説明

回転機器用ローターの挿し込み・引き抜き方法および装置

【課題】大型回転機器のステーターに対するローターの挿し込み・引き抜き作業を、ローターがステーターに接触するローター接触事故を起すことなく短時間にかつ容易に行うことができる、回転機器用ローターの挿し込み・引き抜き方法および装置を提供する。
【解決手段】大型発電機Gのステーター1に対するローター2の挿し込み・引き抜き方法において、発電機Gと正対する固定梁4と発電機Gとの間にセンターホールジャッキ5のストランド6を水平に張り渡し、センターホールジャッキ5のジャッキ本体9をローター2に固定し、ジャッキ本体9をストランド6をガイドとして、ストランド6に沿って間歇移動させ、かくして、天井クレーンによりローター2を吊り下げながらステーター1に対してローター2を挿し込みあるいは引き抜く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、回転機器用ローターの挿し込み・引き抜き方法および装置、特に、大型回転機器のステーターに対するローターの挿し込み・引き抜き作業を、ローターがステーターに接触するローター接触事故を起すことなく短時間にかつ容易に行うことができる、回転機器用ローターの挿し込み・引き抜き方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、火力発電所に設置された大型発電機のローターの長さは、その直径に比べて大幅に長く、しかも、ステーターとの間の間隔も狭い。従って、発電機の新設時あるいは保守点検時における、ステーターに対するローターの挿し込み・引き抜き作業は、ローター接触事故が起こらないように、きわめて慎重に行う必要がある。
【0003】
そこで、特許文献1(特開2000−232756号公報)には、ステーターに対するローターの挿し込み・引き抜き作業を、ローター接触事故を起すことなく短時間にかつ容易に行うことを目的として提案された、ローターの挿し込み・引き抜き方法の一例が開示されている。以下、このローターの挿し込み・引き抜き方法を従来方法といい、図面を参照しながら説明する。
【0004】
図5(a)から(d)は、従来方法によるステーター内へのローターの引き抜き工程を示す断面図であり、(a)は、天井クレーンによりローターを引き抜き可能な限界位置まで吊り上げた状態を示す図、(b)は、チェーンブロックによるローターの引き抜き開始状態を示す図、(c)は、チェーンブロックによるローターの引き抜きを終了し、天井クレーンによるローターの引き抜き開始状態を示す図、(d)は、天井クレーンによるローターの引き抜き終了状態を示す図である。
【0005】
図6は、従来方法によるステーター内へのローターの挿し込み状態を示す平面図である。
【0006】
図5および図6において、21は、発電機Gのステーター、22は、発電機Gのローター、23は、発電機Gの上方に設置された天井クレーン(吊り部分のみ図示)、24は、ローター22をワイヤー26を介して水平移動させるチェーンブロックである。ワイヤー26は、ローター22の引き抜き側端部と固定梁25との間に水平に張り渡されている。
【0007】
従来方法によりステーター21内からローター22を引き抜くには、先ず、図5(a)に示すように、2台の天井クレーン23によりローター22を引き抜き可能な限界位置まで吊り上げる。このようにして、ローター22の両端を吊り上げると、ステーター21内に挿し込まれたローター22とステーター21の間のギャップが広がる。
【0008】
次に、同図(b)に示すように、広がったギャップ内に下敷き板27を挿し込んで、下敷き板27をステーター21面上に敷く。そして、下敷き板27がローター22の引き抜きと共に移動しないように下敷き板27をステーター21に固定する。さらに、広がったギャップ内からローターシュー28を挿し込んで、これをローター22のタービン側(図中、左側)の下面に取り付ける。ローターシュー28は、ローター22のタービン側の荷重を、ローター22を水平に維持した状態で支えるので、タービン側の天井クレーン23をローター22から外すことができる。しかも、ローターシュー28は、下敷き板27上を摺動するので、ローター22の引き抜きが円滑に行える。
【0009】
このようにして、下敷き板27とローターシュー28を取り付け、タービン側の天井クレーン23を外したら、同図(c)に示すように、反タービン側(図中、右側)の天井クレーン23によりローター22を吊り上げた状態で、チェーンブロック24を操作して、ローターシュー28がステーター21から外れる限界まで、ステーター21内からローター22を引き抜く。
