説明

回転ダンパー

【課題】 収容部に不要な空気が溜まらず、組み付け易くなり、また、粘性流体中に空気が混入しなくなってトルク精度を一定にすることのできる回転ダンパーを提供する。
【解決手段】 被駆動回転部材11と固定支持部材21とが相対的に回転するの粘性流体51で制動する回転ダンパーDにおいて、被駆動回転部材11と固定支持部材21との間に形成される、粘性流体51を収容する環状の収容部41の外周端を、被駆動回転部材11と固定支持部材21とが相対的に回転可能に封止するOリング51を設け、被駆動回転部材11に、収容部41の中心部分を大気に連通させる開口を有する内側円筒壁16を設け、被駆動回転部材11と固定支持部材21とを組み付けた後に内側円筒壁16の開口を閉塞する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被駆動回転部材と、この被駆動回転部材を回転自在に支持する固定支持部材とが相対的に回転するのを粘性流体の粘性抵抗によって制動する回転ダンパーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記した回転ダンパーとして、例えば、歯車やラックなどの駆動部材に係合する被駆動回転部を一体的に備えた被駆動回転部材と、この被駆動回転部材を回転自在に保持する固定支持部材と、この固定支持部材と被駆動回転部材との間に形成される環状の収容部と、この収容部の外周端を、被駆動回転部材と固定支持部材とが相対的に回転可能に封止するシール手段と、収容部内に収容され、被駆動回転部材と固定支持部材とが相対的に回転するのを制動する粘性流体とで構成されているものが公知である。
【特許文献1】実用新案登録第2603574号公報
【0003】
従来の上記した回転ダンパーは、固定支持部材の中心に、収容部を大気に連通させる開口(孔)を設け、被駆動回転部材と固定支持部材とを組み付けるときに収容部内に不要な(必要以上の)空気が溜まらないようにして組み付け易くし、また、粘性流体中に空気が混入しないようにしてトルク精度を一定にしている。
しかしながら、開口(孔)から粘性流体が漏れる対策、すなわち、開口(孔)を閉塞していないので、高温下で回転ダンパーを使用すると、開口(孔)から粘性流体が漏れ出すことがある。
そこで、開口(孔)から粘性流体が漏れることを考慮し、収容部を大気に連通させる開口(孔)を設けない回転ダンパーが提案されている。
【特許文献2】実公平1−37236号公報
【特許文献3】特許第3421484号公報
【特許文献4】実用新案登録第2519149号公報
【特許文献5】特開平11−30261号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、収容部を大気に連通させる開口(孔)を設けないと、収容部に空気が溜まることにより、組み付け性が悪くなるとともに、粘性流体中に空気が混入してトルクにバラツキが発生し、トルク精度が一定しなくなる(トルクむらが発生する。)。
【0005】
この発明は、上記したような不都合を解消するためになされたもので、収容部に不要な空気が溜まらず、組み付け易くなり、また、粘性流体中に空気が混入しなくなってトルク精度を一定にすることのできる回転ダンパーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、以下のような発明である。
(1)駆動部材に係合する被駆動回転部を一体的に備えた被駆動回転部材と、この被駆動回転部材を回転自在に保持する固定支持部材と、この固定支持部材と前記被駆動回転部材との間に形成される環状の収容部と、この収容部内に収容され、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転するのを制動する粘性流体と、からなる回転ダンパーにおいて、前記収容部の外周端を、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転可能に封止するシール手段を設け、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材との少なくとも一方に、前記収容部の前記シール手段よりも内側部分を大気に連通させる開口を設け、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とを組み付けた後に前記開口を閉塞することを特徴とする。
(2)(1)に記載の回転ダンパーにおいて、前記開口を閉塞する閉塞手段が、閉塞部材の溶着であることを特徴とする。
(3)(2)に記載の回転ダンパーにおいて、前記閉塞部材は、前記開口を有する部材の一部分であることを特徴とする。
(4)(2)または(3)に記載の回転ダンパーにおいて、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とを組み付けたとき、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転する回転軸方向の間隔を規制する間隔規制部を、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材との少なくとも一方に設けたことを特徴とする。
(5)(4)に記載の回転ダンパーにおいて、前記固定支持部材の中心に中心軸を設け、前記被駆動回転部材に、前記中心軸が挿入される前記開口を有する筒状部を設け、この筒状部内に、溶融した前記筒状部部分が前記中心軸に接するのを規制する溶着規制部を設けたことを特徴とする。
(6)(5)に記載の回転ダンパーにおいて、前記溶着規制部が前記間隔規制部を兼ねていることを特徴とする。
