説明

固体燃料の酸化のための電解触媒および添加剤

別置式浄化ユニットを必要としない純粋水素の生産用の連続石炭電解セル。カーボン基盤上に電着した貴金属を含む電解触媒からなる電極も提供する。また、酸性媒体中の石炭の電解のための電解触媒と、ここに記載する電極を使用して酸性媒体の石炭スラリーから水素を生成する電解セルの使用方法を提供する。さらに石炭の電解酸化用の触媒添加剤も提供する。また、開発した触媒を使用して石炭スラリーの存在により鉄汚染廃水を浄化する、電気化学処理プロセスをさらに提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2005年5月6日に出願された、「ELECTROCATALYSIS AND ADDITIVES FOR THE OXIDATION OF SOLID FUELS」という名称の、米国仮特許出願第60/678,725号に対する優先権を主張する。米国仮特許出願第60/678,725号は、その全体が、本明細書中に参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
水素は21世紀における発電、燃料およびその他の用途において主要エネルギー源となることが期待されている。汚染物を発生しないので環境的にクリーンなエネルギー源である。化石燃料と水は水素製造の主要な源泉である。しかし、この工程はこれらからのエネルギーの2倍近くのエネルギーを消費し、常に環境に優しいとはかぎらない。しかも、世界の化石燃料(主として石油)の貯蔵量は警戒を必要とする状態で枯渇しつつある。水の電解は、従来、最も清潔な方法であったが、水を酸化させるのに必要な理論上の超過電位は−1.23V対SHE(標準水素電極)である。
【0003】
地球上で最も安いエネルギー源と考えられる石炭は、水の電解に関連する問題と対決する潜在的な解決法でありうるが、燃料セル用の水素生成のために、Ohio炭の継続的な電解の有用性を示し、かつ検討することを提案する。石炭酸化の可逆熱力学的電位は、わずか−0.21Vであり、現在の水の電解と比して非常に小さく、このため石炭スラリーの電解を更に競争力のあるものとする。
【0004】
CoughlinとFarooqueは、方程式(3)−(5)(非特許文献1〜3)を発表した。著者らは水素の製造に対する現在の効率は100%とした。これらの研究者たちは、石炭スラリーは電極に衝突する必要があることを報告したが、これは反応が液体のみではなく固体)(非特許文献1〜3)にも関連することを意味する。
【0005】
他の研究者たちは電解酸化について更に良好な理解を得る追加的な研究を達成した。Baldwinらはボルタンメトリー技術を使用して、石炭スラリーの基本的な電気化学的態様を分析した。瀝青Kentucky石炭の異なるスラリー見本(Kentucky Institute for Mining and Minerals Research):No. 9 Seam, No. 11 Seam, Sterns No. 2 Seam, Elkhorn No. 3 Seam, およびZerbe, PennsylvaniaからのBuck Mountainシームの1つの無煙炭見本(ICH−13)である。電気化学的セル(バッチセル)は、3つの電極配列で構成され、Ptガーゼは作用電極および対極として、またSCEを参照電極とした。カソードコンパートメント用の電解溶液はHSOであり、またLiClOはアノードコンパートメントに使用された。著者らはLiClO使用の理由を説明していない。その溶液は使用前、NTによって脱酸素化された。すべてのスラリーは2%重量濃度であった。著者ら(非特許文献4)はCoughlinおよびFarooque(非特許文献1〜3)の報告よりもはるかに低い電流(10倍低い)を発見し、この挙動を、利用した石炭のタイプ、石炭スラリー濃度、電極面積、および採用反応温度に帰属させた。しかし、彼等の使用した電解質は異なっており、これがその結果に影響したと思われる。著者らの重要な発見によれば、彼等の報告では、システムの作用は抽出した溶液中のもので、スラリー内のものでは無いとのことである。本発見はある意味でCoughlinとFarooqueの観察(非特許文献1〜3)と反対のものである。これらの研究者たちは、石炭スラリーはプラチナ電極に衝突する必要があることを報告しているが、これは反応は液体(非特許文献1〜3)のみに限らず固体にも関連することを意味している。
【非特許文献1】R.W.CoughlinおよびM.Farooque,”Hydrogen Production from Coal,Water and Electrons”,Nature 279,301−303(1979)
【非特許文献2】R.W.CoughlinおよびM.Farooque,”Anodic Coal Reaction Lowers Energy Consumption of Metal Electrowinning”,Nature 280,666−668(1979)
【非特許文献3】R.W.CoughlinおよびM.Farooque,”Electrochemical Gasification of Coal(Investigation of Operating Conditions and Variables),”Fuel 58,705−712(1979)
【非特許文献4】R.P.Baldwin,K.F.Jones,J.T.Joseph,およびJ.L.Wong,”Voltammetry and Electrolysis of Coal Slurries ad H−coal Luquids”,Fuel 60,739−743(1981)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
Dhoogeその他は、石炭の電解と関連するメカニズムを解明すべく努力した。その実験のために、著者らはNew Mexico 北西部のSan Juan Valleyからの石炭見本を使用した(44.81%C、3.91%H、0.47%N、および約33%灰成分)。本論文の最も重要な発見は、石炭の電解酸化のメカニズムを提唱したことで、これはCoughlinとFarooque1−3が報告した観察と一致するように見える。著者らによれば、Fe+3は触媒として作用し、化学反応によって石炭上でFe+2に酸化される:
【0007】
【数1】

Fe+3からFe+2への還元は同時的であるが、表面で起ることが必要で、この場合の表面は石炭(酸化されている)である。これはスラリーの必要性を意味する。一方、Fe+3は反応によってアノード電極において再生する:
【0008】
【数2】

もし濾液のみが使用されれば、Fe+2は再生されなかったであろう。このことが、CoughlinおよびFarooqueが電流の減少を伴わずに実験を長期間にわたって行えた理由を説明する1−3。本論文の著者らが分析していない点は、スラリー(固体も含む)は作用電極と接触する必要があるというCoughlinおよびFarooqueの言明である1−3。これに対する我々の見解は、これは多分Fe+3種(作用電極で再生)の濃度が、その電極についで高いという事実によるものであろう。Dhoogeらによる他の重要な発見は、Ce+4の電解効果である。
【0009】
