説明

回転電機のステータ

【課題】組み立て性を向上させるとともに、コイルエンド部分の容積を低減して小型化を図ることができる回転電機のステータを提供する。
【解決手段】ステータコア10と、複数のコイルセグメント21,22,23と、複数のコイルエンドプレート24,25,26と、を備え、ステータコア10における2つのスロット11にコイルセグメント21,22,23の一対の脚部が収容され、かつ、ステータコア10の端面側において、当該2つのスロット11に収容されたコイルセグメント21,22,23の一対の脚部のそれぞれの端部がそれぞれ別個のコイルエンドプレート24,25,26と接続されることで、円環状の電流経路が形成され、当該電流経路が、ステータコア10の径方向および周方向に複数形成されるとともに、ステータコア10の周方向に隣接する電流経路には、それぞれ逆回転の方向に電流が流れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動機や発電機等の回転電機に用いられるステータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ステータコア(固定子鉄心)とステータコイル(固定子巻線)とからなる回転電機のステータ(固定子)について、多数の構造が提案されている。例えば、特許文献1では、複数のスロットを有する固定子鉄心と、複数枚のコイルエンドプレートが径方向に積層されて形成され、前記スロットに挿入されるコイルエンドプレート積層体と、異なるスロットに挿入されたコイルエンドプレート積層体間を接続する渡り部材と、を備えるステータが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−259555号公報(図1参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1で提案されたステータは、物理的接続が必要な部分が多く、組み立て性が悪いという問題があった。また、特許文献1で提案されたステータは、前記した渡り部材が回転電機の回転軸方向に延出しているため、コイルエンド部分の容積が大きくなって小型化が容易ではないという問題があった。
【0005】
本発明は、前記した問題点に鑑み創案されたものであり、組み立て性を向上させるとともに、コイルエンド部分の容積を低減して小型化を図ることができる回転電機のステータを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために本発明に係る回転電機のステータは、内周面に複数のスロットが形成された筒状のステータコアと、前記ステータコアの一方の端面側から前記スロットに挿入される複数のコイルセグメントと、前記ステータコアの他方の端面側において前記コイルセグメントと電気的に接続される複数のコイルエンドプレートと、を備える回転電機のステータであって、前記コイルセグメントが、前記スロットに収容される一方の脚部と、当該一方の脚部とは異なるスロットに収容される他方の脚部と、前記一方の脚部と前記他方の脚部との間に連続して形成され前記ステータコアの端面側に表出する曲折部と、を有し、前記ステータコアにおける2つのスロットに前記コイルセグメントの一対の脚部が収容され、かつ、前記ステータコアの端面側において、当該2つのスロットに収容された前記コイルセグメントの一対の脚部のそれぞれの端部がそれぞれ別個の前記コイルエンドプレートと接続されることで、円環状の電流経路が形成され、前記電流経路が、前記ステータコアにおける同一のスロットに挿入される前記コイルセグメントとこれに対応する前記コイルエンドプレートの組み合わせの数に対応して前記ステータコアの径方向に複数形成されるとともに、前記ステータコアにおける異なるスロットに挿入される前記コイルセグメントとこれに対応する前記コイルエンドプレートの組み合わせの数に対応して、前記ステータコアの周方向に複数形成され、前記ステータコアの径方向および周方向に形成される前記複数の電流経路のうち、前記ステータコアの周方向に隣接する電流経路には、それぞれ逆回転の方向に電流が流れる構成とした。
【0007】
このような構成を備える回転電機のステータは、ステータコアのスロットに複数のコイルセグメントを収容し、かつ、板状のコイルエンドプレートを介して当該複数のコイルセグメントの端部同士を電気的に接続することで、コイルエンド部分を回転電機の回転軸方向に延出させることなく、当該回転軸回りのコイルループ(電流経路)を容易に形成することができる。
【0008】
また、本発明に係る回転電機のステータは、前記コイルエンドプレートが、前記ステータコアの周方向に延びる平板状のプレート部と、前記プレート部の一端側から前記ステータコアの径方向にそれぞれ延出され、前記コイルセグメントの脚部の端部がそれぞれ接続される一対の延出部と、を有することが好ましい。
【0009】
このような構成を備える回転電機のステータは、コイルエンド部材として板状のコイルエンドプレートを用いるため、コイルエンド部分の高さを最小限に抑えることができる。
【0010】
また、本発明に係る回転電機のステータは、前記電流経路が、前記ステータコアの周方向において、隣接する電流経路と互いに交差しないように形成されることが好ましい。
【0011】
このような構成を備える回転電機のステータは、隣接するコイルターン(電流経路)と交差することによるクロスポイントの発生を抑制することができるため、コイルの占積率を向上させることができる。
【0012】
また、本発明に係る回転電機のステータは、前記ステータコアの一方の端面側から前記スロットに挿入されるとともに、前記ステータコアの他方の端面側において前記コイルエンドプレートと電気的に接続され、前記コイルセグメントに流れる電流の方向を反転させる左右反転コイルセグメントを備え、前記左右反転コイルセグメントが、前記スロットに収容され、端部が前記コイルエンドプレートの延出部と接続される一方の脚部と、当該一方の脚部とは異なるスロットに収容され、端部が前記コイルエンドプレートの延出部と接続される他方の脚部と、前記一方の脚部と前記他方の脚部との間に連続して形成され、前記ステータコアの端面側に表出する曲折部と、を有することが好ましい。
【0013】
このような構成を備える回転電機のステータは、左右反転コイルセグメントを備えることで、コイルセグメントに流れる電流の方向、すなわちコイルループの方向を反転させることができる。
【0014】
また、本発明に係る回転電機のステータは、前記コイルセグメントおよび前記左右反転コイルセグメントに外部電源からの電力を供給する電源供給コイルセグメントを備え、前記電源供給コイルセグメントは、前記スロットに収容され、一方の端部が前記コイルエンドプレートの延出部に接続されるとともに、他方の端部が前記ステータコアの一方の端面側に表出する一方の脚部と、前記ステータコアの一方の端面側に表出し、他方の端部が外部の電源と接続される他方の脚部と、前記ステータコアの一方の端面側に表出し、前記一方の脚部の他方の端部と前記他方の脚部の一方の端部とを接続する曲折部と、を有することが好ましい。
【0015】
このような構成を備える回転電機のステータは、電源供給コイルセグメントを備えることで、外部から任意の相数の電流を供給することができる。
【0016】
また、本発明に係る回転電機のステータは、前記ステータコアの一方の端面側において、前記ステータに形成された複数の前記電流経路のうちの最後の電流経路を形成する前記コイルエンドプレートと電気的に接続され、外部から供給された複数の相の電流を中点で短絡させる中点短絡コイルエンドプレートと、前記中点短絡コイルエンドプレートおよび前記コイルエンドプレートを電気的に接続する中点連結コイルセグメントと、を備え、前記中点短絡コイルエンドプレートが、前記ステータコアの周方向に延びる平板状のプレート部と、前記プレート部の一端側から前記ステータコアの径方向に、電流の相数に対応してそれぞれ延出され、前記中点連結コイルセグメントの一方の端部がそれぞれ接続される延出部と、を有し、前記中点連結コイルセグメントが、前記スロットに収容され、他方の端部が前記コイルエンドプレートの延出部と接続されることが好ましい。
【0017】
このような構成を備える回転電機のステータは、中点短絡コイルエンドプレートと中点連結コイルセグメントを備えることで、複数の相の電流を短絡(ショート)させることができる。
【0018】
また、本発明に係る回転電機のステータは、前記左右反転コイルセグメントが、流れる電流の相ごとに前記一方または他方の脚部の長さが異なることが好ましい。
【0019】
このような構成を備える回転電機のステータは、外部から複数の相の電流が供給される場合において、当該電流の相数に対応してステータコアの他方の端面側に積層されるコイルエンドプレートの積層数が増加し、ステータコアを挟んで、左右反転コイルセグメントとコイルエンドプレートとの距離が拡大する場合であっても、当該拡大する距離に応じて左右反転コイルセグメントの脚部の長さを調整することができる。
【0020】
また、本発明に係る回転電機のステータは、前記中点連結コイルセグメントが、流れる電流の相ごとに長さが異なることが好ましい。
【0021】
このような構成を備える回転電機のステータは、外部から複数の相の電流が供給される場合において、当該電流の相数に対応してステータコアの他方の端面側に積層されるコイルエンドプレートの積層数が増加し、ステータコアを挟んで、中点連結コイルセグメントとコイルエンドプレートとの距離が拡大する場合であっても、当該拡大する距離に応じて中点連結コイルセグメントの脚部の長さを調整することができる。
【0022】
また、本発明に係る回転電機のステータは、前記コイルセグメント、前記左右反転コイルセグメント、前記コイルエンドプレート、前記電源供給コイルセグメント、前記中点短絡コイルエンドプレートおよび前記中点連結コイルセグメントが、電流が流れる方向に直交する断面積がそれぞれ等しくなるように形成されることが好ましい。
【0023】
このような構成を備える回転電機のステータは、ステータコイルにおける電気抵抗を一定にすることができるため、局所的な発熱が生じることを抑制し、電流を安定させ、回転磁界を安定して形成することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る回転電機のステータによれば、U字状に連続して形成されたコイルセグメントとコイルエンドプレートの大きく分けて2種類の部材によってコイルループを形成するため、物理的接続が必要な部分を最小限に留めることができ、組み立て性を向上させることができる。また、回転電機のステータは、コイルエンド部材として板状のコイルエンドプレートを用いるため、ステータコアの端面上におけるコイルエンド部分の高さを抑えることができる。従って、剛性導体を用いたコイルループであっても、重ね巻きを成立させながらコイルエンド部分の容積を低減することができ、装置全体の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施形態に係る回転電機のステータの全体構成を示す斜視図である。
【図2】実施形態に係る回転電機のステータが備えるステータコアの構成を示す平面図である。
【図3】実施形態に係る回転電機のステータが備えるコイルセグメント等とコイルエンドプレートとの接続状態を示す図であって、ステータコアの一部を切り欠いた斜視図である。
【図4】実施形態に係る回転電機のステータが備えるステータコイルの一部を構成するコイルセグメントの構成を示す図であって、(a)、(b)(c)は、それぞれ形状の異なる3種類のコイルセグメントを示す斜視図である。
【図5】実施形態に係る回転電機のステータが備えるステータコイルの一部を構成するコイルセグメントの構成を示す図であって、(a)は、形状の異なる3種類のコイルセグメントの脚部をステータコアの径方向に重ねた状態を示す斜視図、(b)は、左側から順番に、(a)のB−B断面図、(a)のC −C断面図、(a)のD−D断面図、である。
【図6】実施形態に係る回転電機のステータが備えるステータコアとステータコイルの構成を示す図であって、ステータコアのスロットに一部のコイルセグメントが収容された状態を示す平面図である。
【図7】実施形態に係る回転電機のステータが備えるステータコアとステータコイルの構成を示す図であって、ステータコアのスロットにコイルセグメントが全て収容された状態を示す図1のA−A断面図である。
【図8】実施形態に係る回転電機のステータが備えるステータコアとステータコイルの構成を示す図であって、ステータコアのスロットにコイルセグメントが全て収容された状態を示す図6のE部拡大図である。
【図9】実施形態に係る回転電機のステータが備えるコイルエンドプレートの構成を示す図であって、(a)は、コイルエンドプレートが配置された側を上方に向けた場合における回転電機のステータの全体構成を示す斜視図、(b)は、(a)のF部拡大断面図、である。
