説明

回転継手アセンブリ、ならびに、クリップ−フックの組合せおよびこの組合せを採用した宝飾品

本発明は、一般にショルダーストラップまたはハンドストラップを備えた物品を吊り下げ、またはキーなど他のアクセサリーを携帯するために使用されるクリップとフック(クリップ)の組合せを提供する。この組合せは回転継手を中心に、クリップ全体構造の互いに反対側の2個の回転連結された部分が一緒に向けられて、衣料アイテムまたは部片に付いている他のストラップもしくはループの周りに固定できる連続的な閉じた形状を形成する第1の位置と、構造の2個の部分が閉じた形状から回転して出て、例えば実質的にS字形のフックに入り、構造の一方の部分はアイテムのストラップを支持し、他方の部分は衣料のフック、椅子の背もたれ、テーブル表面、ドア上面、その他の支持部材に適用され得る第2の位置との間で回転可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用ハンドルまたはストラップを有する財布、バッグなどのアイテムで使用するための着脱可能なアクセサリー、より具体的にはバッグなどのための吊り下げフック、ならびに構成要素の姿勢を変更するための可動継手を採用した他のアクセサリーに関する。
【背景技術】
【0002】
フックとクリップは日常生活で普通に使用されるアイテムである。これらは所望するときにアイテムを一緒に固定できる。これらはまたアイテムを吊下げ面から吊り下げて汚れた床やその他の表面上に置くのを避けることもできる。特に所望されるのは財布、バッグ、その他の手提げ/肩掛け私物をまたはその他の表面から持ち上げておくことである。その理由は、このようなアイテムは貴重な中身を含んでいることがあり、しかも汚れやすく高価な材料で作られていることがあるからである。さらにそのようなアイテムや私物を視線の高さまたはその近傍に保持して、盗まれないようにしっかりと監視できることが所望される。財布、バッグ、その他の私物を持ち上げておくことが特に望ましい具体的な状況は、持ち主がレストランやパブに座っているときである。コート掛けや他の金具は衣服を吊るすのに利用できるが、持ち主は通常バッグまたは財布を身近に置いて置くことを好む。しかしそうするための選択肢は限られている。バッグまたは財布を持ち主の脚の下に置くことができるが、汚れやこぼれた液体が付着することになる。代替としてテーブルやカウンター上面に置くことが邪魔になるし、やはりこぼれた液体や食物で汚れる可能性がある。
【0003】
より一般的に、多様なアクセサリーは閉鎖構造の恩恵を受けている。例えば固形ブレスレットや固形ネックレスなどは望ましくは着脱を可能にする開かれた姿勢と、装着者に固定される閉じられた位置を許容する。典型的に、これは繊細なヒンジと面倒な留め金を伴い、これらの多くは壊れやすく、そうでなくとも扱いにくい。
【0004】
したがって、財布、バッグまたはその他の手提げ/肩掛けアイテムを事実上任意の好都合な支持位置に吊り下げることを許容する機構を提供することが望ましい。この機構は使用していないとき簡単に持ち運べ、通常の条件で壊れないように十分頑丈で、魅力的な外観を備えていなければならない。基本的機構のバリエーションは他の機能も実行できなければならず、バッグおよび手提げ/肩掛けアイテムを吊り下げること以外の目的、例えばブレスレットや閉鎖可能な宝飾品として携帯されなければならない。この機構はまた一般に統合された閉鎖およびロックを許容しなければならない。さらに、機構は全体構造を金属、ポリマーなどに限らない多様な材料から構成できるようにしなければならない。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、一般にショルダーストラップまたはハンドストラップを備えた物品を吊り下げ、またはキーなど他のアクセサリーを携帯するために使用されるクリップとフック(クリップ)の組合せ、他の閉鎖可能なアセンブリを提供することによって、先行技術の短所を克服する。これは回転継手を中心にして、クリップ全体構造の互いに反対側の2個の回転連結された部分が一緒に向けられて、衣料アイテムまたは部片(例えばベルト通し)に付いている他のストラップまたはループの周りに固定できる連続的な閉じた形状を形成する第1の位置と、構造の2個の部分が閉じた形状から回転して出て、フック(例えば実質的にS字形のフック)に入り、構造の一方の部分はアイテムのストラップを支持し、他方の部分は衣料のフック、椅子の背もたれ、テーブル上面、ドア上面、その他の支持部材に適用され得る第2の位置との間で回転可能である。別の実施態様において閉じた構造は、閉じた姿勢において装着者の手首、足首、首またはその他の身体部分に固定され、開かれた姿勢においてこれらから取り外される装着可能な宝飾品の部片を規定する。例示的な実施態様において、2個の部分の間の継手はばね負荷された、少なくとも2個の割出し位置を有する回転ピボットアセンブリを規定する。第1の割出し位置は両部分を閉じた姿勢に置き、それらの向き合う自由端(継手端部の反対側)は互いに最小限のギャップで対向する関係に入る。第2の割出し位置は2個の部分を閉じた姿勢と約180度反対側に向け、それによってフックの形成を可能にする。
【0006】
例示的な実施態様において、回転継手は通常埋設されたばねアセンブリによって互いに向かって付勢された、1対の対向する雄形楔/突出面と雌形溝/戻り止め面で構成でき、これらはすべて1本の軸上に配置されている。ばねアセンブリは軸シャフト周りに積み重ねて配置された一連の皿ワッシャー(Belleville washer)を含んでいてもよい。軸シャフトは両部分に設けた同心の円筒孔を通って継手端部を貫通し、継手の片側でねじ山によって固定される小ねじを含むことができる。代替として軸は、一方の端部に拡張された頭部を備え、反対側の端部に取外し可能なクリップを備えたシャフトであってもよい。この実施態様における皿ワッシャーは、軸の両側を隣接させて配置できる。各部分における継手の向き合う端部は、隣接クリップ面に対して連続した外面を提供するように形成された外側キャップ面を有する互いに合致するプラグで蓋されてよい。1対の弾性チップは、両部分間の対向ギャップに隣接して、各部分の向き合う自由端の各々に組み付けることができる。これらのチップは、フックの一方の側または他方の側が支持部材に当てがわれたときに追加のフック端部と摩擦面を提供するように形成でき、各々それぞれの端部から内方に突出して拡張されたフック端部を規定できる。
【0007】
さらに例示的な実施態様において、雄形継手インサートは複数の雄形楔構造を含むことができ、インサートは一方の部分に設けた円形受容凹部内に固定されて、互いに係合する扁平部により当該部分に対して雄形インサートの回転を妨げることができる。反対側のインサートは中空後端部を有することができ、これも向き合う部分の隆起面上の対応する扁平部と係合する扁平部で形成されている。この実施態様では両インサートは円形凹部に完全に着座している。このようにすることにより各々のインサートはそれぞれの部分に対しては回転が妨げられるが、他方の部分に対してはそれぞれ回転できる。こうして一方の部分が他方の戻り止めインサートに対して回転するとき、下に位置するインサートもそれと一緒に回転する。雄形インサートは2個の突出する楔または半球体を含み、雌形戻り止めインサートは2個の溝または受け口からなる。インサート間に加えられたばね付勢力は、所定の回転力を与えることによって克服でき、雄形楔は雌形溝から脱出できる。所望の位置(閉じた姿勢またはフック姿勢)に達すると、楔は溝にぴったり嵌まって係合し、偶然回転しないようにその位置を維持する。
【0008】
一実施態様において、クリップの閉じた姿勢はハート形またはその他の魅力的な幾何学的形状を規定でき、連結された部分はこの形状の鏡像半部を有することができる。別の実施態様において、1部分または両部分の内側縁部は、栓抜きなど有用な道具またはアクセサリーや、ナプキン入れなど有用な包囲形状を含む、多角形の内周輪郭と外周輪郭の鏡像半部を規定できる。この他にもある回転姿勢では包囲体を生み出し、これと反対の姿勢(典型的に共通面上に位置する各々反対の回転姿勢)ではフックを生み出す円形、楕円形など、本質的に任意の形状が考慮されている。別の実施態様において、アクセサリーの内周のサイズは極めて可変であり、宝飾チェーン、ベルト通しなど比較的小さいアイテムにのみ適合する大きさにすることができる。この小型(または大型)バージョンのクリップは1以上のアクセサリー構造と適合できる。例えばキーチェーンアセンブリまたはコンピュータ用メモリスティックである。アクセサリー構造は一方のクリップ部分の縁部に組み付けて、反対側の部分を支持面に掛けたときに取り付けられたアクセサリーがバランスを保つように配置できる。いずれの実施態様面においてもクリップ構造部分の断面形状は可変であり、表面には多様な装飾的デザインを形成できる。
