説明

回路基板検査装置および回路基板検査方法

【課題】数多くの電子部品を有する回路基板を検査する際の検査効率を向上させる。
【解決手段】回路基板100の各電子部品(抵抗R1,R2、コンデンサC1、ダイオードD1)の接続端子が接続された各導体パターン102a〜102c上において各接続端子に対して一対ずつ規定された接触点(P1〜P10)にそれぞれプロービングされた各プローブを介して入出力する電気信号に基づいて、電子部品の良否を検査する検査処理を実行すると共に、検査処理に先立ち、各接触点と各プローブとの接触状態の良否を判定する判定処理を判定処理の対象とする接触点を各電子部品毎に順次特定しつつ実行する検査部を備え、検査部は、新たな判定処理の対象とする各接触点と各プローブとの接触状態が実行済みの判定処理において良好と判定したときには、良好と判定した接触点についての判定処理の実行を省略する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プローブを介して入出力する電気信号に基づいて回路基板に搭載された電子部品の良否を検査する回路基板検査装置および回路基板検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プローブを介して入出力する電気信号に基づいて測定を行う装置として、特開2000−111593号公報に開示された計測装置が知られている。この計測装置は、配線部、定電流源および差動アンプなどを備え、被測定抵抗の抵抗値を四端子法によって測定可能に構成されている。この場合、各配線部の4つの端部(プローブ)と被測定抵抗との接触状態が不良なときには、測定結果が不正確となる。このため、この計測装置では、抵抗測定に先立ち、配線の各端部と被測定抵抗とのコンタクトチェックを実行している。このコンタクトチェックでは、まず、被測定抵抗の一方の端子とその端子に接続されている2つの配線の各端部とのコンタクトチェックを行い、次いで、被測定抵抗の他方の端子とその端子に接続されている2つの配線の各端部とのコンタクトチェックを行う。このコンタクトチェックを行うことで、抵抗測定を正確に行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−111593号公報(第3頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記の計測装置には、以下の問題点がある。すなわち、この計測装置では、被測定抵抗の抵抗測定に先立ってコンタクトチェックを行うため、例えば、数多くの被測定抵抗を有する回路基板における各被測定抵抗の抵抗値を測定し、その測定値に基づいて回路基板の良否を検査する際には、コンタクトチェックの回数も、被測定抵抗の数に応じて多くなる。このため、この計測装置には、このような回路基板を検査する際にコンタクトチェックの回数が多く、これに起因しての検査効率の向上が困難であるという問題点が存在する。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、数多くの電子部品を有する回路基板を検査する際の検査効率を向上し得る回路基板検査装置および回路基板検査方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく請求項1記載の回路基板検査装置は、複数の電子部品が搭載された回路基板における当該各電子部品の接続端子が接続された各導体パターン上において当該各接続端子に対して一対ずつ規定された接触点にプローブがそれぞれプロービングされた状態で、当該各プローブを介して入出力する電気信号に基づいて、当該電子部品の良否を検査する検査処理を実行すると共に、当該検査処理に先立ち、前記各接触点と前記各プローブとの接触状態の良否を判定する判定処理を当該判定処理の対象とする接触点を前記各電子部品毎に順次特定しつつ実行する検査部を備えた回路基板検査装置であって、前記検査部は、新たな前記判定処理の対象とする前記各接触点と前記各プローブとの接触状態が実行済みの前記判定処理において良好と判定したときには、当該良好と判定した接触点についての前記新たな判定処理の実行を省略する。
【0007】
また、請求項2記載の回路基板検査装置は、請求項1記載の回路基板検査装置において、前記検査部は、前記判定処理において、前記接続端子に対して規定された一対の接触点間の導通状態の良否を前記電気信号に基づいて判定すると共に、当該導通状態が良好と判定したときに当該一対の接触点と前記各プローブとの接触状態が良好と判定する。
【0008】
また、請求項3記載の回路基板検査装置は、請求項2記載の回路基板検査装置において、前記検査部は、前記新たな判定処理の対象としての1つの前記接続端子に対して規定された一対の前記接触点と、実行済みの前記判定処理の対象とした他の1つの前記接続端子に対して規定された一対の前記接触点とが同一で、かつ当該実行済みの判定処理において当該一対の接触点と前記各プローブとの接触状態が良好と判定したときには、当該一対の接触点についての前記新たな前記判定処理の実行を省略する。
【0009】
また、請求項4記載の回路基板検査装置は、請求項1から3のいずれかに記載の回路基板検査装置において、前記検査部は、前記判定処理において前記各プローブとの接触状態が良好と判定した前記各接触点に対応する前記電子部品だけを対象として前記検査処理を実行し、前記各プローブのプロービングが再実行された後に、前記判定処理において前記各プローブとの接触状態が不良と判定した前記接触点についての前記判定処理を再実行する。
【0010】