しかし、石炭の酸化を強化する触媒を開発できた著者はなく1−10、また本発明によって開示した水素の生成のため、Fe+3/Fe+2の触媒効果を組み合わせなかった。さらに、彼らは石炭の電解のための連続式セルも構築できなかった。例えば、公開文献の研究によっても、小電流密度(電極の形状面積を使用して計算した最大8mA/cm)のみが1.0Vおよび作用温度80℃1−10までにて達成されたことを報告している。
【課題を解決するための手段】
【0010】
カーボン基盤上に電着した貴金属を含む電解触媒の電極が提供される。前記カーボン基盤は多くの異なるカーボン材料で構成可能であり、カーボンナノチューブ、カーボンファイバー等を含むが、これらに限定されるものではない。さらに酸性媒体中の石炭の電解のために、ここに記載した電解触媒の使用方法も提供する。
【0011】
さらに、ここでは酸性媒体中の石炭スラリーから水素を製造するための電解セルも提供する。ある実施形態において該電解セルは、ここに記載の電極をアノードとして使用する。他の実施形態では、該電解セルはここに記載の電極をカソードとして使用する。さらに他の実施形態では、該電解セルは、ここに記載の電極をアノードおよびカソードとして使用する。またここにアノードとして提供した電解触媒を利用する石炭/石油燃料セル、およびコーク/チャースラリー燃料セルを提供する。さらに電気化学処理プロセスを提供し、これにより鉄汚染廃水が、石炭スラリーの存在により、ここに記載の電解触媒を使用して浄化する。
【0012】
さらに、石炭の電解酸化のための触媒添加剤を提供するが、該触媒添加剤は鉄塩、即ちFe+2およびFe+3を含む。また石炭スラリーから水素を製造する電解セルがあり、酸性媒体中に鉄塩を含み、開発した触媒をアノードまたはカソードとして使用する。また石炭/石油燃料セルとコーク/チャースラリー燃料セルで開発した触媒をアノードとして使用する。さらに電気化学処理プロセスを提供するが、ここでは鉄汚染廃水が石炭スラリーの存在で開発した触媒によって浄化される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
酸性媒体中の石炭の電解のため、支持カーボンファイバー上に電着した貴金属製(成層)の電解触媒を開発した。開発した触媒をアノードまたはカソードとして使用し、酸性媒体中の石炭スラリーからの水素の製造用の電解セル;開発した触媒をアノードとして使用する石炭/石油・コーク/チャースラリー燃料セル;および電気化学処理プロセスで、開発した触媒を使用し、石炭スラリー存在下で、鉄汚染廃水を浄化することが説明される。
【0014】
添加剤: 石炭の電解酸化上の鉄塩(Fe+2およびFe+3)についてもここに記述する。開発した触媒をアノードまたはカソードとして使用し、酸性媒体中の石炭スラリーからの水素の製造用の電解セル;開発した触媒をアノードとして使用する石炭/石油・コーク/チャースラリー燃料セル;および開発した触媒を使用し、石炭スラリーの存在下で、鉄汚染廃水を浄化する電気化学処理プロセスをさらに説明する。
【0015】
連続石炭電解セル: 水素の供給源および貯蔵に関連する問題、および燃料のフレキシビリティの限界が、燃料セル輸送および定置用途の競争力のある商業化を遅らせている。さらに現在の水素製造コストは、伝統的なオイル発電システムに比べ経済的に競争にならない。現在の技術では、分離コスト、高温高圧の作動条件の理由で、水素の製造コストは、Hのkgあたり$5から$6である。これらの問題について、ここに我々は連続石炭電解セルを使用する水素の製造を開示する。
【0016】
以下の反応によって石炭カーボンの電解ガス化を行う:1−3
【0017】
【数3】

【0018】
【数4】

ここに、反応(3)および(4)がアノードとカソードでそれぞれ発生する。全体のセル反応は下式によって与えられる;
【0019】
【数5】

石炭/水スラリーの電解は、配電用の水素コストを削減する電位をもっている。酸性媒体中の石炭スラリーの電解による25℃での水素製造の理論電圧は、0.21Vであり、エネルギー消費は製造したHのgあたり5.6Whである(1.23Vを必要とする水電解に比べて83%のエネルギー削減)。もしその電力を供給するため太陽エネルギーを使用するとして($0.21/kWhのコストで)、また石炭のコストをトンあたり$46に設定すれば、石炭スラリーの電解で製造した水素の理論コストは、製造したHのgあたり$1.2と見積もられる。この計算によれば、石炭スラリーの電解の材料とエネルギーコストは、現行の技術(Hのkgあたり$5−$6)と比べて供給水素製造の全体的なコストを削減する可能性がある。
【0020】
方程式(5)から分かるように、石炭の電気化学ガス化は、NO、SO汚染、結果として必要な下流のガス分離や浄化を伴わずに水素を石炭から直接生成する。本技術の期待される直接的利益は、1.配電用の水素の現行技術(天然ガス更生)と比して低いコストの水素の製造;2.燃料のフレキシビリティ;3.外国産燃料への依存削減を通じて米国における国家安全保障の強化;および4.有害環境放出物ゼロ、である。さらに石炭/水スラリーの貯蔵が商業的に可能なので、石炭/水スラリーの電解は水素貯蔵の問題の解決を助ける。
【0021】
まとめると、ここに提供する連続石炭電解セルは、別置式の浄化ユニットの必要なしで、純粋水素を製造するものである。このセルは、石炭電解セル・プロトン交換膜燃料セルから構成される発電システムに組み入れ可能である。
【0022】
燃料: 該電解セル、添加剤、および電解触媒は、石油コーク、全種類の石炭、およびチャーなどの固体燃料を使用できる。
【0023】
ここに記載のシステムの主要なブレークスルーは、石炭の酸化が大きく強化されたことである。我々のシステム(石炭電解セル、貴金属電極、および添加剤の使用を含む)の効率は、HおよびCOの製造に関してそれぞれ98%と39.5%である。この結果は好ましいもので、瀝青炭の電解酸化が可能なことを示す(COの製造に関する文献1−10が報告する最高の効率は、さらに軽い石炭であるNorth Dakota Ligniteを使用し、さらに厳しい条件である120℃および4M HSOにおいて30%である)。60℃での石炭の電解に対するエネルギー消費は22.5Wh/gHであり、我々のセルでの同一作用条件の水の電解は、42Wh/gHである(石炭の電解に対して46.5%の低いエネルギー消費)。これらの結果はエネルギー消費の削減に石炭の化学エネルギーが使用されたことを示す。さらにセルのエネルギー消費は、最適作用条件を決定することにより削減できる。
【0024】
既述の通り、石炭の電解は1980年代において最初に調査された。これらの早期の研究の結果は、この技術は、反応で得られた低い電流密度(1Vにて約lmA/cm)のため、水素の製造には経済的に不向きであった。このため以降の20年間にわたって積極的な研究はなかった。
【0025】
最近になって我々は大きな進歩を遂げ、石炭の電解酸化の反応の率を種々の技術の商業化のため使用可能な値に引き上げた(前述)。1.開発した触媒をアノードまたはカソードとして使用し、酸性媒体中の石炭スラリーから水素を生産するための電解セル、2.開発した触媒をアノードとして使用する石炭スラリー燃料セル、3.電気化学処理プロセスで、鉄汚染廃水は、開発した触媒を使用して石炭スラリーの存在下、浄化される。
【0026】
