説明

固形物を注入するための装置

【課題】固形物を注入するための装置を作成することであり、この装置は単純な設計を有するとともに、安全に操作できる装置を提供する。
【解決手段】固形物600を人間又は動物の身体内へ注入するための、シリンジである装置1であって、ハウジング200内へ移動可能に取り付けられるとともに針122へ接続されるシリンジ本体100を備える。ばね力がシリンジ本体100の近位方向における移動を、第一ロック装置121、220によって自由にすることができる。リミットストップ410は、第一ロック装置の解除の直前の状態において、シリンジ本体から近位に離間している。第一ロック装置が解除された際に、一次プランジャ400のリミットストップによって、一次プランジャを前記シリンジ本体を通じて近位方向へ後退させることができる。第一ロック装置を、装置1の近位に配置された作動要素500によって動作停止させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間又は動物の体内へ固形物を注入するための装置に関し、前記装置は、ハウジング内へ移動可能に取り付けられるとともに針に接続されるシリンジ本体を備え、ばね力が近位方向にシリンジ本体に作用し、シリンジ本体の近位方向への移動を、シリンジ本体と協働する第一ロック装置によって自由にすることが可能であり、且つ装置は一次プランジャをさらに備え、この一次プランジャは、シリンジ本体の中及び針の中で移動可能であり、一次プランジャは、リミットストップ(limit stop)を備え、このリミットストップは、シリンジ本体と協働することができ、リミットストップは、第一ロック装置の解除の直前の状態においてシリンジ本体から近位で離間しており、一次プランジャは第一ロック装置が解除された際に、一次プランジャのリミットストップによって、シリンジ本体を介して近位方向へ後退させることができる。
【背景技術】
【0002】
固形物の注入は、長期投薬(蓄積注射)における既存の処置である。このために、デポ剤(depot)は体内に設置されて、所定の期間に亘って、理想的には一定かつ連続的な方法によって薬剤を体内へ放出する。長期投薬の通常の用途は、鎮痛治療、避妊用ホルモン治療等である。また、固形物の注入は、半導体チップ、例えばマイクロプロセッサ又は記憶チップの皮下注射に関連して適用される。
【0003】
通常、固形物は、体内に設置された針の中のプランジャによって保持されている固形物の手段で注入され、その後、プランジャが所定の位置に残った状態で針が引き戻され、これによってこの固形物が体内に残される。
【0004】
特許文献1(LG Chemical LTD.、1998年2月20日)には、動物用のシリンジ装置が開示されており、この装置は保護スリーブとハウジングとを備えている。注入される物質が中に保たれている針は、持針器に堅固に接続されており、この持針器はハウジング内に移動可能に取り付けられており、この持針器には近位方向へのばね力が作用する。持針器は、ロック装置によって遠位端に保たれている。針は体内へ導かれる。ロック装置が、ハウジングの遠位端に押し込まれることによって解除され、その後すぐにばねが弛緩して、プランジャが所定の位置に残っている第一段階、及びプランジャと一緒である第二段階へ、シリンジ本体を針とともに後退させる。
【0005】
特許文献2(Nedap、1989年5月3日)には、固形物を注入するための装置が開示されており、前記装置はハウジングと作動要素とを有し、この作動要素はプランジャに堅固に接続されている。作動の前には、中空の針がハウジング内に設置されている。ここで作動要素が下方に移動すると、中空の針はプランジャとともにばねに逆らって体内へ導かれ、このばねにはこのプロセスにおいて張力をかけられている。挿入を完了した後に、中空の針を保持するための、作動要素のホールド要素は強制的に離され、その後すぐにばねは弛緩して、中空の針はプランジャが所定の位置に残っている状態でハウジング内へ後退する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第99/42148号パンフレット
【特許文献2】蘭国特許出願公開第8901124号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1及び特許文献2は、固形物が針の規定された貫入深さに正確に配置される、という不都合を有している。さらに、ハウジングを体内に押し込むことが、患者にとって不快であると考えられるはずである。挿入の際に、動作の停止が直ちに行われない場合には、装置は身体にさらなる力によって押圧されなければならず、このことは患者にとって不快となり、且つ痛みを引き起こす場合がある。しかしながら、ロック装置が過度に高感度に設定された場合には、ロック装置は、不正確に操作された場合に、過度に早く、容易に解除されることがある。このことは、針が既に体内へ部分的に挿入されており、結果として固形物が体内に部分的にしか位置しなくなる場合に、極めて不快となる場合があり得る。さらなる不都合は、固形物が、注入が行われる前に針の中に保たれていなければならないということである。この目的のために、針にダメージを与える場合がある力をこの固形物が受けねばならないか、又は、注入の前に固形物が針から出てしまう可能性を受容しなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、当初に言及された技術分野に属する、固形物を注入するための装置を作成することであり、この装置は単純な設計を有するとともに、安全に操作できる。
