説明

固体電解コンデンサとその製造方法

【課題】熱耐久性に優れた導電性高分子を与える導電性高分子形成用電解重合液を提供すること、また、該電解重合液を用いることで、Cs及びESRの経時変化が少なく、長期安定性に優れた固体電解コンデンサの製造方法を提供すること。
【解決手段】電解重合液にポリビニルアルコールを加えることで、該電解重合液を用いて得られた導電性高分子層の熱収縮が小さなり、優れたCsやESRの長期安定性が得られる固体電解コンデンサの製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性高分子形成用電解重合液及びそれを使用した固体電解コンデンサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウムやタンタル等の弁作用金属表面に誘電体酸化皮膜を形成し、該誘電体酸化皮膜上に固体電解質として電気伝導度の高い導電性高分子を形成させてなる固体電解コンデンサは、静電容量(以下、「Cs」と略記する。)が高く、等価直列抵抗(以下、「ESR」と略記する。)が低い優れた電気特性を有することが知られている。
【0003】
上記固体電解コンデンサは一般的に、エッチング処理により表面積を拡大した弁作用金属箔、あるいは弁作用金属の粒子を焼結させることにより表面積を拡大した焼結体を、化成処理により該表面に誘電体酸化皮膜を形成させ、次いで、該誘電体酸化皮膜上に固体電解質層を形成し、カーボン及び銀ペーストからなる導電層を順次形成した後、リードフレームなどの外部端子に接続し、トランスファーモールド等による外装を施して製品化される。
【0004】
固体電解コンデンサのESRは、コンデンサを構成する各部材の固有抵抗と、コンデンサを構成する各部材間に発生する接触抵抗とからなる、合成抵抗が主要な因子となっており、それらの改善によるESRのより一層の低減が望まれている。また、近年、車載用等の用途により、固体電解コンデンサの高耐熱化や小型大容量化が求められている。
【0005】
固体電解コンデンサの劣化は、偶発的に発生する不具合の他は一般的に、コンデンサを構成する各部材の熱劣化と、コンデンサの外装部を介して浸入する水分等の酸素源に起因する各部材の酸化劣化が主要な因子となっており、これらの劣化要因に対し、コンデンサを構成する各部材、特に固体電解質層の熱耐久性能の向上と、外装部材を中心としたガスバリア性の向上等の対策が行われている。
【0006】
固体電解コンデンサに用いられる一般的な固体電解質としては、ポリピロールとポリエチレンジオキシチオフェンが挙げられ、さらに詳しくは、電解酸化重合によって形成されるポリピロールと、化学酸化重合によって形成されるポリエチレンジオキシチオフェンに大別される。
【0007】
電解酸化重合によって形成される導電性高分子は、緻密な膜を形成することができるため、導電性が優れる傾向があり、積層型のコンデンサの製造に用いられている。一方、化学酸化重合は、複雑な形状の素子にも対応できるため、巻回型のコンデンサの製造に多く用いられている。
【0008】
前記、固体電解コンデンサを構成する固体電解質の固有の性能については、ポリピロールやポリエチレンジオキシチオフェン等の高分子の種類のみではなく、固体電解質形成時に使用する支持電解質によっても固体電解質の導電性や熱耐久性等の性能が変化することが知られており、種々のドーパントが検討されている。
【0009】
また、導電性高分子の形成に用いられる電解重合液においては、ドーパントを放出する支持電解質以外の添加剤により、性能が変化することが知られている。
【0010】
特許文献1に、電解重合液にケイ酸又はケイ酸塩とフェノール誘導体を添加することで、耐湿性に優れた固体電解コンデンサが得られることが開示されている。
【0011】
しかし、これにより得られた固体電解コンデンサは、水が関与した誘電体皮膜の劣化を抑制することで耐湿性を向上させているが、熱耐久性が悪いため、CsやESRの長期安定性に劣る欠点がある。
【0012】
特許文献2に、電解重合液にフェノール又はフェノキシド誘導体を添加することで、固体電解コンデンサの熱耐久性が改善されることが開示されている。
【0013】
フェノール又はフェノキシド誘導体を添加することで、空気中の酸素と導電性高分子の酸化劣化を抑制し、熱耐久性を向上させているが、まだ不十分である。
【0014】
導電性高分子は、水等の溶媒を吸着して膨張、或いは水等を放出して〜数%程度伸縮する性質がある。これにより、電解重合により生成する導電性高分子は電解重合液中の溶媒を吸着した状態で生成し、乾燥により収縮する特徴を有する。この特徴が熱耐久性の悪い原因として考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平05−234820号公報
