固形物食品の無菌充填における加熱殺菌用カップとその殺菌チャンバ
【課題】本発明の課題は、固形物を充填し蒸気を通して殺菌するカップにおいて、蒸気または冷却ガスが固形物内を均一に流動し迅速な加熱殺菌・冷却を実現できるカップ並びにその殺菌環境であるチャンバを提供することにある。
【解決手段】本発明の固形物殺菌用のカップは、側壁が上方部分には孔がなく、下方部分には多数の孔が空けられた筒状体であって、底部は孔が無い面形状に、好ましくは中央部分が山形に底上げ形状に形成されるようにした。本発明の固形物殺菌チャンバは、上方には蒸気または冷却ガスを下方に整流して供給する噴射プレートが配置され、上記の固形物殺菌用のカップが載置される底部の下方には排気流路が形成されたものであって、供給される蒸気または冷却ガスがカップ内の固形物に迅速且つ均一に加熱殺菌・冷却を施すようにした。
【解決手段】本発明の固形物殺菌用のカップは、側壁が上方部分には孔がなく、下方部分には多数の孔が空けられた筒状体であって、底部は孔が無い面形状に、好ましくは中央部分が山形に底上げ形状に形成されるようにした。本発明の固形物殺菌チャンバは、上方には蒸気または冷却ガスを下方に整流して供給する噴射プレートが配置され、上記の固形物殺菌用のカップが載置される底部の下方には排気流路が形成されたものであって、供給される蒸気または冷却ガスがカップ内の固形物に迅速且つ均一に加熱殺菌・冷却を施すようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、固形物の加熱殺菌手法及びその装置、特に、固形物を高温かつ短時間で殺菌し、短時間で冷却することが出来る固形物食品の無菌充填における加熱殺菌用カップとその殺菌チャンバに関する。
【背景技術】
【０００２】
固形物入り食品を無菌状態で容器詰めする方法として、レトルト殺菌が広く用いられているが、近年、固形物を無菌で充填するアセプティック充填の技術が発案・実用化されている。特許文献１には殺菌した固形具材を個別容器に移し替える必要のない食品の製造方法を提供することを目的とし、底面、又は底面及び側面の一部又は全体に孔を設けた内容器に固形具材を充填して殺菌する工程、内容器の一部又は全部を無菌下において滅菌済み外容器に収納し、一体型容器を形成する工程、内容器及び／又は外容器に必要に応じて殺菌済みの調味液を添加する工程、及び無菌下において一体型容器の一部又は全部をシールする工程を含む、容器に充填した食品の製造方法が開示されている。また、固形物を殺菌専用容器で殺菌後、無菌下において別の滅菌済み容器に充填する方法などの加熱殺菌方法も発案されている。
【０００３】
固形物入り食品の製造方法として、熱容量が異なる固形物と液を分けて別々に殺菌し、殺菌後無菌空間内で殺菌済み容器に充填後密封する方式のものが考案されている。特に固形物の殺菌は、均一に短時間で殺菌することを課題として、殺菌用カップの形状や殺菌釜の形状、動き等について、様々な方式が考案されている。特許文献２には、食品を効率よく加熱して殺菌できる食品加熱殺菌方法及び食品加熱殺菌装置を提供すること、食品の間に隙間を有する固形食品をムラなく均一に、短時間で、殺菌することができる加熱殺菌方法を提供すること、更には、品質を低下させずに食品を加熱殺菌できる、食品の加熱殺菌方法及び装置を提供すること、固形食品の表面が過加熱により褐変又は変質したりすることがない、食品加熱殺菌方法及び装置を提供することを目的とした「食品加熱殺菌方法及び食品加熱殺菌装置」が開示されている。この発明は、開口部と、収容する固形食品が通り抜けられない大きさの孔とが設けられた容器に固形食品を収容し、前記固形食品を収容した容器を殺菌室に搬入し、直進的に流動する蒸気が前記容器内を通過するように、該蒸気を前記固形食品に供給する食品加熱殺菌方法、及び、開口部と、収容された固形食品が通り抜けられない大きさの孔とが設けられた容器と、前記固形食品を収容した容器が搬入される殺菌室と、該殺菌室内で、直進的に流動する蒸気が前記容器内を通過するように、該蒸気を前記固形食品に供給する蒸気供給手段とを備えている食品加熱殺菌装置を提供するものである。