また、請求項5記載の回路基板検査方法は、複数の電子部品が搭載された回路基板における当該各電子部品の接続端子が接続された各導体パターン上において当該各接続端子に対して一対ずつ規定された接触点にプローブをそれぞれプロービングした状態で、当該各プローブを介して入出力する電気信号に基づいて、当該電子部品の良否を検査する検査処理を実行すると共に、当該検査処理に先立ち、前記各接触点と前記各プローブとの接触状態の良否を判定する判定処理を当該判定処理の対象とする接触点を前記各電子部品毎に順次特定しつつ実行する回路基板検査方法であって、新たな前記判定処理の対象とする前記各接触点と前記各プローブとの接触状態が実行済みの前記判定処理において良好と判定したときには、当該良好と判定した接触点についての前記新たな判定処理の実行を省略する。
【0011】
また、請求項6記載の回路基板検査方法は、請求項5記載の回路基板検査方法において、前記判定処理において、前記接続端子に対して規定された一対の接触点間の導通状態の良否を前記電気信号に基づいて判定すると共に、当該導通状態が良好と判定したときに当該一対の接触点と前記各プローブとの接触状態が良好と判定する。
【0012】
また、請求項7記載の回路基板検査方法は、請求項6記載の回路基板検査方法において、前記新たな判定処理の対象としての1つの前記接続端子に対して規定された一対の前記接触点と、実行済みの前記判定処理の対象とした他の1つの前記接続端子に対して規定された一対の前記接触点とが同一で、かつ当該実行済みの判定処理において当該一対の接触点と前記各プローブとの接触状態が良好と判定したときには、当該一対の接触点についての前記新たな前記判定処理の実行を省略する。
【0013】
また、請求項8記載の回路基板検査方法は、請求項5から7のいずれかに記載の回路基板検査方法において、前記判定処理において前記各プローブとの接触状態が良好と判定した前記各接触点に対応する前記電子部品だけを対象として前記検査処理を実行し、前記各プローブのプロービングが再実行された後に、前記判定処理において前記各プローブとの接触状態が不良と判定した前記接触点についての前記判定処理を再実行する。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の回路基板検査装置、および請求項5記載の回路基板検査方法では、新たな検査処理の対象とする各接触点と各プローブとの接触状態が実行済みの判定処理において良好と判定したときには、良好と判定したその接触点についての新たな判定処理の実行を省略する。このため、この回路基板検査装置および回路基板検査方法では、重複する接触状態の良否判定の工程(重複する判定処理)の実行を省略する分、判定処理に要する時間を短縮することができる。したがって、この回路基板検査装置および回路基板検査方法によれば、数多くの電子部品が搭載された回路基板を検査する際の検査時間を十分に短縮することができる結果、検査効率を十分に向上させることができる。
【0015】
また、請求項2記載の回路基板検査装置、および請求項6記載の回路基板検査方法では、判定処理において、1つの接続端子に対して規定された一対の接触点間の導通状態の良否を判定すると共に、導通状態が良好と判定したときにその一対の接触点と各プローブとの接触状態が良好と判定する。このため、この回路基板検査装置および回路基板検査方法では、各接触点と各プローブとの接触状態の良否判定と接触点間の導通状態(つまり、導体パターンの導通状態)とを一度に行うことができる。したがって、この回路基板検査装置および回路基板検査方法によれば、導体パターンの導通状態の良否を別途行う構成および方法と比較して、検査効率をさらに向上させることができる。
【0016】
また、請求項3記載の回路基板検査装置、および請求項7記載の回路基板検査方法では、新たな判定処理の対象としての1つの接続端子に対して規定された一対の接触点と、実行済みの判定処理の対象とした他の1つの接続端子に対して規定された一対の接触点とが同一で、かつ実行済みの判定処理においてこの一対の接触点と各プローブとの接触状態が良好と判定したときには、その一対の接触点についての新たな判定処理の実行を省略する。つまり、この回路基板検査装置および回路基板検査方法では、実行済みの判定処理において接触点間の導通状態が良好と判定された一対の接触点だけを導通状態の良否判定および接触状態の良否判定の対象から除外する。言い換えると、実行済みの判定処理において導通状態の良否を判定していない一対の接触点については、新たな判定処理を実行して導通状態の良否を必ず実行することとなる。したがって、この回路基板検査装置および回路基板検査方法によれば、一対の接触点間の導通状態の良否判定を一対の接触点の全ての組み合わせについて少なくとも1回は実行することとなるため、全ての接触点と各プローブとの接触状態の良否判定、および全ての接触点間の導通状態の良否判定を確実に行うことができる。
【0017】
また、請求項4記載の回路基板検査装置、および請求項8記載の回路基板検査方法では、判定処理において各プローブとの接触状態が良好と判定した各接触点に対応する電子部品だけを対象として検査処理を実行し、各プローブのプロービングが再実行された後に、プロービングの再実行前の判定処理において各プローブとの接触状態が不良と判定した接触点についての判定処理を再実行する。このため、この回路基板検査装置および回路基板検査方法によれば、接触点とプローブとの接触不良に起因して、電子部品の良否の検査結果が誤った検査結果となる事態を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】回路基板検査装置1の構成を示す構成図である。
【図2】回路基板100の構成を示す構成図である。
【図3】回路基板検査方法を説明する第1の説明図である。
