説明

回路冷却装置

【課題】発光体を点灯させる発光回路を冷却する回路冷却装置を提供し、ランプユニットの内部で発生する熱が発光回路に伝達され難くする。
【解決手段】回路冷却装置1においては、液体内部経路21aと、タンク30と、液体外部経路22,23とを備えている。ランプユニット10には、発光体13を発光させるための点灯回路を有する点灯制御装置16および発光体13が収容されている。液体内部経路21aは、ランプユニット10の内部を通過するよう配置され、液体を導通可能に構成されている。複数の液体外部経路22,23は、タンク30に貯留された液体の水面よりも下方であって、かつタンク30における異なる高さに設定された往路接続部31および復路接続部32にてタンク30にそれぞれ接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光体を点灯させる発光回路を冷却する回路冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光体を内部に収納するランプユニットにおいて、ランプユニット内の空気の自然対流を利用して内部で発生する熱を外部に放出するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−051212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで近年では、ランプユニットの小型化、部品点数の削減等の要求を受けて、発光体を点灯させるための発光回路と発光体とを一体にする構成が採用されている。このような構成では、上記のような空気の自然対流を利用するのみでは放熱が不十分になる虞があるため、発光体から発せられる熱を発光回路に伝達し難くするための構成が求められる。
【0005】
そこで、発光体を点灯させる発光回路を冷却する回路冷却装置を提供し、ランプユニットの内部で発生する熱が発光回路に伝達され難くすることを本発明の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために成された本発明の回路冷却装置においては、液体内部経路と、貯留手段と、液体外部経路とを備えている。液体内部経路は、発光体および発光回路を収容するランプユニットの内部を通過するよう配置され、液体を導通可能に構成されている。
【0007】
貯留手段は、ランプユニットの外部において液体を貯留する。液体外部経路はランプユニットの外部において、液体内部経路および貯留手段をそれぞれ連通するように配置されている。
【0008】
そして、複数の液体外部経路における貯留手段側の各端部は、貯留手段に貯留された液体の水面よりも下方であって、かつ貯留手段における異なる高さの部位にそれぞれ接続されている(請求項1)。
【0009】
即ち、本発明では、液体内部経路と貯留手段との間で内部の液体が自由に行き来できるように液体外部経路で接続し、このとき、液体外部経路の貯留手段側の端部を貯留手段における異なる高さの部位に接続することによって、液体内部経路内において液体が自然対流するようにしている。この構成では、ランプユニット内の熱によって液体内部経路内の液体が熱せられると、熱せられた液体は液体外部経路を介して貯留手段に移動し、代わって、比較的温度が低い液体が貯留手段から液体外部経路を介して液体内部経路に供給されることになる。
【0010】
従って、このような回路冷却装置によれば、ランプユニット内の熱を液体内部経路内の液体に吸収させることができるので、ランプユニット内の雰囲気温度の上昇を抑制することができ、ランプユニット内の熱が発光回路に伝達され難くすることができる。
【0011】
なお、本発明では、貯留手段に接続される液体経路を、便宜上、液体内部経路と液体外部経路とに分離して記載しているが、これらは一部材からなる分離不可能な液体経路として構成されていてもよい。
【0012】
ところで、上記回路冷却装置において、液体内部経路は、各液体外部経路との境界において、鉛直方向の高さが異なるように配置されており、液体内部経路と鉛直方向の最も上側で接続された液体外部経路は、貯留手段との接続部位が、他の液体外部経路と貯留手段との接続部位よりも上側に設定されていてもよい(請求項2)。
【0013】
このような回路冷却装置によれば、液体内部経路にて熱せられた液体を、より高い位置にて液体外部経路に受け渡すとともに、この液体を貯留手段において液体の温度が高い領域(貯留手段の鉛直方向上側)に送ることができる。反対に、貯留手段の比較的温度の低い領域(貯留手段の鉛直方向下側)から比較的温度の低い液体を液体内部経路に供給することができる。
【0014】
つまり、温度が高く鉛直方向上側に移動しようとする液体を鉛直方向上側で移動させ、温度が低く鉛直方向下側に移動しようとする液体を鉛直方向下側で移動させることによって液体を循環させることができるので、液体が対流する際の効率を向上させることができる。この結果、液体の循環が活発になるので、ランプユニット内の熱を液体内部経路に効率的に吸収させることができる。
【0015】