【特許文献2】特開平05−21284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、熱耐久性に優れた導電性高分子を与える導電性高分子形成用電解重合液を提供すること、また、該電解重合液を用いることで、Cs及びESRの経時変化が少なく、長期安定性に優れた固体電解コンデンサの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明者らは、鋭意検討した結果、電解重合液にポリビニルアルコールを加えることで、該電解重合液を用いて得られた導電性高分子層の熱収縮が小さくなることを見出した。また、該電解重合液を用いて製造した固体電解コンデンサにおいては、優れたCsやESRの長期安定性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0018】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】
第一の発明は、導電性高分子単量体と支持電解質とが、溶媒に溶解されてなる導電性高分子形成用電解重合液において、ポリビニルアルコールが含まれることを特徴とする導電性高分子形成用電解重合液である。
【0020】
第二の発明は、支持電解質が芳香族スルホン酸又はその塩であることを特徴とする第一の発明に記載の導電性高分子形成用電解重合液である。
【0021】
第三の発明は、誘電体酸化被膜が形成された弁作用金属上への導電性高分子層の形成において、第一又は第二の発明に記載の導電性高分子形成用電解重合液中で導電性高分子層を電解重合により形成する工程を有する固体電解コンデンサの製造方法である。
【0022】
第四の発明は、誘電体酸化被膜が形成された弁作用金属上に、予備導電層(A)を形成する工程と、前記予備導電層(A)上に第一又は第二の発明に記載の導電性高分子形成用電解重合液中で導電性高分子層(B)を電解重合により形成する工程とを有する固体電解コンデンサの製造方法である。
【0023】
第五の発明は、予備導電層(A)が、二酸化マンガン層を含有していることを特徴とする第四の発明に記載の固体電解コンデンサの製造方法である。
【0024】
第六の発明は、予備導電層(A)が、溶媒溶解性又は溶媒分散性の導電性高分子を含有した溶液を塗布後乾燥させることにより形成された導電性高分子層を含有することを特徴とする第四の発明に記載の固体電解コンデンサの製造方法である。
【0025】
第七の発明は、予備導電層(A)が、導電性高分子単量体の化学重合により形成された導電性高分子層を含有することを特徴とする第四の発明に記載の固体電解コンデンサの製造方法である。
【0026】
第八の発明は、弁作用金属表面の誘電体酸化被膜上に導電性高分子層を有する固体電解コンデンサにおいて、
導電性高分子層が、ポリビニルアルコールと導電性高分子を含有する複合層からなることを特徴とする固体電解コンデンサである。
【0027】
第九の発明は、第三から第七の発明のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法により得られた第八の発明に記載の固体電解コンデンサである。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、従来よりも導電性高分子層の収縮率が小さくなるため、高い熱耐久性の導電性高分子を与える導電性高分子形成用電解重合液を提供することができ、従来の固体電解コンデンサと比較して著しく優れた熱耐久性を有する固体電解コンデンサを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
始めに、本発明の導電性高分子形成用電解重合液について説明する。
【0030】
本発明の導電性高分子形成用電解重合液は、ドーパントを放出できる支持電解質、導電性高分子単量体であるモノマー、ポリビニルアルコールが、溶液中に溶解されたものである。
【0031】
上記ドーパントを放出できる支持電解質として、芳香族スルホン酸又はその塩が挙げられ、例えば、アントラキノンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ニトロベンゼンスルホン酸、分岐型ドデシルベンゼンスルホン酸、イソプロピルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、スルホサリチル酸、スルホイソフタル酸又はそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が挙げられる。
【0032】
支持電解質の濃度は0.001〜2.0mol/Lが好ましく挙げられ、0.01〜1.0mol/Lがより好ましく挙げられ、0.05〜0.3mol/Lが特に好ましく挙げられる。0.001mol/L未満の場合では、十分な電気特性が得られないことがあり、2.0mol/Lを超えた場合、経済性にも劣る欠点がある。
【0033】
上記導電性高分子単量体であるモノマーとしては、ピロール、アニリン、フラン、チオフェン又はこれらの誘導体を用いることができる。該誘導体としては、3−アルキルピロール、3−アルキルチオフェン、3,4−アルキレンジオキシピロール、3,4−アルキレンジオキシチオフェンなどが挙げられる。前記モノマーは1種若しくは2種以上を同時に含有することができる。これらの中でも、得られる導電性高分子の強靱性、導電性及び耐久性の面から、ピロール及び/又はその誘導体が好ましく挙げられ、ピロールが特に好ましく挙げられる。
