説明

回転操作スイッチ

【課題】本発明は、主として自動車に装着され各種電子機器の操作用の回転操作スイッチに関し、製作が容易で安価な回転操作スイッチを提供することを目的とするものである。
【解決手段】加飾カバー22下方へ延出し凹部22Bを備えた係止部22Aを、操作部21Aの根元近傍の凸部21Gを備えた係合部21Eに係合させると共に、係合部21Eの回転体側の内側面に回転体23の受け部23Hや23Kを当接させて、係合部21Eはその外側が係止部22Aに、内側が受け部23H、23Kに狭持されて保持固定されるため、接着剤を用いた接着作業などの煩雑な作業が不要となるため、加飾カバー22の操作体21への装着が容易かつ確実な固定が可能で、製作コストの安価な回転操作スイッチを得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に自動車の車室内で各種電子機器の操作に用いられる回転操作スイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車室内のフロントパネル部やステアリングホイール近傍に、回転操作型のスイッチを装着し、これによって車両の各種制御や車室内の各種電子機器の操作を行うものが増えてきている。
【0003】
このような従来の回転操作スイッチについて図6〜図8を用いて説明する。
【0004】
図7は従来の回転操作スイッチの断面図、図8は同分解斜視図であり、同図において、1は上部に略直方体状の操作部1Aが、下部に略筒状の筒部1Bが各々形成された操作体、2は上面視略U字状で表面に例えば銀色の金属メッキが施された加飾カバーで、加飾カバー2が操作部1Aの外周に接着剤等によって固着されている。
【0005】
そして、3は回転体で、上部に略筒状の上筒部3Aが設けられると共に、中央下面に略円筒状の軸部3Bが下方へ延出し、操作体1の筒部1B内に上筒部3Aが収納されると共に、筒部1B側面の複数の通孔に上筒部3A外周の複数の突起が各々係合して、回転体3が操作体1に装着されている。
【0006】
また、4は略箱状のケースで、略中央に中空円筒状の軸支部4Aが形成され、軸支部4A内に回転体3の軸部3Bが挿通して、回転体3がケース4に回転可能に軸支されている。
【0007】
さらに、5はピン、6はコイルばねで、これらがケース4の所定位置に収容されると共に、コイルばね6により上方へ付勢されたピン5の先端が、回転体3の下面に形成された略同一半径上に凹凸状のカム部3Cに弾接して節度手段が形成され、回転体3が節度手段によってケース4に対し節度感を生じながら回転すると共に、所定の回転位置に保持されるようになっている。
【0008】
そして、7は上下面に配線パターン等が形成された配線基板で、上面にLED等の発光素子等が実装されると共に下面には固定接点(図示せず)が形成されて、ケース4下面に固定されている。
【0009】
また、8は可動体、9は弾性導電金属板製の接触片で、接触片9が可動体8の上面に固着されると共に、可動体8が軸支部4Aを貫通した回転体3の軸部3B下端近傍に固定され、接触片9の接点部が配線基板7下面の固定接点に弾接してスイッチ接点が形成されている。
【0010】
さらに、10はケース4の下面を覆う下カバーで、略中央の軸孔10Aを貫通した回転体3の軸部3Bの下端が止め輪11によってカシメられ、軸部3Bの上方への抜け止めがなされている。
【0011】
そして、12は上カバーで、操作体1周囲のケース4の開口を覆うと共に、ケース4に係止固定されて、図6の斜視図に示すような回転操作スイッチ20が構成されている。
【0012】
なお、このような回転操作スイッチ20を組み立てるには、まず操作体1の操作部1Aに接着剤を塗布して加飾カバー2を接着の上、乾燥等により固化させて加飾カバー2を操作体1に固着する。
【0013】
次に、回転体3を操作体1下部に装着し、軸部3Bをピン5やコイルばね6が収納されたケース4の軸支部4A内に挿通した後、上カバー12をケース4上面に被せ、操作体1の操作部1Aが上方に突出した状態で、上カバー12をケース4に係止固定する。
【0014】
