説明

回路設計プログラム、回路設計方法、および回路設計装置

【課題】部品データの移動前後で、1対の回路基板の基板データでの論理的な接続関係を維持する。
【解決手段】回路設計装置が、移動対象である部品データIC1bの接続先ネット名NET5,6,9,10を、第1のコネクタ部品データCN1の第1の空き端子5〜8の接続先ネット名に設定する。回路設計装置が、部品データIC1bを第1の基板データC1から第2の基板データC2に移動させた場合、部品データIC1bの接続先ネット名NET5,6を第2の基板データC2内のネット名と異なるネット名に変換する。回路設計装置が、変換後の部品データIC1bの接続先ネット名A_NET5,6,NET9,10を、第1のコネクタ部品データCN1の第1の空き端子5〜8に対応する第2のコネクタ部品データCN2の第2の空き端子5〜8の接続先ネット名に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路設計プログラム、回路設計方法、および回路設計装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子装置は、各種電子部品を複数搭載させた複数のプリント回路基板を組み合わせることにより構築される。たとえば、携帯端末や小型のPC(Personal Computer)などの電子装置では、電子装置のサイズが限定されているために1つのプリント回路基板が2つ以上のプリント回路基板に分割される場合がある。また、開閉型やスライド型の携帯電話端末などの電子装置では、複数のプリント回路基板が搭載されることが定まっている。電子装置の設計者は、各部品をどのプリント回路基板に搭載するか決定しながら電子装置を設計する場合がある。
【0003】
関連する技術としては、プリント回路基板間の信号接続経路を確認することができる技術が知られている(たとえば、下記特許文献1を参照。)。また、電子装置の複数のプリント回路基板に関する設計情報を1つの設計情報として扱うことで、複数のプリント回路基板に関する設計を並行して行う技術が知られている(たとえば、下記特許文献2を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−325315号公報
【特許文献2】国際公開第2008/047650号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、部品データ間の論理的な接続関係がネット名によって表されるが、1対の回路基板の基板データにおいて基板データごとにネット名の定義が独立している。そのため、基板データ間で部品データを移動させると、移動先の基板データと移動元の基板データとで部品データに設定されたネット名で表される接続先が変化してしまう。したがって、部品データの移動前後で、1対の回路基板の基板データにおいて論理的な接続関係を維持できないという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、部品データの移動前後で、1対の回路基板の基板データでの論理的な接続関係を維持することができる回路設計プログラム、回路設計方法、および回路設計装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一の側面によれば、第1のコネクタ部品データを有する第1の基板データと、前記第1のコネクタ部品データと接続関係がある第2のコネクタ部品データを有する第2の基板データと、を含む基板データ群のうち、前記第1の基板データに存在する部品データを選択し、選択された部品データの接続先ネット名を、前記第1のコネクタ部品データの第1の空き端子の接続先ネット名に設定し、前記部品データを前記第1の基板データから前記第2の基板データに移動させた場合、前記部品データの接続先ネット名を、前記接続先ネット名が設定された前記第1のコネクタ部品データの第1の空き端子に対応する前記第2のコネクタ部品データの第2の空き端子の接続先ネット名に設定する回路設計プログラム、回路設計方法、および回路設計装置が提案される。
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の他の側面によれば、第1のコネクタ部品データを有する第1の基板データと、前記第1のコネクタ部品データと接続関係がある第2のコネクタ部品データを有する第2の基板データと、を含む基板データ群のうち、前記第1の基板データに存在する部品データを選択し、前記部品データの一方の接続先ネット名と前記第1のコネクタ部品データの第1の端子の接続先ネット名とが同一である場合、前記第1の端子に対応する前記第2のコネクタ部品データの第2の端子の接続先ネット名を取得し、前記第1の端子の接続先ネット名を、前記部品データの前記第1のコネクタ部品データと接続関係がない他方の接続先ネット名に変換し、前記第2のコネクタ部品データの第2の端子の接続先ネット名を、前記第2の基板データ内のネット名とは異なるネット名に設定し、前記部品データを前記第1の基板データから前記第2の基板データに移動させた場合、前記部品データの一方の接続先ネット名を、取得された接続先ネット名に設定し、前記部品データの他方の接続先ネット名を、前記第2の端子の接続先ネット名に設定されたネット名に設定する回路設計プログラム、回路設計方法、および回路設計装置が提案される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、部品データの移動前後で、1対の回路基板の基板データでの論理的な接続関係を維持することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の一動作例を示す説明図である。
【図2】図2は、実施の形態にかかる回路設計装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図3】図3は、回路図データの場合の第1の基板データC11と第2の基板データC12の一例を示す説明図である。
【図4】図4は、回路図データに関するデータ構造例を示す説明図(その1)である。
【図5】図5は、回路図データに関するデータ構造例を示す説明図(その2)である。
【図6】図6は、実装設計データの場合の第1の基板データC11と第2の基板データC12の他の例を示す説明図である。
【図7】図7は、実装設計データの場合のデータ構造例を示す説明図(その1)である。
【図8】図8は、実装設計データの場合のデータ構造例を示す説明図(その2)である。
【図9】図9は、回路設計装置200の機能的構成例を示すブロック図である。
【図10】図10は、取得結果の一例を示す説明図である。
【図11】図11は、不要なネットの削除例を示す説明図(その1)である。
【図12】図12は、不要なネットの削除例を示す説明図(その2)である。
【図13】図13は、他方の接続先ネット名の抽出結果例を示す説明図である。
【図14】図14は、変換結果例を示す説明図(その1)である。
【図15】図15は、変換結果例を示す説明図(その2)である。
【図16】図16は、部品データIC11aの削除例を示す説明図である。
【図17】図17は、第1の基板データC11への結合端子の入力例を示す説明図である。
【図18】図18は、第2の端子の接続先ネット名の設定例を示す説明図(その1)である。
【図19】図19は、第2の端子の接続先ネット名の設定例を示す説明図(その2)である。
【図20】図20は、第2の端子の接続先ネット名の設定例を示す説明図(その3)である。
【図21】図21は、部品データIC11aの追加例を示す説明図である。
【図22】図22は、移動後の部品データIC11aへのネットの割り当て例を示す説明図(その1)である。
【図23】図23は、移動後の部品データIC11aへのネットの割り当て例を示す説明図(その2)である。
【図24】図24は、移動後の部品データIC11aへのネットの割り当て例を示す説明図(その3)である。
【図25】図25は、実装部品データの移動結果を回路図データに反映させる例を示す説明図である。
【図26】図26は、回路設計装置200による設定処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図27】図27は、図26で示した移動処理(ステップS2603)の詳細な説明を示すフローチャートである。
