説明

回転運動を往復直線運動に変換する機構

【課題】高速時に好適な回転運動を往復直線運動に変換する機構の提供を目的とする。
【解決手段】第1の偏心カム4と、180度の異なる位置関係で取り付けられた第2の偏心カム5と、第1の偏心カム4の外周面に当接し被作動部10を結合して配された第1の当接部6と、回転軸3を挟んで対向する位置で第2の偏心カム5の外周面に当接して配され、第1の当接部6側の重量に略等しい重量の第2の当接部7と、回転軸3の軸線と平行な平面を有し、一端を固定端とし他端を遊端として第1の当接部6を取り付けて該第1の当接部6を第1のカム4の方向に押圧する弾性力を有する板ばね81から形成された第1の押圧部8と、回転軸3の軸線と平行な平面を有し、第2の当接部7を第1の当接部6の変位方向に対向する第2のカム5の方向に第1の押圧部8の弾性力と略等しい弾性力で押圧する板ばね91から形成された第2の押圧部9とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転運動を往復直線運動に変換する機構に関し、特に高速の往復運動に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の回転運動を往復直線運動に変換する機構は、モータの回転軸に設けたカムと、このカムにバネによって弾性的に当接する当接部とにより構成されている。このような構成では、高速でカムを回転させると当接部でジャンピングを生じてしまい。正確な直線運動が得られないだけでなく、振動や騒音を発生する。
【0003】
そこで、このような障害を無くすために、従来技術として例えば、下記の特許文献1で示すものが提案されていた。これは、直線運動の往動時、復動時のいずれにおいてもカムフォロアが板カムから作用を受けている共役カム装置としたものである。その構成は、回転する駆動軸に前進用板カムと後進用板カムとを設け、揺動する前進用レバーには前進用板カムに接するカムファロアを設け、同じく揺動する後進用レバーには後進用板カムに接するカムファロアを設け、前進用レバーと後進用レバーの先端にはローラからなる従動部を設けている。そして、前進側の従動部を直線移動体の前進用ブロックに係合させ、後進側の従動部を直線移動体の後進用ブロックに係合させたものである。このようにして、前進用レバーと後進用レバーのカムフォロアを常時板カムに当接させ、ジャンピングを生じないようにして直線移動体を往復動作させている。
【0004】
また、従来技術として下記の特許文献2で示すものが提案されている。これは、特にカム機構を高速化したときの振動の影響を除去するためのものである。モータによって回転されるカムのカム溝にカムフォロアを勘合させて回転運動を直線運動に変換するものである。そして、カム溝のカム曲線を振動が生じないような形状に形成したものである。
【特許文献1】特開平9−310743号公報(段落〔0006〕、段落〔0019〕〜段落〔0023〕)
【特許文献2】特開2001−317612号公報(段落〔0006〕、段落〔00109〕、段落〔0016〕〜段落〔0020〕)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に示す従来技術にあっては、前進用レバーと後進用レバーとを用意し、それぞれの先端にはローラからなる従動部を設けている。そして、前進側の従動部を直線移動体の前進用ブロックに係合させ、後進側の従動部を直線移動体の後進用ブロックに係合させているため、高速で作動させには不適である。即ち、高速時には前進用ブロック及び後進用ブロックにおけるローラとによる摩擦抵抗の増加、振動の発生等が発生して円滑に回転運動を直線的な往復運動に変換できないという問題点があった。
【0006】
一方、上記特許文献2に示す従来技術にあっては、高速動作において振動を発生しないようにできるが、カム溝とカムフォロアとの摩擦抵抗を少なくするための潤滑剤の選定、補充が必要になる。また、振動発生を生じないようにするためにカム溝のカム曲線を設定することが面倒であるだけでなく、そのカム曲線が特定の振動成分に対応するため、共通の機構によって広範囲に速度を変化させて使用することが不可能であるという問題点があった。
【0007】
そこで、本発明は従来の問題点を除去した、特に高速の往復運動に好適な回転運動を往復直線運動に変換する機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本願の請求項1に係る発明の回転運動を往復直線運動に変換する機構は、