【図4】回路基板検査方法を説明する第2の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る回路基板検査装置および回路基板検査方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0020】
最初に、回路基板検査装置1の構成について説明する。図1に示す回路基板検査装置1は、回路基板検査装置の一例であって、後述する回路基板検査方法に従って回路基板100を検査可能に構成されている。この場合、回路基板100は、一例として、図2に示すように、複数(この例では3つ)の導体パターン102a〜102c(以下、区別しないときには「導体パターン102」ともいう)が形成された基板101と、基板101に実装された複数(この例では4つ)の電子部品103とを備えて構成されている。また、各導体パターン102上には、検査の際にプローブユニット12の各プローブ21(図1参照)をそれぞれプロービング(接触)させる接触点P1〜P10(以下、区別しないときには「接触点P」ともいう)が予め規定されている。この場合、この回路基板100では、図2に示すように、電子部品103の接続端子(被接続部)が接続される導体パターン102上において、各接続端子毎に一対の接触点Pが規定されている(接触点Pが1つの接続端子に対して一対ずつ規定されている)。
【0021】
一方、回路基板検査装置1は、図1に示すように、基板保持部11、プローブユニット12、移動機構13、検査用信号出力部14、スキャナ部15、測定部16、記憶部17および制御部18を備えて構成されている。この場合、測定部16および制御部18によって検査部が構成される。
【0022】
基板保持部11は、保持板と、保持板に取り付けられて回路基板100の端部を挟み込んで固定するクランプ機構(いずれも図示せず)とを備えて、回路基板100を保持可能に構成されている。プローブユニット12は、図1に示すように、複数のプローブ21を備えて治具型に構成されている。この場合、プローブユニット12は、回路基板100の各導体パターン102上に規定された各接触点Pに各プローブ21がそれぞれ対向するように構成されている。移動機構13は、制御部18の制御に従い、プローブユニット12を上下方向に移動させることにより、回路基板100の各導体パターン102上の各接触点Pに各プローブ21をそれぞれプロービングさせる。
【0023】
電源部14は、制御部18の制御に従い、検査対象に応じた検査用信号S(電気信号の一例であって、例えば、直流電流信号や交流電流信号)を出力する。スキャナ部15は、複数のスイッチ(図示せず)を備えて構成され、制御部18の制御に従って各スイッチをオン状態またはオフ状態に移行させることにより、導体パターン102に接触しているプローブユニット12のプローブ21と電源部14との接断(接続および接続解除(切断))、およびプローブ21と測定部16との接断を行う。
【0024】
測定部16は、制御部18の制御に従い、プローブ21を介して入出力する電気信号に基づいて導体パターン102における接触点P間の抵抗値を測定する。また、測定部16は、制御部18の制御に従い、4つのプローブ21を介して入出力する電気信号に基づいて電子部品103についての物理量(抵抗値、容量および電圧など)を4端子法で測定する。
【0025】
記憶部17は、基板データDcを記憶する。この場合、基板データDcは、回路基板100に形成されている各導体パターン102を特定する情報、回路基板100に搭載されている各電子部品103を特定する情報、各電子部品103の接続端子が接続されている導体パターン102を特定する情報、および各電子部品103の接続端子毎に規定された接触点Pを特定する情報などを含んで構成されている。また、記憶部17は、導体パターン102における各接触点P間の導通状態の良否判定に用いる基準値や電子部品103の良否判定に用いる基準範囲を記憶する。さらに、記憶部17は、測定部16によって測定される測定値、および制御部18によって実行される判定処理や検査処理の結果を記憶する。
【0026】
制御部18は、図外の操作部から出力される操作信号に従って回路基板検査装置1を構成する各構成要素を制御する。具体的には、制御部18は、移動機構13を制御して、回路基板100における導体パターン102の各接触点Pにプローブユニット12のプローブ21を接触(プロービング)させる。また、制御部18は、検査用信号出力部14を制御して検査用信号Sを出力させると共に、スキャナ部15を制御して、プローブユニット12のプローブ21と電源部14との接断、およびプローブ21と測定部16との接断を行わせる。
【0027】
また、制御部18は、測定部16を制御して電子部品103についての物理量を測定させると共に、その測定値に基づいて電子部品103の良否を検査する検査処理を実行する。また、制御部18は、検査処理に先立って判定処理を実行する。この判定処理では、制御部18は、測定部16に対して導体パターン102における接触点P間の抵抗測定を実行させ、その測定値に基づいて導体パターン102における接触点P間の導通状態の良否を判定すると共に、その判定結果に基づいてその接触点Pとプローブ21との接触状態の良否を判定する。
【0028】
また、制御部18は、判定処理の対象とする接触点Pを各電子部品103毎に順次特定しつつこの判定処理を実行する。また、制御部18は、新たな判定処理の対象とする各接触点Pと各プローブ21との接触状態が実行済みの判定処理において良好と判定したときには、その接触点Pについての判定処理の実行を省略する。
【0029】
