説明

回路パターン検査装置及びその回路パターン検査方法

【課題】導電パターン間の短絡を検出する際に、同一の周波数の検査信号を用いることのできる回路パターン検査装置を提供する。
【解決手段】隣接する2つの導電パターン2a、2bに同じ周波数で同じ波形を有し、位相が反転した2つの検査信号S1、S2をそれぞれに印加し、導電パターン2a、2b上方を非接触でセンサ部4を移動させて検査信号を検出部5においてそれぞれに検出する。センサ部4が短絡した箇所に接近するに従い、印加された検査信号が互いに打ち消されて、その検出値が急峻に減少することにより、短絡発生位置100を見出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、並列して形成された回路パターンに発生した短絡不良位置を検出する回路パターン検査装置及びその回路パターン検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶表示装置の液晶基板には、例えば、多数のマトリクス状に配置された画素に対して、画像信号や制御信号のやり取りを行うための同一の微細な線幅で直線平行に配列された導電パターンが形成されている。製造工程においては、これらの導電パターンに対して、短絡や断線の不良検査を行っている。この検査は、導電パターンの線幅が細く本数が多いため、通常、直接の目視検査ではなく、まず導通チェック等の電気的検査を行っている。
【0003】
この電気的検査の手法としては、例えば、特許文献1には、導電パターンの両端に金属からなるプローブを接触させて、一端側のプローブから導電パターンに検査信号を印加し、他端側のプローブからその検査信号を検出することにより、導電パターンの導通テスト等を行う接触式の検査手法(ピンコンタクト方式)が提案されている。検査信号の印加は、プローブの先端を全導電パターンの端子に接触させ、導電パターンに順次電流を流すことにより行われる。この電気的検査においては、検査対象の導電パターンから検査信号が検出されない場合には断線不良があると判断され、検査対象の導電パターンと隣接する導電パターンから検査信号が検出された場合には、短絡不良があると判断される。
【0004】
その電気的検査を行った後、不良が検出された導電パターンに対して、パターン上を沿うように、センサを移動して電気的検査を行うか、光学顕微鏡等を用いて目視検査を行って、導電パターン上の不良位置を特定している。
【特許文献1】特開昭62−269075号公報
【特許文献2】特開2005−24518号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した電気的検査において、導電パターン上の不良位置を特定する場合、それらの導電パターンにプローブを接触又は非接触で移動させて、検出信号の変化から短絡又は断線している位置を検出している。また、目視により不良位置を特定する場合には、不良があるとして検出された導電パターン上方に沿って、カメラを移動させつつ撮像してモニタに表示して、検査者が判断している。
【0006】
従来から用いられていた導電パターンに接触させたプローブで移動させつつ検出信号の変化を検出する手法は、導電パターンの微細化が進むに伴い接触したプローブの移動によるパターンへの損傷が懸念されるため、非接触で検出する手法が好まれている。この非接触で検査位置を検査する技術としては、例えば、特許文献2において、一周波数の1つの交流検査信号又は、異なる周波数の2つの交流検査信号を用いて、パターン上方を移動させて、短絡及び断線の検査を行う検査技術が開示されている。この検査技術においては、パターンに沿ってセンサを移動し、パターンの短絡箇所の上方にセンサが位置した際に、最大の電圧値が検出される(特許文献2における図10参照)。一方、パターンの断線箇所の上方に移動するセンサが位置した際に、検出信号の反転が検出される(特許文献2における図11参照)。
【0007】
このような構成においては、2つの異なる周波数の検査信号を用いる場合、それぞれに発振回路を設ける必要があり、検出においても検出信号を分離するために2つのフィルタを用いなければならない。
【0008】