特許文献２には、固形物が通り抜けられない孔をあけた殺菌用容器に固形物を充填し、直進的に蒸気を流動させて殺菌する方式が提示されているが、この殺菌用の容器は円筒体の底部に多数の孔を穿設し、上方から蒸気を噴射し、底部の孔から排気させるようにしたもので、この殺菌容器を用いた場合、固形物内を蒸気が部分的に流動し、加熱ムラを生じてしまう恐れがあり、特に固形物が均一に充填されていないときはそれが顕著であるという問題があった。
【特許文献１】特開２００４−１４１０１５号公報 「固形具材入り食品の製造方法」 平成１６年５月２０日公開
【特許文献２】特許第３０５５７５９号公報（特開平０８−１８２４８７号公報）「食品加熱殺菌方法及び食品加熱殺菌装置」 平成８年７月１６日公開
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明の課題は、固形物を充填し蒸気を通して殺菌するカップにおいて、蒸気または冷却ガスが固形物内を均一に流動し迅速な加熱殺菌・冷却を実現できるカップ並びにその殺菌環境であるチャンバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明の固形物殺菌用のカップは、側壁が上方部分には孔がなく、下方部分には多数の孔が空けられた筒状体であって、底部は孔が無い面形状に、好ましくは中央部分が山形に底上げ形状に形成されるようにした。
また、グリッパによって上下反転駆動が可能な形態とするために側壁には外周面に間隔を空けてグリッパに係合する上帯と下帯が固定されるものとした。
また、本発明の固形物殺菌用のカップは、側壁内面に沿って摺動可能な形態となるように底部が側壁に非固定形態であると共に、カップの上下端部にはストッパが取り付けられるようにした。
本発明の固形物殺菌チャンバは、上方には蒸気または冷却ガスを下方に整流して供給する噴射プレートが配置され、請求項１に記載の固形物殺菌用のカップが載置される底部の下方には排気流路が形成されたものであって、供給される蒸気または冷却ガスがカップ内の固形物に迅速且つ均一に加熱殺菌・冷却を施すようにした。
また、本発明の固形物殺菌チャンバは、室内が円筒状に形成され、底部上面には長手方向にレールが配置され、多数の固形物殺菌用のカップが載置されたトレーを鏡面から出し入れ可能な形態で形成されるものとした。
【発明の効果】
【０００６】
本発明の固形物殺菌用のカップは、孔がない上方部分の側壁が、上方から噴射される蒸気を下方に導く作用をし、底部には孔が穿設されていないので、側壁の下方領域では蒸気流が側壁方向に曲げられ、詰められた固形物間を放射方向に流れて効果的に加熱殺菌が行われる。好ましい形態として底部中央部分に山形形状が形成されたものは、上方からの流れを流線的に放射方向に導く作用をするため、蒸気が底部に滞留することなく側壁の下方領域に空けられた多数の孔をとおしてスムーズな流れとなって流出する。このような蒸気流によって、カップに充填された固形物は均一に加熱され、迅速且つむら無く殺菌が行われる。また、冷却動作においても冷却ガスが上方から供給されると蒸気の場合と同様のスムーズなガス流が形成されるため、迅速且つ均一な冷却がなされる。短時間で殺菌や冷却がなされるということは固形物の変質を防止し、食品として変色や風味を落とすことが防止できる。