【0009】
この目的は、請求項1に規定された特徴によって達成される。本発明によると、第一ロック装置は、装置の近位に配置された作動要素によって動作停止させることができる。
【0010】
以下の記載において、「遠位」とは、固形物が中へ注入される身体へ向かう方向を示し、「近位」とは、反対の方向、すなわち身体から離れる方向を示している。装置に対して、2つの方向はそれぞれ長手方向の軸に平行であると理解され、この長手方向の軸は、例えばハウジング、シリンジ本体及び針によって、又は2つのプランジャのうちの1つによって規定することができる。特に明記しない限り、「遠位」及び「近位」の方向は、一次プランジャの長手方向の軸に平行であると理解される。
【0011】
用語「固形物」は、体内へ導入される製品として理解される。固形物を、固形の薬剤として、液体、ゲル若しくは同様の物を包含する容器として、又はマイクロチップ若しくは同様の物としても、設計することができる。装置は特定の固形物に限定されず、代わりに、注入される製品が、少なくともこの製品の最外層において液体ではなく、とりわけあまり低い粘性を有していない、という条件で、広い分野において用いることができる。好ましくは、注入される製品は、その製品の最外層において寸法的に安定している。
【0012】
装置は、ハウジング内に移動可能に取り付けられているとともに、針に連結されているシリンジ本体を備えている。実施形態に応じて、針とシリンジ本体とを一体に設計することも可能である。とりわけ、シリンジ本体を、針の一部として設計することができる。針用に、保護キャップを設けることができ、この保護キャップは、装置を使用する前に取り除かれる。
【0013】
シリンジ本体は、通常はすべり支持面を用いて、可動部品なしに、ハウジング内に移動可能に取り付けられている。当業者は、ハウジング内におけるシリンジボディのガイドを最適化するための技術を十分に承知している。とりわけこれら技術は、個々の部品の材料の選定、接触表面の選定、及び部品の表面特性を含んでいる。とりわけ、シリンジ本体がハウジングに押し込まれた状態になり得ないことを保証することに、注意を払わねばならない。当然のことながら、転がり支持面又は同様の物を設けて、これによりシリンジ本体の十分な取付を保証することもできるが、設計条件における無視できない費用は、装置を2回以上用いることを目的とする場合にこの選択肢は最適に提供される、ということを意味している。
【0014】
ばね力が、シリンジ本体に近位方向に作用する。ばね力は、好ましくはばねによって、とりわけコイルばねによって提供される。ばねは好ましくはシリンジ本体に対して遠位方向に配置され、従って圧縮ばねとして設計される。このようにして、復元力をシリンジ本体のために容易に利用可能とする。ばねの解放を制御可能にするために、ロック装置が設けられ、このロック装置は動作停止できるように設計される(以下を参照)。従って、針を手動で後退させる必要が無いので、固形物を注入するための装置は、使用者にとってとりわけ人間工学的に作成されている。このような動きは、通常は身体から針を引き抜く方向と同じ方向に行われるので、扱いにくい場合がある。手動で針を引き戻す従来の注入装置においては、従って、装置自身が引き戻されないことを保証することに、特別な注意を払わねばならず、さもなくばその後、固形物が身体の外へ引き抜かれる場合があった。
【0015】
別の実施形態においては、ばね力を働かせることができる別の要素を用いることができる。例えば、これら要素は、ハウジングの近位端及びシリンジ本体間に作用することができる引張ばね又はゴムバンドだけでなく、圧縮可能な流体、とりわけ圧縮空気のカートリッジを用いた流体圧システムをも含む。しかしながら、実施形態に応じて、このような解決策は、達成することが技術的にさらに困難となる場合がある。
【0016】
一次プランジャは、シリンジ本体内及び針内において移動可能であるとともに、リミットストップを備え、このリミットストップは第一ロック装置の解除より前には、シリンジ本体から近位に離間している。針が挿入され、ひいては固形物が体内に置かれた後に、第一段階においてロック装置は解除されて、これにより一次プランジャが所定の位置に残った状態で針が引き戻される。この第一段階において、シリンジ本体は一次プランジャのリミットストップに到達し、第二段階において、一次プランジャを近位方向へ導いて戻す。第一段階の直前、すなわち第一ロック装置が解除される前に、一次プランジャ及び針はハウジングの遠位端を越えて延在しており、針は同様に一次プランジャの遠位端を越えて延在している。この状態において、固形物は針の内部であって一次プランジャの前に設置されている。ロック装置が解除された後の第一段階の間に、針は引き戻されるが、一次プランジャは所定の位置に残り、所定の位置に残っている一次プランジャによって、固形物は体内の所定の位置に維持される。第一段階の終わりにおいて、針と一緒に進んだシリンジ本体は、一次プランジャのリミットストップに接触する。この状態において、一次プランジャは針から突出している。ここで、針が完全にシリンジ本体内に位置しているか、それとも依然としてシリンジ本体から突出しているかは、重要ではない。第二段階において、一次プランジャはシリンジ本体と一緒に動き、針は近位方向へ後退する。第二段階の終わりにおいて、針及び一次プランジャは好ましくはハウジングの内側に設置され、従って、装置の衛生的かつ安全な最終状態を、注入に続いて提供する。注入の後に針と一次プランジャとがハウジング内に設置されることが理由で、使用者が針によって傷つけられるリスクを、及び汚染のリスクをも、減らすことができる。
