説明

回転交換式スピニングヘッドを用いたキャッピング装置

【課題】シーリングやキャッピングなどの、異なった種類のキャッピング動作をさせようとする場合にスピニングヘッドを取り外し交換する必要のないキャッピング装置を提供する。
【解決手段】容器の口頸部にキャップを装着する動作条件が異なる複数の動作を行うキャッピング装置であって、中心支柱10の回りにカムブロック40を設けるとともにスピニングヘッド70を垂設し、カムブロックの外周に凹溝状の2本のカムトラック42を設け、スピニングヘッドの上方にはカムトラックを移動する2つの従動ローラ52a,52bを備えたスライダー51を設け、下方にはシーリングヘッドSH又はキャッピングヘッドCHを着脱自在に取り付け、スピニングヘッドを180度回転させることでカムトラックにいずれかの従動ローラを収容させて係合させ、スピニングヘッドを自転させることによりキャップのシーリング動作又はキャッピング動作のいずれかをさせて、容器口頸部にキャップを装着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作条件が異なる複数種類のキャッッピング動作を行うキャッピング装置に関し、さらに詳しくは、炭酸飲料、果汁飲料、アルコール飲料類などを収容した容器の口頸部に異なった種類のキャップを装着することができる回転交換式スピニングヘッドを用いたキャッピング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、炭酸飲料、果汁飲料、アルコール飲料類などを収容した容器の口頸部に装着されるキャップとしては、容器の口頸部に被嵌後にねじが転造されるピルファープルーフキャップ、容器の口頸部に形成されたねじに螺合するねじを備えたプレスクリューキャップおよび打栓キャップ所謂玉冠が用いられている。
このようなキャップを容器の口頸部に装着するキャッピング装置として、外周面にカムトラックを備えたカムブロックと、該カムトラックと嵌合するカムフォロアを有しカムトラックに沿って移動されるスピンドルと、該スピンドルに取り付けられ容器の口頸部にキャップを装着するキャッピングヘッドとを備えるものが用いられている。
このようなキャッピング装置において、ピルファープルーフキャップとプレスクリューキャップを1台の装置で装着するキャッピング装置が提案されている(特許文献1)。
また、本願出願人は、1本のカムトラックに装着されたスピンドルにキャッピングヘッドを着脱可能に構成することにより、ピルファープルーフキャップおよびプレスクリューキャップの装着を可能としたキャッピング装置を既に提案している(特許文献2)。
【特許文献1】実開平4−60897号公報
【特許文献2】特開平7−232795号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1のキャッピング装置は、装着するキャップの種類に応じて、その装着するキャップ用のキャッピングヘッドを備えたスピンドルをそれぞれ用意し、各スピンドルをその都度交換しなければならず、コスト的にも高価となり、また、その交換作業もかなり面倒である。
また特許文献2のキャッピング装置は、例えば、容器の口頸部にキャッピングする際に、シーリングやキャッピングなどの、異なった種類のキャッピング動作をさせようとする場合には、巻き締めユニットの動き(上下運動や回転数など)が異なるため、共用化できず、それぞれスピニングヘッドを取り外し交換していた。
本発明は、シーリングやキャッピングなどの、異なった種類のキャッピング動作をさせようとする場合に、スピニングヘッドを取り外し交換する必要のないキャッピング装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、キャッピング動作時のスピニングヘッドの高さ、キャッピング時のキャップ回転速度またはこれら両方が異なるキャッピング動作にも、簡単な再設定でスピニングヘッドを対応させることができるキャッピング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の請求項1の回転交換式スピニングヘッドを用いたキャッピング装置は、容器の口頸部にキャップを装着