回転打撃式削孔装置
【課題】岩盤等の硬質の地盤や軟弱な地盤などの地質に応じた打撃力の付与が可能で、打撃力によって生じる装置の損傷を軽減することができ、またアウタービットを含めて、より効率的な掘削動作が得られるように改良した回転打撃式削孔装置を提供する。
【解決手段】削孔用ビット4に対してダウンザホールハンマにより打撃力を付与するように構成した回転打撃式削孔装置において、シリンダ2の最前部にピストンハンマ1に対するクッション室等からなるクッション手段を設けるとともに、そのクッション手段の軸方向長さを削孔用ビット4の進退動作の範囲より短く設定し、削孔ビット4の後退位置では前記クッション手段が機能しないように構成する。
【解決手段】削孔用ビット4に対してダウンザホールハンマにより打撃力を付与するように構成した回転打撃式削孔装置において、シリンダ2の最前部にピストンハンマ1に対するクッション室等からなるクッション手段を設けるとともに、そのクッション手段の軸方向長さを削孔用ビット4の進退動作の範囲より短く設定し、削孔ビット4の後退位置では前記クッション手段が機能しないように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、進退可能に構成された削孔ビットに対してダウンザホールハンマにより打撃力を付与するように構成した回転打撃式の削孔装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の削孔用ビットに対して回転力と打撃力を付与して掘削を行う回転打撃式の削孔装置における打撃力の付与の仕方は、トップハンマ方式とダウンザホールハンマ方式に大別される。後者のダウンザホールハンマ方式は、先端の削孔用ビットを直接的に打撃することから、掘削性能が高く、大深度削孔にも有効である。このダウンザホールハンマ方式を採用する回転打撃式の二重管削孔装置として、削孔ビットをインナービットとその外周部に配設されたアウタービットから構成し、アウタービットを外管の先端部に進退可能に設置して、インナービット側に付与される打撃力をアウタービット側にも伝達して掘削作用を行う方式のものが広く知られている(特許文献1)。また、アウタービットの動作ストロークをインナービットの動作ストロークより長く設定して、掘削中に急激に軟弱な地質の部分に差掛かった場合などにアウタービットが前方へ進出できるように前方への自由ストロークを確保し、アウタービットを前方へ逃すことによりダウンザホールハンマからの打撃作用を緩和して、アウタービットの薄肉部やネジ部などの外管との接続部の弱い部分を破壊から保護するというものも開示されている(引用文献2)。しかしながら、この従来技術の場合には、装置の保護という点ではよいが、アウタービットの動作ストロークがインナービットの動作ストロークより長く設定される結果、ピストンハンマの動作速度を上げた場合に、とりわけアウタービットの動作の遅れに起因して正確な動作が困難になるといった技術的な問題があり、延いては効率的な掘削動作を制約する原因にもなった。
【特許文献1】特許第2680433号公報
【特許文献2】特許第3455178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、以上のような従来の技術的状況に鑑み、岩盤等の硬質の地盤や軟弱な地盤などの地質に応じた打撃力の付与が可能で、打撃力によって生じる装置の損傷を軽減することができ、またアウタービットを含めて、より効率的な掘削動作が得られるように改良した回転打撃式削孔装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するため、請求項1の発明では、削孔用ビットに対してダウンザホールハンマにより打撃力を付与するように構成した回転打撃式削孔装置において、シリンダの最前部にピストンハンマに対するクッション手段を設けるとともに、そのクッション手段の軸方向長さを前記削孔用ビットの進退動作の範囲より短く設定し、削孔ビットの後退位置では前記クッション手段が機能しないようにするという技術手段を採用した。これにより、岩盤等の硬質の地盤の場合には、1回の打撃毎の掘削量が小さいことから、削孔ビットは後退位置近傍の狭い範囲で進退を繰返しながらピストンハンマからの打撃力を受けることになるので、クッション手段からの緩衝作用を受けることなく、ピストンハンマから削孔ビットへ強力な打撃力が直接的に伝達される。他方、軟弱な地盤の場合には、地盤からの反力が弱いため、ピストンハンマから削孔ビットに伝達された打撃力が装置側に作用して損傷を受けやすいが、前記クッション手段の緩衝作用によって、削孔ビットへの打撃力が緩和されることから、装置に対する損傷を軽減することが可能である。そのクッション手段は、シリンダの最前部にバネ等の弾性手段を付設したり、請求項2のようにピストンハンマ自体で閉じるクッション室を形成してもよい。請求項3の発明では、削孔用ビットをインナービットとその外周部に配設されたアウタービットから構成し、前記ピストンハンマによって前インナービットに付与される打撃力をアウタービットに伝達するように構成するとともに、そのアウタービットの進退動作のストロークをインナービットのストロークとほぼ同じ長さに設定するという技術手段を採用した。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、次の効果を得ることができる。