さらに、上記回路冷却装置において、液体内部経路は、発光体および発光回路の間の領域を通過するよう配置されていてもよい(請求項3)。
このような回路冷却装置によれば、発光体および発光回路の間という熱の移動経路上の領域に液体内部経路を配置しているので、発光体から発せられる熱が発光回路に伝達されることを効果的に防止することができる。
【0016】
さらに、上記回路冷却装置において、液体内部経路は、当該ランプユニットの内部において発光体から発せられた光を反射するリフレクタに接するよう配置されていてもよい(請求項4)。
【0017】
このような回路冷却装置によれば、一般的に熱伝導率が高く表面積が大きなリフレクタを利用して熱交換することができるので、液体内部経路が効率的に熱を吸収することができる。
【0018】
また、上記回路冷却装置において、液体内部経路は、発光回路を覆うように配置されていてもよい(請求項5)。
このような回路冷却装置によれば、液体内部経路が発光回路を覆うので、発光回路の発熱を抑制することができる。
【0019】
さらに、上記回路冷却装置において、液体内部経路は、当該ランプユニットの上部近傍の領域において当該ランプユニットの内部の構成要素と接することなく配置されていてもよい(請求項6)。
【0020】
このような回路冷却装置によれば、液体内部経路の形状をランプユニットの内部の構成要素の配置に応じて変更する必要がないので、液体内部経路の汎用性を向上させることができる。
【0021】
また、上記回路冷却装置においては、液体内部経路と各液体外部経路とを、ランプユニットを構成する筐体近傍にて分離または接続するためのコネクタ部を備えていてもよい(請求項7)。
【0022】
このような回路冷却装置によれば、コネクタ部を設けたことによって液体内部経路と各液体外部経路とを容易に脱着することができる。よって、回路冷却装置およびランプユニットの組み付け性、メンテナンス性を向上させることができる。
【0023】
さらに、上記回路冷却装置において、液体内部経路および各液体外部経路は、ランプユニットを構成する筐体の表面を洗浄するための洗浄液が導通され、複数の液体外部経路のうちの1つは、筐体の表面を洗浄するための洗浄液を吐出口まで導通するための洗浄経路と液体内部経路へ繋がる連絡経路とを分岐する分岐部を備え、分岐部において、洗浄経路または連絡経路を選択して洗浄液を送出する送出手段を備えていてもよい(請求項8)。
【0024】
このような回路冷却装置によれば、ランプユニットの構成する筐体の表面を洗浄するための洗浄液を送出する送出手段を液体内部経路に洗浄液を送る際に利用することができる。
【0025】
よって、強制的に液体内部経路に洗浄液を送る構成とする際に、専用の送出手段を設けることなく本構成を実現することができる。
また、上記目的を達成するために成された別形態の回路冷却装置は、発光体および前記発光回路を収容するランプユニットの内部において液体を貯留する貯留手段を備えている(請求項9)。
【0026】
このような回路冷却装置によれば、ランプユニット内部に貯留手段を備えており、液体経路を外部と接続する必要がないので、組み付け性、メンテナンス性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】第1実施形態の回路冷却装置1の正面図である。
【図2】第1実施形態の回路冷却装置1の平面図である。
【図3】第2実施形態の回路冷却装置2の正面図(a)、および第2実施形態の回路冷却装置2の平面図である(b)。
【図4】第3実施形態の回路冷却装置3の正面図である。
【図5】第4実施形態の回路冷却装置4の正面図である。
【図6】第5実施形態の回路冷却装置5の正面図である。
【図7】第5実施形態の変形例の回路冷却装置6の正面図である。
【図8】第5実施形態の変形例の回路冷却装置7の正面図である。
【図9】第6実施形態の回路冷却装置8の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に本発明にかかる実施の形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
図1は第1実施形態の回路冷却装置1の正面図、図2は第1実施形態の回路冷却装置1の平面図である。なお、これらの図面を含む以下の図面においては、一部の構成要素(シェード14やリフレクタ15等)を透視した状態で表示している。
【0029】
回路冷却装置1は、例えば乗用車等の車両のヘッドライトとして搭載され、例えばディスチャージヘッドライトの放電灯として構成された発光体13を点灯するための発光回路を備えた点灯制御装置16を冷却するための装置である。回路冷却装置1は、図1、図2に示すように、発光体13と点灯制御装置16とが一体にされたユニットがランプユニット10の内部に収容されている。
【0030】
ランプユニット10は、発光体13からの光を透過させる樹脂等によって構成された透明部11と、内部に配置される構成部品を支持するランプハウジング12(筐体)と、を組み合わせることによって内部の空間を概ね密閉するように構成されている。
【0031】