駆動源によって回転される回転軸に取り付けられた第1の偏心カムと、
前記回転軸に前記第1の偏心カムと180度の異なる位置関係で取り付けられた第2の偏心カムと、
第1の偏心カムの外周面に当接し被作動部を結合して配された第1の当接部と、
前記第1の偏心カムに対し前記回転軸を挟んで対向する位置で前記第2の偏心カムの外周面に当接して配され、前記第1の当接部側の重量に略等しい重量の第2の当接部と、
前記回転軸の軸線と平行な平面を有し、一端を固定端とし他端を遊端として前記第1の当接部を取り付けて該第1の当接部を前記第1のカムの方向に押圧する弾性力を有する板ばねから形成された第1の押圧手段と、
前記回転軸の軸線と平行な平面を有し、一端を固定端とし他端を遊端として前記第2の当接部を取り付けて該第2の当接部を前記第1の当接部の変位方向に対向する前記第2のカムの方向に前記第1の押圧手段の弾性力と略等しい弾性力で押圧する板ばねから形成された第2の押圧手段とを備えてなることを特徴とする。
【0009】
また、本願の請求項2に係る発明の回転運動を往復直線運動に変換する機構においては、前記第1の押圧手段と第2の押圧手段は、スペーサを介して所定の間隔を置いて配された1組の板ばねから形成されていることを特徴とする。
【0010】
また、本願の請求項3に係る発明の回転運動を往復直線運動に変換する機構においては、前記第1の偏心カムと前記第2の偏心カムとは、円形中心部と、該円形中心部と同心的に潤滑部を介して回転する円形外周部とから成り、該円形中心部の中心位置から偏心した位置に前記回転軸を貫通して固定して形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は上述のような構成をとることにより以下のような効果を呈する。本願の請求項1の回転運動を往復直線運動に変換する機構によれば、前記回転軸に対して180度の角度で取り付け位置を異にした前記第1のカムと第2のカムに対し、夫々第1の当接部と第2の当接部とを互いに対向する方向から当接し、この第1の当接部側と第2の当接部側との重量が略等しく、しかも略等しい押圧力を生じる第1の押圧手段と第2の押圧手段とにより押圧するので、前記被作動部を含んだ第1の当接部と第2の当接部全体の重心の移動が実質的に生じない。従って、どのような周期で作動されても振動を発生することがない。また、前記第1の押圧手段と第2の押圧手段を形成する板ばねが前記回転軸の軸線と平行な面でもって配されているため、第1の当接部と第2の当接部が回転軸に対して軸線方向に変位することがない。従って、第1の当接部と第2の当接部は軸線方向にも振動することがない。即ち、機構自体が振動を生じることがなく、しかも前記第1の当接部に結合した被作動部は第1のカムの偏心によって変位される方向のみに変位されるので、どの速度でも高精度の変位動作を行なうことができる。特に、高い周期で往復動作をする機構にとってはその効果が著しい。
【0012】
また、請求項2に係る発明の回転運動を往復直線運動に変換する機構においては、請求項1における第1の押圧手段と第2の押圧手段が1組の板ばねによって形成されているので、大きな弾性力でもって第1の当接部を第1のカムに第2の当接部を第2のカムに夫々押圧することができる。そのため、ジャンピングを生じることなく精度よく往復運動を得ることができる。また、板ばねが前記回転軸の軸線方向に対して全く変位することがないために、前記第1の当接部に結合した被作動部は第1のカムの偏心によって変位される方向にのみ、振動の影響を全く受けることなく安定した変位動作を行なうことができる。更に、第1の当接部、第2の当接部及び被作動部には往復直接運動のガイド機構を必要としない。そのため、その構成が簡単であるだけでなく、ガイド機構によって発生する摩擦抵抗の影響を全く受けることがなく安定した動作状態を得ることができる。
【0013】
また、請求項3に係る発明の回転運動を往復直線運動に変換する機構においては、請求項1の前記第1の偏心カムと第2の偏心カムとは、前記第1の当接部又は第2の当接部が当接する円形外周部を潤滑部を介して円形中心部に設け、円形中心部の中心位置から偏心した位置に前記回転軸を貫通して固定して形成したため、回転軸の回転力から第2の当接部の往復直線運動への変換における摩擦抵抗が極めて少なく効率の良い変換を行なうことができる。また、全て円形の部材を用いて構成したため、比較的簡単に高精度の機構を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を実施するための最良の形態としては、以下に説明する実施例である。
