説明

回転ロータを具備する破砕・粉砕機のメンテナンス用治具

【課題】ハンマをメンテナンスする際に使用する手動の回転装置を、破砕機を大型化することなく、且つ安価に取付けできるようにする。
【解決手段】ケーシング4内に横方向に配置された回転軸2の軸周りにロータ3が回転自在であり、そのロータ3には、前記回転軸2の軸周りに複数のハンマ5が設けられており、前記ケーシング4は、その上部又は側部に被破砕物の投入孔4bを、その下部に破砕物を排出する排出孔4aを備え、前記ロータ3を前記回転軸2の軸周りに回転させるための駆動装置を備えた破砕機1の前記回転軸2の軸方向一端に、手動で前記回転軸2を回転させる機能を有する直結型減速機10を、その直結型減速機10の主軸11と前記ロータ3の回転軸2とが同軸状になるようにカップリング機構を介して接続する破砕機のメンテナンス用治具を採用した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンクリート・アスファルト廃材処理用の破砕機、砕石用破砕機、その他回転体を具備する破砕・粉砕機等のメンテナンス用治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンクリート・アスファルト廃材処理用の破砕機、砕石用破砕機、その他回転体を具備する破砕・粉砕機(以下、総称して「破砕機」という)として、例えば、図3に示すように、ケーシング4内に駆動力によって回転する回転体3を備え、その回転体3の外周にハンマ5を設けたものが一般的である。
【0003】
この種の破砕機1は、ケーシング4内に横向きに回転軸2が配置されており、その回転軸2の軸周りに回転体(ロータ)3が回転可能に設けられている。この回転体3の回転軸2にマシンプーリ2aが取付けられており、モータMの出力軸に設けられたモータプーリPとの間にベルトBが掛け回される。ベルトBは、通常、Vベルトが用いられる。このベルトBを介して、モータMの駆動力が回転軸2に伝達され、回転体3が回転するようになっている。
【0004】
回転体3には、周方向に沿って複数のハンマ5が一定の間隔で取付けられており、このハンマ5が、ケーシング4の内壁や、その内壁に取付けた反発板6等との間で、被破砕物をその衝撃で破砕する。
【0005】
また、他の構成からなる破砕機1として、例えば、図4に示すものがある。この破砕機1は、回転軸2にモータM(図示せず)を接続し駆動力を伝達するものである。
回転体3には、周方向に沿って複数のハンマ5が一定の間隔で取付けられており、このハンマ5が、ケーシング4の内壁や、その内壁に取付けた反発板6等との間で、被破砕物をその衝撃で破砕する点は同様である。なお、ケーシング4内の空間は、そのケーシング4の下方に設けた開口部4aを通じて外部に臨み、また、そのケーシング4は、回転体3からやや離れた上部に投入孔4bを有している。
【0006】
このような破砕機1において、その回転体3に取付けたハンマ5をメンテナンス(保守)する際、すなわち、例えば、消耗したハンマ5の交換をする際や、ハンマ5のバランス調整をする際等に、作業者が回転体3を収納したケーシング4内に入り込んで、あるいは、ケーシング4内に手を入れてその作業を行っている。ケーシング4は、その上方が回動自在の蓋部となっており、メンテナンスの際には、この蓋部を開放して作業を行う。
【0007】
この種の破砕機において、例えば、図4の破砕機1では、モータM(図示せず)の位置に対して、回転軸2の軸方向反対側に、クラッチ8付きの手動の回転装置9を備えている。メンテナンスの際には、クラッチ8を入にして手動の回転装置9を操作し、回転体3を回転軸2周りに回転させることができる。
【0008】
なお、その回転装置9は、図4(b)(c)に示すように、回転体3の回転軸2に直交する方向に伸びる操作軸9aを有して、その操作軸9aに回転操作用のハンドル9bが設けられたものである。回転軸2と操作軸9aとはウォーム機構等により接続されており、そのウォーム機構によって、操作軸9aの回転が回転軸2に伝達される。すなわち、回転装置9は、操作軸9a等が回転軸2の軸方向に対して交差する方向へ横向きに突出して配置されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平8−257427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記破砕機1によると、特に、ケーシング4内の奥の方、すなわち、前記蓋部を開放した部分から遠いハンマ5を交換、調整等する際に、作業者がケーシング内に手を入れたり、入り込んだりする必要がある。このような作業は、危険を伴うことから、より安全なメンテナンス作業を可能とするため、ハンマ5を作業の行いやすい位置に動かすような機能を有する回転装置9が必要となってくる。しかし、装置が大型化したり、高価なものになることは、望ましくない。
