説明

回転操作型電子部品

【課題】 低背化が可能で、かつ低コストの回転操作型電子部品を得る。
【解決手段】 可撓性の絶縁基板2と、絶縁基板2に接合した金属製補強板3と、金属製補強板3に回転自在に取り付けられた金属製摺接子6とで構成された可変抵抗器。絶縁基板2の総厚みは、例えば、0.1mm以下に設定される。金属製補強板3は、金属製摺接子6と係合して金属製摺接子6を絶縁基板上に回転自在に保持するための円筒軸28と、可変側電極44とを有した一体物である。可変側電極44は、その先端部が折り返されて重ねられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転操作型電子部品、特に種々の電子機器などに使用される可変抵抗器やロータリスイッチなどの回転操作型電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の回転操作型電子部品として、特許文献1や特許文献2に記載の可変抵抗器が知られている。例えば、図11に示すように、特許文献1に記載の可変抵抗器110は、略円弧状の抵抗体120を表面に設けた絶縁基板114と、絶縁基板114に回転自在に取り付けられた摺接子117とを備えている。絶縁基板114には金属端子115,116がインサートモールドされている。
【0003】
摺接子117は、ドライバなどの工具によって回転操作されるドライバプレート117aと、抵抗体120上を摺動する接点アーム部117bと、該接点アーム部117bを支持する皿状部117cとからなる。摺接子117は、金属端子116の先端部に設けたハトメ部119に、皿状部117cの係合部121を係合させ、ハトメ部119をカシメることにより、絶縁基板114に回転自在に取り付けられている。
【0004】
しかしながら、従来の可変抵抗器110の場合、摺接子117が外れるなどの不具合が生じない強度で係合できるだけの十分なハトメ部119の高さが必要であり、しかも、抵抗体120をスクリーン印刷法で形成するためにハトメ部119の先端は絶縁基板114の上面から突出してはならないという制限がある。また、摺接子117をハトメ部119に係合させてカシメる際や、抵抗値調整時のドライバによる回転操作の際にかかる機械的ストレスに耐えられるに十分な絶縁基板114の厚みが必要である。
【0005】
以上の各々の要因により、従来の可変抵抗器110は、絶縁基板114の薄型化が困難であり、市場の低背化への要求に充分に対応することができないという問題点があった。
【特許文献1】特開平7−86001号公報
【特許文献2】特開平3−270103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、低背化が可能で、かつ、低コストの回転操作型電子部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明に係る回転操作型電子部品は、
(a)略円弧状の抵抗体又は略円弧状の導体を表面に設けた可撓性の絶縁基板と、
(b)絶縁基板に接合した金属製補強板と、
(c)金属製補強板に回転自在に取り付けられた金属製摺接子とを備え、
(d)金属製摺接子は、抵抗体上又は導体上を摺接する接点アーム部及び該接点アーム部を支持する皿状部からなる本体と、工具によって回転操作されるドライバプレートとが重ね合わされた構成を有し、
(e)金属製補強板は、金属製摺接子と係合して金属製摺接子を絶縁基板上に回転自在に保持するための円筒軸と、可変側電極とを有していること、
を特徴とする。
【0008】
ここに、金属製補強板と可変側電極は一体成形物であることが好ましい。また、絶縁基板の厚みは0.1mm以下であることが好ましい。
【0009】
また、絶縁基板が金属製補強板の上面に接合されるとともに、絶縁基板の縁部上面に固定側電極が設けられ、該固定側電極を設けた部分の絶縁基板が金属製補強板の外周側面から下面に折り返して重ね合わせられていてもよい。この場合、可変側電極の先端部を折り返して重ね合わせ、可変側電極の実装面と固定側電極の実装面を略同一平面状に揃えることが好ましい。
【0010】
また、可変側電極の先端部を折り返して重ね合わせるとともに、金属製補強板の外周側面から下面に折り返して重ね合わせられている絶縁基板の固定側電極を覆うようにコ字形金属端子が設けられ、可変側電極の実装面とコ字形金属端子の実装面を略同一平面状に揃えてもよい。
【0011】
また、絶縁基板が金属製補強板の上面に接合されるとともに、絶縁基板の縁部にコ字形金属端子からなる固定側電極を設けるようにしてもよい。
【0012】