【0017】
第一ロック装置を、装置の近位に配置された作動要素によって動作停止させることができる。
【0018】
ロック装置を動作停止させるための作動要素を設けることにより、ロック装置を制御された方法によって解除できることと、従って針を制御された方策によって後退させることもできることとを、保証することが可能になる。このことはとりわけ、使用者を戻り機構の解放に備えさせ、且つ使用者がこの解放によって不意を突かれることがない、という利点を有している。
【0019】
さらに、作動要素の提供は、使用者が皮下の様々な深さに固形物を設置することを可能とする。この目的のために、使用者は針を体内の望ましい深さに挿入することができ、これにより固形物は望ましい場所に位置するようになり、次いで使用者は作動要素を作動させることができる。この瞬間にばねは弛緩し、この結果として、シリンジ本体は針と一緒に後退する。この段階において、一次プランジャは所定の位置に残り、これにより固形物を所定の位置に維持することができる。シリンジ本体は、この第一段階において針が引き戻された後に、一次プランジャのリミットストップに接触し、第二段階において、針と一次プランジャとが完全にシリンジ本体内に位置するようになるまで、一次プランジャと一緒に後退する。
【0020】
作動要素を装置の近位端に配置することは、作動を人間工学的な方法で実行できることを意味している。使用者はやはり、従来のシリンジを近位端において作動させることに慣れており、このことは装置の作動要素の配置によって、人間工学的な方法に反映される。
【0021】
装置の使用の前に、固形物を、好ましくはシリンジ本体内に保ち、一次プランジャによって針の中へ移送することができる。固形物を、保持装置によってシリンジ本体内にさらに保つことができ、これにより、固形物は注入前に針の外へ滑り出ることができない。保持装置は原則的に既知の方法によって設けることができる。しかしながら、保持装置は、固形物を穏やかに仕舞うことが好ましく、すなわち、固形物へ半径方向の力を全く加えないか、又は極めて小さい半径方向の力しか加えず、代わりに固形物の前方においてシリンジ本体内部へ遠位に突出している要素によって、単純に固形物を仕舞う保持装置であることが好ましい。この保持装置は例えば、シリンジ本体における、軸方向に向けられた細長く且つ弾性的な要素によって得ることができ、この要素は半径方向内側に突出している2つの突起を有し、固形物はこれら突起の間に保たれる。近位領域において、この要素は弾性的に、且つ枢動可能に、シリンジ本体に保たれている。保持装置の動作停止は、一次プランジャによって生じ、この一次プランジャは、シリンジ本体内への挿入の直後に、近位の突起に接触して、ひいては要素を半径方向外側へ動かして、これにより固形物を解放する。
【0022】
或いは、固形物を針の中に保つこともできる。この場合は、注入の前に、例えば摩擦によって針の中に保持することが、固形物に対して有利となり得る。
【0023】
ロック装置は、弾性的な要素、及びこの弾性的な要素と協働する硬質の係止要素を好ましくは備え、これら弾性的な要素及び硬質の係止要素は、シリンジ本体の外面及びハウジングの内面に配置され、これによりこれら弾性的な要素と硬質の係止要素とは、ロック状態において互いに係合している。
【0024】
弾性的な要素自身は、弾性的な材料、例えば弾性的なプラスチック、金属又は同様の物から製造することができる。さらに、この弾性的な要素は硬質の部分を備えることも可能であり、この硬質の部分には弾性的な部分によってばね力が働く。この目的のために、ばね、とりわけコイルばね、レッグスプリング(leg spring)、円錐コイルばね等によって、又は弾性的なプラスチック部分、例えばゴムバンドによってばね力が働いている箇所に、硬質のプラスチック部分、金属部分又は同様の物を用いることができる。係止要素を、突出している要素として、又はノッチとして設計することができる。
【0025】
原則的に、当業者には既知の別の手段によって、ロックを生じさせることもできる。弾性的な要素の代わりに、単に枢動可能又は移動可能な要素を設けることも可能であり、この要素は、圧力ばめ状態でシリンジ本体に半径方向の力を加えるばねによって、又はばねのクランプ動作(clamping action)によって、間接的に保たれている。また、ロック装置を、ばね内に直接的に係合させることができる。
【0026】
弾性的な要素は細長トングとして好ましくは設計され、このトングはロック状態において長手方向の軸に対して枢動し、且つこのトングは半径方向に加えられた力によって実質的に軸の方向へ枢動することができ、この結果としてロック装置を解除することができる。ばね力は、好ましくはトング自身の弾性的な設計によって利用可能となる。
【0027】
或いは、弾性的な要素は、半径方向内側に向けられている、ばね荷重式のピンとして設計することもでき、このピンはシリンジ本体のノッチ内に突出している。また、別の実施形態が、当業者には既知である。
【0028】
弾性的な要素は、好ましくはハウジングに配置される。従って、単純な設計のロック装置が得られる。弾性的な要素を、ハウジングに一体的に形成することができ、又は分離した要素としてハウジングに接続することができる。
【0029】
或いは、弾性的な要素をシリンジ本体に接続することもできる。
【0030】