【図28】図28は、図26で示した移動処理(ステップS2604)の詳細な説明を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明にかかる回路設計プログラム、回路設計方法、および回路設計装置の実施の形態の詳細を説明する前に、プリント回路基板の設計について簡単に説明する。電気系のCAD(Computer Aided Design)では、複数のプリント回路基板回路に搭載される部品データの論理的な接続関係について1つの回路図データで扱う場合もあれば、プリント回路基板ごとに1つの回路図データで扱う場合もある。後者の場合、回路図データごとに部品データ間の論理的な接続関係を表すネット名や部品データの名称が独立して定義される。そのため、回路図データ間で部品データを移動させると、移動先の基板データと移動元の基板データとで部品データに設定されたネット名で表される接続先が変化してしまう。したがって、従来では、1対の回路基板の回路図データでの論理的な接続関係を維持させるためには、設計者がネット名の変更やネット名の削除を手作業で行わなければならない。
【0012】
また、後者の場合には、プリント回路基板に搭載される部品の論理的な接続関係を示す回路図データと、プリント回路基板に搭載される部品の配置や配線を示す実装設計データとは、1対1で対応付けられている。回路図データと同様に実装設計データにおいても、実装設計データごとに部品データ間の論理的な接続関係を表すネット名や部品データの名称が独立して定義される。そのため、従来では、設計者が、1対の回路図データ間で部品データを移動させると、各回路図データ内のネットの追加や削除を行った後に、1対の回路図データに対応する1対の実装設計データに対しても同様の処理を行わなければならない。設計者は、どの部品をいずれのプリント回路基板に配置するかについて、回路図データや実装設計データの変更を繰り返して設計する。したがって、設計者が手作業で行うために手間がかかる上に、部品データの移動時にネットの接続を誤ってしまうことで部品データの移動前後で論理的な接続関係が維持できない場合がある。
【0013】
そこで、本実施の形態では、回路図データ間や1対の実装設計データ間で部品データを移動させる場合に、移動前の論理的な接続関係を移動後に維持させる。
【0014】
図1は、本発明の一動作例を示す説明図である。たとえば、第1の基板データC1は、部品データIC1aと、部品データIC1bと、部品データIC1cと、第1のコネクタ部品データCN1と、を有している。たとえば、第2の基板データC2は、部品データIC2aと、部品データIC2bと、第1のコネクタ部品データCN1と接続関係がある第2のコネクタ部品データCN2と、を有している。第1の基板データC1と第2の基板データC2とは回路設計装置がアクセス可能な記憶装置に記憶されている。接続条件データ100は、第1のコネクタ部品データCN1と第2のコネクタ部品データCN2との論理的な接続関係を示している。
【0015】
第1の基板データC1や第2の基板データC2内の各部品データの端子ごとに接続先ネット名が記憶されている。接続先ネット名が同一のネット名である場合、部品データの端子間は接続されている。第1のコネクタ部品データCN1,CN2の端子に接続先ネット名が設定されていない場合、その端子は、空き端子である。各部品データの端子については、部品データ.端子番号で示す。たとえば、第1のコネクタ部品データCN1の端子については、CN1.1〜CN1.8である。
【0016】
まず、回路設計装置が、第1の基板データCN1に存在する部品データIC1bを選択する。設計者が、部品データIC1bを第1の基板データC1から第2の基板データC2に移動させる指示を入力手段により回路設計装置へ入力する。入力手段については、後述する。回路設計装置は、入力手段によって入力された移動させる指示の入力を受けつけると、第1の基板データCN1から部品データIC1bを選択する。
【0017】
回路設計装置が、部品データIC1bの接続先ネット名を第1のコネクタ部品データCN1の第1の空き端子の接続先ネット名に設定する。具体的には、回路設計装置が、部品データIC1bの端子IC1b.1〜4のそれぞれの接続先ネット名NET5,NET6,NET9,NET10を抽出する。そして、回路設計装置が、第1のコネクタ部品データCN1の端子群のうち、接続先ネット名が設定されていない端子を第1の空き端子として特定する。第1の空き端子は、CN1.5〜8である。回路設計装置が、第1の空き端子CN1.5〜8の接続先ネット名に部品データIC1bの端子IC1b.1〜4の接続先ネット名NET5,NET6,NET9,NET10を設定する。
【0018】
そして、回路設計装置が、部品データIC1bを第1の基板データC1から第2の基板データC2に移動させる。たとえば、回路設計装置が、第1の基板データC1から部品データIC1bを削除し、第2の基板データC2へ部品データIC1bを生成することで、部品データIC1bを第1の基板データC1から第2の基板データC2に移動させることができる。そして、回路設計装置が、部品データIC1bの接続先ネット名NET9,NET10を、接続先ネット名が設定された第1のコネクタ部品データCN1の第1の空き端子CN1.7,8に対応する第2のコネクタ部品データCN2の第2の空き端子CN2.7,8の接続先ネット名NET9,NET10に設定する。
【0019】
図1において、第2の基板データC2では、部品データIC1bの接続先ネット名NET5,6と同一のネット名がすでに部品データIC2aと部品データIC2bの端子名に設定されている。そこで、回路設計装置が、部品データIC1bの接続先ネット名NET5,NET6を、第2の基板データC2内のネット名とは異なるネット名A_NET5,6に変換する。そして、回路設計装置が、第1の空き端子CN1.5,6に対応する第2のコネクタ部品データCN2の第2の空き端子CN2.5,6の接続先ネット名に、変換されたネット名A_NET5,NET6を設定する。
【0020】
また、第1の基板データC1や第2の基板データC2が回路図データであれば、図面上において離間している同一ネット名のネット間について、回路設計装置が、同一ネット名同士について結合端子によって結合させてもよい。第1の基板データC1や第2の基板データC2が実装設計データであれば、回路設計装置が、実装設計CADの自動配置・自動配線の処理を呼び出すことで、再配置・配線させてもよい。
【0021】
これにより、部品間の論理的な接続関係を変化させずに、第1の基板データC1から第2の基板データC2へ部品データIC1bを移動させることができる。
【0022】
(回路設計装置のハードウェア構成例)
図2は、実施の形態にかかる回路設計装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。図2において、回路設計装置200は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read‐Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、磁気ディスクドライブ204と、磁気ディスク205と、光ディスクドライブ206と、光ディスク207と、ディスプレイ208と、I/F(Interface)209と、キーボード210と、マウス211と、スキャナ212と、プリンタ213と、を備えている。また、各構成部はバス215によってそれぞれ接続されている。
【0023】
ここで、CPU201は、回路設計装置200の全体の制御を司る。ROM202は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ204は、CPU201の制御にしたがって磁気ディスク205に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク205は、磁気ディスクドライブ204の制御で書き込まれたデータを記憶する。
【0024】
光ディスクドライブ206は、CPU201の制御にしたがって光ディスク207に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク207は、光ディスクドライブ206の制御で書き込まれたデータを記憶したり、光ディスク207に記憶されたデータをコンピュータに読み取らせたりする。
【0025】
ディスプレイ208は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ208は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
【0026】
I/F209は、通信回線を通じてLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどのネットワーク214に接続され、このネットワーク214を介して他の装置に接続される。そして、I/F209は、ネットワーク214と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F209には、たとえばモデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0027】