【0009】
他の実施態様において、回転ヒンジ連結された全体構造の第1の部分と第2の部分は全部または一部がポリマー材料から形成されることができる。この実施態様では一体的な(共同成形された)継手アセンブリを採用できる。そのような継手は少ない数の部品で組み立てることが容易である。一実施態様において、この一体的構造の継手は、雄形突出部を有する第1の割出し面と、雌形戻り止めを有する第2の割出し面を含む。継手はさらに第1の部分と第2の部分の各々で、それぞれ一体的な突起アセンブリおよびこれと嵌まり合う一体的凹部を規定する。凹部と突起は、緊密に適合された嵌まり合う円筒であり、合致する円錐形端部を備え、この円錐形端部は軸方向運動の制限を促進する一方、突起アセンブリが完全に凹部内に着座すると軸方向回転を許す。凹部は第1の傾斜面を含み、突起アセンブリは各々第1の傾斜面に対向する第2の傾斜面を有する少なくとも2個の離間した突起を含む。このようにすることにより、第1の部分が第2の部分に対して回転すると、雄形突出部が戻り止めを乗り越えて隣接面に進むので、両部分の間に軸方向応力が発生する。この応力は、第2の傾斜面が第1の傾斜面上に引き寄せられると突起が互いに向かって撓むことにより運動抵抗される。この軸方向応力は、雄形突出部が新しい姿勢に回転して再び戻り止め内に着座すると、割出し面を継手で一緒に合わせる。ポリマー材料は、彫刻面や金属仕上げに限らず多様な表面仕上げを提供する様々な材料で被覆できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ハート形輪郭を示す本発明の実施態様に従うクリップとフック(クリップ)を組み合わせた構造の側面図である。
【図2】例示的なハンドバッグのハンドルストラップに固定して示された図1のクリップ構造の斜視図である。
【図3】S字形フック姿勢に展開された図1のクリップ構造の側面図である。
【図4】例示的なハンドバッグをテーブル上面で支持した図3に示すS字形フック姿勢に展開されたクリップの側面図である。
【図5】本発明の例示的な実施態様に従う回転継手アセンブリを示す図1のクリップ構造の分解図である。
【図6】図1のクリップ構造の組み立てられた回転継手アセンブリ部分断面図である。
【図7】図1のクリップ構造の回転継手に使用する雄形継手インサートと雌形継手インサートの斜視図である。
【図8】本発明によるクリップ構造の代替的な実施態様に従う回転継手インサートを含む回転継手の一部露出した分解斜視図である。
【図9】閉じた姿勢で示す本発明の代替的な実施態様に従う六角形/多角形輪郭を規定するクリップ構造の側面図である。
【図10】S字形フック構成を形成する開いた姿勢で示された図9のクリップ構造の側面図である。
【図11】内周を栓抜きアクセサリーとして使用しているところを示す図9のクリップ構造の部分斜視図である。
【図12】本発明のさらに別の実施態様に従う表面細部を有する多角形クリップを閉じた姿勢で示す側面図である。
【図13】本発明の別の実施態様に従い、閉じた姿勢におけるキーチェーンまたはコンピュータ用メモリチェーンの形をしたアクセサリー構造を含むように整合された代替的な実施態様に従う円形クリップの側面図である。
【図14】支持ペグから吊り下がる図13のクリップ構造を開いた姿勢で示す側面図である。
【図15A】本発明の代替的な実施態様に従う回転継手を採用したブレスレットを閉じた姿勢で示す斜視図である。
【図15B】本発明の代替的な実施態様に従う回転継手を採用したブレスレットを閉じた姿勢で示す平面図である。
【図15C】本発明の代替的な実施態様に従う回転継手を採用したブレスレットを閉じた姿勢で示す正面図である。
【図15D】本発明の代替的な実施態様に従う回転継手を採用したブレスレットを閉じた姿勢で示す側面図である。
【図16】図16は、図15A〜図15Dのブレスレットを開かれた姿勢で示す側面図である。
【図17】本発明の代替的な実施態様に従う回転継手を採用したブレスレットまたはフックの部分横断面図である。
【図18】本発明の代替的な実施態様に従いポリマー材料で作られ、一体的な回転継手を含むクリップ・フック構造の側面図である。
【図19】一体的な回転継手の構成要素を示す図18のクリップ・フック構造の分解斜視図である。
【図20】さらに回転継手の操作要素を示す図18のクリップ・フック構造の回転継手領域の部分斜視図である。
【図21】図18の線21−21で切断された図18のクリップ・フック構造の断面図である。
【図22A】クリップ・フック構造の代替的な形状および/または閉鎖構成をそれぞれ閉じた姿勢と開いた姿勢で示す側面図である。
【図22B】クリップ・フック構造の代替的な形状および/または閉鎖構成をそれぞれ閉じた姿勢と開いた姿勢で示す側面図である。
【図22C】クリップ・フック構造の代替的な形状および/または閉鎖構成をそれぞれ閉じた姿勢と開いた姿勢で示す側面図である。
【図22D】クリップ・フック構造の代替的な形状および/または閉鎖構成をそれぞれ閉じた姿勢と開いた姿勢で示す側面図である。
【図22E】クリップ・フック構造の代替的な形状および/または閉鎖構成をそれぞれ閉じた姿勢と開いた姿勢で示す側面図である。
【図22F】クリップ・フック構造の代替的な形状および/または閉鎖構成をそれぞれ閉じた姿勢と開いた姿勢で示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の例示的な実施態様に従うクリップ・フック構造100の側面図を示す。明らかな通りクリップ・フック構造100(本明細書中では「クリップ」とも呼ぶ)は、各々他方の輪郭形状の実質的鏡像を規定する1対の部分110および120からなる。この実施態様における各部分110、120は、この実施態様における全体的なハート形輪郭の半部をなしている。各クリップ部分110、120は、この実施態様における最大幅WH約50〜60mmと、この実施態様における高さH約70〜90mmを規定している。もちろん代替的な実施態様において実際の幅と高さは極めて可変である。一般に選択された幅と高さは、図示のように閉じたときに、バッグ、手荷物または他の手提げ/肩掛けアイテムのハンドル、ショルダーストラップまたは他の携帯部材を通すのに十分な内側領域130を提供する。また、幅WHは、(以下に説明するように)多様な支持面と係合するために十分大きいフック形状を許容する。
【0012】
各部分110および120の上側(自由)端部140および142は、弾性インサート144および146を含む。このインサートは各端部140および142内に形成されたスロットまたはキー溝によって固定できる。各部分110および120の本体は、様々な仕上げ面を施した多様な材料で作ることができる。一実施態様において、部分110および120はステンレス鋼から作られ、艶消し仕上げまたは光沢仕上げを施す。代替的な実施態様において、部分110および120は全部または一部中空であってもよい。代替として、以下に記載する機能を実行するのに十分な保持強度を提供する限り、耐久性プラスチックまたは他の材料を採用できる。金属から形成されるときは、一実施態様において慣用的な鋳造技術を採用できる。上側/自由端140および142は両端部間に小さいギャップ150を規定した。この実施態様では両端部は互いに連結されておらず、何らかの留め金または他の機構は設けられていない。以下に説明するように、代替的な実施態様において自由端が不注意に回転して閉じた姿勢から出るのを防ぐために留め金またはロック機構を提供できる。
【0013】
図2に示すように、クリップ100は(図1に示すような)閉じた姿勢で慣用的なハンドバッグ220の携帯用ハンドル210の周りに取り付けて持ち運びできる。この姿勢では、それは比較的目立たず、バッグ220に装飾的アクセントを与えている。代替的な構成において、クリップ100は、一般にクリップが不注意に外れるのを防ぐためにベルト通し、ショルダーストラップまたは他の閉じた構造もしくはストラップ構造に取り付けて持ち運びできる。ギャップ150は、ハンドル210または他の携帯部材がすり抜けるのを防ぐために十分狭くなっている(例えば数ミリメートル以下)。
【0014】
再び図1について見ると、本発明の一実施態様に従い、部分110と120の向き合う端部160および162は、それぞれ回転継手170と埋設された割出しアセンブリによって連結されている。この割出しアセンブリについては以下に詳しく説明する。一般に割出しアセンブリは、両部分が図1に示すように閉じた姿勢に維持され、または適当な角度もしくは回転トルクを適用して180度位置に回転させS字形フックを形成するのを許す。