(1)請求項1,2の発明によれば、上述のようにシリンダの最前部に設けたクッション手段の緩衝機能により地質に応じた打撃力の付与が可能である。すなわち、硬質の地盤の場合のように削孔ビットが地盤から強い反力を常時受けている掘削状態においては強力な打撃力の伝達が可能であり、他方、軟弱な地盤の場合のようにピストンハンマからの打撃力によって装置が損傷を受けやすい掘削状態においては、前記クッション手段の緩衝機能によって削孔ビットへの打撃力が緩和され、装置の損傷が軽減されるという優れた効果を得ることができる。
(2)請求項3の発明によれば、削孔用ビットをインナービットとその外周部に配設されたアウタービットから構成した二重管削孔装置に前記クッション手段による緩衝機能を適用して軟弱な地盤における装置の損傷の軽減を確保した上で、アウタービットの進退動作のストロークをインナービットのストロークとほぼ同じ長さに設定したので、アウタービットの戻り動作が速く、掘削動作の効率化に有効であり、しかも損傷の少ない安定した回転打撃式の二重管削孔装置を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
請求項1,2の発明は、ピストンハンマにより削孔ビットに打撃力を付与しながら回転して掘削する回転打撃式の削孔装置であれば、種々の形式の削孔装置に広く適用することができる。前記クッション手段としては、シリンダの最前部にバネ等の弾性手段を付設したり、ピストンハンマ自体で閉じるクッション室を形成したりすることができる。請求項3の発明のように、削孔用ビットをインナービットとその外周部に配設されたアウタービットから構成した二重管削孔装置に適用して、アウタービットの進退動作のストロークをインナービットのストロークとほぼ同じ長さに設定すれば、上述のように掘削動作の効率化に有効で、しかも損傷の少ない回転打撃式の二重管削孔装置を提供することも可能である。因みに、以上の発明は、削孔の口径の大小に制限されることなく広い適用が可能であるが、特にピストンハンマの打撃力による損傷に弱い小口径用の比較的小型の削孔装置に有効である。
【実施例】
【0007】
図1は本発明の一実施例の要部を示した縦断面図である。図中1はピストンハンマで、シリンダ2の内部に摺動可能に嵌装されている。シリンダ2の先端部には、そのシリンダ2の端部に螺着された案内支持部材3を介して削孔ビット4が進退可能に嵌装されており、該削孔ビット4の後端部をピストンハンマ1により打撃することにより打撃力が伝達されるように構成されている。削孔ビット4の先端部には複数個の削孔用チップ5が備えられており、内部にはエア流通用の内部流通路6が形成されている。この内部流通路6の上流側はバルブ細管7を介してピストンハンマ1の内部に形成された内部流通路8に対して嵌入・脱離可能に構成され、下流側は流出孔9を介して外部に連通されている。また、削孔ビット4は案内支持部材3の内面との間に形成されたスプライン結合によって前後方向のみ摺動可能に案内され、シリンダ2の回転動作によって共に回転するように構成されている。削孔ビット4の後部外周面には、凹部10が形成されており、シリンダ2側に固定された係止部材11との係合によって削孔ビット4のストロークが規制されるように構成されている。
【0008】
前記ピストンハンマ1は、中央部の小径部12と両側の大径部13,14から構成され、前方の大径部13をシリンダ2の内面に摺接するとともに、後方の大径部14をシリンダ2の後端部に螺入された給気管15の連結部16の内面に摺接することにより、ピストンハンマ1を両側で軸線方向に進退可能に支持している。給気管15からは高圧エアが供給され、バルブシート17に接離可能に配設された逆止弁18を介してバルブ室19に流入した後、シリンダ2と給気管15の連結部16との間に形成された連通路20を経て給気口21から給気されるように構成している。なお、逆止弁18の背圧側にはバネ材22が配設されるとともに、バルブ細管23が一体的に形成されており、ピストンハンマ1の内部流通路8に対して嵌入・脱離可能に構成されている。
【0009】
次に、高圧エアの流れと共にピストンハンマ1の打撃動作に関して説明する。しかして、図1に示した削孔ビット4の前進状態から地盤からの反力によって、図2のように削孔ビット4がシリンダ2に対して相対的に後退(図において上動)した場合には、前記給気口21からピストンハンマ1の小径部12の周囲のシリンダ2との間隙24へ高圧エアが流入し、さらにピストンハンマ1の大径部13の外周面の後半部に形成された縦溝25及びシリンダ2の内周面に形成された凹部26を経てピストンハンマ1と削孔ビット4の後端部との間に流入し、図3に示したようにフロントチャンバ27を拡大しながらピストンハンマ1を後退させることになる。本実施例では、図1に示したように、前記凹部26は、前進状態の削孔ビット4の後端部から離れた位置まで形成し、その凹部26が形成されていない部分をクッション室として構成している。これにより、後述のように、軟弱な地盤の掘削時における装置の損傷を軽減することが可能である。
【0010】