(7)(1)に記載の回転ダンパーにおいて、前記開口を閉塞する閉塞手段が、閉塞部材の圧入であることを特徴とする。
(8)(1)に記載の回転ダンパーにおいて、前記開口を閉塞する閉塞手段が、閉塞部材のかしめ止めであることを特徴とする。
(9)(1)に記載の回転ダンパーにおいて、前記開口を閉塞する閉塞手段が、閉塞部材の接着であることを特徴とする。
(10)駆動部材に係合する被駆動回転部を一体的に備えた被駆動回転部材と、この被駆動回転部材を回転自在に保持する固定支持部材と、この固定支持部材と前記被駆動回転部材との間に形成される環状の収容部と、この収容部内に収容され、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転するのを制動する粘性流体と、からなる回転ダンパーにおいて、前記収容部の外周端を、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転可能に封止するシール手段を設け、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材との少なくとも一方に、前記収容部の前記シール手段よりも内側部分を大気に連通させる開口を設け、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とを組み付けたときに前記開口を閉塞することを特徴とする。
(11)(1)、(7)から(10)のいずれか1つに記載の回転ダンパーにおいて、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とを組み付けたとき、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転する回転軸方向の間隔を規制する間隔規制部を、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材との少なくとも一方に設けたことを特徴とする。
(12)(1)から(11)のいずれか1つに記載の回転ダンパーにおいて、前記固定支持部材の中心に中心軸を設け、前記被駆動回転部材に、前記中心軸が挿入される前記開口を有する筒状部を設け、前記筒状部の内周と前記中心軸の外周との間に、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転する回転軸方向へ移動するのを規制するとともに、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転可能な相補的係合部を設けたことを特徴とする。
(13)(1)から(11)のいずれか1つに記載の回転ダンパーにおいて、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転する回転軸方向へ移動するのを規制するとともに、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転可能な係合部を、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材との外側部分に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、被駆動回転部材と固定支持部材との少なくとも一方に、収容部のシール手段よりも内側部分を大気に連通させる開口を設け、被駆動回転部材と固定支持部材とを組み付けた後に開口を閉塞するので、収容部に不要な空気が溜まらなくなって組み付け易くなるとともに、粘性流体中に空気が混入しなくなってトルク精度を一定にすることができる。
そして、開口を閉塞する閉塞手段を、閉塞部材の溶着としたので、開口を確実に閉塞し、粘性流体が開口から漏れるのを防止することができる。
さらに、閉塞部材を、開口を有する部材の一部分としたので、閉塞部材を別途用意しなくとも開口を閉塞することができる。
そして、被駆動回転部材と固定支持部材とを組み付けたとき、被駆動回転部材と固定支持部材とが相対的に回転する回転軸方向の間隔を規制する間隔規制部を、被駆動回転部材と固定支持部材との少なくとも一方に設けたので、被駆動回転部材と固定支持部材との間隔が変動しなくなり、トルク精度を一定にすることができる。
さらに、固定支持部材の中心に中心軸を設け、被駆動回転部材に、中心軸が挿入される開口を有する筒状部を設け、この筒状部内に、溶融した筒状部部分が中心軸に接するのを規制する溶着規制部を設けたので、溶融した筒状部部分が中心軸に付着するのを阻止でき、被駆動回転部材と固定支持部材とを確実に回転させることができる。
そして、溶着規制部が間隔規制部を兼ねているので、1つの構成部分に2つの機能を持たせることができ、機能に比して構成を簡単にすることができる。
また、開口を閉塞する閉塞手段を、閉塞部材の圧入としたり、または、開口を閉塞する閉塞手段を、閉塞部材のかしめ止めとしたり、または、開口を閉塞する閉塞手段を、閉塞部材の接着としたので、開口を確実に閉塞し、粘性流体が開口から漏れるのを防止することができる。
または、収容部のシール手段よりも内側部分を大気に連通させる開口を設け、被駆動回転部材と固定支持部材とを組み付けたときに開口を閉塞するので、収容部に不要な空気が溜まらなくなって組み付け易くなり、粘性流体中に空気が混入しなくなってトルク精度を一定にすることができるとともに、開口を閉塞する作業を別途必要せず、組み付けを作業性よく行うことができる。