そこで本発明は、簡易な構成で、短絡する2つの導電パターンに波形が相反する1つの周波数の検査信号を印加して、導電パターン上の短絡位置を検出する回路パターン検査装置及びその回路パターン検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、基板上に列状に形成された複数の導電パターンのうち、隣接する2つの導電パターンに対して、同じ周波数で同じ波形の交流信号であり、位相が互いに180度ずれている第1の検査信号と第2の検査信号をそれぞれに印加する検査信号印加部と、前記導電パターンのそれぞれに離間して非接触で容量結合し、前記第1の検査信号及び前記第2の検査信号を検出するセンサ部と、前記センサ部を前記導電パターンと一定距離を離間した状態で前記導電パターンの延設方向に沿って移動させるセンサ移動部と、前記センサ部が移動しつつ検出した前記第1の検査信号及び前記第2の検査信号の反転信号を加算して検出信号として出力する検出部と、前記検出部により検出された検出信号の減少により予め定めた閾値以下となった前記導電パターンの位置を、隣接する2つの導電パターンの短絡不良位置と判断する判断部と、を備える回路パターン検査装置を提供する。
【0010】
さらに、基板上に列状に形成された複数の導電パターンのうち、隣接する2つの導電パターンに対して、同じ周波数で同じ波形の交流信号であり、位相が互いに180度ずれている第1の検査信号と第2の検査信号をそれぞれに印加し、前記2つの導電パターンを伝搬した第1,第2の検査信号を検出し、検出されたいずれが一方の検査信号からなる検出信号又は、一方の検査信号の位相を反転し、他方の検査信号と加算した検査信号の値が予め定めた閾値以下となった検査位置を前記2つの導電パターンにおける短絡不良位置と判断する回路パターン検査方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡易な構成で、短絡する2つの導電パターンに波形が相反する1つの周波数の検査信号を印加して、導電パターン上の短絡位置を検出する回路パターン検査装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る回路パターン検査装置の概念的な構成を示すブロック構成例を示す図である。本実施形態は、プローブが導電パターンに接触して検査信号を印加し、センサが非接触で検査信号を検出する構成である。
【0013】
この回路パターン検査装置1は、基板上に列状に形成された複数の導電パターン2に交流の検査信号を印加する検査信号印加部3と、導電パターン2から容量結合により非接触で検査信号を検出するセンサ部4と、センサ部4が検出した検査信号に信号処理を施して検出信号として出力する検出部5と、センサ部4を三次元(基板面となるXY面と、高さ調整のZ軸方向)に移動可能なセンサ移動部6と、全構成部の制御と検出信号の処理を行う制御部7と、検出結果やユーザ指示等を表示する表示部8と、ユーザの指示等を入力するキーボードやタッチパネル等からなる入力部9と、で構成される。
【0014】
本実施形態で検査対象となる導電パターンは、基板(例えば、シリコン基板やガラス基板等)上に、線形、例えば直線を成し且つ同じ線幅で等間隔に並列配列される。尚、後述するセンサ部が導電パターンに沿ってトレース移動できる移動機構を備えているならば、図1に示すような直線の導電パターンに限定しなくともよい。
【0015】
検査信号印加部3は、予め定めた周波数と振幅を有する交流の検査信号(第1の検査信号S1)を生成する検査信号生成部18と、検査信号S1の位相を180度ずれた、即ち位相を反転した第2の検査信号S2を生成する位相シフト部19と、検査信号を印加するための金属からなる2つのプローブ23,24と、で構成される。これらのプローブ23,24は、検査対象の導電パターン2とそれに隣接する導電パターン2に印加できるように並んで配置されている。
【0016】
検査信号印加部3は、生成した第1の検査信号S1を後述するプローブ23から検査対象となる例えば導電パターン2aに印加し、同時に、位相シフト部19により位相をずらした第2の検査信号S2を後述するプローブ24から検査対象となる導電パターン2aに隣接する導電パターン2bに印加する。これらの第1の検査信号S1と第2の検査信号S2は、同じ周波数(振幅)で同じ波形の信号であり、第2の検査信号S2は、第1の検査信号S1に対して、位相が180度(位相が反転している)ずれた検査信号である。
【0017】
センサ部4は、導電パターン2の線幅と略同じ幅を有する平板矩形形状のセンサ電極21,22が支持ベースに導電パターンの間隔と同じ距離を開けて設けられている。これらのセンサ電極21,22は、検査時には、共に導電パターンと予め定めた距離を離間して近接対向するように配置される。センサ電極21,22は、検査対象の導電パターンから検査信号を検出でき、且つ隣接する導電パターンから検査信号を検出しなければ、形状、大きさ等は特に限定する必要はない。