次に、回路基板検査装置1を用いて回路基板100を検査する回路基板検査方法、およびその際の回路基板検査装置1の動作について、図面を参照して説明する。なお、回路基板100は、図2に示すように、導体パターン102a〜102cが形成された基板101に電子部品103としての抵抗R1,R2、コンデンサC1およびダイオードD1が搭載されて構成されているものとする。
【0030】
まず、検査対象の回路基板100を基板保持部11における保持板(図示せず)に載置し、次いで、基板保持部11のクランプ機構(図示せず)で回路基板100の端部を挟み込んで固定することにより、回路基板100を基板保持部11に保持させる。続いて、図外の操作部を用いて検査開始操作を行う。この際に、制御部18が、操作部から出力された操作信号に従い、移動機構13を制御してプローブユニット12を下向きに移動させる。これにより、プローブユニット12の各プローブ21の先端部が、回路基板100における導体パターン102上の各接触点P1〜P10(図2参照)にそれぞれプロービングされる。
【0031】
次いで、制御部18は、記憶部17に記憶されている基板データDcに基づき、各電子部品103の1つとして、例えば、図2に示す抵抗R1を選択し、抵抗R1の各接続端子が接続されている導体パターン102a,102bを特定する。続いて、制御部18は、導体パターン102a,102b上に予め規定された各接触点Pのうちの、抵抗R1の各接続端子毎に一対ずつ規定された接触点P1,P2および接触点P3,P4を特定する(図3参照)。
【0032】
次いで、制御部18は、抵抗R1の良否を検査する検査処理に先立ち、判定処理を実行する。具体的には、制御部18は、この判定処理において、まず、スキャナ部15を制御して、抵抗R1の一方の接続端子に対して規定された接触点P1,P2(図2参照)にプロービングされているプローブ21と検査用信号出力部14および測定部16とを接続させる。
【0033】
続いて、制御部18は、検査用信号出力部14を制御して、検査用信号S(例えば、直流電流信号)を出力させる。また、制御部18は、測定部16を制御して、検査用信号Sと、検査用信号Sの供給によってプローブ21を介して入力する電気信号(電圧信号)とに基づいて、導体パターン102aにおける接触点P1,P2間の抵抗を測定させる。
【0034】
次いで、制御部18は、測定部16によって測定された抵抗の測定値と記憶部17に記憶されている基準値とを比較して、接触点P1,P2間の導通状態の良否を判定する。この場合、制御部18は、測定値が基準値以下のときには、接触点P1,P2間の導通状態が良好と判定し、測定値が基準値を超えるときには、接触点P1,P2間の導通状態が不良と判定する。
【0035】
この場合、抵抗の測定値が基準値以下のとき(つまり、抵抗値が小さいとき)には、接触点Pとプローブ21との接触状態が良好であると考えられる。このため、制御部18は、接触点P1,P2間の導通状態が良好と判定したときには、接触点P1,P2と各プローブ21との接触状態が良好であると判定する(図3参照)。
【0036】
続いて、制御部18は、スキャナ部15を制御して、抵抗R1の他方の接続端子に対して規定された一対の接触点P3,P4にプロービングされているプローブ21と検査用信号出力部14および測定部16とを接続させる。
【0037】
次いで、制御部18は、検査用信号出力部14および測定部16に対して上記した制御と同様の制御を行い、導体パターン102bにおける接触点P3,P4間の抵抗を測定させると共に、抵抗の測定値と基準値とを比較して接触点P3,P4間の導通状態の良否を判定する。また、制御部18は、接触点P3,P4間の導通状態が良好と判定したときには、接触点P3,P4と各プローブ21との接触状態が良好であると判定する(図3参照)。続いて、制御部18は、導通状態の各判定結果および接触状態の各判定結果を記憶部17に記憶させて、判定処理を終了する。
【0038】
次いで、制御部18は、抵抗R1に対する検査処理を実行する。この検査処理では、制御部18は、スキャナ部15を制御して、接触点P1,P2の一方(例えば、接触点P1)および接触点P3,P4の一方(例えば、接触点P3)にそれぞれプロービングされたプローブピン21を検査用信号出力部14に接続させると共に、接触点P1,P2の他方(この例では、接触点P2)および接触点P3,P4の他方(例えば、接触点P4)にそれぞれプロービングされているプローブピン21を測定部16に接続させる。
【0039】
続いて、制御部18は、検査用信号出力部14を制御して検査用信号S(例えば、直流電流信号)を出力させる。これにより、プローブ21を介して接触点P1,P3に検査用信号Sが供給される。次いで、制御部18は、測定部16を制御して、抵抗R1の抵抗値(物理量の一例)を測定させる。この場合、測定部16は、検査用信号Sの電流値と、検査用信号Sの供給によって接触点P2,P4に生じる電気信号(電圧信号)の電圧値とに基づいて抵抗R1の抵抗の値を4端子法で測定する。
【0040】
続いて、制御部18は、記憶部17に記憶されている抵抗R1の基準範囲と測定部16によって測定された抵抗の測定値とを比較して抵抗R1の良否を判定する。この場合、制御部18は、測定値が基準範囲内のときには、抵抗R1が良好と判定し、測定値が基準範囲外のときには、抵抗R1が不良と判定する。次いで、制御部18は、検査結果を記憶部17に記憶させて、検査処理を終了する。
【0041】
続いて、制御部18は、基板データDcに基づき、次の検査処理の対象とする電子部品103として、例えば、図2に示すコンデンサC1を選択し、コンデンサC1の各接続端子が接続されている導体パターン102a,102cを特定する。次いで、制御部18は、導体パターン102a,102c上に予め規定された各接触点Pのうちの、コンデンサC1の各接続端子毎に一対ずつ規定された接触点P1,P2および接触点P5,P6を特定する(図3参照)。