する動作条件が異なる複数の動作を行うキャッピング装置であって、中心支柱(10)の回りにカムブロック(40)を設けるとともにスピニングヘッド(70)を垂設し、該カムブロック(40)の外周に、凹溝状の2本のカムトラック(42)を設け、該スピニングヘッド(70)の上方には、該カムトラック(42)を移動する2つの従動ローラ(52a,52b)を備えたスライダー(51)を設け、下方には、シーリングヘッド(SH)又はキャッピングヘッド(CH)を着脱自在に取り付け、該スピニングヘッド(70)を180度回転させることで、該カムトラック(42)に、前記2つのいずれかの従動ローラ(52a、52b)を収容させて係合させ、前記スピニングヘッド(70)を自転させることによりキャップのシーリング動作又はキャッピング動作のいずれかをさせて、容器口頸部にキャップを装着することを特徴とする。
請求項2のキャッピング装置は、請求項1において、前記シーリング動作が、予めネジを有するプレスクリューキャップを容器口頸部に装着するキャッピング動作であり、前記キャッピング動作が、容器口頸部に被嵌後にネジが転造されるピルファープルーフキャップを容器口頸部に装着するキャッピング動作であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、キャッピング動作又はシーリング動作の切り換え時において、スピニングヘッドを180度回転させるだけで、スピニングヘッドを取り外して交換することなく異なった種類のキャッピング動作にすばやく対応できる。
また、取り外したスピニングヘッドなどの部品の保管管理などの必要がなく、キャッピング装置の保守管理が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明を実施の形態例と添付図面により詳細に説明する。なお、複数の図面に同じ要素を示す場合には同一の参照符号を付ける。
図1は、本発明の一実施形態によるキャッピング装置を備えたキャッピングシステムの構成を概念的に示した平面図である。図2は、図1に示したキャッピング装置の一実施の形態を示す縦断面図である。図3は、図2のキャッピング装置に用いられるカムブロックに形成されたカムトラックを展開して示す説明図である。
図1のキャッピングシステムは、回転ターレット式キャッピング装置1と、搬送コンベア2と、搬入用回転ターレット3と、搬出用回転ターレット4と、キャップ供給部5とを具備している。図示しない充填装置によって内容物が充填された容器Bは、直立状態で搬送コンベア2上に供給され、搬入用回転ターレット3に向けて矢印Diで示す方向に搬送される。搬入手段6は容器Bを矢印Diで示す方向に搬送して、搬入位置Peにてキャッピング装置1に搬入する。なお、搬入用回転ターレット3によってキャッピング装置1に搬送される容器Bは、キャップ被嵌位置Pcにおいてその口頸部に上記キャップ供給部5によってキャップCが被嵌される。
【0007】
このように、キャップCが被嵌されキャッピング装置1に搬入された容器Bは、矢印Dpで示す方向に上記搬入位置Peから搬出位置Pxまで搬送される。キャップCが被嵌された容器Bが上記搬入位置Peから上記搬出位置Pxへ搬送される間に、後述するように、容器Bの口頸部にキャップCが所要のとおり装着される。
搬出用回転ターレット4はキャップCが装着された容器Bを上記搬出位置Pxから矢印Dxで示す方向に搬送して、キャッピング装置1から搬送コンベア2上に搬出する。
キャッピング装置1から搬出された容器Bは、搬送コンベア2上を矢印Doで示す方向に搬送される。上記搬送コンベア2、搬入用回転ターレット3、搬出用回転ターレット4およびキャップ供給部5は、周知の形態のものでよく、本明細書においてはこれら各手段の詳細な説明を省略する。
【0008】
図2は、図1に示したキャッピング装置1の中心支柱10を通り、さらに中心支柱10の周囲に設けられている回転交換式スピニングヘッド70,70の中心軸を通るX−X縦断面図である。図2を用いて、本発明の回転交換式スピニングヘッドを用いたキャッピング装置について詳細に説明する。
