説明

図面情報処理装置、図面情報処理プログラムおよび図面情報処理プログラムが記録された記録媒体

【課題】設計図面から積算に必要な情報を取得する際のユーザの労力を軽減することができる図面情報処理装置、図面情報処理プログラムおよび図面情報処理プログラムが記録された記録媒体を提供する。
【解決手段】図面設計システムで作成された設計図面情報8から積算用設計情報27を取得し、当該積算用設計情報27に含まれる旗上げオブジェクト36を識別して、当該旗上げオブジェクト36に関連付けられた工事情報34を取得する設計情報取得部10と、前記工事情報34から演算用情報42,46を抽出し、当該演算用情報42,46を用いて基礎データを算出する基礎データ算出部12と、前記工事情報34と、前記基礎データ12とから、積算用情報60,84を作成し出力する結果出力部14とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、図面情報処理装置、図面情報処理プログラムおよび図面情報処理プログラムが記録された記録媒体に関し、特に設計図面から積算(工事費の算出)に必要な情報を取得する図面情報処理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
工事用の設計図面から、その工事に必要とされる部材の数量や大きさなどを個別的に取得し、所定の項目にしたがって修正する積算システムが開示されている(例えば、特許文献1)。上記特許文献1によれば、図面が載置され、指示手段にて指示された部材の2点間の長さ寸法を検出するデジタイザと、部材の断面寸法、種別、用途および使用などの施行上必要とされる個別的情報を入力する入力手段と、デジタイザにて検出された部材の長さ寸法および入力手段により入力されたその部材の個別的情報に基づいて、施行に必要とされる材料の量目などを演算する制御部と、制御部での演算結果を所定のフォーマットで表示する表示手段とを備えることにより、図面からの拾い作業およびその集計作業を簡単に行える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−233156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、積算に必要な全ての情報を自動的に設計図面から取得できるわけではなく、部材の断面寸法、種別、用途などはユーザが図面を目視で確認しながら手作業で入力する必要があり、手間がかかるため、未だ多くの時間と労力を要するという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は上記した問題点に鑑み、設計図面から積算に必要な情報を取得する際のユーザの労力を軽減することができる図面情報処理装置、図面情報処理プログラムおよび図面情報処理プログラムが記録された記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る図面情報処理装置は、図面設計システムで作成された設計図面情報から積算用設計情報を取得する設計情報取得部と、前記積算用設計情報から演算用情報を抽出し、当該演算用情報を用いて基礎データを算出する基礎データ算出部と、前記積算用設計情報と、前記基礎データとから、積算用情報を出力する結果出力部とを備え、前記設計情報取得部は、設計図面情報から旗上げオブジェクトを識別して当該旗上げオブジェクトに関連付けられた工事情報を取得することを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項2に係る図面情報処理装置は、前記設計情報取得部が、前記設計図面情報をDXF形式に変換して前記積算用設計情報を取得することを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項3に係る図面情報処理装置は、前記旗上げオブジェクトと前記工事情報は、前記旗上げオブジェクトに設けられた旗上げ線により関連付けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項4に係る図面情報処理装置は、前記設計情報取得部が、前記旗上げ線の先端に記載された寸法情報を取得することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項5に係る図面情報処理プログラムは、コンピュータに対して、図面設計システムで作成された設計図面情報から積算用設計情報を取得するステップと、前記積算用設計情報から演算用情報を抽出し、当該演算用情報を用いて基礎データを算出するステップと、前記積算用設計情報と、前記基礎データとから、積算用情報を出力するステップとを実行させることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項6に係る図面情報処理プログラムが記録された記録媒体は、コンピュータに対して、図面設計システムで作成された設計図面情報から積算用設計情報を取得するステップと、前記積算用設計情報から演算用情報を抽出し、当該演算用情報を用いて基礎データを算出するステップと、前記積算用設計情報と、前記基礎データとから、積算用情報を出力するステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、図面情報処理装置は、設計図面情報に含まれるオブジェクトのうち、旗上げオブジェクトを判別し、次いで当該旗上げオブジェクトに関連付けられた工事情報を取得することにより、設計図面情報から積算に必要な全ての積算用設計情報を取得することができるので、手作業で取得していた従来に比べ、格段とユーザの労力を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係る図面情報処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る設計図面の一例である。
【図3】本実施形態に係る図面情報処理装置によって作成された積算用情報(1)を示す図である。
【図4】本実施形態に係る図面情報処理装置によって作成された積算用情報(2)を示す図である。
【図5】本実施形態に係る図面情報処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0015】
(全体構成)
図1に示す図面情報処理装置1は、操作部2と、図面情報処理部4と、表示部6とを備え、全体として、受取った設計図面情報8から積算に必要な積算用設計情報を取得し、適宜処理した上で積算用情報として表示部6に表示させ得るように構成されている。図面情報処理部4は、設計情報取得部10と、基礎データ算出部12と、結果出力部14とを備える。
【0016】
なお、図面情報処理部4は、図示しないがCPU(Central Processing Unit)がROM(Read Only Memory)に格納された基本プログラムをRAM(Random Access Memory)に展開し、当該基本プログラムに従って全体を統括制御する。またCPUは、ROMやハードディスクドライブ(以下、HDD(Hard Disk Drive)と呼ぶ)に格納された積算用情報取得プログラムなどの各種アプリケーションプログラムをRAMに展開し、当該各種アプリケーションプログラムに従って各種処理を実行するようになされている。
【0017】
設計情報取得部10は、図面設計(CAD;Computer Aided Design)システム(図示しない)によって作成された設計図面情報8を受け取り、当該設計図面情報8に含まれるオブジェクトの種類、大きさ、角度や、文字列などから積算に必要な積算用設計情報を判別して取得する。
【0018】
なお、設計情報取得部10は、ネットワークシステムや、情報記録媒体などを介して、設計図面情報8を受取ることができる。設計図面情報8は、予め、または、設計情報取得部10が当該設計図面情報8を受取る際に、DXF(Data Exchange Format)形式に変換される。なお、DXFは、AutoDesk社のAutoCAD(商標)によって使用されているCADシステムで作成された設計図面情報を変換する中間フォーマットであり、現在、各種のCADシステム間で設計図面情報を変換する際に汎用的に用いられている。
【0019】
図2を参照して積算用設計情報について説明する。なお、説明の便宜上、設計図面上に積算用設計情報が1つのみ記載されている場合について説明するが、実際上は、複数の積算用設計情報が1つの設計図面上に記載されていることはいうまでもない。
【0020】
図2に示す設計図面16には、道路18の地下に電線共同溝20を埋設する工事に伴う引込管などの設備工事の設計内容が記載されている。本図に示すように、本工事は、図面上を左右に走る道路18の地下に敷設される電線共同溝20に、変圧器などの地上機器を含む特殊部22や、需要家24まで電線を引込む引込管26などを設置するものである。
【0021】
積算用設計情報27は、旗上げ28毎に記載されている。旗上げ28は、旗上げ番号表示部30と、旗上げ線32と、当該旗上げ線32に関連付けられて記載された工事情報34とからなる。この旗上げ28は、設計図面情報8中の、道路18や電線共同溝20などを記載する線図とは異なる所定のレイヤに記載されている。
【0022】
旗上げ番号表示部30は、旗上げオブジェクト36と、旗上げ番号38とからなる。本実施形態の場合、旗上げオブジェクト36は、楕円形状の線図からなり、この旗上げオブジェクト36内に旗上げ番号38が表示されている。本実施形態の場合、旗上げオブジェクト36内には、旗上げ番号38として「E1」が表示されている。
【0023】
旗上げ線32は、旗上げオブジェクト36の長軸から並行に引き出された基端部32Eと、当該基端部32Eから斜方向に引き出された中間部32Mと、線図に記載された寸法線40に対し垂直に伸びた先端部32Fとからなり、基端部32Eと、中間部32Mと、先端部32Fとが連続して一体に記載されている。寸法線40には、当該寸法線40に対応する寸法情報としての掘削長さ情報42が記載されている。
【0024】
工事情報34は、引込管26の数量、位置、用途を示す用途情報44、設置される管の深さを示す管の深さ情報46、管の種類を示す種類情報48、個別工種を示す個別情報50などからなり、旗上げ線32の基端部32E上に記載される。さらに、工事情報34には、上記掘削長さ情報42が含まれる。