キーボード210は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力を行う。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス211は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などを行う。ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
【0028】
スキャナ212は、画像を光学的に読み取り、回路設計装置200内に画像データを取り込む。なお、スキャナ212は、OCR(Optical Character Reader)機能を持たせてもよい。また、プリンタ213は、画像データや文書データを印刷する。プリンタ213には、たとえば、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。
【0029】
(第1の基板データと第2の基板データ)
第1および第2の基板データとしては、たとえば、接続関係が示された回路図データや接続関係に加えて配置配線が示された実装設計データが挙げられる。ここでは、回路図データと実装設計データのそれぞれの一例および接続条件データとそれぞれの詳細例について説明する。以下説明で用いる第1の基板データは、C11であり、第2の基板データは、C12とする。
【0030】
図3は、回路図データの場合の第1の基板データC11と第2の基板データC12の一例を示す説明図である。第1の基板データC11と第2の基板データは、第1のコネクタ部品データCN11と第2のコネクタ部品データCN12とによって接続されている。第1のコネクタ部品データCN11と第2のコネクタ部品データCN12との接続関係は、後述する接続条件データに記述されている。
【0031】
第1の基板データC11は、部品データIC11a〜cと第1のコネクタ部品データCN11とを有している。部品データIC11aの端子1〜4と第1のコネクタ部品データCN11の端子1〜4には、それぞれ接続先ネット名にNET1〜NET4が設定されている。部品データIC11aの端子5,6と部品データIC11cの端子1,2には、それぞれ接続先ネット名NET13,NET14が設定されている。部品データIC11aの端子7,8と部品データIC11bの端子1,2には、それぞれ接続先ネット名NET15,NET16が設定されている。第1のコネクタ部品データCN11の端子9〜16と、部品データIC11bの端子3〜10には、それぞれ接続先ネット名NET5〜NET12が設定されている。部品データIC11bの端子11〜18には、それぞれ接続先ネット名NET19〜NET26が設定されている。部品データIC11cの端子3,4には、それぞれ接続先ネット名NET17,NET18が設定されている。第1のコネクタ部品データCN11の端子5〜8にはいずれの接続先ネット名も設定されていないため、第1のコネクタ部品データCN11の端子5〜8は空き端子である。
【0032】
第2の基板データC12は、部品データIC12a〜cと第2のコネクタ部品データCN12とを有している。部品データIC12aの端子1〜4と第2のコネクタ部品データCN12の端子1〜4とには、接続先ネット名NET1〜NET4が設定されている。部品データIC12aの端子5,6と部品データIC12cの端子1,2とには、接続先ネット名NET13,NET14が設定されている。部品データIC12aの端子7,8と部品データIC12bの端子1,2とには、接続先ネット名NET15,16が設定されている。部品データIC12bの端子3〜10と第2のコネクタ部品データCN12の端子9〜16とには、それぞれ接続先ネット名NET5〜NET12が設定されている。部品データIC12bの端子11〜18には、接続先ネット名NET19〜NET26が設定されている。部品データIC12cの端子3,4には、接続先ネット名NET17,NET18が設定されている。第2のコネクタ部品データCN12の端子5〜8にはいずれの接続先ネット名も設定されていないため、第2のコネクタ部品データCN12の端子5〜8は空き端子である。
【0033】
第1の基板データC11と第2の基板データC12とは、データが異なるため、第1の基板データC11内のネットと第2の基板データC12内のネットでは異なるネットであるにも関わらず、同一のネット名が付されていてもよい。
【0034】
図3に示す第1の基板データC11と第2の基板データC12は、CADツールによって描画させた場合の図である。実際には、第1の基板データC11と第2の基板データC12とは、図4および図5で示すようなデータ構造である。
【0035】
図4および図5は、回路図データに関するデータ構造例を示す説明図である。第1の基板データC11は、たとえば、回路仕様データ411と、回路部品データ412と、回路部品ピンデータ413と、ネットデータ414と、部品接続データ415と、結合端子データ416と、を有している。第2の基板データC12は、たとえば、回路仕様データ421と、回路部品データ422と、回路部品ピンデータ423と、ネットデータ424と、部品接続データ425と、結合端子データ426と、を有している。
【0036】
回路仕様データ411と回路仕様データ421には、基板名、および設計ルールが設定される。設計ルールには、たとえば、間隔や線幅が挙げられる。
【0037】
回路部品データ412と回路部品データ422には、部品名、部品ライブラリ名、シート名、および配置座標が設定される。
【0038】
回路部品ピンデータ413と回路部品ピンデータ423には、部品名、部品ピン名、ネット番号、シート名、および座標が設定されている。部品ピン名には、部品の端子番号が設定される。
【0039】
ネットデータ414とネットデータ424には、ネット番号、およびネット名が設定されている。回路図データにおいては、ネット名ごとにネット番号が付与される。
【0040】
部品接続データ415と部品接続データ425には、ネット番号、座標1、座標2、およびシート名が設定される。すなわち、部品接続データ415と部品接続データ425、ネット番号で表されるネットの長さが設定される。
【0041】
結合端子データ416と結合端子データ426には、ネット番号、結合番号、座標、およびシート名が設定される。結合端子とは、ネット番号で表されるネットが切断されていても、同一のネット番号であるネットを結合するための端子である。
【0042】
本実施の形態では、回路部品ピンデータ413や回路部品ピンデータ423にネット番号が設定されることが、各部品データの端子に接続先ネット名が設定されることを示す。本実施の形態では、各部品データの名称と各部品データの符号とを同一としているため、部品データの名称が重複しないように付されている。
【0043】
回路部品ライブラリデータ500は、形状データ501と部品ピンデータ502とを有している。形状データ501には、部品形状が設定される。部品形状としては、たとえば、四角形と四角形の長さが設定されていてもよい。部品ピンデータ502には、部品ピン名、信号区分、および座標が設定される。部品ピン名には、各部品の端子番号が設定される。信号区分とは、たとえば、入力信号の端子であるか、出力信号の端子であるか、入出力信号の端子であるかが設定される。
【0044】
接続条件データ510は、接続基板データ511と接続部品ピンデータ512とを有している。接続基板データ511は、略称、基板名が設定される。図5においては、略称と基板データの符号とを同一にしている。たとえば、第1の基板データC11の基板名は基板Aである。たとえば、第2の基板データC12の基板名は基板Bである。
【0045】
接続部品ピンデータ512には、略称、部品名1、部品ピン名1、略称2、部品名2、および部品ピン名2が設定される。接続部品ピンデータ512では、部品ピン名1で表される端子と部品ピン名2で表される端子とが接続されていることを示している。接続部品ピンデータ512では、たとえば、第1の基板データC11内の第1のコネクタ部品データCN11の端子1が第2の基板データC12内の第2のコネクタ部品データCN12の端子1に接続されていることを示している。
【0046】
回路部品データ412および回路部品ピンデータ413は、部品名によって関連付けられている。回路部品データ422および回路部品ピンデータ423は、部品名によって関連付けられている。回路部品ピンデータ413とネットデータ414と部品接続データ415と結合端子データ416とはネット番号によって関連付けられている。回路部品ピンデータ423とネットデータ424と部品接続データ425と結合端子データ426とはネット番号によって関連付けられている。