【0034】
導電性高分子単量体であるモノマーの濃度は0.001〜3.0mol/Lが好ましく挙げられ、0.01〜1.0mol/Lがより好ましく挙げられ、0.1〜0.5mol/Lが特に好ましく挙げられる。0.001mol/L未満の場合では、十分な電気伝導度、耐熱性が得られないことがあり、3.0mol/Lを超えた場合、完全に溶解せず経済性にも劣る欠点がある。
【0035】
上記ポリビニルアルコールは、酢酸ビニルを重合して得られるポリ酢酸ビニルをアルカリや酸などでケン化することで得られる。
【0036】
ポリビニルアルコールは、ケン化度及び重合度により分類され、また、一部にスルホン酸やカルボン酸等をもつ変性ポリビニルアルコールも用いることができる。
【0037】
変性ポリビニルアルコールとは、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーと、ビニルエステル単位を有するモノマーを共重合させた後に、ケン化させてカルボニル基含有ポリビニルアルコールを得、洗浄、乾燥を行って得られるものであり、主鎖にカルボキシル基を起点とする不飽和二重結合をランダムに導入させたものである。
【0038】
本発明に用いられるポリビニルアルコールは、ケン化度は80%以上が好ましく挙げられ、ケン化度が大きいほど水に対する溶解度が大きくなる特徴を有する。
重合度は100〜5000が好ましく用いられ、200〜4000がより好ましく挙げられる。100未満の場合では、収縮率に対する高い効果が得られず、5000を超える場合では、粘度が大きくなるため、扱い難い欠点がある。
【0039】
ポリビニルアルコールの含有量は0.01〜10.0質量%が好ましく挙げられ、0.1〜5.0質量%がより好ましく挙げられ、0.5〜2.0質量%が特に好ましく挙げられる。0.01質量%未満の場合では、十分な収縮率の低減が見られず、コンデンサにおける電気特性が得られないことがあり、10.0質量%を超えた場合では、溶解に時間がかかり、また、粘度が高くなる等の取り扱い難い欠点がある。
【0040】
本発明においては、モノマーの電解重合において導電性高分子に吸着する溶媒に代わって、ポリビニルアルコールを吸着せしめることにより、乾燥時の収縮を抑制し、更に物理的強度を向上させることができると考えられる。
【0041】
このように、ポリビニルアルコールを用いることで、収縮が抑えられ物理的強度も向上することで、電解重合導電性高分子の熱耐久性が向上し、固体電解コンデンサの熱耐久性の向上が達成される。
【0042】
本発明に使用する電解重合電解液の溶媒は主溶媒として水を用いたものであり、又はテトラヒドロフラン(THF)やジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、或いはアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルホルムアミド(DMF)やアセトニトリル、ベンゾニトリル、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性溶媒、酢酸エチルや酢酸ブチル等のエステル類、クロロホルムや塩化メチレン等の非芳香族性の塩素系溶媒、ニトロメタンやニトロエタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物、或いはメタノールやエタノール、プロパノール等のアルコール類、またはギ酸や酢酸、プロピオン酸等の有機酸または該有機酸の酸無水物(無水酢酸等)を0〜30%以下の割合で水と混合した混合溶媒を挙げることができる。これらの中でも、環境負荷、安全性の面から、水を単独で使用したものが好ましい。
【0043】
本発明の導電性高分子形成用電解重合液中には添加剤を含有することができる。本発明にて使用される添加剤は、主に酸化防止剤、界面活性剤のいずれかの特性を有するものが好ましい。そのような添加剤としてより好ましくは下記一般式(1)〜(3)で示される化合物である。
【0044】
【化1】

【0045】
上記一般式(1)〜(3)中、Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよい、水素原子、ニトロ基、水酸基、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基又はフェニル基を示し、少なくとも一つはニトロ基、かつ、少なくとも一つは水酸基を示す。
【0046】
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、例えば、4−ニトロフェノール、2−メチル−4−ニトロフェノール、3−メチル−4−ニトロフェノール、2−エチル−4−ニトロフェノール、3−エチル−4−ニトロフェノール、2−ヘキシル−4−ニトロフェノール、3−ヘキシル−4−ニトロフェノール等のニトロフェノール類が挙げられる。