【0025】
用途情報44は、用途オブジェクト52と、種別情報54とを有する。本実施形態の場合、用途オブジェクト52は円形の線図からなり、当該用途オブジェクト52の図面上の配列位置が管の配列を示す管配列情報53となる。また、種別情報54は、当該用途オブジェクト52内に記載されている。種別情報としては、低圧の電力線を意味する「EL」や、高圧の電力線を意味する「EH」などが記載される。
【0026】
なお、工事情報34は、上記した情報に限定されるものではなく、一例を示したに過ぎない。
【0027】
上記のように構成された積算用設計情報27に基づき、図面情報処理部4は、特定の種類のオブジェクト、本実施形態の場合、楕円形状の線図が旗上げオブジェクト36であると認識する。したがって、図面情報処理部4は楕円形状の線図を探し出すことにより、旗上げオブジェクト36を識別する。そして、図面情報処理部4は、旗上げオブジェクト36内に記載された文字列を旗上げ番号38として認識する。
【0028】
図面情報処理部4は、旗上げオブジェクト36の長軸から平行に引き出された線が、旗上げオブジェクト36に関連付けられた旗上げ線32であると認識する。
【0029】
そして、図面情報処理部4は、旗上げ線32に関連付けられた各種の情報を取得する。ここで、設計情報取得部10は、基端部32E上の旗上げオブジェクト内に記載された文字列と平行に記載されたオブジェクトや文字列が、旗上げ線32に関連付けられた工事情報34であると認識する。
【0030】
さらに、図面情報処理部4は、得られた工事情報34に含まれるオブジェクトの種類、大きさ、角度や、文字列などから情報の種類を識別する。また、図面情報処理部4は、先端部32Fに対し垂直な寸法線40に対応した寸法情報が掘削長さ情報42であると認識する。
【0031】
なお、図面情報処理部4は、旗上げ線32が上下、または左右方向に複数設けられている場合には、当該旗上げ線32の基端部32Eと、隣り合う他の旗上げ線32の基端部32Eの間に記載された工事情報34が当該旗上げ線32に関連付けられた工事情報34であると認識する。
【0032】
基礎データ算出部12は、積算用設計情報27のうち、演算用情報を抽出し、当該演算用情報を用いて基礎データを算出する。演算用情報は、特に限定されるものではないが、本実施形態の場合、上記管の深さ情報46と、管配列情報53である。基礎データ算出部12は、管の深さ情報46と、管配列情報53を用いて、掘削幅、掘削深さ(床付け)を算出する。
【0033】
結果出力部14は、旗上げ番号38毎に図3や図4に示す所定のフォーマットに積算用設計情報27および基礎データを記入した積算用情報を表示部6に出力する。各積算用情報について説明する。
【0034】
図3に示す積算用情報60は、「基礎データ」欄62、「電力」欄64、「通信」欄66、「個別材料・その他工事」欄68などを備え、その他、必要に応じて適宜、欄を追加して設けることができる。「基礎データ」欄62には、「旗上げNo」表示欄70、「掘削長さ」表示欄72、「掘削幅」表示欄74、「掘削長さ(床付け)」表示欄76、「DP」表示欄78が設けられている。
【0035】
本実施形態の旗上げ番号E1における積算用情報について説明する。上記「旗上げNo」表示欄70には、旗上げ番号表示部30に記載された旗上げ番号38として「E1」が表示される。「掘削長さ」表示欄72には、旗上げ線32の先端に記載された寸法線40に関連付けられた掘削長さ情報42として「2.0」が表示される。「掘削幅」表示欄74、および「掘削深さ(床付け)」表示欄には、基礎データ算出部12で算出された掘削幅、掘削深さに対応する掘削幅情報、掘削深さ情報として、「0.800」、「0.870」がそれぞれ表示される。「DP」表示欄78には、管の深さ情報46として「0.7」、「0.6」が表示される。
【0036】
「電力」欄64、「通信」欄66には、用途情報44に基づき、種類情報48が表示される。この場合、旗上げ番号E1における用途情報44は、種別情報54として低圧の電力線を意味する「EL」が記載されている(図2)ので、「電力」欄64には、防護物欄79と、乗数欄81とが設けられ、防護物欄79に種類情報48として「自在割鋼管」、乗数欄81に「1」が表示される。
【0037】
「個別材料・その他工事」欄68は、名称・工種欄80と、数量欄82とが設けられ、個別情報50の記載に基づき項目欄80に「管路口取付ノックアウト」、「防砂管A型φ100」、数量欄82にそれぞれ「1」が表示される。
【0038】
なお、図面情報処理部4は、予め記録された用語データ(図示しない)を有し、設計図面16上の各種情報の記載と用語データ上の用語とを照合し、対応する用語を表示することにより、各種情報が設計図面上で省略して記載された場合でも、統一された用語を表示し得るように構成されている。例えば、設計図面において種類情報48として「自在割」と記載されていた場合、図面情報処理部4は、用語データ上の対応する用語「自在割鋼管」を表示する。
【0039】
