説明

固形物移送導管内に流体を供給するための装置

固形物移送導管内にガスあるいは液体のような流体を供給するための装置であって、流体が少なくとも固形物移送導管を取囲む環状空域(12)内に、およびそこから固形物移送導管内に案内される装置を用いて、
例えば粉状の炭あるいは飛散する灰の移送は、容量および信頼性が高い場合に、高温でのガス化設備において提供される。
このことは、固形物移送導管が、環状間隙(S2)を形成するための環状空域内において、環状空域の長さよりも短く、その際に環状空域(12)内において、供給される流体のねじれを生じさせるための組込部材(16)が設けられていることにより達せられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形物移送導管内にガスあるいは液体のような流体を供給するための装置であって、流体が少なくとも固形物移送導管を取囲む環状空域内に、およびそこから固形物移送導管内に案内される装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は特許文献1を出発点としており、固形物移送導管は環状領域を形成している、浸透性の材料から成るハウジングの内側に形成されており、かつハウジングの内側で両側の環状封止部を介して長手方向に移動可能に配置されている。微粒子の固形物を移送するために、空気作用による移送部が知られている。流れの組織と移送密度に応じて、まばらな流れ移送と密な流れの移送の区別が大まかにつく。その際に、従来技術に関しては、特許文献2、特許文献3あるいは特許文献4が重要である。
【0003】
密な流れの移送部は、比較的わずかな移送ガスの使用と、固形物ならびに移送導管を大事にする動作モードを備えていることを特徴としており、かつ例えば乾微粉炭、飛散する灰、セメントのような広い使用スペクトルにおいて組込まれるが、さらに食品業界および薬品業界においても組込まれ、その際に、方法技術のパラメータは、空気作用による移送を密な流れの中であるいはまばらな流れの中においても実施するために長い間知られており、設備の有用性、寿命、投入コスト、整備のしやすさ等のような、技術的システムにおける増大する要求により、これらの増大する要求を満足させる新式の解決手段が要求される。
【0004】
すでに知られた特許文献1以外にも、例えば固形物を開始するかあるいは移送時に流動化するために、移送密度への影響を受けるかあるいは導管部分を洗浄するために、固形物移送導管へのガスの供給部を記載する他の解決手段もある。
【0005】
この従来技術には、例えば特許文献5が所属しており、粉末状材料、特に粉末コーティング材料を噴霧塗布装置まで移送するための設備が記載される。この装置においては、二重壁の導管部材が使用され、この導管部材は同様に粉末内に空気を導入するために焼結金属から成る浸透性の内壁を備えている。特許文献5に記載された二重壁の導管部材は、膨張の受入れを全く考慮しておらず、明細書と図によれば圧縮空気と管による技術を使用して完全にネジ止めで固定されている。従って、ここでは突出した作動領域(高い温度と高い圧力)内での使用は可能でなく、かつ転用可能ではない。
【0006】
特許文献6には同様に、二重壁の導管が紹介されている。内側の導管壁は多孔性の材料から成り、その際に特殊性はこの材料が伸長性がありかつ可撓性がある点にある。伝えられる衝撃は内壁の運動をもたらし、この運動により同時に多孔性に基づいた空気の部材は
固形物流内に達する。同時の可撓性の際の記載された多孔性は、同時に合成樹脂のような材料によってのみ充填できる。それと共に、この現行の場合の特許文献6の提案の用途は、400℃までの固形物温度の場合には使用可能ではない。
【0007】
圧力下で流動しない流体で空気移送あるいは移送するための別の解決手段が、特許文献7と特許文献8に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第1824766号明細書
【特許文献2】米国特許第3152839号明細書
【特許文献3】米国特許第1152302号明細書
【特許文献4】東独国特許第0154599号明細書
【特許文献5】国際特許出願公開第2004/87331号明細書
【特許文献6】独国特許第1269571号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第5827370号明細書
【特許文献8】米国特許第6227768号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、容量および信頼性が高い場合に、高温でのガス化設備において例えば粉状の炭あるいは飛散する灰を移送するための装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
冒頭で示した様式の装置において、本発明によるこの課題は、固形物移送導管が、実質的に内側の案内導管であることを特徴とした状態で、環状間隙を形成するための環状空域内において、環状空域の長さよりも短く、その際に環状空域内において、供給される流体のねじれを生じさせるための組込部材が設けられていることにより解決される。
【0011】
本発明により、このような場合に一般的に供給されるガスは、固形物を案内する側とガスを供給する側の間の著しい温度差に比べて低い温度を有しており、かつ一部は固形物を案内する側とガスを供給する側の間の著しい温度差までの低い温度を有しているので、それから生じる、構成部品の異なる膨張により、長期間、損傷が相応する要素を阻止するために、膨張差の補償を用意することが可能である。