【実施例】
【0015】
本発明の実施例を図1〜図4によって説明する。図1は本発明の実施例における回転運動を往復直線運動に変換する機構の斜視図、図2は図1における偏心カム部分を拡大して示す平面図、図3は本発明の実施例における回転運動を往復直線運動に変換する機構の平面図、本発明の実施例における回転運動を往復直線運動に変換する機構の側面図である。
【0016】
図において、基台1上に回転力の駆動源であるモータ2が配置されている。モータ2の回転軸3には、第1の偏心カム4と第2の偏心カム5とが取り付けられている。第1の偏心カム4の外周面には第1の当接部6が当接される位置にあり、第2の偏心カム5の外周面には第2の当接部7が当接される位置にある。この第1の当接部6は、基台1上に設けられた第1の押圧部8を形成する板ばね81の遊端に取り付けられることによって位置決めされている。また第2の当接部7は、同様に基台1上に設けられた第2の押圧部9を形成する板ばね91の遊端に取り付けられることによって位置決めされている。そして、第1の当接部6には被作動部10が結合されている。
【0017】
第1の偏心カム4と第2の偏心カム5は同一構成であって、図2で詳しく示すように、それぞれ円形中央部41、51と、円形中央部41、51と同心的に潤滑部42、52を介して回転する円形外周部43、53とから成っている。潤滑部42,52はボールベアリング、オイルレスメタルなどから成っている。これら円形中央部41、51には中心位置Pから偏心した位置に貫通孔44、54が形成されている。そして、これら第1の偏心カム4と第2の偏心カム5は、それぞれ貫通孔44、54に回転軸3を貫通して固定されているが、互いに180度のことなる位置関係でもって取り付けられている。
【0018】
第1の押圧部8は第1の押圧手段を形成するものであり、2枚の板ばね81をその一端と他端にスペーさ82を介して平行に組み付けられ、一端を固定端として基台1に設けられた固定部11に固定されている。そして、遊端である他端に取り付けられた第1の当接部6が板ばね81の弾性力によって第1の偏心カム4の方向に押圧されるようになっている。また、第2の押圧部9は第2の押圧手段を形成するものであり、2枚の板ばね91をその一端と他端にスペーさ92を介して平行に組み付けられ、一端を固定端として固定部11に固定されている。そして、遊端である他端に取り付けられた第2の当接部7が板ばね91の弾性力によって第2の偏心カム5の方向に第1の押圧部8における押圧力に等しい押圧力で押圧されるようになっている。
【0019】
図においては、第1の当接部6と第2の当接部7とが最も離れた状態になっている第1の偏心カム4と第2の偏心カム5との作動中の回動位置を示している。これに対し、図示しないが、モータ2の駆動を停止した場合には、第1の偏心カム4と第2の偏心カム5とは、第1の押圧部8と第2の押圧部9の押圧により90度の角度を回動して第1の当接部6と第2の当接部7とが最も接近した状態で安定する。
【0020】
第1の当接部6上には、被作動部10が固定して連結されているが、この被作動部10は比較的質量の小さな平板状の試験材であってネジ12によって固定されている。被作動部10は、回転する第1の偏心カム4に当接する第1の押圧部6により往復運動をする。そして、被作動部10の往復運動は、そのストロークに対して板ばね81の長さが十分に大きなため、実質的に直線的である。
【0021】
13は試験部材の磨耗の度合いを測定するための測定部であって、基台1に設けられた支持部14に支持されている。測定部13は、先端にジンバルばねを介して剛性半球131を有する支持用ばね132と、この支持用ばね132の根本側が取り付けられた摩擦力センサー部133とから成っている。そして、この剛性半球131は支持用ばね132の弾性力によって試験部材に押圧され当接されている。試験部材は剛性半球131が当接された状態で第1の当接部6の直線的な往復動作の繰り返しにより表面が磨耗する。この磨耗状態の進行により変化する摩擦力は摩擦力センサー133によって測定されるようになっている。
【0022】