さらに、絶縁基板の固定側電極が設けられた側とは反対側の縁部が金属製補強板の先端よりも突出していてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、可撓性の絶縁基板を使用しているので、機械的ストレスがかかっても、割れやクラックが生じにくい。一方、金属製補強板は撓みにくく、機械的ストレスに強いので、絶縁基板の厚みを薄くすることが可能となる。その結果、低背化が達成され、低コストの回転操作型電子部品が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明に係る回転操作型電子部品の実施例について添付図面を参照して説明する。
【0015】
(第1実施例、図1〜図5参照)
図1及び図2はそれぞれ可変抵抗器1の外観斜視図及び断面図である。この可変抵抗器1は、可撓性の絶縁基板2と、絶縁基板2に接合した金属製補強板3と、金属製補強板3に回転自在に取り付けられた金属製摺接子6とで構成されている。
【0016】
図3及び図4に示すように、絶縁基板2は、ポリイミドなどからなる可撓性を有する2枚の絶縁性フィルム2a,2bの間に、所定のパターンを有する一対の導体膜2c,2dを配設したものである。絶縁基板2の総厚みは、例えば0.1mm以下に設定される。
【0017】
導体膜2cは、後述の抵抗体5の一方の端部に電気的に接続するための接続電極23と、固定側電極33とを有している。そして、これらの電極23,33は絶縁性フィルム2aから露出している。導体膜2dも同様に、抵抗体5の他方の端部に電気的に接続するための接続電極24と、固定側電極34とを有している。そして、これらの電極24,34は絶縁性フィルム2aから露出している。固定側電極33,34の表面は、はんだ付け性が良好な金めっきなどの表面処理が施されている。この導体膜2c,2dは、金属箔をエッチングする方法、物理的蒸着法、化学的蒸着法、導電ペーストを印刷して焼き付ける方法などで形成される。
【0018】
絶縁基板2の所定の位置には穴25が設けられ、さらに、絶縁基板2の上面には、接続電極23,24を覆うようにカーボン等よりなる抵抗体5が穴25を中心に略円弧状に塗布され、焼き付けられて形成されている。これによって、固定側電極33,34と抵抗体5とが電気的に導通している。なお、この抵抗体5は物理的蒸着や化学的蒸着による金属薄膜によって構成してもよい。
【0019】
図2及び図3に示すように、金属製補強板3は、金属製摺接子6と係合して金属製摺接子6を絶縁基板2上に回転自在に保持するための円筒軸28と、可変側電極44とを有した一体物である。金属製補強板3は良好な導電性とバネ特性とを持つ金属からなり、例えば銅合金、ステンレス鋼または貴金属系合金などの薄板が使用される。金属製補強板3は一枚の金属板をプレスで打ち抜き加工及び絞り加工することによって形成される。
【0020】
絶縁基板2と金属製補強板3は以下のようにして組み付けられる。即ち、絶縁基板2の穴25に金属製補強板3の円筒軸28を挿通させた後、絶縁基板2を金属製補強板3の上面に接着剤などにより固着させる。さらに、絶縁基板2の固定側電極33,34を設けた側の縁部を、金属製補強板3の外周側面から下面に折り返して重ね合わせ、接着剤などで固着させる。これにより、固定側電極33,34を金属製補強板3の側面及び下面に低コストで形成することができる。
【0021】
また、可変抵抗器は一般的に、自動実装装置の吸引部に真空吸着されてプリント基板に実装される。しかし、本実施例の場合、金属製補強板3の円筒軸28の穴29を塞ぐように絶縁基板2を金属製補強板3の下面に接着剤などで固着させることにより、真空吸着時の円筒軸28の穴29からのエアー漏れを防ぐことができ、吸着力が向上する。
【0022】
また、絶縁基板2の固定側電極33,34が設けられた側とは反対側の縁部は、金属製補強板3の先端、即ち可変側電極44よりも突出している。これにより、可変側電極44がプリント基板にはんだ実装される際に、はんだに含まれるフラックスが絶縁基板2の上面に設けた抵抗体5に付着するのを防止することができる。抵抗体5にフラックスが付着すると、摺接子6と抵抗体5との間にフラックスが介在してしまうおそれがあり、その場合、摺接子6と抵抗体5の接触抵抗が増大し、抵抗値の設定が困難になる。
【0023】
可変側電極44は、その先端部が折り返され、重ねられている。これにより、可変側電極44の実装面と固定側電極33,34の実装面を略同一平面状に揃えることができ、表面実装に適した可変抵抗器1となる。固定側電極33,34及び可変側電極44は、プリント基板などへのはんだ付け部である。可変側電極44の表面は、はんだ付け性が良好な金めっきや錫めっきなどの表面処理が施されている。