【0015】
次に図3について見ると、クリップ100の部分110、120は回転継手170で、図1の閉じたハート形の姿勢からS字形フック姿勢に180度回転している(両矢曲線310)。その結果生じるフックは、弾性チップ144まで延びた上側アーチを有する内周330を規定する上側部分110を示している。この上側アーチ330は、上側端部を何らかの許容可能な支持面、例えば衣料フック、衣料ハンガー、椅子の背もたれ、ドアまたは浴室区画の上面、壁のペグ/釘、またはテーブル/カウンター上面に、自在に滑らないように掛けることを可能にする。部分120で表されたフックの低い方の端部は、チップ146より下方に突き出た内周340を含んでいる。内周340はこれにより、何らかの許容可能な携帯ハンドルまたは他のループ状構造と係合し、携帯ハンドル/ストラップが滑り落ちるのを防ぐことができる下側フックアーチを提供する。同様に、突出した弾性チップは、フックを与えられた支持面に固定するのを助ける拡張されたフック端部を規定する。
【0016】
こうして図4に従い、クリップ100は図3のS字形フック姿勢に回転すると、バッグ220の図示された携帯用ハンドル210を下側フック端部(部分120)で支持できると同時に、上側フック端部(部分110)は摩擦チップ144でテーブル上面412の縁部410と係合して上面412に支持される。フックはバッグをテーブル上面にある程度しっかり維持する。なぜならば各内周ループ330、340の先端部は重力に対して垂直線430上にあるからである。部分110および120の回転継手170に隣接する部分440および450は、垂直線430に対してほぼ鋭角の余角を通る直線上に延びていることに留意されたい。この構成により、向き合う内周輪210および220は、図示されているように互いに垂直線上に位置することが可能となる。こうしてバッグはテーブル縁部の下方で適切なバランスを保つと同時に、フックはテーブル上面と係合してバランスを保つ。ここに記載する種々の実施態様において、クリップの2個の部分は、2様の反対の姿勢(閉じた姿勢と開いた姿勢/S字形フック)において実質的に共通面上に留まり、バランスを保つのを助けていることに留意されたい。代替的な実施態様において、2個(またはそれ以上)の部分はより複雑な3次元形状で形成できる。この形状は共通面から逸脱するが、同様に実質的に閉じた姿勢と、吊り下げたアイテムを支持面に対して効果的にバランスさせるフックを可能にする。
【0017】
クリップの上側フック端部(部分110)は何らかの許容可能な支持部材に固定できる一方、その下方ではバッグまたはその他の私物をしっかり支えていることは明白であろう。そのような支持部材は衣料ハンガー、コート掛け、ペグ、椅子の背もたれ、ハンドルバー、自動車のハンドグリップ、ドアノブを含むが、これらに限らない。また、代替的な実施態様において部分は全体形状を非対称的に分割でき、および/または全体形状は非対称的であってもよいことにも留意されたい。こうして「部分」という言葉は広く解して、回転継手に対するクリップの全体的な幾何学形状の任意の分割を含むべきである。さらに、追加の継手を提供して、クリップ全体の3個以上の部分を作り出し、各々クリップ形状を複数の異なる構成に変形できるようにすることが可能である。
【0018】
次に、回転ヒンジ170の割出しアセンブリをさらに詳細に示す図5〜図7を参照する。上述したように、回転継手170は2個の直径方向反対(180度)のロック位置を提供し、各々のロック位置は使用者が回転継手170で部分110、120間に適当な大きさの回転トルクを加えることによって選択できる。一方のロック位置は図1に示すように閉じた姿勢を生み出し、他方のロック位置は図3に示すように例示的なS字形フック姿勢を生み出す。それぞれの部分110および120の向き合う継手端部160と162は、1対の割出しインサート510および520の各々を固定するように整合されている。インサート510と520は互いに係合するように整合されている。インサート510は半径方向に配置された1対の雄形楔(突出部)710を含み、反対側のインサート520は1対の対向する雌形溝(戻り止め)720を含んでいる。この実施態様では、継手端部160は重ね合わせた状態でインサート510と520の両方を収容するのに十分深い円筒形凹部または開口部530有している。この実施態様では凹部530の内径DDは約8〜9ミリメートルである。各割出しインサート510、520の外径DIは凹部直径DDに等しいか、それより小さいので、インサート510と520は長手方向/半径方向の遊びがほとんどなく凹部530内に収容できる。雄形/楔インサート510は凹部530の内側の扁平部/ショルダー540と係合するように整合された1対の後方に突出する扁平部740を含んでいる。同様に、反対側の継手端部162はわずかに隆起した基部550を含んでおり、これは雌形/溝インサート520の中空後部内の対応する扁平部750(図7に仮想的に示されている)と係合するように整合された扁平部を備える。インサート扁平部740および750はそれぞれの端部160および162と係合し、それによってインサート510および520が(それぞれ)部分110および120に対して回転するのを制限する。こうして使用者が部分110を継手170で部分120に対して回転させると、インサート510および520は同様に互いに対して回転する。
【0019】
図示されているように、突出部または楔710およびこれと合致する戻り止めまたは溝720は、それぞれ外方と内方に約0.3〜0.4ミリメートル突出している。各インサートの全体的な深さは約1〜3ミリメートルである。この寸法は極めて可変である。インサート510、520は、楔710が雌形/溝インサート520の表面を擦り、また雌形インサートの外面が凹部530の金属面を擦ることによって生み出される摩擦と摩耗を低減できる耐久性材料から作られている。この材料は、ポリオキシメチレン(POM)など高性能ポリマーであってよい。他の材料も明確に考慮される。図7に示すように、楔710と溝もしくは戻り止め720は半径方向外方に広がっている。代替的な実施態様において多様な幾何学形状を使用できる。代替的な実施態様では、雄形および雌形割出し要素は図示された角型形状を呈する代わりに、丸みを帯びていてもよい(例えば図8参照)。
【0020】
各部分110と120の端部160および162に隣接する外壁は、それぞれ外方に面している1対の同心的なポケット560および562を規定する。ポケット560、562は、継手のばね軸アセンブリを挿入できる貫通孔を提供する。この実施態様では、継手の軸は細長い円筒形胴部572と直径がより小さいねじ山端部574とを有する機械加工されたねじ570である。この実施態様では一連のカップ状の鋼製皿ワッシャー576がばねアセンブリを提供する。代替的な実施態様において慣用的な圧縮コイルばねを(他のタイプのばねと並んで)採用できることに留意されたい。ワッシャー576は(部分120の)ポケット562内に形成された外側の円筒形凹部630の内部に着座している。ワッシャー576は軸ねじ570の円筒シャフト572部分の周りに嵌め込まれている。図示されているように、ワッシャー576は互いに向き合ってカップ状になるように向けられており、それによって図示されているように3個の離散的な圧縮ばね部材を提供する。
【0021】
この実施態様では、このばね形状を作り出すために6個のワッシャーが採用されている。代替的な実施態様において、異なるばね力を生み出すために、ワッシャーの数をワッシャーの厚さおよび/またはばね定数と共に変えることができる。軸ねじの頭部580は直径がワッシャー576の内径よりわずかに大きく、これにより頭部680はワッシャーを円筒形凹部630内の狭くされたショルダー640に対して保持することが可能である。軸ねじ570のねじ山端部574は、部分110の反対側端部160内のねじ切り壁650内に締め込まれている。軸ねじ570の円筒形シャフト部572の前方肩部582は、2個の継手端部160と162との間に残るギャップ660を設定および維持するのを助ける。ワッシャー576は締め付けられるとばね圧縮されて継手を維持する。しかしながら、ワッシャーを圧縮する十分な余地がまだあるので、インサート楔710は溝720を乗り越えることができる。ギャップ660は比較的小さく、両部分間の遊びを防ぐ。ねじ頭部580は適切なトルクに締め付けることを可能にするために、フィリップス形またはその他の適切な頭部形状を有することができる。例示的な実施態様において、軸ねじ570は低摩擦表面仕上げ(例えばニッケルめっき)を施した鋼などの硬質金属から作られている。軸ねじ570の直径は約3〜5ミリメートルであってもよい。
