説明

固定された立地のみならず、移動体で使用可能な取り外しと維持の平易な規格化された小型原子炉

【課題】 従来原子力発電では、原子炉本体、配管等の部品、装置類は規格化されておらず大量生産不可能の困難があった。また施設の維持管理や、放射能防護服を着用しても危険な人手による修理・解体等も、原子炉ごとの個別の対応で工数と危険と莫大な予算を必要とした。
【解決手段】 規格化された配管等の部品、装置類(2)、二次冷却水管接続部(3)等からなり、規格化により点検用ロボット(4)にて点検修理され、解体用ロボット(5)にて解体され、放射能防護服を着用しても危険な人手の作業を排除し、規格化された筐体(6)で囲まれ、規格化されたクレーン用フック(7)等を輸送交換用に設け、ライン組立てを可能とし、固定立地のみならず移動体でも使用可能及び交換容易で、二次冷却(10)と、タービン(11)を外付けで小型の筐体(12)に封入することにより、組み合わせの自由度を増加させたことを特徴とする規格化された小型原子炉(1)である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、比較的小発電力量の、規格の統一された大量生産可能な原子炉を、例えば加圧水型等の手馴れた原子炉で提供することにより、配管などの部品、装置類、二次冷却水管接続部やマンマシンインタフェースを規格化することを可能にし、建設時の大幅なコストダウンと、修理等を含む維持管理の容易化、さらにロボットを使用しての点検の平易化、同じくロボットを使用しての解体作業の容易化を提供し、それら費用の節減を提供するものである。
また、囲む筐体を比較的小型にし、規格化しておくことにより、固定された立地のみならず、移動体すなわち、艦船や潜水艦等でも使用可能にしており、さらにまた、二次冷却と、タービンを外付けで比較的小型の筐体に封入することにより、組み合わせの自由度を増加させた規格化された原子炉に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、加圧水型原子炉や沸騰水型原子炉などに代表される原子力発電においては、用地買収の困難や、総発電力量や計画がプラントによって異なるなどの理由から、プラントや原子炉本体、配管などの部品、装置類に至るまで、大量生産できないといった困難、開発時期の相違や、設計思想の変更により、同じく原子炉本体や部品、装置類が画一化されないという困難があった。
また、経年変化で劣化した原子炉や、老朽化した施設全体を維持管理することや、放射能防護しながらの人手による危険な修理・解体作業なども、原子炉ごとの個別の対応で工数と危険と莫大な予算を必要とした。また、十分な半減期を経て、土地が安全となるまでに用地を無駄に遊ばせておく必要もあった。これらは放射性廃棄物ともども、維持管理費となって累積され、さらに顧客の電気代を圧迫し、将来に禍根を残す恐れがあった。
これらは、プルサーマル計画等燃料を変更しても同様の困難が生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、加圧水型原子炉や沸騰水型原子炉などに代表される原子力発電においては、用地買収の困難や、総発電力量や計画がプラントによって異なるなどの理由から、プラントや原子炉本体、配管などの部品、装置類に至るまで、大量生産できないといった困難、開発時期の相違や、設計思想の変更により、同じく原子炉本体や部品、装置類が画一化されないという困難があった。それらの結果、原子炉プラント建設における予算は莫大なものとなって顧客の電気代に反映されてきた。
また、経年変化で劣化した原子炉や、老朽化した施設全体を維持管理することや、放射能防護しながらの人手による危険な修理・解体作業なども、原子炉ごとの個別の対応で工数と危険と莫大な予算を必要とした。また、十分な半減期を経て、土地が安全となるまでに用地を無駄に遊ばせておく必要もあった。これらは放射性廃棄物ともども、維持管理費となって累積され、さらに顧客の電気代を圧迫し、将来に禍根を残す恐れがあった。
これらは、プルサーマル計画等燃料を変更しても同様の困難が生じる。
本発明はこれら困難を解消するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明における比較的小発電力量の、規格の統一された大量生産可能な原子炉(1)は、規格化された配管などの部品、装置類(2)、規格化された二次冷却水管接続部(3)などからなり、規格化されたことにより点検用ロボット(4)を使用して点検修理され、同じく規格化されたことにより解体用ロボット(5)を使用して解体され、放射能防護服を着用しての人手による危険な作業を極力排除している。