また、図4に示す積算用情報84は、「電力」欄64、「通信」欄66、「個別材料・その他工事」欄68などと共に、「基礎データ」欄62に換えて断面表示部85を備える。断面表示部85は、掘削断面図86と、当該掘削断面図86の掘削幅情報と、掘削深さ情報と、管88の配置を図示することで、位置関係を視覚的に認識させ得るように表示する。なお、管88は、図面上に記載されている用途オブジェクト52の配列の通り、表示される。
【0040】
次に、積算用情報取得プログラムにしたがって実行される積算用情報取得処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0041】
図面情報処理部4の設計情報取得部10は、設計図面情報8が供給されると、設計情報取得処理手順RT1を開始し、ステップSP1へ移る。
【0042】
ステップSP1において、設計情報取得部10は、設計図面情報8の所定のレイヤに記載されている積算用設計情報27を読み込み、記録し、次のステップSP2へ移る。
【0043】
ステップSP2において、設計情報取得部10は、積算用設計情報27に含まれるデータが旗上げオブジェクト36であるか否かを判定する。ここで、肯定結果が得られた場合、設計情報取得部10は、次のステップSP3へ移る。
【0044】
ステップSP3において、設計情報取得部10は、旗上げオブジェクト36内に旗上げ番号38が記載されているか否かを判定する。ここで、肯定結果が得られた場合、設計情報取得部10は、次のステップSP4へ移る。
【0045】
ステップSP4において、設計情報取得部10は、旗上げオブジェクト36に関連付けられた旗上げ線32が記載されているか否かを判定する。ここで、肯定結果が得られた場合、設計情報取得部10は、次のステップSP5へ移る。
【0046】
ステップSP5において、設計情報取得部10は、旗上げ線32に関連付けられた工事情報34が記載されているか否かを判定する。ここで、肯定結果が得られた場合、設計情報取得部10は、前記工事情報34を取得し、次のステップSP6へ移る。
【0047】
ステップSP6において、設計情報取得部10は、旗上げ線32に関連付けられた寸法線40に掘削長さ情報42が記載されているか否かを判定する。ここで、肯定結果が得られた場合、設計情報取得部10は、掘削長さ情報42を取得し、次のステップ7へ移る。
【0048】
ステップSP7において、図面情報処理部4の基礎データ算出部12は、工事情報34に含まれる演算用情報、すなわち管の深さ情報46と、管配列情報53とに基づいて基礎データ、すなわち掘削幅、掘削深さ(床付け)を算出し、次のステップ9へ移る。
【0049】
ステップSP9において、図面情報処理部4の結果出力部14は、フォーマットにしたがって記載した積算用情報60,84を旗上げ番号38毎に表示部6に出力すると、終了ステップへ移って設計情報取得処理手順RT1を終了する。
【0050】
一方、ステップSP2およびステップSP3において否定結果が得られると、これは積算用設計情報27に含まれるデータが旗上げ28ではないことを意味し、設計情報取得部10は、直ちに終了ステップへ移って設計情報取得処理手順RT1を終了する。
【0051】
また、ステップSP5において否定結果が得られた場合、設計情報取得部10は、次のステップSP8へ移り、掘削長さ情報42を取得し、次のステップSP9へ移る。
【0052】
ステップSP6において否定結果が得られた場合、設計情報取得部10は、次のステップSP9へ移る。
【0053】
実際上、図面情報処理部4は、上記設計情報取得処理手順RT1を積算用設計情報27に含まれるデータの数だけ繰り返すことにより、設計図面情報8に含まれる全ての積算用設計情報27を取得し、積算用情報60,84を出力する。
【0054】
(動作および効果)
以上の構成において、図面情報処理装置1の図面情報処理部4は、CADシステムで作成された設計図面情報8に含まれる積算に必要な全ての積算用設計情報27を取得する。この場合、図面情報処理部4は、設計図面情報8に含まれるオブジェクトのうち、旗上げオブジェクト36を判別し、次いで当該旗上げオブジェクト36に関連付けられた旗上げ線32が記載されているか否かを判別することにより、旗上げ線32に関連付けられた工事情報34を取得することができる。したがって、図面情報処理部4は、設計図面情報8から積算に必要な全ての積算用設計情報27を取得することができるので、手作業で取得していた従来に比べ、格段とユーザの労力を軽減することができる。
【0055】
また、図面情報処理部4は、取得した工事情報34に含まれるオブジェクトの種類、大きさ、角度や、文字列から情報を識別し、所定のフォーマットの所定の欄に表示させることができる。さらに、図面情報処理部4は、工事情報34から演算用情報を抽出し、演算用情報と掘削長さ情報42とを用いて算出した基礎データを上記フォーマットに表示させることができる。
【0056】
本実施形態の場合、図面情報処理部4は、オブジェクトの種類、大きさ、角度や、文字列から情報を識別するので、設計図面情報に対し新たに情報を追加することなく、設計図面情報8を所定のデータ形式に変換するだけで、当該設計図面情報8を元に積算に必要な積算用設計情報27を取得することができる。したがって、図面情報処理部4は、既存の設計図面情報8からそのまま積算用設計情報27を取得することができるので、よりユーザの労力を軽減することができる。