そして、筒状部の内周と中心軸の外周との間に、被駆動回転部材と固定支持部材とが相対的に回転する回転軸方向へ移動するのを規制するとともに、被駆動回転部材と固定支持部材とが相対的に回転可能な相補的係合部を設けたので、固定支持部材に対して被駆動回転部材が抜け難くなり、また、スライダを使用するものの、2面割り金型で被駆動回転部材および固定支持部材を成形することができるようになり、また、被駆動回転部材と固定支持部材とが接触部分の少ない中心部分で接触することによって被駆動回転部材と固定支持部材との摩擦抵抗が少なくなるとともに、被駆動回転部材と固定支持部材との間に粘性流体が入り込むことにより、被駆動回転部材と固定支持部材との摩擦抵抗がさらに少なくなる。
また、被駆動回転部材と固定支持部材とが相対的に回転する回転軸方向へ移動するのを規制するとともに、被駆動回転部材と固定支持部材とが相対的に回転可能な係合部を、被駆動回転部材と固定支持部材との外側部分に設けたので、スライダを使用するものの、2面割り金型で被駆動回転部材および固定支持部材を成形することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明の実施例を図に基づいて説明する。
【0009】
図1はこの発明の第1実施例である回転ダンパーの分解正断面図、図2は図1に示した固定支持部材の平面図、図3は図1に示した被駆動回転部材の平面図、図4は図1に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとする組み付け途中の正断面図、図5は図1に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとする組み付け途中の平面図、図6は図1に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとした状態の正面図、図7は図1に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとした状態の平面図、図8は図1に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとした状態の底面図、図9は図1に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとした状態の右側面図、図10は図1に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとし、被取付部材に回転ダンパーを取り付けた状態の正断面図である。
なお、回転ダンパーは、背面図が正面図と同一になり、また、左側面図が右側面図と同一になる。
【0010】
図1において、Dは回転ダンパーを示し、合成樹脂製の被駆動回転部材11と、この被駆動回転部11を回転自在に保持する合成樹脂製の固定支持部材21と、被駆動回転部材11に取り付けられ、被駆動回転部材11と固定支持部材21との間に形成される環状の収容部41(図4または図10参照)の外周端を、被駆動回転部材11と固定支持部材21とが相対的に回転可能に封止するシール手段(シール部材)として、例えば、シリコーンゴムやEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)などで適宜形成されたOリング31と、被駆動回転部材11と固定支持部材21とで形成される収容部41(図4または図10参照)内に収容され、被駆動回転部材11と固定支持部材21とが相対的に回転するのを制動する、グリースやシリコーンオイルなどの粘性流体51(図4または図10参照)とで構成されている。
【0011】
上記した被駆動回転部材11は、例えば、歯車やラックなどの駆動部材に係合する被駆動回転部としての歯車部12(図3をも参照)と、この歯車部12の下側に一体的に設けられた保持フランジ部13と、歯車部12の中心を中心として保持フランジ部13の下側に一体的に設けられた外側円筒壁14と、この外側円筒壁14の下端外周に、保持フランジ部13に対向させて一体的に設けられ、外側円筒壁14の外周にOリング31を保持フランジ部13とで保持する保持フランジ部15と、歯車部12の中心を中心として歯車部12に一体的に設けられ、外側円筒壁14の内側に上下に貫通し、収容部41に連通する開口を有した筒状部としての内側円筒壁16とで構成されている。
そして、内側円筒壁16の上端部外周には、周回する段部16sが設けられている。
さらに、内側円筒壁16の内周には、下端から上下方向の中央部分位まで延びる、例えば、60度の等間隔で6本の溝17と、この溝17の上側に位置し、後述する固定支持部材21の係止周回溝26とで相対的に回転可能な相補的係合部を形成する、上端が平面とされ、下端が下側へ進むにしたがって外側へ拡開する傾斜面とされた、例えば、180度の間隔で位置する係合突起18(図3をも参照)と、この係合突起18の上側に差し渡されて位置し、被駆動回転部材11と固定支持部材21とを組み付けたとき、被駆動回転部材11と固定支持部材21とが相対的に回転する回転軸方向の間隔を規制するとともに、内側円筒壁16の上端部分を閉塞するために溶着した場合、溶融した内側円筒壁16の上端部分が凝固した閉塞部分16c(図7および図10参照)が、後述する固定支持部材21の中心軸25に接するのを規制する、間隔規制部を兼ねた溶着規制部19(図3をも参照)とが一体的に設けられている。
なお、保持フランジ部15の下端部外周、および、内側円筒壁16の下端部内周には、面取り加工が施されている。
【0012】
