説明

固体粒子の濃度を決定する装置

【課題】広い測定領域ためにも簡単な配列制御が可能となるように、最初に求められた種類の装置を構成するか、或いは改良すること。
【解決手段】この装置は、予備希釈器(6)と、下流に位置した加熱蒸発器(7)と、蒸発器(7)の下流に位置した二次希釈器(8)と、この二次希釈器に接続された粒子カウンタ(5)とを有する。二次希釈器(8)は「多孔チューブ希釈器」として形成されて、試料流を安定化室から粒子カウンタ(5)に対して分岐させ、蒸発器(7)の出口と安定化室(14)の間に、配置されている。それにより簡単に且つ幅広限度に調整可能な形式で固体粒子の濃度が混ぜることなしに揮発性エアゾール粒子によって測定され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ガス流から分岐された試料流と実質的に粒子のない希釈ガスとを混合する予備希釈器と、希釈された試料流の下流に位置した加熱された蒸発器と、蒸発器の下流に位置した試料流とさらに実質的に粒子のない希釈ガスとを混合する二次希釈器と、二次希釈器の下流に位置した粒子カウンタとを備えて、粒子積載ガス流の濃度を決定する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記種類の装置とその装置により実施された方法とは内燃機関の廃ガス中のエアゾールの特徴付けと測定との関係において知られていて、少なくとも一部には既に対象が国内並びに地域的且つ国際的審査規定、規格などで知られている。上記種類の装置の比較的詳述された記載は例えば「UNECE規則に対する補正、第83号/ 付録5 」( 国際連合・経済社会会議、欧州経済委員会;2008 年1月) (非特許文献1)に包含されている。さらに、既に若干の商業的に得られた装置が存在する。これら提案された要素を包含して、それにより対応する測定を可能とする。
【0003】
内燃機関の廃ガスと特にジーゼル機関のそのような廃ガスとが公知であるように古典的エアゾール(揮発性浮遊粒子の意味で)ではなく、むしろキャリアガス中の固体と揮発性浮遊粒子から成る混合気であり、廃ガスの適切な研究を与える有害性の原因がほとんど専ら固体粒子に起因する。それ故に、ここで興味を有して最初に記載の種類の装置は、有害性定義に関連した揮発性粒子を最終的測定の前に除去することを意図し、このために、試料流が順々に希釈され、加熱され、あとに希釈される。例えばオーストリア実用新案第9603号明細書(特許文献1)により形成され得る予備希釈器には、試料流中の固体粒子並びに揮発性エアゾールの濃度が減少される。下流に位置した加熱された蒸発器には、揮発性物質が減衰位相に移送されて、後から再び冷却すべき試料流が多数の固体粒子を含有することみより、次の冷却の際にもこの物質がもはや凝縮しないないように、蒸発器によりこの物質の蒸気圧が低いために、適切な予備希釈の調整によって揮発性エアゾールの濃度がかなり減少され得る。
【0004】
粒子積載ガス流内の今日の粒子濃度の広い領域における興味ある固体粒子の測定或いは計算を可能とするために、特に予備希釈器と二次希釈器の希釈割合の協力並びに試料流の加熱と冷却の異なった段階が互いに正確に調整できるか、或いは制御でき、それは国際連合・経済社会会議規則の最初に求められた推薦と一致する商業的システムの具体的実施を非常に複雑に成し、それにより具体的実施が例えば地方道路交通局、自動車修理工場などの検査状態のために決して使用され得ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】オーストリア実用新案第9603号明細書
【特許文献2】欧州特許出願第2025979号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】国際連合・経済社会会議規則に対する補正、第83号/ 付録5 (欧州経済委員会;2008 年1月)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明の課題は、広い測定領域ためにも簡単な配列制御が可能となるように、最初に求められた種類の装置を構成するか、或いは改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、この発明により前記種類の装置では、二次希釈器が「多孔チューブ希釈器」として形成されて、試料流を粒子算出器のために分岐させる蒸発器と安定化質の出口の間に配置されていることによって解決される。この種の「多孔チューブ希釈器」が貫通する試料導管の少なくとも一部に周辺開口を有し、その開口を通して外部から少なくとも僅かな超過圧の下で供給されて実質的に粒子のない希釈ガスが試料導管に流入し、そこで試料流と非常に調整すべき、或いは容易に制御すべき形式に混合できる。それによって、多孔チューブ希釈器が直接に試料流の所望冷却を行って、この場合に、しかし、前もって記載された形式で事前の加熱の際に蒸気された揮発性エアゾール粒子がさらに凝縮できないことが確保される。二次希釈器の制御可能な希釈によって、予備希釈器の制御可能な希釈と試料流の加熱温度或いは冷却温度と一緒に、非常に幅広い領域が最終的に下流に位置した粒子算出器で興味のある固体粒子の測定する濃度で覆われ得る。