しかして、上述のように、図2においてピストンハンマ1と削孔ビット4の後端部との間に高圧エアが供給されると、図3に示したようにフロントチャンバ27が拡大し、ピストンハンマ1が後退する。この図2から図3へのピストンハンマ1の後退動作においては、ピストンハンマ1の後方のリアチャンバ28がピストンハンマ1の内部流通路8、削孔ビット4の内部流通路6及び流出孔9を介して外部へ開放されているので、ピストンハンマ1はスムーズに後退する。そして、やがて図示のように縦溝25が凹部26から外れると、フロントチャンバ27への高圧エアの供給が停止され、同時にピストンハンマ1の内部流通路8の後端側にバルブ細管23が嵌入し、リアチャンバ28が密閉される。因みに、この状態においても、フロントチャンバ27には高圧エアが充満されているので、ピストンハンマ1は、リアチャンバ28を圧縮しながら後退動作を継続する。
【0011】
そして、図4の状態に至ると、ピストンハンマ1の後方の大径部14が給気管15の連結部16の内面に形成した凹部29内に位置し、給気口21からの高圧エアがその大径部14と凹部29との間隙を介してリアチャンバ28に流入する。そして、さらにピストンハンマ1が後退すると、図5のように大径部14により後方のクッション室30が密閉され、ピストンハンマ1に対する前進方向への押圧力が急増する。同時に、前方のバルブ細管7がピストンハンマ1の内部流通路8から抜けて脱離するので、フロントチャンバ27内の高圧エアはバルブ細管7、削孔ビット4の内部流通路6及び流出孔9を介して外部へ放出され、フロントチャンバ27の内圧は激減する。その結果、ピストンハンマ1は前進動作に切替えられる。
【0012】
しかる後、ピストンハンマ1の前進動作が図6の状態まで進むと、給気口21からの高圧エアがピストンハンマ1の大径部14と前記凹部29との間隙を介してリアチャンバ28に流入し、リアチャンバ28内の内圧が急増する結果、ピストンハンマ1の前進動作が加速される。因みに、この時点で、ピストンハンマ1の内部流通路8の前端側にバルブ細管7が嵌入して、フロントチャンバ27が密閉される。その後、図7に示したようにピストンハンマ1が前進して大径部14と前記凹部29との間隙が遮断されても、フロントチャンバ27内は低圧のままであることから、リアチャンバ28内の高圧エアによりピストンハンマ1の前進動作が継続される。
【0013】
そして、図8に示したように、ピストンハンマ1の前方の大径部13に形成した縦溝25とシリンダ2の内周面に形成された凹部26との連通が開始されると、給気口21からピストンハンマ1の小径部12の周囲のシリンダ2との間隙24を介して供給される高圧エアがフロントチャンバ27へ流入して、ピストンハンマ1の後退動作への切替えの準備に入る。因みに、このフロントチャンバ27への高圧エアの流入によりピストンハンマ1の前進動作に対してブレーキがかかることになるが、この時点では、ピストンハンマ1はそれ自体の慣性によって高速での前進動作を維持するように各部の寸法が設定されている。
【0014】
しかして、ピストンハンマ1が高速で更に前進すると、図9に示したように削孔ビット4の後端面を打撃することになる。この打撃の瞬間におけるピストンハンマ1と削孔ビット4との間のエアは凹部26側へ逆流したり削孔ビット4の外周部のスプライン結合部から逃げることになる。なお、この打撃動作の際には、後方のバルブ細管23はピストンハンマ1の内部流通路8の後端側から抜けて脱離した状態にあり、リアチャンバ28は内部流通路8、削孔ビット4の内部流通路6及び流出孔9を介して外部へ開放された状態にある。そして、硬質の地質部分を掘削中の場合には、掘削量が小さいことからピストンハンマ1の打撃を受けても削孔ビット4はあまり前進しない。しかも、図9の状態では給気口21がピストンハンマ1の小径部12の周囲のシリンダ2との間隙24に連通した状態にあり、打撃後のピストンハンマ1と削孔ビット4との間には高圧エアが供給され続けるので、更に以上の図2〜図9の動作を繰返すことになる。
【0015】
他方、軟弱な地質部分を掘削する場合には、1回の打撃毎の掘削量が大きく、図9に示したようにピストンハンマ1が高速で削孔ビット4の後端面を打撃すると、削孔ビット4は図10に示したように前進する。この図10の場合には、給気口21とピストンハンマ1の小径部12の周囲のシリンダ2との間隙24との連通が大径部14により遮断された状態にある。以上の打撃動作を再度実行させるには、装置を押込み地盤からの反力により削孔ビット4をシリンダ2に対して相対的に後退(図において上動)させて、前記給気口21と間隙24を連通させることにより可能である。
【0016】
ところで、この地質が軟弱な場合の掘削においては、図8に関して説明したようにフロントチャンバ27へ高圧エアが供給された際に、その高圧エヤによって削孔ビット4が前進してしまうこともある。また、打撃時のピストンハンマ1と削孔ビット4との間のエアの圧力上昇や、打撃タイミングのずれなどによって打撃位置が前方(図において下方)にずれることがある。このような場合には、地盤からの反力が弱いため、削孔ビット4に作用した打撃力を前記係止部材11を介して装置側で受止めなければならないことから装置が損傷を受けやすい。本実施例では、この装置の損傷を軽減するため、図11に示したように、凹部26が形成されていない前方の部分をクッション室31として構成するという技術手段を採用した。すなわち、図示のように、ピストンハンマ1の前進に伴って削孔ビット4の後端面との間に閉じられたクッション室31が形成されるので、そのクッション手段としての緩衝機能により削孔ビット4に対する打撃力が緩和され、装置が損傷から保護されることになる。なお、クッション室31内のエアはやがて削孔ビット4の外周部のスプライン結合部から漏出することになる。因みに、このクッション手段としては、バネ材等の弾性手段を付設する形態も可能である。