【0012】
本発明により、通常は固形物を移送する構成部品が、ガス化設備内で制御する100バールまでの圧力により周期的に作用を受けることにより生じる別の問題が解決される。反対に、過程において、飛散する灰のような遊離した固形物は排出されねばならず、その際に、システムから高い圧力は大気の条件に基づいて排出される。このことも周期的に作用するロックシステム内で行われる。すなわち異なる媒体温度に基づいた温度差に向かって、周期的動作モードに起因する周期的温度勾配が移動する。本発明による装置の特別な構造により、計算はこれらの問題を考慮にいれる。
【0013】
本発明の構成は、従属請求項から明らかである。その際に、環状空域内の内側の案内導管の領域の少なくとも一部が穿孔された状態で構成されていることが考慮されていてもよい。この構造により、固形物移送導管の領域内における移送ガスの供給は、環状領域内の
内側の案内導管の端部での環状間隙によるのと同じように保証される。
【0014】
周期的動作モードにおいて流れ戻った固形物の場合によっては必要な気泡を減らすために、環状空域は固形物移送導管のための環状間隙の領域内に漏斗状の壁部領域を備えている。
【0015】
それ自体公知である要素が全て、フランジ接続部を介して互いに固定されている。
【0016】
装置の位置が正しい位置から重力の方向に偏向すると、本発明によれば流体のための環状空域に向かう供給導管は、重力の方向に位置決めされていない固形物移送導管にあっては重力の方向にある環状空域の上側の領域内に位置決めされている。
【0017】
本発明の他の特徴、詳細および長所は、後に続く明細書ならびに図により明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明による装置の断面図である。
【図2a】異なる流れに影響を及ぼす要素を備えた環状空域内の固形物移送導管の実施形態を示す図である。
【図2b】異なる流れに影響を及ぼす要素を備えた環状空域内の固形物移送導管の実施形態を示す図である。
【図2c】異なる流れに影響を及ぼす要素を備えた環状空域内の固形物移送導管の実施形態を示す図である。
【図2d】異なる流れに影響を及ぼす要素を備えた環状空域内の固形物移送導管の実施形態を示す図である。
【図3】本発明の変更した実施形態を図1による図で示したものである。
【図4】固形物容器の下方における、提案した本発明による装置によるブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0019】
図1に示した流動化導管1’は、ハウジング6、インテークフランジ2、エキゾーストフランジ8ならびに流動化剤入口4により構成されており、この流動化剤入口はフランジ5を介して流動化剤供給システムと接続される。流動化導管はコネクタフランジ2と8を介して固形物移送導管内に取付けられる。流入するかあるいは流出する固形物移送導管のフランジ2と8ならびにフランジ1と9の間のシーリングはシールリング10と11を介して行われる。内側の案内導管3は流動化導管のインテークフランジ2と不動に接続している。移送すべき固形物は、インテークフランジ2を介して内側の案内導管3内に入る。流入する固形物導管の直径D1はインテークフランジの直径D2に合致するのが理想的である。
【0020】
移行部での固形物の流れの異常ならびに磨耗エッジの発生を防ぐために、内側の案内導管の入口直径D3は、インテークフランジの直径D2と同じか、あるいはわずかに大きく選定されるべきであるのが好ましい。流動化剤は、内側の案内導管3とハウジング6の間に形成された環状空域12に流動化剤入口4を介して供給される。
【0021】
流動化剤の流れの方向で、流動化剤分配室は、円錐部7と内側の案内導管3により狭窄される。このように生じる狭小な流れ横断面S1は、この位置における流動化剤速度が好ましくは固形物の最小流動化速度wumfの1〜20倍に相当するように選定されるべきである。円錐角度αは好ましくは45°〜80°の間で選定されるべきである。間隙S2において、流動化剤は内側の案内導管から流出する固体にぶつかる。同時に内側の案内導管3の軸方向の縦方向延長部は間隙S2により補整される。流動化は、間隙S2内の内側の案内導管3とエキゾーストフランジ8から形成された自由空域内で行われる。エキゾーストフランジ8における固形物の流れの妨害縁部を全く生じさせないように、内側管からの出口直径D4は後続した移送導管よりも小さいかあるいは同じ大きさに選定できるのが理想的である。直径D3とD4が異なって選定されていると、内側の案内導管は円錐形に、流れ方向に先細りに構成されている。流動化された固形物は固形物出口15を介して流動化導管を離れる。
【0022】
図2a,2b,2cおよび2dは、内側導管3の様々な実施変形を示す。内側導管3はブロックフランジ2と不動に接続しており、従ってこの部材は完全にすばやくかつ容易に交換可能である。
【0023】
図2aと2bは、取付けられた流動体16によりねじれ流を流動化剤分配室12内で生じさせるように二つの方式を示しており、従って固形物と流動化剤の改善された混合が可能になる。流動化剤は流動体16の間の流動間隙Lの内側の流動化剤分配室を貫流する。発生するねじれ流は、例えば間隙s2内における固形物の橋渡し部の形成を阻止する。
【0024】
図2cは穿孔された内側の案内導管3を示しており、この案内導管により固形物はすでに貫流の際に流動化剤の作用を受けることができる。
【0025】
