧させる回覧情報の電子データと共に、どの回覧者がどのデータまで閲覧を終了させているかを示す閲覧状況データが記憶されている。この携帯端末を回覧者が操作すると、操作を行っている回覧者が特定され(S3:YES)、この回覧者が新たなデータの閲覧を行う毎に閲覧状況データが更新される(S10)。そして、閲覧状況データは印刷時に携帯端末から印刷装置へ送信され(S16)、さらに印刷装置からコンピュータ装置へ転送されて、コンピュータ装置にて記憶される。
【解決手段】携帯端末には、ユーザに回覧させる回覧情報の電子データと共に、どの回覧者がどのデータまで閲覧を終了させているかを示す閲覧状況データが記憶されている。この携帯端末を回覧者が操作すると、操作を行っている回覧者が特定され(S3:YES)、この回覧者が新たなデータの閲覧を行う毎に閲覧状況データが更新される(S10)。そして、閲覧状況データは印刷時に携帯端末から印刷装置へ送信され(S16)、さらに印刷装置からコンピュータ装置へ転送されて、コンピュータ装置にて記憶される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回覧情報の回覧の状況を把握可能な回覧管理システム、及びこのシステムを構成する携帯端末、印刷装置、並びに各装置で動作する情報作成プログラム、印刷プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子データ化された電子文書等の回覧情報の回覧の進捗状況が確認できる文書回覧システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このシステムによると、各端末はオンラインで接続されており、複数の端末で電子文書を閲覧することができる。そして、回覧の進捗状況等を記録する管理ファイルが電子文書に対応付けて設けられており、管理ファイル内の情報が配布者の端末に出力される。これにより、配布者は回覧中の電子文書(回覧情報)を管理することができる。
【特許文献1】特開2003−58678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の文書回覧システムでは、各端末が常にオンラインで接続されている必要がある。これに対して、ユーザに回覧させる回覧情報をオフラインの携帯端末に記憶させ、この携帯端末が次々に手渡されることにより回覧情報を回覧させる場合、配布者に回覧の進捗状況を通知することができないという問題点があった。
【0004】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、回覧用の特定の携帯端末にのみ回覧データを入力してオフラインで回覧情報を回覧させる場合に、配布者が回覧の進捗状況を容易に管理することができる回覧管理システム、及びこのシステムを構成する携帯端末、印刷装置、並びに各装置で動作する情報作成プログラム、印刷プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の回覧管理システムは、情報を表示する表示手段を備えた携帯端末と、前記携帯端末と接続可能な印刷装置と、前記印刷装置と接続可能な管理装置とを備えた回覧管理システムであって、前記携帯端末は、ユーザに回覧させる回覧情報を記憶する回覧情報記憶手段と、前記回覧情報記憶手段に記憶された回覧情報を表示させるための表示指示の入力に基づいて、前記表示手段に回覧情報を表示させる回覧情報表示制御手段と、前記表示指示の入力を行ったユーザを特定するユーザ特定手段と、前記表示手段に表示された前記回覧情報が、前記ユーザ特定手段によって特定されたユーザにより閲覧されたことを示す情報である閲覧状況情報を作成する閲覧状況情報作成手段と、所定の情報の印刷指示を受け付ける印刷指示受付手段と、前記印刷装置に接続する接続手段と、前記接続手段によって接続された前記印刷装置に、前記印刷指示受付手段によって受け付けられた所定の情報の印刷指示と、前記閲覧状況情報作成手段により作成された閲覧状況情報とを出力する出力手段とを備え、前記印刷装置は、前記携帯端末から受信した閲覧状況情報を前記管理装置に転送する転送手段を備え、前記管理装置は、前記印刷装置から受信した閲覧状況情報を記憶する管理情報記憶手段を備えている。
【0006】
また、本発明の請求項2に記載の携帯端末は、情報を表示する表示手段を備えた携帯端末であって、ユーザに回覧させる回覧情報を記憶する回覧情報記憶手段と、前記回覧情報記憶手段に記憶された回覧情報を表示させるための表示指示の入力に基づいて、前記表示手段に回覧情報を表示させる回覧情報表示制御手段と、前記表示指示の入力を行ったユーザを特定するユーザ特定手段と、前記表示手段に表示された前記回覧情報が、前記ユーザ特定手段によって特定されたユーザにより閲覧されたことを示す情報である閲覧状況情報を作成する閲覧状況情報作成手段と、所定の情報の印刷指示を受け付ける印刷指示受付手段と、管理装置に接続可能な印刷装置に接続する接続手段と、前記接続手段によって接続された前記印刷装置に、前記印刷指示受付手段によって受け付けられた所定の情報の印刷指示と、前記閲覧状況情報作成手段により作成された閲覧状況情報とを出力する出力手段とを備えている。
【0007】
また、本発明の請求項3に記載の携帯端末は、請求項2に記載の発明の構成に加え、前記回覧情報の印刷の指示を前記印刷指示受付手段により受け付けた場合、前記ユーザ特定手段により特定したユーザによりその回覧情報が印刷されたことを示す印刷状況情報を作成する印刷状況情報作成手段を備え、前記出力手段は、前記印刷状況情報作成手段により作成された印刷状況情報を前記印刷装置に送信することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項4に記載の携帯端末は、請求項3に記載の発明の構成に加え、前記印刷状況情報作成手段は、印刷を実行した印刷装置を特定する情報を含む前記印刷状況情報を作成することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項5に記載の携帯端末は、請求項2乃至4のいずれかに記載の発明の構成に加え、印刷を許可する回覧情報である印刷許可回覧情報がいずれであるかをユーザ毎に記憶する印刷許可回覧情報記憶手段と、前記印刷指示受付手段による印刷指示の受け付けが行われた前記所定の情報が、前記ユーザ特定手段により特定されたユーザの前記印刷許可回覧情報であるか否かを判断する印刷許可判断手段とを備え、前記出力手段は、前記印刷許可判断手段によって前記所定の情報が前記印刷許可回覧情報であると判断された場合にのみ、前記印刷指示受付手段によって受け付けられた印刷指示を前記印刷装置に送信することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項6に記載の携帯端末は、請求項2乃至5のいずれかに記載の発明の構成に加え、携帯端末を閲覧するユーザの回覧順序を記憶する回覧順序記憶手段と、回覧情報の閲覧が許可されているユーザを記憶する閲覧許可ユーザ記憶手段と、前記閲覧許可ユーザ記憶手段に閲覧が許可されているユーザとして記憶されているユーザを、前記回覧順序記憶手段に記憶された回覧順序に基づいて更新する閲覧許可ユーザ更新手段と、前記ユーザ特定手段により特定されたユーザが、前記閲覧許可ユーザ記憶手段に記憶されているユーザと一致しているか否かを判断する回覧順序一致判断手段とを備え、前記回覧情報表示制御手段は、前記回覧順序一致判断手段によりユーザが一致したと判断された場合にのみ回覧情報を表示させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項7に記載の携帯端末は、請求項6に記載の発明の構成に加え、前記回覧情報記憶手段に記憶されている回覧情報のうち、各ユーザが閲覧すべき回覧情報がいずれであるかを示す閲覧要否情報を記憶する閲覧要否情報記憶手段と、前記ユーザ特定手段により特定されたユーザが、前記閲覧要否情報に示された閲覧すべき全ての回覧情報を閲覧したか否かを判断する閲覧完了判断手段と、前記閲覧完了判断手段により全ての回覧情報を閲覧したと判断された場合に、閲覧を完了したことを示す印刷物を印刷させる指示を前記印刷装置に出力する完了印刷指示出力手段とを備え、前記閲覧許可ユーザ更新手段は、前記完了印刷指示出力手段により印刷の指示が出力された場合に、閲覧を許可するユーザを更新することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項8に記載の情報作成プログラムは、請求項2乃至7のいずれかに記載の発明の各種処理手段としてコンピュータを機能させる。
【0013】
また、本発明の請求項9に記載の印刷装置は、情報を表示する表示手段を備えた携帯端末と接続可能であり、前記携帯端末からの印刷指示に従い印刷を実行する印刷装置であって、ユーザに回覧させる回覧情報が各ユーザによって閲覧されたか否かを示す情報である閲覧状況情報が前記携帯端末から出力された場合に、前記閲覧状況情報を管理する管理装置に前記閲覧状況情報を転送する転送手段を備えている。
【0014】
また、本発明の請求項10に記載の印刷プログラムは、請求項9に記載の発明の各種処理手段としてコンピュータを機能させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1に記載の回覧管理システムによると、携帯端末が印刷装置に接続されて所定の情報の印刷指示が印刷装置へ送信される際に、どのユーザがどの回覧情報を閲覧したかを示す閲覧状況情報も印刷装置へ送信される。そして、閲覧状況情報を受信した印刷装置は管理装置へ閲覧状況情報を転送する。従って、ユーザに回覧させる回覧情報を回覧用の携帯端末にのみ記憶させてオフラインで回覧情報を回覧させる場合であっても、どのユーザがどの回覧情報を閲覧したかを示す閲覧状況情報が管理装置に記憶される。そして、配布者は管理装置に記憶されている閲覧状況情報から容易に回覧の進捗状況を知ることができる。また、回覧者は、回覧情報を送信するためだけにネットワークへの接続を行う必要もない。
【0016】
また、本発明の請求項2に記載の携帯端末は、ユーザに回覧させる回覧情報を記憶し、この回覧情報の表示指示の入力が行われると、入力を行ったユーザを特定する。そして、どのユーザがどの回覧情報を閲覧したかを示す閲覧状況情報を作成し、閲覧状況情報を管理する管理装置に接続可能な印刷装置へ閲覧状況情報と印刷指示とを出力する。従って、ユーザに回覧させる回覧情報を回覧用の携帯端末にのみ記憶させてオフラインで回覧情報を回覧させる場合であっても、配布者は管理装置に記憶されている閲覧状況情報から容易に回覧の進捗状況を知ることができる。また、回覧者は、回覧情報を送信するためだけにネットワークへの接続を行う必要もない。
【0017】
また、本発明の請求項3に記載の携帯端末は、請求項2に記載の発明の効果に加え、どのユーザがどの回覧情報を印刷させたかを示す印刷状況情報を作成し、この印刷状況情報と、閲覧状況情報と、印刷指示とが出力手段によって印刷装置に出力される。従って、回覧情報の配布者は、各ユーザがどのデータの印刷指示を行ったのかを印刷状況情報によって把握することができる。よって、印刷物による回覧情報の漏洩が発生した場合に、印刷指示を行ったユーザを把握することができる。
【0018】
また、本発明の請求項4に記載の携帯端末は、請求項3に記載の発明の効果に加え、印刷を実行した印刷装置を特定する情報を含む印刷状況情報を作成するため、回覧情報の配布者は、印刷を実行した印刷装置を印刷状況情報によって判別することができる。よって、印刷の状況をより正確に把握することができる。
【0019】
また、本発明の請求項5に記載の携帯端末は、請求項2乃至4のいずれかに記載の発明の効果に加え、どのユーザにどの回覧情報の印刷が許可されているかが印刷許可回覧情報記憶手段に記憶されており、ユーザによる印刷指示を受けた所定の情報が、そのユーザに印刷が許可された回覧情報であるか否かが判断される。そして、印刷が許可された回覧情報であると判断された場合に、印刷指示が印刷装置に出力される。従って、回覧情報の配布者は、どの回覧情報の印刷を許可するかをユーザに応じて設定することができる。
【0020】
また、本発明の請求項6に記載の携帯端末は、請求項2乃至5のいずれかに記載の発明の効果に加え、携帯端末を閲覧するユーザの回覧順序を記憶し、この回覧順序に従って、閲覧を許可するユーザを更新する。そして、ユーザ特定手段により特定されたユーザが閲覧を許可されている場合のみ、回覧情報を表示手段に表示させる。従って、回覧情報の配布者は、複数のユーザに対して所望の順序で回覧情報を閲覧させることができる。
【0021】
また、本発明の請求項7に記載の携帯端末は、請求項6に記載の発明の効果に加え、ユーザは、閲覧すべき全ての回覧情報を閲覧しなければ、閲覧を完了したことを示す印刷物を印刷装置に印刷させることができないため、回覧情報の配布者は、閲覧させたい回覧情報をユーザに閲覧させることができる。そして、閲覧を完了したことを示す印刷物が印刷されることによって、次の回覧順序のユーザが閲覧可能となるため、回覧順序が更新される毎に閲覧状況情報が印刷装置へ出力されることとなる。従って、閲覧状況情報が印刷装置へ出力されないまま次々に回覧情報が回覧されることを防止することができ、閲覧の状況をより正確に把握することができる。
【0022】
また、本発明の請求項8に記載の情報作成プログラムは、コンピュータに実行させることにより、請求項2乃至7のいずれかに記載の発明の効果を奏することができる。
【0023】
また、本発明の請求項9に記載の印刷装置は、携帯端末からの印刷指示に基づいて印刷を実行する。また、どのユーザがどの回覧情報まで閲覧を終了させたかを示す閲覧状況情報が携帯端末から出力されると、閲覧状況情報を管理する管理装置にこの閲覧状況情報を転送する。従って、ユーザに回覧させる回覧情報を回覧用の携帯端末にのみ記憶させてオフラインで回覧情報を回覧させる場合であっても、配布者は管理装置を用いて容易に回覧の進捗状況を知ることができる。また、回覧者は、回覧情報を送信するためだけにネットワークへの接続を行う必要もない。
【0024】
また、本発明の請求項10に記載の印刷プログラムは、コンピュータに実行させることにより、請求項9に記載の発明の効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本実施の形態の回覧管理システム100の概略について説明する。図1は、回覧管理システム100の概略を示すシステム構成図である。図1に示すように、回覧管理システム100は、携帯端末1と、複数の印刷装置2と、コンピュータ装置3とから構成されている。
【0026】
携帯端末1は表示部を備えた携帯型の端末であり、文字や画像からなり、回覧者に回覧させる回覧情報を電子データとして記憶する。そして、記憶している回覧情報を表示部に表示させる。従って、携帯端末1を回覧者が手渡していくことで、回覧情報が複数の回覧者に回覧される。また、携帯端末1は印刷装置2に接続可能となっており、記憶している回覧情報の印刷指示を出力して印刷装置2に印刷させることができる。ここで、携帯端末1から他の機器へ電子データを複製することはできない構成となっており、回覧者は印刷によってのみ回覧情報を手元に残すことができる。これにより、電子データがコピーされることによる情報の漏洩を防止し、機密性の高い回覧情報を回覧させることを可能としている。
【0027】