【0022】
ポケット560、562はそれぞれプレス嵌めプラグ564、566によって蓋される。プラグ564、566は、それぞれ包囲する部分110、120の輪郭面と合致する外側キャップ面568、569を含んでいる。このようにすると、各キャップ面568、569に適切な表面被覆またはめっきを提供でき、包囲する表面仕上げと視覚的に調和する。一実施態様において、プラグ562、564はABSプラスチックから作られている。これらはそれぞれのポケット内に摩擦嵌めおよび/または適切な接着剤で固定できる。
【0023】
操作時に、2個の部分110と120に十分な回転トルクを加えて部分110とそのインサート510を部分120とインサート520に対して回転させると、楔710は溝720を越え出て、それによりねじを矢印680の方向に動かす。この運動はばねワッシャー576の圧縮を引き起こす。楔710はインサート520の中間の溝のない平坦面760に沿って滑動して、再び溝構成720に行き着く。このとき両部分は最初の位置から180度回転している。ワッシャーのばね偏倚により楔710は溝内に押し入れられて、継手170により多くの回転トルクが加えられるまでそこに保持される。
【0024】
さらに図5を参照して、各端部140および142は、それぞれキー構造594および596を各弾性チップ144および146に受容するそれぞれのキー溝590と592をそれぞれ含んでいることに留意されたい。チップは本発明の種々の実施態様に従いロック部材、接着剤、または他の任意の許容可能な技術で固定できる。チップを形成する許容可能な材料は、熱可塑性エラスタマーTPEである。その他の材料も明確に考慮される。チップのサイズおよび形状は極めて可変であり、代替的な実施態様ではより長くすることができる。
【0025】
図8は、本発明の代替的な実施態様に従う回転継手アセンブリ810を示す。構造の部分820と830は、上で一般的に説明したように閉じた姿勢と180度反対のフック姿勢を交互に規定する周形状を有していると想定できる。この実施態様では、各部分820および830の断面はややくびれた(8の字)形状を規定する。この形状は各端部がインサート840および850を向き合う8の字形の凹部に受容することを可能にする。凹部が非円形であることにより、インサートがいったん着座するとそれぞれの部分に対して回転することが妨げられる。インサート840は1対の戻り止めもしくは孔860を含んでおり、これらは反対側のインサート850内の1対の隆起した半球体870と向き合っている。ねじ山端部882を有する軸ねじ880が、上述されたものと同様に設けられている。ねじは、一連の皿ワッシャー886または他の許容可能なばねアセンブリも収容する円筒形受け口884を通って進入する。ねじ山端部882は部分820の端部に設けられた一連のねじ山888によって受容される。代替的な実施態様において図1のクリップは、(一方の端部に両インサート510、520を受容する唯一の凹部530を設けるのではなく)図8の要領でそれぞれのインサート受容凹部と、それぞれ反対側の対応する継手端部に位置するインサートとを備えることができることに留意されたい
【0026】
次に図9〜図11を参照するが、これらは本発明に従うクリップとフックを組み合わせた構造900のより「男らしい」バージョンを示している。図9に示すように、クリップ900は1対の部分910および920を含んでおり、これらは共同で図示された閉じた姿勢において全体的な六角形を規定する。内周と外周は各々多角形のセグメントもしくは辺に沿って実質的に直線的であり、わずかに丸みを帯びた角部930および932によって分離されている。底部の回転継手940は、図1〜図8の実施態様に関して一般的に上述した要領で両部分が互いに対して回転するのを可能にする。反対側のギャップ950は、各部分910および920の頂部のそれぞれの自由端960および962に設けられている。クリップ900は任意の耐久性材料、例えばステンレス鋼から鋳造、機械加工またはその他の許容可能な技術を用いて作ることができる。継手940は上記のばね負荷された割出し回転継手と同様に作られており、部分910と920の間に所定のトルクを加えることによって同様の仕方で操作されると想定されるべきである。頂部の自由端960および962は各々内側の弾性突出部970および972を付けている。これらの突出部は上述したようにテーブル面と係合するときに各々摩擦部材として作用して、フック(図10)が支持部材から滑り落ちるのを防ぐフック端部を提供する。
【0027】
明らかであるが、自由端962はロック機構として作用する上側延長部980を有することができる。すなわち、延長部980は上方に突出して、使用者の指または親指で到達可能である。これは合致するスロット内で後方に(矢印982)動かして、反対側の自由端960内に形成された反対側のスロット984との係合から取り出すことができる。延長部は回転軸上のばね負荷された金属部材、また弾性突出部970の弾性延長部であってもよい。継手940の割出し機能が図9に示す閉じた姿勢と図10に示す180度反対の姿勢との間で運動を可能にするので、ロック機構982は随意である。上述したように、クリップ900がS字形フックを形成する、図10に示された反対の姿勢は、2個の部分910と920の間にトルクを加え、両部分を互いに対して回転させて(両矢1010)、フックが最終位置に達すると触角的クリックが感じられることによって規定される。
【0028】
代替的な実施態様において、自由端はロック機構として磁力で吸引する構造(図示せず)を含むことができる。そのような構造は、2個の連結された部分を解除するために自由端は追加のトルクを必要とすることを保証する。ここに記載したように、自由端と関連した「ロック機構」という用語は、そのような機械的構成と磁石構成を含むものとする。
【0029】
図11を参照して、例示的なクリップ900は、追加されたアクセサリーとして特定の仕事を実行することを可能にする内周形状を有する。図示されているように、慣用的な王冠1112を付けた瓶1110が、部分910の中心多角形セグメント1120で内周に挿入されている。セグメント1120の内側面(および潜在的に反対側の内側面1130)は図示された瓶のキャップと係合する形状およびサイズで形成されている。辺1120の内角(930)は慣用的な瓶の端部とキャップの特定の直径に対して適切なクリアランスを提供するようにサイズ設計されている。こうして、瓶を開けるための標準的な動きを加えることにより、クリップ900は王冠1112を取り外すことができる。他の多様な道具および/またはアクセサリー(以下に説明する)、例えば小型ねじまわし、爪切り、ナイフの刃などを形成でき、またはクリップの種々のセグメントに挿入できることは明白であろう。このスタイルとタイプのクリップは閉じた姿勢でベルト通しに装着し、バッグや書類カバンに載せ、またはクーラーに取り付けるなどして携帯できる。
【0030】
さらに図12に示すような多角形クリップの実施態様に関して、いかなるクリップも当該クリップのスタイルと目的に適った装飾的表面形状を備えることができる。図12に示すように、上述したクリップに機能と構造が類似しているクリップ1200は、各部分の各セグメント内に一連の機械加工された貫通孔や深い切れ込み1210、1220、1230を含む。継手1240に隣接した低い方のセクションは、回転継手のばねおよびねじ軸機構を収容する充填区域1250を含んでいる。
【0031】
ここに記載されたいかなるクリップも衣料アクセサリーや機能的宝飾品の部片など多様な役割で使用できることが明確に考慮される。したがってクリップ部分のサイズや、その結果生じるクリップ内周の包囲された面積は種々の実施態様に応じて極めて可変である。特定の実施態様において、クリップはネックレスや、バッグまたは財布ストラップより小さいアイテム(例えばベルト通し)に装着するサイズに設計できる。図13および図14を参照すると、これらは内径DCが1インチ前後の円周形状(この他にも可能な無数の形状が考慮される)で形成されたアクセサリークリップ1300を示している。このような形状とサイズはネックチェーン(例えば例示的なチェーン1302)、ボタン穴またはベルト通し(およびその他の箇所)に装着するのに適している。
【0032】