【0042】
続いて、制御部18は、コンデンサC1の良否を検査する検査処理に先立ち、上記した判定処理を実行する。この場合、制御部18は、コンデンサC1における一方の接続端子(例えば、図2における下側の接続端子)に対して規定された接触点P1,P2(新たな判定処理の対象とする各接触点P)と、実行済みの判定処理の対象とした他の1つの接続端子に対して規定された一対の接触点P(この例では、抵抗R1における一方の接続端子に対して規定された一対の接触点P1,P2、および抵抗R1における他方の接続端子に対して規定された一対の接触点P3,P4のいずれか)とが同一であるか否かを基板データDcに基づいて判別する。
【0043】
この例では、接触点P1,P2と抵抗R1における一方の接続端子(同図における上側の接続端子)に対して規定された一対の接触点P1,P2とが同一であるため、制御部18は、この接触点P1,P2と各プローブ21との接触状態が、実行済みの判定処理において良好と判定したか否かを、記憶部17に記憶されている判定結果を参照して判別する。この場合、図3に示すように、抵抗R1に対する検査処理に先立って実行した判定処理(実行済みの判定処理)において、接触点P1,P2と各プローブ21との接触状態が良好と判定している。この場合には、接触点P1,P2間の導通状態、および接触点P1,P2と各プローブ21との接触状態の良否判定を改めて行う必要性は低い。このため、このときには、制御部18は、この接触点P1,P2間の導通状態の良否判定の実行を省略すると共に、この一対の接触点P1,P2と各プローブ21との接触状態の良否判定の実行を省略する(つまり、接触点P1,P2についての新たな判定処理の実行を省略する)。
【0044】
上記したように、この回路基板検査装置1では、新たな判定処理の対象とする各接触点Pと各プローブ21との接触状態が実行済みの判定処理において良好と判定したときには、良好と判定したその接触点Pについての新たな判定処理の実行を省略する。このため、この回路基板検査装置1では、重複する接触状態の良否判定の工程(重複する判定処理)の実行を省略する分、検査時間を短縮することが可能なため、検査効率を十分に向上させることが可能となっている。
【0045】
続いて、制御部18は、コンデンサC1における他方の接続端子(例えば、図2における上側の接続端子)に対して規定された接触点P5,P6と、実行済みの判定処理の対象とした他の1つの接続端子に対して規定された一対の接触点Pとが同一であるか否かを基板データDcに基づいて判別する。この場合、この条件を満たす一対の接触点Pが存在しないため、次いで、制御部18は、検査用信号出力部14、スキャナ部15および測定部16を制御し、測定部16によって測定された抵抗の測定値に基づいて接触点P5,P6間の導通状態の良否を判定する。また、制御部18は、接触点P5,P6間の導通状態が良好と判定したときには、接触点P5,P6と各プローブ21との接触状態が良好であると判定する(図3参照)。続いて、制御部18は、接触状態の判定結果を記憶部17に記憶させて、判定処理を終了する。
【0046】
次いで、制御部18は、コンデンサC1に対する検査処理を実行する。この場合、制御部18は、スキャナ部15を制御して、各接触点Pに接触している各プローブ21と、検査用信号出力部14および測定部16とを接続させる。続いて、制御部18は、検査用信号出力部14を制御して検査用信号S(例えば、交流電流信号)を出力させ、測定部16を制御して、コンデンサC1の容量を測定させる。次いで、制御部18は、容量の測定値と基準範囲とを比較してコンデンサC1の良否を判定する。続いて、制御部18は、検査結果を記憶部17に記憶させて、検査処理を終了する。
【0047】
次いで、制御部18は、基板データDcに基づき、次の検査処理の対象とする電子部品103として、例えば、図2に示すダイオードD1を選択し、ダイオードD1が接続されている導体パターン102a,102cを特定する。続いて、制御部18は、導体パターン102a,102c上に予め規定された各接触点Pのうちの、ダイオードD1の各接続端子毎に一対ずつ規定された接触点P7,P8および接触点P9,P10を特定する(図3参照)。
【0048】
次いで、制御部18は、ダイオードD1の良否を検査する検査処理に先立ち、判定処理(新たな判定処理)を実行する。制御部18は、この判定処理において、ダイオードD1における各接続端子に対してそれぞれ規定されている一対の接触点P7,P8および一対の接触点P9,P10と、実行済みの判定処理の対象とした他の1つの接続端子に対して規定された一対の接触点Pとが同一であるか否かを判別する。
【0049】
図3に示すように、この時点では、この条件を満たす一対の接触点Pが存在しないため、制御部18は、接触点P7,P8間の導通状態の良否、および接触点P9,P10間の導通状態の良否を判定する(新たな判定処理を実行する)。この場合、制御部18は、同図に示すように、接触点P7,P8間の導通状態が良好と判定したときには、接触点P7,P8と各プローブ21との接触状態が良好であると判定し、接触点P9,P10間の導通状態が良好と判定したときには、接触点P9,P10と各プローブ21との接触状態が良好であると判定する。次いで、制御部18は、接触状態の判定結果を記憶部17に記憶させて、判定処理を終了する。
【0050】