【図10】実施形態に係る回転電機のステータが備えるステータコイルの一部を構成するコイルエンドプレートの構成を示す図であって、(a)、(b)、(c)は、それぞれ形状の異なる3種類のコイルエンドプレートを示す斜視図である。
【図11】実施形態に係る回転電機のステータが備えるステータコイルの一部を構成するコイルエンドプレートの構成を示す図であって、(a)は、形状の異なる3種類のコイルエンドプレートのプレート部を回転電機の回転軸方向に重ねようとする状態を示す斜視図、(b)は、形状の異なる3種類のコイルエンドプレートのプレート部を重ねた状態を示す平面図、である。
【図12】実施形態に係る回転電機のステータの全体構成を示す図であって、コイルエンドプレートが配置された側を上方に向けた状態における側断面図である。
【図13】実施形態に係る回転電機のステータの全体構成を示す図であって、コイルエンドプレートが配置された側を上方に向けた状態における平面図である。
【図14】実施形態に係る回転電機のステータの一部の構成を示す図であって、コイルセグメントを全て取り除いた状態を示す斜視図である。
【図15】実施形態に係る回転電機のステータが備えるステータコイルの一部を構成する左右反転コイルセグメントの構成を示す斜視図である。
【図16】実施形態に係る回転電機のステータが備えるステータコイルの一部を構成する電源供給コイルセグメントを示す斜視図である。
【図17】実施形態に係る回転電機のステータが備えるステータコイルの一部を構成する中点短絡コイルエンドプレートの構成を示す斜視図である。
【図18】実施形態に係る回転電機のステータが備えるステータコイルの一部を構成する中点連結コイルセグメントの構成を示す斜視図である。
【図19】実施形態に係る回転電機のステータにおけるコイルターンを説明するための概略図である。
【図20】回転電機のステータにおけるコイルループを説明するための概略図であって、(a)は、実施形態に係る回転電機のステータのコイルループを説明するための概略図、(b)従来の回転電機のステータのコイルループを説明するための概略図、である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る回転電機のステータ(以下、単にステータという)を実施するための形態について、図1〜図20を参照しながら説明する。なお、各図に示した構成の寸法・縮尺は、説明の便宜上誇張して示している場合がある。
【0027】
ステータ1は、図1に示すように、外部から供給される電気エネルギーを機械エネルギーに変換して回転運動を行う回転電機の固定子である。ステータ1は、外部から電気エネルギーが入力され、永久磁石を備えたロータ(回転子)を回転運動させるための磁界を発生させる。ステータ1は、図1に示すように、ステータコア10と、ステータコイル20と、を備えている。なお、ステータ1は、例えば誘導電動機、同期電動機等のステータとして用いることもできる。
【0028】
ステータコア10は、図1に示すように、ステータコイル20が装着されるコア部材である。ステータコア10は、図2に示すように、円筒状に形成され、当該筒内に図示しないロータが配置される。ステータコア10は、例えば円環状の薄い電磁鋼板を回転電機の回転軸X方向に積層して形成することができる。ステータコア10の内周面には、図2に示すように、複数のスロット(溝)11が等間隔で形成されている。
【0029】
スロット11は、図1に示すように、コイルセグメントを収容するためのものである。スロット11は、図1に示すように、回転電機の回転軸X方向に直線状に形成されている。また、スロット11は、図2に示すように平面視すると、当該回転軸X方向に同じ大きさ(同一断面積)で形成されるとともに、ステータコア10の外径側に向かうに従って幅が増加するような形状に形成される。これにより、実施形態に係るステータ1は、スロット11内に収容されるコイルセグメントを確実に保持することができる。但し、スロット11は、ステータコア10の径方向に見た場合に、一定の幅で形成されてもよい。
【0030】
スロット11は、ここでは図2に示すように、回転軸X方向に一列として48個形成される。但し、当該スロット11の数は特に限定されず、ステータコア10の周方向に形成されるコイルターンの数(コイルループのターン数)と、外部から供給される電流の相数と、に対応して適宜変更することができる。なお、ステータ1に形成されるコイルターンの詳細については後記する(後記する図19参照)。
【0031】
スロット11には、図3に示すように、ステータコア10の一方の端面側から、複数種類のコイルセグメント(コイルセグメント21,22,23、左右反転コイルセグメント27、電源供給コイルセグメント28および中点連結コイルセグメント30)が挿入される。また、スロット11には、後記するように、前記した複数種類のコイルセグメントが、ステータコア10の径方向に所定順序で複数個(ここでは3個)収容される。
【0032】
ステータコイル20は、図1に示すように、外部から入力された電気エネルギーによって励磁し、回転磁界を発生させるものである。ステータコイル20には、ここでは外部からU相、V相およびW相からなる三相の電流が供給される。そして、ステータコイル20は、ここでは図1に示すように、一般的な巻線ではなく、個片化された複数種類のコイルセグメントと、複数種類のコイルエンドプレートと、から構成される。
【0033】
実施形態に係るステータ1は、複数種類のコイルセグメントと複数種類のコイルエンドプレートによって、ステータコア10の径方向と周方向とにコイルターンを複数形成する。ここで、コイルターンとは、ステータコア10における2つのスロット11にコイルセグメントが収容され、かつ、ステータコア10の端面側において、当該2つのスロットに収容されたコイルセグメントの端部がそれぞれ別個のコイルエンドプレートと電気的に接続されることで形成される円環状の電流経路のことを意味している(後記する図19参照)。また、コイルループとは、ステータ1に形成される全てのコイルターンによって構成されるステータ1全体の電流経路(回転電機の回転軸X回りの電流経路)のことを意味している(後記する図20参照)。なお、以下の説明では、まずステータ1の各構成について説明した後、当該ステータ1によって形成されるコイルターンとコイルループについて説明する。
【0034】
複数種類のコイルセグメントは、具体的には図1に示すように、コイルセグメント21,22,23と、左右反転コイルセグメント27と、電源供給コイルセグメント28と、中点連結コイルセグメント30と、から構成される。また、複数種類のコイルエンドプレートは、具体的には図1に示すように、コイルエンドプレート24,25,26と、中点短絡コイルエンドプレート29と、から構成される。そして、ステータコイル20は、図1に示すように、これらの複数種類のコイルセグメントと複数種類のコイルエンドプレートとがステータコア10の端面側で電気的に接続されることで、電気的な一つのコイルループを形成している。
【0035】
なお、ステータコイル20を構成する複数種類のコイルセグメント(コイルセグメント21,22,23、左右反転コイルセグメント27、電源供給コイルセグメント28および中点連結コイルセグメント30)と、複数種類のコイルエンドプレート(コイルエンドプレート24,25,26および中点短絡コイルエンドプレート29)とは、電流が流れる方向に直交する断面積がそれぞれ等しくなるように形成される。すなわち、実施形態に係るステータ1においては、ステータコイル20を構成するコイルセグメントおよびコイルエンドプレートは、後記するように断面形状は各々異なるものの、断面積が同一となるように設計される。これにより、実施形態に係るステータ1は、ステータコイル20における電気抵抗を均一にすることができるため、局所的な発熱が生じることを抑制し、電流を安定させ、回転磁界を安定して形成することができる。
【0036】
また、図示は省略したが、ステータコイル20を構成する複数種類のコイルセグメント(コイルセグメント21,22,23、左右反転コイルセグメント27、電源供給コイルセグメント28および中点連結コイルセグメント30)と、複数種類のコイルエンドプレート(コイルエンドプレート24,25,26および中点短絡コイルエンドプレート29)とは、例えば樹脂含浸等により絶縁処理が施されている。
【0037】
[コイルセグメント21,22,23の構成]
以下、ステータコイル20の一部を構成するコイルセグメント21,22,23について、詳細に説明する。なお、以下の説明では、コイルセグメント21,22,23およびコイルエンドプレート24,25,26を包括的、または抽象的に示す場合は、それぞれ「コイルセグメント」、「コイルエンドプレート」と表記して符号を省略する場合がある。また、以下の説明では、コイルセグメント21,22,23が有する共通の構成(例えば一対の脚部)や、コイルエンドプレート24,25,26が有する共通の構成(例えば一対の延出部)等を説明する際に、冗長な記載を避けるために当該共通の構成の符号を省略する場合がある。
【0038】
コイルセグメント21,22,23は、図1に示すように、ステータコイル20における主要なコイル構成部材であり、外部から供給された電流を回転電機の回転軸X方向およびステータコア10の周方向に流すためのものである。コイルセグメント21,22,23は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等からなる導電性の棒状部材で構成され、図4に示すように、当該棒状部材がほぼU字状に折り曲げられた形状を呈している。但し、コイルセグメント21,22,23の素材は、導電性および成形性に優れた素材であれば特に限定されない。
【0039】
コイルセグメント21は、具体的には図4(a)に示すように、直線状に形成された一対の脚部21a,21bと、一方の(第一の)脚部21aと他方の(第二の)脚部21bとの間に連続して形成された湾曲状の曲折部21cと、を有している。この曲折部21cは、図1に示すように、コイルセグメント21がステータコア10のスロット11に収容された状態において、当該ステータコア10の一方の端面側に表出する。また、一対の脚部21a,21bのそれぞれの端部21d,21eには、当該コイルセグメント21とコイルエンドプレート24,25,26とが接続される際に、例えば、締結部材31(後記する図9(b)参照)が挿入される、図示しない所定深さの孔部が形成されている。なお、上記例では、コイルセグメント21に締結部材31による締結のための孔部が形成されているが、溶接等の方法によって接合する場合は、孔部は形成されていなくてもよい。
【0040】
ここで、コイルセグメント21の曲折部21cは、より具体的には図4(a)および図6に示すように、第1曲折部21c1と、第2曲折部21c2と、を有している。第1曲折部21c1は、図4(a)に示すように、他方の脚部21bから連続して形成された第1の曲折部分であり、第2曲折部21c2は、図4(a)に示すように、第1曲折部21c1から一方の脚部21aまで連続して形成された第2の曲折部分である。
【0041】
図6に示すように平面視すると、第1曲折部21c1は、ステータコア10の内径側に向かって湾曲するように形成され、第2曲折部21c2は、異なるスロット11におけるステータコア10の外径側に向かって湾曲するように形成される。そして、第1曲折部21c1の一方の側面(ステータコア10の内径側に位置する側面)の形状は、同じスロット11に収容されるコイルセグメント22の第1曲折部22c1の他方の側面(ステータコア10の外径側に位置する側面)の形状に沿うように形成され、第2曲折部21c2の一方の側面の形状は、同じスロット11に収容されるコイルセグメント22の第2曲折部22c2の他方の側面の形状に沿うように形成される。また、第1曲折部21c1の他方の側面の形状は、異なるスロット(右側のスロット)11に収容されるコイルセグメント22の第1曲折部22c1の一方の側面の形状に沿うように形成され、第2曲折部21c2の他方の側面の形状は、ステータコア10の外径内に収まるように形成される。
【0042】
第1曲折部21c1および第2曲折部21c2は、正面視すると、ステータコア10の一方の端面側(上側)に向かって湾曲するように形成される。そして、第1曲折部21c1の下面(ステータコア10の他方の側面側に位置する面)の形状は、異なるスロット(左側のスロット)11に収容されるコイルセグメント21,22の第1曲折部21c1,22c1の上面(ステータコア10の一方の側面側に位置する面)の形状に沿うように形成され、第2曲折部21c2の下面の形状は、異なるスロット(左側のスロット)11に収容されるコイルセグメント21,22の第2曲折部21c2,22c2の上面の形状に沿うように形成される。また、第1曲折部21c1の上面の形状は、異なるスロット(右側のスロット)11に収容されるコイルセグメント21,22の第1曲折部21c1,22c1の下面の形状に沿うように形成され、第2曲折部21c2の上面の形状は、異なるスロット(右側のスロット)11に収容されるコイルセグメント21,22の第2曲折部21c2,22c2の下面の形状に沿うように形成される。