硬質の係止要素は好ましくは突出した突起として設計され、とりわけシリンジ本体に一体的に形成される。この目的のために、シリンジ本体を、突起を有して一体に形成することができる。
【0031】
突起の代わりに、シリンジ本体の近位端自体が係止要素として働くことができ、この場合は、トングはシリンジ本体の端部と協働する。さらに、とりわけトングがばねと直接協働する場合、硬質の係止要素を省くこともできる。
【0032】
長手方向の軸に対して対称的に配置された幾つかの第一ロック装置が好ましくは設けられ、とりわけ2つの第一ロック装置が互いに対向して位置している。このようにして、シリンジ本体がハウジングに押し込まれた状態になることを回避することができ、従って針の戻り装置のロバスト設計が達成される。
【0033】
しかしながら、シリンジ本体がハウジング内部において十分に導かれている場合、ロック装置を省くことも可能である。
【0034】
第一ロック装置を、二次プランジャとして設計された作動要素によって好ましくは動作停止させることができる。従って、とりわけユーザフレンドリな装置が作成される。何故なら、この場合にこの装置は、固形物を針の中へ動かすため、且つロック装置を解除するために、ただ1つの作動要素しか必要としないからである。とりわけ、このようにして装置の構造も単純化される。
【0035】
或いは、ロック装置の動作停止のために、分離した作動要素を設けることも可能である。このような作動要素を、例えばハウジングに、側面に沿って配置することができ、この場合トングは好ましくはシリンジ本体に接続されるとともに、半径方向に向けられたボルトによって内側へ枢動し、これによりばねは弛緩するとともにシリンジ本体を近位方向へ動かすことができる。
【0036】
二次プランジャは好ましくは中空筒として設計され、この二次プランジャは近位端において閉止されているとともに、ハウジング内へ移動可能に取り付けられている。このことは、二次プランジャが内部へ動かされた際に、シリンジ本体を二次プランジャ内に収容できることを保証する。
【0037】
このことは、とりわけ装置の長さに関して、装置のコンパクトな構造を可能とする。二次プランジャの断面の形状は、好ましくはハウジングの断面の形状に対応している。断面の形状は、好ましくは円状であるが、正方形状或いは楕円状とすることも、又は幾らかの別の形状を有することも可能である。断面が円状ではない場合、ねじりに対して固定された形で二次プランジャをハウジング内において動かせることを保証することが可能であり、このことは、使用中の人間工学的態様を高めることができる。また、二次プランジャは、軸方向の隙間を側面に有することができる。安定性を向上させるための構造を、内側に設けることができる。また、別の変形が、当業者によく知られている。
【0038】
別の実施形態においては、二次プランジャを、作動のための頭部を有する棒状形状の要素として設けることもできる。
【0039】
ハウジング内に挿入された状態で設置されている二次プランジャが弾性的な要素に接触した際に、第一ロック装置を好ましくは解除することができる。このことは、とりわけ人間工学に基づいたロック装置の解除を提供する。何故ならこの目的のために、従来のシリンジと同様に、使用者はプランジャをハウジング内に動かさねばならないからである。二次プランジャが内部に動かされた際に、二次プランジャの遠位端は、ロック装置のトングに接触した状態となり、このトングを軸方向へ枢動させ、この結果としてトングはもはや硬質の係止要素と係合しなくなる。このようにして、シリンジ本体はもはや制止されなくなり、ばね力によって近位方向へ動くことができる。
【0040】
上述されたように、ロック装置を解除することができる別の方策も存在する。
【0041】
二次プランジャは遠位端に、遠位方向へ連続的に増加しているテーパ部を好ましくは有しており、これにより、二次プランジャが挿入された状態において、弾性的な要素は半径方向外側へ導かれている。このことは、二次プランジャが、これらトングを外側へ導く前にこれらトングに塞がれることなく、遠位に突出したトングをグリップできる、という効果を有している。さらに、二次プランジャを、ハウジング内にぴったりと導かれるように、すなわち実質的に遊びが無いように設計することができる。実施形態に応じて、とりわけ二次プランジャがねじりに対して固定されてハウジング内に取り付けられている場合、二次プランジャの、トングとの接触が生じ得る場所にのみ、局所的にテーパ部を設けることもできる。ねじりに対して固定されている二次プランジャの場合、遠位端まで延在している窪みを単に設けることも、シリンジ本体の戻りがこの窪みによって妨げられないならば、可能である。
【0042】
或いは、テーパ部を無くすことも可能である。この場合は、トングを収容するための凹部が、トング後方においてハウジングに設けられている場合、このことは有利となり得る。
【0043】
二次プランジャは、好ましくは一次プランジャに取り外し可能に接続されている。二次プランジャが一次プランジャに接続されているという事実は、固形物を針の中へ移送する一次プランジャを、とりわけ二次プランジャによって、二次プランジャと一緒に作動させることができる、ということを意味している。このことは、装置の操作を単純化する。一次プランジャは、二次プランジャの近位端から距離を置いて、好ましくは取り外し可能に保持されている。このことは、解放状態において、一次プランジャは二次プランジャの内側において近位方向へ動くことができる、という効果を有している。従って、シリンジ本体の戻り動作の間に、このことは、一次プランジャがシリンジ本体と一緒に動く第二段階を可能にする。