印刷装置2は、携帯端末1から印刷データを受信して印刷を実行すると共に、印刷のための接続時に携帯端末1から送信される後述の閲覧状況データ及び印刷状況データをコンピュータ装置3へ転送する。尚、本実施の形態では、携帯端末1で印刷データを作成して印刷装置2に送信しているが、携帯端末1からは回覧情報自体を送信し、印刷装置2側で回覧情報を印刷データに展開してもよい。
【0028】
コンピュータ装置3はハードディスク装置(HDD)及び表示部を備えており、複数の印刷装置2とネットワークを介して接続可能となっている。そして、印刷装置2から転送された閲覧状況データ及び印刷状況データをHDDに記憶し、記憶しているデータを表示部に表示させる。尚、各機器間の接続は有線接続であっても無線接続であってもよい。
【0029】
そして、以下説明する実施の形態では、携帯端末1で閲覧状況データ及び印刷状況データが作成される。閲覧状況データとは、どの回覧者がどの回覧情報を閲覧したのかを示すデータであり、印刷状況データとは、どの回覧者がどの回覧情報を印刷したのかを示すデータである。そして、所定の情報を印刷するために携帯端末1が印刷装置2へ接続されると、閲覧状況データ及び印刷状況データが印刷装置2を介してコンピュータ装置3に出力される。従って、回覧情報の配布者は、オフラインの携帯端末1を用いた回覧の状況をコンピュータ装置3によって把握することができる。尚、印刷される所定の情報は回覧情報だけでなく、如何なる情報であってもよい。
【0030】
次に、図2乃至図6を参照して、携帯端末1の電気的構成について説明する。図2は、携帯端末1の電気的構成を示すブロック図であり、図3は、携帯端末1のHDD13の構成を示す模式図である。また、図4は、HDD13のパスワード記憶エリア132の構成を示す模式図であり、図5は、HDD13の閲覧状況データ記憶エリア133の構成を示す模式図であり、図6は、HDD13の印刷状況データ記憶エリア134の構成を示す模式図である。
【0031】
図2に示すように、携帯端末1には、携帯端末1の制御を司るCPU10が設けられている。そして、このCPU10には、RAM11、ROM12、ハードディスク装置(HDD)13、カウンタ14、入力部15、表示部16、外部通信I/F17、及び電源スイッチ18がバスを介して接続されている。RAM11には各種のデータが一時的に記憶され、ROM12には携帯端末1を動作させるためのプログラム等が記憶される。また、HDD13は各種情報を記憶し、カウンタ14は時間の計測等の数値処理を行う。また、入力部15は、ユーザによる入力を受け付けるボタンや十字キーからなり、表示部16は文字や画像からなる回覧情報を表示する。また、外部通信I/F17によって携帯端末1と印刷装置2とが接続され、電源スイッチ18によって携帯端末1の電源の入切が行われる。
【0032】
次に、図3を参照して、HDD13の構成について説明する。HDD13には、回覧情報記憶エリア131、パスワード記憶エリア132、閲覧状況データ記憶エリア133、印刷状況データ記憶エリア134、及びN値記憶エリア135が少なくとも設けられている。回覧情報記憶エリア131には、文字や画像からなる回覧情報の電子データが記憶される。パスワード記憶エリア132には、携帯端末1を操作している回覧者を特定するためのパスワードが記憶される。閲覧状況データ記憶エリア133には、どの回覧者がどの回覧情報を閲覧したのかを示す閲覧状況データが記憶される。印刷状況データ記憶エリア134には、どの回覧者がどの回覧情報まで印刷したのかを示す印刷状況データが記憶される。そして、N値記憶エリア135には、あらかじめ定められた回覧順序に従って回覧情報を複数の回覧者に回覧させるためのカウンタの値が記憶される。
【0033】
次に、図4を参照して、パスワード記憶エリア132について説明する。図4に示すように、パスワード記憶エリア132には、回覧者欄と、パスワード欄と、N値欄とが設けられている。そして、携帯端末1が回覧者を特定するためのパスワードと、回覧順序を示すN値とがそれぞれの欄に回覧者毎に記憶されている。このパスワード記憶エリア132の記憶内容は、回覧情報を配布する配布者によって、回覧情報記憶エリア131の回覧情報と共に記憶される。そして、配布者以外の者はパスワード記憶エリア132の内容を変更できないように構成されている。
【0034】
次に、図5を参照して、閲覧状況データ記憶エリア133について説明する。図5に示すように、閲覧状況データ記憶エリア133には、回覧者毎に、各データが閲覧を許可されたデータであるか否かを示す情報と、閲覧すべきデータ(閲覧を許可されたデータ)を回覧者が閲覧したか否かを示す情報と、閲覧すべき全てのデータについて回覧者が閲覧を完了させたか否かを示す情報とが記憶されている。
【0035】
例えば、図5に示す例において、回覧者「1」の「許可」の列には、閲覧を許可することを示す「YES」がデータ1からデータ10の全てのデータに対して記憶されている。また、回覧者「1」の「完了」の列には、回覧者「1」によるデータの閲覧が完了したことを示す「YES」が、データ1からデータ10の全てのデータに対して記憶されている。さらに、閲覧すべき全てのデータの閲覧を完了したことを示す「YES」が「閲覧完了」に対して記憶されている。同様に、回覧者「4」の「許可」の列には、データ1及びデータ2に対して閲覧を許可しないことを示す「NO」が、データ3からデータ10に対して閲覧を許可することを示す「YES」が記憶されている。また、回覧者「4」の「完了」の列には、データ3からデータ5に対して閲覧が完了したことを示す「YES」が、データ6からデータ10に対して閲覧が完了していないことを示す「NO」が記憶され、さらに、閲覧すべき全てのデータの閲覧が完了していないことを示す「NO」が「閲覧完了」に対して記憶されている。尚、「許可」の列の情報は配布者によってあらかじめ記憶され、「完了」の列の情報はデータの閲覧が行われる毎に更新されるが、この詳細は後述する。
【0036】
次に、図6を参照して、印刷状況データ記憶エリア134について説明する。図6に示すように、印刷状況データ記憶エリア134には、回覧者毎に、各データが印刷を許可されたデータであるか否かを示す情報と、データが印刷されたか否かを示す情報と、データの印刷が行われた場合にどの印刷装置で印刷されたかを示す情報と、認定データの印刷が行われたか否かを示す情報と、認定データがどの印刷装置で印刷されたか否かを示す情報とが記憶されている。この認定データとは、閲覧すべき全てのデータの閲覧が完了した場合に印刷可能となる、閲覧の完了を認定する内容の文書データである。
【0037】
例えば、図6に示す例において、回覧者「2」の「許可」の列には、印刷を許可することを示す「YES」がデータ1からデータ5に対して記憶されており、印刷を許可しないことを示す「NO」がデータ6からデータ10に対して記憶されている。また、回覧者「2」の「印刷装置」の列には、データ1及びデータ2に対して印刷が行われていないことを示す「NO」が、データ3からデータ5、及び認定データに対しては、印刷装置「3」で印刷されたことを示す「3」が記憶されている。尚、「許可」の列の情報は配布者によってあらかじめ記憶され、「印刷装置」の列の情報はデータの印刷が行われる毎に更新されるが、この詳細は後述する。
【0038】
次に、図7を参照して、印刷装置2の電気的構成について説明する。図7は、印刷装置2の電気的構成を示すブロック図である。図7に示すように、印刷装置2には、印刷装置2の制御を司るCPU20が設けられている。そして、このCPU20には、RAM21、ROM22、HDD23、カウンタ24、表示部26、外部通信I/F27、電源スイッチ28、及び印刷制御部29がバスを介して接続されている。RAM21には各種のデータが一時的に記憶され、ROM22には印刷装置2を動作させるためのプログラム等が記憶される。また、HDD23は各種情報を記憶し、カウンタ24は時間の計測等の数値処理を行う。また、表示部26には画像が表示され、外部通信I/F27によって印刷装置2が携帯端末1やコンピュータ装置3に接続される。また、電源スイッチ28によって印刷装置2の電源の入切が行われ、印刷制御部29は印刷動作を制御する。そして、HDD23には、携帯端末1から送信された閲覧状況データを記憶する閲覧状況データ記憶エリア231と、携帯端末1から送信された印刷状況データを記憶する印刷状況データ記憶エリア232とが少なくとも設けられている。
【0039】
次に、図8を参照して、コンピュータ装置3の電気的構成について説明する。図8は、コンピュータ装置3の電気的構成を示すブロック図である。図8に示すように、コンピュータ装置3には、コンピュータ装置3の制御を司るCPU30が設けられている。そして、このCPU30には、RAM31、ROM32、HDD33、カウンタ34、入力部35、表示部36、外部通信I/F37、及び電源スイッチ38がバスを介して接続されている。RAM31には各種のデータが一時的に記憶され、ROM32にはコンピュータ装置3を動作させるためのプログラム等が記憶される。また、HDD33は各種情報を記憶し、カウンタ34は時間の計測等の数値処理を行う。また、入力部35は、ユーザによる入力を受け付けるキーボード及びマウスからなり、表示部36は画像を出力するディスプレイからなる。また、外部通信I/F37によってコンピュータ装置3と印刷装置2とが接続され、電源スイッチ38によってコンピュータ装置3の電源の入切が行われる。そして、HDD33には、印刷装置2から転送された閲覧状況データを記憶する閲覧状況データ記憶エリア331と、印刷装置2から転送された印刷状況データを記憶する印刷状況データ記憶エリア332とが少なくとも設けられている。
【0040】
次に、上記のように構成された回覧管理システム100における携帯端末1の動作について、図9乃至図13を参照して説明する。図9は、携帯端末1のメイン処理のフローチャートであり、図10は、携帯端末1のメイン処理で実行される回覧者確定処理のフローチャートである。また、図11は、携帯端末1のメイン処理で実行される閲覧完了判断処理のフローチャートであり、図12は、携帯端末1のメイン処理で実行される印刷許可判断処理のフローチャートであり、図13は、携帯端末1のメイン処理で実行される印刷装置通信処理のフローチャートである。
【0041】
携帯端末1では、電源が投入されるとROM12に記憶されているプログラムがRAM11に読み出されて起動され、図9に示すメイン処理がCPU10により実行される。まず、回覧者確定処理が実行される(S1)。この回覧者確定処理では、回覧順序がどの回覧者まで回ってきているのかを確認して閲覧を許可する回覧者を確定し、確定された回覧者のパスワードを読み出す処理が行われる。
【0042】
ここで、図10を参照して、回覧者確定処理の詳細について説明する。図10に示すように、回覧者確定処理が開始されると、回覧順序がどの回覧者まで回っているのかを示すN値が、HDD13のN値記憶エリア135(図3参照)から読み出される(S21)。次いで、読み出されたN値が「0」であるか否かが判断される(S22)。「0」であれば(S22:YES)、まだ誰も回覧情報の閲覧を行っていない状態である。従って、回覧順序が最初の回覧者に対して閲覧を許可するために、N値記憶エリア135に記憶されているNの値に「1」が加算され(S27)、N番目の回覧者のパスワードがパスワード記憶エリア132(図4参照)から読み出されて(S28)、メイン処理に戻る。
【0043】
また、読み出されたN値が「0」でない場合には(S22:NO)、HDD13の閲覧状況データ記憶エリア133(図5参照)から閲覧状況データが読み出される(S23)。そして、読み出された閲覧状況データから、回覧者Nが閲覧すべき全てのデータの閲覧を完了させたか否かが判断される(S24)。回覧者Nの閲覧完了の欄(図5参照)に、閲覧がまだ完了していないことを示す「NO」が記憶されている場合には(S24:NO)、回覧順序は変更されることなく、そのまま回覧者Nのパスワードが読み出されて(S28)、メイン処理に戻る。
【0044】
また、回覧者Nの回覧完了の欄に、閲覧すべき全てのデータの閲覧を完了させたことを示す「YES」が記憶されている場合には(S24:YES)、HDD13の印刷状況データ記憶エリア134(図6参照)から印刷状況データが読み出される(S25)。そして、閲覧すべき全てのデータの閲覧が完了した場合に印刷可能となる認定データが回覧者Nによって印刷されたか否かが、読み出された印刷状況データによって判断される(S26)。認定データの印刷が行われていないことを示す「NO」が回覧者Nの認定データの欄に記憶されていれば(S26:NO)、そのまま回覧者Nのパスワードが読み出されて(S28)、メイン処理に戻る。一方で、認定データの印刷が行われたことを示す情報(印刷を実行した印刷装置を識別する情報)が記憶されていれば(S26:YES)、次の回覧順序の回覧者による閲覧を可能とするために、Nの値に「1」が加算され(S27)、回覧者Nのパスワードが読み出されて(S28)、メイン処理に戻る。
【0045】
次いで、図9に示すように、回覧者確定処理(S1)が終了すると、ユーザにパスワードの入力を促すパスワード入力画面が表示部16に表示されて(S2)、正しいパスワードが入力されたか否かの判断が行われる(S3)。回覧者確定処理で読み出された正しいパスワードが入力されていない場合には(S3:NO)、電源がOFFとされたか否かが判断され(S4)、電源がOFFとされていなければ(S4:NO)、S2の処理へ戻り、パスワード入力画面が継続して表示される。また、正しいパスワードが入力されずに電源がOFFとされた場合には(S4:YES)、メイン処理を終了する。
【0046】
そして、回覧者が入力部15を操作することにより、回覧者確定処理(S1)で読み出された正しいパスワードが入力された場合には(S3:YES)、閲覧状況データ記憶エリア133から閲覧状況データが読み出されて(S5)、回覧者Nに閲覧が許可されているデータの選択画面が表示部16に表示される(S6)。次いで、閲覧を希望するデータが回覧者によって選択されたか否かが判断され(S7)、データが選択されていない場合には(S7:NO)、電源がOFFとされたか否かが判断される(S8)。データが選択されずに電源がOFFとされた場合には(S8:YES)、メイン処理を終了する。また、電源がOFFとされていなければ(S8:NO)、S6の処理に戻り、データ選択画面の表示が継続される。
【0047】
そして、閲覧を希望するデータが回覧者によって選択された場合には(S7:YES)、選択されたデータが回覧情報記憶エリア131(図3参照)から読み出されて表示部16に表示され(S9)、閲覧完了判断処理が実行される(S10)。この閲覧完了判断処理では、表示されているデータが回覧者Nによって閲覧されたか否かが判断され、閲覧が完了したと判断された場合に閲覧状況データが更新される。
【0048】
ここで、図11を参照して、閲覧完了判断処理の詳細について説明する。図11に示すように、閲覧完了判断処理が開始されると、閲覧状況データ記憶エリア133から閲覧状況データが読み出され(S31)、表示中のデータが既に閲覧完了となっているデータであるか否かが判断される(S32)。閲覧が完了していることを示す「YES」が記憶されているデータであれば(S32:YES)、そのままメイン処理に戻る。一方で、閲覧が完了していないことを示す「NO」が記憶されているデータである場合には(S32:NO)、時間を計測するためのカウントが開始される(S33)。
【0049】