また、本発明の固形物殺菌用のカップは、側壁には外周面に間隔を空けてグリッパに係合する上帯と下帯が固定されるものとしたことにより、グリッパによって上下反転駆動が可能な形態となって、充填された固形物を密封する容器内に簡単に完全に移すことが出来る。
また、側壁内面に沿って摺動可能な形態となるように底部が側壁に非固定形態であると共に、カップの上下端部にはストッパが取り付けられるようにしたことにより、カップを反転させると底部が開口側に摺動落下し、充填された固形物を残らずきれいに密封する容器内に移すことが出来る。
【０００７】
本発明の固形物殺菌チャンバは、上方に配置された噴射プレートが蒸気または冷却ガスを下方に整流して供給する機能を担い、固形物殺菌用のカップが載置される底部の下方には排気流路が形成されたものであるから、カップの開口部には上方から下方へ整流されたガス流が供給され、該ガス流はカップ側壁上方の孔のない側壁によって下方に導かれ、底部中央部に形成された山形形状の作用によって側壁の下方領域に空けられた多数の孔から均一に流出し、流される蒸気または冷却ガスによって、固形物を迅速且つ均一に加熱殺菌・冷却する。
また、本発明の固形物殺菌チャンバは、室内が円筒状に形成され、底部上面には長手方向にレールが配置され、多数の固形物殺菌用のカップが載置されたトレーを鏡面から出し入れ可能な形態で形成されるものとしたことにより、固形物殺菌用のカップを多数トレーに載置した形態でスムーズにチャンバ内に搬入し、殺菌・冷却し、更に殺菌済み固形物が充填された殺菌用のカップを容器充填領域に搬出することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００８】
図１を参照しつつ、本発明が適用される固形物入り食品の殺菌及び容器充填の流れ全般についてまず説明する。固形物入り食品を充填密封する容器及び蓋は図の左側に示すように殺菌室で薬剤殺菌され、無菌環境が保たれた状態で充填室に移送される。固形物は図の中央部に示すように予め調理された状態で充填室に搬送され、本発明の殺菌専用カップに計量小分けされる。小分けされた固形物は本発明の殺菌環境において殺菌され、殺菌専用カップから先の殺菌済み容器内に移される。内容液は図の右側に示すように予め調理調合した内容液を高温短時間殺菌処理し、無菌加圧タンクに貯蔵しておく。無菌環境の充填室内で先の固形物が入れられた充填容器内にこの内容液を供給し、先の殺菌された蓋体でシールする。この様な無菌充填工程によって固形物入り食品の容器詰め製品は製造される。
【０００９】
本発明の加熱殺菌用カップとその殺菌環境（チャンバ）は、上記の無菌充填工程において図１中央の破線部分で使用されるものである。時前調理した固形物を個食分に計量し、殺菌専用のカップ１に充填する。殺菌専用カップ１は、図２に示されるように上部を開口し、底部を有する形状とする。側壁２は、開口に近い上部領域では孔のないなめらかな筒状２ａとし、底部に近い側壁下部領域では固形物が通過しない大きさの孔を多数穿設した形状２ｂとする。また底部３は、孔のない形状とし、図２の左側に示すような平底カップと、好ましい例として右側に示すような中央部分を山形に形成した凸状底部カップを提示する。開口されている殺菌用カップ１の上方から蒸気流が噴射されると、前者の形態では蒸気流が上方から底部３へ向かって流れるが、底部３には排出孔が無いため、蒸気流は底部３に当たって側壁２の方向に曲げられ、側壁部の下方領域２ｂに穿設された孔から排出される。特許文献２の殺菌容器のように単に容器内を蒸気流が上から下に流れる形態と異なり、積み上げ状態で詰められた固形物間を放射方向に曲げられて流れることにより、熱交換率がよくなり、迅速加熱がなされる。また、後者の凸状底部カップ形態では底部の中央が山形になっていることにより、上方から底部３にぶつかる蒸気流が底部で滞留することなく、流線的に放射方向にスムーズに誘導され、詰められた固形物の間を均一に流れ、全体をむら無く加熱殺菌することが出来る。加熱が不均一であるときは加熱されにくい部分が殺菌されるまで加熱を持続しなければならない。加熱されやすい部分は過熱状態となり、固形物４が形崩れや変色を起こし、好ましくないが、過熱状態に均一化が図れれば過熱状態の部分や加熱不足の部分はなく、短時間の殺菌が出来る。