【0024】
図5に示すように、摺接子6は、環状の上面部であるドライバプレート6aと、ドライバプレート6aの外縁部から点線Lに沿って裏面側へ折り畳まれる皿状部6cと、皿状部6cの折り畳み部と反対側の外周縁部に形成された半円弧状の接点アーム部6dとを有している。この摺接子6は一枚の金属板をプレスで打ち抜き加工及び絞り加工することによって形成される。
【0025】
ドライバプレート6aの中央部には、ドライバなどの工具によって回転操作される十字状の係合穴(調整穴)6bが形成されている。接点アーム部6dはばね性を有し、凸状の接点部6fを中央部に設けている。この接点部6fは、絶縁基板2の抵抗体5上に弾性的に接触し、摺動する。
【0026】
皿状部6cの中央部には、金属製補強板3の円筒軸28に係合する係合穴6gが形成され、この係合穴6gを金属製補強板3の円筒軸28に挿通させた後、円筒軸28の先端を外開き状にカシメることで、摺接子6は絶縁基板2に回転自在に取り付けられる。
【0027】
摺接子6は良好な導電性とバネ特性とを持つ金属からなり、例えば銅合金、不錆鋼または貴金属系合金などの薄板が使用される。
【0028】
可変抵抗器1の抵抗値を変化させるには、例えばプラスドライバの先端部を係合穴6bに挿入させて摺接子6を回す。これにより、固定側電極33(または34)と可変側電極44の間の抵抗値を変える。
【0029】
こうして得られた可変抵抗器1は、可撓性の絶縁基板2を使用しているので、機械的ストレスがかかっても、絶縁基板2に割れやクラックが生じにくい。一方、金属製補強板3は撓みにくく、機械的ストレスに強いので、絶縁基板2の厚みを薄くすることができる。その結果、低背化が達成され、低コストの可変抵抗器1が得られる。
【0030】
(第2実施例、図6〜図8参照)
図6は、第2実施例の可変抵抗器51の断面図である。この可変抵抗器51は、可撓性の絶縁基板2と、絶縁基板2に接合した金属製補強板3と、金属製補強板3に回転自在に取り付けられた金属製摺接子6とで構成されている。なお、金属製摺接子6は前記第1実施例と同様のものであり、その詳細な説明は省略する。
【0031】
図7及び図8に示すように、絶縁基板2は、前記第1実施例と同様に、ポリイミドなどからなる可撓性を有する2枚の絶縁性フィルム2a,2bの間に、所定のパターンを有する一対の導体膜2c,2dを配設したものである。絶縁基板2の総厚みは、例えば0.1mm以下に設定される。
【0032】
導体膜2cは、抵抗体5の一方の端部に電気的に接続するための接続電極23と、固定側電極33(図7及び図8においては図示せず)とを有している。そして、これらの電極23,33は絶縁性フィルム2aから露出している。導体膜2dも同様に、抵抗体5の他方の端部に電気的に接続するための接続電極24と、固定側電極34とを有している。そして、これらの電極24,34は絶縁性フィルム2aから露出している。固定側電極33,34の表面は、はんだ付け性が良好な金めっきなどの表面処理が施されている。
【0033】
絶縁基板2の所定の位置には穴25が設けられ、さらに、絶縁基板2の上面には、接続電極23,24を覆うようにカーボン等よりなる抵抗体5が穴25を中心に略円弧状に塗布され、焼き付けられて形成されている。これによって、固定側電極33,34と抵抗体5とが電気的に導通している。
【0034】
金属製補強板3は、金属製摺接子6と係合して金属製摺接子6を絶縁基板上に回転自在に保持するための円筒軸28と、可変側電極44とを有した一体物である。可変側電極44は、その先端部が折り返されて重ねられている。
【0035】
絶縁基板2と金属製補強板3は以下のようにして組み付けられる。即ち、絶縁基板2の穴25に金属製補強板3の円筒軸28を挿通させた後、絶縁基板2を金属製補強板3の上面に接着剤などにより固着させる。さらに、絶縁基板2の固定側電極33,34を設けた側の縁部を、金属製補強板3の外周側面から下面に折り返して重ね合わせ、接着剤などで固着させる。
【0036】
ここで、可変抵抗器51は、絶縁基板2の厚みが極めて薄いために、可変側電極44の実装面と固定側電極33,34の実装面が同一平面状に揃っていない。そこで、その折り返し部分に被せるようにコ字形状の固定側金属端子53,54を挿入し、はんだ付けもしくは熱圧着などにより固定側電極33,34に固着させる。これにより、可変側電極44の実装面と固定側金属端子53,54の実装面を略同一平面状に揃えることができ、表面実装に適した可変抵抗器51となる。
【0037】