そして、表示中のデータとは異なる別のデータが選択されたか否かが判断され(S34)、別のデータが選択されていなければ(S34:NO)、電源がOFFとされたか否かが判断される(S35)。電源がOFFとされていなければ(S35:NO)、3秒が経過したか否かが判断され(S36)、経過していなければ(S36:NO)、S34の判断へ戻る。そして、3秒が経過する前に別のデータが選択された場合(S34:YES)、若しくは電源がOFFとされた場合には(S35:YES)、メイン処理に戻る。
【0050】
一方で、データが表示されて3秒が経過した場合には(S36:YES)、回覧者Nによる閲覧が完了したことを示す「YES」が表示中のデータに対して記憶され、閲覧状況データが更新される(S37)。次いで、閲覧すべき全てのデータの閲覧を回覧者Nが完了させたか否かが判断される(S38)。閲覧すべきデータ(図5の「許可」の欄に「YES」が記憶されているデータ)の中で、閲覧が完了していないことを示す「NO」が記憶されているデータが存在する場合には(S38:NO)、そのままメイン処理に戻る。また、閲覧が完了したことを示す「YES」が閲覧すべきデータの全てに対して記憶されている場合には(S38:YES)、閲覧状況データにおける回覧者Nの「閲覧完了」欄に、全てのデータの閲覧が完了したことを示す「YES」が記憶されて(S39)、メイン処理に戻る。
【0051】
次いで、図9のフローチャートの説明に戻り、閲覧完了判断処理(S10)が終了すると、表示中のデータとは異なる別のデータが選択されたか否かが判断され(S11)、別のデータが選択された場合には(S11:YES)、選択されたデータが表示される(S9)。別のデータが選択されていない場合には(S11:NO)、電源がOFFとされたか否かが判断され(S12)、電源がOFFとされた場合には(S12:YES)、メイン処理を終了する。
【0052】
そして、別のデータが選択されておらず、電源もOFFとされていなければ(S11:NO、S12:NO)、回覧者による印刷指示が行われたか否かが判断される(S13)。この印刷指示は、回覧者が入力部15を操作して印刷したいデータを選択し、さらに表示部16に表示される印刷ボタンを選択することにより行われる。印刷指示が行われていない場合には(S13:NO)、S11の判断に戻る。一方で、印刷指示が行われた場合には(S13:YES)、印刷許可判断処理が行われる(S14)。印刷許可判断処理では、回覧者Nによって印刷の指示が行われたデータが、回覧者Nに対して印刷が許可されているデータであるか否かが判断される。また、認定データの印刷指示が行われた場合に、認定データの印刷条件が満たされているか否かが判断される。そして、判断結果に応じて印刷データが作成される。
【0053】
ここで、図12を参照して、印刷許可判断処理の詳細について説明する。図12に示すように、印刷許可判断処理が開始されると、まず、HDD13の印刷状況データ記憶エリア134に記憶されている印刷状況データ(図6参照)が読み出される(S41)。次いで、回覧者Nによって印刷の指示が行われたデータが、回覧者Nに対して印刷が許可されているデータであるか否かが判断される(S42)。印刷状況データにおいて、印刷指示が行われたデータに対して印刷を許可しないことを示す「NO」が記憶されている場合には(S42:NO)、「印刷が許可されていません」という印刷不許可画面が表示部16に5秒間表示されて(S43)、メイン処理に戻る。
【0054】
一方で、回覧者Nからの印刷指示が行われたデータに対して、印刷が許可されていることを示す「YES」が記憶されている場合には(S42:YES)、印刷の指示が行われたデータに認定データが含まれているか否かが判断される(S44)。先述したように、この認定データとは、閲覧すべき全てのデータの閲覧が完了した場合に印刷可能となる、閲覧の完了を認定する内容の文章データである。認定データが含まれていない場合には(S44:NO)、印刷指示が行われた全てのデータの印刷データが作成されて(S45)、メイン処理に戻る。
【0055】
一方で、印刷指示が行われたデータに認定データが含まれている場合には(S44:YES)、閲覧状況データ記憶エリア133から閲覧状況データが読み出されて(S46)、閲覧すべき全てのデータの閲覧を回覧者Nが完了させたか否かが判断される(S47)。閲覧状況データにおいて、閲覧を完了したことを示す「YES」が回覧者Nの閲覧完了欄に記憶されている場合には(S47:YES)、印刷指示が行われた全てのデータの印刷データが作成されて(S45)、メイン処理に戻る。また、閲覧を完了していないことを示す「NO」が記憶されている場合には(S47:NO)、「まだ認定データの印刷はできません」という認定印刷不許可画面が5秒間表示され(S48)、認定データ以外のデータの印刷データが作成されて(S49)、メイン処理に戻る。
【0056】
次いで、図9のフローチャートの説明に戻り、印刷許可判断処理(S14)が終了すると、作成された印刷データがあるか否かが判断され(S15)、印刷データが無い場合には(S15:NO)、S11の判断に戻る。作成された印刷データがある場合には(S15:YES)、印刷装置通信処理が行われる(S16)。印刷装置通信処理では、印刷装置2との通信が行われ、印刷データ、閲覧状況データ、及び印刷状況データが印刷装置2へ送信される。
【0057】
ここで、図13を参照して、印刷装置通信処理の詳細について説明する。図13に示すように、印刷装置通信処理が開始されると、まず、印刷装置2との通信が開始される(S51)。そして、通信依頼信号が印刷装置2に送信され(S52)、時間を計測するためのカウントが開始される(S53)。次いで、印刷装置2から通信許可信号を受信したか否かが判断され(S54)、受信していない場合には(S54:NO)、電源がOFFとされたか否かが判断される(S55)。電源がOFFとされた場合には(S55:YES)、印刷装置2との通信が切断されて(S59)、メイン処理に戻る。また、電源がOFFとされていない場合には(S55:NO)、通信依頼信号の送信から15秒が経過したか否かが判断され(S56)、15秒が経過していない場合には(S56:NO)、S54の判断に戻る。また、15秒が経過した場合には(S56:YES)、再び通信依頼信号が送信される(S52)。
【0058】
そして、印刷装置2から通信許可信号を受信した場合には(S54:YES)、印刷データが作成されたデータについて、印刷が完了していないことを示す「NO」から、印刷を実行する印刷装置2を識別する値に印刷状況データ(図6参照)が更新される(S57)。次いで、作成された印刷データと、閲覧状況データ記憶エリア133の閲覧状況データと、印刷状況データ記憶エリア134の印刷状況データとが印刷装置2に送信され(S58)、印刷装置2との通信が切断されて(S59)、メイン処理に戻る。
【0059】
そして、図9に示すメイン処理では、印刷装置通信処理が終了し、電源がOFFとされていなければ(S17:NO)、S11の判断へ戻る。電源がOFFとされていれば(S17:YES)、メイン処理を終了する。
【0060】
次に、図14を参照して、回覧管理システム100における印刷装置2の動作について説明する。図14は、印刷装置2のメイン処理のフローチャートである。以下説明する印刷装置2のメイン処理は、ROM22に記憶されているプログラムにより、CPU20において実行される。
【0061】
まず、携帯端末1との通信が開始され(S70)、携帯端末1から通信依頼信号を受信したか否かが判断される(S71)。受信していない場合には(S71:NO)、電源がOFFとされたか否かが判断され(S72)、電源がOFFとされた場合には(S72:YES)、携帯端末1との通信が切断されて(S73)、メイン処理を終了する。また、電源がOFFとされていなければ(S72:NO)、S71の判断へ戻る。
【0062】
そして、携帯端末1から通信依頼信号を受信した場合には(S71:YES)、通信許可信号が携帯端末1に送信され(S74)、時間を計測するためのカウントが開始されて(S75)、携帯端末1から印刷データ、閲覧状況データ、及び印刷状況データを受信したか否かが判断される(S76)。データを受信していない場合には(S76:NO)、電源がOFFとされたか否かが判断され(S77)、OFFとされた場合には(S77:YES)、携帯端末1との通信が切断されて(S78)、メイン処理を終了する。また、電源がOFFとされていない場合には(S77:NO)、通信許可信号の送信から15秒が経過したか否かが判断され(S79)、15秒が経過していない場合には(S79:NO)、S76の判断へ戻る。また、15秒が経過した場合には(S79:YES)、通信許可信号が再び携帯端末1に送信される(S74)。
【0063】
そして、携帯端末1から印刷データ、閲覧状況データ、及び印刷状況データを受信した場合には(S76:YES)、受信した閲覧状況データがHDD23の閲覧状況データ記憶エリア231に、印刷状況データが印刷状況データ記憶エリア232に記憶される(S80)。これにより、コンピュータ装置3にデータが転送できない等の不具合が生じた場合であっても、回覧情報の配布者は閲覧状況及び印刷状況を把握することができる。そして、受信した印刷データの印刷が行われて(S81)、コンピュータ装置3との通信が開始される(S82)。次いで、通信依頼信号がコンピュータ装置3に送信され(S83)、時間を計測するカウントが開始されて(S84)、コンピュータ装置3から通信許可信号を受信したか否かが判断される(S85)。通信許可信号を受信していない場合には(S85:NO)、電源がOFFとされたか否かが判断され(S86)、OFFとされた場合には(S86:YES)、コンピュータ装置3との通信が切断されて(S87)、メイン処理を終了する。また、電源がOFFとされていない場合には(S86:NO)、通信依頼信号の送信から15秒が経過したか否かが判断され(S88)、経過していない場合には(S88:NO)、S85の判断へ戻る。また、15秒が経過した場合には(S88:YES)、通信依頼信号が再びコンピュータ装置3に送信される(S83)。
【0064】
そして、コンピュータ装置3から通信許可信号を受信した場合には(S85:YES)、閲覧状況データ及び印刷状況データがコンピュータ装置3へ転送されて(S89)、コンピュータ装置3との通信が切断される(S90)。次いで、電源がOFFとされたか否かが判断され(S91)、OFFとされていない場合には(S91:NO)、S71の判断へ戻る。また、電源がOFFとされた場合には(S91:YES)、メイン処理を終了する。
【0065】
次に、図15を参照して、回覧管理システム100におけるコンピュータ装置3の動作について説明する。図15は、コンピュータ装置3のメイン処理のフローチャートである。以下説明するコンピュータ装置3のメイン処理は、ROM32に記憶されているプログラムにより、CPU30において実行される。
【0066】
まず、印刷装置2との通信が開始され(S101)、印刷装置2から通信依頼信号を受信したか否かが判断される(S102)。受信していない場合には(S102:NO)、電源がOFFとされたか否かが判断され(S103)、電源がOFFとされた場合には(S103:YES)、印刷装置2との通信が切断されて(S104)、メイン処理を終了する。また、電源がOFFとされていなければ(S103:NO)、S102の判断へ戻る。
【0067】
そして、印刷装置2から通信依頼信号を受信した場合には(S102:YES)、通信許可信号が印刷装置2に送信され(S105)、時間を計測するためのカウントが開始されて(S106)、印刷装置2から閲覧状況データ及び印刷状況データを受信したか否かが判断される(S107)。データを受信していない場合には(S107:NO)、電源がOFFとされたか否かが判断され(S108)、OFFとされた場合には(S108:YES)、印刷装置2との通信が切断されて(S109)、メイン処理を終了する。また、電源がOFFとされていない場合には(S108:NO)、通信許可信号の送信から15秒が経過したか否かが判断され(S110)、15秒が経過していない場合には(S110:NO)、S107の判断へ戻る。また、15秒が経過した場合には(S110:YES)、通信許可信号が再び印刷装置2に送信される(S105)。
【0068】
そして、印刷装置2から閲覧状況データ及び印刷状況データを受信した場合には(S107:YES)、HDD33の閲覧状況データ記憶エリア331及び印刷状況データ記憶エリア332の記憶内容が、受信した新しいデータに更新される(S112)。そして、閲覧状況データ及び印刷状況データが更新されたことを示す通知画面が表示部36に表示され(S113)、通知画面が回覧情報の配布者によって確認されたか否かが判断される(S114)。配布者による通知画面の確認は、入力部35が操作されることによって表示部36内の「OK」ボタンが選択されることで行われる。通知画面が確認されていなければ(S114:NO)、電源がOFFとされたか否かが判断され(S115)、OFFとされていなければ(S115:NO)、データ更新の通知画面が継続して表示される(S113)。また、電源がOFFとされた場合には(S115:YES)、メイン処理を終了する。
【0069】
そして、配布者によってデータ更新の通知画面が確認された場合には(S114:YES)、表示部36の表示が通知画面表示前の画面表示に戻されて(S116)、電源がOFFとされていなければ(S117:NO)、S102の判断へ戻る。また、電源がOFFとされた場合には(S117:YES)、メイン処理を終了する。尚、配布者は入力部35を操作して、表示部36に表示された所定のフォルダを開くことで、閲覧状況データ及び印刷状況データの内容を確認することができる。
【0070】
以上説明したように、本実施の形態の回覧管理システム100によれば、ユーザに回覧させる回覧情報の電子データに加えて、どの回覧者がどのデータを閲覧したかを示す閲覧状況データと、どの回覧者がどのデータを印刷したかを示す印刷状況データとが携帯端末1に記憶されている。この携帯端末1を回覧者が操作すると、操作を行っている回覧者が特定され、この回覧者が新たにデータの閲覧を行う毎に閲覧状況データが更新される。また、回覧者からの印刷指示によってデータの印刷が行われる毎に、印刷状況データが更新される。そして、携帯端末1から印刷装置2へ印刷データが送信される際に、閲覧状況データ及び印刷状況データも併せて印刷装置2へ送信される。さらに、これらのデータを受信した印刷装置2は、印刷データの印刷を実行すると共に、閲覧状況データ及び印刷状況データをコンピュータ装置3へ転送する。従って、回覧情報を配布する配布者は、携帯端末1にのみ回覧情報を入力してオフラインで回覧させる場合に、どの回覧者がどのデータを閲覧したか(閲覧状況)を、コンピュータ装置3を用いて管理することができる。さらに、どの回覧者がどのデータの印刷を行ったか(印刷状況)を管理することができる。
【0071】
また、携帯端末1では、複数の印刷装置2の中で、印刷を実行した印刷装置2を特定する情報を含む印刷状況データを作成することができるため、配布者は印刷状況をより正確に把握することができる。さらに、印刷状況データには、どの回覧者にどのデータの印刷を許可するかを示す情報が含まれており、印刷の指示がなされたデータが回覧者への印刷を許可されたデータである場合のみ、印刷データが印刷装置2へ送信される。従って、配布者は、各データの印刷を許可するか否かを回覧者毎に設定することができる。
【0072】