ここに開示する以下の開発によって達成が可能となる:1.酸性媒体中の石炭の電解酸化用のより好ましい触媒の開発、2.添加剤(Fe+2/Fe+3塩)の存在による電解酸化率の向上、および3.連続平面石炭電解セル。
【0027】
固体燃料の電解酸化用の以下の好ましい触媒の開発:酸性媒体中の石油コーク、全ての石炭、およびチャー(瀝青炭スラリーに対して示された例): 異なる貴金属をPittsburgh No.8の電解酸化についてテストした。Alfa Aesarより取得した異なる電極材料ホイル(Pt、Pt−Ru、Pt−Ir、Pt−Rh)を既知面積の矩形に切断した。テストした電極の構成を表1に記載する。切断したホイルは、矩形ホイル上の一端の中央で、適切な長さの銅に半田付けする。半田付け部分と銅線長の大半をポリマー(PTFE)で上塗りするが、これは高温(120℃)で安定しており、かつその中でテストされる石炭ー水スラリーに耐える。この上塗りは2回行い、200℃の炉中で15−20分間加熱し、上塗りを均一化し、最後に空気で乾燥する。Alfa AesarからのPt、Pt−Ir、Pt−Ru、Pt−Rhは評価に使用した。電極はテスト使用の前に強い基剤とアセトンで清浄化し、表面のごみ粒子(グリースも)を除去し、最後に蒸留水を使用した。
【0028】
【表1】

実験は、図1に示すように、ガラスセル中で実行され、この中には1M硫酸中に、0.12g/L Pittsburgh No.8の石炭があり、既知の面積を持つ上記の異なる作用電極を伴う。使用した石炭は前もってアルゴン封入のグローブボックスに貯蔵され、石炭粒子表面にフィルムを形成したり、石炭の電解酸化のオーバー電位を増加させる恐れのある酸素への露出を防ぐ。使用した石炭の粒子サイズは74−105μmの範囲である。石炭スラリーは上記石炭粉塵を特定濃度の硫酸1Mと混合して製造した。この硫酸は溶液の導電性を増加させるだけでなく、石炭中の鉄分を滲出する。対極は作用電極の3倍は大きい面積のPt−Ruで作られる。対極(カソード)の表面積は作用電極(アノード)のものよりはるかに大きいが、これはアノード反応制限を保つためである。デジタル制御のインペラーが使用され、スラリーを混合し均一性を保つ。すべての実験は40℃で実行された。セルが設定されると、ARBINポテンショスタットが使用されて異なる電圧(0.4、0.6、0.8および1V)の定電位条件で実験を行い、反応率を調査する。テストは各電極について最低100分間行った。最初にバックグラウンドとしてのベースライン実験をわずか1MのHSOで行い、結果を石炭スラリーと比較した。石炭はすべての測定前および測定後で特徴づけられ、1.粒子サイズ、ふるい使用、および2.表面分析、走査エレクトロンマイクロコピー(SEM)およびX線回析(XRD)を測定した。スラリー溶液中の鉄分を、原子吸収スペクトロスコピー(AAS)によって測定した。実験中発生のガスをSRIガスクロマトグラフィを使用して分析した。
【0029】
図2に示す結果は、すべての電極によって発生した電流密度がかなり小さかった。実験の再現性の決定のため3回のトライアルを行った。Pt−Ir電極は最高の電流密度であり、一方、Pt−Rh電極は最低の電流密度であった。異なる電位での石炭に対する電流密度は、HSOのバックグラウンド電流と比して非常に高く(HSOのベースラインは図4に示していないが、これはその値が石炭の電流濃度に比べて低すぎるからである)、これは石炭の消費が反応率を実に高くしていることを示す。また、セル電位の増加とともに、電流密度が増加するが、0.8VのPt−Irは例外的にわずかな増加であって、これはおそらく実験上のエラーによるものと思われる。文献16によると、酸性媒体中の水の電解にとって、Pt−Irが最善の電極の1つとして論議されてきた。これはPt−Ir電極の表面には安定した膜形成があるからであり、その伝導性は純粋のPtの表面に形成するものと比べ非常に高い。これがPt−Irのものより良好な性能の理由であろう。しかしPt−Ir内の最適なIr量は、行われているプロセスによる。図2からも、Ptおよび白金Pt電極間の電流密度に違いは無いことがわかる。石炭粒子のため白金電極材料の剥落はなかった。このことは、低コストで同一の電流密度を達成するには、白金Pt電極の使用がよいことを示している。
【0030】
石炭の電解酸化に関連するメカニズムの解明のため、Pittsburgh Seam No.8石炭の性能を純化グラファイトの電気化学性能と比較した。このグラファイトはSGL Corporationによって提供された。図3はグラファイトとPittsburgh Seam No.8石炭のXRDスペクトラムを示し、主要な構成成分を同定している。石炭は鉄、硫黄、および酸素を含有するが、グラファイトは含有しないことが分かる。SGLグラファイトは、前記した石炭に対するものと同一の電極の実験条件でテストした(粒子サイズ、電解濃度、グラファイト濃度、温度、およびセル電圧)。
【0031】
異なるセル電位でのPt−Irに対するプロットのみ強調されているが、これは前述した通りPt−Irが、他の電極と比べてより良い性能であると観察されるからである(図2を参照)。図5から石炭中の電流はグラファイト内で観察されたものより高いことが分かる。このことから、カーボンだけでなく、他の金属成分、石炭中の不純物、または石炭中で活動するグループが、電解酸化反応を触媒することが明らかである。
【0032】
石炭の電解酸化に及ぼす鉄の効果を評価するため、異なる鉄(III)濃度のグラファイトの電気化学性能を評価した(図5の結果は、100mMのFe+3のPt−Irのみに関する)。図5に示すように電流密度の増加が観察され、石炭およびグラファイトの溶液内のFe+3濃度の増加を伴う。しかし、グラファイトで観察された電流は、石炭ほど高くなく、これは以下のことを意味する:1.石炭中の鉄成分が高い電流密度の原因であり、また、2.石炭の構造と形態は電気化学的性能にも影響する。本問題は現在研究中であり、今後の著書で提供する予定である。
【0033】
酸性媒体中の燃料スラリーの添加剤(Fe+2/Fe+3)の存在による反応率の強化(瀝青炭スラリーに対して示される例): 図6は溶液に添加されたFe+3の異なる作用電圧の石炭スラリーの電気化学性能に及ぼす効果を示す。Pt−Ir(80:20)をアノードとして使用した。追加の鉄分の存在は電流密度に強いインパクトを有する。図6の結果は、セルの条件を最適化することが可能であることを示し、(Fe濃度、セル温度、電極構成、石炭濃度、電解質濃度、および粒子サイズ)、これによりセルを高い電流密度(最低でも100mA/cm)において0.4V以上では作動させない。
【0034】
電極配合表のイリジウム(Ir)の効果を評価した。図7は、Pt−Irの比が80:20およびPt−Irの比が60:40という2つの異なる電極構成の性能を示す。実験は図1に示す実験構成を使用して達成した。実験は40℃にて定電位状態下(0.4、0.6、0.8およびIV)、石炭濃度0.12g/ml、1MのHSOおよび80mMの鉄濃度のPittsburgh No.8を使用した。最も重要な観察は、我々の実験で発生した電流は、文献の値に比して相対的に高かったということである。文献で今日までに報告された最高電流密度は、CoughlinおよびFarooqueであり、それはIVについて約7.69mA/cm、78℃、0.36g/ml石炭(North Dakota Lignite)濃度で、粒子サイズ44μmおよび4.13MのHSOのときのものである。比較のため、Pt−Irの比が60:40の電極の0.4Vで電流密度約8.5mA/cmを観察した。このとき非常に低い温度の40℃、低石炭濃度の(0.12g/ml)、大きい粒子サイズ(74−100μm)および低いHSO濃度(1M)とした。ただし、我々が添加した80mM鉄(III)を除く。このことは鉄(III)は、石炭の電解酸化を非常に大きな程度で強化することを示す。