【0047】
接続条件データ510と第1の基板データC11とは基板名によって関連付けられている。接続条件データ510と第2の基板データC12とは基板名によって関連付けられている。第1の基板データC11では、回路部品データ412によって、回路部品ライブラリデータ500を指定する。第2の基板データC12では、回路部品データ422によって、回路部品ライブラリデータ500を指定する。
【0048】
図4および図5で示す座標とは、回路表示における位置であって、物理的な基板の座標とは関連がない。
【0049】
なお、第1の基板データC11と第2の基板データC12と回路部品ライブラリデータ500と接続条件データ510とは、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶装置に記憶される。
【0050】
図6は、実装設計データの場合の第1の基板データC11と第2の基板データC12の他の例を示す説明図である。図6で示す第1の基板データC11および第2の基板データC12では、論理的な接続関係だけでなく、物理的な配置位置に関する情報を有している。第1の基板データC11と第2の基板データC12とが有している部品データや各部品データに付与されている接続先ネット名については、図3で示した例と同一であるため、詳細な説明を省略する。
【0051】
図7および図8は、実装設計データの場合のデータ構造例を示す説明図である。第1の基板データC11は、実装仕様データ711と、基板データ712と、実装部品データ713と、実装部品ピンデータ714と、ネットデータ715と、ビアデータ716と、ラインデータ717と、回路変更履歴データ718と、を有している。第2の基板データC12は、実装仕様データ721と、基板データ722と、実装部品データ723と、実装部品ピンデータ724と、ネットデータ725と、ビアデータ726と、ラインデータ727と、回路変更履歴データ728と、を有している。
【0052】
実装仕様データ711と実装仕様データ721には、たとえば、基板名、設計ルールが設定される。設計ルールとは、たとえば、間隔、線幅などが挙げられる。基板データ712と基板データ722には、たとえば、基板の層数、外形形状、基板の厚さが設定される。基板の厚さとは、各信号線の厚さや層間の絶縁層の厚さが挙げられる。
【0053】
実装部品データ713と実装部品データ723には、たとえば、部品名、部品ライブラリ名、搭載面、および配置座標が設定される。実装部品ピンデータ714と実装部品ピンデータ724には、たとえば、部品名、部品ピン名、ネット番号、シート名、座標、および層番号が設定される。
【0054】
ネットデータ715とネットデータ725には、たとえば、ネット番号、ネット名、その他が設定される。ビアデータ716とビアデータ726は、ネット番号、座標、および層番号が設定される。ラインデータ717とラインデータ727には、ネット番号、座標1、座標2、および線幅が設定される。回路変更履歴データ718と回路変更履歴データ728には、変更種別、変更内容が設定される。
【0055】
実装部品ライブラリデータ800は、形状データ801と部品ピンデータ802を有している。形状データ801には、部品形状が設定される。部品ピンデータ802には、部品ピン名、信号区分、および座標が設定される。
【0056】
実装部品データ713と実装部品ピンデータ714とは、部品名によって関連付けられている。実装部品データ723と実装部品ピンデータ724とは、部品名によって関連付けられている。実装部品ピンデータ714とネットデータ715とビアデータ716とラインデータ717とは、ネット番号によって関連付けられている。実装部品ピンデータ724とネットデータ725とビアデータ726とラインデータ727とは、ネット番号によって関連付けられている。
【0057】
図7で示す座標とは物理的な基板の座標であるが、図8で示す座標とは、回路表示における位置であって、物理的な基板の座標とは関連がない。接続条件データ510は、回路図データであっても、実装設計データであっても、違いがないため、図示しない。
【0058】
なお、第1の基板データC11と第2の基板データC12と実装部品ライブラリデータ800とは、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶装置に記憶される。
【0059】
(回路設計装置200の機能的構成例)
図9は、回路設計装置200の機能的構成例を示すブロック図である。回路設計装置200は、選択部901と、判断部902と、取得部903と、変換部904と、移動部905と、第1の設定部906と、第2の設定部907と、を有している。さらに、回路設計装置200は、第3の設定部908と、移動部909と、変換部910と、第4の設定部911と、配置配線部912と、を有している。
【0060】
選択部901から配置配線部912の処理は、具体的には、たとえば、図2に示したROM202、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶装置に記憶された解析プログラムにコーディングされている。そして、CPU201が記憶装置から回路設計プログラムを読み出して、回路設計プログラムにコーディングされている処理を実行することにより、選択部901から配置配線部912の処理が、実現される。CPU201が、I/F209を介してネットワーク214から回路設計プログラムを読み出してもよい。
【0061】
本実施の形態では、第1の基板データC11と第2の基板データC12とが、回路図データの場合を例に挙げて説明する。
【0062】
まず、選択部901は、第1の基板データC11と第2の基板データC12のうち、第1の基板データC11に存在する部品データを選択する。ここでは、部品データIC11aが選択される。たとえば、設計者が、部品データIC11aを第1の基板データC11から第2の基板データC12に移動させる指示を入力手段により回路設計装置200へ入力する。入力手段については、たとえば、キーボード210と、マウス211と、が挙げられる。または、たとえば、ROM202、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶装置に部品データIC11aを第1の基板データC11から第2の基板データC12に移動させる指示を記憶させておいてもよい。たとえば、選択部901は、部品データIC11aを移動させる指示によって、第1の基板データC11内の部品データIC11aを選択する。
【0063】
判断部902は、部品データIC11aの端子の接続先ネット名が第1のコネクタ部品データCN11の端子(第1の端子)の接続先ネット名と同一であるか否かを判断する。ここでは、判断部902は、部品データIC11aの端子1〜4の接続先ネット名が、第1のコネクタ部品データCN11の端子1〜4の接続先ネット名と同一であると判断する。よって、第1の端子は、第1のコネクタ部品データCN11の端子1〜4である。
【0064】
そして、取得部903は、判断部902によって同一であると判断された場合、第1の端子に対応する第2のコネクタ部品データCN12の第2の端子の接続先ネット名を取得する。
【0065】
具体的には、取得部903は、接続条件データ510から第1の端子と接続関係のある第2のコネクタ部品データCN12の端子1〜4を取得する。第2の端子は、第2のコネクタ部品データCN12の端子1〜4である。そして、取得部903は、第2の基板データC12から第2の端子に設定された接続先ネット名を取得する。
【0066】
図10は、取得結果の一例を示す説明図である。取得結果は、識別番号と、(移動元基板データ,移動元部品データのピン番号,ネット名,コネクタ部品データのピン番号)と、(移動先基板データ,接続先のコネクタ部品データのピン番号,ネット名)と、が示されている。たとえば、識別番号が#1の場合、移動元基板データがC11であり、移動元部品データのピン番号がIC11a.1である。IC11a.1とは、部品データIC11aの端子1である。ネット名がIC11a.1に設定されているNET1であり、コネクタ部品データの端子番号が、接続先ネット名としてNET1が設定されているCN11.1である。CN11.1とは、第1のコネクタ部品データCN11の端子1である。取得結果1000は、ROM202、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶装置に記憶される。
【0067】
つぎに、変換部904は、第1の端子の接続先ネット名を、第1のコネクタ部品データCN11と接続関係がない部品データIC11aの他方の接続先ネット名に変換する。変換部904については、図11〜図15を用いて詳細に説明する。