【0017】
図12は本発明をインナービットとその外周部に配設されたアウタービットから削孔用ビットを構成した二重管削孔装置に適用した場合の要部を示した片側断面図である。図中、32は前記ピストンハンマ1を採用しシリンダの最前部に前記クッション室31等のクッション手段を備えた上述の打撃機構と同様の機構を内装した打撃動作部、33はその打撃動作部32により後端部を打撃されるインナービット、34はインナービット33の外周部に配設されたアウタービットであり、インナービット33とアウタービット34により削孔ビットを構成している。図示の状態は、インナービット33が最も前進した状態を示したもので、本実施例ではそのインナービット33の段部35と打撃動作部32の前端面との間のストロークSaで進退動作の範囲が規制されるように構成されている。また、前記アウタービット34は外管36の先端部内側にスプライン結合37を介してストロークSbの動作範囲で進退動作のみ可能に構成されている。そして、それらのストロークSaとSbとはほぼ同じ長さに設定されている。
【0018】
しかして、本実施例の場合には、前記打撃動作部32のピストンハンマによりインナービット33の後端部が打撃されると、そのインナービット33は前進することになるが、同時に前記インナービット33の外周面に形成された係止段部38によりアウタービット34の後端面を打撃して共に前進させることになる。その後、地盤からの反力によりインナービット33とアウタービット34とはほぼ同時に後退して元の位置に戻って以上の進退動作を繰返すことになる。本実施例では、以上のようにストロークSaとSbがほぼ同じ長さに設定されていることから、掘削動作においてはインナービット33とアウタービット34とは同時にほぼ同じ行程で進退動作を繰返すので、従来のアウタービット34のストロークSbを長く設定した場合に比べて戻り動作がはやく効率的な進退動作が可能である。しかも、打撃動作部32には、上述のようにシリンダの最前部にピストンハンマに対するクッション手段が備えられており、このクッション手段の緩衝機能によって軟弱な地質部分の掘削における打撃力が緩和されることから、インナービット33とアウタービット34の動作ストロークSaとSbとをほぼ同じ長さに設定しても装置に対する損傷は回避することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例の要部を示した縦断面図である。
【図2】同実施例の動作過程を示した縦断面図である。
【図3】同実施例の動作過程を示した縦断面図である。
【図4】同実施例の動作過程を示した縦断面図である。
【図5】同実施例の動作過程を示した縦断面図である。
【図6】同実施例の動作過程を示した縦断面図である。
【図7】同実施例の動作過程を示した縦断面図である。
【図8】同実施例の動作過程を示した縦断面図である。
【図9】同実施例の動作過程を示した縦断面図である。
【図10】同実施例の動作過程を示した縦断面図である。
【図11】同実施例の動作過程を示した縦断面図である。
【図12】本発明を二重管削孔装置に適用した場合の要部を示した片側断面図である。
【符号の説明】
【0020】
1…ピストンハンマ、2…シリンダ、3…案内支持部材、4…削孔ビット、5…削孔用チップ、6…内部流通路、7…バルブ細管、8…内部流通路、9…流出孔、10…凹部、11…係止部材、12…小径部、13,14…大径部、15…給気管、16…連結部、17…バルブシート、18…逆止弁、19…バルブ室、20…連通路、21…給気口、22…バネ材、23…バルブ細管、24…間隙、25…縦溝、26…凹部、27…フロントチャンバ、28…リアチャンバ、29…凹部、30…クッション室、31…クッション室、32…打撃作動部、33…インナービット、34…アウタービット、35…段部、36…外管、37…スプライン結合、38…係止段部、Sa…インナービットのストローク、Sb…アウタービットのストローク
【技術分野】
【0001】
本発明は、進退可能に構成された削孔ビットに対してダウンザホールハンマにより打撃力を付与するように構成した回転打撃式の削孔装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の削孔用ビットに対して回転力と打撃力を付与して掘削を行う回転打撃式の削孔装置における打撃力の付与の仕方は、トップハンマ方式とダウンザホールハンマ方式に大別される。後者のダウンザホールハンマ方式は、先端の削孔用ビットを直接的に打撃することから、掘削性能が高く、大深度削孔にも有効である。このダウンザホールハンマ方式を採用する回転打撃式の二重管削孔装置として、削孔ビットをインナービットとその外周部に配設されたアウタービットから構成し、アウタービットを外管の先端部に進退可能に設置して、インナービット側に付与される打撃力をアウタービット側にも伝達して掘削作用を行う方式のものが広く知られている(特許文献1)。また、アウタービットの動作ストロークをインナービットの動作ストロークより長く設定して、掘削中に急激に軟弱な地質の部分に差掛かった場合などにアウタービットが前方へ進出できるように前方への自由ストロークを確保し、アウタービットを前方へ逃すことによりダウンザホールハンマからの打撃作用を緩和して、アウタービットの薄肉部やネジ部などの外管との接続部の弱い部分を破壊から保護するというものも開示されている(引用文献2)。しかしながら、この従来技術の場合には、装置の保護という点ではよいが、アウタービットの動作ストロークがインナービットの動作ストロークより長く設定される結果、ピストンハンマの動作速度を上げた場合に、とりわけアウタービットの動作の遅れに起因して正確な動作が困難になるといった技術的な問題があり、延いては効率的な掘削動作を制約する原因にもなった。