【0011】
そこで、この発明は、装置を大型化することなく、安価な機構で、破砕機のハンマのメンテナンスを安全にできるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、この発明は、ケーシング内に横方向に配置された回転軸の軸周りに回転体が回転自在であり、その回転体には、前記回転軸の軸周りに複数のハンマが設けられており、前記ケーシングは、その上部又は側部に被破砕物の投入孔を、その下部に破砕物を排出する排出孔を備え、前記回転体を前記回転軸の軸周りに回転させるための駆動装置を備えた破砕機に着脱可能であり、前記回転軸を支えるフレームに固定可能な治具取付台と、その治具取付台に固定された直結型減速機とを有し、その直結型減速機は、手動又は電動で回転する入力軸と、前記回転軸に接続される出力軸とを同軸に備え、その直結型減速機の入力軸に入力された回転を所定の減速比で出力軸に出力し、前記直結型減速機の出力軸に出力された回転は前記回転体の回転軸に伝達されるとともに、前記回転体の回転軸から前記直結型減速機の出力軸に向かって逆入力された回転を、その直結型減速機の入力軸に伝達しない機能を有する破砕機のメンテナンス用治具の構成を採用した。
【0013】
このように、回転体の回転軸を駆動する手段として直結型減速機を採用すれば、その直結型減速機は、回転体を軸周り任意の方位に回転できるとともに、回転体の回転軸から直結型減速機の出力軸に向かって逆入力された回転を、その直結型減速機の入力軸に伝達しない機能、すなわち自己保持機能を有するから、別の装置を付加することなくその方位で回転体が回らないように固定できる。このため、その直結型減速機を用いて回転体を緩やかに回転させることができ、メンテナンスの対象となる特定のハンマを、任意の方位に適宜移動させることができる。すなわち、ケーシング内に人が入り込んだり、手を入れたりする必要がなくなり、安全なメンテナンス作業が可能となる。
【0014】
また、直結型減速機は、装置の外形がコンパクトであるから、装置の大型化を伴わない。しかも、市販品を使用できるので、安価である。
さらに、直結型減速機自体が自己保持機能を有するから、直結型減速機の出力軸と回転体の回転軸との配置、接続方法の自由度が高い。例えば、その直結型減速機の出力軸及び入力軸を、ロータの回転軸と並行に配置すれば、装置が回転軸の軸方向に対して交差する方向に突出しない。この点でも、装置の大型化を回避し得る。
【0015】
この構成において、前記回転体の回転軸と前記直結型減速機の出力軸にそれぞれプーリを取付け、そのプーリ間にベルトを掛け回すことにより、そのベルト及びプーリを介して、前記回転軸と前記出力軸とが接続される構成を採用することができる。
【0016】
あるいは、前記直結型減速機の出力軸と前記回転体の回転軸とは、カップリング機構を介して同軸状に接続される構成を採用することもできる。カップリング機構は、周知の機構を採用することができる。カップリング機構であれば、接続、切り離しが容易である。
【0017】
また、そのカップリング機構による前記直結型減速機の出力軸と前記ロータの回転軸との接続及び接続解除は、前記治具取付台を介して前記直結型減速機をフレームに固定した状態で行う構成を採用することができる。
【0018】
なお、前記直結型減速機に関し、前記出力軸は、その軸方向他端に前記ロータの回転軸への接続部を、前記入力軸は、その軸方向一端に手動の回転操作部を有し、前記接続部と前記回転操作部との間にハウジング内に収容された減速ギヤ部を有し、前記ハウジングに前記治具取付台が固定されている構成を採用することができる。
【0019】
これらの破砕機を稼働させる際に用いる駆動装置としては、少なくとも、モータ等の動力源と、必要に応じて、その動力をロータの回転軸に伝達する際に必要な減速器とが備えられていればよく、すなわち、動力源とロータの回転軸との間に動力伝達経路が形成されていればよい。