また、閲覧状況データには、どの回覧者がどのデータを閲覧すべきであるかを示す情報が含まれており、閲覧すべき全てのデータの閲覧を回覧者が完了させると、全てのデータの閲覧を完了したことを示す認定データの印刷が可能となる。そして、携帯端末1には、複数の回覧者の回覧順序と、その時点でどの回覧順序の回覧者に閲覧が許可されているかを示す情報(N値)とが記憶されており、認定データが印刷されることを契機として、閲覧を許可する回覧者が次の回覧順序の回覧者に更新される。従って、配布者は回覧者の回覧順序を設定することができ、閲覧させたいデータを確実に閲覧させてから次の回覧順序の回覧者に回覧情報を閲覧させることができる。さらに、閲覧順序が更新される毎に印刷が実行されるため、閲覧順序が更新される毎に閲覧状況データ及び印刷状況データが印刷装置2へ送信されることとなる。よって、閲覧状況データ及び印刷状況データが印刷装置2へ送信されないまま次々に回覧情報が回覧されることを防止することができる。
【0073】
尚、上記実施の形態のコンピュータ装置3が本発明の「管理装置」に相当し、回覧情報を記憶する携帯端末1におけるHDD13の回覧情報記憶エリア131が「回覧情報記憶手段」に相当する。また、図9のS9で回覧情報を表示部16に表示させる携帯端末1のCPU10が「回覧情報表示制御手段」として機能し、S3でパスワードを利用して回覧者の特定を行う携帯端末1のCPU10が「ユーザ特定手段」として機能する。また、閲覧状況データが「閲覧状況情報」に相当し、図11のS37で閲覧状況データを閲覧完了に更新する携帯端末1のCPU10が「閲覧状況情報作成手段」として機能する。また、携帯端末1の入力部15が「印刷指示受付手段」に相当し、外部通信I/F17が「接続手段」に相当する。また、図13のS58で印刷データ、閲覧状況データ、及び印刷状況データを印刷装置2に送信する携帯端末1のCPU10が「出力手段」として機能し、S57で印刷状況データを印刷完了に更新する携帯端末1のCPU10が「印刷状況情報作成手段」として機能する。
【0074】
また、どの回覧者にどのデータの印刷を許可するかを示す情報を含む印刷状況データを記憶する携帯端末1におけるHDD13の印刷状況データ記憶エリア134が「印刷許可回覧情報記憶手段」に相当し、図12のS42で回覧者に印刷が許可されたデータであるか否かを判断する携帯端末1のCPU10が「印刷許可判断手段」として機能する。また、回覧者の回覧順序を記憶する携帯端末1におけるHDD13のパスワード記憶エリア132が「回覧順序記憶手段」に相当し、その時点でどの回覧順序の回覧者に閲覧が許可されているかを示す情報を記憶するHDD13のN値記憶エリア135が「閲覧許可ユーザ記憶手段」に相当する。また、図10のS26及びS27で、閲覧を許可する回覧者を次の回覧順序の回覧者に更新する携帯端末1のCPU10が「閲覧許可ユーザ更新手段」として機能し、図9のS3で閲覧を許可された回覧順序の回覧者であるか否かを判断する携帯端末1のCPU10が「回覧順序一致判断手段」として機能する。
【0075】
また、どの回覧者がどのデータを閲覧すべきかを示す情報を含む閲覧状況データを記憶する携帯端末1におけるHDD13の閲覧状況データ記憶エリア133が「閲覧要否情報記憶手段」に相当し、図12のS47で、閲覧すべき全てのデータの閲覧を回覧者が完了させたか否かを判断する携帯端末1のCPU10が「閲覧完了判断手段」として機能する。また、図12のS47,S45、及び図13のS58で、回覧者が全てのデータの閲覧を完了させた場合に認定データの印刷データを印刷装置2へ送信する携帯端末1のCPU10が「完了印刷指示出力手段」として機能する。また、図14に示すS89で、携帯端末1から受信した閲覧状況データ及び印刷状況データをコンピュータ装置3に転送する印刷装置2のCPU20が「転送手段」として機能する。また、印刷装置2から転送された閲覧状況データ及び印刷状況データを記憶するコンピュータ装置3のHDD33が「管理情報記憶手段」に相当する。
【0076】
尚、本発明の回覧管理システムは、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。例えば、本実施の形態では、どの回覧者がどのデータを閲覧したかを示す閲覧状況データ(図5参照)、及びどの回覧者がどのデータを印刷したかを示す印刷状況データ(図6参照)を用いて回覧情報の回覧の状況を管理している。しかし、印刷の状況を把握する必要がない場合には、閲覧状況データのみを用いて回覧の状況を管理してもよい。これにより、管理されるデータの量を削減することができ、コンピュータの処理負担を低下させることができる。
【0077】
また、本実施の形態では、回覧者が閲覧すべきデータと回覧者に閲覧が許可されたデータとが一致しているが、閲覧が許可されたデータの内の所定のデータを、回覧者が閲覧すべきデータとして設定することも可能である。この場合には、閲覧状況データ(図5参照)において、閲覧を許可するか否かを示す「許可」の情報、及び閲覧を完了したか否かを示す「完了」の情報に加えて、閲覧すべきデータであるか否かを示す情報を記憶させればよい。これにより、回覧者に必ず閲覧させたいデータと、回覧者が閲覧してもよいデータと、閲覧を禁止するデータとを配布者が設定することができる。
【0078】
また、図10に示す携帯端末1の回覧者確定処理では、閲覧すべき全てのデータの閲覧が終了し(S24:YES)、且つ、全データの閲覧を終了したことを示す内容の認定データが印刷された場合に(S26:YES)、回覧順序を更新しているが(S27)、この更新基準も変更が可能である。例えば、閲覧すべき全てのデータの閲覧が終了することのみを更新の基準としてもよいし、認定データの印刷のみを基準としてもよい。また、これらの条件を満たし、且つ回覧者が次の回覧者への回覧順序の更新を了承した場合に回覧順序が更新される構成とすれば、回覧者が十分に閲覧を行う前に回覧順序が更新されることを防止することができる。また、本実施の形態ではユーザ個人の回覧順序を設定しているが、複数のユーザからなるユーザグループ毎に順次回覧順序を更新する構成としてもよい。この場合には、ユーザグループに属したユーザであれば、回覧順序が次のユーザグループに更新されるまでの間データを閲覧することができるため、閲覧することができる時間がより長くなる。また、本実施の形態では回覧順序があらかじめ決められているが、回覧順序を設定せずに、閲覧が許可されたユーザであれば順序に関係無く閲覧が可能となる構成としてもよい。
【0079】
また、図11に示す閲覧完了判断処理では、選択されたデータが表示部16に3秒以上表示されることで(S36:YES)、回覧者による閲覧が完了したと判断しているが(S37)、閲覧完了の判断基準はこれに限られない。例えば、判断基準となるデータの表示時間は変更してもよいし、表示時間でなく、データが印刷されることで閲覧完了と判断することも可能である。この場合には、図13に示すS57の処理において、印刷状況データと共に閲覧状況データを更新すればよい。
【0080】
また、閲覧状況データ及び印刷状況データがコンピュータ装置3に転送された際に、印刷装置2を介して携帯端末1の動作を制御することも可能である。例えば、配布者が回覧情報の回覧を途中で中止させたい場合には、携帯端末1が印刷装置2に接続された際に、印刷装置2から携帯端末1へ回覧中止信号を送信し、閲覧中止信号を受信した携帯端末1は回覧情報の表示及び印刷を中止する構成とすればよい。また、印刷装置2への接続時に新たな回覧情報を携帯端末1に記憶させたり、閲覧状況データや印刷状況データの内容を変更したり、回覧者へのメッセージを表示部16に表示させたりすることも可能である。これにより、オフラインの携帯端末1で回覧情報を回覧させる場合であっても、配布者は携帯端末1を制御することができる。
【0081】
また、各機器の構成も適宜変更が可能である。例えば、閲覧状況データや印刷状況データを記憶する携帯端末1の記憶媒体はHDD13に限られず、メモリカード等の他の記憶媒体を用いてもよい。また、閲覧状況データ及び印刷状況データを管理するコンピュータ装置3は、例えばサーバに変更することも可能である。また、図9に示すS3では、正しいパスワードが入力されたか否かにより回覧者を特定しているが、指紋認証やIDチップ等を利用して回覧者を特定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】回覧管理システム100の概略を示すシステム構成図である。
【図2】携帯端末1の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】携帯端末1のHDD13の構成を示す模式図である。
【図4】HDD13のパスワード記憶エリア132の構成を示す模式図である。
【図5】HDD13の閲覧状況データ記憶エリア133の構成を示す模式図である。
【図6】HDD13の印刷状況データ記憶エリア134の構成を示す模式図である。
【図7】印刷装置2の電気的構成を示すブロック図である。
【図8】コンピュータ装置3の電気的構成を示すブロック図である。
【図9】携帯端末1のメイン処理のフローチャートである。
【図10】携帯端末1のメイン処理で実行される回覧者確定処理のフローチャートである。
【図11】携帯端末1のメイン処理で実行される閲覧完了判断処理のフローチャートである。
【図12】携帯端末1のメイン処理で実行される印刷許可判断処理のフローチャートである。
【図13】携帯端末1のメイン処理で実行される印刷装置通信処理のフローチャートである。
【図14】印刷装置2のメイン処理のフローチャートである。
【図15】コンピュータ装置3のメイン処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0083】
1 携帯端末
2 印刷装置
3 コンピュータ装置
10 CPU
13 HDD
15 入力部
17 外部通信I/F
20 CPU
33 HDD
100 回覧管理システム
131 回覧情報記憶エリア
132 パスワード記憶エリア
133 閲覧状況データ記憶エリア
134 印刷状況データ記憶エリア
【技術分野】
【0001】
本発明は、回覧情報の回覧の状況を把握可能な回覧管理システム、及びこのシステムを構成する携帯端末、印刷装置、並びに各装置で動作する情報作成プログラム、印刷プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子データ化された電子文書等の回覧情報の回覧の進捗状況が確認できる文書回覧システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このシステムによると、各端末はオンラインで接続されており、複数の端末で電子文書を閲覧することができる。そして、回覧の進捗状況等を記録する管理ファイルが電子文書に対応付けて設けられており、管理ファイル内の情報が配布者の端末に出力される。これにより、配布者は回覧中の電子文書(回覧情報)を管理することができる。
【特許文献1】特開2003−58678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の文書回覧システムでは、各端末が常にオンラインで接続されている必要がある。これに対して、ユーザに回覧させる回覧情報をオフラインの携帯端末に記憶させ、この携帯端末が次々に手渡されることにより回覧情報を回覧させる場合、配布者に回覧の進捗状況を通知することができないという問題点があった。
【0004】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、回覧用の特定の携帯端末にのみ回覧データを入力してオフラインで回覧情報を回覧させる場合に、配布者が回覧の進捗状況を容易に管理することができる回覧管理システム、及びこのシステムを構成する携帯端末、印刷装置、並びに各装置で動作する情報作成プログラム、印刷プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の回覧管理システムは、情報を表示する表示手段を備えた携帯端末と、前記携帯端末と接続可能な印刷装置と、前記印刷装置と接続可能な管理装置とを備えた回覧管理システムであって、前記携帯端末は、ユーザに回覧させる回覧情報を記憶する回覧情報記憶手段と、前記回覧情報記憶手段に記憶された回覧情報を表示させるための表示指示の入力に基づいて、前記表示手段に回覧情報を表示させる回覧情報表示制御手段と、前記表示指示の入力を行ったユーザを特定するユーザ特定手段と、前記表示手段に表示された前記回覧情報が、前記ユーザ特定手段によって特定されたユーザにより閲覧されたことを示す情報である閲覧状況情報を作成する閲覧状況情報作成手段と、所定の情報の印刷指示を受け付ける印刷指示受付手段と、前記印刷装置に接続する接続手段と、前記接続手段によって接続された前記印刷装置に、前記印刷指示受付手段によって受け付けられた所定の情報の印刷指示と、前記閲覧状況情報作成手段により作成された閲覧状況情報とを出力する出力手段とを備え、前記印刷装置は、前記携帯端末から受信した閲覧状況情報を前記管理装置に転送する転送手段を備え、前記管理装置は、前記印刷装置から受信した閲覧状況情報を記憶する管理情報記憶手段を備えている。
【0006】
また、本発明の請求項2に記載の携帯端末は、情報を表示する表示手段を備えた携帯端末であって、ユーザに回覧させる回覧情報を記憶する回覧情報記憶手段と、前記回覧情報記憶手段に記憶された回覧情報を表示させるための表示指示の入力に基づいて、前記表示手段に回覧情報を表示させる回覧情報表示制御手段と、前記表示指示の入力を行ったユーザを特定するユーザ特定手段と、前記表示手段に表示された前記回覧情報が、前記ユーザ特定手段によって特定されたユーザにより閲覧されたことを示す情報である閲覧状況情報を作成する閲覧状況情報作成手段と、所定の情報の印刷指示を受け付ける印刷指示受付手段と、管理装置に接続可能な印刷装置に接続する接続手段と、前記接続手段によって接続された前記印刷装置に、前記印刷指示受付手段によって受け付けられた所定の情報の印刷指示と、前記閲覧状況情報作成手段により作成された閲覧状況情報とを出力する出力手段とを備えている。
【0007】