一般式(2)で表される化合物の具体例としては、例えば、4−ニトロ−1−ナフトール等のニトロナフトール類が挙げられる。
一般式(3)で表される化合物の具体例としては、例えば、1−ヒドロキシ−4−ニトロアントラキノン等のニトロアントラキノン類を挙げることができる。
【0047】
一般式(1)〜(3)により表される化合物は、1種若しくは2種以上を使用することができる。一般式(1)〜(3)により表される化合物は、得られる導電性高分子の熱耐久性の面から、4−ニトロフェノール、4−ニトロ−1−ナフトール、1−ヒドロキシ−4−ニトロアントラキノンであることが好ましい。
【0048】
添加剤を含有させる場合、前記添加剤を0.002〜1.0mol/L、好ましくは0.003〜0.2mol/Lの濃度で含有するものが好ましい。0.003mol/L未満では十分な電気特性の向上が見られず、1.0mol/L超では、完全に溶解できず、経済的にも劣る欠点がある。
【0049】
本発明の導電性高分子形成用電解重合液を用いた固体電解コンデンサの製造方法について説明する。
【0050】
誘電体酸化被膜が形成された弁作用金属上への導電性高分子層の形成において、導電性高分子形成用電解重合液中で導電性高分子層を電解重合により形成する工程を有する固体電解コンデンサの製造方法である。
【0051】
また、誘電体酸化被膜が形成された弁作用金属上への導電性高分子層の形成において、予備導電層(A)を形成する工程と、前記予備導電層(A)上に請求項1又は2に記載の導電性高分子形成用電解重合液中で導電性高分子層(B)を電解重合により形成する工程とを有する固体電解コンデンサの製造方法である。
【0052】
予備導電層(A)は、(1)二酸化マンガン層、(2)溶媒溶解性又は溶媒分散性の導電性高分子を含有した溶液を塗布乾燥させることにより形成された導電性高分子層、(3)導電性高分子単量体を化学重合により形成された導電性高分子層であり、これらの層を少なくとも含有していることを特徴とする。
【0053】
(1)における二酸化マンガン層は、硝酸マンガンを含浸させてから熱分解して二酸化マンガン層を形成する方法や過マンガン酸塩水溶液を付着し、過熱し還元させて二酸化マンガン層を形成する方法より得ることができる。
【0054】
(2)における溶媒溶解性の導電性高分子を含有した溶液として、具体的にはポリアニリンをN−メチルピロリドン(NMP)に0.1〜10重量%溶解した液が挙げられる。
このような溶液を誘電体酸化被膜が形成された弁作用金属上に塗布後、50℃〜150℃にて加熱乾燥することによって、予備導電層(A)を形成することができる。
また、(2)における溶媒分散性の導電性高分子を含有した溶液として、具体的には、水あるいはアルコール、メチルエチルケトン、トルエン又はそれらの混合物等の有機溶剤に、ポリピロール又はポリエチレンジオキシチオフェンの重合体微粒子が分散混合された溶液が挙げられる。
なお、この分散溶液中には、必要に応じてドーパントとなる有機スルホン酸系アニオンや有機高分子スルホン酸系アニオンが含有されていても良い。
このような溶液を誘電体酸化被膜が形成された弁作用金属上に塗布後、50℃〜150℃にて加熱乾燥することによって、予備導電層(A)を形成することができる。
【0055】
(3)における導電性高分子単量体を化学酸化重合によって形成された導電性高分子層について説明する。
導電性高分子単量体としては、ピロール又はその誘導体、アニリン又はその誘導体、エチレンジオキシチオフェン又はその誘導体が挙げられる。
化学酸化重合の方法としては、前記導電性高分子単量体を含有する溶液と、酸化剤とを、誘電体酸化被膜が形成された弁作用金属上にて接触し、酸化重合する方法が挙げられる。
前記酸化剤としては、過酸化水素、過硫酸塩、過ホウ酸塩等の無機酸化剤や、塩化第二鉄、硫酸第二鉄等の無機第二鉄塩、あるいは、パラトルエンスルホン酸第二鉄塩等の有機スルホン酸第二鉄塩が挙げられ、好ましくはそれらを適切な濃度に調整した溶液を酸化剤として用いることができる。
上記のよう導電性高分子単量体を含有する溶液と、前記酸化剤含有溶液とを弁作用金属上で接触させることで、予備導電層(A)を形成することができる。
【0056】
次に弁作用金属から陽極リード端子、陰極層から陰極リード端子を接続して電極を取り出して素子を形成し、この素子全体をエポキシ樹脂等の絶縁性樹脂或いはセラミック製や金属製の外装ケース等により封止することで固体電解コンデンサを得ることができる。
【0057】
前記導電性高分子形成用電解重合液を用いることによって、乾燥時に収縮が小さく変形の少ない導電性高分子層が得られ、さらに前記導電性高分子層を固体電解質とすることにより、熱耐久性を有する固体電解コンデンサを得ることができる。
【0058】
弁作用金属表面の誘電体酸化被膜上に導電性高分子層を有する固体電解コンデンサにおいて、導電性高分子層がポリビニルアルコールと導電性高分子を含有する複合層からなることを特徴とする固体電解コンデンサである。
【0059】
上記複合層は、予備導電層、導電性高分子層等からなる層である。
【0060】