キャッピング装置1は、中央支柱10と、中央支柱10の上端に固定された固定支持板30と、中央支柱10を通す貫通穴を中心に備えた回転支持板22とを備えている。中央支柱10は、その下端部が図示しないジャッキに連結され、図2において上下方向に移動調節可能に構成されている。
【0009】
中央支柱10の上端部には、カムトラック42を備えたカムブロック40が取り付けられている。カムトラック42は、カムブロック40の外周面に溝状に2本が形成され、図3に示すような、第1のカムトラック42aと、該第1のカムトラック42aから所定量降下した位置に形成された第2のカムトラック42bとを備えている。
【0010】
中央支柱10の下端部には、円盤状の回転支持板22が中央支柱10を中心として回転可能に配設されており、回転支持板22の下の面には、中央支柱10を通す貫通穴を中心に備えた従動歯車23が回転支持板22と一体となって回転するように回転支持板22に固定されている。
従動歯車23は、図示しない電動機等の駆動源に伝動連結され、従動歯車23と噛み合う駆動歯車24により回転支持板22と一体となって回転するように構成されており、上記搬入用回転ターレット3によってキャッピング装置1に搬入された容器Bを載置し搬送するようになっている。
【0011】
また、回転支持板22には、中央支柱10に回転可能に嵌合された第1の筒状回転軸20が一体的に回転するように取り付けられており、第1の筒状回転軸20には、連結筒21を介してターレット円板6が固定されている。このターレット円板6の周囲には周方向に間隔を置いて複数個(図示の実施の形態においては6個)の半円形状の切欠き7が形成されている(図1も参照)。
【0012】
上記搬入位置Pe(図1)にて、キャッピング装置1に搬入される容器Bは、回転支持板22上に直立状態で搬入され、その胴部が上記ターレット円板6の切欠き7に受け入れられる。従って、回転支持板22およびターレット円板6が図1において矢印Dpで示す方向に回転せしめられることにより、容器Bが図1において矢印Dpで示す方向に搬送される。容器Bの半径方向外方への移動は、ターレット円板6に沿って円弧状に延在する静止案内レール8によって防止される。
なお、該静止案内レール8は、適宜の支持部材を介して図示しない静止固定部材に固定されている。これにより、上述の搬入用回転ターレット3によってキャッピング装置1に搬入された容器Bを載置し搬送するようになる。
【0013】
さらに、キャッピング装置1は、第1の筒状回転軸20の外側に、第1の筒状回転軸20と一体となって回転する回転胴体25及び第2の筒状回転軸26が設けられ、第2の筒状回転軸26の外回りにボルトなどで固着された装着板27を備える。装着板27には、周方向に間隔を置いて複数個(図1の実施の形態においては6個)の貫通開口が形成されており、各貫通開口にはスリーブ28が嵌合されており、装着板27の各貫通開口は、ターレット円板6に形成された切欠き7(図1参照)の各々に整合するように配置される。
【0014】
さらに、スリーブ28の内側には、下端に内縁部を有する筒状軸受29が、その上端が装着板27およびスリーブ28の上端と面一となるように嵌入・固着されている。したがって、第1の筒状回転軸20を回転させることにより,回転胴体25、第2の筒状回転軸26、装着板27、スリーブ28、筒状軸受29と順次回転が伝達され、中央支柱10回りに回転(公転)することになる。一方、第1の筒状回転軸20の上部外周には、固定筒体38(詳細に後述する)が回転自在に嵌入されており、固定筒体38の上部に固定支持板30が中央支柱10に固定されている。
【0015】
さらに、キャッピング装置1は、固定支持板30に設けられた貫通穴に回転軸が下方から回転自在に嵌入された第2の駆動歯車31、第2の駆動歯車31と噛み合う従動歯車32を上端に有し、下端に第3の駆動歯車34を有する第3の筒状回転軸33、固定筒体38と第3の筒状回転軸33との間に取り付けられて第3の筒状回転軸33を回転可能とする軸受36および第2の筒状回転軸26と第3の筒状回転軸33との間に取り付けられて第3の筒状回転軸33を回転可能とする軸受37を備える。
【0016】