また、絶縁基板2の固定側金属端子53,54が設けられた側とは反対側の縁部は、金属製補強板3の先端、即ち可変側電極44よりも後退している。
【0038】
以上の構成からなる可変抵抗器51は前記第1実施例の可変抵抗器1と同様の作用効果を奏する。
【0039】
(第3実施例、図9参照)
図9は、第3実施例の可変抵抗器61の断面図である。この可変抵抗器61は、可撓性の絶縁基板2と、絶縁基板2に接合した金属製補強板3と、金属製補強板3に回転自在に取り付けられた金属製摺接子6とで構成されている。なお、金属製摺接子6は前記第1実施例と同様のものであり、その詳細な説明は省略する。
【0040】
絶縁基板2は、図9には図示されていないが、前記第1実施例と同様に、ポリイミドなどからなる可撓性を有する2枚の絶縁性フィルム2a,2bの間に、所定のパターンを有する一対の導体膜2c,2dを配設したものである。絶縁基板2の総厚みは、例えば0.1mm以下に設定される。
【0041】
導体膜2cは、抵抗体5の一方の端部に電気的に接続するための接続電極23と、固定側電極33(図9においては図示せず)とを有している。そして、これらの電極23,33は絶縁性フィルム2aから露出している。導体膜2dも同様に、抵抗体5の他方の端部に電気的に接続するための接続電極24と、固定側電極34とを有している。そして、これらの電極24,34は絶縁性フィルム2aから露出している。固定側電極33,34の表面は、はんだ付け性が良好な金めっきなどの表面処理が施されている。
【0042】
絶縁基板2の所定の位置には穴25が設けられ、さらに、絶縁基板2の上面には、接続電極23,24を覆うようにカーボン等よりなる抵抗体5が穴25を中心に略円弧状に塗布され、焼き付けられて形成されている。これによって、固定側電極33,34と抵抗体5とが電気的に導通している。
【0043】
金属製補強板3は、金属製摺接子6と係合して金属製摺接子6を絶縁基板上に回転自在に保持するための円筒軸28と、可変側電極44とを有している。
【0044】
絶縁基板2と金属製補強板3は以下のようにして組み付けられる。即ち、絶縁基板2の穴25に金属製補強板3の円筒軸28を挿通させた後、絶縁基板2を金属製補強板3の上面に接着剤などにより固着させる。絶縁基板2の固定側電極33,34を設けた側の縁部63は、金属製補強板3の外周側面から突出している。次に、その縁部63に被せるようにコ字形状の固定側金属端子53,54を挿入し、はんだ付けもしくは熱圧着などにより固定側電極33,34に固着させる(固定側金属端子53は図9において図示せず)。これにより、固定側金属端子53,54は金属製補強板3に接触しない構造になっている。
【0045】
また、絶縁基板2の固定側金属端子53,54が設けられた側とは反対側の縁部64は、金属製補強板3の先端、即ち可変側電極44から突出している。
【0046】
以上の構成からなる可変抵抗器61は前記第1実施例の可変抵抗器1と同様の作用効果を奏する。
【0047】
(第4実施例、図10参照)
第4実施例はロータリスイッチとして構成したものである。このロータリスイッチは、可撓性の絶縁基板と、該絶縁基板に接合した金属製補強板と、金属製補強板に回転自在に取り付けられた金属製摺接子とで構成されている。図10はロータリスイッチの絶縁基板72の平面図である。なお、金属製摺接子及び金属製補強板は前記第1実施例と同様のものであり、その詳細な説明は省略する。
【0048】
絶縁基板72は、図10には図示されていないが、前記第1実施例と同様に、ポリイミドなどからなる可撓性を有する2枚の絶縁性フィルムの間に、所定のパターンを有する一対の導体膜2c,2dを配設したものである。絶縁基板72の総厚みは、例えば0.1mm以下に設定される。
【0049】
導体膜2cは、後述のスイッチ電極75の端部に電気的に接続している。導体膜2dも同様に、スイッチ電極76の端部に電気的に接続している。そして、これらの導体膜2c、2dは絶縁性フィルムから露出している。
【0050】
絶縁基板72の所定の位置には穴25が設けられ、さらに、絶縁基板72の上面には、導電ペーストもしくは面積抵抗の低いカーボンペースト等を塗布、焼き付けしてなるスイッチ電極75,76が穴25を中心に略円弧状に形成されている。スイッチ電極75,76はそれぞれ導体膜2c、2dに電気的に導通している。
【0051】
以上の構成からなるロータリスイッチは、摺接子を回すことにより、摺接子の接点部をスイッチ電極75に接触させたり、あるいはスイッチ電極76に接触させて電気の流れを切り替える。
【0052】
また、スイッチ電極75またはスイッチ電極76のいずれか一方を省略した場合には、摺接子の接点部がスイッチ電極に接触したときに電気が流れ、接点部がスイッチ電極に接触しないときに電気が流れないスイッチ、即ちON/OFFスイッチとして機能させることができる。
