説明

固化剤

【課題】携帯可能な椅子と組合わせれば、旅先、高速道路上での運転時、災害時の集会場等の緊急時の排泄物を瞬間消臭可能で、固化し、使用後の処理が簡単に行える固化材の提供。
【解決手段】建築現場で産廃として扱う多量に水分を含んだヘドロ状の土質を水分と反応して普通土に戻す効果のある生石灰に熱化調整としての消石灰と、消臭性を高める為の粒状竹炭を混合し、さらに、多量の尿を吸収するための乾燥加工豆腐殻を混入したものの中間部にトイレットペーパーを敷き詰める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は健康な成人の排泄物に少量の材料にて対応でき、また、携帯用にも、防災時の非常用にも使用できる円柱形のカルシウム入りポリパックに詰めた瞬間消臭、固化剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の固化剤といえば、猫の糞尿を消臭固化するベントナイトや二酸化珪素等があり、又、対人用糞尿用品としては、トウモロコシの澱粉が主成分である高分子吸収体を使用した幼児用や寝たきりの病人の介護用パンツが主であり、健康な成人が長い時間我慢した時に排泄する多量の糞尿を瞬間消臭し、固化するのは難しい
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最初は猫砂として使われる粒状のベントナイト及び二酸化珪素で試してみた、少量のコロコロした便や少量の尿だと幾分効果があるが、健常者成人の我慢した状態での尿は1l前後であり、便にしても1kgを越えることも多々ある、又、緩んだ便は瞬間的に臭いをとるのは難しい、そこで、建築現場で土壌改良剤として用いる生石灰を併用してみた、すると瞬間消臭性にて改善点があったが多量の尿だと浸透しきれず上部にあふれ出してしまうことになり、又、生石灰の特性として水分と反応して高熱化する為、カルシウム入りパックが破れてしまう事にもなる、そこで車での旅行の際等携帯もでき、防災等非常時の備えとしてかんたんに保管でき、又、嵩のはらない瞬間消臭性のある固化剤を開発することを課題として研究を続けた。
【課題を解決するための手順】
【0004】
そこで生石灰に消石灰を1:3の割合で混ぜてみたところ、高熱反応の面で改善されたが瞬間消臭性の面で物足りない、そこで、消臭性に優れた粒状竹炭を本剤上部に混ぜたところ、かなり改善された、又、二酸化チタン等科学消臭剤等の選択肢もあるが、環境の面を考慮し、自然素材中心に構成した、これだと処理後、生ゴミとしても、燃えるゴミとしても、又、土に戻し後世の有機土壌としてのリサイクルにもなる、又、素材が粉状だと尿が下方に浸透しきれず上部にあふれ出てしまうので材料は全て粒状及び顆粒状にした。
【0005】
又、多量の尿対策として、本剤内に吸収性に優れた素材を混入することにした、パルプチップ、綿布、高分子吸収体等など試した結果、一番廉価で効果があったのは市販のトイレ・ティッシュペーパーと、乾燥加工処理された豆腐殻であった。ペーパーは毛細管現象の極みであり水分を瞬間的に吸収し、又、豆腐殻は猫砂としても市販されているように水分の吸収性に優れ、消臭性もあり、ペーパーとの混成により、本剤重量1kg程度にて1l超の尿を吸収し、順次固化することが出来た。又、材料比の石灰を減らして、その分として配合した為、処理時のときの石灰臭も竹炭との併用によりほとんど無くなった。本剤の中間部に二重のトイレットペーパー2m位(10g)を均等に敷き詰め、下部に粒状ベントナイト、粉状生石灰、粒状消石灰、豆腐殻、上部にベントナイト、生石灰、消石灰、粒状竹炭、豆腐殻を配合して、その比率を4.5:1:3:0.5:1の割合で構成した。
【0006】
トイレットペーパー類であれば本剤の重量・容量比がほとんど変わらない、又、素材構成上も、土、石、竹、木、有機物と全て自然素材であり、土に戻しても適している、
又、カルシウム入りパックの上部両側にスリットを入れることで口を広げやすく使用後簡単に結べてしまうので処理が楽である。
【発明の効果】
【0007】
上述したように本発明の固化剤は嵩が張らないので携帯用として車での旅行、旅先での緊急時、又、災害時の集会場などひっ迫したとき等、大変便利なものであり、その瞬間消臭性、水分吸収性において、寝たきり病人の排泄物処理法としても大変効果を発揮するものである。