前記スピニングヘッド70は、それぞれのカムトラックを移動する従動ローラ52a,52bを備えたスライダー51、およびスライダー51に一部が強固に嵌入された支持ロッド53を含むスピンドル50を有し、スピンドル50は、回転および上下方向の移動ができるように前記筒状軸受29に嵌入され、支持ロッド53のスライダー51との境界付近および支持ロッド53の下端にそれぞれ設けられた軸受59及び軸受60、軸受59及び軸受60を介して、支持ロッド53に回転可能に嵌合されている。また、スピンドル50は、下端に取り付けフランジを有する回転部材54、及び回転部材54の外周の軸方向に一部が埋め込まれたレール58を備えている。
【0017】
さらに、スピンドル50は、回転部材54の外周に上下方向の移動ができるように嵌合され、第3の駆動歯車34と噛み合って回転部材54と一体となって回転させられる従動歯車56を備える。このため、従動歯車56は、回転部材54の外周表面から露出するレール58部分を完全に収容し、回転部材54に上下方向の移動を可能とする溝を内壁軸方向に有する。
一方、上述の筒状軸受29は、スピンドル50、即ち、回転部材54とレール58とによる回転体の軸受けとしての内径を有し、筒状軸受29の下端の内縁部は、レール58の上下動の下限を与えるとともに回転部材54の軸受となる。
【0018】
以上を要約すると、第1の筒状回転軸20,回転支持板22,従動歯車23,第1の駆動歯車24,回転胴体25,第2の筒状回転軸26,装着板27,スリーブ28,及び筒状軸受29は、回転および上下方向の移動を可能としながらスピンドル50を中央支柱10回りに公転させる回転支持手段として作用する。
また、第2の駆動歯車31,第3の筒状回転軸33,第3の駆動歯車34、及び従動歯車56は、上下方向の移動を可能としながらスピンドル50の回転部材54を自転させる回転伝達手段として作用する。
【0019】
なお、上述の実施の形態では、上下方向の移動を可能としながらスピンドル50(またはスピニングヘッド70)の回転部材54に回転を与えるために、回転部材54に埋め込まれたレール58とレール用の溝を内周に設けた従動歯車56を用いたが、これに限らず、上下方向の移動を可能としながら回転部材54に回転を与え得る構造であれば、如何なる構造を用いてもよい。
【0020】
スピンドル50の回転部材54の下部には、キャッピングヘッド(CH)又はシーリングヘッド(SH)を着脱するためのフランジが設けられている。このキャッピングヘッド(CH)としては、容器の口頸部に形成されたねじに螺合するねじを備えたプレスクリューキャップを装着するためのプレスクリューキャッピングヘッドとして、例えば特開昭60−228288号公報に開示されているようなキャッピングヘッドを用いることができる。
また、シーリングヘッド(SH)としては、容器の口頸部にキャップを被嵌した後にねじを転造するためのロールオンピルファープルーフキャッピングヘッドとして、例えば特公昭49−21629号公報に開示されているようなキャッピングヘッドを用いることができる。
【0021】
図3は、図1および2に示すカムブロック40の外周に凹溝状に設けられた、2種類のキャッピング動作に対応する、2本のカムトラックの例を示す展開図である。カムトラック42a,42bは、中心支柱10及び第3の筒状回転軸33の回りに円筒状に設けられたカムブロック40の外周に形成された凹溝であるが、図3では、説明の便宜上カムブロック40の展開図として示している。
図3に示すように、カムブロック40の外周には、回転方向に沿って上下2本のカムトラック42aおよび42bが溝状に形成されている。2本のカムトラック42a,42bは、異なる2種類のキャッピング動作、例えば、プレスクリューキャップ(種類Aのキャップと言う)とピルファープルーフキャップ(種類Bのキャップと言う)とのキャッピング動作に対応するように形成されている。すなわち、本実施の形態では、種類Aのキャップを装着する場合のキャッピング動作の場合は、スピンドルヘッド70の従動ローラ52aを第1のカムトラック42aに収容させて係合させ、種類Bのキャップを装着する場合のキャッピング動作の場合は、スピンドルヘッド70の従動ローラ52bを第2のカムトラック42bに収容させて係合させてカムトラックの溝に沿って移動させる。
【0022】
(回転防止部材)