なお、発光体13および点灯制御装置16は、発光体13から発せられる光を所定の方向(車両の前方)に反射させるためのシェード14およびリフレクタ15を備えている。リフレクタ15は、ランプユニット10を、発光体13の軸を含む断面で見たときに(つまり、図1の状態において)発光体13と点灯制御装置16との間に配置されている。
【0032】
点灯制御装置16には、ランプユニット10の外部から点灯制御装置16に電力を供給するためのリード線17が接続されている。リード線17は、ランプユニット10の外部において車両側に備えられた他のリード線(図示省略)と接続するためのリード線コネクタ18を備えている。
【0033】
車両側に備えられた他のリード線には、リード線コネクタ18と係合可能であり、かつ、リード線コネクタ18と係合したときに導通可能となるようなコネクタが設けられている。
【0034】
ここで、本実施形態の回路冷却装置1においては、ランプユニット10の内部を通過するよう配置され、液体を導通可能な液体内部経路21aが設けられている。そして、ランプユニット10の外部において液体を貯留するタンク30(貯留手段)が備えられている。
【0035】
タンク30は、例えば、通常の車両に既に備えられているラジエタ液のタンク、ウォッシャ液のタンク等と共用して利用される。なお、回路冷却装置1がハイブリッド車等のモータや電池を冷却する冷却水のタンクを備えている場合には、このようなタンクとも共用することができる。
【0036】
ここで、タンク30と液体内部経路21aとは、複数の液体外部経路22,23によって連通されている。液体内部経路21aと各液体外部経路22,23との間には、ランプユニット10を構成するランプハウジング12近傍にて分離または接続するための経路コネクタ部24,25を備えられている。
【0037】
この経路コネクタ部24,25は、自身を分割できるように構成されており、作業者は所定部位を押さえることによって容易に分割させることができ、所定の向きで分割された自身の一方を他方に挿入することによって容易に接続することができる周知のコネクタとして構成されている。
【0038】
ここで、タンク30においては、タンク30に貯留された液体の水面よりも下方であって、かつタンク30における異なる高さに往路接続部31および復路接続部32が設けられている。図1においては、往路接続部31がタンク30の下面に設けられており、復路接続部32がタンク30の側方に設けられている。これらの各接続部31,32に、液体外部経路22,23の端部がそれぞれ接続されている。
【0039】
即ち、回路冷却装置1では、液体内部経路21aとタンク30との間で内部の液体が自由に行き来できるように液体外部経路22,23で接続し、このとき、液体外部経路22,23のタンク30側の端部をタンク30における異なる高さに設定された往路接続部31および復路接続部32に接続することによって、液体内部経路21a内において液体が自然対流するようにしている。この構成では、ランプユニット10内の熱によって液体内部経路21a内の液体が熱せられると、熱せられた液体は液体外部経路22,23を介してタンク30に移動し、代わって、比較的温度が低い液体がタンク30から液体外部経路22,23を介して液体内部経路21aに供給されることになる。
【0040】
特に、液体内部経路21aは、各液体外部経路22,23との境界(つまり、経路コネクタ部24,25の部位)において、鉛直方向の高さが異なるように配置されている。そして、液体内部経路21aは、一方の経路コネクタ部24から他方の経路コネクタ部25までの区間において、鉛直方向上側に単調に変位する(つまり、鉛直方向下側に変位することがない)ように設定されている。
【0041】
また、液体内部経路21aと鉛直方向の上側の経路コネクタ部25で接続された液体外部経路23は、タンク30との接続部位(往路接続部31)が、他の液体外部経路22とタンク30との接続部位(復路接続部32)よりも上側に設定されている。また、液体内部経路21aは、発光体13および点灯制御装置16の間の領域を点灯制御装置16と接触しつつ通過するよう配置されている。
【0042】
この構成では、点灯制御装置16と液体内部経路21a内の液体とが空気を介することなく熱交換することができる。
[本実施形態による効果]
以上のように詳述した回路冷却装置1においては、液体内部経路21aと、タンク30と、液体外部経路22,23とを備えている。液体内部経路21aは、ランプユニット10の内部を通過するよう配置され、液体を導通可能に構成されている。なお、ランプユニット10には、発光体13を発光させるための点灯回路を有する点灯制御装置16および発光体13が収容されている。
【0043】
また、タンク30は、ランプユニット10の外部において液体を貯留する。さらに、液体外部経路22,23はランプユニット10の外部において、液体内部経路21aおよびタンク30をそれぞれ連通するように配置されている。
【0044】
そして、複数の液体外部経路22,23は、タンク30に貯留された液体の水面よりも下方であって、かつタンク30における異なる高さに設定された往路接続部31および復路接続部32にてタンク30にそれぞれ接続されている。