さらに、配線基板7の略中央の孔部7Aに軸部3Bを挿通させて配線基板7をケース4下面に配置し、その後、接触片9を固着した可動体8の孔部8Aに軸部3Bを挿通させて、接触片9の接点部が配線基板7下面の固定接点に弾接するように組み込まれる。
【0015】
そして、軸部3Bを下カバー10の軸孔10Aに挿通させ、下カバー10を可動体8下方に配置して、下カバー10や配線基板7を複数のビス(図示せず)によってケース4に固定した後、軸部3Bの下端の溝部3Dに止め輪11をカシメ固定して回転操作スイッチ20が組み立てられる。
【0016】
なお、操作体1の操作部1Aに加飾カバー2を装着する時には、操作部1Aに接着剤を塗布して加飾カバー2を接着の上、乾燥等により固化させて固着するため、装着が煩雑で時間を要するものであった。
【0017】
また、回転体3の軸部3Bを配線基板7や接触片9が取付けられた可動体8及び下カバー10を挿通させた上で、止め輪11によってカシメ固定するため、部品点数も多くカシメ作業が必要など、製作コストが高くなり易いものであった。
【0018】
このような回転操作スイッチ20は、車室内のフロントパネル部やステアリング近傍に装着されると共に、スイッチ接点が配線基板7の配線パターン及びコネクターやリード線(図示せず)等を介して車両の電子回路(図示せず)に電気的に接続される。
【0019】
以上の構成において、操作部1Aを図6に示す状態から時計方向に回転操作すると、節度手段により節度感を生じながら回転して所定の回転位置で保持されると共に、回転体3の軸部3Bやこれに装着された可動体8を介してスイッチ接点の電気的接離が行われ、これに応じて車両の電子回路が、自動車に搭載された様々な機器の制御を行い、例えば、ライトが自動点消灯する所謂オートライトや後尾灯の点消灯、あるいは前照灯の点消灯などライトの様々な切換えが行われるものであった。
【0020】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献としては、例えば、特許文献1が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開2005−317538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
従来の回転操作スイッチ20においては、操作体1の操作部1Aに加飾カバー2を接着して装着するため、装着が煩雑で時間を要し、製作コストが高くなり易いという課題があった。
【0023】
本発明は上記従来の問題点を解決するものであり、製作が容易で安価な回転操作スイッチを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記目的を達成するために本発明は、加飾カバーの下部に下方へ延出する係止部を設け、操作部の根元近傍に下方へ延出し弾性を有する係合部を設けて、係止部又は係合部のいずれか一方に凹部を、他方に凸部を対向して各々設け、係止部を外方側から係合部に係合させると共に、係合部の回転体側の内側面に回転体の受け部を当接させて回転操作スイッチ装置を構成したものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、加飾カバーの係止部が外方側から操作体の係合部に係合すると共に、係合部の内側面に回転体の受け部が当接して、係合部はその外側が係止部に、内側が回転体の受け部に狭持されて保持固定されるため、煩雑で時間を要する接着作業などが不要となり、加飾カバーの操作体への装着が容易かつ確実な固定が可能で、製作コストの安価な回転操作スイッチを得ることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施の形態による回転操作スイッチの断面図
【図2】同分解斜視図
【図3】同要部拡大斜視図
【図4】同要部拡大斜視図
【図5】他実施の形態による回転操作スイッチの断面図
【図6】回転操作スイッチの斜視図
【図7】従来の回転操作スイッチの断面図
【図8】同分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図6を用いて説明する。