この実施態様は、2個の端部1330、1332を連結する回転継手1320を備えて再び鏡像半部(半円形)を規定する1対の向き合う部分1310、1312と、反対側でクリップが閉じた姿勢(図13)において宝飾チェーンなどの支持アイテムから抜け落ちるのを防ぐ最小限のギャップで対向する1対の連結されていない端部1340、1342とを含んでいる。図9に示すように、2個の自由端1340と1342との間にロック部材が随意に設けられてよい。回転継手1320は割出しアセンブリを含んでも、含まなくてもよい。割出しは図1〜図8の実施態様において上述したものより小さいバージョンとして構成できる。継手1320は、向き合う部分1310、1312が軸心(破線1370)を中心に、図13の閉じた姿勢と図14に示すS字形フック姿勢との間で回転することを可能にする。軸(および該当する場合はばねアセンブリ)は、上述した要領でプラグ1380、1882によって覆われた外側空洞を通して挿入できる。2個の半部を回転可能に取り付けるために、クリップ構造に片方または両方の外側空洞を形成することを必要としない他の機構(例えばスナップ嵌め)も使用できる。角自由端1340、1342上の弾性チップ1350、1352はそれぞれ半径方向に内方に拡張されて強化されたフック面を提供し、それにより図14に示すようにクリップ1300がフック形状に展開されて支持面(ペグ1410)から吊り下がるときに一層の安定性を提供する。
【0033】
明らかな通りこの実施態様は追加のアクセサリー構造を含んでいる。この構造は部分1310の外面/外周にはんだ付け/溶接(または他の仕方で接合)されたループ1390が組み付けられている。この実施態様におけるループ1390は、例示的なキー1394を付けたキーリング1392を支持する。ループ1390を介して他の多様なアイテム、例えば例示的なコンピュータ用メモリスティック1396(仮想的に示されている)を取り付けることができる。このようにここで用いる「アクセサリー構造」という用語は、広く他のアイテムをクリップと相互接続することを可能にするために取り付ける多様な構造を含むものと解されるべきである。この実施態様におけるアクセサリー構造/ループ1390は部分1340の外周で、取り付けられたアクセサリー(キー1394)が図示されたS字形フック姿勢において部分1312の上側アーチを通る重力と平行な垂直線(破線1420)に沿って吊り下げる位置に配置されている。こうしてアクセサリーは、支持面(例示的なペグ1410)に取り付けたときにフックのバランスを保つように位置決めされている。ループ1390(または他のアクセサリー構造)が1種類以上のアクセサリーを取り付けるために使用できることは明白であろう。このような可能なアクセサリーは、携帯電話、個人情報端末(PDA)、唐辛子スプレー缶、懐中電灯、鉛筆削り、爪切りおよび/または化粧用品などを含むが、これらに限らない。
【0034】
図示されたクリップ1300(および/またはここで考慮および記載される他のクリップ)は、一方の部分に直接アクセサリーを取り付けると同時に、他方の部分は支持面から吊り下がるように使用できることも考慮されていることに留意されたい。例えば使用者はフックを広げてシャワー室のペグに掛け、シャワーを浴びている間、反対側の部分に宝飾品や時計などを吊るすことができる。上述したようにより大きいサイズのクリップはジムバッグに付けて持ち運び、ロッカーで衣料を吊るしたり、シャワーを浴びている間、シャワーカーテンロッドからタオルを吊り下げたりするのに使用できる。
【0035】
上述したようにクリップ・フック構造は代替として宝飾品および他の開閉可能なアイテムに組み入れることができる。例示的な実施態様において図15Aは説明のためのブレスレット1500の斜視図を閉じた姿勢で示しているが、これはねじることによって開いたS字形フック構成に転換できる。ブレスレット1502の本体は手首や足首を包囲するように整えられており、一方の自由端にJ形カーブ1504を有している。ブレスレット1500は十分な回転トルクを加えて操作される回転継手1506を有する。ブレスレット1500は金属、例えば金めっき合金、銀めっき合金、プラチナめっき合金、または強度と装着者に心地よさを提供する他の金属からなる。ブレスレットの表面は多様な刻み込みまたはエンボスデザインで装飾でき、種々のタイプの宝石やその組合せで飾ることができる。る。例示的なブレスレットの全体形状は、図15Aに閉じた姿勢で図示されている。ブレスレットは一般に、一方の自由端に規定されたJ形カーブ1504と共通の平面内にある(「共平面的」)。ブレスレットは共平面的であり、自由端が互いに対向して閉鎖状態を形成する。しかしながらJ形カーブをした端部は実際には平面の外側に突き出して、追加の装飾的効果を提供する。形状は非対称的形状、蛇行形状、ねじれ形状、または他の形状であってよいことも考慮される。
【0036】
図15Bは、図15Aに記載した例示的なブレスレットの平面図1510である。この図はさらにJ形カーブ1504の外形も示しているが、これは以下に詳しく説明するように、装飾的アクセントの機能と、開いたS字形フック姿勢における下側フックの両方の働きをすると見なすことができる。
【0037】
図15Cは、図15Aに記載した例示的なブレスレットの側面図1520である。ここでは下側部分1522と上側部分1524(ここでは上側と下側は図16の開いた姿勢によって規定されている)が回転継手1506で連結されている。上側部分1524の自由端1528と、下側部分1522のJ形カーブ1504との間にはギャップ1526があって、両端部がスムーズに完全な円運動をするのを機能的に許容する。
【0038】
図15Dは、図15Aに記載した例示的なブレスレットの端面図である。端面キャップ1532および1534が回転継手アセンブリの進入凹部を覆っている(以下により詳しく説明する)。
【0039】
図16は、図15Aに記載した例示的なブレスレットの開いたS字形フック姿勢1600における側面図である。使用者はブレスレット1502の本体を自分の体から取り外し、両手で上側部分1524と下側部分1522に均等なねじり力を加えて、回転継手機構がブレスレット1502の本体を開いたS字形フック姿勢1600でロックするまで、回転継手1506を中心に回転させる。このときクリップおよびフックは上述したように、バッグおよび手提げ/肩掛けアイテムを吊り下げるのを容易にするように構成される。
【0040】
回転継手機構アセンブリ1702は図17に断面図1700で示されている。例示的なブレスレットの回転継手機構アセンブリ1702の機能は、図7で述べた機構と同様である。下側部分1522は回転継手1506で上側部分1524に連結されている。それぞれの部分1522および1524の向き合う継手端部1704と1706は、1対の割出しインサート1708および1710の各々を固定するように整合されている。インサート1708および1710は互いに係合するように整合されている。インサート510は半径方向に配置された1対の雄形楔(突出部)を上記710と同様に含み、反対側のインサート1712は対向する1対の雌形溝(戻り止め)を上記720と同様に含んでいる。この実施態様では、向き合う継手端部1704と1706は円筒ポケット、それぞれ1712および1714を含んでいる。この実施態様ではポケット1712の内径EEは約8〜9ミリメートルである。この実施態様ではポケット1714の内径FFは約8〜9ミリメートルである。インサート1708、1710は、わずかな長手方向/半径方向の遊びで向き合う継手端部1704、1706内に刻み込まれた溝、それぞれ1716および1718に着座している。これによりインサート1708、1710はそれぞれの継手端部1704、1706と係合して、それぞれの部分1522および1524に対して相対的に回転するのを制限する。こうして使用者が部分1522を回転継手1506中心に部分1524に対して回転させると、インサート1708、1710は同様に互いに対して回転する。
【0041】
インサート1708の突出部もしくは楔は上記710と同様に機能し、これと合致するインサート1710の戻り止めもしくは溝は、上記720と同様に機能し、それぞれ外方と内方に約0.3〜0.4ミリメートル突出している。各インサートの全体的な深さは約1〜3ミリメートルである。この寸法は極めて可変である。インサート1708、1710は、楔が雌形/溝インサートの表面を擦り、また雌形インサートの外面がそれぞれ継手端部1704、1706を擦ることによって生み出される摩擦と摩耗を低減できる耐久性材料から作られている。この材料は、ポリオキシメチレン(POM)など高性能ポリマーであってよい。他の材料も明確に考慮される。代替的な実施態様においてインサート1708および1710に対して多様な幾何学形状を使用できる。代替的な実施態様では、雄形および雌形割出し要素は図示された角型形状を呈する代わりに、丸みを帯びることができる(例えば図8参照)。