【0045】
このような回路冷却装置1によれば、ランプユニット10内の熱を液体内部経路21a内の液体に吸収させることができるので、ランプユニット10内の雰囲気温度の上昇を抑制することができ、ランプユニット10内の熱が点灯制御装置16に伝達され難くすることができる。
【0046】
また、回路冷却装置1において、液体内部経路21aは、液体外部経路22,23との境界のコネクタ部24,25の部位において、鉛直方向の高さが異なるように配置されており、液体内部経路21aと鉛直方向の最も上側で接続された液体外部経路23は、タンク30との接続部位(復路接続部32)が、他の液体外部経路22とタンク30との接続部位(往路接続部31)よりも上側に設定されている。
【0047】
このような回路冷却装置1によれば、液体内部経路21aにて熱せられた液体を、より高い位置にて液体外部経路23に受け渡すとともに、この液体をタンク30において液体の温度が高い領域(タンク30の鉛直方向上側)に送ることができる。反対に、タンク30の比較的温度の低い領域(タンク30の鉛直方向下側)から比較的温度の低い液体を、液体外部経路22を介して液体内部経路21aに供給することができる。
【0048】
つまり、温度が高く鉛直方向上側に移動しようとする液体を鉛直方向上側で移動させ、温度が低く鉛直方向下側に移動しようとする液体を鉛直方向下側で移動させることによって液体を循環させることができるので、液体が対流する際の効率を向上させることができる。この結果、液体の循環が活発になるので、ランプユニット10内の熱を液体内部経路21aに効率的に吸収させることができる。
【0049】
さらに、上記回路冷却装置1において、液体内部経路21aは、発光体13および点灯制御装置16の間の領域を通過するよう配置されている。
このような回路冷却装置1によれば、発光体13および点灯制御装置16の間という熱の移動経路上の領域に液体内部経路21aを配置しているので、発光体13から発せられる熱が点灯制御装置16に伝達されることを効果的に防止することができる。
【0050】
また、回路冷却装置1においては、液体内部経路21aと各液体外部経路22,23とを、ランプユニット10を構成するランプハウジング12近傍にて分離または接続するための経路コネクタ部24,25を備えている。
【0051】
このような回路冷却装置1によれば、経路コネクタ部24,25を設けたことによって液体内部経路21aと各液体外部経路22,23とを容易に脱着することができる。よって、回路冷却装置1およびランプユニット10の組み付け性、メンテナンス性を向上させることができる。
【0052】
[第2実施形態]
次に、別形態の回路冷却装置2ついて説明する。本実施形態(第2実施形態)以下の実施形態では、第1実施形態の回路冷却装置1と異なる箇所のみを詳述し、第1実施形態と同様の箇所については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
図3(a)は第2実施形態の回路冷却装置2の正面図、図3(b)は第2実施形態の回路冷却装置2の平面図である。本実施形態の回路冷却装置2における液体内部経路21bは、図3(a)に示すように、ランプユニット10の上部近傍の領域において、このランプユニット10の内部の構成要素と接することなく配置されている。
【0054】
このような回路冷却装置2によれば、液体内部経路21bの形状をランプユニット10の内部の構成要素の配置や形状に応じて変更する必要がないので、液体内部経路21bの汎用性を向上させることができる。
【0055】
また、液体内部経路21bは、図3(b)に示すように、ランプユニット10内の空気との接触面積を大きくするために、ランプユニット10内において蛇行して配置されている。
【0056】
このような回路冷却装置2によれば、ランプユニット10内の雰囲気温度を効果的に低減させることができる。この結果、点灯制御装置16の温度上昇を抑制することができる。
【0057】
[第3実施形態]
次に、さらに別形態の回路冷却装置3ついて説明する。図4は第3実施形態の回路冷却装置3の正面図である。
【0058】
本実施形態の回路冷却装置3において、液体内部経路21cは、図4に示すように、ランプユニット10の内部において発光体13から発せられた光を反射するリフレクタ15に接するよう配置されている。特に、液体内部経路21cは、リフレクタ15における点灯制御装置16側の面のほぼ全面を覆うように配置されている。
【0059】
このような回路冷却装置3によれば、一般的に熱伝導率が高く表面積が大きなリフレクタ15を利用して熱交換することができるので、液体内部経路21cが効率的に熱を吸収することができる。また、リフレクタ15の形状は、点灯制御装置16の形状に依存しないように設定することができるので、リフレクタ15を汎用部品として他の種類の車両にも利用することができる。
【0060】