【特許文献1】特許第2680433号公報
【特許文献2】特許第3455178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、以上のような従来の技術的状況に鑑み、岩盤等の硬質の地盤や軟弱な地盤などの地質に応じた打撃力の付与が可能で、打撃力によって生じる装置の損傷を軽減することができ、またアウタービットを含めて、より効率的な掘削動作が得られるように改良した回転打撃式削孔装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するため、請求項1の発明では、削孔用ビットに対してダウンザホールハンマにより打撃力を付与するように構成した回転打撃式削孔装置において、シリンダの最前部にピストンハンマに対するクッション手段を設けるとともに、そのクッション手段の軸方向長さを前記削孔用ビットの進退動作の範囲より短く設定し、削孔ビットの後退位置では前記クッション手段が機能しないようにするという技術手段を採用した。これにより、岩盤等の硬質の地盤の場合には、1回の打撃毎の掘削量が小さいことから、削孔ビットは後退位置近傍の狭い範囲で進退を繰返しながらピストンハンマからの打撃力を受けることになるので、クッション手段からの緩衝作用を受けることなく、ピストンハンマから削孔ビットへ強力な打撃力が直接的に伝達される。他方、軟弱な地盤の場合には、地盤からの反力が弱いため、ピストンハンマから削孔ビットに伝達された打撃力が装置側に作用して損傷を受けやすいが、前記クッション手段の緩衝作用によって、削孔ビットへの打撃力が緩和されることから、装置に対する損傷を軽減することが可能である。そのクッション手段は、シリンダの最前部にバネ等の弾性手段を付設したり、請求項2のようにピストンハンマ自体で閉じるクッション室を形成してもよい。請求項3の発明では、削孔用ビットをインナービットとその外周部に配設されたアウタービットから構成し、前記ピストンハンマによって前インナービットに付与される打撃力をアウタービットに伝達するように構成するとともに、そのアウタービットの進退動作のストロークをインナービットのストロークとほぼ同じ長さに設定するという技術手段を採用した。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、次の効果を得ることができる。
(1)請求項1,2の発明によれば、上述のようにシリンダの最前部に設けたクッション手段の緩衝機能により地質に応じた打撃力の付与が可能である。すなわち、硬質の地盤の場合のように削孔ビットが地盤から強い反力を常時受けている掘削状態においては強力な打撃力の伝達が可能であり、他方、軟弱な地盤の場合のようにピストンハンマからの打撃力によって装置が損傷を受けやすい掘削状態においては、前記クッション手段の緩衝機能によって削孔ビットへの打撃力が緩和され、装置の損傷が軽減されるという優れた効果を得ることができる。
(2)請求項3の発明によれば、削孔用ビットをインナービットとその外周部に配設されたアウタービットから構成した二重管削孔装置に前記クッション手段による緩衝機能を適用して軟弱な地盤における装置の損傷の軽減を確保した上で、アウタービットの進退動作のストロークをインナービットのストロークとほぼ同じ長さに設定したので、アウタービットの戻り動作が速く、掘削動作の効率化に有効であり、しかも損傷の少ない安定した回転打撃式の二重管削孔装置を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
請求項1,2の発明は、ピストンハンマにより削孔ビットに打撃力を付与しながら回転して掘削する回転打撃式の削孔装置であれば、種々の形式の削孔装置に広く適用することができる。前記クッション手段としては、シリンダの最前部にバネ等の弾性手段を付設したり、ピストンハンマ自体で閉じるクッション室を形成したりすることができる。請求項3の発明のように、削孔用ビットをインナービットとその外周部に配設されたアウタービットから構成した二重管削孔装置に適用して、アウタービットの進退動作のストロークをインナービットのストロークとほぼ同じ長さに設定すれば、上述のように掘削動作の効率化に有効で、しかも損傷の少ない回転打撃式の二重管削孔装置を提供することも可能である。因みに、以上の発明は、削孔の口径の大小に制限されることなく広い適用が可能であるが、特にピストンハンマの打撃力による損傷に弱い小口径用の比較的小型の削孔装置に有効である。
【実施例】
【0007】