次に、上述した本発明の実施例の構成による動作を説明する。まず、試験部材の磨耗の度合いを測定するためのセッティングを行なう。これは、第1の当接部6上に試験部材である被作動部10をネジ12によって固定して取り付ける。そして、試験部材上に剛性半球131を支持用ばね132によって所定の圧力で押圧させることとする。
【0023】
その後、モータ2を作動させて回転軸3に取り付けた第1の偏心カム4と第2の偏心カム5を高速で回転させる。第1の当接部6と第2の当接部7は高速で往復運動を行なう。そのため、試験部材である被作動部10は高速で直線的に往復動作を行い、その表面が剛性半球131によって磨耗される。時間の経過によって変化する磨耗の度合は変化を摩擦力センサー133によって測定することができる。
【0024】
回転運動を往復運動に変換している状態において、回転軸3からみた第1の当接部6とスペーサ82と被差動部10等からなる第1の偏心カム4側における重心の移動による影響は、第2の当接部7とスペーサ92等からなる第2の偏心カム5側における重心の移動によって打ち消される。即ち、第1の偏心カム4と第2の偏心カム5が互いに180度異なった位置関係をもって回転軸3に取り付けられているため、回転軸3からみて1回転毎による負荷に変動を生じない。そのため、基台1、回転軸3等に振動を生じない。
【0025】
また、第1の押圧部8は回転軸3の軸線と平行で且つスペーサ82によって平行に配置され、2枚の板ばね81が押圧力を発生するようにS状に変形されているため、その先端に位置する第1の当接部6は実質的に直線的に往復運動を行なう。一方、第2の押し圧部9も第1の押圧部8と同様の構成である。そのため、第2の当接部7は第1の当接部6と同様に直線的に往復運動を行なう。
【0026】
また、板ばね81は回転軸3の中心軸線の方向に対して変位にしない。そのため、第1の当接部6は第1の偏心カム4の偏心によって変位される方向にのみ移動する。板ばね91も板ばね81と同様の構成である。そのため、第2の当接部7は第2の偏心カム5の偏心によって変位される方向にのみ移動する。
【0027】
また、第1の偏心カム4において、円形外周部43は円形中心部41に対して潤滑部42によって自由に回転する。そのため、円形外周部43が第1の当接部6の当接によって静止されていても回転軸3の回転に対して負荷とならない。従って、モータ2の回転トルクは直線的な往復運動に効率よく変換される。第2の偏心カム5においても第1の偏心カム4と同一の構成であるため回転軸3に対して同様に負荷とならない。
【0028】
上述した実施例の回転運動を往復運動に変換する機構は、回転軸3に対して180度の角度で取り付け位置を異にした第1の偏心カム4と第2の偏心カム5に、それぞれ第1の当接部6と第2の当接部7とを互いに対向する方向から当接したものである。そして、第1の当接部6は第1の押圧部8によって第1の偏心カム4に押圧され、第2の当接部7は第1の押圧部の押圧力に等しい押圧力の第2の押圧部9によって第2の偏心カム5に押圧されている。更に、第1の当接部5側と第2の当接部6側との重量が略等しい。従って、互いの重心の移動が打ち消され、回転軸3からみて負荷に変動を生じないので、基台1、回転軸3等に振動を生じない。
【0029】
また、前記第1の押圧部8と第2の押圧部9を形成する板ばね81、91の面が回転軸3の中心軸線と平行に配されているため、第1の当接部6と第2の当接部7が回転軸3の中心軸線方向に変位することがない。従って、第1の当接部6と第2の当接部7は中心軸線方向に振動することがない。このように振動が発生しないことにより、剛性半球131は試験部材上をバウンドすることなく相対的に直線的に移動するので正確な磨耗変化を得ることができる。
【0030】
即ち、本発明の実施例においては、機構自体が振動を生じることがなく、しかも第1の当接部6に結合した被作動部10が第1の偏心カム4の偏心によって変位される方向にのみ変位されるので、直線的な往復運動が得られる。そして、この往復運動は高速であっても高精度な変位動作となる。
【0031】
更に、第1の偏心カム4、第2の偏心カム5において、円形外周部43は円形中心部41に対して潤滑部42によって自由に回転するため、円形外周部43が第1の当接部6、第2の当接部7の当接されていても回転軸3の回転に対して負荷とならない。従って、モータ2の回転トルクは直線的な往復運動に効率よく変換される。
【0032】