【0035】
観察結果と文献研究に基づいて、以下のメカニズムをFe+3の存在下での石炭の電解酸化に提案する。このメカニズムを図8に示す。Fe+3がCoughlimおよびFaroquee、方程式(4)によって提案された反応により石炭を酸化する。即ちFe+3は、石炭の表面で化学反応によりFe+2に還元する(図8のステージ1、2および3を参照)。一方、Fe+2は、方程式(5)により電解セルのアノードの表面で、Fe+3に戻って酸化する、(図8のステージを参照)。石炭は電極セルのアノードと接触しFe+2をアノードの表面に輸送する必要がある。(もし石炭とアノード間の接触がないとプロセスは適時に行われない。)さらに石炭がアノードから離れると、電極の表面からいくらかのFe+3を運び、濃度効果によってFe+2の酸化を強める。混合はプロセスにおいて非常に重要で、鉄イオンをアノードに運んだり離したりする役割を担う。溶液中の過剰なFe+3の存在の問題は、またそれが電解セルのカソードで還元可能で(図8のステージ4.bに示すように)、水素製造の効率を減少させる。しかしこの効率は、Fe+3を還元するのに十分な石炭があること、また換言すれば、酸化した石炭が豊富にあることにより、石炭の濃度を最適化することで克服できる。
【0036】
上記に提案したメカニズムによれば、石炭の電解酸化は溶液中の(III)およびFe(II)の相乗効果により強化しければならない。もしこの仮説が正しければ、観察された電流密度は溶液中のFe+2、また同時にFe+3によって改善されなければならない。溶液中のFe+2/Fe+3の効果を図9に示す。既に示したとおり、Fe+2の存在はセルの電流密度を増やす。再び、Pt−Irが、反応については最善の電極と思われる(最低の電圧で最高の電流となる)。Pt−Ir電極は他の電極材料より早く濃度限界に達することも可能である。
【0037】
酸性媒体中の固体燃料の電解酸化用の電解触媒の開発(瀝青炭スラリーに対して示された例): 第I節の結果では、Pt−Irは石炭の電解酸化に適する触媒である。本節では大表面積の電極について記載する。この電極はカーボンファイバーにPt−Ir−Rhのメッキをして製造した。
【0038】
Alfa Aesarより取得したチタニウムガーゼを、既知面積の矩形に切断した。切断したホイルを、矩形ホイル一端の中央部で、適当な長さのチタニウムワイヤー(直径0.5mm)に掛けた。チタニウムを選んだ理由は、その安定性と低コストにある。カーボンファイバー(直径約5mm)をガーゼ表面に均一に巻き、ファイバーの2端をチタニウムホイルの小片でチタニウムワイヤーに結び、適切な電気的接続を保証した。
【0039】
Tiガーゼを塵粒子を除去すべく、まずアセトンで、ついで蒸留水で、そして最後に「超純水」で洗浄した(Aldrich薬品)。その間、メッキ用の溶液を、Pt−RhおよびPt−Rh−Ir電極に、ヘキサクロロ白金塩およびロジウム塩(Aldrich薬品)を使って準備し、上記の2つの塩に加えてイリジュム塩も加えた。これらの塩は適切な比率の既知量の強酸(HCL)と超純水に溶解した。溶液を加熱し(60℃−70℃に近く)、超音波水槽を使用して混合した。Pt−Rhをガルバノスタット状態下で最低1−2時間パルス析出し、イリジウム塩は5−6時間析出した。ロジウムは電極材料の導電性を改善するため基本的にまずメッキを掛け、他の材料がファイバー上に容易にメッキできるようにした。各パルス後は、間歇的に電極を計って、メッキが適切か保証する。貴金属の装填はファイバー束の2−4mg/cm(束あたり6000ファイバー)に保った。
【0040】
酸性媒体中の連続平面固体燃料電解セルの開発(瀝青炭スラリーを例示): 第III節において開発および記載した電極を、連続石炭電解セルの製造に使用した。便利な形状と電極内の電流配分チャンネルのおかげで、ベンチスケールの石炭電解セルの構築に成功した。セルはアクリルブロックとテフロン(登録商標)ガスケットで構成される。電極はNafion膜、またはポリエチレンを使用して分離する。テストシステムは、石炭電解セル、ポンプ、ヒーターおよび流量計で構成される。
【0041】
実験は上記のセルを使用して60℃において行い、カーボンファイバー上にPt−Rhをメッキしたものをアノード、カーボンファイバー上にPtメッキしたものをカソードとした。他の実験条件は一定とした(石炭スラリーの濃度:0.12g/ml、HSOの濃度:1M、Fe+2、Fe+3の濃度:100mM)。一定の電流を10−50−100mAのように段階的に印加し、テストは電位が1.8Vに達するまで行った。図10は50mA(12.5mA/cm)での石炭スラリーと作用する60℃での石炭電解セルのガルバノ性能を示す。セルにFe+3を加えた効果も示す。結果はセルが短時間に完全に分極されたことを示す。しかしFe+3を加えた場合、セルの作用時間は長くなるが、これはFe+3が石炭の酸化を強化することを示す(第III節に示したとおり)。
【0042】
図11は、60℃、100mA(25mA/cm)で、Fe+3と石炭、Fe+3/Fe+2と硫酸、Fe+2と硫酸、およびFe+2/Fe+3と石炭という異なる溶液と作用する石炭電解セルの性能を示す。セルがFe+2/Fe+3の存在下でより長く作用できるという事実は、Fe+3が石炭の酸化を強化し、且つ、同時に石炭がFe+3からFe+2への還元を助け、これはまたクローズループを許容することを意味する。一定の作用時間後、石炭はセル電圧の突然の上昇によって酸化する。石炭表面の形が観察された。実験の終わりに、石炭粒子は粘着した。
【0043】
連続石炭電解セルの電気化学性能の測定: すべての実験は60℃で行われ、カーボンファイバーにPt−RhおよびPt−Rh−Irをメッキしたものをアノードとして、またカーボンファイバーにPtメッキしたものをカソードとして使用した。分極実験は上記システムを使用して行ったが、これには1Mの硫酸中の0.12g/mlのPittsburgh No.8石炭と、既知面積を有する上記作用電極が含まれる。使用した石炭はアルゴン封入のグローブボックスにあらかじめ貯蔵したもので、酸素への露出を防いでいる。これは石炭粒子の表面に膜を形成する恐れがあり、また石炭の電解酸化に対して過剰電位を増加するかもしれないのである。使用した石炭の粒子サイズの範囲は74−105μmであった。石炭スラリーは上記石炭粉塵を特定濃度1Mの硫酸と混合して作ったが、これが電解質として作用する。さらにすべてのガルバノスタット実験において、上記パラメータ(石炭スラリー濃度:0.12g/ml、HSO濃度:1M、温度60℃、Fe2+、Fe3+濃度:各100mM)を一定とし、Ohio石炭のアノード材料の効果に限る比較研究を行った。100mAの一定電流を印加し、テストを電位が1.2Vに達するまで実行した。