図1は本発明の固体電解コンデンサの断面図である。1は弁作用金属、2は誘電体酸化被膜、3は予備導電層、4は導電性高分子層である。
【0061】
本発明に用いられる陽極弁作用金属としては、アルミニウム、タンタル、ニオブ又はチタンからなる群から選ばれた1種が挙げられ、焼結体又は箔の形状で用いられる。
【0062】
本発明の固体電解コンデンサは、用いられる陽極弁作用金属の種類、形状により、チップ型又は巻回型のいずれとすることができる。
【実施例】
【0063】
以下、本発明について実施例を挙げ、より詳細に説明する。
【0064】
(電解重合導電性高分子フィルムの評価)
(実施例1)
30mm×30mmサイズのスズ含有酸化インジウムからなる透明導電膜付きの基板を用意し、これをアセトン、純水にて洗浄後、105℃乾燥機中で10分間乾燥させた。つぎに、電解重合液(アントラキノン−2−スルホン酸ナトリウム(東京化成工業(株)製):1.4(mmol)+ピロール:0.6(g)+ポリビニルアルコール(VF−17、日本酢ビ・ポバール(株)製、重合度1700、ケン化度98.0〜99.0mol%):0.5g+HO:45.8(g)の混合液)中に浸漬し、透明導電膜側を陽極として、電流値を0.4mAに固定して電解重合を行い、基板上に導電性高分子層を形成した。
【0065】
次に、上記透明導電膜付き基板上に形成された導電性高分子層を剥離し、導電性高分子フィルムを完成させた。
【0066】
(実施例2)
導電性高分子の製造方法を以下の方法に代えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性高分子フィルムを得た。すなわち、電解重合液にブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム(東京化成工業株式会社製):1.4(mmol)+ピロール:0.6(g)+ポリビニルアルコール(JM−33、日本酢ビ・ポバール(株)製、重合度3300、ケン化度93.5〜94.5mol%):0.5g+HO:45.8(g)の混合液を用いて電解重合を行い、導電性高分子フィルムを形成した。
【0067】
(実施例3)
導電性高分子の製造方法を以下の方法に代えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性高分子フィルムを得た。すなわち、電解重合液にアントラキノン−2,6−ジスルホン酸二ナトリウム(東京化成工業株式会社製):1.4(mmol)+ピロール:0.6(g)+ポリビニルアルコール(JM−05、日本酢ビ・ポバール(株)製、重合度500、ケン化度93.5〜94.5mol%):0.5g+HO:45.8(g)の混合液を用いて電解重合を行い、導電性高分子フィルムを形成した。
【0068】
(実施例4)
導電性高分子の製造方法を以下の方法に代えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性高分子フィルムを得た。すなわち、電解重合液にアントラキノン−2,7−ジスルホン酸二ナトリウム(東京化成工業株式会社製)+ピロール:0.6(g)+ポリビニルアルコール(JMR−10HH、日本酢ビ・ポバール(株)製、重合度240、ケン化度99mol%):0.5g+HO:45.8(g)の混合液を用いて電解重合を行い、導電性高分子フィルムを形成した。
【0069】
(実施例5)
導電性高分子の製造方法を以下の方法に代えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性高分子フィルムを得た。すなわち、電解重合液にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(東京化成工業株式会社製):1.4(mmol)+ピロール:0.6(g)+ポリビニルアルコール(JM−33、日本酢ビ・ポバール(株)製、重合度3300、ケン化度93.5〜94.5mol%):0.5g+HO:45.8(g)の混合液を用いて電解重合を行い、導電性高分子フィルムを形成した。
【0070】
(実施例6)
導電性高分子の製造方法を以下の方法に代えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性高分子フィルムを得た。すなわち、電解重合液に4−イソプロピルベンゼンスルホン酸ナトリウム(HANTSMAN社製):1.4(mmol)+ピロール:0.6(g)+ポリビニルアルコール(JF−17、日本酢ビ・ポバール(株)製、重合度2400、ケン化度98〜99mol%):0.5g+HO:45.8(g)の混合液を用いて電解重合を行い、導電性高分子フィルムを形成した。
【0071】
(比較例1)
導電性高分子の製造方法を以下の方法に代えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性高分子フィルムを得た。すなわち、電解重合液にアントラキノン−2−スルホン酸二ナトリウム(東京化成工業株式会社製):1.4(mmol)+ピロール:0.6(g)+HO:45.8(g)の混合液を用いて電解重合を行い、導電性高分子フィルムを形成した。