上記した固定支持部材21は、平面視円形の底壁22と、この底壁22の外縁に一体的に設けられた外側円筒壁23(図2をも参照)と、外側円筒壁23と同心で底壁22に設けられ、被駆動回転部材11の外側円筒壁14と内側円筒壁16とで形成される環状溝内へ挿入される内側円筒壁24(図2をも参照)と、底壁22の中心に一体的に設けられ、被駆動回転部材11の内側円筒壁16内へ挿入される中心軸25(図2をも参照)と、底壁22の外周に、例えば、180度の間隔で一体的に設けられた取付部27とで構成されている。
そして、外側円筒壁23には、内側下端に、被駆動回転部材11の保持フランジ部15を内側に回転可能に収容する下側段部23dが設けられ、内側上端に、被駆動回転部材11の保持フランジ部13を内側に回転可能に収容する上側段部23uが設けられている。
なお、中心軸25は、上端外周に面取り加工が施され、被駆動回転部材11の係合突起18に対応する高さの外周に、被駆動回転部材11の係合突起18とで相対的に回転可能な相補的係合部を形成する、上端が平面とされた係止周回溝26が設けられている。
また、取付部27は、底部22から一旦外側へ延びた後に上側へ延び、上端外側に保持爪28aを有する保持片28と、底部22から外側へ延び、保持爪28aとの間に保持する被取付部材、例えば、被取付板E(図10参照)の間隔を有する保持突起29とで構成されている。
【0013】
図4において、Hは溶着治具としてのヒートチップを示し、下端に、被駆動回転部材11の内側円筒壁16の上側を収容する球面の一部を形成する凹部cが設けられ、この凹部cの中心に、突起pが設けられている。
【0014】
次に、回転ダンパーDの組み付けの一例について説明する。
まず、図1に示すように、作業台の上に固定支持部材21を載置し、外側円筒壁23と内側円筒壁24とで形成される環状凹部内に所定量の粘性流体51を注入する。
そして、外側円筒壁14の外側に両保持フランジ部13,15でOリング31を保持させた被駆動回転部材11の下側を、中心軸25を内側円筒壁16内へ挿入するのをガイドとして固定支持部材21内へ挿入する。
このようにして被駆動回転部材11の下側を固定支持部材21内へ挿入すると、粘性流体51および空気は被駆動回転部材11と固定支持部材21とで圧縮されながら被駆動回転部材11と固定支持部材21との間を外側から内側へと移動し、溝17を通って内側円筒壁16と中心軸25との間へ進入する。
なお、空気は粘性流体51よりも速く移動するので、被駆動回転部材11と固定支持部材21とで形成される収容部41内に空気が残らなくなる。
【0015】
上記のようにして被駆動回転部材11の下側を固定支持部材21内へ挿入すると、保持フランジ部15は、図4に示すように、外側円筒壁23の内側に回転可能に挿入され、Oリング31は外側円筒壁23と外側円筒壁14との間を、被駆動回転部材11と固定支持部材21とが相対的に回転可能に封止する。
また、中心軸25は、図4に示すように、内側円筒壁16内へ進入し、係合突起18を乗り越えて先端が溶着規制部19に衝合すると、係合突起18が係止周回溝26内に突入し、係合突起18が、図4に示すように、係止周回溝26に係合する。
【0016】
そして、図4に示すように、被駆動回転部材11を固定支持部材21に組み付けた状態で、ヒートチップHに電流を流して加熱させ、二点鎖線で示すように、内側円筒壁16の上端部分をヒートチップHの凹部c内へ入れ、ヒートチップHを押し下げることにより、内側円筒壁16の上端部分を溶融させて閉塞した後、ヒートチップHをエアーで冷却して取り外すことにより、図6〜図10に示す状態の回転ダンパーDとすることができ、組み付け(組立)が終了する。
【0017】
次に、回転ダンパーDの取付の一例について説明する。
図10に示すように、被取付板Eに設けた孔h、すなわち、固定支持部材21の底壁22と同じ円形で、その180度の対向する外周位置に取付部27を挿入させることのできる切欠を有する孔を利用し、被取付板Eを保持爪28aと保持突起29とに挟持させることにより、回転ダンパーDを被取付板Eに取り付ける。
【0018】
次に、動作について説明する。
まず、被駆動回転部材11が回転すると、被駆動回転部材11と固定支持部材21との間に位置する粘性流体51の粘性抵抗およびせん断抵抗により、被駆動回転部材11の回転を制動する。
したがって、被駆動回転部材11の歯車部12が噛み合う歯車、ラックなどの回転または移動を制動し、歯車、ラックなどをゆっくりと回転または移動させる。
【0019】
上述したように、この発明の第1実施例によれば、被駆動回転部材11に収容部41の中心部分を大気に連通させる内側円筒壁16(開口)を設け、被駆動回転部材11と固定支持部材21とを組み付けた後に内側円筒壁16(開口)を閉塞するので、収容部41に不要な空気が溜まらなくなって組み付け易くなるとともに、粘性流体51中に空気が混入しなくなってトルク精度を一定にすることができる。
そして、内側円筒壁16(開口)を閉塞する閉塞手段を、内側円筒壁16の上端部分(開口を有する部材の一部分)を閉塞部材として溶着としたので、閉塞部材を別途用意することなく内側円筒壁16(開口)を確実に閉塞し、粘性流体51が内側円筒壁16(開口)から漏れるのを防止することができる。
さらに、被駆動回転部材11と固定支持部材21とを組み付けたとき、被駆動回転部材11と固定支持部材21とが相対的に回転する回転軸方向の間隔を規制する間隔規制部(溶着規制部19)を、被駆動回転部材11に設けたので、被駆動回転部材11と固定支持部材21との間隔が変動しなくなり、トルク精度を一定にすることができる。
そして、固定支持部材21の中心に中心軸25を設け、被駆動回転部材11に、中心軸25が挿入される開口を有する内側円筒壁16を設け、この内側円筒壁16内に、溶融した内側円筒壁16の上端部分が中心軸25に接するのを規制する溶着規制部19を設けたので、溶融した内側円筒壁16の上端部分が中心軸25に付着するのを阻止でき、被駆動回転部材11と固定支持部材21とを確実に回転させることができる。