【００１０】
固形物４が充填された殺菌用カップ１は殺菌環境に搬入されて殺菌処理がなされる。図３に示すように複数の殺菌用カップ１をトレー５に乗せて殺菌チャンバ６に入れて殺菌を行う。この例では複数の殺菌カップ１を１列に並べて載置したトレー５を円筒形のチャンバ６の一方の鏡面の扉を開き搬入する。チャンバ内での殺菌には加熱水蒸気を用いる。図４は円筒形状のチャンバ６の断面図で、この図に示されるように殺菌チャンバ６の構造は、天井位置に蒸気・冷却ガスの供給路６ａが形成されており、その下に整流板の作用を兼ねた噴射プレート６ｂが配置されている。床部分にはレール６ｃを支持する固定部材６ｄが間隔をおいて配置され、チャンバ６の底部には蒸気・冷却ガスの排気路兼ドレン排出路６ｅが配置されている。レール６ｃは円筒形の軸長手方向に２本配置され、前記トレー５は殺菌用カップ１を装置した状態でこのレール６ｃ上をスライドしてチャンバ６内に搬入される。
【００１１】
このような殺菌チャンバ６において、供給路６ａを介して供給される蒸気・冷却ガスは噴射プレート６ｂによって整流され、殺菌カップ用１の開口部のある下方へ噴射される。蒸気は、ルーバー形状の整流板(供給路６ａ)の作用によって、カップ１の開口面に均一に噴射される構造となっている。噴射された蒸気はカップ上部の孔のない筒形状２ａによって側壁２の面に沿うように整流化された後、固形物４に到達する。固形物４に噴射された蒸気は下方へ流れるが本発明の殺菌用カップ１は底部３には孔が無く、蒸気の排出は側壁下方領域２ｂに設けられた孔からであるため、蒸気流は上下方向から横方向、すなわち、固形物４の間を通り放射方向に強制的に偏向される。このように蒸気は固形物４間を通過後、側壁２ｂの孔から排気される。蒸気は下降流から円周方向への流れをとることで、均一に短時間で昇温することができる。なお、底部３を凸型形状３ａにすることで、効果的に均一に短時間で昇温することができることは前述したところである。固形物を加熱殺菌して側壁２ｂの孔から排気された蒸気は、レール６ｃを支持する固定部材６ｄ間を通り排気路兼ドレン排出路６ｅを経て排出される。チャンバ内で結露したドレンもこの排気路兼ドレン排出路６ｅへ流れ込み、外へ排出されるが、この際、ドレンを排水しつつ、圧力バランスを取りながら排気する。殺菌完了後、今度は上方の供給路６ａ、噴射プレート６ｂを通して、冷却ガスあるいは冷却水をカップ１の内外面に均一に噴射する。このときの冷却ガスの流れは先の蒸気と同様である。効率よく短時間で熱交換される。殺菌・冷却完了後、殺菌用カップ１が載置されたトレー５は搬入した扉と異なる、反対側の鏡面にある無菌室に繋がる扉を開き、無菌室側にトレー５ごと殺菌用カップ１を排出する。
【００１２】
殺菌処理され、殺菌チャンバ６から充填室に移送された殺菌カップ１は収納している固形物を充填容器に移す工程に進む。この工程において、本発明の固形物殺菌用のカップ１は上下位置を反転させ、開口部から充填容器内へ固形物４を流し込むのであるが、この動作は殺菌用カップ１の側壁をグリッパ７で把持させて行う。この工程の便を考慮して、本発明の殺菌用カップ１は、図５に示されるようにその側壁２の外周面には間隔を空けてグリッパ７に係合する上帯８ａと下帯８ｂが固定される構成をとるものとした。