【0068】
図11および図12は、不要なネットの削除例を示す説明図である。具体的には、たとえば、変換部904は、第1の基板データC11に含まれるネットデータ414から、第1のコネクタ部品データCN11と接続関係がある部品データIC11aの端子1〜4に設定された接続先ネット名NET1〜NET4の記述を削除する。つぎに、たとえば、変換部904は、第1の基板データC11に含まれる回路部品ピンデータ413のうち、接続先ネット名NET1〜NET4を表すネット番号1〜4の記述をすべて未定義に変換する。ここでは、未定義とは、0である。
【0069】
図12に示すように、第1のコネクタ部品データCN11の端子1〜4に設定された接続先ネット名NET1〜NET4が削除される。これにより、不要なネットが削除される。
【0070】
図13は、他方の接続先ネット名の抽出結果例を示す説明図である。第1のコネクタ部品データCN11と接続関係がない部品データIC11aの端子は、5〜8である。よって、変換部904は、第1の基板データC11から部品データIC11aの端子5〜8の接続先ネット名NET13〜NET16を抽出する。部品データIC11aの他方の接続先ネット名とは、NET13〜NET16である。抽出結果1300には、識別番号と、基板データと、部品データの端子番号と、ネット名と、が含まれる。抽出結果1300は、ROM202、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶装置に記憶される。
【0071】
図14および図15は、変換結果例を示す説明図である。変換部904は、第1の基板データC11に含まれる回路部品ピンデータ413内の第1の端子の接続先ネット名を抽出結果1300に含まれるネット名NET13〜NET15に設定する。
【0072】
図14の例では、第1のコネクタ部品データCN11と接続関係のある部品データIC11aの端子の数と、第1のコネクタ部品データCN11と接続関係のない部品データIC11aの端子の数と、が一致している。そのため、変換部904は、第1の端子の接続先ネット名をネット名NET13〜NET15に設定できる。
【0073】
また、第1のコネクタ部品データCN11と接続関係のある部品データIC11aの端子の数が、第1のコネクタ部品データCN11と接続関係のない部品データIC11aの端子の数未満の場合、接続関係のない部品データIC11aの端子が余ってしまう。そのため、変換部904は、第1のコネクタ部品データCN11の端子の中で部品データIC11aの端子と接続関係のない端子のうちの空き端子の接続先ネット名を、第1のコネクタ部品データCN11と接続関係のない部品データIC11aの端子の接続先ネット名に設定する。また、空き端子が足りない場合、変換部904は第1の基板データC11と第2の基板データC12とを接続するコネクタ部品データをそれぞれに追加してもよい。基板データ間の接続関係を示すコネクタ部品データを追加する際には、変換部904は、接続条件データ510に接続関係を追加する。
【0074】
そして、変換部904は、第1の端子と接続先ネット名NET13〜NET15との関係を設定結果1400として出力する。設定結果1400には、識別番号と、基板データと、第1の端子と、ネット名と、が含まれる。設定結果1400は、ROM202、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶装置に記憶される。
【0075】
図15において、第1のコネクタ部品データCN11の端子1〜4には、それぞれNET13〜NET16が付されている。
【0076】
つぎに、移動部905は、第1の基板データC11から第2の基板データC12へ部品データIC11aを移動させる。具体的には、たとえば、移動部905は、第1の基板データC11から部品データIC11aを削除し、第2の基板データC12へ部品データIC11aを追加する。
【0077】
図16は、部品データIC11aの削除例を示す説明図である。移動部905は、第1の基板データC11に含まれる回路部品データ412から、部品データIC11aを削除する。これにより、第1の基板データC11から部品データIC11aが削除される。第2の基板データC12への部品データIC11aの追加については、後述する。
【0078】
そして、配置配線部912は、たとえば、部品データIC11aの削除を伴う配線を行ってもよい。たとえば、図15で示すように。第1のコネクタ部品データCN11の端子1,2に接続されているネットと、部品データIC11cの端子1,2に接続されているネットとは、ネット名が同一であるが、離れている。そこで、配置配線部912は、ネットに結合端子を入力することで、ネット名NET13〜NET16が付されたネットをそれぞれ接続させる。配置配線部912は、結合端子データ416に情報を設定することで、第1の基板データC11内に結合端子を入力することができる。
【0079】
図17は、第1の基板データC11への結合端子の入力例を示す説明図である。図17中、番号1〜4が付された○印が結合端子である。図17では、部品データIC11cの端子1と第1のコネクタ部品データCN11の端子1とに結合端子1が設定されることで、部品データIC11cの端子1と第1のコネクタ部品データCN11の端子1とが接続される。図17では、部品データIC11cの端子2と第1のコネクタ部品データCN11の端子2とに結合端子2が設定されることで、部品データIC11cの端子2と第1のコネクタ部品データCN11の端子2とが接続される。
【0080】
図17では、部品データIC11bの端子1と第1のコネクタ部品データCN11の端子3とに結合端子3が設定されることで、部品データIC11bの端子1と第1のコネクタ部品データCN11の端子3とが接続される。図17では、部品データIC11bの端子2と第1のコネクタ部品データCN11の端子4とに結合端子4が設定されることで、部品データIC11bの端子2と第1のコネクタ部品データCN11の端子4とが接続される。
【0081】
また、本実施の形態では、第1の基板データC11が回路図データの場合を例に挙げて説明しているが、第1の基板データC11が実装設計データであれば、配置配線部912が、実装設計のCADツールを用いて自動配置・自動配線の処理を実行してもよい。
【0082】
つぎに、第1の設定部906は、第2のコネクタ部品データCN12の第2の端子の接続先ネット名を、第2の基板データC12内のネット名とは異なるネット名に設定する。上述したように、第2のコネクタ部品データCN12の第2の端子とは、第2のコネクタ部品データCN12の端子1〜4である。第1の設定部906による具体的な処理については、図18〜図20を用いて詳細に説明する。
【0083】
図18〜図20は、第2の端子の接続先ネット名の設定例を示す説明図である。まず、図18において、第1の設定部906は、第2の基板データC12に含まれる回路部品ピンデータ423内に記述された、取得結果1000内の第2のコネクタ部品データCN12の第2の端子のネット名を表すネット番号を未定義に設定する。そして、図19において、第1の設定部906は、第2の基板データC12に含まれるネットデータ424に、設定結果1400に含まれるネット名を追加する。
【0084】
設定結果1400に含まれるネット名NET13〜NET16と同一のネット名がネットデータ424内にあるため、第1の設定部906は、ネット名NET13〜NET16を第2の基板データC12内のネット名とは異なるネット名に設定する。ここでは、第1の設定部906は、ネット名NET13〜NET16をそれぞれネット名A−NET13〜A−NET16に変更し、ネットデータ424に追加する。ネット名A−NET13〜A−NET16のネット番号は、それぞれ201〜204である。
【0085】
そして、第1の設定部906は、第2の基板データC12に含まれる回路部品ピンデータ423内の第2のコネクタ部品データCN12の第2の端子のネット番号をネットデータ424に追加したネット番号に設定する。
【0086】
図20において、第2のコネクタ部品データCN12の端子1〜4には、それぞれA−NET13〜A−NET16が設定されている。
【0087】
図21は、部品データIC11aの追加例を示す説明図である。移動部905は、部品データIC11aを第2の基板データC12に追加する。具体的には、移動部905は、第2の基板データC12に含まれる回路部品データ422に部品データIC11aを追加する。本実施の形態では、各部品データの名称と各部品データの符号とを同一としているため、部品データの名称が重複しないように付されている。一方、部品データIC11aの名称がすでに第2の基板データC12にある場合には、移動部905は部品データの名称が重複しないように部品データIC11aの名称を変更して追加する。