また、本発明の請求項3に記載の携帯端末は、請求項2に記載の発明の構成に加え、前記回覧情報の印刷の指示を前記印刷指示受付手段により受け付けた場合、前記ユーザ特定手段により特定したユーザによりその回覧情報が印刷されたことを示す印刷状況情報を作成する印刷状況情報作成手段を備え、前記出力手段は、前記印刷状況情報作成手段により作成された印刷状況情報を前記印刷装置に送信することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項4に記載の携帯端末は、請求項3に記載の発明の構成に加え、前記印刷状況情報作成手段は、印刷を実行した印刷装置を特定する情報を含む前記印刷状況情報を作成することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項5に記載の携帯端末は、請求項2乃至4のいずれかに記載の発明の構成に加え、印刷を許可する回覧情報である印刷許可回覧情報がいずれであるかをユーザ毎に記憶する印刷許可回覧情報記憶手段と、前記印刷指示受付手段による印刷指示の受け付けが行われた前記所定の情報が、前記ユーザ特定手段により特定されたユーザの前記印刷許可回覧情報であるか否かを判断する印刷許可判断手段とを備え、前記出力手段は、前記印刷許可判断手段によって前記所定の情報が前記印刷許可回覧情報であると判断された場合にのみ、前記印刷指示受付手段によって受け付けられた印刷指示を前記印刷装置に送信することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項6に記載の携帯端末は、請求項2乃至5のいずれかに記載の発明の構成に加え、携帯端末を閲覧するユーザの回覧順序を記憶する回覧順序記憶手段と、回覧情報の閲覧が許可されているユーザを記憶する閲覧許可ユーザ記憶手段と、前記閲覧許可ユーザ記憶手段に閲覧が許可されているユーザとして記憶されているユーザを、前記回覧順序記憶手段に記憶された回覧順序に基づいて更新する閲覧許可ユーザ更新手段と、前記ユーザ特定手段により特定されたユーザが、前記閲覧許可ユーザ記憶手段に記憶されているユーザと一致しているか否かを判断する回覧順序一致判断手段とを備え、前記回覧情報表示制御手段は、前記回覧順序一致判断手段によりユーザが一致したと判断された場合にのみ回覧情報を表示させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項7に記載の携帯端末は、請求項6に記載の発明の構成に加え、前記回覧情報記憶手段に記憶されている回覧情報のうち、各ユーザが閲覧すべき回覧情報がいずれであるかを示す閲覧要否情報を記憶する閲覧要否情報記憶手段と、前記ユーザ特定手段により特定されたユーザが、前記閲覧要否情報に示された閲覧すべき全ての回覧情報を閲覧したか否かを判断する閲覧完了判断手段と、前記閲覧完了判断手段により全ての回覧情報を閲覧したと判断された場合に、閲覧を完了したことを示す印刷物を印刷させる指示を前記印刷装置に出力する完了印刷指示出力手段とを備え、前記閲覧許可ユーザ更新手段は、前記完了印刷指示出力手段により印刷の指示が出力された場合に、閲覧を許可するユーザを更新することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項8に記載の情報作成プログラムは、請求項2乃至7のいずれかに記載の発明の各種処理手段としてコンピュータを機能させる。
【0013】
また、本発明の請求項9に記載の印刷装置は、情報を表示する表示手段を備えた携帯端末と接続可能であり、前記携帯端末からの印刷指示に従い印刷を実行する印刷装置であって、ユーザに回覧させる回覧情報が各ユーザによって閲覧されたか否かを示す情報である閲覧状況情報が前記携帯端末から出力された場合に、前記閲覧状況情報を管理する管理装置に前記閲覧状況情報を転送する転送手段を備えている。
【0014】
また、本発明の請求項10に記載の印刷プログラムは、請求項9に記載の発明の各種処理手段としてコンピュータを機能させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1に記載の回覧管理システムによると、携帯端末が印刷装置に接続されて所定の情報の印刷指示が印刷装置へ送信される際に、どのユーザがどの回覧情報を閲覧したかを示す閲覧状況情報も印刷装置へ送信される。そして、閲覧状況情報を受信した印刷装置は管理装置へ閲覧状況情報を転送する。従って、ユーザに回覧させる回覧情報を回覧用の携帯端末にのみ記憶させてオフラインで回覧情報を回覧させる場合であっても、どのユーザがどの回覧情報を閲覧したかを示す閲覧状況情報が管理装置に記憶される。そして、配布者は管理装置に記憶されている閲覧状況情報から容易に回覧の進捗状況を知ることができる。また、回覧者は、回覧情報を送信するためだけにネットワークへの接続を行う必要もない。
【0016】
また、本発明の請求項2に記載の携帯端末は、ユーザに回覧させる回覧情報を記憶し、この回覧情報の表示指示の入力が行われると、入力を行ったユーザを特定する。そして、どのユーザがどの回覧情報を閲覧したかを示す閲覧状況情報を作成し、閲覧状況情報を管理する管理装置に接続可能な印刷装置へ閲覧状況情報と印刷指示とを出力する。従って、ユーザに回覧させる回覧情報を回覧用の携帯端末にのみ記憶させてオフラインで回覧情報を回覧させる場合であっても、配布者は管理装置に記憶されている閲覧状況情報から容易に回覧の進捗状況を知ることができる。また、回覧者は、回覧情報を送信するためだけにネットワークへの接続を行う必要もない。
【0017】
また、本発明の請求項3に記載の携帯端末は、請求項2に記載の発明の効果に加え、どのユーザがどの回覧情報を印刷させたかを示す印刷状況情報を作成し、この印刷状況情報と、閲覧状況情報と、印刷指示とが出力手段によって印刷装置に出力される。従って、回覧情報の配布者は、各ユーザがどのデータの印刷指示を行ったのかを印刷状況情報によって把握することができる。よって、印刷物による回覧情報の漏洩が発生した場合に、印刷指示を行ったユーザを把握することができる。
【0018】
また、本発明の請求項4に記載の携帯端末は、請求項3に記載の発明の効果に加え、印刷を実行した印刷装置を特定する情報を含む印刷状況情報を作成するため、回覧情報の配布者は、印刷を実行した印刷装置を印刷状況情報によって判別することができる。よって、印刷の状況をより正確に把握することができる。
【0019】
また、本発明の請求項5に記載の携帯端末は、請求項2乃至4のいずれかに記載の発明の効果に加え、どのユーザにどの回覧情報の印刷が許可されているかが印刷許可回覧情報記憶手段に記憶されており、ユーザによる印刷指示を受けた所定の情報が、そのユーザに印刷が許可された回覧情報であるか否かが判断される。そして、印刷が許可された回覧情報であると判断された場合に、印刷指示が印刷装置に出力される。従って、回覧情報の配布者は、どの回覧情報の印刷を許可するかをユーザに応じて設定することができる。
【0020】
また、本発明の請求項6に記載の携帯端末は、請求項2乃至5のいずれかに記載の発明の効果に加え、携帯端末を閲覧するユーザの回覧順序を記憶し、この回覧順序に従って、閲覧を許可するユーザを更新する。そして、ユーザ特定手段により特定されたユーザが閲覧を許可されている場合のみ、回覧情報を表示手段に表示させる。従って、回覧情報の配布者は、複数のユーザに対して所望の順序で回覧情報を閲覧させることができる。
【0021】
また、本発明の請求項7に記載の携帯端末は、請求項6に記載の発明の効果に加え、ユーザは、閲覧すべき全ての回覧情報を閲覧しなければ、閲覧を完了したことを示す印刷物を印刷装置に印刷させることができないため、回覧情報の配布者は、閲覧させたい回覧情報をユーザに閲覧させることができる。そして、閲覧を完了したことを示す印刷物が印刷されることによって、次の回覧順序のユーザが閲覧可能となるため、回覧順序が更新される毎に閲覧状況情報が印刷装置へ出力されることとなる。従って、閲覧状況情報が印刷装置へ出力されないまま次々に回覧情報が回覧されることを防止することができ、閲覧の状況をより正確に把握することができる。
【0022】
また、本発明の請求項8に記載の情報作成プログラムは、コンピュータに実行させることにより、請求項2乃至7のいずれかに記載の発明の効果を奏することができる。
【0023】
また、本発明の請求項9に記載の印刷装置は、携帯端末からの印刷指示に基づいて印刷を実行する。また、どのユーザがどの回覧情報まで閲覧を終了させたかを示す閲覧状況情報が携帯端末から出力されると、閲覧状況情報を管理する管理装置にこの閲覧状況情報を転送する。従って、ユーザに回覧させる回覧情報を回覧用の携帯端末にのみ記憶させてオフラインで回覧情報を回覧させる場合であっても、配布者は管理装置を用いて容易に回覧の進捗状況を知ることができる。また、回覧者は、回覧情報を送信するためだけにネットワークへの接続を行う必要もない。
【0024】
また、本発明の請求項10に記載の印刷プログラムは、コンピュータに実行させることにより、請求項9に記載の発明の効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本実施の形態の回覧管理システム100の概略について説明する。図1は、回覧管理システム100の概略を示すシステム構成図である。図1に示すように、回覧管理システム100は、携帯端末1と、複数の印刷装置2と、コンピュータ装置3とから構成されている。
【0026】
携帯端末1は表示部を備えた携帯型の端末であり、文字や画像からなり、回覧者に回覧させる回覧情報を電子データとして記憶する。そして、記憶している回覧情報を表示部に表示させる。従って、携帯端末1を回覧者が手渡していくことで、回覧情報が複数の回覧者に回覧される。また、携帯端末1は印刷装置2に接続可能となっており、記憶している回覧情報の印刷指示を出力して印刷装置2に印刷させることができる。ここで、携帯端末1から他の機器へ電子データを複製することはできない構成となっており、回覧者は印刷によってのみ回覧情報を手元に残すことができる。これにより、電子データがコピーされることによる情報の漏洩を防止し、機密性の高い回覧情報を回覧させることを可能としている。
【0027】
印刷装置2は、携帯端末1から印刷データを受信して印刷を実行すると共に、印刷のための接続時に携帯端末1から送信される後述の閲覧状況データ及び印刷状況データをコンピュータ装置3へ転送する。尚、本実施の形態では、携帯端末1で印刷データを作成して印刷装置2に送信しているが、携帯端末1からは回覧情報自体を送信し、印刷装置2側で回覧情報を印刷データに展開してもよい。
【0028】
コンピュータ装置3はハードディスク装置(HDD)及び表示部を備えており、複数の印刷装置2とネットワークを介して接続可能となっている。そして、印刷装置2から転送された閲覧状況データ及び印刷状況データをHDDに記憶し、記憶しているデータを表示部に表示させる。尚、各機器間の接続は有線接続であっても無線接続であってもよい。
【0029】
そして、以下説明する実施の形態では、携帯端末1で閲覧状況データ及び印刷状況データが作成される。閲覧状況データとは、どの回覧者がどの回覧情報を閲覧したのかを示すデータであり、印刷状況データとは、どの回覧者がどの回覧情報を印刷したのかを示すデータである。そして、所定の情報を印刷するために携帯端末1が印刷装置2へ接続されると、閲覧状況データ及び印刷状況データが印刷装置2を介してコンピュータ装置3に出力される。従って、回覧情報の配布者は、オフラインの携帯端末1を用いた回覧の状況をコンピュータ装置3によって把握することができる。尚、印刷される所定の情報は回覧情報だけでなく、如何なる情報であってもよい。
【0030】
次に、図2乃至図6を参照して、携帯端末1の電気的構成について説明する。図2は、携帯端末1の電気的構成を示すブロック図であり、図3は、携帯端末1のHDD13の構成を示す模式図である。また、図4は、HDD13のパスワード記憶エリア132の構成を示す模式図であり、図5は、HDD13の閲覧状況データ記憶エリア133の構成を示す模式図であり、図6は、HDD13の印刷状況データ記憶エリア134の構成を示す模式図である。
【0031】
図2に示すように、携帯端末1には、携帯端末1の制御を司るCPU10が設けられている。そして、このCPU10には、RAM11、ROM12、ハードディスク装置(HDD)13、カウンタ14、入力部15、表示部16、外部通信I/F17、及び電源スイッチ18がバスを介して接続されている。RAM11には各種のデータが一時的に記憶され、ROM12には携帯端末1を動作させるためのプログラム等が記憶される。また、HDD13は各種情報を記憶し、カウンタ14は時間の計測等の数値処理を行う。また、入力部15は、ユーザによる入力を受け付けるボタンや十字キーからなり、表示部16は文字や画像からなる回覧情報を表示する。また、外部通信I/F17によって携帯端末1と印刷装置2とが接続され、電源スイッチ18によって携帯端末1の電源の入切が行われる。
【0032】
次に、図3を参照して、HDD13の構成について説明する。HDD13には、回覧情報記憶エリア131、パスワード記憶エリア132、閲覧状況データ記憶エリア133、印刷状況データ記憶エリア134、及びN値記憶エリア135が少なくとも設けられている。回覧情報記憶エリア131には、文字や画像からなる回覧情報の電子データが記憶される。パスワード記憶エリア132には、携帯端末1を操作している回覧者を特定するためのパスワードが記憶される。閲覧状況データ記憶エリア133には、どの回覧者がどの回覧情報を閲覧したのかを示す閲覧状況データが記憶される。印刷状況データ記憶エリア134には、どの回覧者がどの回覧情報まで印刷したのかを示す印刷状況データが記憶される。そして、N値記憶エリア135には、あらかじめ定められた回覧順序に従って回覧情報を複数の回覧者に回覧させるためのカウンタの値が記憶される。
【0033】
次に、図4を参照して、パスワード記憶エリア132について説明する。図4に示すように、パスワード記憶エリア132には、回覧者欄と、パスワード欄と、N値欄とが設けられている。そして、携帯端末1が回覧者を特定するためのパスワードと、回覧順序を示すN値とがそれぞれの欄に回覧者毎に記憶されている。このパスワード記憶エリア132の記憶内容は、回覧情報を配布する配布者によって、回覧情報記憶エリア131の回覧情報と共に記憶される。そして、配布者以外の者はパスワード記憶エリア132の内容を変更できないように構成されている。
【0034】
次に、図5を参照して、閲覧状況データ記憶エリア133について説明する。図5に示すように、閲覧状況データ記憶エリア133には、回覧者毎に、各データが閲覧を許可されたデータであるか否かを示す情報と、閲覧すべきデータ(閲覧を許可されたデータ)を回覧者が閲覧したか否かを示す情報と、閲覧すべき全てのデータについて回覧者が閲覧を完了させたか否かを示す情報とが記憶されている。
【0035】
例えば、図5に示す例において、回覧者「1」の「許可」の列には、閲覧を許可することを示す「YES」がデータ1からデータ10の全てのデータに対して記憶されている。また、回覧者「1」の「完了」の列には、回覧者「1」によるデータの閲覧が完了したことを示す「YES」が、データ1からデータ10の全てのデータに対して記憶されている。さらに、閲覧すべき全てのデータの閲覧を完了したことを示す「YES」が「閲覧完了」に対して記憶されている。同様に、回覧者「4」の「許可」の列には、データ1及びデータ2に対して閲覧を許可しないことを示す「NO」が、データ3からデータ10に対して閲覧を許可することを示す「YES」が記憶されている。また、回覧者「4」の「完了」の列には、データ3からデータ5に対して閲覧が完了したことを示す「YES」が、データ6からデータ10に対して閲覧が完了していないことを示す「NO」が記憶され、さらに、閲覧すべき全てのデータの閲覧が完了していないことを示す「NO」が「閲覧完了」に対して記憶されている。尚、「許可」の列の情報は配布者によってあらかじめ記憶され、「完了」の列の情報はデータの閲覧が行われる毎に更新されるが、この詳細は後述する。
【0036】
次に、図6を参照して、印刷状況データ記憶エリア134について説明する。図6に示すように、印刷状況データ記憶エリア134には、回覧者毎に、各データが印刷を許可されたデータであるか否かを示す情報と、データが印刷されたか否かを示す情報と、データの印刷が行われた場合にどの印刷装置で印刷されたかを示す情報と、認定データの印刷が行われたか否かを示す情報と、認定データがどの印刷装置で印刷されたか否かを示す情報とが記憶されている。この認定データとは、閲覧すべき全てのデータの閲覧が完了した場合に印刷可能となる、閲覧の完了を認定する内容の文書データである。
【0037】
例えば、図6に示す例において、回覧者「2」の「許可」の列には、印刷を許可することを示す「YES」がデータ1からデータ5に対して記憶されており、印刷を許可しないことを示す「NO」がデータ6からデータ10に対して記憶されている。また、回覧者「2」の「印刷装置」の列には、データ1及びデータ2に対して印刷が行われていないことを示す「NO」が、データ3からデータ5、及び認定データに対しては、印刷装置「3」で印刷されたことを示す「3」が記憶されている。尚、「許可」の列の情報は配布者によってあらかじめ記憶され、「印刷装置」の列の情報はデータの印刷が行われる毎に更新されるが、この詳細は後述する。