【0010】
このようにして、ローター22をローターシュー28がステーター21から外れる限界まで引き抜いたら、同図(d)に示すように、別の天井クレーン23によりローター22を吊り下げ、天井クレーン23によりローター22をステーター21から完全に引き抜く。
【0011】
従来方法によれば、上述のようにして、ローター22をステーター21内からを引き抜くことができる。
【0012】
一方、従来方法によりステーター21内にローター22を挿し込むには、図6に示すように、ステーター21の反タービン側のケーシング30に滑車29を取り付け、ワイヤー26をローター22の引き抜き側端部と固定梁25との間に、滑車29およびチェーンブロック24を介して張り渡す。そして、ローター22を天井クレーンで吊り上げた状態で、チェーンブロック24を操作することによって、ローター22をステーター21内に挿し込むことができる。ローター22の挿し込みに際しても、ローター22の引き抜き時と同様に、下敷き板27とローターシュー28を取り付けることはいうまでもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2000−232756号公報
【特許文献2】特許第2828430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述した従来方法によれば、天井クレーン23とチェーンブロック24を操作することによって、ステーター21に対するローター22の挿し込み・引き抜き作業を行うことができるが、以下のような問題があった。
【0015】
(1)ローター22を真っ直ぐに水平移動させるためのガイドがないので、ローター接触事故を起すおそれがある。
【0016】
(2)ローター22の挿し込み・引き抜き作業にチェーンブロック24を使用するので、作業負担が大きく、しかも、時間がかかる。
【0017】
(3)チェーンブロック24の操作停止時のワイヤ26の緩みによるローター接触事故を起すおそれがある。
【0018】
(4)ローター22の挿し込み時に、ワイヤー26の向きを反転させる滑車29をステーター21のケーシングに取り付ける必要があるので、これに時間と手間を要する。
【0019】
(5)ローター22の挿し込み・引き抜き作業は、チェーンブロック24の操作と天井クレーン23の走行速度とを相互に調整しながら行う必要があるが、この調整に熟練と技量が要求される。
【0020】
従って、この発明の目的は、火力発電所に設置された大型発電機等の回転機器のステーターに対するローターの挿し込み・引き抜き作業を、ローターがステーターに接触するローター接触事故を起すことなく短時間にかつ容易に行うことができる、回転機器用ローターの挿し込み・引き抜き方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
この発明は、上記目的を達成するためになされたものであって、下記を特徴とするものである。
【0022】
[1] 回転機器のステーターに対するローターの挿し込み・引き抜き方法において、前記回転機器と正対する固定梁と前記回転機器との間にセンターホールジャッキのストランドを水平に張り渡し、前記センターホールジャッキのジャッキ本体を前記ローターに固定し、前記ジャッキ本体を前記ストランドをガイドとして、前記ストランドに沿って間歇移動させ、かくして、天井クレーンにより前記ローターを吊り下げながら前記ステーターに対して前記ローターを挿し込みあるいは引き抜くことに特徴を有するものである。
【0023】
[2] [1]に記載の発明において、前記ジャッキ本体同士を連結材により連結した、2台の前記センターホールジャッキを使用し、前記連結材に前記ローターを固定し、2台の前記センターホールジャッキのジャッキ本体をそれぞれ同期して間歇移動させることに特徴を有するものである。
【0024】
[3] 回転機器のステーターに対するローターの挿し込み・引き抜き装置において、前記回転機器と正対する固定梁と前記回転機器との間に設置されたセンターホールジャッキと、前記ローターを吊り下げる天井クレーンとからなり、前記センターホールジャッキのストランドは、前記固定梁と前記回転機器との間に水平に張り渡され、前記センターホールジャッキのジャッキ本体は、前記ローターに固定され、前記ジャッキ本体は、前記ストランドをガイドとして、前記ストランドに沿って間歇移動し、かくして、前記ローターは、前記天井クレーンにより吊り下げられながら前記ステーターに対して挿し込みあるいは引き抜かれることに特徴を有するものである。