このようにして、測定部13における測定は振動の影響を受けないで高精度に行なうことができる。また、速度を変化させても振動が発生しないので、共通の機構であらゆる速度の往復動作を安定的に得ることができる。
【0033】
尚、上述した本発明の実施例においては、第1の押圧部8と第2の押圧部9はそれぞれ2枚の板ばね81、91によって形成したが、本発明はこれに限定されることなく、1枚の板ばね81、91で構成してもよい。
【0034】
尚、また、上述した本発明の実施例においては、第1の偏心カム4、第2の偏心カム5は潤滑部42を介して円形中心部41と円形外周部43とに分離したが、本発明はこれに限定されることなく、円形中心部41と円形外周部43とを一体にして第1の当接部6、第2の当接部7が円形外周部43に摺接するようにしてもよい。
【0035】
尚、また、上述した本発明の実施例においては、試験部材の磨耗の度合いを測定するものに適用したが、これに限定されることなく、被作動部10上に潤滑材を塗布し剛性半球131によって摩擦されることによる粘性変化を測定する等、種々のものに適用してもよい
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】 図1は本発明の実施例における回転運動を往復直線運動に変換する機構の斜視図である。
【図2】 図2は図1における偏心カム部分を拡大して示す平面図である。
【図3】 図3は本発明の実施例における回転運動を往復直線運動に変換する機構の平面図である。
【図4】 図4は本発明の実施例における回転運動を往復直線運動に変換する機構の側面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 基台
2 モータ
3 回転軸
4 第1の偏心カム
5 第2の偏心カム
6 第1の当接部
7 第2の当接部
8 第1の押圧部
9 第2の押圧部
10 被作動部
11 固定部
12 ネジ
13 測定部
14 支持台
41、51 円形中央部
42、52 潤滑部
43、53 円形外周部
44、54 貫通孔
81、91 板ばね
92 スペーサ
131 剛性半球
132 支持ばね
133 摩擦力センサー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源によって回転される回転軸に取り付けられた第1の偏心カムと、
前記回転軸に前記第1の偏心カムと180度の異なる位置関係で取り付けられた第2の偏心カムと、
第1の偏心カムの外周面に当接し被作動部を結合して配された第1の当接部と、
前記第1の偏心カムに対し前記回転軸を挟んで対向する位置で前記第2の偏心カムの外周面に当接して配され、前記第1の当接部側の重量に略等しい重量の第2の当接部と、
前記回転軸の軸線と平行な平面を有し、一端を固定端とし他端を遊端として前記第1の当接部を取り付けて該第1の当接部を前記第1のカムの方向に押圧する弾性力を有する板ばねから形成された第1の押圧手段と、
前記回転軸の軸線と平行な平面を有し、一端を固定端とし他端を遊端として前記第2の当接部を取り付けて該第2の当接部を前記第1の当接部の変位方向に対向する前記第2のカムの方向に前記第1の押圧手段の弾性力と略等しい弾性力で押圧する板ばねから形成された第2の押圧手段とを備えてなることを特徴とする回転運動を往復直線運動に変換する機構。
【請求項2】
前記第1の押圧手段と第2の押圧手段は、スペーサを介して所定の間隔を置いて配された1組の板ばねから形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転運動を往復直線運動に変換する機構。
【請求項3】
前記第1の偏心カムと前記第2の偏心カムとは、円形中心部と、該円形中心部と同心的に潤滑部を介して回転する円形外周部とから成り、該円形中心部の中心位置から偏心した位置に前記回転軸を貫通して固定して形成したことを特徴とする請求項1に記載の回転運動を往復直線運動に変換する機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−138460(P2006−138460A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−355997(P2004−355997)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【出願人】(598141604)株式会社交洋製作所 (6)
【Fターム(参考)】