【0038】
次に、図7を参照して、印刷装置2の電気的構成について説明する。図7は、印刷装置2の電気的構成を示すブロック図である。図7に示すように、印刷装置2には、印刷装置2の制御を司るCPU20が設けられている。そして、このCPU20には、RAM21、ROM22、HDD23、カウンタ24、表示部26、外部通信I/F27、電源スイッチ28、及び印刷制御部29がバスを介して接続されている。RAM21には各種のデータが一時的に記憶され、ROM22には印刷装置2を動作させるためのプログラム等が記憶される。また、HDD23は各種情報を記憶し、カウンタ24は時間の計測等の数値処理を行う。また、表示部26には画像が表示され、外部通信I/F27によって印刷装置2が携帯端末1やコンピュータ装置3に接続される。また、電源スイッチ28によって印刷装置2の電源の入切が行われ、印刷制御部29は印刷動作を制御する。そして、HDD23には、携帯端末1から送信された閲覧状況データを記憶する閲覧状況データ記憶エリア231と、携帯端末1から送信された印刷状況データを記憶する印刷状況データ記憶エリア232とが少なくとも設けられている。
【0039】
次に、図8を参照して、コンピュータ装置3の電気的構成について説明する。図8は、コンピュータ装置3の電気的構成を示すブロック図である。図8に示すように、コンピュータ装置3には、コンピュータ装置3の制御を司るCPU30が設けられている。そして、このCPU30には、RAM31、ROM32、HDD33、カウンタ34、入力部35、表示部36、外部通信I/F37、及び電源スイッチ38がバスを介して接続されている。RAM31には各種のデータが一時的に記憶され、ROM32にはコンピュータ装置3を動作させるためのプログラム等が記憶される。また、HDD33は各種情報を記憶し、カウンタ34は時間の計測等の数値処理を行う。また、入力部35は、ユーザによる入力を受け付けるキーボード及びマウスからなり、表示部36は画像を出力するディスプレイからなる。また、外部通信I/F37によってコンピュータ装置3と印刷装置2とが接続され、電源スイッチ38によってコンピュータ装置3の電源の入切が行われる。そして、HDD33には、印刷装置2から転送された閲覧状況データを記憶する閲覧状況データ記憶エリア331と、印刷装置2から転送された印刷状況データを記憶する印刷状況データ記憶エリア332とが少なくとも設けられている。
【0040】
次に、上記のように構成された回覧管理システム100における携帯端末1の動作について、図9乃至図13を参照して説明する。図9は、携帯端末1のメイン処理のフローチャートであり、図10は、携帯端末1のメイン処理で実行される回覧者確定処理のフローチャートである。また、図11は、携帯端末1のメイン処理で実行される閲覧完了判断処理のフローチャートであり、図12は、携帯端末1のメイン処理で実行される印刷許可判断処理のフローチャートであり、図13は、携帯端末1のメイン処理で実行される印刷装置通信処理のフローチャートである。
【0041】
携帯端末1では、電源が投入されるとROM12に記憶されているプログラムがRAM11に読み出されて起動され、図9に示すメイン処理がCPU10により実行される。まず、回覧者確定処理が実行される(S1)。この回覧者確定処理では、回覧順序がどの回覧者まで回ってきているのかを確認して閲覧を許可する回覧者を確定し、確定された回覧者のパスワードを読み出す処理が行われる。
【0042】
ここで、図10を参照して、回覧者確定処理の詳細について説明する。図10に示すように、回覧者確定処理が開始されると、回覧順序がどの回覧者まで回っているのかを示すN値が、HDD13のN値記憶エリア135(図3参照)から読み出される(S21)。次いで、読み出されたN値が「0」であるか否かが判断される(S22)。「0」であれば(S22:YES)、まだ誰も回覧情報の閲覧を行っていない状態である。従って、回覧順序が最初の回覧者に対して閲覧を許可するために、N値記憶エリア135に記憶されているNの値に「1」が加算され(S27)、N番目の回覧者のパスワードがパスワード記憶エリア132(図4参照)から読み出されて(S28)、メイン処理に戻る。
【0043】
また、読み出されたN値が「0」でない場合には(S22:NO)、HDD13の閲覧状況データ記憶エリア133(図5参照)から閲覧状況データが読み出される(S23)。そして、読み出された閲覧状況データから、回覧者Nが閲覧すべき全てのデータの閲覧を完了させたか否かが判断される(S24)。回覧者Nの閲覧完了の欄(図5参照)に、閲覧がまだ完了していないことを示す「NO」が記憶されている場合には(S24:NO)、回覧順序は変更されることなく、そのまま回覧者Nのパスワードが読み出されて(S28)、メイン処理に戻る。
【0044】
また、回覧者Nの回覧完了の欄に、閲覧すべき全てのデータの閲覧を完了させたことを示す「YES」が記憶されている場合には(S24:YES)、HDD13の印刷状況データ記憶エリア134(図6参照)から印刷状況データが読み出される(S25)。そして、閲覧すべき全てのデータの閲覧が完了した場合に印刷可能となる認定データが回覧者Nによって印刷されたか否かが、読み出された印刷状況データによって判断される(S26)。認定データの印刷が行われていないことを示す「NO」が回覧者Nの認定データの欄に記憶されていれば(S26:NO)、そのまま回覧者Nのパスワードが読み出されて(S28)、メイン処理に戻る。一方で、認定データの印刷が行われたことを示す情報(印刷を実行した印刷装置を識別する情報)が記憶されていれば(S26:YES)、次の回覧順序の回覧者による閲覧を可能とするために、Nの値に「1」が加算され(S27)、回覧者Nのパスワードが読み出されて(S28)、メイン処理に戻る。
【0045】
次いで、図9に示すように、回覧者確定処理(S1)が終了すると、ユーザにパスワードの入力を促すパスワード入力画面が表示部16に表示されて(S2)、正しいパスワードが入力されたか否かの判断が行われる(S3)。回覧者確定処理で読み出された正しいパスワードが入力されていない場合には(S3:NO)、電源がOFFとされたか否かが判断され(S4)、電源がOFFとされていなければ(S4:NO)、S2の処理へ戻り、パスワード入力画面が継続して表示される。また、正しいパスワードが入力されずに電源がOFFとされた場合には(S4:YES)、メイン処理を終了する。
【0046】
そして、回覧者が入力部15を操作することにより、回覧者確定処理(S1)で読み出された正しいパスワードが入力された場合には(S3:YES)、閲覧状況データ記憶エリア133から閲覧状況データが読み出されて(S5)、回覧者Nに閲覧が許可されているデータの選択画面が表示部16に表示される(S6)。次いで、閲覧を希望するデータが回覧者によって選択されたか否かが判断され(S7)、データが選択されていない場合には(S7:NO)、電源がOFFとされたか否かが判断される(S8)。データが選択されずに電源がOFFとされた場合には(S8:YES)、メイン処理を終了する。また、電源がOFFとされていなければ(S8:NO)、S6の処理に戻り、データ選択画面の表示が継続される。
【0047】
そして、閲覧を希望するデータが回覧者によって選択された場合には(S7:YES)、選択されたデータが回覧情報記憶エリア131(図3参照)から読み出されて表示部16に表示され(S9)、閲覧完了判断処理が実行される(S10)。この閲覧完了判断処理では、表示されているデータが回覧者Nによって閲覧されたか否かが判断され、閲覧が完了したと判断された場合に閲覧状況データが更新される。
【0048】
ここで、図11を参照して、閲覧完了判断処理の詳細について説明する。図11に示すように、閲覧完了判断処理が開始されると、閲覧状況データ記憶エリア133から閲覧状況データが読み出され(S31)、表示中のデータが既に閲覧完了となっているデータであるか否かが判断される(S32)。閲覧が完了していることを示す「YES」が記憶されているデータであれば(S32:YES)、そのままメイン処理に戻る。一方で、閲覧が完了していないことを示す「NO」が記憶されているデータである場合には(S32:NO)、時間を計測するためのカウントが開始される(S33)。
【0049】
そして、表示中のデータとは異なる別のデータが選択されたか否かが判断され(S34)、別のデータが選択されていなければ(S34:NO)、電源がOFFとされたか否かが判断される(S35)。電源がOFFとされていなければ(S35:NO)、3秒が経過したか否かが判断され(S36)、経過していなければ(S36:NO)、S34の判断へ戻る。そして、3秒が経過する前に別のデータが選択された場合(S34:YES)、若しくは電源がOFFとされた場合には(S35:YES)、メイン処理に戻る。
【0050】
一方で、データが表示されて3秒が経過した場合には(S36:YES)、回覧者Nによる閲覧が完了したことを示す「YES」が表示中のデータに対して記憶され、閲覧状況データが更新される(S37)。次いで、閲覧すべき全てのデータの閲覧を回覧者Nが完了させたか否かが判断される(S38)。閲覧すべきデータ(図5の「許可」の欄に「YES」が記憶されているデータ)の中で、閲覧が完了していないことを示す「NO」が記憶されているデータが存在する場合には(S38:NO)、そのままメイン処理に戻る。また、閲覧が完了したことを示す「YES」が閲覧すべきデータの全てに対して記憶されている場合には(S38:YES)、閲覧状況データにおける回覧者Nの「閲覧完了」欄に、全てのデータの閲覧が完了したことを示す「YES」が記憶されて(S39)、メイン処理に戻る。
【0051】
次いで、図9のフローチャートの説明に戻り、閲覧完了判断処理(S10)が終了すると、表示中のデータとは異なる別のデータが選択されたか否かが判断され(S11)、別のデータが選択された場合には(S11:YES)、選択されたデータが表示される(S9)。別のデータが選択されていない場合には(S11:NO)、電源がOFFとされたか否かが判断され(S12)、電源がOFFとされた場合には(S12:YES)、メイン処理を終了する。
【0052】
そして、別のデータが選択されておらず、電源もOFFとされていなければ(S11:NO、S12:NO)、回覧者による印刷指示が行われたか否かが判断される(S13)。この印刷指示は、回覧者が入力部15を操作して印刷したいデータを選択し、さらに表示部16に表示される印刷ボタンを選択することにより行われる。印刷指示が行われていない場合には(S13:NO)、S11の判断に戻る。一方で、印刷指示が行われた場合には(S13:YES)、印刷許可判断処理が行われる(S14)。印刷許可判断処理では、回覧者Nによって印刷の指示が行われたデータが、回覧者Nに対して印刷が許可されているデータであるか否かが判断される。また、認定データの印刷指示が行われた場合に、認定データの印刷条件が満たされているか否かが判断される。そして、判断結果に応じて印刷データが作成される。
【0053】
ここで、図12を参照して、印刷許可判断処理の詳細について説明する。図12に示すように、印刷許可判断処理が開始されると、まず、HDD13の印刷状況データ記憶エリア134に記憶されている印刷状況データ(図6参照)が読み出される(S41)。次いで、回覧者Nによって印刷の指示が行われたデータが、回覧者Nに対して印刷が許可されているデータであるか否かが判断される(S42)。印刷状況データにおいて、印刷指示が行われたデータに対して印刷を許可しないことを示す「NO」が記憶されている場合には(S42:NO)、「印刷が許可されていません」という印刷不許可画面が表示部16に5秒間表示されて(S43)、メイン処理に戻る。
【0054】
一方で、回覧者Nからの印刷指示が行われたデータに対して、印刷が許可されていることを示す「YES」が記憶されている場合には(S42:YES)、印刷の指示が行われたデータに認定データが含まれているか否かが判断される(S44)。先述したように、この認定データとは、閲覧すべき全てのデータの閲覧が完了した場合に印刷可能となる、閲覧の完了を認定する内容の文章データである。認定データが含まれていない場合には(S44:NO)、印刷指示が行われた全てのデータの印刷データが作成されて(S45)、メイン処理に戻る。
【0055】
一方で、印刷指示が行われたデータに認定データが含まれている場合には(S44:YES)、閲覧状況データ記憶エリア133から閲覧状況データが読み出されて(S46)、閲覧すべき全てのデータの閲覧を回覧者Nが完了させたか否かが判断される(S47)。閲覧状況データにおいて、閲覧を完了したことを示す「YES」が回覧者Nの閲覧完了欄に記憶されている場合には(S47:YES)、印刷指示が行われた全てのデータの印刷データが作成されて(S45)、メイン処理に戻る。また、閲覧を完了していないことを示す「NO」が記憶されている場合には(S47:NO)、「まだ認定データの印刷はできません」という認定印刷不許可画面が5秒間表示され(S48)、認定データ以外のデータの印刷データが作成されて(S49)、メイン処理に戻る。
【0056】
次いで、図9のフローチャートの説明に戻り、印刷許可判断処理(S14)が終了すると、作成された印刷データがあるか否かが判断され(S15)、印刷データが無い場合には(S15:NO)、S11の判断に戻る。作成された印刷データがある場合には(S15:YES)、印刷装置通信処理が行われる(S16)。印刷装置通信処理では、印刷装置2との通信が行われ、印刷データ、閲覧状況データ、及び印刷状況データが印刷装置2へ送信される。
【0057】
ここで、図13を参照して、印刷装置通信処理の詳細について説明する。図13に示すように、印刷装置通信処理が開始されると、まず、印刷装置2との通信が開始される(S51)。そして、通信依頼信号が印刷装置2に送信され(S52)、時間を計測するためのカウントが開始される(S53)。次いで、印刷装置2から通信許可信号を受信したか否かが判断され(S54)、受信していない場合には(S54:NO)、電源がOFFとされたか否かが判断される(S55)。電源がOFFとされた場合には(S55:YES)、印刷装置2との通信が切断されて(S59)、メイン処理に戻る。また、電源がOFFとされていない場合には(S55:NO)、通信依頼信号の送信から15秒が経過したか否かが判断され(S56)、15秒が経過していない場合には(S56:NO)、S54の判断に戻る。また、15秒が経過した場合には(S56:YES)、再び通信依頼信号が送信される(S52)。
【0058】
そして、印刷装置2から通信許可信号を受信した場合には(S54:YES)、印刷データが作成されたデータについて、印刷が完了していないことを示す「NO」から、印刷を実行する印刷装置2を識別する値に印刷状況データ(図6参照)が更新される(S57)。次いで、作成された印刷データと、閲覧状況データ記憶エリア133の閲覧状況データと、印刷状況データ記憶エリア134の印刷状況データとが印刷装置2に送信され(S58)、印刷装置2との通信が切断されて(S59)、メイン処理に戻る。
【0059】
そして、図9に示すメイン処理では、印刷装置通信処理が終了し、電源がOFFとされていなければ(S17:NO)、S11の判断へ戻る。電源がOFFとされていれば(S17:YES)、メイン処理を終了する。
【0060】