【発明の実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の性質上、親族、友人知人の輪を持って男女56人成人中心に試してもらった、使用場所も部屋の中、庭先、風呂場、車内などで行った、その結果ほぼ意図する効果を得た、ただ、緩んだ便の場合、車内では幾分臭いが残ることがあり、その際もすばやくパックの上部を結び、上下に2〜3度振ることにより消臭源がすぐなくなることもわかった、また、女性の方ほぼ全員から、簡単でよいからその姿勢を隠すカバーの様な物が必要とのことで1mくらいのビニールシートの真ん中に首が入るような穴を開け、それをすっぽりかぶるとか、また、たかさ80cmくらいの四つ折りにしたダンボールの簡易式囲いなど、又、災害時等での集会場では室内の隅や屋外にも仕切り板などでの狭い空間が多数必要とのことであった。
【産業上の利用分野】
【0009】
本剤をポリバケツ、角容器等に詰め、又、加工の簡単な木製の厚板に足をつけ、電動ベッドでの背もたれの部分は蝶番をもちいて病人を起こす姿勢がとれるよう工作し、また、その姿勢でのおしりの中心部に便座形のO形、U形の穴をあけた穴あきベッドを作り、その下に本剤入りの容器を置けばよい、また、敷布団等にも同様の穴をあけ、その周辺を防水生地などで防水処理をすればよい、そして薄地の低反発ウレタン等を敷物にすると、加工も簡単である。
【0010】
又、木製ベッドの裏側に医者の聴診器のような細いポリチューブ管を配し、一方は水タンクを用意してチューブ管を分岐させ、水鉄砲の要領にて先端を穴の中心部に向くように配し、末端を手動用のゴムポンプの柄をつける、もう一方も同様に、ただこちらは空気を送り、お尻を乾燥させるためなので水タンクはいらない、この方式により、寝たきり病人が排泄後、お尻の洗浄・乾燥ができるし、又、工作が楽な穴あきベッドだと、器用な人だと日曜大工感覚で、又、木工屋さん等ですぐ作れる、したがって、関連産業(ベッド・家電)が何年もかけた開発品を待つことも無くすぐ活用できる、又、水タンクに過酸化水素水を数滴たらし、オキシウル効果が得られ、又、芳香消臭剤をたらすことも病人によっては快適になる。
【0011】
この組み合わせ活用により、要介護、寝たきり病人のいるご家族の精神、肉体面、経済面での負担が大幅に軽減されるばかりか、何より病人本人が健常時のように排泄行為ができるので快適かつ衛生的なのである、又、病人本人も片手だけ動けば自身の手でゴムの柄を握って、結んで・開いて運動をすることにより、筋力運動となり、健脳、健体効果につながるのである。
【0012】
この結果、全体面でも介護費用の大幅減につながり、国の医療費負担を大幅に減らすことにもなり、国家の財政負担軽減の一助に通じるものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】 本発明のカルシウム入りパックに入った時の断面図
【図2】 穴あき折りたたみ椅子に配置したときの斜視図
【符号の説明】
【0014】
1 カルシウム入りパック 2 スリット 3 粒状ベントナイト 4 粉状生石灰 5 粉状消石灰 6 粒状竹炭 7 ロールペーパー 8 豆腐殻 9 穴あき折りたたみイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
緊急時に狭い空間でも瞬間消臭性を持ち、又、少量にて対成人の糞尿にも対応できる、携帯にも適した円柱形の上部にスリットを入れたカルシウム入りポリ袋に詰めた固化剤
【請求項2】
携帯用の真ん中に大きく丸く穴を開けた伸縮式、又は折りたたみ式の簡易イスと組み合わせることで携帯便器にもなる袋入りの固化剤。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−189758(P2009−189758A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−63336(P2008−63336)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(507074395)
【Fターム(参考)】