続いて、制御部18は、ダイオードD1に対する検査処理を実行する。この場合、制御部18は、スキャナ部15を制御して、各接触点Pに接触している各プローブ21と、検査用信号出力部14および測定部16とを接続させる。次いで、制御部18は、検査用信号出力部14を制御して検査用信号Sを出力させ、測定部16を制御して、ダイオードD1についての物理量(例えば、順方向電圧および逆方向電圧)を測定させる。続いて、制御部18は、基準範囲と物理量の測定値とを比較してダイオードD1の良否を判定する。次いで、制御部18は、検査結果を記憶部17に記憶させて、検査処理を終了する。
【0051】
続いて、制御部18は、基板データDcに基づき、次の検査処理の対象とする電子部品103として、例えば、図2に示す抵抗R2を選択し、抵抗R2が接続されている導体パターン102a,102cを特定する。次いで、制御部18は、導体パターン102a,102c上に予め規定された各接触点Pのうちの、抵抗R2の各接続端子毎に一対ずつ規定された接触点P5,P8および接触点P1,P10を特定する。
【0052】
続いて、制御部18は、抵抗R2の良否を検査する検査処理に先立ち、判定処理(新たな判定処理)を実行する。この場合、制御部18は、抵抗R2における各接続端子に対してそれぞれ規定されている一対の接触点P5,P8および一対の接触点P1,P10と、実行済みの判定処理の対象とした他の1つの接続端子に対して規定された一対の接触点Pとが同一であるか否かを判別する。
【0053】
図3に示すように、この時点では、この条件を満たす一対の接触点Pが存在しないため、次いで、制御部18は、接触点P5,P8間の導通状態の良否、および接触点P1,P10間の導通状態の良否を判定する(新たな判定処理を実行する)。この場合、制御部18は、同図に示すように、接触点P5,P8間の導通状態が良好と判定したときには、接触点P5,P8と各プローブ21との接触状態が良好であると判定する。
【0054】
一方、接触点P1,P10間の抵抗の測定値が基準値以上のとき(つまり、抵抗値が大きいとき)には、接触点P1,P10の一方または双方と各プローブ21との接触状態が不良である可能性がある。このため、制御部18は、接触点P1,P10間の導通状態が不良と判定したときには、接触点P1,P10と各プローブ21との接触状態が不良であると判定する(図3参照)。続いて、制御部18は、接触状態の判定結果を記憶部17に記憶させて、判定処理を終了する。
【0055】
ここで、上記したように、接触点P1,P10と各プローブ21との接触状態が不良である可能性があるときには、抵抗R2に対する検査処理を実行したとしても、正確な検査結果を得ることができない可能性が高い。このため、制御部18は、接触点P1,P10と各プローブ21との接触状態が不良と判定したときには、抵抗R2に対する検査処理を実行せずに、他の電子部品103(次に検査すべき電子部品103)についての判定処理および検査処理を実行する。つまり、制御部18は、判定処理において各プローブ21との接触状態が良好と判定した各接触点Pに対応する電子部品だけを対象として検査処理を実行する。また、このときには、制御部18は、他の全ての電子部品103についての判定処理および検査処理を実行した後に、移動機構13を制御して、回路基板100に対するプローブユニット12のプロービングを再実行させ、次いで、接触状態が不良と判定した接触点Pについての判定処理を再実行する。この場合、再実行した判定処理において接触状態が良好と判定したときには、抵抗R2に対する検査処理を実行する。なお、この回路基板100には、抵抗R2の他に新たな検査処理の対象とする電子部品103が存在しないため、制御部18は、上記した接触点P1,P10と各プローブ21との接触状態が不良と判定したときに、抵抗R2に対する検査処理を実行せずに、プロービングを再実行させる。また、制御部18は、再実行した判定処理において接触状態が不良と再び判定したときには、プロービングを再実行するが、これらの処理が際限なく繰り返されるのを防止するため、制御部18は、これらの処理を予め決められた回数を限度として実行する。
【0056】
このように、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法では、新たな検査処理の対象とする各接触点Pと各プローブ21との接触状態が実行済みの判定処理において良好と判定したときには、良好と判定したその接触点Pについての新たな判定処理の実行を省略する。このため、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法では、重複する接触状態の良否判定の工程(重複する判定処理)の実行を省略する分、判定処理に要する時間を短縮することができる。したがって、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法によれば、数多くの電子部品103が搭載された回路基板100を検査する際の検査時間を十分に短縮することができる結果、検査効率を十分に向上させることができる。
【0057】
また、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法では、判定処理において、1つの接続端子に対して規定された一対の接触点P間の導通状態の良否を判定すると共に、導通状態が良好と判定したときにその一対の接触点Pと各プローブとの接触状態が良好と判定する。このため、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法では、各接触点Pと各プローブとの接触状態の良否判定と接触点P間の導通状態(つまり、導体パターン102の導通状態)とを一度に行うことができる。したがって、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法によれば、導体パターン102の導通状態の良否を別途行う構成および方法と比較して、検査効率をさらに向上させることができる。