次に、図14を参照して、回覧管理システム100における印刷装置2の動作について説明する。図14は、印刷装置2のメイン処理のフローチャートである。以下説明する印刷装置2のメイン処理は、ROM22に記憶されているプログラムにより、CPU20において実行される。
【0061】
まず、携帯端末1との通信が開始され(S70)、携帯端末1から通信依頼信号を受信したか否かが判断される(S71)。受信していない場合には(S71:NO)、電源がOFFとされたか否かが判断され(S72)、電源がOFFとされた場合には(S72:YES)、携帯端末1との通信が切断されて(S73)、メイン処理を終了する。また、電源がOFFとされていなければ(S72:NO)、S71の判断へ戻る。
【0062】
そして、携帯端末1から通信依頼信号を受信した場合には(S71:YES)、通信許可信号が携帯端末1に送信され(S74)、時間を計測するためのカウントが開始されて(S75)、携帯端末1から印刷データ、閲覧状況データ、及び印刷状況データを受信したか否かが判断される(S76)。データを受信していない場合には(S76:NO)、電源がOFFとされたか否かが判断され(S77)、OFFとされた場合には(S77:YES)、携帯端末1との通信が切断されて(S78)、メイン処理を終了する。また、電源がOFFとされていない場合には(S77:NO)、通信許可信号の送信から15秒が経過したか否かが判断され(S79)、15秒が経過していない場合には(S79:NO)、S76の判断へ戻る。また、15秒が経過した場合には(S79:YES)、通信許可信号が再び携帯端末1に送信される(S74)。
【0063】
そして、携帯端末1から印刷データ、閲覧状況データ、及び印刷状況データを受信した場合には(S76:YES)、受信した閲覧状況データがHDD23の閲覧状況データ記憶エリア231に、印刷状況データが印刷状況データ記憶エリア232に記憶される(S80)。これにより、コンピュータ装置3にデータが転送できない等の不具合が生じた場合であっても、回覧情報の配布者は閲覧状況及び印刷状況を把握することができる。そして、受信した印刷データの印刷が行われて(S81)、コンピュータ装置3との通信が開始される(S82)。次いで、通信依頼信号がコンピュータ装置3に送信され(S83)、時間を計測するカウントが開始されて(S84)、コンピュータ装置3から通信許可信号を受信したか否かが判断される(S85)。通信許可信号を受信していない場合には(S85:NO)、電源がOFFとされたか否かが判断され(S86)、OFFとされた場合には(S86:YES)、コンピュータ装置3との通信が切断されて(S87)、メイン処理を終了する。また、電源がOFFとされていない場合には(S86:NO)、通信依頼信号の送信から15秒が経過したか否かが判断され(S88)、経過していない場合には(S88:NO)、S85の判断へ戻る。また、15秒が経過した場合には(S88:YES)、通信依頼信号が再びコンピュータ装置3に送信される(S83)。
【0064】
そして、コンピュータ装置3から通信許可信号を受信した場合には(S85:YES)、閲覧状況データ及び印刷状況データがコンピュータ装置3へ転送されて(S89)、コンピュータ装置3との通信が切断される(S90)。次いで、電源がOFFとされたか否かが判断され(S91)、OFFとされていない場合には(S91:NO)、S71の判断へ戻る。また、電源がOFFとされた場合には(S91:YES)、メイン処理を終了する。
【0065】
次に、図15を参照して、回覧管理システム100におけるコンピュータ装置3の動作について説明する。図15は、コンピュータ装置3のメイン処理のフローチャートである。以下説明するコンピュータ装置3のメイン処理は、ROM32に記憶されているプログラムにより、CPU30において実行される。
【0066】
まず、印刷装置2との通信が開始され(S101)、印刷装置2から通信依頼信号を受信したか否かが判断される(S102)。受信していない場合には(S102:NO)、電源がOFFとされたか否かが判断され(S103)、電源がOFFとされた場合には(S103:YES)、印刷装置2との通信が切断されて(S104)、メイン処理を終了する。また、電源がOFFとされていなければ(S103:NO)、S102の判断へ戻る。
【0067】
そして、印刷装置2から通信依頼信号を受信した場合には(S102:YES)、通信許可信号が印刷装置2に送信され(S105)、時間を計測するためのカウントが開始されて(S106)、印刷装置2から閲覧状況データ及び印刷状況データを受信したか否かが判断される(S107)。データを受信していない場合には(S107:NO)、電源がOFFとされたか否かが判断され(S108)、OFFとされた場合には(S108:YES)、印刷装置2との通信が切断されて(S109)、メイン処理を終了する。また、電源がOFFとされていない場合には(S108:NO)、通信許可信号の送信から15秒が経過したか否かが判断され(S110)、15秒が経過していない場合には(S110:NO)、S107の判断へ戻る。また、15秒が経過した場合には(S110:YES)、通信許可信号が再び印刷装置2に送信される(S105)。
【0068】
そして、印刷装置2から閲覧状況データ及び印刷状況データを受信した場合には(S107:YES)、HDD33の閲覧状況データ記憶エリア331及び印刷状況データ記憶エリア332の記憶内容が、受信した新しいデータに更新される(S112)。そして、閲覧状況データ及び印刷状況データが更新されたことを示す通知画面が表示部36に表示され(S113)、通知画面が回覧情報の配布者によって確認されたか否かが判断される(S114)。配布者による通知画面の確認は、入力部35が操作されることによって表示部36内の「OK」ボタンが選択されることで行われる。通知画面が確認されていなければ(S114:NO)、電源がOFFとされたか否かが判断され(S115)、OFFとされていなければ(S115:NO)、データ更新の通知画面が継続して表示される(S113)。また、電源がOFFとされた場合には(S115:YES)、メイン処理を終了する。
【0069】
そして、配布者によってデータ更新の通知画面が確認された場合には(S114:YES)、表示部36の表示が通知画面表示前の画面表示に戻されて(S116)、電源がOFFとされていなければ(S117:NO)、S102の判断へ戻る。また、電源がOFFとされた場合には(S117:YES)、メイン処理を終了する。尚、配布者は入力部35を操作して、表示部36に表示された所定のフォルダを開くことで、閲覧状況データ及び印刷状況データの内容を確認することができる。
【0070】
以上説明したように、本実施の形態の回覧管理システム100によれば、ユーザに回覧させる回覧情報の電子データに加えて、どの回覧者がどのデータを閲覧したかを示す閲覧状況データと、どの回覧者がどのデータを印刷したかを示す印刷状況データとが携帯端末1に記憶されている。この携帯端末1を回覧者が操作すると、操作を行っている回覧者が特定され、この回覧者が新たにデータの閲覧を行う毎に閲覧状況データが更新される。また、回覧者からの印刷指示によってデータの印刷が行われる毎に、印刷状況データが更新される。そして、携帯端末1から印刷装置2へ印刷データが送信される際に、閲覧状況データ及び印刷状況データも併せて印刷装置2へ送信される。さらに、これらのデータを受信した印刷装置2は、印刷データの印刷を実行すると共に、閲覧状況データ及び印刷状況データをコンピュータ装置3へ転送する。従って、回覧情報を配布する配布者は、携帯端末1にのみ回覧情報を入力してオフラインで回覧させる場合に、どの回覧者がどのデータを閲覧したか(閲覧状況)を、コンピュータ装置3を用いて管理することができる。さらに、どの回覧者がどのデータの印刷を行ったか(印刷状況)を管理することができる。
【0071】
また、携帯端末1では、複数の印刷装置2の中で、印刷を実行した印刷装置2を特定する情報を含む印刷状況データを作成することができるため、配布者は印刷状況をより正確に把握することができる。さらに、印刷状況データには、どの回覧者にどのデータの印刷を許可するかを示す情報が含まれており、印刷の指示がなされたデータが回覧者への印刷を許可されたデータである場合のみ、印刷データが印刷装置2へ送信される。従って、配布者は、各データの印刷を許可するか否かを回覧者毎に設定することができる。
【0072】
また、閲覧状況データには、どの回覧者がどのデータを閲覧すべきであるかを示す情報が含まれており、閲覧すべき全てのデータの閲覧を回覧者が完了させると、全てのデータの閲覧を完了したことを示す認定データの印刷が可能となる。そして、携帯端末1には、複数の回覧者の回覧順序と、その時点でどの回覧順序の回覧者に閲覧が許可されているかを示す情報(N値)とが記憶されており、認定データが印刷されることを契機として、閲覧を許可する回覧者が次の回覧順序の回覧者に更新される。従って、配布者は回覧者の回覧順序を設定することができ、閲覧させたいデータを確実に閲覧させてから次の回覧順序の回覧者に回覧情報を閲覧させることができる。さらに、閲覧順序が更新される毎に印刷が実行されるため、閲覧順序が更新される毎に閲覧状況データ及び印刷状況データが印刷装置2へ送信されることとなる。よって、閲覧状況データ及び印刷状況データが印刷装置2へ送信されないまま次々に回覧情報が回覧されることを防止することができる。
【0073】
尚、上記実施の形態のコンピュータ装置3が本発明の「管理装置」に相当し、回覧情報を記憶する携帯端末1におけるHDD13の回覧情報記憶エリア131が「回覧情報記憶手段」に相当する。また、図9のS9で回覧情報を表示部16に表示させる携帯端末1のCPU10が「回覧情報表示制御手段」として機能し、S3でパスワードを利用して回覧者の特定を行う携帯端末1のCPU10が「ユーザ特定手段」として機能する。また、閲覧状況データが「閲覧状況情報」に相当し、図11のS37で閲覧状況データを閲覧完了に更新する携帯端末1のCPU10が「閲覧状況情報作成手段」として機能する。また、携帯端末1の入力部15が「印刷指示受付手段」に相当し、外部通信I/F17が「接続手段」に相当する。また、図13のS58で印刷データ、閲覧状況データ、及び印刷状況データを印刷装置2に送信する携帯端末1のCPU10が「出力手段」として機能し、S57で印刷状況データを印刷完了に更新する携帯端末1のCPU10が「印刷状況情報作成手段」として機能する。
【0074】
また、どの回覧者にどのデータの印刷を許可するかを示す情報を含む印刷状況データを記憶する携帯端末1におけるHDD13の印刷状況データ記憶エリア134が「印刷許可回覧情報記憶手段」に相当し、図12のS42で回覧者に印刷が許可されたデータであるか否かを判断する携帯端末1のCPU10が「印刷許可判断手段」として機能する。また、回覧者の回覧順序を記憶する携帯端末1におけるHDD13のパスワード記憶エリア132が「回覧順序記憶手段」に相当し、その時点でどの回覧順序の回覧者に閲覧が許可されているかを示す情報を記憶するHDD13のN値記憶エリア135が「閲覧許可ユーザ記憶手段」に相当する。また、図10のS26及びS27で、閲覧を許可する回覧者を次の回覧順序の回覧者に更新する携帯端末1のCPU10が「閲覧許可ユーザ更新手段」として機能し、図9のS3で閲覧を許可された回覧順序の回覧者であるか否かを判断する携帯端末1のCPU10が「回覧順序一致判断手段」として機能する。
【0075】
また、どの回覧者がどのデータを閲覧すべきかを示す情報を含む閲覧状況データを記憶する携帯端末1におけるHDD13の閲覧状況データ記憶エリア133が「閲覧要否情報記憶手段」に相当し、図12のS47で、閲覧すべき全てのデータの閲覧を回覧者が完了させたか否かを判断する携帯端末1のCPU10が「閲覧完了判断手段」として機能する。また、図12のS47,S45、及び図13のS58で、回覧者が全てのデータの閲覧を完了させた場合に認定データの印刷データを印刷装置2へ送信する携帯端末1のCPU10が「完了印刷指示出力手段」として機能する。また、図14に示すS89で、携帯端末1から受信した閲覧状況データ及び印刷状況データをコンピュータ装置3に転送する印刷装置2のCPU20が「転送手段」として機能する。また、印刷装置2から転送された閲覧状況データ及び印刷状況データを記憶するコンピュータ装置3のHDD33が「管理情報記憶手段」に相当する。
【0076】
尚、本発明の回覧管理システムは、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。例えば、本実施の形態では、どの回覧者がどのデータを閲覧したかを示す閲覧状況データ(図5参照)、及びどの回覧者がどのデータを印刷したかを示す印刷状況データ(図6参照)を用いて回覧情報の回覧の状況を管理している。しかし、印刷の状況を把握する必要がない場合には、閲覧状況データのみを用いて回覧の状況を管理してもよい。これにより、管理されるデータの量を削減することができ、コンピュータの処理負担を低下させることができる。
【0077】
また、本実施の形態では、回覧者が閲覧すべきデータと回覧者に閲覧が許可されたデータとが一致しているが、閲覧が許可されたデータの内の所定のデータを、回覧者が閲覧すべきデータとして設定することも可能である。この場合には、閲覧状況データ(図5参照)において、閲覧を許可するか否かを示す「許可」の情報、及び閲覧を完了したか否かを示す「完了」の情報に加えて、閲覧すべきデータであるか否かを示す情報を記憶させればよい。これにより、回覧者に必ず閲覧させたいデータと、回覧者が閲覧してもよいデータと、閲覧を禁止するデータとを配布者が設定することができる。
【0078】
また、図10に示す携帯端末1の回覧者確定処理では、閲覧すべき全てのデータの閲覧が終了し(S24:YES)、且つ、全データの閲覧を終了したことを示す内容の認定データが印刷された場合に(S26:YES)、回覧順序を更新しているが(S27)、この更新基準も変更が可能である。例えば、閲覧すべき全てのデータの閲覧が終了することのみを更新の基準としてもよいし、認定データの印刷のみを基準としてもよい。また、これらの条件を満たし、且つ回覧者が次の回覧者への回覧順序の更新を了承した場合に回覧順序が更新される構成とすれば、回覧者が十分に閲覧を行う前に回覧順序が更新されることを防止することができる。また、本実施の形態ではユーザ個人の回覧順序を設定しているが、複数のユーザからなるユーザグループ毎に順次回覧順序を更新する構成としてもよい。この場合には、ユーザグループに属したユーザであれば、回覧順序が次のユーザグループに更新されるまでの間データを閲覧することができるため、閲覧することができる時間がより長くなる。また、本実施の形態では回覧順序があらかじめ決められているが、回覧順序を設定せずに、閲覧が許可されたユーザであれば順序に関係無く閲覧が可能となる構成としてもよい。
【0079】
また、図11に示す閲覧完了判断処理では、選択されたデータが表示部16に3秒以上表示されることで(S36:YES)、回覧者による閲覧が完了したと判断しているが(S37)、閲覧完了の判断基準はこれに限られない。例えば、判断基準となるデータの表示時間は変更してもよいし、表示時間でなく、データが印刷されることで閲覧完了と判断することも可能である。この場合には、図13に示すS57の処理において、印刷状況データと共に閲覧状況データを更新すればよい。
【0080】