それは上帯８ａと下帯８ｂ間にグリッパ７が挿入され、充填容器の開口上部位置まで移送した後、上下反転駆動させて殺菌用カップ１内の固形物が充填容器内へ流下させることが可能な形態とするためである。また、この殺菌用カップ１内の固形物を充填容器内へ流下させる動作を確実にするため、本発明の固形物殺菌用のカップは、図６に示すように、上帯８ａと下帯８ｂの間隔をグリッパ７の幅より大きくする構成を採用する。図６の(１)は殺菌用カップ１をグリッパ７が把持した形態であって、Ｕ字型のグリッパ把持部の一端が殺菌用カップ１の上帯８ａの内側端部に係合された状態であり、このときグリッパ把持部の他端と下帯８ｂの内側端部との間にはクリアランスが存在している。この把持状態で殺菌用カップ１は充填容器の開口部上方まで移送される。次に、グリッパ７の腕が回転駆動されると図の(２)に示されるように殺菌用カップ１は横転させられ、更に回転駆動されると図の（３）に示されるように、殺菌用カップ１は完全に反転させられる。この状態となると、グリッパ把持部の一端と殺菌用カップ１の上帯８ａの内側端部の係合関係は解除され、グリッパ把持部の他端と下帯８ｂの内側端部との間のクリアランス分だけ殺菌用カップ１が自然落下し、図の(４)に示されるようにグリッパ把持部の他端が下帯８ｂの内側端部に係合して停止する。この上下反転駆動に伴って殺菌用カップ１がスライドして係合するときの衝撃によって、殺菌用カップ１内の固形物の流下が促進されることになる。
【００１３】
また、この殺菌用カップ１内の固形物を充填容器内へ流下させる動作を更に確実にするため、本発明の固形物殺菌用のカップの一例としては図７に示すように底部が側壁に非固定形態とされると共にカップの上下端部にはストッパ９ａ，９ｂが取り付けられ、前記底部は側壁内面に沿ってストッパ間９ａ，９ｂで摺動可能な形態であるような構成を提示する。図の左側に示されるように殺菌用カップ１内に固形物４が収納されている状態を図の右側に示すようにグリッパ７の駆動によって、殺菌用カップ１が反転させられると、ストッパ９ｂに係止されただけで側壁２に固定されていない底部３が上方に上げられるため、底部３が自重により摺動を開始し、開口部のストッパ９ａに当接するまで側壁内を落下する。収納されていた固形物４は強制的に開口部より流下させられる。底部３が自重によってストッパ９ａの位置まで摺動落下し停止させられる際の衝撃は底部３に貼り付いている固形物４の落下をも促進させる。この底部３の摺動落下をより確実にするためにこの底部３に錘３ａを取り付ける構成を採用してもよい。また、この構成は先の側壁２の外周面には間隔を空けてグリッパ７に係合する上帯８ａと下帯８ｂが固定される構成とを組合わせれば、２回の衝撃が殺菌用カップ１に加えられることとなり、固形物４の流下をより確実にさせることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明が適用される固形物入り食品の殺菌及び容器充填の流れを示す全般システムズである。
【図２】本発明の殺菌専用カップの形状と蒸気の流れを説明する図である。
【図３】本発明の殺菌専用カップを載置するトレーと殺菌チャンバを示す図である。
【図４】本発明の殺菌チャンバにおける殺菌動作を説明する図である。
【図５】本発明の殺菌専用カップの好ましい形態を説明する図である。
【図６】本発明の殺菌専用カップの反転動作を説明する図である。
【図７】本発明の可動式底部形態の殺菌専用カップの動作を説明する図である。
【符号の説明】
【００１５】
１ 殺菌専カップ ２ 側壁
2a 上方孔無し領域 2b 下方孔有り領域
３ 底部 3a 錘
４ 固形物 ５ トレー
６ 殺菌チャンバ 6a 蒸気・冷却ガス供給路
6b 噴射プレート 6c レール
6d 固定部材 6e 排気路