さらに、溶着規制部19が間隔規制部を兼ねているので、1つの構成部分に2つの機能を持たせることができ、機能に比して構成を簡単にすることができる。
そして、内側円筒壁16の内周と中心軸25の外周との間に、被駆動回転部材11と固定支持部材21とが相対的に回転する回転軸方向へ移動するのを規制するとともに、被駆動回転部材11と固定支持部材21とが相対的に回転可能な、係合部としての相補的係合部(係合突起18、係止周回溝26)を設けたので、固定支持部材21に対して被駆動回転部材11が抜け難くなり、また、スライダを使用するものの、2面割り金型で被駆動回転部材11および固定支持部材21を成形することができるようになり、また、被駆動回転部材11と固定支持部材21とが接触部分の少ない中心部分で接触することによって被駆動回転部材11と固定支持部材21との摩擦抵抗が少なくなるとともに、被駆動回転部材11と固定支持部材21との間に粘性流体51が入り込むことにより、被駆動回転部材11と固定支持部材21との摩擦抵抗がさらに少なくなる。
また、外側円筒壁14に保持フランジ部15を設けたので、外側円筒壁14からOリング31が抜く落ちなくなることにより、組み付け作業を作業性よく行うことができる。
そして、内側円筒壁16の内周に溝17を設けたので、収容部41内の空気が溝17を伝って内側円筒壁16から大気へと放出されることにより、また、収容部41内の粘性流体51が溝17を伝って内側円筒壁16と内側円筒壁24との間へ入ることにより、収容部41に不要な空気が溜まらなくなってさらに組み付け易くなるとともに、粘性流体51中に空気が混入しなくなってトルク精度をさらに一定にすることができる。
【0020】
図11は内側円筒壁(開口)を閉塞する他の例を示す説明図、図12は内側円筒壁(開口)を閉塞するさらに他の例を示す説明図、図13は内側円筒壁(開口)を閉塞するさらに他の例を示す説明図、図14は内側円筒壁(開口)を閉塞するさらに他の例を示す説明図であり、図1〜図10と同一または相当部分に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0021】
図11において、16Aは閉塞部材としての合成樹脂製のキャップを示し、内側円筒壁16の上端部分を圧入することにより、内側円筒壁16(開口)を密閉状態に閉塞するものである。
図12において、16Bは閉塞部材としての合成樹脂製のキャップを示し、内側円筒壁16の上端部分内へ圧入することにより、内側円筒壁16(開口)を密閉状態に閉塞するものである。
図13において、16Cは閉塞部材としての合成樹脂製のキャップを示し、内側円筒壁16の上端部分に、円柱状の突出部16pを嵌合させた後、この突出部16pから外側へ突出するフランジ16fをかしめたり、溶着させることにより、内側円筒壁16(開口)を密閉状態に閉塞するものである。
図14において、16Dは閉塞部材としての合成樹脂製のキャップを示し、内側円筒壁16の上端部分を挿入し、内周面を内側円筒壁16の上端外周面に周回させて接着剤16Hで接着させることにより、内側円筒壁16(開口)を密閉状態に閉塞するものである。
【0022】
このようにしてキャップ16A〜16D(閉塞部材)で内側円筒壁16(開口)を閉塞しても、第1実施例と同様な効果を得ることができる。
なお、図11および図12に示す例においても、キャップ16A,16Bを内側円筒壁16に密閉状態に溶着させてもよい。
また、図12に示す例のように、内側円筒壁16の上端部分内へキャップを挿入し、キャップの外周面を内側円筒壁16の上端内周面に周回させて接着剤で密閉状態に接着させてもよい。
【0023】
図15はこの発明の第2実施例である回転ダンパーの正断面図であり、図1〜図14と同一または相当部分に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0024】
図15において、13Aは保持フランジ部を示し、歯車部12との間に、後述する外側円筒壁23Aの係合爪23iが通過できるように所定の間隔が設けられている。
23Aは底壁22の外縁に一体的に設けられた外側円筒壁を示し、上端内側に、上側が内側へ下降する傾斜とされて内側へ突出し、被駆動回転部材11の保持フランジ部13Aの上面に回転可能に係合する係合爪23iが所定間隔、例えば、90度分割で円周方向へ4つ設けられている。
上記した保持フランジ部13Aと係合爪23iとは、被駆動回転部材11と固定支持部材21とが相対的に回転可能な係合部を構成している。
なお、この第2実施例の回転ダンパーDにおける他の部分は、第1実施例と同じ構成とされている。
【0025】
次に、回転ダンパーDの組み付けの一例について説明する。
まず、図1に示すように、作業台の上に固定支持部材21を載置し、外側円筒壁23Aと内側円筒壁24とで形成される環状凹部内に所定量の粘性流体51を注入する。
そして、外側円筒壁14の外側に両保持フランジ部13A,15でOリング31を保持させた被駆動回転部材11の下側を、中心軸25を内側円筒壁16内へ挿入するのをガイドとして固定支持部材21内へ挿入する。
このようにして被駆動回転部材11の下側を固定支持部材21内へ挿入すると、粘性流体51および空気は被駆動回転部材11と固定支持部材21とで圧縮されながら被駆動回転部材11と固定支持部材21との間を外側から内側へと移動し、溝17を通って内側円筒壁16と中心軸25との間へ進入する。
なお、空気は粘性流体51よりも速く移動するので、被駆動回転部材11と固定支持部材21とで形成される収容部41内に空気が残らなくなる。