【0044】
図12は石炭水スラリー溶液の分極性能(0.12g/ml)を示し、定常的に供給される100mAの100mM Fe+2および100mAのFe+3をそれぞれ含む。曲線は時間の経過につれてセル電位が徐々に増加し、セルの最高設定電位(1.2V)に達する。最初の実験は(テスト1)は62時間で終了。このことは、この電位で石炭は殆ど非活性化されていることを示す。この非活性化は、システム中で石炭がリサイクルされたからである。このことは石炭がそのカロリー値をすべて失うということでは無い。しかし石炭は、石炭表面に成形した膜によって、多分非活性化されただけである。これは以前に他の研究者たち3,7が報告した内容と一致する。他の研究者は、これらの膜は石炭表面に累積する中間体として作用するカーボキシル、カルボニルおよびヒドロキシル酸素等の表面官能基3,7によって形成されると記述している。
【0045】
石炭が真に非活性化するかを評価するため、石炭をさらに以下の通り処理した。石炭スラリーをフィルターにかけ、(この時点で約2gの湿気のある石炭をXRDおよびSEM分析用に採取した)、そして濾液の量を記録し、蒸発した水の量を計測した。反応および非反応石炭粒子のSEM分析を図13に示す。この図は石炭表面の非常に薄い膜形成をはっきりと区別する(図13b)。反応(極性化)した石炭に対する他の観察によれば、石炭粒子は小さく壊れ、その上粘着してさらに大きい粗い表面構造を形成する(図13b)、これは非反応見本と比べたもので、滑らかな表面の単一粒子構造(図13a)である。アセトンで洗浄後(図13cに示すとおり)、表面上の粘着した粒子は洗い落とされたように見えるが、非常に不均一な表面の後ろに残っている。しかし、一旦、石炭が250℃で6〜8時間加熱されと、その石炭は滑らかな表面構造を取り戻した(図13d)。第1回目以前および以後に採集した石炭見本も、究極分析技術(ガス技術学会)を使用して分析した。この分析または構成は、原子カーボン(C)、水素(H)、酸素(O)、および(N)に基づくが、これを表1に示す。表2の試験結果に示す水素消費に基づく現実のプロセス効率は10.06%であるが、一方、理論効率が77%と高いことはプロセス効率が多くの改善の余地のあることを示している。しかし、主要な関心事は、作動できる重要なパラメータを確認することであり、それにより水素発生の効率を改善できる。総電力消費およびエネルギー消費を水素生成に基づいて表2に報告する。
【0046】
【表2】

1回目(テスト1)の後に採集した石炭スラリー濾液が完全に黄色であり、これは溶液が鉄分(III)を含んでいたことを示している。これはまた鉄(II)が鉄(III)に酸化していることを意味する。濾過後、石炭残留物は蒸留水で洗浄された。ふたたび濾液は薄い黄色であったので、低い濃度の鉄(III)を含んでいたことがわかる。これは鉄(III)が石炭の表面に付着していたことを示し、そこで、前記の我々の仮説に従うと、石炭から電子を受け入れ、石炭の酸化を助ける可能性があると考えられる。その後、水洗した石炭は乾燥され(100℃にて)、3−5時間にわたって室温まで冷却され、アセトンで抽出される前に、殆どの水分が除去されたことを確認した。乾燥石炭はついでアセトンで洗浄した。アセトン濾液は薄い茶色で、化合物のようなタールのいくらかの量が石炭から抽出されたことを示し、同時にアセトンは表面膜の除去を促進した。最後にアセトンで洗浄した石炭をオーブン中で、250℃で6時間乾燥させ、分析のため石炭濾液と混合した。石炭スラリーを再極性化し、アセトンで洗浄後の回復した動作を調べた。石炭の電解酸化は、2回目では10.5時間の続行が観察された(図12に示すテスト2)。同様にしてさら2回(濾水とアセトン洗浄によって)、石炭が活動を殆ど消滅するまで行った。テスト3および4の間、極性化は8時間および2時間それぞれ続行した(図12を参照)。
【0047】
Pt−Ir−Rhをアノードとして使用する同様の実験も行った。結果を図14に図示する。Pt−Rhを同様にして、3回の実験を行い、それぞれ33.2、6.9および3.5時間続行した。Pt−Rhの結果と比較した場合、その電気化学性能は、セル電圧の低いPt−Ir−Rh電極のほうが良い。分極の回数はPt−Rh電極とは異なり、これはPt−Rh−Irの場合、溶液の総量は1000mlであり、Pt−Rhでは1200mlであって、そのため作用時間はこの場合の方が長い。したがって、両方のケースとも、実験は、ほとんど同時間続行されたが、例外としてPt−Rh−Irは100mAの印加定常電流に対してより低い電位であった。このことは電極のより良好な性能は、主としてIr成分の存在によるものであったことを示す。SEMおよびXRD分析は、図13のような非常に類似した挙動を示した。
【0048】
Pt−Ir−Rh電極についての水素製造効率は11.63%で、22.5W/gH(表3に示す)のエネルギー消費を伴った。他の実験で10mMのFe2+および100mMのFe3+のみを含むものも実行した。このテストはわずか6時間だけ続行し(図15に示すように)、この濃度では他の実験は行わなかった。これはFe2+が石炭の電解酸化に重要であるという前述の仮説を良く証明している。
【0049】
【表3】

両アノードを使用して行った活性化および非活性化の多くの実験後、石炭が電気化学的活性を失うことが観察されたが、しかし石炭にはいくらかのカロリー値、または加熱値があり、それの完全な除去は、電気化学的ガス化で抽出、またはその完成に近づける事は不可能である。このことは石炭が電気化学的に活性な種の化学成分(キノン9,10)を保有することを強く意味し、また時間の経過につれて、電気化学的に非活性の部分の背後に残されて消費される。
【0050】
ガス採集実験: ガス採集実験をPt−Ir−Rh/カーボンファイバー電極を使用して実行した。実験条件は多少異なり、以下に説明する:温度−80℃、石炭スラリー濃度−0.04g/ml、HSO濃度−1.5M、Fe+2およびFe+3濃度−各100mM、電流300mA。実験条件は石炭の酸化を促進するため強化した。実験は以下の2つのセットアップで実行した:a)バッチシステムおよびb)連続循環システム。バッチシステムは主として化学酸化によるCOの発生率、またCO発生率に関連する温度効果を評価するため使用した。この2つのテストは鉄分が存在および不存在の場合について研究した。すべての結果は、SRIガスクロマトグラフィによって記録した構成に基づき報告した。
【0051】
図16は時間の効果を示すが、鉄を含む石炭スラリーの最初のパーセント累積CO発生は20%であったことがわかるが、一方、鉄が存在しない石炭スラリーでは無視できた。時間の経過と共に、両方のケースとも、最初の100分間のCO発生は緩やかな増加だが、次の100分間では急激な増加となり、鉄を含む石炭では急激な勾配を伴う。石炭のみの場合でもCOを発生したが緩やかな勾配であった。200分後、両方のケースともCO発生は安定した。これらの結果から、Fe塩の存在が石炭の酸化の達成に非常に重要であることがわかる。
【0052】
石炭スラリー中の鉄成分の存在、不存在の場合の温度効果を図17に示す。その挙動はかなり似ているが(勾配)、鉄を含む石炭は、鉄を含まない石炭と20℃の差異をもって、即ち20℃低い状態で類似することが例外であり、また鉄を含まない石炭スラリーについては、最初の40℃までCOの発生はない。