(変形例)
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。
【0057】
例えば、上記実施形態では、旗上げオブジェクト36が、楕円形状の線図である場合について説明したが、本発明はこれに限らず、要は設計図面16に記載されたオブジェクトに合わせて設定すればよく、三角形や四角形などの線図であってもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、積算用情報60,84のフォーマットを2つ例示したが、本発明はこれに限らず、適宜変更することができる。
【0059】
また、上記実施形態では、図面情報処理部4が予めROMやHDDに格納された積算用情報取得プログラムにしたがって積算用情報取得処理を実行するようにした場合について説明したが、本発明はこれに限らず、積算用情報取得プログラムをCD−ROM、DVD、半導体メモリ等のリムーバブルメディア経由でインストールしたうえで積算用情報取得処理を実行したり、インターネット経由で積算用情報取得プログラムを格納したうえで、積算用情報取得処理を実行するようにしてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、CADシステムで作成された設計図面情報8に含まれる積算に必要な全ての積算用設計情報27を取得し、当該積算用設計情報27に基づいて積算用情報60,84を出力する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、操作部2から入力された情報を付加して積算用情報60,84を作成し出力することとしてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 図面情報処理装置
8 設計図面情報
10 設計情報取得部
12 基礎データ算出部
14 結果出力部
27 積算用設計情報
32 旗上げ線
34 工事情報
36 旗上げオブジェクト
42 掘削長さ情報(演算用情報、寸法情報)
46 管の深さ情報(演算用情報)
60,84 積算用情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
図面設計システムで作成された設計図面情報から積算用設計情報を取得し、当該積算用設計情報に含まれる旗上げオブジェクトを識別して、当該旗上げオブジェクトに関連付けられた工事情報を取得する設計情報取得部と、
前記工事情報から演算用情報を抽出し、当該演算用情報を用いて基礎データを算出する基礎データ算出部と、
前記工事情報と、前記基礎データとから、積算用情報を作成し出力する結果出力部と
を備えることを特徴とする図面情報処理装置。
【請求項2】
前記設計情報取得部は、前記設計図面情報をDXF形式に変換して前記積算用設計情報を取得することを特徴とする請求項1記載の図面情報処理装置。
【請求項3】
前記旗上げオブジェクトと前記工事情報は、前記旗上げオブジェクトに設けられた旗上げ線により関連付けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の図面情報処理装置。
【請求項4】
前記設計情報取得部は、前記旗上げ線の先端に記載された寸法情報を取得することを特徴とする請求項3記載の図面情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータに対して、
図面設計システムで作成された設計図面情報から積算用設計情報を取得し、当該積算用設計情報に含まれる旗上げオブジェクトを識別して、当該旗上げオブジェクトに関連付けられた工事情報を取得するステップと、
前記工事情報から演算用情報を抽出し、当該演算用情報を用いて基礎データを算出するステップと、
前記工事情報と、前記基礎データとから、積算用情報を作成し出力するステップと
を実行させることを特徴とする図面情報処理プログラム。
【請求項6】
コンピュータに対して、
図面設計システムで作成された設計図面情報から積算用設計情報を取得し、当該積算用設計情報に含まれる旗上げオブジェクトを識別して、当該旗上げオブジェクトに関連付けられた工事情報を取得するステップと、
前記工事情報から演算用情報を抽出し、当該演算用情報を用いて基礎データを算出するステップと、
前記工事情報と、前記基礎データとから、積算用情報を作成し出力するステップと
を実行させることを特徴とする図面情報処理プログラムが記録された記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−98770(P2012−98770A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243393(P2010−243393)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(501331544)東電タウンプランニング株式会社 (5)
【Fターム(参考)】