図1は本発明の一実施例の要部を示した縦断面図である。図中1はピストンハンマで、シリンダ2の内部に摺動可能に嵌装されている。シリンダ2の先端部には、そのシリンダ2の端部に螺着された案内支持部材3を介して削孔ビット4が進退可能に嵌装されており、該削孔ビット4の後端部をピストンハンマ1により打撃することにより打撃力が伝達されるように構成されている。削孔ビット4の先端部には複数個の削孔用チップ5が備えられており、内部にはエア流通用の内部流通路6が形成されている。この内部流通路6の上流側はバルブ細管7を介してピストンハンマ1の内部に形成された内部流通路8に対して嵌入・脱離可能に構成され、下流側は流出孔9を介して外部に連通されている。また、削孔ビット4は案内支持部材3の内面との間に形成されたスプライン結合によって前後方向のみ摺動可能に案内され、シリンダ2の回転動作によって共に回転するように構成されている。削孔ビット4の後部外周面には、凹部10が形成されており、シリンダ2側に固定された係止部材11との係合によって削孔ビット4のストロークが規制されるように構成されている。
【0008】
前記ピストンハンマ1は、中央部の小径部12と両側の大径部13,14から構成され、前方の大径部13をシリンダ2の内面に摺接するとともに、後方の大径部14をシリンダ2の後端部に螺入された給気管15の連結部16の内面に摺接することにより、ピストンハンマ1を両側で軸線方向に進退可能に支持している。給気管15からは高圧エアが供給され、バルブシート17に接離可能に配設された逆止弁18を介してバルブ室19に流入した後、シリンダ2と給気管15の連結部16との間に形成された連通路20を経て給気口21から給気されるように構成している。なお、逆止弁18の背圧側にはバネ材22が配設されるとともに、バルブ細管23が一体的に形成されており、ピストンハンマ1の内部流通路8に対して嵌入・脱離可能に構成されている。
【0009】
次に、高圧エアの流れと共にピストンハンマ1の打撃動作に関して説明する。しかして、図1に示した削孔ビット4の前進状態から地盤からの反力によって、図2のように削孔ビット4がシリンダ2に対して相対的に後退(図において上動)した場合には、前記給気口21からピストンハンマ1の小径部12の周囲のシリンダ2との間隙24へ高圧エアが流入し、さらにピストンハンマ1の大径部13の外周面の後半部に形成された縦溝25及びシリンダ2の内周面に形成された凹部26を経てピストンハンマ1と削孔ビット4の後端部との間に流入し、図3に示したようにフロントチャンバ27を拡大しながらピストンハンマ1を後退させることになる。本実施例では、図1に示したように、前記凹部26は、前進状態の削孔ビット4の後端部から離れた位置まで形成し、その凹部26が形成されていない部分をクッション室として構成している。これにより、後述のように、軟弱な地盤の掘削時における装置の損傷を軽減することが可能である。
【0010】
しかして、上述のように、図2においてピストンハンマ1と削孔ビット4の後端部との間に高圧エアが供給されると、図3に示したようにフロントチャンバ27が拡大し、ピストンハンマ1が後退する。この図2から図3へのピストンハンマ1の後退動作においては、ピストンハンマ1の後方のリアチャンバ28がピストンハンマ1の内部流通路8、削孔ビット4の内部流通路6及び流出孔9を介して外部へ開放されているので、ピストンハンマ1はスムーズに後退する。そして、やがて図示のように縦溝25が凹部26から外れると、フロントチャンバ27への高圧エアの供給が停止され、同時にピストンハンマ1の内部流通路8の後端側にバルブ細管23が嵌入し、リアチャンバ28が密閉される。因みに、この状態においても、フロントチャンバ27には高圧エアが充満されているので、ピストンハンマ1は、リアチャンバ28を圧縮しながら後退動作を継続する。
【0011】
そして、図4の状態に至ると、ピストンハンマ1の後方の大径部14が給気管15の連結部16の内面に形成した凹部29内に位置し、給気口21からの高圧エアがその大径部14と凹部29との間隙を介してリアチャンバ28に流入する。そして、さらにピストンハンマ1が後退すると、図5のように大径部14により後方のクッション室30が密閉され、ピストンハンマ1に対する前進方向への押圧力が急増する。同時に、前方のバルブ細管7がピストンハンマ1の内部流通路8から抜けて脱離するので、フロントチャンバ27内の高圧エアはバルブ細管7、削孔ビット4の内部流通路6及び流出孔9を介して外部へ放出され、フロントチャンバ27の内圧は激減する。その結果、ピストンハンマ1は前進動作に切替えられる。
【0012】
しかる後、ピストンハンマ1の前進動作が図6の状態まで進むと、給気口21からの高圧エアがピストンハンマ1の大径部14と前記凹部29との間隙を介してリアチャンバ28に流入し、リアチャンバ28内の内圧が急増する結果、ピストンハンマ1の前進動作が加速される。因みに、この時点で、ピストンハンマ1の内部流通路8の前端側にバルブ細管7が嵌入して、フロントチャンバ27が密閉される。その後、図7に示したようにピストンハンマ1が前進して大径部14と前記凹部29との間隙が遮断されても、フロントチャンバ27内は低圧のままであることから、リアチャンバ28内の高圧エアによりピストンハンマ1の前進動作が継続される。
【0013】