【0053】
上記と同様のセットアップにて、類似の実験を石炭スラリーの連続循環について行った。主要なブレークスルーは、このテストシステムが、電解中に生成したガスの定量化を可能とすることであった。流量計はガス採集器と取り替えた。発生ガスの圧力が十分でなかったので、この流量計はガス流を感知できないと観察された。製造されたガス(アノードおよびカソードで)は、ガスクロマトグラフィを使用して性格づけた。このシステムが使用するエネルギーの効率は98%であって、39.5%がHおよびCOの製造用であった。これらの結果は好ましいものであり、瀝青炭の電解酸化が可能なことを示す(COの製造に関しての文献1−10に報告された最高の効率は、さらに厳しい条件:120℃、および4MのHSO)において、軽石炭のNorth Dakota Ligniteで30%である)。
【0054】
また連続システムはセル内の水の電解に使用され、水の電解中に消費されたエネルギーと石炭電解中に消費されたエネルギーと比較した。60℃における石炭電解のエネルギー消費は22.5Wh/gHで、一方、我々のセルで同一の作用条件では42Wh/gH(石炭電解より46.5%低いエネルギー消費)であった。これらの結果は、石炭の化学エネルギーがエネルギー消費を削減するため使用されていることを示している。これは石炭が媒体中で酸化されていることを証明する。
【0055】
ここに記載したシステムは、酸性の媒体中の電解酸化を大きく増加させた。基本的に電流密度は、文献報告の8mA/cmから75mA/cmに増加した(これは最新式の実験で940%の増加である)。製造されたガス(アノードおよびカソードで)は、ガスクロマトグラフィを使用して性格付けられた。システムで使用されたエネルギー効率は98%および39.5%で、HおよびCOの製造にそれぞれ使用された。これらの結果は好ましいものであり、また瀝青炭の電解酸化が可能なことを示すものである(CO製造のため文献1−10に報告された最高効率は、さらに厳しい条件:120℃、および4MのHSOでの軽石炭のNorth Dakota Ligniteで30%である)。
【0056】
この連続システムは、セル内の水の電解にも使用され、水電解中のエネルギー消費を、石炭電解中のエネルギー消費と比較するためである。60℃での石炭電解のエネルギー消費は22.5Wh/gHであって、一方同じ作用条件で我々のセルにおける水電解では42Wh/gH(石炭の電解用のエネルギー消費より46.5%低い)であった。これらの結果は、石炭の化学エネルギーがエネルギー消費の削減に使用されていることを示す。これは石炭が媒体中で酸化されていることを証明する。
【0057】
本節に報告する結果は、ここに記載するシステムの使用に基づく: 1.Pittsburgh No.8石炭の電解酸化は、Pt−Ir電極において強化される、2.Fe+3/Fe+2の効果が石炭スラリーの電気化学的酸化のため溶液中に添加された。3.Pittsburgh No.8石炭の電解酸化のため、カーボンファイバー(大表面積を提供する)上に支持された貴金属の電極の使用(貴金属の電着による:PtおよびIr)。貴金属装着の率は低い(ファイバー束あたり4mg/cm以下、束あたり6000ファイバー)。信頼できるデータによれば、電極は長時間、劣化なしに存続する(電極のテストを200作用時間以上行う)。4.平面のベンチ規模のセルを、貴金属電極を使用して構築した。セルはガルバノスタティックに、300mA(75mA/cm)、80°Cにてセル電圧は0.7−0.9Vで、Pt/Tr電極が36時間(低く、0.7で開始)まで使用の場合でも深刻な有害性能なしに作動した。石炭が酸化してくる理由で、時間経過に伴う軽微なセル電圧の増加は、セルにリサイクルされると思われる(それは新鮮な石炭は、継続的にポンプされないからである)。
【0058】
電極準備: 図19はカーボンファイバーのメッキ中(および電極の作用中)の電子伝導性を増加するための手順を図式表示する。ファイバーはチタニウムガーゼで包むが、これにより異なる諸点で金属と電気接触を持つ。この改善により、いかなる点にでも容易で均一なファイバーのメッキが可能となる。ファイバーのどこの点の電子伝導性も、Tiガーゼの電子伝導性と等しい(それは非常に高い)。
【0059】
図19は電極のメッキ前およびメッキ後における走査エレクトロン顕微鏡写真を示す。Rhの第一層は、ファイバーの電子伝導性を増やすため沈澱した。Ptで構成される第二層は、電極上にメッキ付けした。このPt層はRhサイトの全体を覆うのではなく、Rhの表面が好ましいH吸着剤として働くよう残しておく。
(I電極) 電極の構造の図式を図18に示す。メッキの工程は2つのステップから構成される:1.第一の層のメッキおよび2.第二の層のメッキ。
【0060】
第一の層のメッキ。このステップはカーボンファイバーやカーボンナノチューブ上に、OHまたはHに強い親和力を有する材料をメッキする工程からなる。例として以下がある:Rh、Ru、およびPd。Rhが好ましい材料である。最初の層の被覆部は、できれば約2mg/cm以上のファイバーが望ましく、これによりファイバーの完全なメッキが保証される。
【0061】
第二の層のメッキ:このステップは電極上に、石炭、石油コーク、およびチャーの酸化に対して強い親和力を有する材料をメッキする工程からなる。例として以下がある:PtおよびIr。これらの材料でのモノメタリック沈着、および(または)バイメタリック沈着が可能。Ptの比率:Irの範囲は100%Pt−0%Irから8%Pt−20%Ir。
【0062】
表4は電解セルのアノードおよびカソードに対するメッキ条件をまとめるものである。ロージュムメッキ後、電極を計量する。この重量は装着したロージュムに対応する。ついで白金をロージュムの頭部に沈着する。この工程完了後、電極を再び計量する。本測定は全装着量に対応する。白金の装着量は、全装着量を先に測定したロージュム全装着量より引いて求める。白金/ロージュム関係をついで計算し、確定装着の比率とする。この装着はファイバー長に依存するので、他の計算も行う必要がある。10cmのファイバー束(束あたり6000ファイバー)の重量が39.1mgであることは既知で、またファイバーの重量も知ることができるので(ステップ1で計算)、比例計算によって各電極に使用されている全ファイバーの長さを知ることが出来る。
【0063】
表5はメッキ槽の一般条件を概括する。全メッキ工程を通じて、溶液が種をファイバーおよびナノチューブへの伝達を強めるために混入された。表6はある電極構成、長さ、および貴金属の装着の例を示す。
【0064】
概括すると、電極はカーボンファイバー、および/またはカーボンナノチューブ基盤で構成され、貴金属の第一の層でメッキされている。この金属はOHおよびHに対して強い親和力を持つ。その後、電極は石炭/石油・コーク/チャー酸化に強い親和力を持つ貴金属でメッキする(シングル沈着および/またはバイメタリック沈着)。
【0065】
【表4】

【0066】
【表5】

【0067】
【表6】

(電解セル) 電解セルのアノードは第I節に記載の手順によって構築した。それは2層の材料でメッキしたカーボンファイバーで構成される。第一の層はOHおよびHに親和力をもつ金属で作られ、第二の層は、石炭、石油コークおよびチャーに対して親和力を持つ一つまたは複数の金属で作られる。カソードはアノードと同様に作られた。