【0042】
継手端部1704および1706と隣接する各自由端1522、1524の外壁は、それぞれ外方に面している1対の同心的ポケット1712、1714を規定する。ポケット1712、1714は継手のばね軸アセンブリを挿入できる貫通孔を提供する。この実施態様では継手の軸は、細長い円筒形胴部1722、直径が等しい端部1724、および直径がより大きい頭部1726を有する機械加工された軸シャフトピン1720である。この実施態様では一連のカップ状の鋼製皿ワッシャー1730がばねアセンブリを提供する。代替的な実施態様において慣用的な圧縮コイルばねを(他のタイプのばねと並んで)採用できることに留意されたい。ワッシャー1730は同心的ポケット1712、1714のそれぞれの内壁のそれぞれの内壁1732に着座している。ワッシャー1730はワッシャー1734を保持することにより所定の場所に維持される。ワッシャー1730は軸シャフトピン1720の円筒シャフト1740部分の周りに嵌め込まれている。図示されているように、ワッシャー1730は互いに向き合ってカップ状になるように向けられており、それによって図示されているように2個の離散的な圧縮ばね部材を提供する。
【0043】
この実施態様では、このばね形状を作り出すために6個のワッシャーが採用されている。ワッシャーはシャフトピン1720の各側に配設されている。これによってより多くのワッシャーを採用しながら、より低い外形が可能となる。さらにピンは軸方向運動において十分な遊びを提供でき、その端部1724(頭部なし)が組立時にそれぞれの同心的ポケットから十分駆り立てられることにより、ロッキングワッシャー(例えば以下に記載するサークリップ1742)を適用できるようにする。代替的な実施態様において、異なるばね力を生み出すために、ワッシャーの数をワッシャーの厚さおよび/またはばね定数と共に変えることができる。軸シャフトピンの頭部1726は直径がワッシャー1730の内径よりわずかに大きく、これにより頭部1726はワッシャー1730をポケット1712内の継手端部1704の内壁1732に対して保持することが可能である。軸シャフトピン1720の端部1724は、取外し可能なロッキングワッシャー1742(または他の軸方向にロックする構造)と適合する方形溝1744が刻まれており、皿ワッシャーをポケット1712内の継手端部1704の内壁1732に保持する。ロッキングワッシャー1742とワッシャー1730の応力を組み合わせることにより、2個の継手端部1704と1706との間に残るギャップ1750を設定および維持するのを助ける。ワッシャー1730は組み立てられるとばね圧縮されて継手を維持する。しかしながらワッシャーを圧縮する十分な余地がまだあるので、インサート1708、1710のインサート楔は戻り止め受け口と相応に相互作用(相互係合)して、1つの位置に着座した後、反対側の座に移行する。ギャップ1750は比較的小さく、自由端1522と1524の間の遊びを防ぐ。例示的な実施態様において、軸シャフトピン1720は低摩擦表面仕上げ(例えばニッケルめっき)を施した鋼などの硬質金属から作られている。軸シャフトピン1720の直径は約3〜5ミリメートルであってもよい。
【0044】
ポケット1712、1714はそれぞれプレス嵌めプラグ1532、1534によって蓋される。プラグ1532、1534は、それぞれ包囲する自由端1522、1524の輪郭面と合致する外側キャップ面1752、1754を含んでいる。このようにすると、各キャップ面1752、1754に適切な表面被覆またはめっきを提供でき、包囲する表面仕上げと視覚的に調和する。一実施態様において、プラグ1532、1534はABSプラスチックから作られている。これらはそれぞれのポケット内に摩擦嵌めおよび/または適切な接着剤で固定できる。
【0045】
操作時に、2個の部分1522、1524に十分な回転トルクを加えて部分1522とそのインサート1708を部分1524とインサート1710に対して回転させると、それぞれの楔(図示せず)は戻り止め受け口(図示せず)を越え出て、それにより軸シャフトピン1720を矢印1760の方向に動かす。この運動はばねワッシャー1730の圧縮を引き起こす。それぞれの楔はインサート1710の中間の溝のない平坦面に沿って滑動して、上記図6と同様の要領で再び溝構成に行き着く。このとき両部分は最初の位置から180度回転している。ワッシャーのばね偏倚によりそれぞれの楔は溝内に押し入れられて、回転継手1506により多くの回転トルクが加えられるまでそこに保持される。
【0046】
クリップおよびフックの代替的な実施態様において、図18はプラスチック材料、例えば高性能ポリマーから作られたクリップ1800を示している。例示的なクリップはハート形であり、上側部分1802、下側部分1804および回転継手アセンブリ1806からなる。例示的なクリップ1800は上記図1のクリップと同一の仕方で回転的に機能するが、回転継手アセンブリ1806は以下に詳しく説明するように構造が単純化されている。クリップ1800は部品がより少なく製造工程も少ないのでコストが低くなる。クリップ材料もポリマーと金属または他の所望の材料を組み合わせることができる。
【0047】
図18のハート形クリップは図19に分解図1900で示されている。部分1802、1804のそれぞれの自由端1810、1820は、それぞれ弾性チップ1816、1826の各々にキー構造1814、1824を受容するキー溝1812、1814を含んでいる。チップを形成するための許容可能な材料は、熱可塑性エラスタマーTPEである。他の材料も明確に考慮される。チップのサイズおよび形状は極めて可変であり、代替的な実施態様ではより長い延長部を規定できる。回転継手アセンブリ1806は、部分1804の継手端部1840から形成された軸シャフトアセンブリ1830を有する。代替的な実施態様において軸シャフトアセンブリ1830は、部分1804の継手端部1840に挿入されて固定され別個の部材であってもよい。軸シャフトアセンブリ1830は2個の一体的な突起1832からなり、その各々はそれぞれの部分と共通に形成された直線状の頚部1834と角度のある頭部1836とを有する半円筒を規定する。部分1802の継手端部1842は、凹部1852につながる貫通孔である凹部開口1850を備えている。凹部1850の内側の特徴については以下に詳しく説明する。継手端部1842は以下に詳しく説明する楔1854を備えている。プラグインサート1856は上記1534と同様の機能を有し、凹部1852を覆う。
【0048】
図20は、図18に示すハート形クリップの回転継手の詳細図2000である。部分1802の継手端部1842は、2個の突き出した楔1854を付けた平坦面2002を有している。楔1854は傾斜した側面2012と平坦な頂部2014を有する。楔1854は直径方向で互いに反対側にあり、平坦な頂部2014の間に180度のアーチを提供する。継手端部1842の中心部は貫通孔である凹部開口1850を有しており、その後部はプラグ1856で覆われている。部分1804は、2個の受け口2022のある平坦面1920を備えた継手端部1840を有する。これらの受け口2022は楔1854と合致する戻り止めであり、楔1854が受け口2022内に着座してクリップの部分1802、1804の位置姿勢を固定する。継手端部1840の中心部は2個の突起1832からなる軸シャフトアセンブリ1830を規定する。各突起1832は、円筒形頚部1834と、直径方向に拡張されて平坦な端部2030を付けた円錐形頭部1836とを有する半円筒を規定する。突起1832は平坦な内側面2032で所定の最大幅(休止状態)の楔形の裂け目を規定する。突起1832は端部2030における突起1832間の距離DOがギャップ2034の底部の距離DIより大きくなるように構成されたギャップ2034を有している。
【0049】
図21は回転継手1806の断面図2100である。部分1804の継手端部1844は部分1802の継手端部1842と係合している。戻り止め受け口2022内に着座してクリップ姿勢位置をロックする楔1854は図示されていない。2個の突起1834が凹部1852内に着座している。ギャップ2034は上述したように突起端部2030で広くなっている。組立時に部分1804が軸方向に部分1802内に押し入れられると、突起1834は互いに圧縮されてギャップ2034を狭める。突起1834が凹部開口1850を通過した後、凹部開口1850の壁2104が突起1834を圧縮下で保持する。突起1834は半径方向外側で壁2104に当接して応力嵌めを生み出す。この応力下で突起1834の傾斜した後部壁2108は壁2104の傾斜した内側壁2106と圧力係合し、それにより2個の部分1802、1804を互いに軸方向に駆り立てる(傾斜面が半径方向ベクトルを軸方向力ベクトルに転換する)。これは部分1802、1804が分離するのを妨げ、連結線に軸方向応力を生み出して回転継手1806をロックされた位置に保持する。使用者が均等なねじり力を加えると、軸方向応力が一部克服されて図20に示された楔1854の傾斜壁2012は戻り止め受け口2022の傾斜壁に乗り上げ、それによりクリップを現在のロック位置から取り出して、別の180度ロック位置への運動を促進する。突起1834は圧縮下で凹部1852内に留まり、ねじり回転の間、回転継手1806の完全性を維持する。