また、本発明の原子炉は比較的小型の規格化された筐体(6)で囲まれ、規格化されたクレーン用フック(7)等を輸送交換用に上部に設けて、工場(8)におけるライン作業的組み立てを可能としており、固定された立地のみならず移動体、すなわち潜水艦を含む艦船(9)等でも使用可能及び、交換容易で、さらにまた、二次冷却(10)と、タービン(11)を外付けで比較的小型の筐体(12)に封入することにより、組み合わせの自由度を増加させた規格化された原子炉(1)である。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、比較的小発電力量の、規格の統一された大量生産可能な原子炉を、例えば加圧水型等の手馴れた原子炉で提供することにより、配管などの部品、装置類、二次冷却水管接続部やマンマシンインタフェースを規格化することを可能にし、建設時の大幅なコストダウンと、修理等を含む維持管理の容易化、さらにロボットを使用しての点検の平易化、同じくロボットを使用しての解体作業の容易化を提供し、放射能防護服を着用しての人手による危険な作業を極力排除でき、それら費用の節減を提供するものである。
また、これらをユニット化しておくことにより、すなわち、囲む筐体を比較的小型にし、規格化しておくことにより、筐体ごとの輸送の簡便性を増し、工場におけるライン作業的組み立てをも提供し、艦船や潜水艦等でも使用可能及び、交換容易性を増し、交換することによる、安全でかつ早急な修理点検をも可能にし、さらなる需要と大量生産の機会を増すことによって、さらに安価に提供することを可能とするものである。
また、二次冷却とタービンを外付けで比較的小型の筐体に封入することにより、冷却水と排水システムを用途に合わせることができ、例えば、船舶等の移動体では、海水を利用するなど、組み合わせの自由度を増加させている。
さらに、離島など、水力及び火力発電所の建設しにくい土地や、資材や専門家の集まりにくい開発途上国等で比較的簡便でかつ安価に設置しやすいなどの効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
比較的小発電力量の、規格の統一された大量生産可能な原子炉(1)を、例えば加圧水型等の手馴れた原子炉で提供することにより、配管などの部品、装置類(2)、二次冷却水管接続部(3)やマンマシンインタフェースを規格化することを可能にし、さらに点検用ロボット(4)を使用しての点検修理の平易化、同じく解体用ロボット(5)を使用しての解体作業の容易化を提供する。
また、これらをユニット化しておくことにより、すなわち、比較的小型の規格化された筐体(6)で囲み、規格化されたクレーン用フック(7)等準備しておくことにより、筐体(6)ごとの輸送の簡便性を増し、工場(8)におけるライン作業的組み立てをも提供し、固定された立地のみならず、移動体すなわち、潜水艦を含む艦船(9)等でも使用可能及び、交換容易性を増し、交換することによる、安全でかつ早急な修理点検をも可能な形態とする。さらにまた、二次冷却(10)と、タービン(11)を外付けで比較的小型の筐体(12)に封入することにより、冷却水と排水システムを用途に合わせるなど、組み合わせの自由度をも増加させている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】 本発明の断面図である。
【図2】 本発明のうち、点検用ロボット(4)の使用例斜視図である。
【図3】 本発明のうち、解体用ロボット(5)の使用例斜視図である。
【図4】 本発明のうち、工場(8)での組み立て例斜視図である。
【図5】 本発明のうち、潜水艦を含む艦船(9)での交換例斜視図である。
【符号の説明】
【0008】
1 比較的小発電力量の、規格の統一された大量生産可能な原子炉
2 配管などの部品、装置類
3 二次冷却水管接続部
4 点検用ロボット
5 解体用ロボット
6 筐体
7 クレーン用フック
8 工場
9 潜水艦を含む艦船
10 二次冷却
11 タービン
12 筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
比較的小発電力量の、規格の統一された大量生産可能な原子炉(1)が、規格化された配管などの部品、装置類(2)、規格化された二次冷却水管接続部(3)などからなり、規格化されたことにより点検用ロボット(4)を使用して点検修理され、同じく規格化されたことにより解体用ロボット(5)を使用して解体され、放射能防護服を着用しても危険な人手による作業を極力排除でき、比較的小型の規格化された筐体(6)で囲まれ、規格化されたクレーン用フック(7)等を輸送交換用に上部に設けられており、工場(8)におけるライン作業的組み立てを可能としており、固定された立地のみならず移動体、すなわち潜水艦を含む艦船(9)等でも使用可能及び、交換容易で、さらにまた、二次冷却(10)と、タービン(11)を外付けで比較的小型の筐体(12)に封入することにより、組み合わせの自由度を増加させている。
以上の構成よりなる規格化された小型原子炉(1)である。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−128129(P2011−128129A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−299507(P2009−299507)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(307017040)
【Fターム(参考)】