【0009】
この発明の好ましい構成では、二次希釈器は、熱絶縁試料導管を介して加熱された蒸発器と接続されていて、それは試料ガス流から管壁まで熱移送が中断されて、それによりエアゾール粒子の保温的貯蔵が回避され得る。
【0010】
「多孔チューブ希釈器」として形成された二次希釈器が導管に好ましくは大きな数、特に周辺開口の1000個より多く、特に0.15mm未満の直径を有し、この領域内の試料導管を密封されて取り囲む外室から別の希釈ガスが特にサーモスタット可能な冷却希釈流として供給できる。それにより制御されて比較的大きい周辺領域と非常に多い混合箇所を介して生じる試料流の二次希釈と冷却が生じる。
【0011】
二次希釈器の周辺開口がこの発明の別の構成では外部から内部へ減少する横断面で円錐状に形成されて、さらに、半径方向と軸方向に交互に垂線からそれぞれの導管表面へ整合されて、それは混合とそれにより希釈と冷却における別の好ましい影響可能性を与える。
【0012】
二次希釈器の下流に位置した安定化室は、この発明の好ましい構成では二次希釈器内の試料導管に比べて本質的大きな横断面で形成されて放流開口に追加して粒子カウンタ(算出器)用の少なくとも一つの除去接続部を有する。レイノズル数の安定化室への移行部に存在する強力な変更によって二次希釈器に供給された希釈ガスとの均一な混合を生じて、それにより安定化室が粒子カウンタ(例えば公知の凝縮芯カウンタ)中で残留固体粒子の濃度を決定するために測定される代表的試料を採取され得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の装置の本質的成分を備える「粒子サンプルシステム」を概略的表示で示す。
【図2】この発明による蒸発器、二次希釈器と安定化室を概略的図で示す。
【図3】図2による部分配列を切断された具体的装置として示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、この発明は、図面に概略的に図示された実施例に基づいて詳細に説明される。この場合に、図1は国際連合・経済社会会議規則、第83号/ 付録5 により推薦されたこの発明の装置の本質的成分を備える「粒子サンプルシステム」の概略的表示を示し、図2は概略的図でこの発明による蒸発器、二次希釈器と安定化室を示し、図3は図2による部分配列を切断された具体的装置として示す。
【0015】
図1による装置は、粒子積込みガス粒子中の固体粒子の濃度を決定するように用いられ、このガス粒子がここで詳細に図示されていない形式でガス粒子の供給者により例えばジーゼル内燃機関に、希釈トンネル(CVSトンネル)1に供給されて、そこで濾過されて温度と湿度を関して調整された希釈空気と混合されて安定化される。トンネル1からゾンデ2によって分岐された試料流が粒子大きさに関して予め選択を予備分級器3を介して試料流から揮発性エアゾールを除去させるか、或いは蒸気相に移送させる任務を有するユニット4に到達するので、下流に位置した粒子カウンタ5が今やもう試料流中の実際の興味のある固体粒子或いはその濃度を混合させない。
【0016】
ユニット4では予備分級器3を介して供給された試料流が最初に予備希釈器6に到達し、予備希釈器ではここで図示されていない形式で実質的に粒子のない希釈ガスが調整可能に混合される。この予備希釈器は、およそオーストリア実用新案第9603号明細書(特許文献1)に記載されているように、例えば回転希釈器として形成され得る。加熱された蒸発器7が予備希釈器6の下流に位置されていて、この蒸発器は希釈された試料流をおよそ350°C−400°Cに加熱させる。二次希釈器8が蒸発器7の下流に位置されていて、この二次希釈器によって揮発性エアゾールの予備希釈と加熱に従って自由な試料流の更なる希釈と冷却が行われ、揮発性エアゾールが粒子カウンタ5まで案内される。
【0017】