【0050】
突出部および関連する内側壁の断面形状は、組立時に2個の構成要素が互いに挿入されたら軸方向に抜け出るのを妨げるように作用する追加の環状構成(図示せず)を含むことができる。すなわち、この構成は操作時に楔と戻り止め受け口が互いに通過するのに必要な距離を越えて軸方向に抜け出るのを制限する肩部を提供できる。
【0051】
図22A〜図22Fは、クリップ・フック構造の代替的な形状である。図22Aは、回転継手2202を備えた角のあるG字形クリップ2201を閉じた姿勢2200と開いた姿勢2210で示しており、ねじり運動によりハンドバッグおよび/または他の物品を面から吊り下げるための開いた姿勢2210で角のあるS字形フックにすることができる。
【0052】
図22Bは、回転継手2222を備えた丸みのあるG字形クリップ2221を閉じた姿勢2220と開いた姿勢2230で示しており、同様にハンドバッグおよび/または他の物品を面から吊り下げるために、ねじり運動により開いた姿勢2230でS字形フックにすることができる。
【0053】
図22Cは、回転継手2242を備えたO字形クリップ2241を閉じた姿勢2240と開いた姿勢2250で示しており、ねじり運動によりハンドバッグおよび/または他の物品を面から吊り下げるための開いた姿勢2250でS字形フックにすることができる。O字形クリップ2241は部分2244と2246のオーバーラップ部2242をそれらの自由端に隣接して規定する。このオーバーラップ部2242は回転継手2242の楔と戻り止め受け口(図示せず)とが回転偏位するので、図示された閉じた姿勢において両部分は非共平面姿勢にある。代替として両部分は、継手が閉じた姿勢でロックされたとき、少なくとも自由端を互いに対して非共平面位置に置く屈曲部を備えて形成できる。この実施態様ではオーバーラップ部2242の故に部分2244、2246が完全に360度回転することは妨げられており、典型的に閉じた姿勢は可能な2様の回転のいずれかでロックされる。
【0054】
図22Dは、回転継手2272を備えたコイル状クリップ2271を閉じた姿勢2270と開いた姿勢2275で示しており、ねじり運動によりハンドバッグおよび/または他の物品を面から吊り下げるための開いた姿勢2275でS字形フックにすることができる。閉じた姿勢においてコイルは部分2276、2278のコイル状クリップ2271に対してオーバーラップ部2274を規定し、部分2276、2278が完全に回転するのを許す。
【0055】
図22Eは、回転継手2282を備えたオーバーラップしたダイヤモンド形クリップ2281を閉じた姿勢2280と開いた姿勢2285で示しており、ねじり運動によりハンドバッグおよび/または他の物品を面から吊り下げるための開いた姿勢2285でS字形フックにすることができる。ダイヤモンド形クリップ2281は部分2286と2288のオーバーラップ部2284をそれらの自由端に隣接して規定する。このオーバーラップ部2284は回転継手2242の楔と戻り止め受け口(図示せず)が偏位していることを要する。オーバーラップ部2284の故に部分2286、2288が完全に回転することは可能ではない。
【0056】
図22Fは、回転継手2292を備えたオーバーラップした涙形クリップ2290を閉じた姿勢2290と開いた姿勢2295で示しており、ねじり運動によりハンドバッグおよび/または他の物品を面から吊り下げるための開いた姿勢2295で角のあるフック(例えばS字形フック)にすることができる。ダイヤモンド形クリップ2291は部分2296と2298のオーバーラップ部2294をそれらの自由端に隣接して規定する。このオーバーラップ部2294の故に部分2296、2298が完全に回転することは可能ではない。
【0057】
上述した実施態様は、互いに係合する戻り止め受け口と隆起した楔からなる割出しアセンブリを備えた継手を含んでいるが、反対側の継手の係合要素は代替的な機構で構成できることが明確に考慮される。説明のための実施態様において、継手の各半部は向き合う磁石または磁性材料(例えば楔および戻り止めと同じ位置に配置されて対向する継手面の各々に埋設)。磁石は連結された部品を、部品に十分な回転トルクを加えることにより選択的に提供され得る(少なくとも)2つの反対の位置のいずれかに移動可能にロックする(またはねじり拘束する)。「割出しアセンブリ」という用語は、そのような磁石および等効のロック機構を含むものとして広く解されるべきである。例えば、継手の各面に埋設されたばね負荷されたボールと戻り止めシステムは、そのような等効の割出し機構である。
【0058】
本発明の種々異なる実施態様のフックとクリップを組み合わせたアセンブリが極めて有用であり、しかも男性にも女性にも使用できる美観的にも快い装置であることは明白であろう。これは多様でユニークな形状およびデザインを備え、多様な材料または材料の組合せから作ることができる。
【0059】
以上、本発明の例示的な実施態様について詳細に説明した。本発明の精神と範囲から逸脱することなく様々な変容または追加を行うことができる。上述した各々の実施態様は他の実施態様と組み合わせて多様な特徴を提供することができる。さらに、以上に本発明の装置と方法の多数の実施態様を個別に記載したが、これは本発明の原理の応用を単に例示的に述べたものに過ぎない。例えばフックまたはブレスレットによって規定される形状は、特定の機能を満足し、ユニークな美的特徴を提供する多数の追加の曲線や角を含むことができる。同様に、回転継手において180度の割出し機構が提供されているが、直径方向で反対の複数対の突出部と戻り止めを用いて説明された180度姿勢に加えて、両部分を他の姿勢に適切に割り出すために追加の戻り止めおよび/または楔が提供され得ることが考慮される。さらに、記載されたいずれの実施態様も互いに反対側の楔と戻り止めを含み、継手の向き合う各面に少なくとも1個の楔および少なくとも1個の戻り止めを備えることができる。同様に、この実施態様では回転継手はねじ軸とばねワッシャーを用いて構成されているが、1対の向き合う戻り止め部片が互いに向かって付勢されるようにする多様な機構を採用できる。そのうえ、さらに、本発明の回転継手では楔、半球体、戻り止めおよび溝に対してインサートが使用されるが、代替的な実施態様ではそのような部材は両部分の2つの対向する端部の表面に直接形成できる。この場合、ばね機構はインサートを介することなく直接両部分間に適用される。ここで用いられている「インサート」という用語は、広く各クリップ部分の継手端部のそのような直接対向する表面構成を含めて解されるべきである。さらに、対向する突出部と戻り止めに基づく割出し機構が示されているが、他の多様な割出し機構、例えばばね負荷されたボール、および一方のクリップ部分に設けられた外側円筒と他方のクリップ部分に嵌め込まれた同心的な内側円との間に配置された戻り止め構造も明確に考慮される。また、全体構造は基本的に開いた姿勢と閉じた姿勢を可能にする部品を規定する多数の継手を含むことができる(例えば一方の部分は複数の回転継手を有する部分を含むことができる)ことも考慮される。したがって、上記の説明は単に例示に過ぎず、本発明の範囲を制限するものと解されてはならない。
以下に請求項を添付する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部分と第2の部分とを有し、第1の部分と第2の部分は各々それぞれの継手端部において回転継手で回転自在に連結されており、第1の部分と第2の部分は各々外周形状を規定しており、第1の部分と第2の部分は、(a)継手が第1の回転位置にあって第1の部分と第2の部分のそれぞれの自由端が対向する関係にあるときに閉じた姿勢を規定して閉じた内部形状を形成し、そして(b)継手が第1の回転位置から回転して離れた第2の回転位置にあるときにフック姿勢を規定し、
前記継手は、継手に所定の回転トルクを加えることにより、第1の回転位置と第2の回転位置の間の運動によって、第1の部分と第2の部分を選択的に両回転位置の各々に維持する割出しアセンブリを有する、