【0053】
(他の実施形態)
なお、本発明に係る回転操作型電子部品は前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
【0054】
例えば、導体膜2c、2dは前記実施例のように部分的に絶縁性フィルム2aから露出しているものに限らず、全体が絶縁性フィルム2aから露出しているものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る回転操作型電子部品の第1実施例を示す外観斜視図。
【図2】図1のII−II断面図。
【図3】図1に示した絶縁基板の平面図。
【図4】図3のIV−IV断面図。
【図5】図1に示した摺接子の展開平面図。
【図6】本発明に係る回転操作型電子部品の第2実施例を示す断面図。
【図7】図6に示した絶縁基板の平面図。
【図8】図7のVIII−VIII断面図。
【図9】本発明に係る回転操作型電子部品の第3実施例を示す断面図。
【図10】本発明に係る回転操作型電子部品の第4実施例の絶縁基板を示す平面図。
【図11】従来の回転操作型電子部品を示す断面図。
【符号の説明】
【0056】
1,51,61…可変抵抗器
2,72…絶縁基板
3…金属製補強板
5…抵抗体
6…摺接子
28…円筒部
33,34…固定側電極
44…可変側電極
54…金属端子
75,76…スイッチ電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略円弧状の抵抗体又は略円弧状の導体を表面に設けた可撓性の絶縁基板と、
前記絶縁基板に接合した金属製補強板と、
前記金属製補強板に回転自在に取り付けられた金属製摺接子とを備え、
前記金属製摺接子は、前記抵抗体上又は導体上を摺接する接点アーム部及び該接点アーム部を支持する皿状部からなる本体と、工具によって回転操作されるドライバプレートとが重ね合わされた構成を有し、
前記金属製補強板は、前記金属製摺接子と係合して金属製摺接子を前記絶縁基板上に回転自在に保持するための円筒軸と、可変側電極とを有していること、
を特徴とする回転操作型電子部品。
【請求項2】
前記金属製補強板と前記可変側電極は一体成形物であることを特徴とする請求項1に記載の回転操作型電子部品。
【請求項3】
前記絶縁基板が前記金属製補強板の上面に接合されるとともに、前記絶縁基板の縁部上面に固定側電極が設けられ、該固定側電極を設けた部分の絶縁基板が前記金属製補強板の外周側面から下面に折り返して重ね合わせられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転操作型電子部品。
【請求項4】
前記可変側電極の先端部を折り返して重ね合わせ、前記可変側電極の実装面と前記固定側電極の実装面を略同一平面状に揃えたことを特徴とする請求項3に記載の回転操作型電子部品。
【請求項5】
前記可変側電極の先端部を折り返して重ね合わせるとともに、前記金属製補強板の外周側面から下面に折り返して重ね合わせられている絶縁基板の固定側電極を覆うようにコ字形金属端子が設けられ、前記可変側電極の実装面と前記コ字形金属端子の実装面を略同一平面状に揃えたことを特徴とする請求項3に記載の回転操作型電子部品。
【請求項6】
前記絶縁基板が前記金属製補強板の上面に接合されるとともに、前記絶縁基板の縁部にコ字形金属端子からなる固定側電極が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転操作型電子部品。
【請求項7】
前記絶縁基板の厚みが0.1mm以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の回転操作型電子部品。
【請求項8】
前記絶縁基板の固定側電極が設けられた側とは反対側の縁部が前記金属製補強板の先端よりも突出していることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の回転操作型電子部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−302784(P2006−302784A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−125802(P2005−125802)
【出願日】平成17年4月22日(2005.4.22)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】