なお、本実施形態の液体内部経路21cは、図4に示すように、リフレクタ15と経路コネクタ部24,25との間にそれぞれ配置された中間コネクタ部26c,27cによって分離可能に構成されている。この構成により、発光体13と点灯制御装置16とが一体となったユニットを交換する際に、中間コネクタ部26c,27cにて、このユニットとランプハウジング12とを分離することができる。よって、修理等のメンテナンスの際の作業性を向上させることができる。
【0061】
[第4実施形態]
次に、さらに別形態の回路冷却装置4ついて説明する。図5は第4実施形態の回路冷却装置4の正面図である。
【0062】
本実施形態の回路冷却装置4において、液体内部経路21dは、点灯制御装置16を覆うジャケット部35を備えている。特に、ジャケット部35は、点灯制御装置16における発光体13側の面を除く全面を覆うように配置されている。
【0063】
このような回路冷却装置4によれば、液体内部経路21dのジャケット部35が点灯制御装置16を覆うので、点灯制御装置16の温度上昇を抑制することができる。また、ランプユニット10内の雰囲気温度に依存することなく点灯制御装置16を冷却することができる。
【0064】
なお、本実施形態の液体内部経路21dにおいては、点灯制御装置16の近傍に中間コネクタ部26d,27dを備えている。この構成においても、中間コネクタ部26d,27dにて液体内部経路21dを容易に分離することができる。
【0065】
[第5実施形態]
次に、さらに別形態の回路冷却装置5〜7ついて説明する。図6は第5実施形態の回路冷却装置5の正面図、図7および図8は第5実施形態の変形例の回路冷却装置6,7の正面図である。
【0066】
本実施形態の回路冷却装置5においては、第1実施形態の回路冷却装置1に対して、液体外部経路22の部位のみが異なる。
回路冷却装置5において往路接続部31に接続された液体外部経路22は、図5に示すように、透明部11の表面を洗浄するための洗浄液を噴射ノズル44(吐出口)まで導通するための洗浄経路42eと液体内部経路21aへ繋がる連絡経路43eとに分岐されている。そして、この分岐部分には、ポンプ41(送出手段)が配置されている。
【0067】
ポンプ41は、図示しない制御装置によって作動状態が制御され、この制御装置からランプユニット10を洗浄する旨の指令を受けると、導通経路を洗浄経路42e側に切り替えて、この洗浄経路42eに対して洗浄液を送出する。また、洗浄する旨の指令を受けていないときには、導通経路を連絡経路43e側に切り替えて、この連絡経路43eに対して洗浄液を送出する。
【0068】
なお、本実施形態のポンプ41においては、分岐された複数の経路のうちの1つを選択する構成と、選択した経路に液体を送出する構成とを兼ね備えているが、これらの構成は、例えばポンプとバルブとに分離された構成としてもよい。
【0069】
このような回路冷却装置5によれば、ランプユニットの構成する筐体の表面を洗浄するための洗浄液を送出するポンプ41を液体内部経路21aに洗浄液を送る際に利用することができる。
【0070】
よって、強制的に液体内部経路21aに洗浄液を送る構成とする際に、専用のポンプ41を設けることなく本構成を実現することができる。
なお、図7に示す回路冷却装置6のように、液体外部経路22における往路接続部31とポンプ41までの間に、一時的に洗浄液を貯留する専用タンク45を備えていてもよい。
【0071】
また、図8に示す回路冷却装置7のように、洗浄液をタンク30には循環させずに、専用タンク46のみに循環させるようにしてもよい。この構成によれば、液体外部経路22,23を短くすることができる。
【0072】
[第6実施形態]
次に、さらに別形態の回路冷却装置8ついて説明する。図9は第6実施形態の回路冷却装置8の正面図である。
【0073】
この回路冷却装置8においては、発光体13および点灯制御装置16を収容するランプユニット10の内部において液体を貯留するタンク60(貯留手段)を備えている。タンク60は、その下面がランプユニット10の内部の空気と接するように配置されており、タンク60内の液体の温度がランプユニット10内部の雰囲気温度と一致するまで熱エネルギを吸収することができる。
【0074】
このような回路冷却装置8によれば、ランプユニット10内部にタンク60を備えており、液体経路を外部と接続する必要がないので、組み付け性、メンテナンス性を向上させることができる。
【0075】
[その他の実施形態]
本発明の実施の形態は、上記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0076】
例えば、上記第1〜第5実施形態では、タンク30に接続される液体経路を、液体内部経路21a〜21dと液体外部経路22,23とに分離しているが、これらは一部材からなる分離不可能な液体経路として構成されていてもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、発光体13として放電灯を採用しているが、発光するものであればよく、例えば、発光ダイオード等を採用してもよい。