【0025】
[4] [3]に記載の発明において、前記ジャッキ本体同士が連結材により連結された、2台の前記センターホールジャッキからなり、前記ローターは、前記連結材に固定され、2台の前記センターホールジャッキのジャッキ本体は、それぞれ同期して間歇移動することに特徴を有するものである。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、以下のような効果がもたらされる。
【0027】
(a)センターホールジャッキを使用してステーターに対するローターの挿し込み・引き抜き作業を行うので、作業負担が少なく、ローターの挿し込み・引き抜き作業が容易に行える。
【0028】
(b)センターホールジャッキのストローク制御およびストランドに沿うジャッキ本体の移動制御は、リニアエンコーダにより厳密に行えるので、天井クレーンの走行とジャッキ本体の移動との調整は、特別な経験と技量を必要とすることなく容易に行える。従って、ローター接触事故を起すおそれがない。
【0029】
(c)センターホールジャッキのストランドがローターを真っ直ぐに水平移動させるためのガイドとなるので、この点でもローター接触事故を起すおそれがない。
【0030】
(d)ストランドは、予め緩みが生じないように張り渡せるので、ストランドの緩みによるローター接触事故を起すおそれはない。
【0031】
(e)ローターを引き抜いた後のローターの挿し込み作業は、センターホールジャッキのジャッキ本体の移動方向を単に反転させるのみで良いので、ローターの挿し込み・引き抜き作業が容易かつ短時間に行える。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明の回転機器用ローターの挿し込み・引き抜き装置を発電機に設置した状態を示す平面図である。
【図2】この発明の回転機器用ローターの挿し込み・引き抜き装置を発電機に設置した状態を示す側面図である。
【図3】この発明の回転機器用ローターの挿し込み・引き抜き装置によるローターの引き抜き工程を示す側面図であり、(a)は、ローターの引き抜き開始時の状態を示す図、(b)は、センターホールジャッキによりローターを引き抜き限界まで引き抜いた状態を示す図、(c)は、センターホールジャッキにより引き抜き限界まで引き抜いたローターを天井クレーンにより吊り上げた状態を示す図、(d)は、天井クレーンによりローターをステーター内から完全に引き抜いた状態を示す図である。
【図4】この発明の回転機器用ローターの挿し込み・引き抜き装置によるローターの挿し込み工程を示す側面図であり、(a)は、天井クレーンによりローターの先端部をステーター内に挿入した状態を示す図、(b)は、天井クレーンによりローターを吊り下げながらセンターホールジャッキによりローターをステーター内に挿入する状態を示す図、(c)は、ローターをステーター内に完全に挿入した状態を示す図である。
【図5】従来方法によるステーター内へのローターの引き抜き工程を示す断面図であり、(a)は、天井クレーンによりローターを引き抜き可能な限界位置まで吊り上げた状態を示す図、(b)は、チェーンブロックによるローターの引き抜き開始状態を示す図、(c)は、チェーンブロックによるローターの引き抜きを終了し、天井クレーンによるローターの引き抜き開始状態を示す図、(d)は、天井クレーンによるローターの引き抜き終了状態を示す図である。
【図6】従来方法によるステーター内へのローターの挿し込み状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
この発明の回転機器用ローターの挿し込み・引き抜き装置の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。なお、この例では、回転機器は、発電機である。
【0034】
図1は、この発明の回転機器用ローターの挿し込み・引き抜き装置を発電機に設置した状態を示す平面図、図2は、この発明の回転機器用ローターの挿し込み・引き抜き装置を発電機に設置した状態を示す側面図である。
【0035】
図1および図2において、1は、発電機Gのステーター、2は、発電機Gのローター、3は、発電機Gの上方に設置された天井クレーン、4は、発電機Gと正対して設置された固定梁、5は、発電機Gと固定梁4との間に設置された2台のセンターホールジャッキである。なお、センターホールジャッキ5は、2台に限定されない。
【0036】