７ グリッパ 8a 上帯
8b 下帯 9a 上部ストッパ
9b 下部ストッパ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、固形物の加熱殺菌手法及びその装置、特に、固形物を高温かつ短時間で殺菌し、短時間で冷却することが出来る固形物食品の無菌充填における加熱殺菌用カップとその殺菌チャンバに関する。
【背景技術】
【０００２】
固形物入り食品を無菌状態で容器詰めする方法として、レトルト殺菌が広く用いられているが、近年、固形物を無菌で充填するアセプティック充填の技術が発案・実用化されている。特許文献１には殺菌した固形具材を個別容器に移し替える必要のない食品の製造方法を提供することを目的とし、底面、又は底面及び側面の一部又は全体に孔を設けた内容器に固形具材を充填して殺菌する工程、内容器の一部又は全部を無菌下において滅菌済み外容器に収納し、一体型容器を形成する工程、内容器及び／又は外容器に必要に応じて殺菌済みの調味液を添加する工程、及び無菌下において一体型容器の一部又は全部をシールする工程を含む、容器に充填した食品の製造方法が開示されている。また、固形物を殺菌専用容器で殺菌後、無菌下において別の滅菌済み容器に充填する方法などの加熱殺菌方法も発案されている。
【０００３】
固形物入り食品の製造方法として、熱容量が異なる固形物と液を分けて別々に殺菌し、殺菌後無菌空間内で殺菌済み容器に充填後密封する方式のものが考案されている。特に固形物の殺菌は、均一に短時間で殺菌することを課題として、殺菌用カップの形状や殺菌釜の形状、動き等について、様々な方式が考案されている。特許文献２には、食品を効率よく加熱して殺菌できる食品加熱殺菌方法及び食品加熱殺菌装置を提供すること、食品の間に隙間を有する固形食品をムラなく均一に、短時間で、殺菌することができる加熱殺菌方法を提供すること、更には、品質を低下させずに食品を加熱殺菌できる、食品の加熱殺菌方法及び装置を提供すること、固形食品の表面が過加熱により褐変又は変質したりすることがない、食品加熱殺菌方法及び装置を提供することを目的とした「食品加熱殺菌方法及び食品加熱殺菌装置」が開示されている。この発明は、開口部と、収容する固形食品が通り抜けられない大きさの孔とが設けられた容器に固形食品を収容し、前記固形食品を収容した容器を殺菌室に搬入し、直進的に流動する蒸気が前記容器内を通過するように、該蒸気を前記固形食品に供給する食品加熱殺菌方法、及び、開口部と、収容された固形食品が通り抜けられない大きさの孔とが設けられた容器と、前記固形食品を収容した容器が搬入される殺菌室と、該殺菌室内で、直進的に流動する蒸気が前記容器内を通過するように、該蒸気を前記固形食品に供給する蒸気供給手段とを備えている食品加熱殺菌装置を提供するものである。
特許文献２には、固形物が通り抜けられない孔をあけた殺菌用容器に固形物を充填し、直進的に蒸気を流動させて殺菌する方式が提示されているが、この殺菌用の容器は円筒体の底部に多数の孔を穿設し、上方から蒸気を噴射し、底部の孔から排気させるようにしたもので、この殺菌容器を用いた場合、固形物内を蒸気が部分的に流動し、加熱ムラを生じてしまう恐れがあり、特に固形物が均一に充填されていないときはそれが顕著であるという問題があった。
【特許文献１】特開２００４−１４１０１５号公報 「固形具材入り食品の製造方法」 平成１６年５月２０日公開
【特許文献２】特許第３０５５７５９号公報（特開平０８−１８２４８７号公報）「食品加熱殺菌方法及び食品加熱殺菌装置」 平成８年７月１６日公開