さらに、キャッピング装置1は、第3の筒状回転軸33と各スライダー51との間でスライダー51にほぼ密着する位置に、図示しない連結部材により固定支持板30下表面に固定されたカムブロック40と、一部がカムブロック表面に接触する形状を有しスライダー51に脱着可能に取り付けられて、スライダー51の回転を防止する回転防止部材43とを備える。
図4は、キャッピングヘッド(CH)とスピニングヘッド70の回転部材54の回転(自転)にともなってスライダー51が回転(自転)するのを防止する回転防止部材の一例を示す、図2のスライダー51付近のA−A横断面図である。図4に示すように、回転防止部材43は、ボルト45によってスライダー51にネジ止めされており、両端の面M1,M2の曲率がカムブロック40の外周面40Mの曲率にほぼ一致し、かつ両端の面M1,M2がカムブロック40の外周面40Mに接するように調整されていることが好ましい。これにより、キャッピングヘッドCHおよびスピニングヘッド70の回転部材54が回転(自転)しても、これにつれてスライダー51が回転するのを防ぐことができる。
【0023】
また、ボルト45を締め込むためのネジ穴44が、種類Aのキャップ用の従動ローラ52aの側(44a)と種類Bのキャップ用の従動ローラ52bの側(44b)の2方向(180度反転した方向)に設けられており、キャッピング動作の種類を変更する場合は、カムフロア51に止められている回転防止部材43を取り外し、スピニングヘッド70を180度回転させ、シーリングヘッドSH又はキャッピングヘッドCHに交換する。そして、スピニングヘッド70の180度回転とともにスライダー51も回転させられるので、従動ローラを対応するカムトラックに収容して係合させた状態にして、カムフォロア51に回転防止部材43をネジ止めすることにより、所望の種類のキャップピング動作に対応した従動ローラ52とカムトラック42を用いて、いずれかの種類のキャッピング動作を行うことができる。
【0024】
このように本発明の回転交換式スピニングヘッドを用いたキャッピング装置は、スピニングヘッドに着脱自在に取り付けられたキャッピングヘッドCHとシーリングヘッドSHとを180度回転させることで容易に交換できるとともに、スライダー51から回転防止部材43を取り外して、スライダー51を180度回転させた後に、カムフォロア51に回転防止部材43を再び取り付けることにより、異なった種類のキャッピング動作を簡単な再設定で行うことができる。
【0025】
キャッピング動作の詳細は、本発明の理解には必要ないので省略し、要点のみを述べる。
キャッピング動作時には、搬入用回転ターレット3により載置された容器Bを載せた状態で回転支持板22が回転することにより、第1の筒状回転軸20,回転支持板22,従動歯車23,第1の駆動歯車24,回転胴体25,第2の筒状回転軸26,装着板27,スリーブ28,筒状軸受29、およびスピニングヘッド70とこれに装着されたキャッピングヘッドCH(又はシーリングヘッドSH)が一体となって中央支柱10を中心に回転(公転)する。
この回転に伴い、種類Aのキャップ用の従動ローラ52aまたは種類Bのキャップ用の従動ローラ52bが、カムブロック40の第1のカムトラック42aまたは第2のカムトラック42bに収容されて摺動することにより、キャッピング動作がシーケンシャルに行われることになる。
また、これに伴い、第2の駆動歯車31を所定の回転速度で回転させることにより、この回転が、従動歯車32,第3の筒状回転軸33、第3の駆動歯車34、および回転部材54と一体となって回転する従動歯車56に順次伝達されるので、回転部材54、即ち回転部材54の取り付けフランジに取り付けられたキャッピングヘッドCH(又はシーリングヘッドSH)を必要な回転速度で回転させることができる。
【0026】
以上述べたように、本発明のキャッピング装置によれば、スピニングヘッドを交換することなく、カムフォロアを180度回転、させることにより、動作条件の異なる複数の種類のキャッピング動作を行うことができる。
【0027】
以上は、本発明の説明のために実施の形態を掲げたに過ぎない。したがって、本発明の技術思想または原理に沿って上述の実施の形態に種々の変更、修正または追加を行うことは、当業者には容易である。