【0058】
また、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法では、新たな判定処理の対象としての1つの接続端子に対して規定された一対の接触点Pと、実行済みの判定処理の対象とした他の1つの接続端子に対して規定された一対の接触点Pとが同一で、かつ実行済みの判定処理においてその一対の接触点Pと各プローブ21との接触状態が良好と判定したときには、その一対の接触点Pについての新たな判定処理の実行を省略する。つまり、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法では、実行済みの判定処理において接触点P間の導通状態が良好と判定された一対の接触点Pだけを導通状態の良否判定および接触状態の良否判定の対象から除外する。言い換えると、実行済みの判定処理において導通状態の良否を判定していない一対の接触点Pについては、新たな判定処理を実行して導通状態の良否を必ず実行することとなる。したがって、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法によれば、一対の接触点P間の導通状態の良否判定を一対の接触点Pの全ての組み合わせについて少なくとも1回は実行することとなるため、全ての接触点Pと各プローブとの接触状態の良否判定、および全ての接触点P間の導通状態の良否判定を確実に行うことができる。
【0059】
また、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法では、判定処理において各プローブ21との接触状態が良好と判定した各接触点Pに対応する電子部品103だけを対象として検査処理を実行し、各プローブ21のプロービングが再実行された後に、プロービングの再実行前の判定処理において各プローブ21との接触状態が不良と判定した接触点Pについての判定処理を再実行する。このため、この回路基板検査装置1および回路基板検査方法によれば、接触点Pとプローブ21との接触不良に起因して、電子部品103の良否の検査結果が誤った検査結果となる事態を確実に防止することができる。
【0060】
なお、回路基板検査装置および回路基板検査方法は、上記した構成および方法に限定されない。例えば、上記の構成および方法では、新たな検査処理の対象とする電子部品103の接続端子に対して規定された一対の接触点Pと実行済みの検査処理の対象とした電子部品103の接続端子に対して規定された一対の接触点Pとが同一であることを、新たな検査処理の直前に実行する判定処理において接触状態の良否判定の実行を省略する条件としているが、この構成および方法に限定されない。
【0061】
具体的には、一対の接触点Pと各プローブ21との接触状態が実行済みの判定処理において良好と判定されていれば、その一対の接触点Pが実行済みの検査処理の対象とした電子部品103の接続端子に対して規定された一対の接触点Pと同一でなくても新たな検査処理の直前に実行する判定処理において接触状態の良否判定の実行を省略する対象とする構成および方法を採用することができる。
【0062】
より具体的には、この構成および方法では、例えば、図4に示すように、抵抗R2における一方の接続端子に対して規定された一対の接触点P5,P8は、実行済みの検査処理の対象とした電子部品103の接続端子に対して規定されたいずれの一対の接触点Pとも同一ではないものの、接触点P5とプローブ21との接触状態は、実行済みのコンデンサC1に対する検査処理の直前に実行した判定処理において良好と判定されている。また、接触点P8とプローブ21との接触状態は、実行済みのダイオードD1に対する検査処理の直前に実行した判定処理において良好と判定されている。このため、制御部18は、新たな検査処理としての抵抗R2に対する検査処理の直前に実行した判定処理において、接触点P5,P8と各プローブ21との接触状態の良否判定の実行を省略する。
【0063】
また、図4に示すように、抵抗R2における他方の接続端子に対して規定された一対の接触点P1,P10は、実行済みの検査処理の対象とした電子部品103の接続端子に対して規定されたいずれの一対の接触点Pとも同一ではないものの、接触点P1とプローブ21との接触状態は、実行済みの抵抗R1に対する検査処理の直前に実行した判定処理において良好と判定されている。また、接触点P10とプローブ21との接触状態は、実行済みのダイオードD1に対する検査処理の直前に実行した判定処理において良好と判定されている。このため、制御部18は、新たな検査処理としての抵抗R2に対する検査処理の直前に実行する判定処理において、接触点P1,P10と各プローブ21との接触状態の良否判定の実行を省略する。
【0064】
この構成および方法では、判定処理において接触状態の良否判定(導通状態の良否判定)の実行を省略する接触点Pの数をさらに多くすることができるため、検査時間をさらに短縮することができ、その結果、検査効率をさらに向上させることができる。
【0065】
また、1つの電子部品103の各接続端子に対して規定されている各接触点P(1つの電子部品103について各接触点P)に対する判定処理の実行に続いてその電子部品103に対する検査処理を実行し、次いで、次の1つの電子部品103についての各接触点Pに対する判定処理の実行に続いてその電子部品103に対する検査処理を実行する構成および方法について上記したが、これには限定されない。例えば、1つの電子部品103についての各接触点Pを特定して判定処理を実行した後に、その電子部品103に対する検査処理を実行することなく次の1つの電子部品103についての各接触点Pを特定して判定処理を実行する処理(判定処理をまとめて実行する処理)を繰り返して、全ての電子部品103についての各接触点Pに対する判定処理が完了した後に、各電子部品103に対する検査処理をまとめて実行する構成および方法を採用することができる。