【0028】
(実施の形態)
図1は発明の一実施の形態による回転操作スイッチの断面図、図2は同分解斜視図であり、同図において、21はポリカーボネート(以降、PCと記載する)等の透光性の絶縁樹脂製の操作体で、上部に略直方体状の操作部21Aが、下部に略筒状の筒部21Bが各々形成されている。
【0029】
そして、操作体21の表面には不透光性の塗料が塗布されると共に、操作部21A上面に所定の記号や文字あるいはシンボル等がレーザー加工等によって除去された表示部21Cが形成されている。
【0030】
また、22は上面視略U字状でアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(以降、ABSと記載する)等の合成樹脂製の加飾カバーで、表面に例えば銀色の金属メッキが施されている。
【0031】
さらに、図3の要部拡大斜視図に示すように、略U字状の加飾カバー22の左側の曲折部や右側の両端部の下面の外周からやや内側に位置した箇所には、略舌片状で略中央に孔状の凹部22Bが設けられた複数の係止部22Aが下方へ各々延出している。
【0032】
そして、加飾カバー22の係止部22Aに対応して、操作体21の操作部21Aの根元近傍には、係止部22Aが挿通可能な係合孔部21Dが形成されると共に、係合孔部21Dの内側には、両側のスリット21Fにより内側へ弾性変形可能に形成され、先端近傍に外方へ突出する凸部21Gが形成された係合部21Eが各々設けられている。
【0033】
なお、加飾カバー22の係止部22Aの厚みは操作体21の係合部21Eの厚みより大きく形成している。
【0034】
また、23はポリオキシメチレン(以降、POMと記載する)等で不透光性の絶縁樹脂製の回転体で、上部に略円筒状の上筒部23Aが設けられ、この上筒部23Aの上面には略円盤状の上面部23Cが上方へ突出し、中央下面には略円筒状の軸部23Bが下方へ延出すると共に、軸部23Bの外側に同一半径上に下端が凹凸状で壁状の節度カム23Dが形成されている。
【0035】
なお、軸部23Bの下部には両側のスリット23Eにより内側へ弾性変形可能に形成されると共に、上下方向の所定位置に外方へ突出する保持突起23Fが形成された保持部23Gが複数設けられている。
【0036】
そして、加飾カバー22の曲折部にある係止部22Aの凹部22Bに、操作体21の係合部21Eの凸部21Gが係合すると共に、係合部21Eの内側が回転体23の上面部23C外周面に窪んだ受け部23Hに当接し、同じく両端部にある係止部22Aの凹部22Bには、これらに対向する係合部21Eの凸部21Gが各々係合すると共に、これらの係合部21Eの内側面が上面部23Cに窪んだ受け窪部23Jの内側の受け部23Kに各々当接している。
【0037】
また、筒部21B外周の複数の固定孔21Hに上筒部23Aの固定突起23Lが係合して、操作体21の筒部21B内に回転体23が収納され装着されている。
【0038】
そして、24はABSやPOM等の絶縁樹脂製で上下方向が開口した略箱状のケースで、略中央に中空円筒状の軸支部24Aが形成され、軸支部24A内に回転体23の軸部23Bが挿通して、回転体23がケース24に回転可能に軸支されている。
【0039】
また、25は略U字状の合成樹脂又は弾性金属製の規制部材で、軸支部24Aの上端位置で軸部23Bに形成された溝部(図示せず)に係止されて、回転体23の下方への移動を規制すると共に、操作体21に過度の衝撃荷重等が加わり、規制部材25による保持力を超えると操作体21が下降して、操作体21への衝撃を緩和するようになっている。
【0040】
さらに、5はピン、6はコイルばねで、これらがケース24の所定位置に収容されると共に、コイルばね6により上方へ付勢されたピン5の先端が回転体23下面の節度カム23Dに弾接して節度手段が形成され、回転体23が節度手段によってケース24に対し、節度感を生じながら回転すると共に所定の回転位置に保持されるようになっている。
【0041】