【0026】
上記のようにして被駆動回転部材11の下側を固定支持部材21内へ挿入すると、図15に示すように、保持フランジ部15は外側円筒壁23Aの内側に回転可能に挿入され、Oリング31は外側円筒壁23Aと外側円筒壁14との間を、被駆動回転部材11と固定支持部材21とが相対的に回転可能に封止し、係合爪23iは拡開して保持フランジ部13Aを乗り越えた後に縮閉することにより、保持フランジ部13Aの上面に回転可能に係合する。
また、中心軸25は、図15に示すように、内側円筒壁16内へ進入し、係合突起18を乗り越えて先端が溶着規制部19に衝合すると、係合突起18が係止周回溝26内に突入し、係合突起18が係止周回溝26に係合する。
【0027】
そして、図4に示すように、被駆動回転部材11を固定支持部材21に組み付けた状態で、ヒートチップHに電流を流して加熱させ、二点鎖線で示すように、内側円筒壁16の上端部分をヒートチップHの凹部c内へ入れ、ヒートチップHを押し下げることにより、内側円筒壁16の上端部分を溶融させて閉塞した後、ヒートチップHをエアーで冷却して取り外すことにより、図15に示す状態の回転ダンパーDとすることができ、組み付け(組立)が終了する。
【0028】
この第2実施例における回転ダンパーDの取付、動作は、第1実施例と同じになるので、説明を省略する。
【0029】
この第2実施例においても、第1実施例と同様な効果を得ることができる。
そして、被駆動回転部材11と固定支持部材21とが相対的に回転可能な係合部(保持フランジ部13A、係合爪23i)を、被駆動回転部材11と固定支持部材21との外側部分に設けたので、スライダを使用するものの、2面割り金型で被駆動回転部材11および固定支持部材21を成形することができる。
【0030】
図16はこの発明の第3実施例である回転ダンパーの正断面図であり、図1〜図15と同一または相当部分に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0031】
図16において、13Bは歯車部12の下側に一体的に設けられた保持フランジ部を示し、外縁に、一旦外側へ延びた後に下側へ延びるL字状で、下端内側が上側から下側へ拡開する傾斜とされて後述する外側円筒壁23Bの周回係止部23oに係合する係合爪13cが所定間隔、例えば、90度分割で円周方向へ4つ設けられている。
23Bは底壁22の外縁に一体的に設けられた外側円筒壁を示し、上端外側に、上側が外側へ下降する傾斜面とされて外側へ突出し、被駆動回転部材11の保持フランジ部13Bの係合爪13cが下面に回転可能に係合する周回係止部23oが設けられている。
上記した係合爪13cと周回係止部23oとは、被駆動回転部材11と固定支持部材21とが相対的に回転可能な係合部を構成している。
なお、この第3実施例の回転ダンパーDにおける他の部分は、第1実施例と同じ構成とされている。
【0032】
この第3実施例における回転ダンパーDの組み付けは第2実施例と同様に行うことででき、また、この第3実施例における回転ダンパーDの取付、動作は、第1実施例と同じになるので、その説明を省略する。
そして、この第3実施例においても、第2実施例と同様な効果を得ることができる。
【0033】
図17はこの発明の第4実施例である回転ダンパーの分解正断面図、図18は図17に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとした状態の正断面図であり、図1〜図16と同一または相当部分に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0034】
図17において、16Xは下方に開放した内側有底円筒壁を示し、内側に溝17および係合突起18が設けられている。
25Aは中心軸を示し、中心に貫通孔25tが設けられている。
そして、中心軸25Aの高さ(長さ)は、被駆動回転部材11を固定支持部材21に組み付けると、内側有底円筒壁16Xの底が上端面に当接して貫通孔25tを閉塞する高さ(長さ)とされている。
したがって、閉塞部材としての有底円筒壁16Xに、間隔規制部を兼ねさせることができる。
【0035】
この第4実施例における回転ダンパーDの組み付けは第1実施例(ヒートチップHを用いた溶着を除く。)と同様に行うことにより、図18に示すように、組み付けることができる。
なお、この第4実施例における回転ダンパーDの取付、動作は、第1実施例と同じになるので、その説明を省略する。
【0036】
この第4実施例においても、第1実施例と同様な効果を得ることができる。
そして、被駆動回転部材11と固定支持部材21とを組み付けたときに貫通孔25t(開口)を閉塞する構成にしたので、貫通孔25t(開口)を閉塞する作業を別途必要せず、組み付けを作業性よく行うことができる。
さらに、有底円筒壁16Xが閉塞部材を兼ねているので、1つの構成部分に2つの機能を持たせることができ、機能に比して構成を簡単にすることができる。
【0037】
図19はこの発明の第5実施例である回転ダンパーの正断面図であり、図1〜図18と同一または相当部分に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0038】
この第5実施例が第4実施例と異なるところは、被駆動回転部材11を固定支持部材21に組み付けた状態で、内側有底円筒壁16Xの底が中心軸25の上端面から離れている点と、被駆動回転部材11と固定支持部材21とを組み付けた後に貫通孔25t(開口)の開放端(下端)を溶着によって閉塞する点とである。