【0088】
移動部905は、第2の基板データC12に含まれる回路部品ピンデータ423に、回路部品データ422に追加した部品データIC11aの端子に関する情報を追加する。
【0089】
図22〜図24は、移動後の部品データIC11aへのネットの割り当て例を示す説明図である。第2の設定部907は、移動部905によって部品データIC11aが第1の基板データC11から第2の基板データC12へ移動された後、部品データIC11aの一方の接続先ネット名を取得部903によって取得された接続先ネット名に設定する。上述したように部品データIC11aの一方の接続先ネット名とは、部品データIC11aの端子1〜4の接続先ネット名である。図22において、たとえば、第2の設定部907は、ネットデータ424から、取得結果1000に含まれる第2のコネクタ部品データCN12の端子に設定されたネット名を表すネット番号を特定する。そして、たとえば、第2の設定部907は、第2の基板データC12に含まれる回路部品ピンデータ423内の部品データIC11aの端子1〜4のネット番号を、特定したネット番号に設定する。
【0090】
そして、図23において、第2の設定部907は、部品データIC11aの他方の接続先ネット名を第1の設定部906によって設定されたネット名に設定する。上述したように、部品データIC11aの他方の接続先ネット名とは、部品データIC11aの端子5〜8の接続先ネット名である。第1の設定部906によって設定されたネット名は、A−NET13、A−NET14、A−NET15、A−NET16である。
【0091】
具体的には、たとえば、第2の設定部907は、ネット名A−NET13〜A−NET16を表すネット番号をネットデータ424から特定する。そして、第2の設定部907は、抽出結果1300から、部品データIC11aの端子5〜8を特定することができる。そして、第2の設定部907は、回路部品ピンデータ423内の部品データIC11aの端子5〜8のネット番号にネット名A−NET13〜A−NET16が表すネット番号201〜204を設定する。
【0092】
そして、図24において、配置配線部912は、たとえば、部品データIC11aの追加に伴う配線を行ってもよい。第2のコネクタ部品データCN12および部品データIC12aと部品データIC11aとは、別シートに設定されている。そのため、第2のコネクタ部品データCN12の端子1〜4に接続されているネットと、部品データIC11aの端子5〜8に接続されているネットと、のネット名は同一であるが、離れている。そして、部品データIC12aの端子1〜4に接続されているネットと、部品データIC11aの端子1〜4に接続されているネットと、のネット名は同一であるが、離れている。そこで、配置配線部912は、第2の基板データC12に結合端子を追加することで、同一ネット名であるネット間を接続する。第2の基板データC12には、結合端子1〜8が追加されている。配置配線部912は、結合端子データ426に情報を設定することで、第2の基板データC12内に結合端子を入力することができる。
【0093】
また、本実施の形態では、第2の基板データC12が回路図データの場合を例に挙げて説明しているが、第2の基板データC12が実装設計データであれば、配置配線部912が、実装設計のCADツールを用いて自動配置・自動配線の処理を実行してもよい。
【0094】
また、第3の設定部908から第4の設定部911は、判断部902によって、部品データIC11aのいずれの端子の接続先ネット名であっても、第1のコネクタ部品データCN11の端子の接続先ネット名と一致しない場合に行われる。第3の設定部908と、移動部909と、変換部910と、第4の設定部911と、については、図1で説明した動作例と同一であるため、ここでの図面を用いた詳細な説明を省略する。
【0095】
また、上述したように、プリント回路基板に搭載される部品の論理的な接続関係を示す回路図データと、プリント回路基板に搭載される部品の配置や配線を示す実装設計データとは、1対1で対応付けられている。そのため、設計者は、2つの実装設計データ間で部品データを移動させた場合、実装設計データに対応する回路図データに同様の反映を行わなければならない。
【0096】
そこで、回路設計装置200が、実装設計データ間で部品データを移動させたら、移動に関する履歴を記憶装置に記憶させ、回路図データに反映させてもよい。
【0097】
図25は、実装部品データの移動結果を回路図データに反映させる例を示す説明図である。図25では、第1の基板データC11が実装設計データの場合、実装設計データAと称し、第2の基板データC12が実装設計データの場合、実装設計データBと称する。第1の基板データC11が回路図データの場合、回路図データAと称し、第2の基板データC12が回路図データの場合、回路図データBと称する。
【0098】
回路設計装置200が、実装設計データAから実装設計データBへ部品を移動させた後、回路変更履歴データ718と回路変更履歴データ728に部品移動の記録を出力する。たとえば、回路変更履歴データ718と回路変更履歴データ728には、それぞれ「MOVE_PART,実装設計データA,IC11a,実装設計データB」が記録されている。この記録は、「移動命令,移動元設計データ,移動対象部品,移動先設計データ」を意味しているため、回路変更履歴データ718と回路変更履歴データ728には、実装設計データAから実装設計データBへIC11aが移動したことを示している。
【0099】
そして、たとえば、回路設計装置200が、実装設計データAの回路変更履歴データ718と実装設計データBの回路変更履歴データ728を取得する。回路設計装置200が、回路変更履歴データ718と回路変更履歴データ728に基づいて、選択部901から配置配線部912によって、回路図データAから回路図データBに部品データIC11aを移動させる処理を行ってもよい。
【0100】
(回路設計装置200による設定処理手順)
図26は、回路設計装置200による設定処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、回路設計装置200が、選択部901によって、第1の基板データから第2の基板データへ移動させる対象部品データを選択する(ステップS2601)。そして、回路設計装置200が、判断部902によって、対象部品データの端子の接続先ネット名が接続条件データに含まれる第1の基板データの第1のコネクタ部品データの第1の端子の接続先ネット名と同一であるか否かを判断する(ステップS2602)。
【0101】
対象部品データの端子の接続先ネット名が接続条件データに含まれる第1の基板データの第1のコネクタ部品データの第1の端子の接続先ネット名と同一であると判断された場合(ステップS2602:Yes)、ステップS2603へ移行する。回路設計装置200が、移動処理を実行する(ステップS2603)。ステップS2603が終了すると、回路設計装置200が、一連の処理を終了する。
【0102】
対象部品データの端子の接続先ネット名が接続条件データに含まれる第1の基板データの第1のコネクタ部品データの第1の端子の接続先ネット名と同一でないと判断された場合(ステップS2602:No)、回路設計装置200が、移動処理を実行する(ステップS2604)。ステップS2604が終了すると、回路設計装置200が、一連の処理を終了する。
【0103】
図27は、図26で示した移動処理(ステップS2603)の詳細な説明を示すフローチャートである。回路設計装置200は、取得部903から第2の設定部907によって、移動処理(ステップS2603)を実行する。取得部903から第2の設定部907の詳細については、図10〜図24によって上述している。
【0104】
まず、回路設計装置200が、取得部903によって、第1の端子に対応する第2のコネクタ部品データの第2の端子の接続先ネット名を取得し(ステップS2701)、取得結果を出力する(ステップS2702)。出力例としては、取得結果1000が挙げられる。
【0105】
そして、回路設計装置200が、変換部904によって、第1のコネクタ部品データと接続関係がない対象部品データの他方の接続先ネット名を抽出する(ステップS2703)。抽出例としては、抽出結果1300が挙げられる。回路設計装置200が、変換部904によって、第1の端子の接続先ネット名を第1のコネクタ部品データと接続関係がない対象部品データの他方の接続先ネット名に変換する(ステップS2704)。図14において、変換例が示されている。
【0106】