【0066】
また、全ての電子部品103のうちの一部(複数)の電子部品103についての各接触点Pに対して上記した判定処理をまとめて実行する処理を行った後に、それら一部の電子部品103に対する検査処理をまとめて実行する処理を繰り返して行うことにより、全ての電子部品103についての各接触点Pに対する判定処理、および全ての電子部品103に対する検査処理を実行する構成および方法を採用することもできる。
【0067】
また、4つの電子部品103が搭載された搭載回路基板100に対する検査を行う例について上記したが、より多くの電子部品103が搭載された回路基板100を検査することができるのは勿論である。
【符号の説明】
【0068】
1 回路基板検査装置
12 プローブユニット
13 移動機構
14 検査用信号出力部
16 測定部
18 制御部
21 プローブ
100 回路基板
102a〜102c 導体パターン
103 電子部品
P1〜P10 接触点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子部品が搭載された回路基板における当該各電子部品の接続端子が接続された各導体パターン上において当該各接続端子に対して一対ずつ規定された接触点にプローブがそれぞれプロービングされた状態で、当該各プローブを介して入出力する電気信号に基づいて、当該電子部品の良否を検査する検査処理を実行すると共に、当該検査処理に先立ち、前記各接触点と前記各プローブとの接触状態の良否を判定する判定処理を当該判定処理の対象とする接触点を前記各電子部品毎に順次特定しつつ実行する検査部を備えた回路基板検査装置であって、
前記検査部は、新たな前記判定処理の対象とする前記各接触点と前記各プローブとの接触状態が実行済みの前記判定処理において良好と判定したときには、当該良好と判定した接触点についての前記新たな判定処理の実行を省略する回路基板検査装置。
【請求項2】
前記検査部は、前記判定処理において、前記接続端子に対して規定された一対の接触点間の導通状態の良否を前記電気信号に基づいて判定すると共に、当該導通状態が良好と判定したときに当該一対の接触点と前記各プローブとの接触状態が良好と判定する請求項1記載の回路基板検査装置。
【請求項3】
前記検査部は、前記新たな判定処理の対象としての1つの前記接続端子に対して規定された一対の前記接触点と、実行済みの前記判定処理の対象とした他の1つの前記接続端子に対して規定された一対の前記接触点とが同一で、かつ当該実行済みの判定処理において当該一対の接触点と前記各プローブとの接触状態が良好と判定したときには、当該一対の接触点についての前記新たな前記判定処理の実行を省略する請求項2記載の回路基板検査装置。
【請求項4】
前記検査部は、前記判定処理において前記各プローブとの接触状態が良好と判定した前記各接触点に対応する前記電子部品だけを対象として前記検査処理を実行し、前記各プローブのプロービングが再実行された後に、前記判定処理において前記各プローブとの接触状態が不良と判定した前記接触点についての前記判定処理を再実行する請求項1から3のいずれかに記載の回路基板検査装置。
【請求項5】
複数の電子部品が搭載された回路基板における当該各電子部品の接続端子が接続された各導体パターン上において当該各接続端子に対して一対ずつ規定された接触点にプローブをそれぞれプロービングした状態で、当該各プローブを介して入出力する電気信号に基づいて、当該電子部品の良否を検査する検査処理を実行すると共に、当該検査処理に先立ち、前記各接触点と前記各プローブとの接触状態の良否を判定する判定処理を当該判定処理の対象とする接触点を前記各電子部品毎に順次特定しつつ実行する回路基板検査方法であって、
新たな前記判定処理の対象とする前記各接触点と前記各プローブとの接触状態が実行済みの前記判定処理において良好と判定したときには、当該良好と判定した接触点についての前記新たな判定処理の実行を省略する回路基板検査方法。
【請求項6】
前記判定処理において、前記接続端子に対して規定された一対の接触点間の導通状態の良否を前記電気信号に基づいて判定すると共に、当該導通状態が良好と判定したときに当該一対の接触点と前記各プローブとの接触状態が良好と判定する請求項5記載の回路基板検査方法。
【請求項7】
前記新たな判定処理の対象としての1つの前記接続端子に対して規定された一対の前記接触点と、実行済みの前記判定処理の対象とした他の1つの前記接続端子に対して規定された一対の前記接触点とが同一で、かつ当該実行済みの判定処理において当該一対の接触点と前記各プローブとの接触状態が良好と判定したときには、当該一対の接触点についての前記新たな前記判定処理の実行を省略する請求項6記載の回路基板検査方法。
【請求項8】
前記判定処理において前記各プローブとの接触状態が良好と判定した前記各接触点に対応する前記電子部品だけを対象として前記検査処理を実行し、前記各プローブのプロービングが再実行された後に、前記判定処理において前記各プローブとの接触状態が不良と判定した前記接触点についての前記判定処理を再実行する請求項5から7のいずれかに記載の回路基板検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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