そして、26は略円板状でポリブチレンテレフタレート(以降、PBTと記載する)等の絶縁樹脂製の可動体で、下面に略円柱状で内側に複数の略円弧状の保持孔部26Bが環状に配設された保持筒部26Aが形成され、軸支部24Aを挿通した回転体23の保持部23Gの保持突起23Fが軸支部24A下端に当接すると共に、保持部23Gの内側が対向する保持孔部26Bの受け面26Cに当接して保持部23Gの内側への変形を規制し、保持部23Gが軸支部24A下端に可動体26によって保持固定され装着されている。
【0042】
また、27は弾性導電金属板製で略リング状の接触片で、可動体26の下面に固着されると共に、接点部27Aが下方へ延出している。
【0043】
さらに、28は上下面に配線パターンが形成された絶縁樹脂製の配線基板で、上面の所定位置に複数の固定接点28Aが形成されると共に、複数の発光ダイオード等の発光素子29や各種電子部品が実装されている。
【0044】
そして、接触片27の接点部27Aが対向した固定接点28Aに弾接して、可動体26の回転に伴い接点部27Aと固定接点28Aとの電気的接離が行われるようにしてスイッチ接点が構成されている。
【0045】
また、30はPBT等の絶縁樹脂製の下カバー、31はPC等の絶縁樹脂製の上カバーで、下カバー30がケース24下面の開口を覆い、ビス等(図示せず)によってケース24に固定されると共に、上カバー31がケース24の上面に係止されて回転操作スイッチ50が構成されている。
【0046】
ここで、このような回転操作スイッチ50の組み立てについて説明する。
【0047】
まず、図3に示すように、操作体21の操作部21Aに上方から加飾カバー22を被せて、複数の係止部22Aを対応する係合孔部21Dに各々挿通させると、係止部22Aが係合部21Eに沿って下降すると共に、係合部21Eが内側に弾性変形して、係止部22Aの凹部22Bに係合部21Eの凸部21Gが係合する。
【0048】
この時、係止部22Aの厚みを係合部21Eの厚みより大きく形成していることによって、係止部22Aが係合部21Eに沿って下降する際に、係合部21Eが内側へ弾性変形して、係止部22Aは変形しないため、加飾カバー22に施された金属メッキの剥離の要因となるクラックやストレスの発生を防止することができる。
【0049】
次に、回転体23を操作体21の筒部21B内に下方から挿入すると、操作体21の固定孔21Hに回転体23の固定突起23Lが係合して、回転体23が操作体21に固定される。
【0050】
この時、加飾カバー22の各係止部22Aが係合した操作体21の各係合部21Eの内側面に対し、回転体23の左側の受け部23Hと右側の前後方向に対向する受け窪部23Jの受け部23Kが各々当接して、各係合部21Eが受け部23H、23Kにより内方への変形を各々規制されることによって、加飾カバー22が操作体21に確実に固定されて装着される。
【0051】
ここで、操作体21の各係合部21Eに当接しこれらを保持する回転体23の受け部23Hや受け窪部23Jは下方に貫通せず、かつ回転体23の材質が不透光性の絶縁樹脂製のため、後述するように、下方の配線基板に配設された発光素子からの光が、受け部23Hや受け窪部23Jを介して係合部21E両側のスリット21F近傍から外方に漏れることを防止している。
【0052】
さらに、回転体23の軸部23B上部の所定位置の溝(図示せず)に規制部材25を装着して、加飾カバー22や操作体21、回転体23及び規制部材25が連結した操作連結体40が出来上がる。
【0053】
そして、図4の要部拡大斜視図に示すように、ケース24上面の所定位置にコイルばね6やピン5を各々挿入した後、操作連結体40から下方へ突出した回転体23の軸部23Bを、ケース24上方から軸支部24A内に挿入すると、軸部23Bの保持部23Gが内側へ弾性変形しながら軸支部24Aを挿通して、保持突起23Fが軸支部24Aの下端に係止した状態で保持される。
【0054】
また、ケース24上面に上カバー31を被せ、ケース24側面の固定突起24Cを上カバー31側面下端の固定孔31Aに係合させると共に、開口31Bから操作体21の操作部21Aが突出して操作ユニット41が形成される。
【0055】