そして、図8に示したように、ピストンハンマ1の前方の大径部13に形成した縦溝25とシリンダ2の内周面に形成された凹部26との連通が開始されると、給気口21からピストンハンマ1の小径部12の周囲のシリンダ2との間隙24を介して供給される高圧エアがフロントチャンバ27へ流入して、ピストンハンマ1の後退動作への切替えの準備に入る。因みに、このフロントチャンバ27への高圧エアの流入によりピストンハンマ1の前進動作に対してブレーキがかかることになるが、この時点では、ピストンハンマ1はそれ自体の慣性によって高速での前進動作を維持するように各部の寸法が設定されている。
【0014】
しかして、ピストンハンマ1が高速で更に前進すると、図9に示したように削孔ビット4の後端面を打撃することになる。この打撃の瞬間におけるピストンハンマ1と削孔ビット4との間のエアは凹部26側へ逆流したり削孔ビット4の外周部のスプライン結合部から逃げることになる。なお、この打撃動作の際には、後方のバルブ細管23はピストンハンマ1の内部流通路8の後端側から抜けて脱離した状態にあり、リアチャンバ28は内部流通路8、削孔ビット4の内部流通路6及び流出孔9を介して外部へ開放された状態にある。そして、硬質の地質部分を掘削中の場合には、掘削量が小さいことからピストンハンマ1の打撃を受けても削孔ビット4はあまり前進しない。しかも、図9の状態では給気口21がピストンハンマ1の小径部12の周囲のシリンダ2との間隙24に連通した状態にあり、打撃後のピストンハンマ1と削孔ビット4との間には高圧エアが供給され続けるので、更に以上の図2〜図9の動作を繰返すことになる。
【0015】
他方、軟弱な地質部分を掘削する場合には、1回の打撃毎の掘削量が大きく、図9に示したようにピストンハンマ1が高速で削孔ビット4の後端面を打撃すると、削孔ビット4は図10に示したように前進する。この図10の場合には、給気口21とピストンハンマ1の小径部12の周囲のシリンダ2との間隙24との連通が大径部14により遮断された状態にある。以上の打撃動作を再度実行させるには、装置を押込み地盤からの反力により削孔ビット4をシリンダ2に対して相対的に後退(図において上動)させて、前記給気口21と間隙24を連通させることにより可能である。
【0016】
ところで、この地質が軟弱な場合の掘削においては、図8に関して説明したようにフロントチャンバ27へ高圧エアが供給された際に、その高圧エヤによって削孔ビット4が前進してしまうこともある。また、打撃時のピストンハンマ1と削孔ビット4との間のエアの圧力上昇や、打撃タイミングのずれなどによって打撃位置が前方(図において下方)にずれることがある。このような場合には、地盤からの反力が弱いため、削孔ビット4に作用した打撃力を前記係止部材11を介して装置側で受止めなければならないことから装置が損傷を受けやすい。本実施例では、この装置の損傷を軽減するため、図11に示したように、凹部26が形成されていない前方の部分をクッション室31として構成するという技術手段を採用した。すなわち、図示のように、ピストンハンマ1の前進に伴って削孔ビット4の後端面との間に閉じられたクッション室31が形成されるので、そのクッション手段としての緩衝機能により削孔ビット4に対する打撃力が緩和され、装置が損傷から保護されることになる。なお、クッション室31内のエアはやがて削孔ビット4の外周部のスプライン結合部から漏出することになる。因みに、このクッション手段としては、バネ材等の弾性手段を付設する形態も可能である。
【0017】
図12は本発明をインナービットとその外周部に配設されたアウタービットから削孔用ビットを構成した二重管削孔装置に適用した場合の要部を示した片側断面図である。図中、32は前記ピストンハンマ1を採用しシリンダの最前部に前記クッション室31等のクッション手段を備えた上述の打撃機構と同様の機構を内装した打撃動作部、33はその打撃動作部32により後端部を打撃されるインナービット、34はインナービット33の外周部に配設されたアウタービットであり、インナービット33とアウタービット34により削孔ビットを構成している。図示の状態は、インナービット33が最も前進した状態を示したもので、本実施例ではそのインナービット33の段部35と打撃動作部32の前端面との間のストロークSaで進退動作の範囲が規制されるように構成されている。また、前記アウタービット34は外管36の先端部内側にスプライン結合37を介してストロークSbの動作範囲で進退動作のみ可能に構成されている。そして、それらのストロークSaとSbとはほぼ同じ長さに設定されている。
【0018】
しかして、本実施例の場合には、前記打撃動作部32のピストンハンマによりインナービット33の後端部が打撃されると、そのインナービット33は前進することになるが、同時に前記インナービット33の外周面に形成された係止段部38によりアウタービット34の後端面を打撃して共に前進させることになる。その後、地盤からの反力によりインナービット33とアウタービット34とはほぼ同時に後退して元の位置に戻って以上の進退動作を繰返すことになる。本実施例では、以上のようにストロークSaとSbがほぼ同じ長さに設定されていることから、掘削動作においてはインナービット33とアウタービット34とは同時にほぼ同じ行程で進退動作を繰返すので、従来のアウタービット34のストロークSbを長く設定した場合に比べて戻り動作がはやく効率的な進退動作が可能である。しかも、打撃動作部32には、上述のようにシリンダの最前部にピストンハンマに対するクッション手段が備えられており、このクッション手段の緩衝機能によって軟弱な地質部分の掘削における打撃力が緩和されることから、インナービット33とアウタービット34の動作ストロークSaとSbとをほぼ同じ長さに設定しても装置に対する損傷は回避することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例の要部を示した縦断面図である。