【0068】
ファイバーは金属ガーゼ上(包んで)に置く。酸性沈着槽用不活性材料、および溶液用酸性媒体がすべて使用できる。最良の選択はチタニウムと思われる。
【0069】
セルの場合、任意の非導電性ポリマーで作ることができる。例としては:ポリプロピレン、アクリル、ステンレススチール、チタニウム等である。材料の選択は温度と圧力による。
【0070】
セルのガスケットはテフロン(登録商標)製である。ガスケットの選択は、温度、硫酸濃度、およびセルの圧力による。
【0071】
セル内の電極(アノードとカソード)は、媒体の強酸性条件に耐える膜、またはセパレータで分離する必要がある。例としては:ポリエチレン、およびナフィオ。最良の選択はポリエチレンと思われる。
(添加剤) Fe+2およびFe+3は石炭の電解酸化に触媒効果を有する。他の塩、例えばCe+4も使用可能である。最善の選択は鉄塩と思われ、石炭中にすでにあると思われ、かつCe+4より安価である。Fe+2およびFe+3の濃度の範囲は10mから1Mである。
(セルの作用条件) 以下の設定が石炭電解セルの作用条件の例である: 温度は25℃から160℃へと変更可能である。水の液相を維持するため、高温には圧力増加を必要とする。温度が高いと石炭の電解酸化の比率が早い。図20はセル電圧の温度と圧力の増加の熱力学的効果を示す。結果によれば、温度が増加しているかぎり、熱力学によってセルの電圧を圧力は大きく増加しない。
【0072】
粒子サイズ。粒子のサイズは210−250μmから44μm以下まで変更することが許される。粒子サイズが小さいほど、電解酸化速度は速い。
【0073】
スラリー濃度と燃料タイプ。 スラリー濃度は0.04kg/dmから0.4kg/dmまでの間で変更可能である。ここに記載のシステムは、以下のような固形燃料を使用できる:石油コーク、石炭全種類、およびチャー。低瀝青炭の酸化は速い。
【0074】
鉄濃度(Fe+3/Fe+2)。 鉄成分は石炭スラリー中のもともとの値から1Mにまで変更できる。
【0075】
電解質と電解質濃度。 セル中に使用の電解質はどの酸でも良い;例としては、リン酸、酢酸、トリフルオロメタンスルフォニック酸、および硫酸である。好ましい選択は硫酸である。電解質濃度は0.1から5Mまで変更可能である。
(実際の適用)
電解セルへの適用: ここに、記載のアノードおよびカソード材料、および記載の添加剤は、石油コーク、全範囲の石炭およびチャー等の固体燃料の電解によって水素を製造するために使用できる。アノードとカソードは膜で分離されているので、純粋な水素がカソード部で生成され、純粋なCOがアノード部で生成される。このため水素の浄化は必要なく、直接いかなるタイプの燃料セルにも使用可能である。この水素の純粋性と燃料セルの低い作用温度によって、この石炭電解セルはプロトン交換膜(PEM)燃料セルと容易に組合せられることが期待される。この電解セルは再生可能な(風力、太陽エネルギー)および従来型のソースからの電気エネルギーを使用できる。石炭の電気化学的ガス化は、NO、SOによる大気汚染や下流の補助的ガス分離または浄化を必要としないで、石炭から直接水素を製造する。本技術の直ちに期待できる利益としては:1.配電用の現行技術(天然ガス再生)より低いコストでの水素生産、2.燃料のフレキシビリティ、3.外国燃料依存度を減らすことによる米国内の国民の安全の強化、および4.有害環境放出ゼロ。さらに石炭・水スラリーの貯蔵が経済的に可能なので、石炭・水スラリーの電解は、水素貯蔵の問題解決の助けとなる。
低温固形燃料セル: 添加剤の存在を伴う開発したアノードは、固形スラリー(石炭、石油コーク、およびチャー等)の電解酸化に使用可能であり、カソード電極と組み合わさって酸素の還元を発生し、直接低温度固形スラリー燃料セルを構成する。
修正プロセス: 開発した電極材料および電解質セルは、鉄成分の多い酸性水の処理に使用できる。セルのアノードでは、スラリーの酸化が起り、一方カソードでは、水素が製造される。もし水素を燃料セルの充電に使うと、清浄な水がプロセスに戻る。鉄分の多い酸性水は、通常、石炭鉱山の近く川や湖で観察される。
【0076】
他の研究者たち1−3の前記のテストによれば、アノード用電極材料の選択は、石炭スラリーの電解酸化に対して重要な効果がなかったと報告している。異なる結果をここに報告した。
【0077】
ここに、設定した事例は、説明目的のためのみで、本発明を限定することを意味しない。
参考文献
【0078】
【表7】

【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】図1は、Ohio炭の電解酸化研究用ガラスセルの図式表示である。
【図2】図2は、40℃の異なる電極(アノード)の定電圧状態下の電流密度で、1MのHSO中の濃度0.12g/mlを持つPittsburgh No.8スラリーについて示す。
【図3】図3は浄化グラファイトおよびPittsburgh Seam No.8主成分同定のためのXRDスペクトルを示す。石炭は鉄、酸素および硫黄を含む。
【図4】図4は、Pittsburgh No.8と、40℃で1M H2SO4中の濃度0.12g/mlのグラファイトスラリーの定電位状態下の電流密度を示す。Pt−Ir(80:20)をアノードとして使用した。
【図5】図5はグラファイトの電解質の鉄分(III)、およびPt−Ir(80:20)電極上の石炭の効果を、40℃、1MのHSOの場合で示したが、石炭またはグラファイトの濃度は0.12g/mlの一定とした。
【図6】図6はPittsburgh No.8スラリーの定電位状態下の電流密度を示すが、この濃度は0.12g/ml、1MのHSO、異なるFe+3濃度で40℃のものである。Pt−Ir(80:20)をアノードとして使用した。溶液中のFe+3濃度は、セル内の電流密度に良好な効果を有する。
【図7】図7は、40℃でのPt−Ir電極(アノード)の定電位状態下の電流密度を示すが、Pittsburgh No.8 濃度0.12g/ml、1MのHSOおよび80mMのFe+3濃度を使用した。
【図8】図8は、Fe+2/Fe+3の存在下での、石炭酸化の提案メカニズムを示す。
【図9】図9は、40℃での異なる電極材料に対する定電位状態下の電流密度を示し、Pittsburgh No.8 濃度0.12g/ml、1MのHSOおよび100mMのFe+3/100mMのFe+2濃度を使用した。
【図10】図10は、簡潔な連続ベンチ規模の石炭電解セル内の60℃にて実行したガルバノスタット式実験を示す。そこではPt−Rhメッキのカーボンファイバーをアノードとし、Ptメッキのカーボンファイバーをカソードとして使用した。印加電流は50mAであった。
【図11】図11は、石炭のガルバノスタット式性能を異なる溶液を使用して、60℃および100mA(25mA/cm)にて示す。結果として石炭の電解は、Fe+2/Fe+3の存在で強められる。
【図12】図12は、Pt−Rh/カーボンファイバーアノード電極付セル電圧を示し、100mA、1MのHSO、60℃作動の石炭濃度0.12g/mlにて3回実施した。
【図13】図13は(a)テスト1前の未反応石炭(原料炭)、(b)テスト1後の反応石炭、(c)アセトン洗浄石炭および(d)250℃で6−8時間加熱したアセトン洗浄石炭のSEM画像を示す。