【0043】
このように、第1曲折部21c1および第2曲折部21c2の上面と下面とには、異なるスロット11に収容されるコイルセグメント21,22の第1曲折部および第2曲折部が、当該第1曲折部21c1および第2曲折部21c2の湾曲部分に沿って隙間なく配置されることになる。以上のような構成を備える曲折部21cを備えるコイルセグメント21は、同じまたは異なるスロット11に配置されたコイルセグメント21およびコイルセグメント22をステータコア10の径方向と回転軸X方向とに隣接させて、無駄なく配置することができる。
【0044】
コイルセグメント22は、具体的には図4(b)に示すように、直線状に形成された一対の脚部22a,22bと、一方の(第一の)脚部22aと他方の(第二の)脚部22bとの間に連続して形成された湾曲状の曲折部22cと、を有している。この曲折部22cは、図1に示すように、コイルセグメント22がステータコア10のスロット11に収容された状態において、当該ステータコア10の一方の端面側に表出する。また、一対の脚部22a,22bのそれぞれの端部22d,22eには、当該コイルセグメント22とコイルエンドプレート24,25,26とが接続される際に、例えば、締結部材31(後記する図9(b)参照)が挿入される、図示しない所定深さの孔部が形成されている。なお、上記例では、コイルセグメント22に締結部材31による締結のための孔部が形成されているが、溶接等の方法によって接合する場合は、孔部は形成されていなくてもよい。
【0045】
ここで、コイルセグメント22の曲折部22cは、より具体的には図4(b)および図6に示すように、第1曲折部22c1と、第2曲折部22c2と、を有している。第1曲折部22c1は、図4(b)に示すように、他方の脚部22bから連続して形成された第1の曲折部分であり、第2曲折部22c2は、図4(b)に示すように、第1曲折部22c1から一方の脚部22aまで連続して形成された第2の曲折部分である。
【0046】
図6に示すように平面視すると、第1曲折部22c1は、ステータコア10の内径側に向かって湾曲するように形成され、第2曲折部22c2は、異なるスロット11におけるステータコア10の外径側に向かって湾曲するように形成される。そして、第1曲折部22c1の一方の側面(ステータコア10の内径側に位置する側面)の形状は、ステータコア10の内径内に収まるように形成され、第2曲折部22c2の一方の側面の形状は、異なるスロット(左側のスロット)11に収容されるコイルセグメント21の第2曲折部21c2の他方の側面(ステータコア10の外径側に位置する側面)の形状に沿うように形成される。また、第1曲折部22c1の他方の側面の形状は、同じスロット11に収容されるコイルセグメント21の第1曲折部21c1の一方の側面の形状に沿うように形成され、第2曲折部22c1の他方の側面の形状は、同じスロット11に収容されるコイルセグメント21の第2曲折部21c2の一方の側面の形状に沿うように形成される。
【0047】
第1曲折部22c1および第2曲折部22c2は、正面視すると、ステータコア10の一方の端面側(上側)に向かって湾曲するように形成される。そして、第1曲折部22c1の下面(ステータコア10の他方の側面側に位置する面)の形状は、異なるスロット(左側のスロット)11に収容されるコイルセグメント21,22の第1曲折部21c1,22c1の上面(ステータコア10の一方の側面側に位置する面)の形状に沿うように形成され、第2曲折部22c2の下面の形状は、異なるスロット(左側のスロット)11に収容されるコイルセグメント21,22の第2曲折部21c2,22c2の上面の形状に沿うように形成される。また、第1曲折部22c1の上面の形状は、異なるスロット(右側のスロット)11に収容されるコイルセグメント21,22の第1曲折部21c1,22c1の下面の形状に沿うように形成され、第2曲折部22c2の上面の形状は、異なるスロット(右側のスロット)11に収容されるコイルセグメント21,22の第2曲折部21c2,22c2の下面の形状に沿うように形成される。
【0048】
このように、第1曲折部22c1および第2曲折部22c2の上面と下面とには、異なるスロット11に収容されるコイルセグメント21,22の第1曲折部および第2曲折部が、当該第1曲折部22c1および第2曲折部22c2の湾曲部分に沿って隙間なく配置されることになる。以上のような構成を備える曲折部22cを備えるコイルセグメント22は、同じまたは異なるスロット11に配置されたコイルセグメント21およびコイルセグメント22をステータコア10の径方向と回転軸X方向とに隣接させて、無駄なく配置することができる。
【0049】
コイルセグメント23は、図4(c)に示すように、直線状に形成された一対の脚部23a,23bと、一方の(第一の)脚部23aと他方の(第二の)脚部23bとの間に連続して形成された曲折部23cと、を有している。この曲折部23cは、図1に示すように、コイルセグメント23がステータコア10のスロット11に収容された状態において、当該ステータコア10の一方の端面側に表出する。また、一対の脚部23a,23bのそれぞれの端部23d,23eには、当該コイルセグメント23とコイルエンドプレート24,25,26とが接続される際に、例えば、締結部材31(後記する図9(b)参照)が挿入される、図示しない所定深さの孔部が形成されている。なお、上記例では、コイルセグメント23に締結部材31による締結のための孔部が形成されているが、溶接等の方法によって接合する場合は、孔部は形成されていなくてもよい。ここで、コイルセグメント23は、ステータコア10の他方の端面側でコイルエンドプレート24,25,26と接続されることで、自身がコイルターンを形成するとともに、ステータコア10の周方向に複数形成されるコイルターン同士を繋ぐ渡り部材としても機能する。なお、ステータ1に形成されるコイルターンの詳細については後記する(後記する図19参照)。
【0050】
ここで、コイルセグメント23の曲折部23cは、より具体的には図4(c)および図6に示すように、第1曲折部23c1と、第2曲折部23c2と、を有している。第1曲折部23c1は、図4(c)に示すように、他方の脚部23bから連続して形成された第1の曲折部分であり、第2曲折部23c2は、図4(c)に示すように、第1曲折部23c1から一方の脚部23aまで連続して形成された第2の曲折部分である。
【0051】
図6に示すように平面視すると、第1曲折部23c1は、ステータコア10の内径側に向かって湾曲するように形成され、第2曲折部23c2は、異なるスロット11におけるステータコア10の外径側に向かって湾曲するように形成される。そして、第1曲折部23c1の一方の側面(ステータコア10の内径側に位置する側面)の形状は、ステータコア10の内径内に収まるように形成され、第2曲折部23c2の一方の側面の形状は、異なるスロット(左側のスロット)11に収容されるコイルセグメント23の第2曲折部23c2の他方の側面(ステータコア10の外径側に位置する側面)の形状に沿うように形成される。また、第1曲折部23c1の他方の側面の形状は、異なるスロット(左側のスロット)11に収容されるコイルセグメント23の第1曲折部23c1の一方の側面の形状に沿うように形成され、第2曲折部23c2の他方の側面の形状は、異なるスロット(右側のスロット)11に収容されるコイルセグメント23の第2曲折部23c2の一方の側面の形状に沿うように形成される。
【0052】
第1曲折部23c1および第2曲折部23c2は、正面視すると、ステータコア10の一方の端面側(上側)向かってに湾曲するように形成される。そして、第1曲折部23c1の下面(ステータコア10の他方の側面側に位置する面)の形状は、異なるスロット(左側のスロット)11に収容されるコイルセグメント23の第1曲折部23c1上面(ステータコア10の一方の側面側に位置する面)の形状に沿うように形成され、第2曲折部23c2の下面の形状は、異なるスロット(右側のスロット)11に収容されるコイルセグメント23の第2曲折部23c2の上面の形状に沿うように形成される。また、第1曲折部23c1の上面の形状は、異なるスロット(右側のスロット)11に収容されるコイルセグメント23の第1曲折部23c1の下面の形状に沿うように形成され、第2曲折部23c2の上面の形状は、異なるスロット(左側のスロット)11に収容されるコイルセグメント23の第2曲折部23c2の下面の形状に沿うように形成される。
【0053】
このように、第1曲折部23c1および第2曲折部23c2の上面と下面とには、異なるスロット11に収容されるコイルセグメント23の第1曲折部および第2曲折部が、当該第1曲折部23c1および第2曲折部23c2の湾曲部分に沿って隙間なく配置されることになる。以上のような構成を備える曲折部23cを備えるコイルセグメント23は、異なるスロット11に配置されたコイルセグメント23を径方向と回転軸X方向とに隣接させて、無駄なく配置することができる。
【0054】
コイルセグメント21,22,23の一対の脚部は、図4に示すように、所定の間隔を開けて開脚した形状に形成される。これにより、コイルセグメント21,22,23の一対の脚部は、図5(a)に示すように、ステータコア10の異なる2つのスロット11にそれぞれ収容される。また、コイルセグメント21,22,23は、予めステータコア10のスロット11に収容する順番が設定されており、一対の脚部は、スロット11の形状となるような断面形状に形成されている(後記する図5(b)参照)。
【0055】
コイルセグメント21,22の一対の脚部のそれぞれの開脚間隔は、全て同じ間隔となるように形成される。コイルセグメント21,22の一対の脚部の間隔は、具体的には図5(a)に示すように、ステータコア10のスロット11に一方の脚部21a,22aを収容する場合において、他方の脚部21b,22bが、一方の脚部21a,22aを収容するスロット11の5つ隣(ステータコア10の周方向における5つ隣)のスロット11に収容されるような間隔に形成される。但し、コイルセグメント21,22の一対の脚部のそれぞれの開脚間隔は特に限定されず、外部から供給される電流の相数に対応して適宜変更することができる。
【0056】
また、コイルセグメント23の一対の脚部の間隔は、コイルセグメント21,22のものとは異なる間隔となるように形成される。コイルセグメント23の一対の脚部の間隔は、具体的には図5(a)に示すように、ステータコア10のスロット11に一方の脚部23aを収容する場合において、他方の脚部23bが、一方の脚部23aを収容するスロット11の7つ隣(ステータコア10の周方向における7つ隣)のスロット11に収容されるような間隔に形成される。これは、前記したように、コイルセグメント23が、ステータコア10の周方向に複数形成されるコイルターン同士を繋ぐ渡り部材としても機能するためである。但し、コイルセグメント23の一対の脚部のそれぞれの開脚間隔は特に限定されず、外部から供給される電流の相数に対応して適宜変更することができる。
【0057】
コイルセグメント21,22,23は、図4に示すように、曲折部21c,22c,23cの形状が主に異なる。すなわち、曲折部21c,22c,23cは、図4に示すように、それぞれ異なる角度で湾曲させて形成される。図4に示すような曲折部の形状が異なる形状違いのコイルセグメントは、ステータコイル20によってステータコア10の径方向に形成するコイルターンの数(コイルループのターン数)に対応している。
【0058】
なお、コイルターンとは、ステータコア10における2つのスロット11にコイルセグメント21,22,23の一対の脚部が収容され、かつ、ステータコア10の端面側において、当該2つのスロットに収容されたコイルセグメント21,22,23の一対の脚部のそれぞれの端部がそれぞれ別個のコイルエンドプレートと電気的に接続されることで形成される円環状の電流経路のことを意味している(後記する図19参照)。このようなコイルターン(電流経路)は、ステータコア10における同一のスロット11に挿入されるコイルセグメント21,22,23とこれに対応するコイルエンドプレート24,25,26の組み合わせの数に対応してステータコア10の径方向に複数形成されるとともに、ステータコア10における異なるスロット11に挿入されるコイルセグメント21,22,23とこれに対応するコイルエンドプレート24,25,26の組み合わせの数に対応して、ステータコア10の周方向に複数形成される(後記する図19参照)。
【0059】
また、コイルループとは、ステータコア10の径方向および周方向に形成される全てのコイルターンによって構成されるステータ1全体の電流経路(回転電機の回転軸X回りの電流経路)のことを意味している(後記する図20参照)。このようなコイルループは、具体的には、右回りと左回りの2種類で構成される(後記する図20参照)。
【0060】