例えば、上述の実施の形態では、カムブロック40のカムトラックの数を2本としたが、例えば、3本、4本と言う具合にカムトラック数を増やし、3種類以上の動作状態の異なるキャッピング動作に対応するキャッピング装置を実現することも可能である。この場合、従動ローラ52および回転防止部材43の取り付け穴の円周方向の間隔を120°、90°と言う具合に変更しながら従動ローラ52および回転防止部材43の取り付け穴の数を増やしていけばよい。また、キャッピング動作の種類により第2の駆動歯車31の駆動回転数も適宜変更すればよい。
【0028】
また、上述の実施の形態では、図4に示すような形状の回転防止部材43を用いたが、スライダー51の従動ローラ52がカムトラック42に適切に案内されるようスライダー51の回転を防止できるものであれば、回転防止部材はどのような形態のものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明のキャッピング装置を備えたキャッピングシステムの構成の概略を回転ターレットに沿って示した平面図である。
【図2】図1に示したキャッピング装置の中心に関して対称な位置にあるスピニングヘッドの中心軸を通る平面に沿ったX−X縦断面図である。
【図3】図1および図2に示すカムブロックに設けられた2種類のキャッピング動作に対応するカムトラックの例を示す展開図である。
【図4】回転防止部材の一例を示す、図2のスライダー51付近のA−A横断面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 本発明のキャッピング装置
2 搬送コンベア
3 搬入用回転ターレット
4 搬出用回転ターレット
5 キャップ供給部
6 ターレット円板
7 切欠き
8 静止案内レール
10 中央支柱
20 第1の筒状回転軸
22 回転支持板
23、32 従動歯車
24 第1の駆動歯車
25 回転胴体
26 第2の筒状回転軸
27 装着板
28 スリーブ
29 筒状軸受
30 固定支持板
31 第2の駆動歯車
33 第3の筒状回転軸
34 第3の駆動歯車
36,37、59,60 軸受
38 固定筒体
40 カムブロック
42 カムトラック
42a 第1のカムトラック
42b 第2のカムトラック
43 回転防止部材
50 スピンドル
51 スライダー
52a 種類Aのキャッピング動作用の従動ローラ
52b 種類Bのキャッピング動作用の従動ローラ
53 支持ロッド
54 回転部材
56 従動歯車
70 本発明の回転交換式スピニングヘッド
B 容器
C キャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の口頸部にキャップを装着する動作条件が異なる複数の動作を行うキャッピング装置であって、
中心支柱(10)の回りにカムブロック(40)を設けるとともにスピニングヘッド(70)を垂設し、
該カムブロック(40)の外周に、凹溝状の2本のカムトラック(42)を設け、
該スピニングヘッド(70)の上方には、
該カムトラック(42)を移動する2つの従動ローラ(52a,52b)を備えたスライダー(51)を設け、
下方には、シーリングヘッド(SH)又はキャッピングヘッド(CH)を着脱自在に取り付け、
該スピニングヘッド(70)を180度回転させることで、
該カムトラック(42)に、前記2つのいずれかの従動ローラ(52a、52b)を収容させて係合させ、
前記スピニングヘッド(70)を自転させることによりキャップのシーリング動作又はキャッピング動作のいずれかをさせて、
容器口頸部にキャップを装着することを特徴とする回転交換式スピニングヘッドを用いたキャッピング装置。
【請求項2】
前記シーリング動作は、予めネジを有するプレスクリューキャップを容器口頸部に装着するキャッピング動作であり、前記キャッピング動作は、容器口頸部に被嵌後にネジが転造されるピルファープルーフキャップを容器口頸部に装着するキャッピング動作である請求項1記載のキャッピング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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