【0072】
(比較例2)
導電性高分子の製造方法を以下の方法に代えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性高分子フィルムを得た。すなわち、電解重合液にブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム(東京化成工業株式会社製):1.4(mmol)+ピロール:0.6(g)+HO:45.8(g)の混合液を用いて電解重合を行い、導電性高分子フィルムを形成した。
【0073】
(比較例3)
導電性高分子の製造方法を以下の方法に代えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性高分子フィルムを得た。すなわち、電解重合液にアントラキノン−2,6−ジスルホン酸二ナトリウム(東京化成工業株式会社製):1.4(mmol)+ピロール:0.6(g)+HO:45.8(g)の混合液を用いて電解重合を行い、導電性高分子フィルムを形成した。
【0074】
(比較例4)
導電性高分子の製造方法を以下の方法に代えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性高分子フィルムを得た。すなわち、電解重合液にアントラキノン−2,7−ジスルホン酸二ナトリウム(東京化成工業株式会社製)+ピロール:0.6(g)+HO:45.8(g)の混合液を用いて電解重合を行い、導電性高分子フィルムを形成した。
【0075】
(比較例5)
導電性高分子の製造方法を以下の方法に代えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性高分子フィルムを得た。すなわち、電解重合液にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(東京化成工業株式会社製):1.4(mmol)+ピロール:0.6(g)+HO:45.8(g)の混合液を用いて電解重合を行い、導電性高分子フィルムを形成した。
【0076】
(比較例6)
導電性高分子の製造方法を以下の方法に代えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性高分子フィルムを得た。すなわち、電解重合液に4−イソプロピルベンゼンスルホン酸ナトリウム(HANTSMAN社製):1.4(mmol)+ピロール:0.6(g)+HO:45.8(g)の混合液を用いて電解重合を行い、導電性高分子フィルムを形成した。
【0077】
実施例1〜6及び比較例1〜6の導電性高分子フィルムについて、約20mm×約20mmに切り出し、頂点をA、B、C、Dとした。電解重合直後乾燥させずに湿らせた状態で辺ABと点C、辺ABと点Dの2つの距離を測定して平均値(d1)を算出した。105℃30分で乾燥させて導電性高分子フィルムを作製し、その後155℃50時間後及び155℃100時間後熱処理した後の辺ABと点C、辺ABと点Dの2つの距離を測定して平均値(d2)を算出し、収縮率(%)=((d1−d2)/d1×100))を求めた。測定結果を表1に示す。
【0078】
【表1】

【0079】
いずれの導電性高分子フィルムにおいても、ポリビニルアルコールを添加することで収縮率が小さくなっている。以上の結果より、ポリビニルアルコールを添加することで電解重合膜の熱収縮を抑えられることが確認された。
【0080】
(固体電解コンデンサの評価)
(実施例7)
表面に誘電体酸化皮膜が形成された3mm×5mmサイズのエッチドアルミニウム化成箔を105℃乾燥機中で10分間乾燥させた。これを、18℃サーモプレート上に10分間静置した。次に18℃に冷却したモノマー液(ピロール:3(g)+エタノール:5(g)+HO:18.4(g)の混合液):4μlを箔上に滴下し、1分間静置した。さらに、酸化剤液(p−トルエンスルホン酸テトラエチルアンモニウム(PTS−TEA):5.6(mmol)+ペルオキソ二硫酸アンモニウム:1.56(g)+HO:10.63(g)の混合液):12μlを箔上に滴下し、10分間静置することで化学酸化重合しプレコート層を形成した。これを純水にて洗浄し、105℃乾燥機中で10分間乾燥させた。
【0081】
次に、電解重合液(アントラキノン−2−スルホン酸ナトリウム(東京化成工業(株)製):1.4(mmol)+ピロール:0.6(g)+ポリビニルアルコール(VF−17、日本酢ビ・ポバール(株)製、重合度1700、ケン化度98.0〜99.0mol%)を用意した。
【0082】
プレコート層形成済みエッチドアルミニウム化成箔を電解重合液中に浸漬し、プレコート層に接触させた外部電極を陽極として、電流値を0.4mAに固定して電解重合を行い、導電性高分子層を形成した。
【0083】
次に、上記アルミニウム箔の導電性高分子層を形成した部分にカーボンペーストと銀ペーストを順に塗布し、乾燥させて、合計20個のコンデンサ素子を完成させた。
【0084】