ここで、実施形態に係るステータ1は、後記するように、ステータコア10のスロット11に3つのコイルセグメントを収容し、ステータコア10の径方向にコイルターンを3ターン形成する(後記する図19参照)。従って、本実施形態に係るステータ1は、図4に示すように、曲折部の形状が異なる形状違いのコイルセグメントを3つ用いる。これにより、実施形態に係るステータ1は、図5(a)に示すように、コイルセグメント21,22,23の一対の脚部をそれぞれステータコア10の径方向に重ね、3つの脚部を組み合わせてステータコア10のスロット11に収容する際に、それぞれの曲折部21c,22c,23cがステータコア10の径方向に隣接して配置される。
【0061】
また、実施形態に係るステータ1は、曲折部の形状が異なる形状違いのコイルセグメント21,22,23を組み合わせてステータコア10のスロット11に収容するため、図6に示すように、他のコイルセグメント21,22,23と干渉しないように配置することができるとともに、ステータコア10の一方の端面内に収まるように、かつ、ステータコア10の一方の端面上に一定の高さに収まるように、コイルセグメント21,22,23を配置することができる。すなわち、ステータ1は、通常の巻線と異なる剛性導体からなるコイルセグメントであっても、あたかも巻線と同じように重ね巻きの状態を形成することができる。従って、ステータ1は、剛性導体による重ね巻きを実現するとともに、ステータコア10の端面からのコイルセグメント21,22,23の表出部分の容積を可能な限り抑えることができる。また、ステータ1は、コイルセグメント21,22,23を無駄なく効率よく配置することができるため、コイルの占積率を向上させることができる。
【0062】
また、図示は省略したが、実施形態に係るステータ1は、曲折部の形状が異なる形状違いのコイルセグメント21,22,23の他に、一対の脚部の長さが異なる長さ違いのコイルセグメント21,22,23を用いる。このような一対の脚部の長さが異なる長さ違いのコイルセグメントは、ステータコイル20に外部から供給される電流の相数に対応している。
【0063】
ここで、実施形態に係るステータ1は、後記するように、ステータコア10の径方向に形成するコイルターンの数(コイルループのターン数)と外部から供給される電流の相数とを乗じた数だけ(ここでは9層分)、ステータコア10の他方の端面上にコイルエンドプレート24,25,26を積層する(後記する図12参照)。この場合、電流の相数に応じてコイルエンドプレート24,25,26の層数が倍増し、コイルセグメントとコイルエンドプレートとの距離が回転電機の回転軸X方向に離れることになる。従って、実施形態に係るステータ1は、コイルセグメント21,22,23のそれぞれについて一対の脚部の長さ違いを3つずつ用意する。すなわち、ステータ1は、曲折部の形状違いと一対の脚部の長さ違いとを合計して計9種類のコイルセグメントを用いる。これにより、実施形態に係るステータ1は、コイルセグメント21,22,23の曲折部側では隣り合うものが同じ高さ位置におさまり、コイルエンドプレート24,25,26側において、回転軸X方向に段差を持って配置される。そして、ステータ1は、外部から複数の相の電流が供給される場合において、当該電流の相数に対応してステータコア10の他方の端面側に積層されるコイルエンドプレート24,25,26の積層数が増加し、ステータコア10を挟んで、コイルセグメント21,22,23とコイルエンドプレート24,25,26との距離が拡大する場合であっても、当該拡大する距離に応じてコイルセグメント21,22,23の脚部の長さを調整することができる。従って、ステータ1は、各層に配置されたコイルエンドプレートとコイルセグメントとを容易に接続することができ、組み立て性を向上させることができる。
【0064】
以上のような構成を有するコイルセグメント21,22,23は、ステータコア10の一方の端面側から、当該ステータコア10の異なる2つのスロット11に挿入される。より具体的には、コイルセグメント21,22,23は、図5(a)に示すように、それぞれの脚部をステータコア10の径方向に所定の順序で重ねた状態で、図7に示すように、ステータコア10のスロット11内に収容される。そして、当該スロット11に収容されたコイルセグメント21,22,23の一対の脚部の端部は、ステータコア10の他方の端面側において、締結部材31(後記する図9(b)参照)によって、コイルエンドプレート24,25,26の一対の第2延出部(後記する図10参照)と電気的に接続される。なお、締結部材31によって締結するのではなく、かしめ、溶接、ロウ付け等により固定されてもよい。
【0065】
なお、コイルセグメント21,22,23の一対の脚部は、図5(a)に示すように、ステータコア10の径方向に所定の順序で重ねられた場合、図5(b)に示すように、それぞれが異なる断面形状となるように形成される。また、コイルセグメント21,22,23の一対の脚部は、具体的には図5に示すように、それぞれの断面積は同じで、ステータコア10の外径側に収容されるものほど幅が大きくなるような断面形状に形成される。そして、コイルセグメント21,22,23の一対の脚部は、図5(a)に示すように、ステータコア10の径方向に所定の順序で重ねられた場合、図5(b)に示すように、ステータコア10のスロット11の断面形状(図2参照)と同一の断面形状となるとなるように形成される。これにより、実施形態に係るステータ1は、スロット11の断面形状と、当該スロット11に所定の順序で収容される複数のコイルセグメント21,22,23の組み合わせの断面形状と、を同じものとすることができ、内径から径方向に幅が広くなるテーパ形状となるため、平行な幅のものと比較して、スロット11内に収容されるコイルセグメントをより確実に保持することができる。但し、コイルセグメント21,22,23の一対の脚部は、前記したようにスロット11が一定の幅で形成された場合は、当該スロット11の断面形状に合わせて、一定の幅で形成されてもよい。
【0066】
コイルセグメント21,22,23の一対の脚部は、図5(b)に示すように、当該一方または他方の脚部がステータコア10の径方向にずれた状態でステータコア10のスロット11にそれぞれ収容される。例えば、図5(b)に示すように、コイルセグメント21の一方の脚部21aがスロット11の最も外径側の位置に収容された場合、これに対応する他方の脚部21bは、図5(b)に示すように、内径側に一つずらしたスロット11の真ん中の位置に収容される。また、残りのコイルセグメント22,23についても同様に、一方の脚部21aと他方の脚部21bとが径方向にずれた位置に収容される。
【0067】
ステータコア10のスロット11内には、図5(a)に示すように、コイルセグメント21,22,23がステータコア10の径方向に3つずつ収容される。ステータコア10の一つのスロット11に収容されるコイルセグメント21,22,23の数は、コイルターンの数(コイルループのターン数)に対応している。ここで、実施形態に係るステータ1は、後記するように、ステータコア10の径方向にコイルターンを3ターン形成するため(後記する図20参照)、ステータコア10の径方向に収容されるコイルセグメント21,22,23の数は、図5(a)に示すように3つとなる。
【0068】
また、ステータコア10のスロット11内に収容されたコイルセグメント21,22,23には、図8に示すように、外部から供給された各相の電流が流れる。すなわち、実施形態に係るステータ1のように外部から三相の電流が供給される場合、例えば最も左側のスロット11に収容されたコイルセグメント(の脚部21a,22a,23b)と、最も右側のスロット11に収容されたコイルセグメント(の脚部23a,21b,22b)とには、U相の電流が流れることになる。また、左から2番目のスロット11に収容されたコイルセグメント(の脚部21a,22a,23b)と、左から3番目のスロット11に収容されたコイルセグメント(の脚部23a,21b,22b)とには、V相の電流が流れることになる。そして、左から4番目のスロット11に収容されたコイルセグメント(の脚部21a,22a,23b)と、左から5番目のスロット11に収容されたコイルセグメント(の脚部23a,21b,22b)とには、W相の電流が流れることになる。
【0069】
また、図示は省略したが、図8に示す最も左側のスロット11と最も右側のスロット11の両隣(左右)に位置するスロットに収容されたコイルセグメントには、ともにU相の電流が流れる。従って、ステータコア10のスロット11に収容されたコイルセグメント21,22,23には、回転電機の回転軸X回りに、U相、U相、V相、V相、W相、W相、U相、U相、・・・というように、三相の電流が2列ずつ流れることになる。なお、既に図4で説明したように、図8に示す最も左側のスロット11に収容されたコイルセグメント21,22と、図8に示す最も左側のスロット11に収容されたコイルセグメント21,22とは、同一のコイルセグメントである。
【0070】
[コイルエンドプレート24,25,26の構成]
以下、ステータコイル20の一部を構成するコイルエンドプレート24,25,26について、詳細に説明する。
【0071】
コイルエンドプレート24,25,26は、図9に示すように、ステータコイル20におけるコイルエンド部材であり、ステータコア10の他方の端面側において、コイルセグメント21,22,23に流れた電流を別のコイルセグメント21,22,23へと渡すためのものである。コイルエンドプレート24,25,26は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等からなる導電性の板状部材で構成される。但し、コイルエンドプレート24,25,26の素材は、導電性および成形性に優れた素材であれば特に限定されない。
【0072】
コイルエンドプレート24は、具体的には図10(a)に示すように、平板状に形成されたプレート部24aと、プレート部24aの一端側から延出する一対の延出部24b,24cと、を有している。また、延出部24b,24cは、より具体的には図10(a)に示すように、プレート部24aの一端側から延出された一対の第1延出部24b1,24c1と、当該一対の第1延出部24b1,24c1の一端側からそれぞれ延出された一対の第2延出部24b2,24c2と、を有している。また、第2延出部24b2,24c2には、当該コイルエンドプレート24とコイルセグメント21,22,23とが接続される際に、例えば、図10(b)に示す締結部材31が挿入される孔部が貫通して形成されている。なお、上記例では、コイルエンドプレート24に締結部材31による締結のための孔部が形成されているが、溶接等の方法によって接合する場合は、孔部は形成されていなくてもよい。
【0073】
コイルエンドプレート25は、具体的には図10(b)に示すように、平板状に形成されたプレート部25aと、プレート部25aの一端側から延出する一対の延出部25b,25cと、を有している。また、延出部25b,25cは、より具体的には図10(b)に示すように、プレート部25aの一端側から延出された一対の第1延出部25b1,25c1と、当該一対の第1延出部25b1,25c1の一端側からそれぞれ延出された一対の第2延出部25b2,25c2と、を有している。また、第2延出部25b2,25c2には、当該コイルエンドプレート25とコイルセグメント21,22,23とが接続される際に、例えば、図9(b)に示す締結部材31が挿入される孔部が貫通して形成されている。なお、上記例では、コイルエンドプレート25に締結部材31による締結のための孔部が形成されているが、溶接等の方法によって接合する場合は、孔部は形成されていなくてもよい。
【0074】
コイルエンドプレート26は、具体的には図10(c)に示すように、平板状に形成されたプレート部26aと、プレート部26aの一端側から延出する一対の延出部26b,26cと、を有している。また、延出部26b,26cは、より具体的には図10(c)に示すように、プレート部26aの一端側から延出された一対の第1延出部26b1,26c1と、当該一対の第1延出部26b1,26c1の一端側からそれぞれ延出された一対の第2延出部26b2,26c2と、を有している。また、第2延出部26b2,26c2には、当該コイルエンドプレート26とコイルセグメント21,22,23とが接続される際に、例えば、図9(b)に示す締結部材31が挿入される孔部が貫通して形成されている。なお、上記例では、コイルエンドプレート26に締結部材31による締結のための孔部が形成されているが、溶接等の方法によって接合する場合は、孔部は形成されていなくてもよい。
【0075】
コイルエンドプレート24,25,26のプレート部は、図9および図10に示すように、コイルエンドプレート24,25,26がステータコア10の端面上に配置された場合において、当該ステータコア10の周方向に延出するように形成される。すなわち、コイルエンドプレート24,25,26は、図9に示すように、ステータコア10の端面の形状に合わせて湾曲して形成される。
【0076】