そして、回路設計装置200が、移動部905によって、第1の基板データから対象部品データを削除する(ステップS2705)。図16において、削除例が示されている。また、図17で示したように、移動部905による対象部品データの削除後に、配置配線部912が結合端子を入力してもよい。
【0107】
そして、回路設計装置200が、第1の設定部906によって、第2のコネクタ部品データの第2の端子の接続先ネット名を、第2の基板データ内のネット名とは異なるネット名に設定する(ステップS2706)。図19において、設定例が示されている。つぎに、回路設計装置200が、移動部905によって、第2の基板データへ対象部品データを追加する(ステップS2707)。図21において、対象部品データの追加例が示されている。
【0108】
そして、回路設計装置200が、第2の設定部907によって、対象部品データの一方の接続先ネット名を取得結果に含まれる接続先ネット名に設定する(ステップS2708)。図22において、第1のコネクタ部品と接続関係のある対象部品データの端子の接続先ネット名を表すネット番号が取得結果に含まれる接続先ネット名を表すネット番号に設定されている。
【0109】
つぎに、回路設計装置200が、第2の設定部907によって、対象部品データの他方の接続先ネット名を第2のコネクタ部品データの第2の端子に設定した接続先ネット名に設定し(ステップS2709)、一連の処理を終了する。図23において、第1のコネクタ部品と接続関係のない対象部品データの端子の接続先ネットが、第1の設定部906によって設定された接続先ネット名に設定されている。また、図24で示したように、第2の設定部907による設定処理後に、配置配線部912が第2の基板データに結合端子を入力してもよい。
【0110】
図28は、図26で示した移動処理(ステップS2604)の詳細な説明を示すフローチャートである。回路設計装置200は、第3の設定部908から第4の設定部911によって、移動処理(ステップS2604)を実行する。第3の設定部908から第4の設定部911の詳細については、図1で示している。そこで、移動処理(ステップS2604)については、図1と対応付けて説明する。
【0111】
まず、回路設計装置200が、第3の設定部908によって、対象部品データの各端子の接続先ネット名を抽出する(ステップS2801)。図1では、対象部品データが部品データIC1bである。そのため、部品データIC1bの端子1〜4に設定された接続先ネット名であるNET5,NET6,NET9,NET10が抽出される。
【0112】
そして、回路設計装置200が、第3の設定部908によって、第1のコネクタ部品データの空き端子の接続先ネット名を抽出した接続先ネット名を設定する(ステップS2802)。図1では、第1のコネクタ部品データCN1の端子5の接続先ネット名としてNET5が設定され、第1のコネクタ部品データCN1の端子6の接続先ネット名としてNET6が設定されている。第1のコネクタ部品データCN1の端子7の接続先ネット名としてNET9が設定され、第1のコネクタ部品データCN1の端子5の接続先ネット名としてNET10が設定されている。
【0113】
つぎに、回路設計装置200が、移動部909によって、第1の基板データから対象部品データを削除する(ステップS2803)。移動部909による対象部品データの削除後に、配置配線部912が結合端子を入力してもよい。
【0114】
そして、回路設計装置200が、移動部909によって、第2の基板データへ対象部品データを追加する(ステップS2804)。なお、回路設計装置200は、第2の基板データ内に対象部品データの名称と同一名称の部品データがすでにある場合、対象部品データの名称を第2の基板データ内の部品データの名称と異なる名称に変換した後に、第2の基板データ内に対象部品データを追加する。
【0115】
つぎに、回路設計装置200が、変換部910によって、対象部品データの接続先ネット名を第2の基板データ内のネット名とは異なるネット名に変換する(ステップS2805)。図1では、対象部品データの接続先ネット名のうち、NET5,NET6が、第2の基板データ内でも利用されているため、A−NET5,A−NET6に変換されている。図1では、対象部品データの接続先ネット名のうち、NET9,NET10は、第2の基板データ内で利用されていないため、変換されていない。
【0116】
そして、回路設計装置200が、第4の設定部911によって、接続先ネット名が設定された第1のコネクタ部品データの第1の空き端子に対応する第2のコネクタ部品データの第2の空き端子の接続先ネット名に、変換後のネット名を設定する(ステップS2806)。そして、設定装置200が一連の処理を終了する。また、第4の設定部911による設定処理後に、配置配線部912が第2の基板データに結合端子を入力してもよい。
【0117】
以上説明したように、回路設計装置が、第1の基板データから第2の基板データへの部品データの移動時に、第1の基板データ内の第1のコネクタ部品の空き端子に移動前の部品データのネット名を割り当てる。さらに、回路設計装置が、第1のコネクタ部品の空き端子に対応する第2の基板データ内の第2のコネクタ部品の空き端子に移動後の部品データのネット名を割り当てる。これにより、回路設計装置が、部品データの移動前後で、1対の回路基板の基板データでの論理的な接続関係を維持させることができる。したがって、部品データの移動に伴う利用者の手間を省くことができる。
【0118】
また、部品データを第1の基板データから第2の基板データに移動させた場合、移動前の部品データの端子に設定されているネット名と同一のネット名が第2の基板データ内にすでにある場合がある。そこで、回路設計装置が、移動前の部品データの端子に設定されているネット名を、第2の基板データ内にないネット名に変換する。そして、回路設計装置が、変換後の部品データのネット名を、第1のコネクタ部品の空き端子に対応する第2の基板データ内の第2のコネクタ部品の空き端子の接続先ネット名に割り当てる。これにより、異なるネットに同一のネット名が設定されるのを防ぐことができ、回路設計装置が、部品データの移動前後で、1対の回路基板の基板データでの論理的な接続関係を維持させることができる。したがって、部品データの移動に伴う利用者の手間を省くことができる。
【0119】
以上説明したように、移動対象の部品データが第1のコネクタ部品データに接続されている場合、部品データが第1のコネクタ部品データを介して第2のコネクタ部品データに接続されている。そこで、回路設計装置が、部品データと接続関係のある第1のコネクタ部品データの端子に対応する第2のコネクタ部品データの端子に設定された接続先ネット名を取得する。そして、回路設計装置が、部品データの移動後に、第1のコネクタ部品データと接続関係のある部品データの端子の接続先端子名を取得した接続先端子名に設定する。これにより、回路設計装置が、部品データの移動前後で、1対の回路基板の基板データでの論理的な接続関係を維持させることができる。したがって、部品データの移動に伴う利用者の手間を省くことができる。
【0120】
また、回路設計装置が、移動対象の部品データが第1のコネクタ部品データを介して第2のコネクタ部品データに接続されているか否かを自動で判定し、判定結果に応じた処理を行う。これにより、回路設計装置は、移動対象の部品データが第1のコネクタ部品データを介して第2のコネクタ部品データに接続されているか否かを設計者に意識させずに部品データの移動前後で、1対の回路基板の基板データでの論理的な接続関係を維持させることができる。したがって、利用者が部品データの移動に伴ってネットを付与したり、ネットを削除する手間を省くことができ、設計効率を向上させることができる。
【0121】
なお、本実施の形態で説明した回路設計方法は、あらかじめ用意された回路設計プログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本回路設計プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また本回路設計プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
【符号の説明】
【0122】
NET1〜NET26,A−NET5,A−NET6,A−NET13〜A−NET16 ネット名
C1,C11 第1の基板データ
C2,C12 第2の基板データ
CN1,CN11 第1のコネクタ部品データ
CN2,CN12 第2のコネクタ部品データ
IC1a,IC1b,IC1c,IC11a,IC11b,IC11c,IC2a,IC2b,IC2c,IC12a,IC12b,IC12c 部品データ
901 選択部
902 判断部
903 取得部
904,910 変換部
906 第1の設定部
907 第2の設定部