例えば、この動力伝達経路は、ロータの回転軸の両端部のうち、前記直結型減速機を取付ける側の反対側の端部に接続されていてもよいし、その直結型減速機を取付ける側の端部に接続されていてもよい。
なお、通常は、直結型減速機は、回転軸の両端部のうち、動力伝達経路、すなわち、駆動装置を設けた側の反対側の端部に設けることが望ましい。また、直結型減速機は、ハンドルを手回しで回転させることにより動作するものを採用してもよいし、モータ等の駆動手段の駆動力によって動作するものを採用してもよい。
【0020】
なお、回転軸に動力伝達経路が接続されていることにより、回転体が手回しで回らない構造(動力伝達経路にウォーム機構が介在する場合等)であれば、直結型減速機を使用する際には、その動力伝達経路にクラッチ等を備えることにより、動力が回転軸に伝達されない状態に切り離すことができる構造を採用することができる。回転軸と動力伝達経路とを切り離しておけば、直結型減速機を使用して回転体を回転させることができる。
【0021】
また、回転軸に動力伝達経路が接続されている状態で、回転体が手回しで回る構造であれば、そのままの状態で回転軸に直結型減速機を取付けることができる。この場合においても、直結型減速機は、動力伝達経路を構成する駆動装置等に支障しない限り、回転軸のいずれの側の端部にとりつけてもよい。
【0022】
また、プーリとベルトとを介して回転軸に駆動装置が接続されている場合においては、その回転軸のプーリを直結型減速機の接続に利用することもできる。すなわち、回転軸と駆動装置とを接続するベルトを取り外し、その回転軸のプーリと直結型減速機の出力軸に取付けたプーリとの間にベルトを掛け回すことで両者を接続できる。
【発明の効果】
【0023】
この発明は、以上のように、装置を大型化することなく、安価な機構で、破砕機のハンマのメンテナンスが安全にできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】一実施形態の要部正面図
【図2】図1のカップリング部を示し、(a)は断面図、(b)は正面図
【図3】従来例を示し、(a)は要部正面図、(b)は(a)の右側面図
【図4】従来例を示し、(a)は断面図、(b)は正面図、(c)は(b)の右側面図
【発明を実施するための形態】
【0025】
この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態は、コンクリート・アスファルト廃材処理用の破砕機に用いられるメンテナンス用治具に関するものである。
【0026】
破砕機1の基本構成は、図3、図4に示す従来例と同様であり、その図3に基づいて説明すると、ケーシング4内に横向きに回転軸2が配置されており、その回転軸2に駆動装置が接続されている。駆動装置は、モータM等から伝達される駆動力によって、回転軸2及び回転体3(以下、ロータ3という)を回転させるようになっている。
ロータ3には、周方向に沿って複数のハンマ5が一定の間隔で取付けられており、このハンマ5が、ケーシング4の内壁や、その内壁に取付けた反発板6等との間で、被破砕物をその衝撃で破砕する。
【0027】
ケーシング4内の空間は、そのケーシング4の下方に設けた開口部4aを通じて外部に臨み、ロータ3からやや離れた上部の投入孔4bと、メンテナンス用の上部開口(図示せず)を有している。
【0028】
図1及び図2は、ロータ3に取付けたハンマをメンテナンス(保守)する際、すなわち、例えば、消耗したハンマ5の交換をする際や、ハンマ5のバランス調整をする際等に、メンテナンス用の治具を取付けた状態を示している。図1で、駆動装置のモータM等は図示省略している。
【0029】
図1に示すように、ロータ3の回転軸2の軸方向一端(図中右側)に、手動で回転軸2を回転させる機能を有する直結型減速機10が取付けられている。
直結型減速機10の主軸11と前記ロータ3の回転軸2とが同軸状になるようにカップリング機構20を介して接続されている。
【0030】
カップリング機構20の構成は、図2に示すように、断面円形の回転軸2と主軸11とを同軸状に向かい合わせた状態で、その回転軸2と主軸11の軸周り同一方位にそれぞれ設けた溝11aに一枚のプレート21を嵌め込んで、両者の軸周り相対回転を規制した状態にする。そして、上下から回転軸2と主軸11とを覆うサドル部材22,23を被せて、そのサドル部材22,23間をボルト24で締め付けて、プレート21が抜けないように固定するものである。なお、他の構成からなる周知のカップリング機構を用いてもよい。