【0018】
センサ移動部6は、センサ部4を導電パターン2に沿って移動させる移動機構である。その構成は図示していないが、例えば、導電パターン2の延伸方向(Y方向)に沿ったガイド部材と、センサ部4を支持しガイド部材に摺動可能に設けられた可動部と、可動部をベルトやワイヤで牽引して摺動移動させるモータ等の駆動源により構成される。駆動源としては、ガイド部材に直接リニアモータを取り付けて、可動部と駆動源を一体化させた構成でもよい。尚、センサ移動部6は、図示していないが導電パターン2の列を横切る方向(X方向)に延伸するガイド部材及び可動部も備えており、センサ部4をY方向に移動させて、断線及び短絡の不良を検出することも可能である。即ち、X方向及びY方向に直交する2つのガイド部材が設けられ、センサ部4は、基板全面上を2次元に移動することができる。また、センサ部4には、距離測定用センサが搭載され、検出した距離データに従って、センサ移動部6は、移動するセンサ部4の高さ(導電パターン2とセンサ電極21,22との距離)が一定となるように高さ調整を行う。
尚、センサ移動部6は、検出箇所を撮像する撮像素子及び撮像光学系からなる撮像機構を搭載して、ユーザーが目視できるようにしてもよい。
【0019】
検出部5は、センサ電極21,22によりそれぞれに検出された逆位相の検査信号を加算し増幅する増幅回路11と、増幅された検査信号からノイズ成分を含む不要な信号成分を除去するバンドパスフィルタ12と、フィルタ通過した検査信号を整流化して平滑な電流電圧成分からなる検出信号(アナログ信号)を出力する整流回路13とで構成される。尚、センサ電極21,22により検出された検査信号の値が小さく、それらの加算値がさらに小さい値となる場合には、検出された各検査信号をそのまま増幅し、フィルタ処理を行った後に加算して、加算値の整流を行ってもよい。また、検査環境や検査対象物によりリップル成分が多い検査信号であった場合には、整流回路の出力側に別途、平滑回路を挿入してもよい。
【0020】
検出部5による検出信号は、制御部7に送出される。制御部7は、検出信号をデジタル信号化処理するA/D変換部14と、CPUによる演算処理機能及び制御機能を有する処理部15と、演算処理された検出信号に対して、予め定められた条件で判断し、不良位置(短絡位置)を決定する判断部16とで構成される。
【0021】
尚、本実施形態では、既に短絡不良が見出された導電パターンに対する短絡箇所の位置を検出することについて説明しているが、回路パターン検査装置1は、最初の導電パターンの不良(短絡及び断線)の有無検出を行う機能は有している。これは、センサ部を用いて、導電パターンの列を横切るように移動しつつ、プローブから対象となる導電パターンに検査信号を印加し、その検査信号を検出して、その検出信号の有無及び検出信号値の変化の程度により、導電パターンの不良の有無を判断する。
【0022】
次に、図2(a)乃至(c)を参照して、本実施形態における導電パターンの不良位置(短絡位置)を決定する原理について説明する。図2(a)は、導電パターン2とセンサ部4の位置関係を模的に示す図であり、図2(b)は、図2(a)を等価回路として示す図であり、図2(c)は、導電パターン上のセンサ位置とセンサ出力電圧の理論上の関係を示す図である。図2(d)は、導電パターン上のセンサ位置とセンサ出力電圧の実測による関係を示す図である。
【0023】
ここで、検査対象の導電パターン2aとし、位置P2で短絡する隣接している導電パターン2bとする。導電パターン2aには、交流検査信号S1がプローブ23から印加され、導電パターン2bには、交流検査信号S2がプローブ24から印加される。交流検査信号S1と交流検査信号S2は、前述したように、同じ周波数で同じ波形の信号であり、位相が180度(振幅が反転している)ずれている。
【0024】
導電パターン2aの抵抗成分R1と導電パターン2bの抵抗成分R2とはほぼ同じ抵抗値であるとすると、それぞれの導電パターンに流れる電流I1と電流I2とは、正負が反転した同じ電流値(絶対値)の電流であるため、センサ出力は、位置P1から位置P2に向かうに従い減少し、位置P2において、I1+I2=0となる。実際の検出においては、何れか一方、例えばI2のセンサ出力の位相を反転させて、2つのセンサ信号を同位相とした後、加算した値を検出結果として得る。