また、コイルエンドプレート24,25,26のプレート部は、平面視した場合に、それぞれ同一の面積となるように形成される。そのため、コイルエンドプレート24,25,26のプレート部は、図11(a)に示すようにコイルエンドプレート24,25,26を回転電機の回転軸X方向にこの順番で重ね、図11(b)に示すようにこれを平面視すると、同じ位置に重なるように配置されることになる。すなわち、コイルエンドプレート24,25,26を重ねると、図11(b)に示すように、最も上に配置されたプレート部24aのみが露出し、他のプレート部25a,26aは露出しない状態となる。
【0077】
コイルエンドプレート24,25,26の一対の延出部は、図9および図10に示すように、コイルエンドプレート24,25,26がステータコア10の端面上に配置された場合において、当該ステータコア10の一端側からL字状に延出するように形成される。また、コイルエンドプレート24,25,26の一対の延出部は、図10および図11に示すように、コイルエンドプレート24,25,26のプレート部の厚さよりも厚く形成される。これにより、実施形態に係るステータ1は、コイルエンドプレートを薄型化した場合であっても、コイルループを形成する部材の断面抵抗値を均一とすることができる。
【0078】
コイルエンドプレート24,25,26の一対の第1延出部は、図9および図10に示すように、コイルエンドプレート24,25,26がステータコア10の端面上に配置された場合において、当該ステータコア10の径方向に延出するように形成される。また、同様に、コイルエンドプレート24,25,26の一対の第2延出部は、図9および図10に示すように、ステータコア10の周方向に、それぞれ同じ向きとなる方向に延出するように形成される。これにより、実施形態に係るステータ1は、コイルエンドプレート24,25,26の一対の第1延出部の延出方向と、一対の第2延出部の延出方向と、が直交しているとともに、コイルエンドプレート24,25,26の一対の第2延出部の延出方向が揃っている。そのため、複数のコイルエンドプレートを回転電機の回転軸方向に重ねた際に、コイルエンドプレート24,25,26の第2延出部が他のコイルエンドプレートの第1延出部と重ならない状態となる。従って、ステータ1は、コイルセグメント21,22,23を用いることでコイルの占積率を高めることができるとともに、コイルエンドプレート24,25,26を用いることで、ステータコア10の他方の端面上におけるコイルの渡り部分の体積を低減することができ、かつ、コイルエンドプレート24,25,26を積層する際に締結部材31の締結のためのスペースを確保することができる。また、ステータ1は、コイルエンドプレート24,25,26の第2延出部を同じ方向に延出させることで、当該コイルエンドプレート24,25,26を規則正しく積層することができる。
【0079】
コイルエンドプレート24,25,26の一対の延出部は、図10に示すように、互いに所定の間隔を開けて、プレート部24a,24b,24cの一端側から延出する。これにより、コイルエンドプレート24,25,26の一対の延出部は、後記するように、ステータコア10の異なる2つのスロット11にそれぞれ収容されたコイルセグメント21,22,23の一対の脚部と電気的に接続される(後記する図19参照)。
【0080】
コイルエンドプレート24,25,26の一対の延出部のそれぞれの間隔は、全て同じ間隔となるように形成される。また、コイルエンドプレート24,25,26の一対の延出部の間隔は、具体的には前記したコイルセグメント21,22の一対の脚部のそれぞれの開脚間隔とほぼ同じ間隔となるように形成される。これにより、コイルエンドプレート24,25,26は、後記するように、対応するコイルセグメント21,22とともにコイルターンを形成する(後記する図19参照)。
【0081】
コイルエンドプレート24,25,26は、図10に示すように、延出部24b,24c,25b,25c,26b,26cの長さが異なる。すなわち、延出部24b,24c,25b,25c,26b,26cは、図9および図10に示すように、コイルエンドプレート24,25,26がステータコア10の端面上に配置された場合において、当該ステータコア10の径方向に異なる長さとなるように形成される。図10に示すような延出部の形状が異なる形状違いのコイルエンドプレートは、ステータコイル20によってステータコア10の径方向に形成するコイルターンの数(コイルループのターン数)に対応している。
【0082】
ここで、実施形態に係るステータ1は、後記するように、ステータコア10のスロット11に3つのコイルセグメントを収容し、ステータコア10の径方向にコイルターンを3ターン形成する(後記する図19参照)。従って、本実施形態に係るステータ1は、図10に示すように、延出部の形状が異なる形状違いのコイルエンドプレートを3つ用いる。これにより、実施形態に係るステータ1は、コイルターンの数(コイルループのターン数)と同じ数だけ延出部の長さが異なるコイルエンドプレート24,25,26を用いるため、コイルターンの数に関わらずコイルエンドプレート24,25,26の延出部(第2延出部)が他のコイルエンドプレート24,25,26の延出部と重ならない状態となる。従って、コイルセグメント21,22,23を用いることでコイルの占積率を高めることができるとともに、コイルエンドプレート24,25,26を用いることで、ステータコア10の他方の端面上におけるコイルの渡り部分の体積を低減することができ、かつ、コイルエンドプレート24,25,26を積層する際に、コイルターンの数に関わらず締結部材31の締結のためのスペースを確保することができる。
【0083】
なお、コイルエンドプレート24,25,26の一対の第1延出部は、前記したように、それぞれ異なる長さで形成されているため、例えば図11(a)に示すようにコイルエンドプレート24,25,26を回転電機の回転軸X方向にこの順番で重ね、図11(b)に示すようにこれを平面視すると、一部が重なるように配置される。一方、コイルエンドプレート24,25,26の一対の第2延出部は、図11(b)に示すようにこれを平面視すると、それぞれが重ならないように配置され、全て外部に露出した状態となる。
【0084】
以上のような構成を備えるコイルエンドプレート24,25,26は、図12に示すように、コイルセグメント21,22,23の曲折部が表出するステータコア10の一方の端面側とは逆の、他方の端面側に配置される。また、ステータコア10の他方の端面側に配置されたコイルエンドプレート24,25,26は、図12に示すように、回転電機の回転軸X方向に複数積層される。そして、当該ステータコア10の他方の端面上に積層されたコイルエンドプレート24,25,26の一対の延出部は、締結部材31(図9(b)参照)によって、コイルセグメント21,22,23の一対の脚部の端部(図4参照)と電気的に接続される。なお、締結部材31によって締結するのではなく、かしめ、溶接、ロウ付け等により固定されてもよい。
【0085】
ステータコア10の他方の端面上におけるコイルエンドプレート24,25,26の積層数は、コイルターンの数(コイルループのターン数)と電流の相数とを乗じた数となる。ここで、実施形態に係るステータ1は、コイルターンの数が3ターンであり、電流の相数が三相であるため、図12に示すように、コイルエンドプレート24,25,26の積層数は合計で9層となる。
【0086】
ステータコア10の他方の端面上には、当該ステータコア10の周方向に、全て同種のコイルエンドプレートが配置される。すなわち、前記したように、ステータコア10の端面上に9層のコイルエンドプレートが積層された場合、例えば図12に示すように、下から1層目〜3層目はコイルエンドプレート26、4層目〜6層目はコイルエンドプレート25、7層目〜9層目はコイルエンドプレート24、というように、層ごとに同じ形状(種類)のコイルエンドプレートが配置される。
【0087】
また、コイルエンドプレートは、前記したように、コイルエンドプレート24、コイルエンドプレート25、コイルエンドプレート26、の順に一対の延出部(第1延出部)が長く形成されているため(図10参照)、図12に示すような順番で積層すると、当該一対の延出部がステータコア10の径方向にずれるように配置され、下層に行くほど一対の延出部が(ステータコア10の径方向に)長いコイルエンドプレートが配置されることになる。言い換えれば、コイルエンドプレート24,25,26は、図12に示すように、ステータコア10の端面上に積層され、当該層ごとに、一対の延出部がステータコア10の径方向にずれるように、階段状(すり鉢状)に積層される。これにより、実施形態に係るステータ1は、層ごとに一対の延出部がステータコア10の径方向にずれているため、コイルエンドプレート24,25,26の延出部(第2延出部)が他のコイルエンドプレート24,25,26の延出部と重ならない状態となる。従って、コイルエンドセグメント21,22,23を用いることでコイルの占積率を高めることができるとともに、コイルエンドプレート24,25,26を用いることで、ステータコア10の他方の端面上におけるコイルの渡り部分の体積を低減することができ、かつ、コイルエンドプレート24,25,26を積層する際に締結部材の締結のためのスペースを確保することができる。
【0088】
また、実施形態に係るステータ1は、図12に示すように、コイルエンド部材として板状のコイルエンドプレート24,25,26を積層しているため、コイルエンド部分の高さhを最小限に抑えることができる。そして、ステータ1は、コイルエンドプレート24,25,26が階段状に積層されるため、コイルエンドプレート24,25,26に電流が流れることで生じた熱がステータコア10に伝熱しやすくなり、冷却効率が向上する。
【0089】
ここで、ステータコア10の他方の端面上に積層されたコイルエンドプレート24,25,26には、層ごとに同相の電流が流れる。すなわち、前記したように、ステータコア10の端面上に9層のコイルエンドプレートが積層された場合、例えば図12に示すように、下から1層目はV相、2層目はU相、3層目はW相、4層目はU相、5層目はW相、6層目はV相、7層目はW相、8層目はV相、9層目はU相、というように、層ごとに同相の電流が流れるコイルの抵抗値を合わせるために、U相、V相、W相を上記のように配置し、かつ、コイルセグメントの長さを相ごとに同等となるようにしている。なお、図12において、サンド(砂状)ハッチングで示したものがU相の電流が流れるコイルエンドプレート24,25,26、クロス(交差斜線状)ハッチングで示したものがV相の電流が流れるコイルエンドプレート24,25,26、ドット(粒状)ハッチングで示したものがW相の電流が流れるコイルエンドプレート24,25,26である。
【0090】
コイルエンドプレート24,25,26は、図13に示すように、ステータ1を他方の端面側(上方)から平面視すると、ステータコア10の周方向に、層ごとに円環状となるように複数配置される。また、前記したように、ステータコア10の他方の端面上には、コイルエンドプレート24,25,26が階段状に積層されるため(図12参照)、図13に示すように、コイルエンドプレート24,25,26の延出部は、下層に配置されるものほど半径が小さくなるように円環状に配置される。これにより、実施形態に係るステータ1は、図13に示すように、コイルエンドプレート24,25,26の一対の第2延出部(孔部)が露出した状態でステータコア10の他方の端面上にコイルエンドプレート24,25,26を積層することができる。従って、コイルセグメント21,22,23を用いることでコイルの占積率を高めることができるとともに、コイルエンドプレート24,25,26を用いることで、ステータコア10の他方の端面上におけるコイルの渡り部分の体積を低減することができ、かつ、コイルエンドプレート24,25,26を積層する際に締結部材31の締結のためのスペースを確保することができる。
【0091】
また、実施形態に係るステータ1は、図13に示すように、ステータ1におけるコイルターンを形成する全てのコイルエンドプレート24,25,26の一対の第2延出部(孔部)が外部から容易に視認できる。従って、組み立て時において、締結部材31による締結作業を容易に行うことができるとともに、例えばコイルターンの数や、コイルエンドプレート24,25,26の位置等を容易に変更することができ、組み立て性とメンテナンス性にも優れている。
【0092】
ここで、ステータコア10の他方の端面上において、当該ステータコア10の周方向に配置されたコイルエンドプレート24,25,26には、一つおきに同方向の電流が流れる。すなわち、前記したように、ステータコア10の端面上にコイルエンドプレート24,25,26が円環状に配置された場合、例えば図13に示すように、最上層のコイルエンドプレート24Rのそれぞれには、回転電機の回転軸Xを中心とした右回りの電流Iが流れ、最上層のコイルエンドプレート24Lのそれぞれには、回転電機の回転軸Xを中心とした左回りの電流Iが流れる。また、その下に積層されているその他のコイルエンドプレート24,25,26も同様である。このように、実施形態に係るステータ1は、互いに隣接するコイルエンドプレート24,25,26には逆方向の電流が流れる。なお、図13において、サンド(砂状)ハッチングで示したものがU相の電流が流れるコイルエンドプレート24,25,26、クロス(交差斜線状)ハッチングで示したものがV相の電流が流れるコイルエンドプレート24,25,26、ドット(粒状)ハッチングで示したものがW相の電流が流れるコイルエンドプレート24,25,26である。