これら20個のコンデンサ素子について、100kHzにおける静電容量(Cs)と等価直列抵抗(ESR)を測定した。また、155℃大気中放置による熱耐久性試験を行い、100時間経過後に100kHzにおけるCsとESRを測定した。なお、熱耐久性試験において素子モールドは行わなかった。なお、CsとESRの変化率(%)は、変化率(%)=(試験後のCs又はESR)/(試験前のCs又はESR)として求めた。
【0085】
(実施例8)
製造方法を以下の方法に代えたこと以外は実施例7と同様にして、20個のコンデンサ素子を得た。すなわち、電解重合液にブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム(東京化成工業株式会社製):1.4(mmol)+ピロール:0.6(g)+ポリビニルアルコール(JM−33、日本酢ビ・ポバール(株)製、重合度3300、ケン化度93.5〜94.5mol%):0.5g+HO:45.8(g)の混合液を用いて電解重合を行い、導電性高分子層を形成した。コンデンサ素子の特性評価を実施例7と同様に行った。
【0086】
(実施例9)
製造方法を以下の方法に代えたこと以外は実施例7と同様にして、20個のコンデンサ素子を得た。すなわち、電解重合液にアントラキノン−2,6−ジスルホン酸二ナトリウム(東京化成工業株式会社製):1.4(mmol)+ピロール:0.6(g)+ポリビニルアルコール(JM−05、日本酢ビ・ポバール(株)製、重合度500、ケン化度93.5〜94.5mol%):0.5g+HO:45.8(g)の混合液を用いて電解重合を行い、導電性高分子層を形成した。コンデンサ素子の特性評価を実施例7と同様に行った。
【0087】
(実施例10)
製造方法を以下の方法に代えたこと以外は実施例7と同様にして、20個のコンデンサ素子を得た。すなわち、電解重合液にアントラキノン−2,7−ジスルホン酸二ナトリウム(東京化成工業株式会社製)+ピロール:0.6(g)+ポリビニルアルコール(JMR−10HH、日本酢ビ・ポバール(株)製、重合度240、ケン化度99mol%):0.5g+HO:45.8(g)の混合液を用いて電解重合を行い、導電性高分子層を形成した。コンデンサ素子の特性評価を実施例7と同様に行った。
【0088】
(実施例11)
製造方法を以下の方法に代えたこと以外は実施例7と同様にして、20個のコンデンサ素子を得た。すなわち、電解重合液にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(東京化成工業株式会社製):1.4(mmol)+ピロール:0.6(g)+ポリビニルアルコール(JM−33、日本酢ビ・ポバール(株)製、重合度3300、ケン化度93.5〜94.5mol%):0.5g+HO:45.8(g)の混合液を用いて電解重合を行い、導電性高分子層を形成した。コンデンサ素子の特性評価を実施例7と同様に行った。
【0089】
(実施例12)
製造方法を以下の方法に代えたこと以外は実施例7と同様にして、20個のコンデンサ素子を得た。すなわち、電解重合液に4−イソプロピルベンゼンスルホン酸ナトリウム(HANTSMAN社製):1.4(mmol)+ピロール:0.6(g)+ポリビニルアルコール(JM−33、日本酢ビ・ポバール(株)製、重合度3300、ケン化度93.5〜94.5mol%):0.5g+HO:45.8(g)の混合液を用いて電解重合を行い、導電性高分子層を形成した。コンデンサ素子の特性評価を実施例7と同様に行った。
【0090】
(比較例7)
製造方法を以下の方法に代えたこと以外は実施例7と同様にして、20個のコンデンサ素子を得た。すなわち、電解重合液にアントラキノン−2−スルホン酸ナトリウム(東京化成工業(株)製):1.4(mmol)+ピロール:0.6(g)+HO:45.8(g)の混合液を用いて電解重合を行い、導電性高分子層を形成した。コンデンサ素子の特性評価を実施例7と同様に行った。
【0091】
(比較例8)
製造方法を以下の方法に代えたこと以外は実施例7と同様にして、20個のコンデンサ素子を得た。すなわち、電解重合液にブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム(東京化成工業株式会社製):1.4(mmol)+ピロール:0.6(g)+HO:45.8(g)の混合液を用いて電解重合を行い、導電性高分子層を形成した。コンデンサ素子の特性評価を実施例7と同様に行った。
【0092】
(比較例9)
製造方法を以下の方法に代えたこと以外は実施例7と同様にして、20個のコンデンサ素子を得た。すなわち、電解重合液にアントラキノン−2,6−ジスルホン酸二ナトリウム(東京化成工業株式会社製):1.4(mmol)+ピロール:0.6(g)+HO:45.8(g)の混合液を用いて電解重合を行い、導電性高分子層を形成した。コンデンサ素子の特性評価を実施例7と同様に行った。
【0093】
(比較例10)
製造方法を以下の方法に代えたこと以外は実施例7と同様にして、20個のコンデンサ素子を得た。すなわち、電解重合液にアントラキノン−2,7−ジスルホン酸二ナトリウム(東京化成工業株式会社製)+ピロール:0.6(g)+HO:45.8(g)の混合液を用いて電解重合を行い、導電性高分子層を形成した。コンデンサ素子の特性評価を実施例7と同様に行った。