【図14】図14は、Pt−Rh/カーボンファイバーアノード電極付セル電圧を示し、100mA、1MのHSO、60℃作動の石炭濃度0.12g/mlにて3回実施した。
【図15】図15は、100mA、1MのHSOのPt−Rh/カーボンファイバーアノード電極付セル電圧、および10mMのFe2+および100mA、1MのHSO、10mMのFe2+および100mMのFe3+で60℃作動の石炭濃度0.12g/mlを示す。
【図16】図16はバッチテスト、CO発生の時間効果を示す。
【図17】図17はバッチテスト、CO発生の温度効果を示す。
【図18】図18は電着プロセス用のカーボンファイバーの準備プロセスを示す。
【図19】図19はメッキ前および後のカーボンファイバーのSEM写真を示す。
【図20】図20は石炭電解セルの熱力学的電位の圧力と温度の効果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸性媒体中の石炭の電解のための電解触媒を含む電極であって、
a)カーボン電極材料と、
b)該カーボン電極材料上の第一の貴金属層と、
c)該第一の金属層上の第二の貴金属層と
を備える、電極。
【請求項2】
前記カーボン電極材料は、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンマイクロビーズおよびカーボンナノスフェアより成る群から選択される、請求項1に記載の電解触媒。
【請求項3】
前記カーボン電極材料は、カーボンファイバーまたはカーボンナノチューブである、請求項2に記載の電極。
【請求項4】
前記第一の貴金属層は、OHまたはHに対して強い親和力をもつ金属を含む、請求項1、2または3に記載の電極。
【請求項5】
前記第一の貴金属層は、Rh、Ru、PtおよびPdより成る群から選択される、請求項4に記載の電極。
【請求項6】
前記第一の貴金属層の被覆率は、カーボン電極材料の少なくとも約2mg/cmである、請求項4または5に記載の電極。
【請求項7】
前記第二の貴金属層は、石炭の酸化、石油コークおよびチャーに対して強い親和力を有する金属を含む、請求項4に記載の電極。
【請求項8】
前記第二の貴金属層は、Pt、Ir、およびその組合せより成る群から選択される、請求項7に記載の電極。
【請求項9】
前記第二の貴金属層は、約100%Pt−0%Irから約80%Pt−20%Irを含む、請求項8に記載の電極。
【請求項10】
前記第一の貴金属層はRhを含み、また第二の金属層はPtを含む、請求項1、2または3に記載の電極。
【請求項11】
Rh−Ptの率は約20%Rh−80%Ptから約80%Rh−20%Ptである、請求項10に記載の電極。
【請求項12】
前記第二の貴金属層はさらにIrを含む、請求項10に記載の電極。
【請求項13】
石炭スラリーから水素を生成する電解セルであって、
a)アノードと、
b)カソードと、
c)酸性である電解質と、
d)燃料と
を備え、該アノード、該カソードまたは該アノードと該カソードは、請求項1〜12のいずれかに記載の電極を含む、電解セル。
【請求項14】
さらに電解添加剤を含む、請求項13に記載の電解セル。
【請求項15】
前記電解添加剤は鉄塩およびセリウム塩から選択される、請求項14に記載の電解セル。
【請求項16】
前記アノードは請求項1〜12に記載したいずれかの電極である、請求項13に記載の電解セル。
【請求項17】
前記カソードは請求項1〜12に記載したいずれかの電極である、請求項13に記載の電解セル。
【請求項18】
前記アノードおよび前記カソードは請求項1〜12に記載したいずれかの電極である、請求項13に記載の電解セル。
【請求項19】
前記燃料は、石炭、石油コーク、チャーおよびその組合せを含む、請求項13に記載の電解セル。
【請求項20】
石炭スラリーから水素を生成する電解セルであって、
a)アノードと、
b)カソードと、
c)該電解セル用の筐体と、
d)該アノードと該カソードとの間のセパレータと、
e)酸性である電解質と、
f)燃料と、
g)電解添加剤と
を備え、該アノード、該カソードまたは該アノードと該カソードは、請求項1〜12のいずれかに記載の電極を含む、電解セル。
【請求項21】
前記電解添加剤は鉄塩およびセリウム塩から選択される、請求項20に記載の電解セル。
【請求項22】
前記アノードは請求項1〜12のいずれかに記載の電極である、請求項20に記載の電解セル。
【請求項23】
前記カソードは請求項1〜12のいずれかに記載の電極である、請求項20に記載の電解セル。
【請求項24】
前記アノードおよび前記カソードは請求項1〜12のいずれかに記載の電極である、請求項20に記載の電解セル。
【請求項25】
前記燃料は石炭、石油コーク、チャーおよびその組合せを含む、請求項20に記載の電解セル。
【請求項26】
連続石炭電解セルであって、
a)請求項1〜12のいずれかに記載の電解触媒と、
b)電解添加剤と、
c)酸性である電解質と、
d)燃料と
を備える、連続石炭電解セル。
【請求項27】
前記電解添加剤は、鉄塩、セリウム塩およびその組合せより成る群から選択される、請求項26に記載の連続石炭電解セル。
【請求項28】
前記電解添加剤は、燃料中に存在する値から約1Mまでの濃度である、請求項27に記載の連続石炭電解セル。
【請求項29】
前記燃料は石油コーク、石炭、およびチャーから選択される、請求項26に記載の連続石炭電解セル。
【請求項30】
前記連続石炭電解セルは、約25℃から約160℃までの温度範囲で作動する、請求項26に記載の連続石炭電解セル。
【請求項31】
前記燃料の粒子サイズは、約40μmから約250μmまでの範囲にある、請求項26に記載の連続石炭電解セル。
【請求項32】
前記燃料の粒子サイズは、約210μmから約250μmまでの範囲にある、請求項26に記載の連続石炭電解セル。
【請求項33】
前記燃料のスラリー濃度は、約0.04kg/dmから約0.4kg/dmまでの範囲にある、請求項26に記載の連続石炭電解セル。
【請求項34】
前記電解質は、リン酸、酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、硫酸およびその組合せより成る群から選択される、請求項26に記載の連続石炭電解セル。
【請求項35】
石炭燃料セルであって、
a)アノードと、
b)カソードと、
c)酸性である電解質と、
d)燃料と
を備え、該アノード、該カソードまたは該アノードと該カソードは、請求項1〜12のいずれかに記載の電極を含む、石炭燃料セル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2008−542527(P2008−542527A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−510303(P2008−510303)
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【国際出願番号】PCT/US2006/017641
【国際公開番号】WO2006/121981
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(506241994)オハイオ ユニバーシティ (5)
【Fターム(参考)】