【0031】
直結型減速機10の構成は、図1に示すように、主軸11の軸方向他端(図中左側)にロータ3の回転軸2に対向する接続部13を、その軸方向一端(図中右側)に手動の回転操作部14を、その接続部13と回転操作部14との間に、ハウジング15内に収容された減速ギヤ部17を有している。回転操作部14は、円形の回転ハンドルで構成されている。
【0032】
この実施形態では、いわゆるインライン減速機からなる直結型減速機10を採用しており、そのインライン減速機は、主軸11として入力軸11bと出力軸11cとを同軸に有し、その入力軸11bから出力軸11c(前記接続部13)への不可逆伝動、すなわち、出力軸11cを所定の軸周り方位に設定した後、回転操作部14を操作しても出力軸11cがその停止方位から動かないように保持される機能(自己保持機能)を有している。減速ギヤ部17による減速比は、適宜、決定することができる。入力軸11bに設けた回転操作部14の操作により出力軸11cを軸周りいずれの方位へも回転し、任意の位置で止めることができる。
【0033】
また、前記ハウジング15の軸方向他端側には、治具取付台16が固定されている。治具取付台16は、ハウジング15から下方に伸びて、その後、横方向に屈曲する水平な基部16aを有する断面L字状の部材で構成されている。この実施形態では、板材をL字状に折り曲げた構成となっている。なお、主軸11の接続部13は、治具取付台16から軸方向他端側に突出した状態であり、その主軸11が、ハウジング15及びそのハウジング15に固定された治具取付台16によって回転自在に支持されている。
【0034】
前記ロータ3の回転軸2は、その両端部が、固定のフレームFに軸受装置12を介して回転自在に支持されている。
前記治具取付台16の基部16aが、フレームFにボルト等を介して固定されることで、直結型減速機10は、その破砕機1の所定位置に固定される。この実施形態では、基部16aが、フレームFの軸受台部分に固定されている。この状態で、ロータ3の回転軸2と、直結型減速機10の主軸11とが同軸状になるように設定されている。
【0035】
このため、カップリング機構20による直結型減速機10の主軸11とロータ3の回転軸2との接続及び接続解除は、前記治具取付台16を介して直結型減速機10をフレームFに固定した状態で行うことから、そのカップリング機構20の着脱の際に、直結型減速機10を手で支える等する必要がなく、作業の容易化、安全化が図られている。
【0036】
なお、直結型減速機10は、手動の回転操作部14に代えて、モータ等の電動機を取付けることもできる。電動機の動作により主軸11を回転させ、主軸11及びロータ3の回転軸2を所定の軸周り方位に位置させ、その方位で動かないように保持することができる。
【0037】
これらの実施形態において、直結型減速機10を備えた前記メンテナンス用治具は可搬式であり、メンテナンスの対象となる破砕機1のある場所にその都度持ち込んで、適宜着脱することにより使用することができる。このため、1台のメンテナンス用治具で、多数の破砕機1のメンテナンスに対応できる。
【0038】
このメンテナンス用治具を使用することができる破砕機1としては、例えば、図3に示す従来例の破砕機1がある。
この図3の破砕機1では、プーリ2a,PとベルトBとを介して、回転軸2に駆動装置であるモータMが接続されているので、そのままの状態で、回転軸2の端部に、前記カップリング機構20を介してメンテナンス用治具の直結型減速機10を取付けることができる。すなわち、メンテナンス用治具は、動力伝達経路を構成するそのプーリ2a,PやベルトB、駆動装置のモータM等に支障しない限り、回転軸2のいずれの側の端部にとりつけてもよい。
【0039】
また、その変形例として、プーリ2a,PとベルトBとを介して回転軸2に駆動装置が接続されている場合において、その回転軸2のプーリ2aを、メンテナンス用治具の直結型減速機10を接続するために利用することもできる。
すなわち、回転軸2と駆動装置であるモータMとを接続する前記ベルトBを取り外し、その回転軸2のプーリ2aと、直結型減速機10の出力軸11cに取付けたプーリとの間にベルトBを掛け回すことで両者を接続できる。
【0040】