【0025】
これは、位置P1においては、導電パターン2a,2bは共に位置P2を経由した逆方向の電流が流れ込むが印加された検査信号S1,S2による電流値の方が大きいため、センサ電極21,22に出力としてそれぞれに検出される。しかし、位置P2に向かってセンサ部4が移動するに従い、検出されるセンサ出力は共に減少して、位置P2において、検出されるセンサ出力は、理論的には以下の式で求められるように、流れる電流はI=0(A)即ち、出力電圧0(V)となる。
【数1】

【0026】
短絡箇所以降の位置P3に向かって移動しても、互いの検査信号の電流が打ち消しあっているため、センサ電極21,22から殆ど検査信号が検出されなくなる。但し、実際の測定結果によれば、外部からのノイズ等の影響により、0にはならず、ある極小な値で一定となる場合がある。
【0027】
判断部16は、演算処理された検出信号に対して、予め定められた条件で判断し、不良位置(短絡位置)を決定する。その条件として、例えば、検出値が任意に定めた設定値と比較し、検出値が予め定めた閾値以下になった位置を、短絡箇所と判断する。この判断結果を表示部8に表示する。図2(c)においては、略0Vを短絡位置と判断している。実際には、図2(d)に示すように、センサ出力の急峻に減少して、予め設定した閾値以下になった位置を短絡位置と判断している。
【0028】
以上のように本実施形態は、検査対象となる導電パターンと、その導電パターンに半田ブリッジ等で短絡している導電パターンとに対して、同じ周波数で同じ波形を有し、位相が180度ずれた(反転した)2つの検査信号をそれぞれに印加し、導電パターン上方を非接触でセンサ部を移動させて検査信号をそれぞれに検出する。検出された検査信号は、短絡した箇所に接近するに従い、互いに打ち消されて、その検出値は急峻に減少し、状況によっては略0となる。この検出値の変化が発生した箇所を短絡位置と判断することができる。尚、検査信号の波形は、正弦波だけではなく、矩形波(パルス波)であってもよく、位相の正負が反転し、加算すると略0になる波形であれば、特に限定されるものではない。また、周波数においても、商用周波数等の扱いやすいものが好適し、さらに、その周波数に適用される低コストの部品があればより好ましい。
【0029】
図3は、第2の実施形態に係る回路パターン検査装置の概念的な構成を示すブロック構成例を示す図である。
本実施形態は、前述した第1の実施形態における導電パターンから検査信号を非接触で検出することに加えて、印加側のプローブが、導電パターンとは非接触で検査信号を印加する構成である。これ以外の構成は、前述した第1の実施形態と同等であり、図1に示した構成部材の参照符号と同じ参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。尚、本実施形態においても、導電パターンの不良検査を行った後、短絡不良が見出された導電パターンに対する短絡箇所の位置を検出することについて説明するが、最初の不良検出(短絡及び断線)を行う機能は有しているものとする。
【0030】
本実施形態の回路パターン検査装置1は、基板上に形成された複数の導電パターン2に非接触で、交流の検査信号を容量結合により印加する検査信号印加部31と、センサ部4と、検出部5と、センサ移動部34と、制御部7と、表示部8と、入力部9と、で構成される。
【0031】
本実施形態においては、検査信号印加部31とセンサ移動部34とが前述した第1の実施形態と異なっている。
【0032】
検査信号印加部31は、交流の検査信号(第1の検査信号S1)を生成する検査信号生成部18と、検査信号S1の位相が反転した第2の検査信号S2を生成する位相シフト部19と、これらの検査信号を検査対象の導電パターン2に非接触で印加する印加電極部31と、で構成される。
【0033】
印加電極部31には、導電パターンの端部又はその端部に設けられた電極パッドの幅と同等又はそれ以下の幅を有する印加電極32,33が導電パターン2の配置間隔と同じ間隔をあけて配置される。印加電極32,33は、大きさ以外はセンサ電極21,22と同等な構成である。
【0034】
センサ移動部34は、前述したセンサ移動部3と同様に、ガイド部材と可動部と駆動源とを用いて3次元的に移動可能に構成され、印加電極部31とセンサ部4とを同期させて、導電パターンを横切る方向(X方向)で均一な高さを保持しつつ移動させることと、導電パターン2上方で印加電極部31を固定し、且つセンサ部4を同一の導電パターン2に沿った上方を均一な高さを保持しつつ移動させることができるように構成されている。