【0044】
別の実施形態においては、二次プランジャを、一次プランジャに堅固に接続することも可能であり、又は一体に形成することも可能である。しかしながらこの場合は、二次プランジャを用いた針の戻り動作の第二段階において、一次プランジャも近位方向へ動かされることになる。この段階において、二次シリンジ本体の近位への動作を妨げないように、使用者はとりわけ注意を払わねばならないことになる。
【0045】
二次プランジャは、近位領域における二次プランジャの内側に、弾性的な係止フックを好ましくは有し、この係止フックは、一次プランジャのリミットストップをロックするための第二ロック装置として設計されている。一次プランジャは対応する要素を好ましくは有し、この要素は弾性的な係止フックと係合することができる。この結果、とりわけ単純な第二ロック装置が得られる。
【0046】
別の実施形態においては、穿孔された接続部(perforated connection)によって、又は所定の破断点を介して、一次プランジャを二次プランジャに接続することもできる。二次プランジャに一次プランジャを取り外し可能に保持することができる別の可能性は、当業者に知られている。
【0047】
第二ロック装置を、シリンジ本体によって好ましくは解除することができる。針の戻り動作の間、シリンジ本体はロック装置に最も近い移動可能な要素である。従って、第二ロック装置のとりわけ単純な解除が達成される。解除を可能とするために、シリンジ本体は、第一段階の終わりにおいて弾性的な係止フックに接触して作動させて、ひいては第二ロック装置を解放して、その後すぐにシリンジ本体は一次プランジャと一緒に近位方向へ動くことができる。
【0048】
別の実施形態においては、第二ロック装置を、分離した作動要素を用いて手動で解除することもできる。
【0049】
リミットストップは、一次プランジャから半径方向に突出している要素として、とりわけ半径方向に向けられた円盤として、好ましくは設計される。突出している要素が回転対称であるという事実は、とりわけ二次プランジャがねじりに対して固定されていない場合に、二次プランジャがひねられた場合であっても係止フックは突出している要素と係合した状態であることを保証する。従って、一次プランジャが過度にひねられて、場合によっては損傷することを余儀なくされることを、避けることができる。弾性的な係止フックは、軸方向に向けられているとともに半径方向に枢動可能なトングとして好ましくは設計され、この係止フックは、リミットストップを収容するための凹部を内側に有している。このようにして、円盤状形状の領域を、単純な方法によって収容することができる。この目的のために、トングは、閉止された二次プランジャの近位端において基部領域に接続されるとともに近位領域において側面に沿って内壁に接続されるか、又はこの二次プランジャと一体的に形成される。半径方向に枢動可能なトングを、シリンジ本体によって好ましくは半径方向外側へ動かすことができ、この結果として第二ロック装置を解放することができる。この目的のために、遠位領域において、トングは二次プランジャの内壁からわずかに離間している。好ましくは少なくとも2つの対向するトングが、とりわけ好ましくは3つの均等に配置されたトングが設けられる。しかしながら、3つより多くのトングを、又は一次プランジャが十分に安定した方法で導かれている場合は、まさに1つのトングを設けることも可能である。
【0050】
原則的には、リミットストップを任意の望ましい形状とすることができる。例えば、2つより多いトングを用いる際、リミットストップが対応するn−gouとして設計されている場合、このことは優位となることができ、この場合トングそれぞれは片側に係合する。この際、リミットストップの直線領域は、安定した係合を保証することができる。また、別の形状、例えば楕円状形状又は適切な多角形状形状は、除外されない。
【0051】
ハウジングは、近位領域に、円周状のフランジ、又は半径方向外側へ突出している2つの対向するグリップ要素を好ましくは備えている。このことは、従来のシリンジに類似した操作を装置に行うことを可能とする。好ましい実施形態によると、二次プランジャが単一の作動要素に相当する場合、このことは特に有利となる。使用中に、使用者は人差し指及び中指を2つのフランジの後ろに添えて、親指を用いて二次プランジャを中へ動かすことができる。好ましい変形において、二次プランジャの近位端は、半径方向外側へ突出している突出物をも有し、この結果として、突出物とフランジとの間に固定要素を適合させることができる。取り外し可能な固定は、例えば二次プランジャに接したクリップアタッチメント(clip attachment)によって、達成することができる。固定要素は、使用前に二次プランジャが誤ってハウジング内へ動かないことを保証する。この固定要素は使用前に取り除かれる。
【0052】
原則的にフランジを異なる設計とすることができることは、当業者には明らかである。とりわけ、ちょうど1つの円周状のフランジをも提供することができる。
【0053】
本発明の特徴の、さらに有利な実施形態及び組み合わせは、以下の詳細な説明及び請求項一式から明らかとなる。
【0054】
図面は、例示的な実施形態を説明するために用いられるとともに、装置を通る概略的な断面図を描写している。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】二次プランジャを中に動かす前の、針が体内に挿入されている状態の装置を示している。