また、図4に示す従来例の破砕機1に対しても、このメンテナンス用治具を使用することができる。このとき、直結型減速機10の出力軸11cを、回転軸2の両端部のうち、動力伝達経路が接続されている側の反対側の端部に接続するようにすれば、動力伝達経路を構成する前記駆動装置等に支障しにくく(邪魔にならず)、その駆動装置等を回転軸2から取り外す必要がないので便利である。
【0041】
この場合、回転軸2に動力伝達経路が接続されていることで、回転体3が手回しで回らない構造(例えば、動力伝達経路の途中にウォーム機構が介在する場合等)であれば、直結型減速機10を使用する際には、適宜の手段により、動力が回転軸2に伝達されない状態に切り離し可能とする構造を採用することができる。この切り離しには、周知のクラッチ機構や、前述のカップリング機構20のような周知のカップリング機構を用いてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 破砕機
2 回転軸
3 ロータ
4 ケーシング
5 ハンマ
6 反発板
7 減速機
8 クラッチ
9 回転装置
10 直結型減速機
11 主軸
11b 入力軸
11c 出力軸
12 軸受装置
13 接続部
14 回転操作部
15 ハウジング
16 治具取付台
16a 基部
20 カップリング機構
21 プレート
22,23 サドル部材
24 ボルト
F フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング(4)内に横方向に配置された回転軸(2)の軸周りに回転体(3)が回転自在であり、その回転体(3)には、前記回転軸(2)の軸周りに複数のハンマ(5)が設けられており、前記ケーシング(4)は、その上部又は側部に被破砕物の投入孔(4b)を、その下部に破砕物を排出する排出孔(4a)を備え、前記回転体(3)を前記回転軸(2)の軸周りに回転させるための駆動装置を備えた破砕機(1)に着脱可能であり、前記回転軸(2)を支えるフレーム(F)に固定可能な治具取付台(16)と、その治具取付台(16)に固定された直結型減速機(10)とを有し、その直結型減速機(10)は、手動又は電動で回転する入力軸(11b)と、前記回転軸(2)に接続される出力軸(11c)とを同軸に備え、その入力軸(11b)に入力された回転を所定の減速比で出力軸(11c)に出力し、前記出力軸(11c)に出力された回転は前記回転軸(2)に伝達されるとともに、前記回転軸(2)から前記出力軸(11c)に入力された回転を前記入力軸(11b)に伝達しない機能を有する破砕機のメンテナンス用治具。
【請求項2】
前記回転体(3)の回転軸(2)と前記直結型減速機(10)の出力軸(11c)にそれぞれプーリを取付け、そのプーリ間にベルトを掛け回すことにより、そのベルト及びプーリを介して、前記回転軸(2)と前記出力軸(11c)とが接続されることを特徴とする請求項1に記載の破砕機のメンテナンス用治具。
【請求項3】
前記直結型減速機(10)の出力軸(11c)と前記回転体(3)の回転軸(2)とは、カップリング機構を介して同軸状に接続されることを特徴とする請求項1に記載の破砕機のメンテナンス用治具。
【請求項4】
前記カップリング機構による前記直結型減速機(10)の出力軸(11c)と前記ロータ(3)の回転軸(2)との接続及び接続解除は、前記治具取付台(16)を介して前記直結型減速機(10)をフレーム(F)に固定した状態で行うことを特徴とする請求項3に記載の破砕機のメンテナンス用治具。
【請求項5】
前記出力軸(11c)は、その軸方向他端に前記ロータ(3)の回転軸(2)への接続部(13)を、前記入力軸(11b)は、その軸方向一端に手動の回転操作部(14)を有し、前記接続部(13)と前記回転操作部(14)との間にハウジング(15)内に収容された減速ギヤ部(17)を有し、前記ハウジング(15)に前記治具取付台(16)が固定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の破砕機のメンテナンス用治具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−156464(P2011−156464A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18763(P2010−18763)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000142595)株式会社栗本鐵工所 (566)
【Fターム(参考)】