フックアセンブリ。
【請求項2】
第1の回転位置と第2の回転位置の各々は互いから約180度回転して離れた、請求項1記載のフックアセンブリ。
【請求項3】
前記割出しアセンブリは、各々軸上に回転自在に位置決めされていて、第1の部分と接続された雄形突出部を有する第1の割出し面と、第2の部分と接続された雌形戻り止めを有する第2の割出し面と、第1の割出し面を第2の割出し面に向かって動くように付勢するばねアセンブリとを含んでおり、ばねアセンブリが圧縮すると第1の割出し面を第2の割出し面から離れるように動かす、請求項1記載のフックアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の割出し面は第1の部分に組み付けられた第1のインサートを有し、前記第2の割出し面は第2の部分に組付けられた第2のインサートを有する、請求項3記載のフックアセンブリ。
【請求項5】
前記ばねアセンブリは、互いにカップ状になるように対に配置された複数の皿ワッシャー(Belleville washer)を有する、請求項3記載のフックアセンブリ。
【請求項6】
前記複数対の皿ワッシャーは、軸の反対側の各端部に対して組み付けられている、請求項5記載のフックアセンブリ。
【請求項7】
前記軸は、(a)皿ワッシャーが組み付けられている円筒形シャフト部を備えた少なくとも1本の雄ねじと、(b)該軸の第1の端部で頭部を規定するシャフトを規定し、該軸の反対側端部で取外し可能なクリップを規定するシャフトとを有する、請求項5記載のフックアセンブリ。
【請求項8】
前記軸と前記ばねアセンブリは、第1の部分と第2の部分の各々に同心円状に配置されたそれぞれのポケット内に組み付けられている、請求項3記載のフックアセンブリ。
【請求項9】
それぞれのポケットの各々は、第1の部分と第2の部分の隣接する面形状にそれぞれ一致するキャップ面を有するプラグを含む、請求項8記載のフックアセンブリ。
【請求項10】
前記各自由端はそれぞれ弾性チップを有する、請求項3記載のフックアセンブリ。
【請求項11】
各弾性チップは内方に突出して、それぞれの自由端に対して拡張されたフック端部を形成する、請求項10記載のフックアセンブリ。
【請求項12】
第1の部分と第2の部分は各々、閉じた姿勢においてハート形を画定する外周形状を規定する、請求項記載のフックアセンブリ。
【請求項13】
第1の部分と第2の部分の各々はハート形の鏡像半部を規定する請求項12記載のフックアセンブリ。
【請求項14】
第1の部分と第2の部分は各々、閉じた姿勢において多角形状の少なくとも一部を画定する外周形状を規定する、請求項3記載のフックアセンブリ。
【請求項15】
第1の部分と第2の部分の少なくとも一方は、栓抜きの瓶キャップ係合部を規定するように構成および配置された内周を含む、請求項3記載のフックアセンブリ。
【請求項16】
第1の部分と第2の部分は各々、閉じた姿勢において円形状の少なくとも一部を画定する外周形状を規定する、請求項3記載のフックアセンブリ。
【請求項17】
第1の部分と第2の部分の少なくとも一方は、その上に組み付けられて所定の機能を実行するアクセサリー構造を含む、請求項3記載のフックアセンブリ。
【請求項18】
前記アクセサリー構造は、第1の部分と第2の部分の一方の縁部に取り付けられたアイテム取付けアセンブリを有し、この位置において第1の部分と第2の部分がフック姿勢に向けられているとき第1の部分と第2の部分の他方は支持面上で取り付けられたアイテムとバランスを保つことができる、請求項17記載のフックアセンブリ。
【請求項19】
第1の部分と第2の部分は、閉じた姿勢において手提げバッグのストラップに合うような大きさに形成されて配置された内周を規定する、請求項3記載のフックアセンブリ。
【請求項20】
第1の部分と第2の部分のそれぞれの自由端は、閉じた姿勢において重なり合う関係にある、請求項3記載のフックアセンブリ。
【請求項21】
第1の部分と第2の部分は、閉じた姿勢において固形宝飾品部片を規定し、第2の姿勢において宝飾品部片の取外しを可能にするように構成および配置されている、請求項3記載のフックアセンブリ。
【請求項22】
割出しアセンブリは、雄形突出部を有する第1の割出し面と、雌形戻り止めを有する第2の割出し面とを含んでおり、継手は第1の部分と第2の部分の各々に一体的な突起アセンブリおよびこれと合致する一体的な凹部を規定して、該凹部は第1の傾斜面を含み、突起アセンブリは各々の第1の傾斜面と対向する第2の傾斜面を有する少なくとも2個の離間した突起を含み、第1の部分が第2の部分に対して回転すると両部分の間に応力が生じ、この応力は第2の傾斜面が第1の傾斜面上に引き寄せられると突起が互いに向かって撓むことにより運動抵抗される、請求項21記載のフックアセンブリ。
【請求項23】
第1の部分と第2の部分はポリマー材料から構成されている、請求項22記載のフックアセンブリ。
【請求項24】
第1の部分と第2の部分とを有し、第1の部分と第2の部分の各々はそれぞれの継手端部において回転継手で回転自在に連結されており、第1の部分と第2の部分は各々外周形状を規定しており、第1の部分と第2の部分は、(a)継手が第1の回転位置にあって第1の部分と第2の部分のそれぞれの自由端が対向する関係にあるときに閉じた姿勢を規定し、そして(b)継手が第1の回転位置から回転して離れた第2の回転位置にあるときに開かれた姿勢を規定し、
前記継手は、継手に所定の回転トルクを加えることにより、第1の回転位置と第2の回転位置の間の運動によって第1の部分と第2の部分を両回転位置の間で回転できるようにし、所定の回転トルクより少ないトルクを加えると、第1の部分は第1の位置と第2の位置の各々に移動ロックされる、
閉鎖可能なアセンブリ。
【請求項25】
前記継手は、第1の部分と第2の部分を選択的に第1の回転位置と第2の回転位置の各々に維持する割出しアセンブリを含む、請求項24記載の閉鎖可能なアセンブリ。
【請求項26】
第1の部分と第2の部分の少なくとも一方は、その上に組み付けられて所定の機能を実行するアクセサリー構造を含む、請求項24記載の閉鎖可能なアセンブリ。
【請求項27】
前記アクセサリー構造は、第1の部分と第2の部分の一方の縁部に取り付けられたアイテム取付けアセンブリを有し、この位置において第1の部分と第2の部分が開かれた姿勢に向けられてS字フックを規定するとき、第1の部分と第2の部分の他方は支持面上で取り付けられたアイテムとバランスを保つことができる、請求項26記載の閉鎖可能なアセンブリ。
【請求項28】
第1の部分と第2の部分は、閉じた姿勢において手提げバッグのストラップに合うような大きさに形成されて配置された内周を規定する、請求項24記載の閉鎖可能なアセンブリ。
【請求項29】
第1の部分と第2の部分は、閉じた姿勢において固形宝飾品部片を規定し、第2の姿勢において宝飾品部片の取外しを可能にするように構成および配置されている、請求項24記載の閉鎖可能なアセンブリ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15A】
image rotate

【図15B】
image rotate

【図15C】
image rotate

【図15D】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22A】
image rotate

【図22B】
image rotate

【図22C】
image rotate

【図22D】
image rotate

【図22E】
image rotate

【図22F】
image rotate


【公表番号】特表2012−504217(P2012−504217A)
【公表日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−529346(P2011−529346)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/058761
【国際公開番号】WO2010/037091
【国際公開日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(510237790)クリプスィ エルエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】Clipsy, LLC
【住所又は居所原語表記】179 11th Street, Third Floor, San Francisco CA 94103 USA
【Fターム(参考)】