また、上記第5実施形態においては、液体内部経路21aに対して強制的に洗浄液を循環させているが、自然対流によって洗浄液を循環させてもよい。この場合には、ポンプ41を洗浄経路42e上に配置し、洗浄経路42eと連絡経路43eとの分岐部を、これらの両方の経路に洗浄液を自由に導通可能に構成しておけばよい。
【0078】
このような構成によれば、噴射ノズル44から洗浄液を噴射したいときのみにポンプ41を作動させればよく、ポンプ41が作動しないときには、第1〜第4実施形態と同様に洗浄液等の液体を自然対流させることができる。
【符号の説明】
【0079】
1〜8…回路冷却装置、10…ランプユニット、11…透明部、12…ランプハウジング、13…発光体、14…シェード、15…リフレクタ、16…点灯制御装置、17…リード線、18…リード線コネクタ、21a〜21d…液体内部経路、22,23…液体外部経路、24…経路コネクタ部、25…経路コネクタ部、26c,26d,27c,27d…中間コネクタ部、30…タンク、31…往路接続部、32…復路接続部、40…タンク、41…ポンプ、42e…洗浄経路、43e…連絡経路、44…噴射ノズル、45,46…専用タンク、60…タンク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光体を発光させるための発光回路を冷却するための回路冷却装置であって、
前記発光体および前記発光回路を収容するランプユニットの内部を通過するよう配置され、液体を導通可能な液体内部経路と、
前記ランプユニットの外部において液体を貯留する貯留手段と、
前記ランプユニットの外部において、前記液体内部経路および前記貯留手段をそれぞれ連通するように位置された複数の液体外部経路と、
を備え、
前記複数の液体外部経路における貯留手段側の各端部は、前記貯留手段に貯留された液体の水面よりも下方であって、かつ前記貯留手段における異なる高さの部位にそれぞれ接続されていること
を特徴とする回路冷却装置。
【請求項2】
請求項1に記載の回路冷却装置において、
前記液体内部経路は、前記各液体外部経路との境界において、鉛直方向の高さが異なるように配置されており、
前記液体内部経路と鉛直方向の最も上側で接続された液体外部経路は、前記貯留手段との接続部位が、他の液体外部経路と貯留手段との接続部位よりも上側に設定されていること
を特徴とする回路冷却装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の回路冷却装置において、
前記液体内部経路は、前記発光体および前記発光回路の間の領域を通過するよう配置されていること
を特徴とする回路冷却装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の回路冷却装置において、
前記液体内部経路は、当該ランプユニットの内部において発光体から発せられた光を反射するリフレクタに接するよう配置されていること
を特徴とする回路冷却装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の回路冷却装置において、
前記液体内部経路は、前記発光回路を覆うように配置されていること
を特徴とする回路冷却装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の回路冷却装置において、
前記液体内部経路は、当該ランプユニットの上部近傍の領域において当該ランプユニットの内部の構成要素と接することなく配置されていること
を特徴とする回路冷却装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の回路冷却装置において、
前記液体内部経路と前記各液体外部経路とを、前記ランプユニットを構成する筐体近傍にて分離または接続するためのコネクタ部を備えたこと
を特徴とする回路冷却装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の回路冷却装置において、
前記液体内部経路および前記各液体外部経路は、前記ランプユニットを構成する筐体の表面を洗浄するための洗浄液が導通され、
前記複数の液体外部経路のうちの1つは、前記筐体の表面を洗浄するための洗浄液を吐出口まで導通するための洗浄経路と前記液体内部経路へ繋がる連絡経路とを分岐する分岐部を備え、
前記分岐部において、前記洗浄経路または前記連絡経路を選択して洗浄液を送出する送出手段を備えたこと
を特徴とする回路冷却装置。
【請求項9】
発光体を発光させるための発光回路を冷却するための回路冷却装置であって、
前記発光体および前記発光回路を収容するランプユニットの内部において液体を貯留する貯留手段、
を備えたことを特徴とする回路冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−154880(P2011−154880A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−15516(P2010−15516)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】