さらに、下面に接触片27が固着された可動体26の保持孔部26Bに、ケース24下面から突出した保持部23Gを挿入して、軸部23Bに可動体26を嵌め込むと、保持部23G内側が保持孔部26Bの回転中心側の受け面26Cに当接して、保持部23Gの内側への変形を規制して、保持部23Gが軸支部24A下端に可動体26によって保持固定される。
【0056】
次に、配線基板28及び下カバー30をケース24下面内に配置し、ビス等によってケース24にこれらを固定して、図6の斜視図に示すような回転操作スイッチ50が組み立てられる。
【0057】
このような回転操作スイッチ50は、車室内のフロントパネル部やステアリング近傍に装着されると共に、スイッチ接点が配線基板28の配線パターン及びコネクターやリード線(図示せず)等を介して車両の電子回路(図示せず)に接続される。
【0058】
以上の構成において、操作部21Aの一端がOFF状態である「O」位置を指した状態から、例えば時計回り方向に操作部21Aを回転操作すると、節度手段によって節度感を生じながら操作体21と回転体23が軸部23Bを中心として時計回り方向に回転して、「AUTO」位置で保持される。
【0059】
そして、軸部23Bに装着された可動体26の接触片27と固定接点28Aとの電気的接離が行われ、この電気信号が車両の電子回路に送信されて、これに応じて車両の電子回路によって、例えば、ライトが周囲の明るさに応じて自動点消灯する所謂オートライトが選択される。
【0060】
さらに、操作部21Aを時計回り方向に操作すると、所定の回転位置で操作体21が保持されて、回転位置に応じたスイッチ接点の電気的接離によって、後尾灯の点消灯、あるいは前照灯の点消灯などライトの様々な切換えが行われる。
【0061】
また、夜間やトンネル内等で周囲が暗い場合には、車両の電子回路が発光素子29を発光させることによって、上方の操作部21Aの表示部21Cや、上カバー31の表示部31Cを照光し、表示部21Cや31Cの認識や操作部21Aの操作が容易に行えるように構成されている。
【0062】
このように本実施の形態によれば、加飾カバー22の下部に下方へ延出し凹部22Bが形成された係止部22Aを設け、操作体21の操作部21Aの根元近傍に下方へ延出し弾性を有し、凸部21Gが形成された係合部21Eを設けて、係止部22Aを外方側から係合部21Eに係合させると共に、係合部21Eの回転体側の内側面に回転体23の上面部23Cの受け部23Hや23Kを当接させることによって、係止部22Aが係合部21Eに係合すると共に、係合部21Eはその外側が係止部22Aに、内側が受け部23H、23Kに狭持されて保持固定されるため、接着剤を用いた接着作業などの煩雑な作業が不要となり、加飾カバー22の操作体21への装着が容易かつ確実な固定が可能で、製作コストの安価な回転操作スイッチを実現できる。
【0063】
なお、以上の説明では、加飾カバー22の係止部22Aに凹部22Bを、操作体21の係合部21Eに凸部21Gを各々設けたものとして説明したが、係止部22Aに内側へ突出する凸部を、係合部21Eに凹部を設けて、これらを係合させても本発明の実施は可能である。
【0064】
また、回転体23の略中央下面から下方へ突出すると共に、下端近傍の外周に保持突起23Fが形成され弾性を有する保持部23Gが延出した軸部23Bを設け、ケース24の底面に中空円筒状の軸支部24Aを設けて、この軸支部24A内に軸部23Bが回転可能に挿通すると共に、保持部23Gの保持突起23Fが軸支部24A下端に係止されて上方に抜け止めされ、可動体26に保持部23Gの内側に当接すると共に保持部23Gを保持する保持孔部26Bを設けて、可動体26を軸部23Bに装着することによって、保持部23Gは保持孔部26Bによって内側へ弾性変形することなく可動体26に保持固定されて、背景技術で説明したような回転体の軸部への止め輪によるカシメ作業が不要となるため、さらに組み立てが簡易で、製品コストの安価なものにすることができる。
【0065】
また、以上の説明では、可動体26を軸支部24Aと配線基板28との間に配置すると共に、可動体26下面に接触片27を固着して、接点部27Aが対向した下方の固定接点28Aと接離する構造として説明したが、図5の断面図に示すように、ケース34の軸支部34Aの下面に配線基板38を配置して、下カバー42と配線基板38との間に、接触片37を固着した可動体36を配置した構成としても良い。