【0093】
[ステータコイル20の残りの構成]
以下、ステータコイル20の残りの構成について、詳細に説明する。ステータコイル20は、図14に示すように、これまで説明したコイルセグメントとコイルエンドプレートの他に、左右反転コイルセグメント27と、電源供給コイルセグメント28と、中点短絡コイルエンドプレート29と、中点連結コイルセグメント30と、を備えている。
【0094】
左右反転コイルセグメント27は、図14に示すように、コイルセグメント21,22,23に流れる電流の方向を反転させるものである。左右反転コイルセグメント27は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等からなる導電性の棒状部材で構成され、図14に示すように、当該棒状部材がほぼU字状に折り曲げられた形状を呈している。但し、左右反転コイルセグメント27の素材は、導電性および成形性に優れた素材であれば特に限定されない。
【0095】
なお、電流の方向を反転させるとは、具体的には、ステータコイル20によって形成されるコイルループの方向を変えることを意味する。すなわち、実施形態に係るステータ1は、後記するように、コイルセグメント21,22,23とコイルエンドプレート24,25,26とによって、コイルターンをステータコア10の径方向および周方向に形成することで、回転電機の回転軸Xを中心とした右回りのコイルループと、左回りのコイルループと、の2つのコイルループを形成する(後記する図20参照)。そして、左右反転コイルセグメント27は、右回りのコイルループの終点を形成するコイルエンドプレートと、左回りのコイルループの始点を形成するコイルエンドプレートと、に電気的に接続されることで、右回りと左回りのコイルループを切り換える。なお、ステータ1に形成されるコイルループの詳細については後記する(後記する図20参照)。
【0096】
左右反転コイルセグメント27は、具体的には図15に示すように、直線状に形成された一対の脚部27a,27bと、一方の(第一の)脚部27aと他方の(第二の)脚部27bとの間に連続して形成された湾曲状の曲折部27cと、を有している。この曲折部27cは、図14に示すように、左右反転コイルセグメント27がステータコア10のスロット11に収容された状態において、当該ステータコア10の一方の端面側に表出する。また、一対の脚部27a,27bのそれぞれの端部27d,27eには、当該左右反転コイルセグメント27とコイルエンドプレート24,25,26とが接続される際に、例えば、締結部材31(図9(b)参照)が挿入される、図示しない所定深さの孔部が形成されている。なお、上記例では、左右反転コイルセグメント27に締結部材31による締結のための孔部が形成されているが、溶接等の方法によって接合する場合は、孔部は形成されていなくてもよい。
【0097】
ここで、左右反転コイルセグメント27の曲折部27cは、より具体的には図15に示すように、第1曲折部27c1と、第2曲折部27c2と、を有している。第1曲折部27c1は、図15に示すように、他方の脚部27bから連続して形成された第1の曲折部分であり、第2曲折部27c2は、図15に示すように、第1曲折部27c1から一方の脚部27aまで連続して形成された第2の曲折部分である。
【0098】
平面視すると、第1曲折部27c1は、ステータコア10の内径側に向かって湾曲するように形成され、第2曲折部27c2は、異なるスロット11におけるステータコア10の内径側に湾曲するように形成される。そして、第1曲折部27c1の一方の側面(ステータコア10の内径側に位置する側面)の形状は、ステータコア10の内径内に収まるように形成され、第2曲折部27c2の一方の側面の形状は、異なるスロット11に収容されるコイルセグメント22の第2曲折部22c2の他方の側面(ステータコア10の外径側に位置する側面)の形状に沿うように形成される。また、第1曲折部27c1の他方の側面の形状は、異なるスロット11に収容されるコイルセグメント22の第1曲折部22c1の一方の側面の形状に沿うように形成され、第2曲折部27c2の他方の側面の形状は、ステータコア10の外径側に収まるように形成される(図1参照)。
【0099】
第1曲折部27c1および第2曲折部27c2は、正面視すると、ステータコア10の一方の端面側(上側)に向かって湾曲するように形成される。そして、第1曲折部27c1の下面(ステータコア10の他方の側面側に位置する面)の形状は、異なるスロット11に収容されるコイルセグメント22の第1曲折部22c1の上面(ステータコア10の一方の側面側に位置する面)の形状に沿うように形成され、第2曲折部27c2の下面の形状は、異なるスロット11に収容されるコイルセグメント22の第2曲折部22c2の上面の形状に沿うように形成される。また、第2曲折部27c2の上面の形状は、異なるスロット11に収容されるコイルセグメント22の第2曲折部22c2の下面の形状に沿うように形成される(図1参照)。
【0100】
このように、第1曲折部27c1の下面と、第2曲折部の下面および上面には、異なるスロット11に収容されるコイルセグメント22の第1曲折部および第2曲折部が、当該第1曲折部27c1および第2曲折部27c2の湾曲部分に沿って隙間なく配置されることになる。以上のような構成を備える曲折部27cを備える左右反転コイルセグメント27は、異なるスロット11に配置されたコイルセグメント22を径方向と回転軸X方向とに隣接させて、無駄なく配置することができる。
【0101】
左右反転コイルセグメント27は、図15に示すように、所定の間隔を開けて開脚した形状に形成される。これにより、左右反転コイルセグメント27の一対の脚部は、図14に示すように、ステータコア10の異なる2つのスロット11にそれぞれ収容される。
【0102】
左右反転コイルセグメント27の一対の脚部の間隔は、具体的には図14に示すように、ステータコア10のスロット11に一方の脚部27aを収容する場合において、他方の脚部27bが、一方の脚部27aを収容するスロット11の6つ隣(ステータコア10の周方向における6つ隣)のスロット11に収容されるような間隔に形成される。但し、左右反転コイルセグメント27の一対の脚部のそれぞれの開脚間隔は特に限定されず、外部から供給される電流の相数に対応して適宜変更することができる。なお、左右反転コイルセグメント27の一対の脚部の間隔がコイルセグメント21,22の一対の脚部の間隔よりは広く、コイルセグメント23の一対の脚部の間隔よりも狭いのは、隣接するコイルループを形成するコイルエンドプレート24,25,26と接続することで、電流の方向を反転させるためである。
【0103】
なお、図示は省略したが、左右反転コイルセグメント27も前記したコイルセグメント21,22,23と同様に、外部から供給される電流の相数に対応して、一対の脚部の長さが異なる長さ違いのものを3種類用いる。これにより、実施形態に係るステータ1は、外部から複数の相の電流が供給される場合において、当該電流の相数に対応してステータコア10の他方の端面側に積層されるコイルエンドプレート24,25,26の積層数が増加し、ステータコア10を挟んで、左右反転コイルセグメント27とコイルエンドプレート24,25,26との距離が拡大する場合であっても、当該拡大する距離に応じて左右反転コイルセグメント27の脚部の長さを調整することができる。従って、ステータ1は、各層に配置されたコイルエンドプレートと左右反転コイルセグメント27とを容易に接続することができ、組み立て性を向上させることができる。
【0104】
以上のような構成を有する左右反転コイルセグメント27は、図14に示すように、ステータコア10の一方の端面側から、当該ステータコア10の異なる2つのスロット11に挿入される。より具体的には、左右反転コイルセグメント27は、その一対の脚部のいずれかと、コイルセグメント21,22,23の一対の脚部のいずれか2つと、をステータコア10の径方向に所定の順序で重ねた状態で、ステータコア10のスロット11内に収容される。そして、当該スロット11に収容された左右反転コイルセグメント27およびコイルセグメント21,22,23のそれぞれの脚部の端部は、ステータコア10の他方の端面側において、締結部材31(図9(b)参照)によって、コイルエンドプレート24,25,26の一対の第2延出部(図10参照)と電気的に接続される。なお、締結部材31によって締結するのではなく、かしめ、溶接、ロウ付け等により固定されてもよい。
【0105】
電源供給コイルセグメント28は、図14に示すように、コイルセグメント21,22,23および左右反転コイルセグメント27に外部電源からの電流を供給するものである。電源供給コイルセグメント28は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等からなる導電性の棒状部材で構成され、図14に示すように、一部が曲折した直線状の形状を呈している。但し、電源供給コイルセグメント28の素材は、導電性および成形性に優れた素材であれば特に限定されない。
【0106】
電源供給コイルセグメント28は、具体的には図16に示すように、直線状に形成された一対の脚部28a,28bと、一方の(第一の)脚部28aと他方の(第二の)脚部28bとの間に連続して形成された湾曲状の曲折部28cと、を有している。この曲折部28cは、図14に示すように、電源供給コイルセグメント28がステータコア10のスロット11に収容された状態において、当該ステータコア10の一方の端面側に表出する。また、曲折部28cは、隣り合うスロット11に収容されるコイルセグメントの曲折部の形状に沿うように形成され、ステータコア10の一方の端面側に表出できるように形成されている(図1参照)。また、一対の脚部28aの端部28dには、当該電源供給コイルセグメント28とコイルエンドプレート24,25,26とが接続される際に、例えば、締結部材31(図9(b)参照)が挿入される、図示しない所定深さの孔部が形成されている。なお、上記例では、電源供給コイルセグメント28に締結部材31による締結のための孔部が形成されているが、溶接等の方法によって接合する場合は、孔部は形成されていなくてもよい。
【0107】
なお、図示は省略したが、電源供給コイルセグメント28も前記したコイルセグメント21,22,23と同様に、外部から供給される電流の相数に対応して、一対の脚部の長さが異なる長さ違いのものを3種類用いる。これにより、実施形態に係るステータ1は、外部から複数の相の電流が供給される場合において、当該電流の相数に対応してステータコア10の他方の端面側に積層されるコイルエンドプレート24,25,26の積層数が増加し、ステータコア10を挟んで、電源供給コイルセグメント28とコイルエンドプレート24,25,26との距離が拡大する場合であっても、当該拡大する距離に応じて電源供給コイルセグメント28の脚部の長さを調整することができる。従って、ステータ1は、各層に配置されたコイルエンドプレートと電源供給コイルセグメント28とを容易に接続することができ、組み立て性を向上させることができる。
【0108】
以上のような構成を有する電源供給コイルセグメント28は、図14に示すように、ステータコア10の一方の端面側から、当該ステータコア10のスロット11に挿入される。より具体的には、電源供給コイルセグメント28は、その一方の脚部28aと、コイルセグメント21,22,23の一対の脚部のいずれか2つと、をステータコア10の径方向に所定の順序で重ねた状態で、ステータコア10のスロット11内に収容される。そして、当該スロット11に収容された電源供給コイルセグメント28およびコイルセグメント21,22,23のそれぞれの脚部の端部は、ステータコア10の他方の端面側において、締結部材31(図9(b)参照)によって、コイルエンドプレート24,25,26の一対の第2延出部(図10参照)と電気的に接続される。また、電源供給コイルセグメント28の他方の脚部28bは、図14に示すように、ステータコア10の一方の端部側に表出し、その端部が外部の電源と接続される。なお、電源供給コイルセグメント28およびコイルセグメント21,22,23のそれぞれの脚部の端部は、締結部材31によって締結されるのではなく、かしめ、溶接、ロウ付け等により固定されてもよい。
【0109】