図2によると、二次希釈器8が「多孔チューブ希釈器」として形成されて、試料導管10において多数の(特に1000個以上の)周辺開口9を有し、ここで見通しの良さのために若干拡大されて図示されている。これら周辺開口9には試料導管10をこの領域に密封されて取り囲む外部空間11から更なる希釈ガスが特にサーモスタット可能な冷却希釈流が供給されて、それは加熱された蒸発器7の領域に加熱された試料流の強力な混合と冷却を確保する。二次希釈器8が熱的に絶縁された試料導管10の出来るだけ短い部材を介して加熱された蒸発器7と接続されているので、この領域ではエアゾール粒子の堆積が回避され得る。蒸発器の加熱配列が12により示され、絶縁部が13により示される。
【0018】
二次希釈器8内の試料導管10の周辺開口9は特に0.15mm未満の直径を有し、円錐状に外部から内部へ減少する横断面で形成されていて、さらに、これら周辺開口の垂線からそれぞれの導管表面にそれる整合によって更なる希釈ガスの流入抑制とガス流の混合と冷却についての影響力の更なる行使を可能とする。
【0019】
下流安定化室14が二次希釈器8内の試料導管10に比べて実質的に大きい横断面で形成されていて、それにより移行部におけるレイノズル数の強力な変更によって試料流と希釈空気と更なる均一な混合を生じる。流出開口15に加えて、横に取出し接続部16が設けられていて、単数或いは複数の測定装置、特に粒子カウンタ用の代表的試料を介して採取され得る。
【0020】
図3に切断面で図示された具体的実施例では、図2と機能的一致する要素が同じ参考数字を備えている。図2に対する説明が図3にも変更せずに適用される。
【符号の説明】
【0021】
1.....希釈トンネル
2.....ゾンデ
3.....予備分級器
4.....ユニット
5.....粒子カウンタ
6.....予備希釈器
7.....蒸発器
8.....二次希釈器
9.....周辺開口
10....試料導管
11....外部空間
12....蒸発器の加熱配列
13....絶縁部
14....安定化室
15....流出開口
16....取出し接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流から分岐された試料流と実質的に粒子のない希釈ガスとを混合する予備希釈器(6)と、希釈された試料流に下流に位置した加熱された蒸発器(7)と、蒸発器(7)の後方に接続されて試料流とさらに実質的に粒子のない希釈ガスとを混合する二次希釈器(8)と、二次希釈器(8)の下流に位置した粒子カウンタ(5)とを備えて、粒子積載ガス流の濃度を決定する装置において、二次希釈器(8)が「多孔チューブ希釈器」として形成されて、試料流を安定化室から粒子カウンタ(5)に対して分岐させ、蒸発器(7)の出口と安定化室(14)の間に、配置されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
二次希釈器(8)が熱絶縁試料導管(10)を介して加熱された蒸発器(7)と接続されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
「多孔チューブ希釈器」として形成された二次希釈器(8)は、試料導管(10)の0.15mm未満の直径を備える多数の、特に1000個の周辺開口(9)を有し、試料導管(10)をこの領域に分岐されて包囲した外部空間(11)からそれ以上の希釈ガスが特にサーモスタット可能な冷却希釈流として供給できることを特徴とする請求項1或いは2に記載の装置。
【請求項4】
周辺開口(9)が円錐状に外部から内部へ減少する横断面で形成されていて、特に半径方向及び/又は軸方向に分岐されて垂線からそれぞれの導管表面に整合されていることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
安定化室(14)は試料導管(10)に比較して二次希釈器(8)内に実質的により大きい横断面で形成されていて、流出開口(15)に加えて粒子カウンタ(5)用の少なくとも一つの取出し接続部(16)を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−164561(P2010−164561A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2637(P2010−2637)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【出願人】(398055255)アー・ファウ・エル・リスト・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (30)
【Fターム(参考)】