【0035】
以上のように構成された回路パターン検査装置は、前述した第1の実施形態と同等の効果を奏し、さらに、印加電極部31を用いて導電パターン2に非接触で検査信号を印加するため、導電パターンへのプローブ接触による損傷を軽減することができる。さらに、移動機構により印加電極部31とセンサ部4を共に非接触で移動させるため、検査信号を印加するための印加電極が最小で2つの電極で実現することができる。従って、導電パターンの数と同等数を必要とするプローブに対して簡易な構成となり、例えば、大型の液晶表示画面用の液晶基板が検査対象であれば、装置コストも低くすることができる。さらに、導電パターンの配列状態(配置間隔)が異なった場合でも処理部のプログラムを変更するだけで容易に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る回路パターン検査装置の概念的な構成を示すブロック構成例を示す図である。
【図2】図2(a)乃至(d)は、導電パターンの不良位置を決定する原理について説明するための図である。
【図3】図3は、第2の実施形態に係る回路パターン検査装置の概念的な構成を示すブロック構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
1…回路パターン検査装置、2,2a,2b…導電パターン、3,31…検査信号印加部、4…センサ部、5…検出部、6,34…センサ移動部、7…制御部、8…表示部、9…入力部、11…増幅回路、12…バンドパスフィルタ、13…整流回路、14…A/D変換部、15…処理部、16…判断部、18…検査信号生成部、19…位相シフト部、20…、21,22…センサ電極、23,24…プローブ、31…印加電極部、32,33…印加電極。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に列状に形成された複数の導電パターンのうち、隣接する2つの導電パターンに対して、同じ周波数で同じ波形の交流信号であり、位相が互いに180度ずれている第1の検査信号と第2の検査信号をそれぞれに印加する検査信号印加部と、
前記導電パターンのそれぞれに離間して非接触で容量結合し、前記第1の検査信号及び前記第2の検査信号を検出するセンサ部と、
前記センサ部を前記導電パターンと一定距離を離間した状態で前記導電パターンの延設方向に沿って移動させるセンサ移動部と、
前記センサ部が移動しつつ検出した前記第1の検査信号及び前記第2の検査信号の反転信号を加算して検出信号として出力する検出部と、
前記検出部により検出された検出信号の減少により予め定めた閾値以下となった前記導電パターンの位置を、隣接する2つの導電パターンの短絡不良位置と判断する判断部と、
を具備することを特徴とする回路パターン検査装置。
【請求項2】
前記検査信号印加部は、前記導電パターンの端部の表面に接触して、前記第1の検査信号及び前記第2の検査信号を印加する少なくとも2本のプローブを具備すること特徴とする請求項1に記載の回路パターン検査装置。
【請求項3】
前記検査信号印加部は、前記導電パターンの端部の幅と同等又はそれ以下の幅を有し、該導電パターンの配置間隔と同じ間隔をあけて配置され、該導電パターン上方に離間して非接触の容量結合を成し、前記前記第1の検査信号及び前記第2の検査信号を印加するすくなくとも2つの印加電極を具備すること特徴とする請求項1に記載の回路パターン検査装置。
【請求項4】
基板上に列状に形成された複数の導電パターンのうち、隣接する2つの導電パターンに対して、同じ周波数で同じ波形の交流信号であり、位相が互いに180度ずれている第1の検査信号と第2の検査信号をそれぞれに印加し、
前記2つの導電パターンを伝搬した第1,第2の検査信号を検出し、
検出されたいずれが一方の検査信号からなる検出信号又は、一方の検査信号の位相を反転し、他方の検査信号と加算した検査信号の値が予め定めた閾値以下となった検査位置を前記2つの導電パターンにおける短絡不良位置と判断することを特徴とする回路パターン検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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