908 第3の設定部
911 第4の設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のコネクタ部品データを有する第1の基板データと、前記第1のコネクタ部品データと接続関係がある第2のコネクタ部品データを有する第2の基板データと、を含む基板データ群のうち、前記第1の基板データに存在する部品データを選択し、
選択された部品データの接続先ネット名を、前記第1のコネクタ部品データの第1の空き端子の接続先ネット名に設定し、
前記部品データを前記第1の基板データから前記第2の基板データに移動させた場合、前記部品データの接続先ネット名を、前記接続先ネット名が設定された前記第1のコネクタ部品データの第1の空き端子に対応する前記第2のコネクタ部品データの第2の空き端子の接続先ネット名に設定する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする回路設計プログラム。
【請求項2】
前記部品データを前記第1の基板データから前記第2の基板データに移動させた場合、前記部品データの接続先ネット名を、前記第2の基板データ内のネット名とは異なるネット名に変換する処理を前記コンピュータに実行させ、
前記第2の空き端子の接続先ネット名に設定する処理は、
前記接続先ネット名が設定された前記第1のコネクタ部品データの第1の空き端子に対応する前記第2のコネクタ部品データの第2の空き端子の接続先ネット名に、変換されたネット名を設定することを特徴とする請求項1に記載の回路設計プログラム。
【請求項3】
第1のコネクタ部品データを有する第1の基板データと、前記第1のコネクタ部品データと接続関係がある第2のコネクタ部品データを有する第2の基板データと、を含む基板データ群のうち、前記第1の基板データに存在する部品データを選択し、
選択された部品データの一方の接続先ネット名と前記第1のコネクタ部品データの第1の端子の接続先ネット名とが同一である場合、前記第1の端子に対応する前記第2のコネクタ部品データの第2の端子の接続先ネット名を取得し、
前記第1の端子の接続先ネット名を、前記部品データの前記第1のコネクタ部品データと接続関係がない他方の接続先ネット名に変換し、
前記第2のコネクタ部品データの第2の端子の接続先ネット名を、前記第2の基板データ内のネット名とは異なるネット名に設定し、
前記部品データを前記第1の基板データから前記第2の基板データに移動させた場合、前記部品データの一方の接続先ネット名を、取得された接続先ネット名に設定し、前記部品データの他方の接続先ネット名を、前記第2の端子の接続先ネット名に設定されたネット名に設定する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする回路設計プログラム。
【請求項4】
前記部品データの一方の接続先ネット名と前記第1のコネクタ部品データの第1の端子の接続先ネット名とが同一であるか否かを判断する処理を前記コンピュータに実行させ、
前記第2の端子の接続先ネット名を取得する処理は、
前記部品データの一方の接続先ネット名と前記第1のコネクタ部品データの第1の端子の接続先ネット名とが同一であると判断された場合、前記第2の端子の接続先ネット名を取得する請求項3に記載の回路設計プログラム。
【請求項5】
前記部品データの一方の接続先ネット名と前記第1のコネクタ部品データの第1の端子の接続先ネット名とが同一でないと判断された場合、選択された部品データの接続先ネット名を、前記第1のコネクタ部品データの第1の空き端子の接続先ネット名に設定し、
前記部品データを前記第1の基板データから前記第2の基板データに移動させた場合、前記部品データの接続先ネット名を、前記接続先ネット名が設定された前記第1のコネクタ部品データの第1の空き端子に対応する前記第2のコネクタ部品データの第2の空き端子の接続先ネット名に設定する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項4に記載の回路設計プログラム。
【請求項6】
第1のコネクタ部品データを有する第1の基板データと、前記第1のコネクタ部品データと接続関係がある第2のコネクタ部品データを有する第2の基板データと、を含む基板データ群のうち、前記第1の基板データに存在する部品データを選択し、
選択された部品データの接続先ネット名を、前記第1のコネクタ部品データの第1の空き端子の接続先ネット名に設定し、
前記部品データを前記第1の基板データから前記第2の基板データに移動させた場合、前記部品データの接続先ネット名を、前記接続先ネット名が設定された前記第1のコネクタ部品データの第1の空き端子に対応する前記第2のコネクタ部品データの第2の空き端子の接続先ネット名に設定する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする回路設計方法。
【請求項7】
第1のコネクタ部品データを有する第1の基板データと、前記第1のコネクタ部品データと接続関係がある第2のコネクタ部品データを有する第2の基板データと、を含む基板データ群のうち、前記第1の基板データに存在する部品データを選択し、
選択された部品データの一方の接続先ネット名と前記第1のコネクタ部品データの第1の端子の接続先ネット名とが同一である場合、前記第1の端子に対応する前記第2のコネクタ部品データの第2の端子の接続先ネット名を取得し、
前記第1の端子の接続先ネット名を、前記部品データの前記第1のコネクタ部品データと接続関係がない他方の接続先ネット名に変換し、
前記第2のコネクタ部品データの第2の端子の接続先ネット名を、前記第2の基板データ内のネット名とは異なるネット名に設定し、
前記部品データを前記第1の基板データから前記第2の基板データに移動させた場合、前記部品データの一方の接続先ネット名を、取得された接続先ネット名に設定し、前記部品データの他方の接続先ネット名を、前記第2の端子の接続先ネット名に設定されたネット名に設定する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする回路設計方法。
【請求項8】
第1のコネクタ部品データを有する第1の基板データと、前記第1のコネクタ部品データと接続関係がある第2のコネクタ部品データを有する第2の基板データと、を含む基板データ群のうち、前記第1の基板データに存在する部品データを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された部品データの接続先ネット名を、前記第1のコネクタ部品データの第1の空き端子の接続先ネット名に設定する第1の設定手段と、
前記部品データを前記第1の基板データから前記第2の基板データに移動させた場合、前記部品データの接続先ネット名を、前記第1の設定手段によって前記接続先ネット名が設定された前記第1のコネクタ部品データの第1の空き端子に対応する前記第2のコネクタ部品データの第2の空き端子の接続先ネット名に設定する第2の設定手段と、
を備えることを特徴とする回路設計装置。
【請求項9】
第1のコネクタ部品データを有する第1の基板データと、前記第1のコネクタ部品データと接続関係がある第2のコネクタ部品データを有する第2の基板データと、を含む基板データ群のうち、前記第1の基板データに存在する部品データを選択する選択手段と、
前記部品データの一方の接続先ネット名と前記第1のコネクタ部品データの第1の端子の接続先ネット名とが同一である場合、前記第1の端子に対応する前記第2のコネクタ部品データの第2の端子の接続先ネット名を取得する取得手段と、
前記第1の端子の接続先ネット名を、前記部品データの前記第1のコネクタ部品データと接続関係がない他方の接続先ネット名に変換する変換手段と、
前記第2のコネクタ部品データの第2の端子の接続先ネット名を、前記第2の基板データ内のネット名とは異なるネット名に設定する第1の設定手段と、
前記部品データを前記第1の基板データから前記第2の基板データに移動させた場合、前記部品データの一方の接続先ネット名を、前記取得手段によって取得された接続先ネット名に設定し、前記部品データの他方の接続先ネット名を、前記第1の設定手段によって設定されたネット名に設定する第2の設定手段と、
を備えることを特徴とする回路設計装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate


【公開番号】特開2013−109448(P2013−109448A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252326(P2011−252326)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】