【図2】二次プランジャが中に動かされた後、且つシリンジ本体が後退する前の、第一ロック装置が動作停止している状態の装置を示している。
【図3】一次プランジャが後退する前の、シリンジ本体が後退している状態且つ二次ロック装置が動作停止している状態の装置を示している。
【図4】最終状態における装置を示している。
【発明を実施するための形態】
【0056】
同一の部品には、原則として、同一の参照符号が図面において設けられている。
【0057】
図1は、固形物600を身体700内へ注入するための、本発明による装置1の一実施形態を示している。
【0058】
装置1はハウジング200を備え、このハウジング200は略円筒状に設計され、一端が閉止され、基部の中心開口部210と、半径方向外向きに突出している、近位端におけるグリップ要素としてのフランジ240とを有している。ハウジング200は、軸方向に向けられているガイドスリーブ230をさらに備え、このガイドスリーブ230は基部に配置されるとともに開口部210よりも大きな内径を有しており、このガイドスリーブ230内にはコイルばね300が同軸に導かれ、このコイルばね300は図1では圧縮されている。ハウジング200は、遠位領域の内壁に、2つの対向するトング220をさらに備え、これらトング220は弾性的であるとともに、休止状態では遠位方向の内側へ枢動する。
【0059】
装置1は、2つの部品、すなわちシリンジ本体スリーブ120と、このシリンジ本体スリーブ120内に配置されている保持装置110とから構成されるシリンジ本体100をさらに備える。保持装置110は針122に接続され、保持装置の貫通開口部は針122内の通路と連通している。
【0060】
保持装置110は、シリンジ本体スリーブ120の内部に、配置されるとともに固定されている。この目的のために、シリンジ本体スリーブ120は、近位端に、半径方向内側へ突出しているフランジを備え、このフランジは保持装置110のためのリミットストップとして働く。シリンジ本体スリーブ120は、略回転対称の設計を有するとともに、外側に、半径方向外側へ突出している係止要素121を備え、この係止要素121は円周状フランジとして設計されている。係止要素121の遠位面は圧縮されたコイルばね300と接触し、近位面はトング220と接触している。従って、トング220は第一ロック装置を形成している。保持装置110は、貫通開口部を有する略中空筒として設計され、細長要素111を備え、この細長要素111は中空筒内におけるU字状形状の凹部として設計されている。細長要素111は、半径方向内側へ突出している突起112、113を備え、この細長要素111において、これら突起のうち一方の突起112は遠位に一体的に形成され、他方の突起113は近位に一体的に形成されている。注入の前に、固形物600は2つの突起112及び113の間に保たれる。細長要素111は弾性的であり、突起112、113は休止状態では貫通開口部の内部に突出している。ここで、一次プランジャ400が保持装置110内に挿入されると、この一次プランジャ400は最初に近位の突起113に接触し、この近位の突起113を細長要素111と一緒に半径方向外側へ動かし、この結果として、遠位の突起112は、固形物600のための、針122内への通路を自由にする。細長要素111の枢動を、シリンジ本体スリーブ120の内側において可能にするために、この細長要素111は、シリンジ本体スリーブ120の内壁から離間している。この間隔は図示されていないが、様々な方策によって得ることができる。例えば、細長要素111を、外側においてわずかに切り取ることができ、これにより細長要素111の材料の厚さは、保持装置110の残りの材料の厚さよりも薄くなる。しかしながら、この領域において、シリンジ本体スリーブ120をわずかに切り取ることも可能である。
【0061】
一次プランジャ400は、細く長い筒状の棒として設計され、近位端に、半径方向に向けられた円盤として設計されたリミットストップ410を備えている。
【0062】
装置1は、二次プランジャ500をさらに備え、この二次プランジャ500は一端が閉止された略円筒として設計されている。開口部の方向、すなわち遠位方向において、二次プランジャ500は連続的な外側テーパ部510を有しており、二次プランジャ500がハウジング200内へ挿入されると、このテーパ部510はトング220に接触して、これらトング220を半径方向外側へ押し進め、第一ロック装置を解除することができる。内側では、二次プランジャ500が3つのトング520を備え、これら3つのトング520のうち2つだけがそれぞれの図に示されており、これら2つのトングのうち1つは図の横断面に位置しており、従ってハッチングが掛けられている。トング520は略棒状形状であり、近位領域において二次プランジャ500の内壁に接続され、且つ近位端において二次プランジャ500の基部領域に接続される。遠位領域において、トング520は、近位領域における半径方向厚さよりも薄い半径方向厚さを有し、この結果として、二次プランジャ500の内壁からの所定の間隔が得られる。このようにして、トング520の遠位領域は、半径方向外側へ、弾性的に枢動することができる。内側では、トング520は遠位領域にノッチを有し、このノッチに一次プランジャ400のリミットストップ410が係止され、この結果として第二ロック装置が作成される。トング520は、遠位端において、ノッチに隣接している内側に、外側へ向かう、遠位方向へ配向された傾斜を有している。これら傾斜はシリンジ本体100に対する接触領域として働き、この結果として、シリンジ本体100はトング520を半径方向外側へ動かすことができ、従って第二ロック装置を動作停止させることができる。