図2dはリングとして流動溝により構成されている流動体16を示している。この流動体は流動間隙幅Lを備えた一定の流動路を備えている。流動化剤はこれらの流動化剤を貫流する際に圧力損失Δp(流動体)を被り、この圧力損失は沈積した固形物量の圧力損失Δp(固形物)に対する関係において明らかにより高い。これにより、均一な流動化剤分配が流動化剤分配室12内で生じ、沈積した固形物は流動化剤により取り除かれる。
【0026】
図3は本発明による流動化導管1’を示しており、その際に円錐部7とエキゾーストフランジ8は一つの構成部品から、例えば回転部材から成る。さらに図3において、模範的に図2dから成る流動体が示してある。
【0027】
図4は本発明による流動化導管1’のための典型的な使用目的を備えた流れダイヤグラムを示している。流動化導管1’は容器17の固形物の排出部のところにある流出導管19に導管フランジ1を用いて固定されている。容器17は例えば固形物の中間貯蔵部に、あるいは固形物流の圧力を増大させるための閘門として用いられる。弁20が開くと、固形物は容器17から流動化導管1’と弁20を通って、固形物移送導管21内に流れる。
流動化導管は単純化して示した関係において異なったやり方で使用できる。
【0028】
使用方法は、固形物の移送を開始するために、弁20が開く直前に、ガス14が決まった量で供給されることである。従って弁20の上方には局所的な流動化部が挿入される。このようにして開閉動作は単純化されており、同時に流動化により固形物は解されているので、生じる固形物の橋渡し部は除去される。
【0029】
別の使用方法あるいは別の運転状態は、例えば確実な密な流れ移送に必要な密度を調節するために、固形物の移送工程時に、供給されるガス14は必要である量まで調節されることである。固形物の移送が終了されており、さらに容器も空であると、導管は増大したガス14の量により洗浄することができる。例えば第一の流動化のためにではあるが、次の洗浄が短時間で大きなガス量を必要とされるので、焼結金属の使用がここでは問題をはらんでいる。ここでは、ガス供給間隙S1を備えた本発明による装置は、焼結金属の解決手段に比べて長い寿命と関連した方法技術の長所を提供する。
【符号の説明】
【0030】
1’ 流動化導管
1 導管フランジ
2 インテークフランジ/流動化導管
3 内側の案内導管
4 流動化剤入口
5 フランジ
6 ハウジング
7 円錐部
8 エキゾーストフランジ/流動化導管
9 導管フランジ
10 シールリング
11 シールリング
12 環状空域
13 固形物入口
14 流動化剤供給部
15 流動化剤出口
16 流動体
17 容器
18 固形物注入部
19 流出導管
20 弁
21 固形物移送導管

D1 導管の直径
D2 固形物入口の直径
D3 内側の案内導管の入口の直径
D4 内側の案内導管の出口の直径
D5 流動化導管出口の直径
D6 導管の直径
S1 流動化リングの狭小な流れ横断面
S2 間隙
α 円錐のテーパ角
L 流動間隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形物移送導管内にガスあるいは液体のような流体を供給するための装置であって、
流体が少なくとも固形物移送導管を取囲む環状空域内に案内され、その環状空域から固形物移送導管内に案内される装置において、
固形物移送導管(内側の案内導管(3))が、環状間隙を形成するための環状空域(12)内において、環状空域の長さよりも短く、その際に環状空域(12)内において、供給される流体のねじれを生じさせるための組込部材が設けられていることを特徴とする装置。
【請求項2】
環状空域(12)内の内側の案内導管(3)の領域の少なくとも一部が穿孔された状態で構成されていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
環状空域(12)内に流れを案内する組込部材(16)が設けられている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
環状空域(12)が、内側の案内導管(3)のための環状間隙の領域内に漏斗状の壁部領域を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の装置。
【請求項5】
装置要素がフランジ接続部(2,8)を介して互いに固定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の装置。
【請求項6】
流体のための環状空域に向かう供給導管が、重力の方向に位置決めされていない固形物移送導管にあっては重力の方向にある環状空域の上側の領域内に位置決めされていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−513535(P2013−513535A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542379(P2012−542379)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【国際出願番号】PCT/EP2010/006808
【国際公開番号】WO2011/069588
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(597014730)ティッセンクルップ・ウーデ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (20)
【Fターム(参考)】