中点短絡コイルエンドプレート29は、図14に示すように、外部からコイルセグメント群およびコイルエンドプレート群に供給された複数の相の電流を中点で短絡させるものである。中点短絡コイルエンドプレート29は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等からなる導電性の板状部材で構成され、図14に示すように、三又状の形状を呈している。但し、中点短絡コイルエンドプレート29の素材は、導電性および成形性に優れた素材であれば特に限定されない。
【0110】
中点短絡コイルエンドプレート29は、具体的には図17に示すように、平板状に形成されたプレート部29aと、プレート部29aの一端側から延出する3つの延出部29b,29c,29dと、を有している。また、この延出部29b,29c,29dには、図17に示すように、当該中点短絡コイルエンドプレート29と中点連結コイルセグメント30とが接続される際に、締結部材(図9(b)参照)が挿入される孔部が貫通して形成されている。なお、中点短絡コイルエンドプレート29と中点連結コイルセグメント30とは一体で形成することもできる。
【0111】
中点短絡コイルエンドプレート29のプレート部は、図14および図17に示すように、中点短絡コイルエンドプレート29がステータコア10の端面上に配置された場合において、当該ステータコア10の周方向に延出するように、ステータコア10の端面の形状に沿って湾曲して形成される。
【0112】
中点短絡コイルエンドプレート29の延出部は、図14および図17に示すように、中点短絡コイルエンドプレート29がステータコア10の端面上に配置された場合において、当該ステータコア10の径方向に延出するように形成される。また、中点短絡コイルエンドプレート29の延出部は、図17に示すように、プレート部29aの一端側から複数(ここでは3つ)延出する。この中点短絡コイルエンドプレート29の延出部の数は、外部から供給される電流の相数に対応しており、実施形態に係るステータ1のように、外部から三相の電流が供給される場合は、3つの延出部を有する中点短絡コイルエンドプレート29を用いる。
【0113】
中点短絡コイルエンドプレート29の延出部は、図17に示すように、互いに所定の間隔を開けて、プレート部29aの一端側から延出する。これにより、中点短絡コイルエンドプレート29の延出部は、図14に示すように、ステータコア10の異なる3つのスロット11にそれぞれ収容された中点連結コイルセグメント30の脚部と電気的に接続される。
【0114】
中点短絡コイルエンドプレート29の延出部の間隔は、具体的には図14に示すように、ステータ1の一方の端面上に中点短絡コイルエンドプレート29を配置した場合において、それぞれの延出部29b,29c,29dの間に、スロット11が1つ位置するような間隔となるように形成される。
【0115】
以上のような構成を備える中点短絡コイルエンドプレート29は、図14に示すように、コイルセグメント21,22,23の曲折部が表出するステータコア10の一方の端面側に配置される。そして、ステータコア10の端面上に配置された中点短絡コイルエンドプレート29の延出部は、締結部材31(図9(b)参照)によって、ステータ1のスロット11内に収容された中点連結コイルセグメント30の脚部の端部(後記する図18参照)と電気的に接続される。この中点連結コイルセグメント30は、ステータ1に形成された複数のコイルループのうちの最後のコイルループを形成するコイルエンドプレート24,25,26と電気的に接続されている。従って、中点短絡コイルエンドプレート29は、当該中点連結コイルセグメント30を介して、最後のコイルループを形成するコイルエンドプレート24と電気的に接続されていることになる。なお、中点コイルエンドプレート29の延出部は、締結部材31によって締結されるのではなく、かしめ、溶接、ロウ付け等により固定されてもよい。
【0116】
中点連結コイルセグメント30は、図14に示すように、中点短絡コイルエンドプレート29とコイルエンドプレート24とを電気的に接続するものである。中点連結コイルセグメント30は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等からなる導電性の棒状部材で構成され、図14に示すように、直線状の形状を呈している。但し、中点連結コイルセグメント30の素材は、導電性および成形性に優れた素材であれば特に限定されない。
【0117】
中点連結コイルセグメント30は、図18に示すように、直線状に形成され、一方の(第一の)脚部30aおよび他方の(第二の)脚部30bのそれぞれの端部には、当該中点連結コイルセグメント30がコイルエンドプレート24および中点短絡コイルエンドプレート29と接続される際に、例えば、締結部材31(図9(b)参照)が挿入される所定深さの孔部が形成されている。なお、上記例では、中点連結コイルセグメント30に締結部材31による締結のための孔部が形成されているが、溶接等の方法によって接合する場合は、孔部は形成されていなくてもよい。
【0118】
なお、図示は省略したが、中点連結コイルセグメント30も前記したコイルセグメント21,22,23と同様に、外部から供給される電流の相数に対応して、一対の脚部の長さが異なる長さ違いの中点連結コイルセグメント30を3種類用いる。これにより、実施形態に係るステータ1は、外部から複数の相の電流が供給される場合において、当該電流の相数に対応してステータコア10の他方の端面側に積層されるコイルエンドプレート24,25,26の積層数が増加し、ステータコア10を挟んで、中点連結コイルセグメント30とコイルエンドプレート24,25,26との距離が拡大する場合であっても、当該拡大する距離に応じて中点連結コイルセグメント30の脚部の長さを調整することができる。従って、ステータ1は、各層に配置されたコイルエンドプレートと中点連結コイルセグメント30とを容易に接続することができ、組み立て性を向上させることができる。
【0119】
以上のような構成を有する中点連結コイルセグメント30は、図14に示すように、ステータコア10のスロット11に挿入される。そして、当該スロット11に収容された中点連結コイルセグメント30の一方の脚部30aの端部は、ステータコア10の他方の端面側において、締結部材31(図9(b)参照)によって、ステータ1に形成された複数のコイルループのうちの最後のコイルループを形成するコイルエンドプレート24の第2延出部(図10参照)と電気的に接続される。また、中点連結コイルセグメント30の他方の脚部30bの端部は、図14に示すように、ステータコア10の一方の端面側において、締結部材31(図9(b)参照)によって、中点短絡コイルエンドプレート29の延出部(図17参照)と電気的に接続される。なお、中点連結コイルセグメント30の一対の脚部30a,30bは、締結部材31によって締結されるのではなく、かしめ、溶接、ロウ付け等により固定されてもよい。
【0120】
以上説明したような構成を備える実施形態に係るステータ1は、ステータコア10のスロット11に複数のコイルセグメント21,22,23を収容し、かつ、板状のコイルエンドプレート24,25,26を介して当該複数のコイルセグメント21,22,23の端部同士を電気的に接続することで、コイルエンド部分を回転電機の回転軸X方向に延出させることなく、当該回転軸X回りのコイルループを容易に形成することができる
【0121】
そして、実施形態に係るステータ1は、U字状に連続して形成されたコイルセグメント21,22,23とコイルエンドプレート24,25,26の大きく分けて2種類の部材によってコイルループを形成するため、物理的接続が必要な部分を最小限に留めることができ、組み立て性を向上させることができる。また、ステータ1は、コイルエンド部材として板状のコイルエンドプレート24,25,26を用いるため、ステータコア10の端面上におけるコイルエンド部分の高さを抑えることができる。従って、剛性導体を用いたコイルループであっても、重ね巻きを成立させながらコイルエンド部分の容積を低減することができ、装置全体の小型化を図ることができる。
【0122】
[ステータ1の動作]
以下、実施形態に係るステータ1の動作、すなわち、ステータ1によって形成するコイルターンおよびコイルループの詳細について、図19および図20参照しながら詳細に説明する。
【0123】
まず、図19を参照しながらコイルターンについて説明する。図19は、互いに隣接するコイルセグメントおよびコイルエンドプレートによって形成される2つのコイルターンを示している。この2つのコイルターンは、図19に示すように、右回りのコイルターン(図面左側)と、左回りのコイルターン(図面右側)とからなる。このような右回りと左回りのコイルターンは、図19に示すように、ステータコア10における同一のまたは異なるスロット11に挿入されるコイルセグメント21,22,23とこれに対応するコイルエンドプレート24,25,26の組み合わせの数に対応して、ステータコア10の径方向および周方向にそれぞれ複数形成される。そして、このようなステータコア10の径方向および周方向に形成される複数のコイルターンのうち、図19に示すように、ステータコア10の周方向に隣接する電流経路には、それぞれ逆回転の方向に電流が流れている。
【0124】
右回りのコイルターンは、図19に示すように、コイルセグメント21R,22R,23Rと、コイルエンドプレート24R,25R,26Rと、で構成される電流経路である。具体的には、図19に示すように、コイルセグメント22Rとコイルセグメント21Rの一対の脚部のそれぞれがステータコア10の径方向に重ねられるとともに、コイルセグメント22Rの他方(右側)の脚部とコイルセグメント21Rの他方(右側)の脚部とコイルセグメント23Rの一方(左側)の脚部とがステータコア10の径方向に重ねられている。
【0125】
また、図19に示すように、コイルセグメント21Rの一方(左側)の脚部は、コイルエンドプレート24Rの他方(左側)の延出部と接続され、コイルセグメント21Rの他方(右側)の脚部は、コイルエンドプレート25Rの一方(左側)の延出部と接続されている。また、図19に示すように、コイルセグメント22Rの一方(左側)の脚部は、コイルエンドプレート25Rの他方(左側)の延出部と接続され、コイルセグメント22Rの他方(右側)の脚部は、コイルエンドプレート26Rの他方(右側)の延出部と接続されている。また、図19に示すように、コイルセグメント23Rの一方(左側)の脚部は、コイルエンドプレート24Rの一方(右側)の延出部と接続されている。なお、図示は省略したが、コイルセグメント23Rの他方(右側)の脚部は、図19に示すコイルエンドプレート24L,25L,26Lの1つ右側に配置されているコイルエンドプレート26Rの一方(左側)の延出部と接続されている。
【0126】
そして、右回りのコイルターンの始点であるコイルセグメント23Rの他方の脚部の端部に電流Iが供給されると、電流Iはコイルセグメント23R、コイルエンドプレート24R、コイルセグメント21R、コイルエンドプレート25R、コイルセグメント22R、コイルエンドプレート26R、の順番に進む。これにより、ステータコア10の径方向に電流Iが循環し、右回りのコイルターンが形成される。
【0127】
左回りのコイルターンは、図19に示すように、コイルセグメント21L,22L,23Lと、コイルエンドプレート24L,25L,26Lと、で構成される電流経路である。具体的には、図19に示すように、コイルセグメント22Lとコイルセグメント21Lの一対の脚部のそれぞれがステータコア10の径方向に重ねられるとともに、コイルセグメント22Lの他方の脚部とコイルセグメント21Lの他方の脚部とコイルセグメント23Lの一方の脚部とがステータコア10の径方向に重ねられている。
【0128】
また、図19に示すように、コイルセグメント21Lの一方(左側)の脚部は、コイルエンドプレート24Lの他方(左側)の延出部と接続され、コイルセグメント21Lの他方(右側)の脚部は、コイルエンドプレート25Lの一方(右側)の延出部と接続されている。また、図19に示すように、コイルセグメント22Lの一方(左側)の脚部は、コイルエンドプレート25Lの他方(左側)の延出部と接続され、コイルセグメント22Lの他方(右側)の脚部は、コイルエンドプレート26Lの他方(右側)の延出部と接続されている。また、図19に示すように、コイルセグメント23Lの一方(左側)の脚部は、コイルエンドプレート24Lの一方(右側)の延出部と接続されている。なお、図示は省略したが、コイルセグメント23Lの他方(右側)の脚部は、図19に示すコイルエンドプレート24L,25L,26Lの2つ右側に配置されているコイルエンドプレート26Lの一方(左側)の延出部と接続されている。
【0129】
そして、図19に示すように、左回りのコイルターンの始点であるコイルエンドプレート26Lの他方の延出部に電流Iが供給されると、電流Iはコイルエンドプレート26L、コイルセグメント22L、コイルエンドプレート25L、コイルセグメント21L、コイルエンドプレート24L、コイルセグメント23L、の順番に進む。これにより、ステータコア10の径方向に電流Iが循環し、左回りのコイルターンが形成される。
【0130】