【0063】
最後に、図1は、固形物600が注入される身体700の概略図を示している。
【0064】
図1は、針が既に身体700内に挿入されている状態の、注入より前の状態にある装置1を示している。固形物600は、保持装置110の突起112、113の間に保たれている。一次プランジャ400は、リミットストップ410を用いてトング520に係止されているとともに、遠位端がシリンジ本体の保持装置110の内側にある状態で、近位の突起の前に配置されている。
【0065】
図2は、二次プランジャ500が完全に挿入された状態の、実質的に図1に示した装置1を示している。また、同時に、一次プランジャ400もこのように完全に挿入され、固形物600を身体700の内部の針122内へ既に移送してしまっている。保持装置110の細長要素111は、半径方向外側へ枢動している。トング220は、半径方向外側へ、二次プランジャ500のテーパ部510の領域を横切って枢動し、従って、もはやシリンジ本体スリーブ120の係止要素121と係合しておらず、この結果として、第一ロック装置は解除されている。従って、シリンジ本体100はもはや制止されず、コイルばね300によって近位方向へ動かすことができる。
【0066】
図3は、次にコイルばね300がある程度緩んでいる状態の、実質的に図2に示した装置1を示している。シリンジ本体100は一次プランジャ400が所定の位置に留まっている状態で、針122と一緒に近位方向へ動かされ、このシリンジ本体100の近位端は、トング520の傾斜に接触してトング520を半径方向外側へ動かしている。従って、リミットストップ410はトング520から解放され、その後すぐにシリンジ本体100がリミットストップ410に接触することができ、一次プランジャ400と一緒にさらに近位方向へ動くことができる。その一方で、固形物600は、一次プランジャ400が身体700内に依然として延在している状態で身体700内に位置している。
【0067】
図4は、注入の後の、装置1の最終状態にある、実質的に図3に示した装置1を示している。コイルばね300はここで、シリンジ本体100と針122とを、一次プランジャ400と一緒に、二次プランジャ500のリミットストップまで導いており、この結果として、針122及び一次プランジャ400の遠位の汚染された領域は、このときハウジング200の内側に位置する。
【0068】
別の実施形態においては、ハウジング200はガイドスリーブ230を備えることもでき、とりわけ、ガイドスリーブと一体に形成することができる。それに応じて、トング520もまた二次プランジャ500と一体に形成することができる。
【0069】
要約すれば、本発明によると、固形物600を注入するための装置1は、とりわけ単純なデザインを有し、簡単に使用できるように作成されている。
【符号の説明】
【0070】
1 固形物注入用装置
100 シリンジ本体
110 保持装置
111 細長要素
112 遠位の突起
113 近位の突起
120 シリンジ本体スリーブ
121 係止要素(第一ロック装置)
122 針
200 ハウジング
210 開口部
220 トング(第一ロック装置)
230 ガイドスリーブ
240 フランジ
300 コイルばね
400 一次プランジャ
410 リミットストップ
500 二次プランジャ(作動要素)
510 テーパ部
520 トング
600 固形物
700 身体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形物(600)を人間又は動物の体内へ注入するための、とりわけ固形の薬剤を注入するためのシリンジである装置(1)であって、
a)ハウジング(200)内に移動可能に取り付けられるとともに針(122)に接続されるシリンジ本体(100)であって、
b)ばね力が前記シリンジ本体(100)に近位方向に作用し、前記シリンジ本体(100)の近位方向における移動を、前記シリンジ本体(100)と協働する第一ロック装置(121、220)によって自由にすることができる、シリンジ本体(100)と、
c)前記シリンジ本体(100)の中及び前記針の中で移動可能である一次プランジャ(400)であって、
d)前記一次プランジャ(400)は、前記シリンジ本体(100)と協働することができるリミットストップ(410)を備え、前記リミットストップ(410)は、前記第一ロック装置(121、220)の解除の直前の状態において、前記シリンジ本体(100)から近位に離間しており、
e)前記第一ロック装置(121、220)が解除された際に、前記一次プランジャ(400)の前記リミットストップ(410)によって、前記一次プランジャ(400)を前記シリンジ本体(100)を通じて近位方向へ後退させることができる、一次プランジャ(400)と、
を備える前記装置(1)において、
f)前記第一ロック装置(121、220)を、前記装置(1)の近位に配置された作動要素(500)によって動作停止させることができることを特徴とする装置(1)。
【請求項2】