この第5実施例においても、第1実施例と同様な効果を得ることができる。
【0039】
上記した実施例では、被駆動回転部材11と固定支持部材21とを組み付けたとき、被駆動回転部材11と固定支持部材21とが相対的に回転する回転軸方向の間隔を規制する間隔規制部(溶着規制部19)を、被駆動回転部材11に設けた構成の例を示したが、図4および図10に示すように、保持フランジ部13が当接する外側円筒壁23の上側段部23uを間隔規制部とすることもできる。
また、内側円筒壁16に係合突起18を設け、中心軸25に係止周回溝26を設けた相補的係合部の例を示したが、内側円筒壁に係止周回溝を設け、中心軸に係合突起を設けてもよい。
さらに、シール手段をOリング31とした例を示したが、シール手段は、相対的に回転可能な凹部と凸部、さらには、その凸部を軟質材を用いて二色成形したものであってもよい。
そして、第1〜第4実施例の中心軸25に、第5実施例における貫通孔25tを設け、この貫通孔25tを組み付けた後に溶着によって閉塞してもよい。
また、第2実施例において、係合爪23iの撓み量を確保したい場合は、Oリング31が圧接してシールする外側円筒壁23Aの上側部分に、係合爪23iの左右に対応させてスリットを設けることにより、外側円筒壁23の一部を撓ませるようにするとよい。
また、係合部を、係合突起18と係止周回溝26とで構成したり(第1、第4、第5実施例)、または、保持フランジ部13Aと係合爪23iとで構成したり(第2実施例)、または、係合爪13cと周回係止部23oとで構成した(第3実施例)例を示したが、いずれの係合部を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の第1実施例である回転ダンパーの分解正断面図である。
【図2】図1に示した固定支持部材の平面図である。
【図3】図1に示した被駆動回転部材の平面図である。
【図4】図1に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとする組み付け途中の正断面図である。
【図5】図1に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとする組み付け途中の平面図である。
【図6】図1に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとした状態の正面図である。
【図7】図1に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとした状態の平面図である。
【図8】図1に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとした状態の底面図である。
【図9】図1に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとした状態の右側面図である。
【図10】図1に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとし、被取付部材に回転ダンパーを取り付けた状態の正断面図である。
【図11】内側円筒壁を閉塞する他の例を示す説明図である。
【図12】内側円筒壁を閉塞するさらに他の例を示す説明図である。
【図13】内側円筒壁を閉塞するさらに他の例を示す説明図である。
【図14】内側円筒壁を閉塞するさらに他の例を示す説明図である。
【図15】この発明の第2実施例である回転ダンパーの正断面図である。
【図16】この発明の第3実施例である回転ダンパーの正断面図である。
【図17】この発明の第4実施例である回転ダンパーの分解正断面図である。
【図18】図17に示した各部品を組み付けて回転ダンパーとした状態の正断面図である。
【図19】この発明の第5実施例である回転ダンパーの正断面図である。
【符号の説明】
【0041】
D 回転ダンパー
11 被駆動回転部材
12 歯車部(被駆動回転部)
13 保持フランジ部
13A 保持フランジ部
13B 保持フランジ部
13c 係合爪
14 外側円筒壁
15 保持フランジ部
16 内側円筒壁(開口、筒状部)
16A キャップ
16B キャップ
16C キャップ
16D キャップ
16H 接着剤
16X 内側有底円筒壁
16s 段部
16c 閉塞部分
16p 突出部
16f フランジ
17 溝
18 係合突起(相補的係合部)
19 溶着規制部(間隔規制部)
21 固定支持部材
22 底壁
23 外側円筒壁
23A 外側円筒壁
23B 外側円筒壁
23d 下側段部
23u 上側段部
23i 係合爪
23o 周回係止部
24 内側円筒壁
25 中心軸
25A 中心軸
25t 貫通孔
26 係止周回溝(相補的係合部)
27 取付部
28 保持片
28a 保持爪
29 保持突起
31 Oリング(シール手段、シール部材)
41 収容部
51 粘性流体
H ヒートチップ(溶着治具)
c 凹部
p 突起
E 被取付板(被取付部材)
h 孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部材に係合する被駆動回転部を一体的に備えた被駆動回転部材と、
この被駆動回転部材を回転自在に保持する固定支持部材と、
この固定支持部材と前記被駆動回転部材との間に形成される環状の収容部と、
この収容部内に収容され、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転するのを制動する粘性流体と、
からなる回転ダンパーにおいて、
前記収容部の外周端を、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転可能に封止するシール手段を設け、