【0066】
つまり、回転体33の軸部33Bが挿通した軸支部34A下端に、保持部33Gの保持突起33Fを当接させると共に、保持部33Gの内側が保持孔部36Bの受け面36Cに当接して保持部33Gの内側への変形を規制し、保持部33Gが軸支部34A下端に可動体36によって保持固定され装着される。
【0067】
そして、可動体36の上面に固着した接触片37の接点部37Aが配線基板38の下面に形成された固定接点(図示せず)に弾接して、操作部21Aの回転操作に伴い回転体33を介して可動体36が回転し、接触片37と対向する固定接点との電気的接離が行われるように回転操作スイッチを構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の回転操作スイッチは、加飾カバーの操作体への装着が容易かつ確実な固定が可能で、製作コストの安価な回転操作スイッチを得ることができるという有利な効果を有し、主に自動車のフロントパネル部やステアリング近傍に装着され、各種電子機器の操作用として有用である。
【符号の説明】
【0069】
5 ピン
6 コイルばね
21 操作体
21A 操作部
21B 筒部
21C 表示部
21D 係合孔部
21E 係合部
21F、23E スリット
21G 凸部
21H 固定孔
22 加飾カバー
22A 係止部
22B 凹部
23、33 回転体
23A 上筒部
23B、33B 軸部
23C 上面部
23D 節度カム
23F、33F 保持突起
23G、33G 保持部
23H、23K 受け部
23J 受け窪部
23L 固定突起
24、34 ケース
24A、34A 軸支部
24C 固定突起
25 規制部材
26、36 可動体
26A 保持筒部
26B、36B 保持孔部
26C、36C 受け面
27、37 接触片
27A、37A 接点部
28、38 配線基板
28A 固定接点
29 発光素子
30、42 下カバー
31 上カバー
31A 固定孔
31B 開口
31C 表示部
40 操作連結体
41 操作ユニット
50 回転操作スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略箱状のケースと、このケース上面の開口から突出する操作部が上部に形成されると共に下部に略円筒状の筒部が形成された操作体と、前記操作部の外周に装着された加飾カバーと略円筒状で前記操作体の前記筒部内に固定され、前記ケースに回転可能に保持された回転体と前記操作体の回転操作に伴い前記回転体に装着された可動体を介して電気的接離が行われるスイッチ接点からなり、前記加飾カバー下部に下方へ延出する係止部を設けると共に、前記操作体の前記操作部の根元近傍に下方へ延出し弾性を有する係合部を設け、前記係止部又は前記係合部のいずれか一方に凹部を、他方に凸部を対向して各々設け、前記係止部を前記係合部に外方側から係合させると共に、前記係合部の前記回転体側の内側面に当接する受け部を前記回転体に設けた回転操作スイッチ。
【請求項2】
回転体の略中央下面から下方へ突出すると共に下端近傍の外周に保持突起が形成され弾性を有する保持部が延出した軸部を設け、ケースの底面に略円筒状の軸支部を設けて、前記軸支部内に前記回転体の前記軸部が回転可能に挿通すると共に、前記保持部の保持突起が前記軸支部下端に係止されて上方に抜け止めされ、可動体に前記保持部の内側に当接すると共に前記保持部を保持する保持孔部を設けて、前記可動体を前記軸部に装着した請求項1に記載の回転操作スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−89440(P2013−89440A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228586(P2011−228586)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】