【図2】同実施例の動作過程を示した縦断面図である。
【図3】同実施例の動作過程を示した縦断面図である。
【図4】同実施例の動作過程を示した縦断面図である。
【図5】同実施例の動作過程を示した縦断面図である。
【図6】同実施例の動作過程を示した縦断面図である。
【図7】同実施例の動作過程を示した縦断面図である。
【図8】同実施例の動作過程を示した縦断面図である。
【図9】同実施例の動作過程を示した縦断面図である。
【図10】同実施例の動作過程を示した縦断面図である。
【図11】同実施例の動作過程を示した縦断面図である。
【図12】本発明を二重管削孔装置に適用した場合の要部を示した片側断面図である。
【符号の説明】
【0020】
1…ピストンハンマ、2…シリンダ、3…案内支持部材、4…削孔ビット、5…削孔用チップ、6…内部流通路、7…バルブ細管、8…内部流通路、9…流出孔、10…凹部、11…係止部材、12…小径部、13,14…大径部、15…給気管、16…連結部、17…バルブシート、18…逆止弁、19…バルブ室、20…連通路、21…給気口、22…バネ材、23…バルブ細管、24…間隙、25…縦溝、26…凹部、27…フロントチャンバ、28…リアチャンバ、29…凹部、30…クッション室、31…クッション室、32…打撃作動部、33…インナービット、34…アウタービット、35…段部、36…外管、37…スプライン結合、38…係止段部、Sa…インナービットのストローク、Sb…アウタービットのストローク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
削孔用ビットに対してダウンザホールハンマにより打撃力を付与するように構成した回転打撃式削孔装置において、シリンダの最前部にピストンハンマに対するクッション手段を設けるとともに、そのクッション手段の軸方向長さを前記削孔用ビットの進退動作の範囲より短く設定し、削孔ビットの後退位置では前記クッション手段が機能しないように構成したことを特徴とする回転打撃式削孔装置。
【請求項2】
前記クッション手段が、シリンダの最前部に形成され、ピストンハンマによって閉じられるクッション室からなることを特徴とする請求項1記載の回転打撃式削孔装置。
【請求項3】
前記削孔用ビットをインナービットとその外周部に配設されたアウタービットから構成し、前記ピストンハンマによって前記インナービットに付与される打撃力をアウタービットに伝達するように構成するとともに、前記アウタービットの進退動作のストロークを前記インナービットのストロークとほぼ同じ長さに設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転打撃式削孔装置。
【請求項1】
削孔用ビットに対してダウンザホールハンマにより打撃力を付与するように構成した回転打撃式削孔装置において、シリンダの最前部にピストンハンマに対するクッション手段を設けるとともに、そのクッション手段の軸方向長さを前記削孔用ビットの進退動作の範囲より短く設定し、削孔ビットの後退位置では前記クッション手段が機能しないように構成したことを特徴とする回転打撃式削孔装置。
【請求項2】
前記クッション手段が、シリンダの最前部に形成され、ピストンハンマによって閉じられるクッション室からなることを特徴とする請求項1記載の回転打撃式削孔装置。
【請求項3】
前記削孔用ビットをインナービットとその外周部に配設されたアウタービットから構成し、前記ピストンハンマによって前記インナービットに付与される打撃力をアウタービットに伝達するように構成するとともに、前記アウタービットの進退動作のストロークを前記インナービットのストロークとほぼ同じ長さに設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転打撃式削孔装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−2485(P2007−2485A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−182793(P2005−182793)
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(000000446)岡部株式会社 (277)
【出願人】(000006839)日鐵建材工業株式会社 (371)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(000000446)岡部株式会社 (277)
【出願人】(000006839)日鐵建材工業株式会社 (371)
【Fターム(参考)】
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