前記装置(1)の使用の前に、前記固形物(600)を、前記シリンジ本体(100)内に保ち、前記一次プランジャ(400)によって前記針(122)の中へ移送できることを特徴とする請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記第一ロック装置(121、220)は、弾性的な要素(220)と、前記弾性的な要素(220)と協働する硬質の係止要素(121)と、を備え、前記弾性的な要素(220)及び前記硬質の係止要素(121)は、前記シリンジ本体(100)の外面と、前記ハウジング(200)の内面とに配置され、これにより前記弾性的な要素(220)と前記硬質の係止要素(121)とは、ロック状態において互いに係合していることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記弾性的な要素は細長トング(220)として設計され、前記トング(220)は前記ロック状態において長手方向の軸に対して枢動し、且つ前記トング(220)は半径方向に加えられた力によって実質的に前記軸の方向へ枢動することができ、この結果として前記第一ロック装置(121、220)は解除されることを特徴とする請求項3に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記弾性的な要素(220)は前記ハウジング(200)に配置されることを特徴とする請求項3又は4に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記硬質の係止要素(121)は突出した突起として設計され、とりわけ前記シリンジ本体(100)に一体的に形成されることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項7】
長手方向の軸に対して対称的に配置された幾つかの第一ロック装置(121、220)が設けられ、とりわけ2つの第一ロック装置(121、220)が互いに対向して位置していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記第一ロック装置(121、220)を、二次プランジャ(500)として設計された作動要素によって動作停止できることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記二次プランジャ(500)は中空筒として設計され、前記二次プランジャ(500)は近位端において閉止されているとともに、前記ハウジング(200)内に移動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項8に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記ハウジング(200)内に挿入された状態で設置されている前記二次プランジャ(500)が前記弾性的な要素(220)に接触した際に、前記第一ロック装置(121、220)を解除できることを特徴とする請求項8又は9及び請求項3〜7のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項11】
前記二次プランジャ(500)は遠位端に、遠位方向へ連続的に増加しているテーパ部(510)を有しており、これにより、前記二次プランジャ(500)が挿入された状態において、前記弾性的な要素(220)は半径方向外側へ導かれていることを特徴とする請求項10に記載の装置(1)。
【請求項12】
前記二次プランジャ(500)は前記一次プランジャ(400)に取り外し可能に接続されていることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項13】
前記二次プランジャ(500)は、近位領域における前記二次プランジャ(500)の内側に、弾性的な係止フック(520)を有し、前記係止フック(520)は、前記一次プランジャ(400)の前記リミットストップ(410)をロックするための第二ロック装置(410、520)として設計されていることを特徴とする請求項8〜12のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項14】
前記第二ロック装置(410、520)を、前記シリンジ本体(100)によって解除できることを特徴とする請求項13に記載の装置(1)。
【請求項15】
a)前記リミットストップ(410)は、前記一次プランジャ(400)から半径方向に突出している要素として、とりわけ半径方向に向けられた円盤として設計され、
b)前記弾性的な係止フック(520)は、軸方向に向けられているとともに半径方向に枢動可能なトングとして設計され、前記係止フック(520)は、前記リミットストップ(410)を収容するための凹部を内側に有しており、
c)前記半径方向に枢動可能なトング(520)を、前記シリンジ本体(100)によって半径方向外側へ動かすことができ、この結果として、前記第二ロック装置(410、520)を解放することができることを特徴とする請求項13又は14に記載の装置(1)。
【請求項16】
前記ハウジング(200)は、近位領域に、円周状フランジ(240)又は半径方向外側へ突出している2つの対向するグリップ要素(240)を備えていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の装置(1)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−105978(P2012−105978A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−248599(P2011−248599)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(510282815)フォルテック・ニーダウ・アーゲー (3)
【Fターム(参考)】