2台のセンターホールジャッキ5の各ストランド6は、固定梁4と発電機Gのケーシング7との間にチェーンブロック8により水平にかつ緩みなく張り渡されている。2台のセンターホールジャッキ5の各ジャッキ本体9は、床面(S)上をローター2の引き抜きと共に走行する台車10上に固定されている。ジャッキ本体9同士は、連結材11により一体的に連結され、連結材11の中央部にローター2の引き抜き側端部が固定されている。連結材11により連結されたジャッキ本体9は、互いに同期してストランド6に沿って間歇移動する。
【0037】
なお、センターホールジャッキ5は、例えば、特許文献2(特許第2828430号公報)に開示されたものを使用することができ、概略、以下のように構成されている。
【0038】
ストランド6を把持および開放する左側および右側クランプとシリンダとを備え、例えば、左側クランプによりストランド6を把持し、この後、右側クランプによるストランド6の把持を解除し、この状態でシリンダを伸ばして、ジャッキ本体9をシリンダのストローク分だけ移動させ、次に、右側クランプによりストランド6を把持し、左側クランプによるストランド6の把持を解除してシリンダを縮め、この後、左側クランプによりストランド6を把持し、次に、右側クランプによるストランド6の把持を解除し、この状態でシリンダを伸ばして、ジャッキ本体9をシリンダのストローク分だけさらに移動させる。この操作を繰り返し行ってジャッキ本体9をストランド6に沿って水平移動させるものである。ジャッキ本体9を反対方向に移動させるには、上記と逆の操作を行う。
【0039】
以上のように構成されている、この発明の回転機器用ローターの挿し込み・引き抜き装置によるローターの挿し込み・引き抜き方法について説明する。
【0040】
この発明によりローターをステーター内から引き抜くには、先ず、従来方法と同様に、天井クレーンによりローター2の両端を吊り上げ、これにより広がったローター2とステーター1の間のギャップから下敷き板(図示せず)を挿し込んで、下敷き板をステーター1面上に敷き、下敷き板がローター2の引き抜きと共に移動しないように下敷き板をステーター1に固定する。さらに、広がったギャップ内からローターシュー(図示せず)を挿し込んで、これをローター2のタービン側(図中、左側)の下面に取り付ける。ローターシューは、ローター2のタービン側の荷重を、ローター2を水平に維持した状態で支えるので、タービン側の天井クレーンをローター2から外すことができる。しかも、ローターシューは、下敷き板上を摺動するので、ローター2の引き抜きが円滑に行える。
【0041】
このようにして、下敷き板とローターシューを取り付け、タービン側の天井クレーンを外したら、図3(a)に示すように、ローター2の反タービン側(図中、右側)端部を、2台のセンターホールジャッキ5のジャッキ本体9を連結している連結材11に固定する。なお、この時に、ローター2のタービン側端部の下面に支持ブロック12を取り付けておく。支持ブロック12は、ローター2の太径部がステーター1内から引き抜かれた際に、ステーター1面に当接することによって、ローター2の水平状態を維持するものである。
【0042】
次に、図3(b)に示すように、センターホールジャッキ5を操作して、天井クレーン3によりローター2を吊りながらローター2をステーター1内から引き抜く。チェーンブロック8によって緩みなく水平に張り渡したストランド6は、チェーンブロック8により初期展張されているので、ジャッキ本体9が動作してもストランド6が緩むことはない。従って、ジャッキ本体9は、ストランド6をガイドとして水平に移動するので、ローター接触事故を起すおそれはない。しかも、天井クレーン3の走行とジャッキ本体9の移動との調整は、センターホールジャッキ5のストローク制御がリニアエンコーダにより厳密に行えるので、正確に行うことができる。従って、この点でもローター接触事故を起すおそれはない。また、センターホールジャッキ5の使用によって、従来方法に比べて作業負担が大幅に軽減される。なお、ジャッキ本体9の移動は、台車10を介して円滑に行われる。
【0043】
ローター2の太径部がステーター1内から引き抜かれたら、支持ブロック12がステーター1面に当接するので、ローター2は、水平状態を維持することができる。
【0044】
なお、センターホールジャッキ5のシリンダーを縮めて戻す動作の間に天井クレーン3を操作することによって、ローター2の引き抜き作業に支障は来たさない。ローター2の挿し込みの場合も同様である。
【0045】