このような右回りおよび左回りのコイルターンは、ステータコアの径方向と周方向とにそれぞれ複数形成される。そして、右回りのコイルターンは、図19に示すように、回転電機の回転軸Xを中心として、全体として左方向に進み、左回りのコイルループを形成し、左回りのコイルターンは、図19に示すように、回転電機の回転軸Xを中心として、全体として右方向に進み、右回りのコイルループを形成する。
【0131】
ここで、実施形態に係るステータ1は、具体的には、ステータコア10の径方向に、右回りのコイルループと左回りのコイルループがそれぞれ所定のスロット間に3ターンずつ形成される。また、ステータコア10の周方向に、外部から供給される電流の相ごとに、右回りのコイルループと左回りのコイルループがそれぞれ4ループずつ(計8ループ)形成される。
【0132】
次に、図20を参照しながらコイルループについて説明する。図20は、ステータによって形成される全体のコイルループを示しており、図20(a)は、実施形態に係るステータ1によって形成されるコイルループ、図20(b)は、従来のステータによって形成されるコイルループ、を示している。なお、図20では、説明を簡略化するために、ステータコアの径方向のコイルターンを3ターンとし、ステータコア10の周方向のコイルターンを4ループとして説明する。また、図20における右端と左端は閉じて繋がっているものとして説明する。
【0133】
図20(a)に示すように、実施形態に係るステータ1は、例えば外部からW相の電流が供給されると、当該電流は、「1」に示すコイルターンを右回りに3回周回した後、左方向に進み、2つ左隣の「2」のコイルターンを右回りに3回周回する。そして、図18(a)に示すように、「2」のコイルターンの終点で電流の方向が切り替わり、今度は「3」のコイルターンを左回りに3回周回した後、右方向に進み、2つ左隣の「4」のコイルターンを左回りに3回周回し、外部に出力される。すなわち、実施形態に係るステータ1は、図18(a)に示すように、「1(右回り)」、「2(右回り)」、「3(左回り)」、「4(左回り)」の順に、まず全ての右回りのコイルターンを周回した後に、全ての左回りのコイルターンを周回する。
【0134】
一方、図20(b)に示すように、従来の一般的なステータは、例えば外部からW相の電流が供給されると、当該電流は、「1」に示すコイルターンを右回りに3回周回した後、左方向に進み、1つ左隣の「2」のコイルターンを左回りに3回周回する。そして、図20(b)に示すように、今度は「3」のコイルターンを右回りに3回周回した後、左方向に進み、1つ左隣の「4」のコイルターンを左回りに3回周回し、外部に出力される。すなわち、従来の一般的なステータは、図20(b)に示すように、「1(右回り)」、「2(左回り)」、「3(右回り)」、「4(左回り)」の順に、右回りのコイルターンと左回りのコイルターンを交互に周回する。
【0135】
ここで、図20(b)に示すように、右回りと左回りを交互に周回するようにコイルループを形成すると、図20(b)のG部に示すように、右回りと左回りの切り替えの際に、コイルが3本重なったクロスポイントが形成されてしまい、コイルの占積率が低下してしまう。一方、図20(a)に示すように、右回りを全て周回してから左回りを全て周回するようにコイルループを形成すると、クロスポイントの発生数を最低限に抑えることができるため、従来と比較してコイルの占積率が向上する。
【0136】
また、実施形態に係るステータ1は、図20(a)に示すように、右回り(左回り)のコイルターンが、ステータコア10の周方向において、隣接するコイルターンと互いに交差しないように形成される。これにより、実施形態に係るステータ1は、隣接するコイルターンと交差することによるクロスポイントの発生を抑制することができるため、コイルの占積率を向上させることができる。
【0137】
以上、本発明に係る回転電機のステータについて、発明を実施するための形態により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。
【0138】
例えば、実施形態に係るステータ1では、コイルエンドプレート24,25,26の一対の延出部は、ステータコア10の端面上において、下層に行くほど一対の延出部が(ステータコア10の径方向に)長いものが配置され、下層に配置されるものほど半径が小さくなるように層ごとに円環状に配置されるとしたが、これとは逆に、下層に行くほど一対の延出部が(ステータコア10の径方向に)短いものが配置され、下層に配置されるものほど半径が大きくなるように層ごとに円環状に配置されてもよい。このような構成であっても、コイルエンドプレート24,25,26が階段状に積層されるため、コイルエンドプレート24,25,26に電流が流れることで生じた熱がステータコア10に伝熱しやすくなり、冷却効率が向上する。
【0139】
また、実施形態に係るステータ1では、コイルセグメントとコイルエンドプレートとの接合手段として締結部材31を例示したが、接合手段はこれに限られず、前記したようにかしめ、溶接、ロウ付け等の手段を用いても構わない。
【0140】
また、実施形態に係るステータ1では、ステータコア10の周方向にコイルターンを3ターン形成する構成としたが、コイルターンは2ターンでも4ターンでも構わない。なお、ステータコア10の周方向にコイルターンを2ターンにする場合は、図7に示すスロット11に収容するコイルセグメント21,22,23の数を2つにし、図12に示すステータコア10の他方の端面側に積層するコイルエンドプレート24,25,26の数を6つにすればよい。また、ステータコア10の周方向にコイルターンを4ターンにする場合は、図7に示すスロット11に収容するコイルセグメント21,22,23の数を4つにし、図12に示すステータコア10の他方の端面側に積層するコイルエンドプレート24,25,26の数を12個にすればよい。
【符号の説明】
【0141】
1 ステータ
10 ステータコア
11 スロット
20 ステータコイル
21,22,23,21L,22L,23L,21L,22L,23L コイルセグメント
21a,21b,22a,22b,23a,23b 脚部
21c,22c,23c 曲折部
21d,21e,22d,22e,23d,23e 端部
24,25,26,24L,25L,26L,24R,25R,26R コイルエンドプレート
24a,25a,26a プレート部
24b,24c,25b,25c,26b,26c 延出部
24b1,24c1,25b1,25c1,26b1,26c1 第1延出部
24b2,24c2,25b2,25c2,26b2,26c2 第2延出部
27 左右反転コイルセグメント
27a,27b 脚部
27c 曲折部
27d,27e 端部
28 電源供給コイルセグメント
28a,28b 脚部
28c 曲折部
28d,28e 端部
29 中点短絡コイルエンドプレート
29a プレート部
29b,29c,29d 延出部
30 中点連結コイルセグメント
30a,30b 端部
31 締結部材
X 回転電機の回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周面に複数のスロットが形成された筒状のステータコアと、前記ステータコアの一方の端面側から前記スロットに挿入される複数のコイルセグメントと、前記ステータコアの他方の端面側において前記コイルセグメントと電気的に接続される複数のコイルエンドプレートと、を備える回転電機のステータであって、
前記コイルセグメントは、
前記スロットに収容される一方の脚部と、
当該一方の脚部とは異なるスロットに収容される他方の脚部と、
前記一方の脚部と前記他方の脚部との間に連続して形成され前記ステータコアの端面側に表出する曲折部と、を有し、
前記ステータコアにおける2つのスロットに前記コイルセグメントの一対の脚部が収容され、かつ、前記ステータコアの端面側において、当該2つのスロットに収容された前記コイルセグメントの一対の脚部のそれぞれの端部がそれぞれ別個の前記コイルエンドプレートと接続されることで、円環状の電流経路が形成され、
前記電流経路は、前記ステータコアにおける同一のスロットに挿入される前記コイルセグメントとこれに対応する前記コイルエンドプレートの組み合わせの数に対応して前記ステータコアの径方向に複数形成されるとともに、前記ステータコアにおける異なるスロットに挿入される前記コイルセグメントとこれに対応する前記コイルエンドプレートの組み合わせの数に対応して、前記ステータコアの周方向に複数形成され、
前記ステータコアの径方向および周方向に形成される前記複数の電流経路のうち、前記ステータコアの周方向に隣接する電流経路には、それぞれ逆回転の方向に電流が流れることを特徴とする回転電機のステータ。
【請求項2】
前記コイルエンドプレートは、
前記ステータコアの周方向に延びる平板状のプレート部と、
前記プレート部の一端側から前記ステータコアの径方向にそれぞれ延出され、前記コイルセグメントの脚部の端部がそれぞれ接続される一対の延出部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の回転電機のステータ。
【請求項3】
前記電流経路は、前記ステータコアの周方向において、隣接する電流経路と互いに交差しないように形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転電機のステータ。
【請求項4】
前記ステータコアの一方の端面側から前記スロットに挿入されるとともに、前記ステータコアの他方の端面側において前記コイルエンドプレートと電気的に接続され、前記コイルセグメントに流れる電流の方向を反転させる左右反転コイルセグメントを備え、
前記左右反転コイルセグメントは、
前記スロットに収容され、端部が前記コイルエンドプレートの延出部と接続される一方の脚部と、
当該一方の脚部とは異なるスロットに収容され、端部が前記コイルエンドプレートの延出部と接続される他方の脚部と、
前記一方の脚部と前記他方の脚部との間に連続して形成され、前記ステータコアの端面側に表出する曲折部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の回転電機のステータ。
【請求項5】
前記コイルセグメントおよび前記左右反転コイルセグメントに外部電源からの電力を供給する電源供給コイルセグメントを備え、
前記電源供給コイルセグメントは、
前記スロットに収容され、一方の端部が前記コイルエンドプレートの延出部に接続されるとともに、他方の端部が前記ステータコアの一方の端面側に表出する一方の脚部と、
前記ステータコアの一方の端面側に表出し、他方の端部が外部の電源と接続される他方の脚部と、
前記ステータコアの一方の端面側に表出し、前記一方の脚部の他方の端部と前記他方の脚部の一方の端部とを接続する曲折部と、を有することを特徴とする請求項4に記載の回転電機のステータ。
【請求項6】
前記ステータコアの一方の端面側において、前記ステータに形成された複数の前記電流経路のうちの最後の電流経路を形成する前記コイルエンドプレートと電気的に接続され、外部から供給された複数の相の電流を中点で短絡させる中点短絡コイルエンドプレートと、
前記中点短絡コイルエンドプレートおよび前記コイルエンドプレートを電気的に接続する中点連結コイルセグメントと、を備え、
前記中点短絡コイルエンドプレートは、
前記ステータコアの周方向に延びる平板状のプレート部と、
前記プレート部の一端側から前記ステータコアの径方向に、電流の相数に対応してそれぞれ延出され、前記中点連結コイルセグメントの一方の端部がそれぞれ接続される延出部と、を有し、
前記中点連結コイルセグメントは、前記スロットに収容され、他方の端部が前記コイルエンドプレートの延出部と接続されることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の回転電機のステータ。
【請求項7】
前記左右反転コイルセグメントは、流れる電流の相ごとに前記一方または他方の脚部の長さが異なることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の回転電機のステータ。
【請求項8】
前記中点連結コイルセグメントは、流れる電流の相ごとに長さが異なることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の回転電機のステータ。
【請求項9】
前記コイルセグメント、前記左右反転コイルセグメント、前記コイルエンドプレート、前記電源供給コイルセグメント、前記中点短絡コイルエンドプレートおよび前記中点連結コイルセグメントは、電流が流れる方向に直交する断面積がそれぞれ等しくなるように形成されたことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の回転電機のステータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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