【0094】
(比較例11)
製造方法を以下の方法に代えたこと以外は実施例7と同様にして、20個のコンデンサ素子を得た。すなわち、電解重合液にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(東京化成工業株式会社製):1.4(mmol)+ピロール:0.6(g)+HO:45.8(g)の混合液を用いて電解重合を行い、導電性高分子層を形成した。コンデンサ素子の特性評価を実施例7と同様に行った。
【0095】
(比較例12)
製造方法を以下の方法に代えたこと以外は実施例7と同様にして、20個のコンデンサ素子を得た。すなわち、電解重合液に4−イソプロピルベンゼンスルホン酸ナトリウム(HANTSMAN社製):1.4(mmol)+ピロール:0.6(g)+HO:45.8(g)の混合液を用いて電解重合を行い、導電性高分子層を形成した。コンデンサ素子の特性評価を実施例7と同様に行った。
【0096】
実施例7〜12及び比較例7〜12のコンデンサ素子の測定結果を表2に示す。
【0097】
【表2】

【0098】
実施例7〜12と比較例7〜12を比較すると、実施例7〜12の方が熱耐久性に優れていることがわかった。以上の結果より、ポリビニルアルコールを添加することで、CsとESRの長期安定性に優れた固体電解コンデンサを得られることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明の導電性高分子形成用電解重合液は、固体電解コンデンサはもとより、有機ELディスプレイ、有機トランジスタ、ポリマー電池、太陽電池、各種センサー材料、電磁波シールド材料、帯電防止材料、エレクトロクロミック材料、人工筋肉などに好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の固体電解コンデンサの断面図
【符号の説明】
【0101】
1 弁作用金属
2 誘電体酸化被膜
3 予備導電層(A)
4 ポリビニルアルコールを含有する導電性高分子層(B)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性高分子単量体と支持電解質とが、溶媒に溶解されてなる導電性高分子形成用電解重合液において、ポリビニルアルコールが含まれることを特徴とする導電性高分子形成用電解重合液。
【請求項2】
支持電解質が芳香族スルホン酸又はその塩であることを特徴とする請求項1に記載の導電性高分子形成用電解重合液。
【請求項3】
誘電体酸化被膜が形成された弁作用金属上への導電性高分子層の形成において、請求項1又は2に記載の導電性高分子形成用電解重合液中で導電性高分子層を電解重合により形成する工程を有する固体電解コンデンサの製造方法。
【請求項4】
誘電体酸化被膜が形成された弁作用金属上への導電性高分子層の形成において、予備導電層(A)を形成する工程と、前記予備導電層(A)上に請求項1又は2に記載の導電性高分子形成用電解重合液中で導電性高分子層(B)を電解重合により形成する工程とを有する固体電解コンデンサの製造方法。
【請求項5】
予備導電層(A)が、二酸化マンガン層を含有することを特徴とする請求項4に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
【請求項6】
予備導電層(A)が、溶媒溶解性又は溶媒分散性の導電性高分子を含有した溶液を塗布後乾燥させることにより形成された導電性高分子層を含有することを特徴とする請求項4に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
【請求項7】
予備導電層(A)が、導電性高分子単量体の化学重合により形成された導電性高分子層を含有することを特徴とする請求項4に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
【請求項8】
弁作用金属表面の誘電体酸化被膜上に導電性高分子層を有する固体電解コンデンサにおいて、
導電性高分子層が、ポリビニルアルコールと導電性高分子を含有する複合層からなることを特徴とする固体電解コンデンサ。
【請求項9】
請求項3から7のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法により得られた請求項8に記載の固体電解コンデンサ。

【図1】
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【公開番号】特開2010−267867(P2010−267867A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−118870(P2009−118870)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【出願人】(000228349)日本カーリット株式会社 (269)