次に、図3(c)に示すように、ローター2を別な天井クレーン3により吊り下げ、ジャッキ本体9をローター2の反タービン側端部から引き離す。
【0046】
次に、図3(d)に示すように、天井クレーン3のみによってローター2を水平移動させて、ステーター1内から完全に引き出す。
【0047】
この発明によれば、上述のようにして、ローター2をステーター1内からを引き抜くことができる。
【0048】
一方、この発明によりステーター1内にローター2を挿し込むには、図4(a)に示すように、天井クレーン3によってローター2を水平移動させて、ローター2のタービン側端部の支持ブロック12がステーター1内に入り込むまでローター2を挿し込む。
【0049】
このようにして、ローター2の挿し込み側端部がローター2内に挿し込まれたら、図4(b)に示すように、ローター2の反タービン側端部を2台のセンターホールジャッキ5の連結材11に固定し、天井クレーン3によってローター2を吊り下げた状態で、センターホールジャッキ5を操作して、図4(c)に示すように、さらにローター2をステーター1内に挿し込む。
【0050】
この発明によれば、上述のようにして、ローター2をステーター1内に挿し込むことができる。なお、ローター2を引き抜いた後のローター2の挿し込み作業は、センターホールジャッキ5のジャッキ本体9の移動方向を単に反転させるのみで良いので、ローター2の挿し込み作業は、容易かつ短時間に行える。
【符号の説明】
【0051】
1:ステーター
2:ローター
3:天井クレーン
4:固定梁
5:センターホールジャッキ
6:ストランド
7:ケーシング
8:チェーンブロック
9:ジャッキ本体
10:台車
11:連結材
12:支持ブロック
21:ステーター
22:ローター
23:天井クレーン
24:チェーンブロック
25:固定梁
26:ワイヤー
27:下敷き板
28:ローターシュー
29:滑車
30:ケーシング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転機器のステーターに対するローターの挿し込み・引き抜き方法において、
前記回転機器と正対する固定梁と前記回転機器との間にセンターホールジャッキのストランドを水平に張り渡し、前記センターホールジャッキのジャッキ本体を前記ローターに固定し、前記ジャッキ本体を前記ストランドをガイドとして、前記ストランドに沿って間歇移動させ、かくして、天井クレーンにより前記ローターを吊り下げながら前記ステーターに対して前記ローターを挿し込みあるいは引き抜くことを特徴とする、回転機器用ローターの挿し込み・引き抜き方法。
【請求項2】
前記ジャッキ本体同士を連結材により連結した、2台の前記センターホールジャッキを使用し、前記連結材に前記ローターを固定し、2台の前記センターホールジャッキのジャッキ本体をそれぞれ同期して間歇移動させることを特徴とする、請求項1に記載の、回転機器用ローターの挿し込み・引き抜き方法。
【請求項3】
回転機器のステーターに対するローターの挿し込み・引き抜き装置において、
前記回転機器と正対する固定梁と前記回転機器との間に設置されたセンターホールジャッキと、前記ローターを吊り下げる天井クレーンとからなり、前記センターホールジャッキのストランドは、前記固定梁と前記回転機器との間に水平に張り渡され、前記センターホールジャッキのジャッキ本体は、前記ローターに固定され、前記ジャッキ本体は、前記ストランドをガイドとして、前記ストランドに沿って間歇移動し、かくして、前記ローターは、前記天井クレーンにより吊り下げられながら前記ステーターに対して挿し込みあるいは引き抜かれることを特徴とする、回転機器のステーターに対するローターの挿し込み・引き抜き装置。
【請求項4】
前記ジャッキ本体同士が連結材により連結された、2台の前記センターホールジャッキからなり、前記ローターは、前記連結材に固定され、2台の前記センターホールジャッキのジャッキ本体は、それぞれ同期して間歇移動することを特徴とする、請求項3に記載の、回転機器のステーターに対するローターの挿し込み・引き抜き装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−85420(P2012−85420A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228691(P2010−228691)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(000204000)太平電業株式会社 (30)
【Fターム(参考)】