前記被駆動回転部材と前記固定支持部材との少なくとも一方に、前記収容部の前記シール手段よりも内側部分を大気に連通させる開口を設け、
前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とを組み付けた後に前記開口を閉塞する、
ことを特徴とする回転ダンパー。
【請求項2】
請求項1に記載の回転ダンパーにおいて、
前記開口を閉塞する閉塞手段が、閉塞部材の溶着である、
ことを特徴とする回転ダンパー。
【請求項3】
請求項2に記載の回転ダンパーにおいて、
前記閉塞部材は、前記開口を有する部材の一部分である、
ことを特徴とする回転ダンパー。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の回転ダンパーにおいて、
前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とを組み付けたとき、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転する回転軸方向の間隔を規制する間隔規制部を、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材との少なくとも一方に設けた、
ことを特徴とする回転ダンパー。
【請求項5】
請求項4に記載の回転ダンパーにおいて、
前記固定支持部材の中心に中心軸を設け、
前記被駆動回転部材に、前記中心軸が挿入される前記開口を有する筒状部を設け、
この筒状部内に、溶融した前記筒状部部分が前記中心軸に接するのを規制する溶着規制部を設けた、
ことを特徴とする回転ダンパー。
【請求項6】
請求項5に記載の回転ダンパーにおいて、
前記溶着規制部が前記間隔規制部を兼ねている、
ことを特徴とする回転ダンパー。
【請求項7】
請求項1に記載の回転ダンパーにおいて、
前記開口を閉塞する閉塞手段が、閉塞部材の圧入である、
ことを特徴とする回転ダンパー。
【請求項8】
請求項1に記載の回転ダンパーにおいて、
前記開口を閉塞する閉塞手段が、閉塞部材のかしめ止めである、
ことを特徴とする回転ダンパー。
【請求項9】
請求項1に記載の回転ダンパーにおいて、
前記開口を閉塞する閉塞手段が、閉塞部材の接着である、
ことを特徴とする回転ダンパー。
【請求項10】
駆動部材に係合する被駆動回転部を一体的に備えた被駆動回転部材と、
この被駆動回転部材を回転自在に保持する固定支持部材と、
この固定支持部材と前記被駆動回転部材との間に形成される環状の収容部と、
この収容部内に収容され、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転するのを制動する粘性流体と、
からなる回転ダンパーにおいて、
前記収容部の外周端を、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転可能に封止するシール手段を設け、
前記被駆動回転部材と前記固定支持部材との少なくとも一方に、前記収容部の前記シール手段よりも内側部分を大気に連通させる開口を設け、
前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とを組み付けたときに前記開口を閉塞する、
ことを特徴とする回転ダンパー。
【請求項11】
請求項1、請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の回転ダンパーにおいて、
前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とを組み付けたとき、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転する回転軸方向の間隔を規制する間隔規制部を、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材との少なくとも一方に設けた、
ことを特徴とする回転ダンパー。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の回転ダンパーにおいて、
前記固定支持部材の中心に中心軸を設け、
前記被駆動回転部材に、前記中心軸が挿入される前記開口を有する筒状部を設け、
前記筒状部の内周と前記中心軸の外周との間に、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転する回転軸方向へ移動するのを規制するとともに、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転可能な相補的係合部を設けた、
ことを特徴とする回転ダンパー。
【請求項13】
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の回転ダンパーにおいて、
前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転する回転軸方向へ移動するのを規制するとともに、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材とが相対的に回転可能な係合部を、前記被駆動回転部材と前記固定支持部材との外側部分に設けた、
ことを特徴とする回転ダンパー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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