また、閲覧状況データ及び印刷状況データがコンピュータ装置3に転送された際に、印刷装置2を介して携帯端末1の動作を制御することも可能である。例えば、配布者が回覧情報の回覧を途中で中止させたい場合には、携帯端末1が印刷装置2に接続された際に、印刷装置2から携帯端末1へ回覧中止信号を送信し、閲覧中止信号を受信した携帯端末1は回覧情報の表示及び印刷を中止する構成とすればよい。また、印刷装置2への接続時に新たな回覧情報を携帯端末1に記憶させたり、閲覧状況データや印刷状況データの内容を変更したり、回覧者へのメッセージを表示部16に表示させたりすることも可能である。これにより、オフラインの携帯端末1で回覧情報を回覧させる場合であっても、配布者は携帯端末1を制御することができる。
【0081】
また、各機器の構成も適宜変更が可能である。例えば、閲覧状況データや印刷状況データを記憶する携帯端末1の記憶媒体はHDD13に限られず、メモリカード等の他の記憶媒体を用いてもよい。また、閲覧状況データ及び印刷状況データを管理するコンピュータ装置3は、例えばサーバに変更することも可能である。また、図9に示すS3では、正しいパスワードが入力されたか否かにより回覧者を特定しているが、指紋認証やIDチップ等を利用して回覧者を特定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】回覧管理システム100の概略を示すシステム構成図である。
【図2】携帯端末1の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】携帯端末1のHDD13の構成を示す模式図である。
【図4】HDD13のパスワード記憶エリア132の構成を示す模式図である。
【図5】HDD13の閲覧状況データ記憶エリア133の構成を示す模式図である。
【図6】HDD13の印刷状況データ記憶エリア134の構成を示す模式図である。
【図7】印刷装置2の電気的構成を示すブロック図である。
【図8】コンピュータ装置3の電気的構成を示すブロック図である。
【図9】携帯端末1のメイン処理のフローチャートである。
【図10】携帯端末1のメイン処理で実行される回覧者確定処理のフローチャートである。
【図11】携帯端末1のメイン処理で実行される閲覧完了判断処理のフローチャートである。
【図12】携帯端末1のメイン処理で実行される印刷許可判断処理のフローチャートである。
【図13】携帯端末1のメイン処理で実行される印刷装置通信処理のフローチャートである。
【図14】印刷装置2のメイン処理のフローチャートである。
【図15】コンピュータ装置3のメイン処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0083】
1 携帯端末
2 印刷装置
3 コンピュータ装置
10 CPU
13 HDD
15 入力部
17 外部通信I/F
20 CPU
33 HDD
100 回覧管理システム
131 回覧情報記憶エリア
132 パスワード記憶エリア
133 閲覧状況データ記憶エリア
134 印刷状況データ記憶エリア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する表示手段を備えた携帯端末と、前記携帯端末と接続可能な印刷装置と、前記印刷装置と接続可能な管理装置とを備えた回覧管理システムであって、
前記携帯端末は、
ユーザに回覧させる回覧情報を記憶する回覧情報記憶手段と、
前記回覧情報記憶手段に記憶された回覧情報を表示させるための表示指示の入力に基づいて、前記表示手段に回覧情報を表示させる回覧情報表示制御手段と、
前記表示指示の入力を行ったユーザを特定するユーザ特定手段と、
前記表示手段に表示された前記回覧情報が、前記ユーザ特定手段によって特定されたユーザにより閲覧されたことを示す情報である閲覧状況情報を作成する閲覧状況情報作成手段と、
所定の情報の印刷指示を受け付ける印刷指示受付手段と、
前記印刷装置に接続する接続手段と、
前記接続手段によって接続された前記印刷装置に、前記印刷指示受付手段によって受け付けられた所定の情報の印刷指示と、前記閲覧状況情報作成手段により作成された閲覧状況情報とを出力する出力手段とを備え、
前記印刷装置は、
前記携帯端末から受信した閲覧状況情報を前記管理装置に転送する転送手段を備え、
前記管理装置は、
前記印刷装置から受信した閲覧状況情報を記憶する管理情報記憶手段を備えたことを特徴とする回覧管理システム。
【請求項2】
情報を表示する表示手段を備えた携帯端末であって、
ユーザに回覧させる回覧情報を記憶する回覧情報記憶手段と、
前記回覧情報記憶手段に記憶された回覧情報を表示させるための表示指示の入力に基づいて、前記表示手段に回覧情報を表示させる回覧情報表示制御手段と、
前記表示指示の入力を行ったユーザを特定するユーザ特定手段と、
前記表示手段に表示された前記回覧情報が、前記ユーザ特定手段によって特定されたユーザにより閲覧されたことを示す情報である閲覧状況情報を作成する閲覧状況情報作成手段と、
所定の情報の印刷指示を受け付ける印刷指示受付手段と、
管理装置に接続可能な印刷装置に接続する接続手段と、
前記接続手段によって接続された前記印刷装置に、前記印刷指示受付手段によって受け付けられた所定の情報の印刷指示と、前記閲覧状況情報作成手段により作成された閲覧状況情報とを出力する出力手段とを備えたことを特徴とする携帯端末。
【請求項3】
前記回覧情報の印刷の指示を前記印刷指示受付手段により受け付けた場合、前記ユーザ特定手段により特定したユーザによりその回覧情報が印刷されたことを示す印刷状況情報を作成する印刷状況情報作成手段を備え、
前記出力手段は、前記印刷状況情報作成手段により作成された印刷状況情報を前記印刷装置に送信することを特徴とする請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記印刷状況情報作成手段は、印刷を実行した印刷装置を特定する情報を含む前記印刷状況情報を作成することを特徴とする請求項3に記載の携帯端末。
【請求項5】
印刷を許可する回覧情報である印刷許可回覧情報がいずれであるかをユーザ毎に記憶する印刷許可回覧情報記憶手段と、
前記印刷指示受付手段による印刷指示の受け付けが行われた前記所定の情報が、前記ユーザ特定手段により特定されたユーザの前記印刷許可回覧情報であるか否かを判断する印刷許可判断手段とを備え、
前記出力手段は、前記印刷許可判断手段によって前記所定の情報が前記印刷許可回覧情報であると判断された場合にのみ、前記印刷指示受付手段によって受け付けられた印刷指示を前記印刷装置に送信することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項6】
携帯端末を閲覧するユーザの回覧順序を記憶する回覧順序記憶手段と、
回覧情報の閲覧が許可されているユーザを記憶する閲覧許可ユーザ記憶手段と、
前記閲覧許可ユーザ記憶手段に閲覧が許可されているユーザとして記憶されているユーザを、前記回覧順序記憶手段に記憶された回覧順序に基づいて更新する閲覧許可ユーザ更新手段と、
前記ユーザ特定手段により特定されたユーザが、前記閲覧許可ユーザ記憶手段に記憶されているユーザと一致しているか否かを判断する回覧順序一致判断手段とを備え、
前記回覧情報表示制御手段は、前記回覧順序一致判断手段によりユーザが一致したと判断された場合にのみ回覧情報を表示させることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項7】
前記回覧情報記憶手段に記憶されている回覧情報のうち、各ユーザが閲覧すべき回覧情報がいずれであるかを示す閲覧要否情報を記憶する閲覧要否情報記憶手段と、
前記ユーザ特定手段により特定されたユーザが、前記閲覧要否情報に示された閲覧すべき全ての回覧情報を閲覧したか否かを判断する閲覧完了判断手段と、
前記閲覧完了判断手段により全ての回覧情報を閲覧したと判断された場合に、閲覧を完了したことを示す印刷物を印刷させる指示を前記印刷装置に出力する完了印刷指示出力手段とを備え、
前記閲覧許可ユーザ更新手段は、前記完了印刷指示出力手段により印刷の指示が出力された場合に、閲覧を許可するユーザを更新することを特徴とする請求項6に記載の携帯端末。
【請求項8】
請求項2乃至7のいずれかに記載の携帯端末の各種処理手段としてコンピュータを機能させるための情報作成プログラム。
【請求項9】
情報を表示する表示手段を備えた携帯端末と接続可能であり、前記携帯端末からの印刷指示に従い印刷を実行する印刷装置であって、
ユーザに回覧させる回覧情報が各ユーザによって閲覧されたか否かを示す情報である閲覧状況情報が前記携帯端末から出力された場合に、前記閲覧状況情報を管理する管理装置に前記閲覧状況情報を転送する転送手段を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項10】
請求項9に記載の印刷装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させるための印刷プログラム。
【請求項1】
情報を表示する表示手段を備えた携帯端末と、前記携帯端末と接続可能な印刷装置と、前記印刷装置と接続可能な管理装置とを備えた回覧管理システムであって、
前記携帯端末は、
ユーザに回覧させる回覧情報を記憶する回覧情報記憶手段と、
前記回覧情報記憶手段に記憶された回覧情報を表示させるための表示指示の入力に基づいて、前記表示手段に回覧情報を表示させる回覧情報表示制御手段と、
前記表示指示の入力を行ったユーザを特定するユーザ特定手段と、
前記表示手段に表示された前記回覧情報が、前記ユーザ特定手段によって特定されたユーザにより閲覧されたことを示す情報である閲覧状況情報を作成する閲覧状況情報作成手段と、
所定の情報の印刷指示を受け付ける印刷指示受付手段と、
前記印刷装置に接続する接続手段と、
前記接続手段によって接続された前記印刷装置に、前記印刷指示受付手段によって受け付けられた所定の情報の印刷指示と、前記閲覧状況情報作成手段により作成された閲覧状況情報とを出力する出力手段とを備え、
前記印刷装置は、
前記携帯端末から受信した閲覧状況情報を前記管理装置に転送する転送手段を備え、
前記管理装置は、
前記印刷装置から受信した閲覧状況情報を記憶する管理情報記憶手段を備えたことを特徴とする回覧管理システム。
【請求項2】
情報を表示する表示手段を備えた携帯端末であって、
ユーザに回覧させる回覧情報を記憶する回覧情報記憶手段と、
前記回覧情報記憶手段に記憶された回覧情報を表示させるための表示指示の入力に基づいて、前記表示手段に回覧情報を表示させる回覧情報表示制御手段と、
前記表示指示の入力を行ったユーザを特定するユーザ特定手段と、
前記表示手段に表示された前記回覧情報が、前記ユーザ特定手段によって特定されたユーザにより閲覧されたことを示す情報である閲覧状況情報を作成する閲覧状況情報作成手段と、
所定の情報の印刷指示を受け付ける印刷指示受付手段と、
管理装置に接続可能な印刷装置に接続する接続手段と、
前記接続手段によって接続された前記印刷装置に、前記印刷指示受付手段によって受け付けられた所定の情報の印刷指示と、前記閲覧状況情報作成手段により作成された閲覧状況情報とを出力する出力手段とを備えたことを特徴とする携帯端末。
【請求項3】
前記回覧情報の印刷の指示を前記印刷指示受付手段により受け付けた場合、前記ユーザ特定手段により特定したユーザによりその回覧情報が印刷されたことを示す印刷状況情報を作成する印刷状況情報作成手段を備え、
前記出力手段は、前記印刷状況情報作成手段により作成された印刷状況情報を前記印刷装置に送信することを特徴とする請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記印刷状況情報作成手段は、印刷を実行した印刷装置を特定する情報を含む前記印刷状況情報を作成することを特徴とする請求項3に記載の携帯端末。
【請求項5】
印刷を許可する回覧情報である印刷許可回覧情報がいずれであるかをユーザ毎に記憶する印刷許可回覧情報記憶手段と、
前記印刷指示受付手段による印刷指示の受け付けが行われた前記所定の情報が、前記ユーザ特定手段により特定されたユーザの前記印刷許可回覧情報であるか否かを判断する印刷許可判断手段とを備え、
前記出力手段は、前記印刷許可判断手段によって前記所定の情報が前記印刷許可回覧情報であると判断された場合にのみ、前記印刷指示受付手段によって受け付けられた印刷指示を前記印刷装置に送信することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項6】
携帯端末を閲覧するユーザの回覧順序を記憶する回覧順序記憶手段と、
回覧情報の閲覧が許可されているユーザを記憶する閲覧許可ユーザ記憶手段と、
前記閲覧許可ユーザ記憶手段に閲覧が許可されているユーザとして記憶されているユーザを、前記回覧順序記憶手段に記憶された回覧順序に基づいて更新する閲覧許可ユーザ更新手段と、
前記ユーザ特定手段により特定されたユーザが、前記閲覧許可ユーザ記憶手段に記憶されているユーザと一致しているか否かを判断する回覧順序一致判断手段とを備え、
前記回覧情報表示制御手段は、前記回覧順序一致判断手段によりユーザが一致したと判断された場合にのみ回覧情報を表示させることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項7】
前記回覧情報記憶手段に記憶されている回覧情報のうち、各ユーザが閲覧すべき回覧情報がいずれであるかを示す閲覧要否情報を記憶する閲覧要否情報記憶手段と、
前記ユーザ特定手段により特定されたユーザが、前記閲覧要否情報に示された閲覧すべき全ての回覧情報を閲覧したか否かを判断する閲覧完了判断手段と、
前記閲覧完了判断手段により全ての回覧情報を閲覧したと判断された場合に、閲覧を完了したことを示す印刷物を印刷させる指示を前記印刷装置に出力する完了印刷指示出力手段とを備え、
前記閲覧許可ユーザ更新手段は、前記完了印刷指示出力手段により印刷の指示が出力された場合に、閲覧を許可するユーザを更新することを特徴とする請求項6に記載の携帯端末。
【請求項8】
請求項2乃至7のいずれかに記載の携帯端末の各種処理手段としてコンピュータを機能させるための情報作成プログラム。
【請求項9】
情報を表示する表示手段を備えた携帯端末と接続可能であり、前記携帯端末からの印刷指示に従い印刷を実行する印刷装置であって、
ユーザに回覧させる回覧情報が各ユーザによって閲覧されたか否かを示す情報である閲覧状況情報が前記携帯端末から出力された場合に、前記閲覧状況情報を管理する管理装置に前記閲覧状況情報を転送する転送手段を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項10】
請求項9に記載の印刷装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させるための印刷プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−70307(P2009−70307A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−240314(P2007−240314)
【出願日】平成19年9月17日(2007.9.17)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月17日(2007.9.17)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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