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明の課題は、固形物を充填し蒸気を通して殺菌するカップにおいて、蒸気または冷却ガスが固形物内を均一に流動し迅速な加熱殺菌・冷却を実現できるカップ並びにその殺菌環境であるチャンバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明の固形物殺菌用のカップは、側壁が上方部分には孔がなく、下方部分には多数の孔が空けられた筒状体であって、底部は孔が無い面形状に、好ましくは中央部分が山形に底上げ形状に形成されるようにした。
また、グリッパによって上下反転駆動が可能な形態とするために側壁には外周面に間隔を空けてグリッパに係合する上帯と下帯が固定されるものとした。
また、本発明の固形物殺菌用のカップは、側壁内面に沿って摺動可能な形態となるように底部が側壁に非固定形態であると共に、カップの上下端部にはストッパが取り付けられるようにした。
本発明の固形物殺菌チャンバは、上方には蒸気または冷却ガスを下方に整流して供給する噴射プレートが配置され、請求項１に記載の固形物殺菌用のカップが載置される底部の下方には排気流路が形成されたものであって、供給される蒸気または冷却ガスがカップ内の固形物に迅速且つ均一に加熱殺菌・冷却を施すようにした。
また、本発明の固形物殺菌チャンバは、室内が円筒状に形成され、底部上面には長手方向にレールが配置され、多数の固形物殺菌用のカップが載置されたトレーを鏡面から出し入れ可能な形態で形成されるものとした。
【発明の効果】
【０００６】
本発明の固形物殺菌用のカップは、孔がない上方部分の側壁が、上方から噴射される蒸気を下方に導く作用をし、底部には孔が穿設されていないので、側壁の下方領域では蒸気流が側壁方向に曲げられ、詰められた固形物間を放射方向に流れて効果的に加熱殺菌が行われる。好ましい形態として底部中央部分に山形形状が形成されたものは、上方からの流れを流線的に放射方向に導く作用をするため、蒸気が底部に滞留することなく側壁の下方領域に空けられた多数の孔をとおしてスムーズな流れとなって流出する。このような蒸気流によって、カップに充填された固形物は均一に加熱され、迅速且つむら無く殺菌が行われる。また、冷却動作においても冷却ガスが上方から供給されると蒸気の場合と同様のスムーズなガス流が形成されるため、迅速且つ均一な冷却がなされる。短時間で殺菌や冷却がなされるということは固形物の変質を防止し、食品として変色や風味を落とすことが防止できる。
また、本発明の固形物殺菌用のカップは、側壁には外周面に間隔を空けてグリッパに係合する上帯と下帯が固定されるものとしたことにより、グリッパによって上下反転駆動が可能な形態となって、充填された固形物を密封する容器内に簡単に完全に移すことが出来る。
また、側壁内面に沿って摺動可能な形態となるように底部が側壁に非固定形態であると共に、カップの上下端部にはストッパが取り付けられるようにしたことにより、カップを反転させると底部が開口側に摺動落下し、充填された固形物を残らずきれいに密封する容器内に移すことが出来る。
【０００７】
本発明の固形物殺菌チャンバは、上方に配置された噴射プレートが蒸気または冷却ガスを下方に整流して供給する機能を担い、固形物殺菌用のカップが載置される底部の下方には排気流路が形成されたものであるから、カップの開口部には上方から下方へ整流されたガス流が供給され、該ガス流はカップ側壁上方の孔のない側壁によって下方に導かれ、底部中央部に形成された山形形状の作用によって側壁の下方領域に空けられた多数の孔から均一に流出し、流される蒸気または冷却ガスによって、固形物を迅速且つ均一に加熱殺菌・冷却する。
また、本発明の固形物殺菌チャンバは、室内が円筒状に形成され、底部上面には長手方向にレールが配置され、多数の固形物殺菌用のカップが載置されたトレーを鏡面から出し入れ可能な形態で形成されるものとしたことにより、固形物殺菌用のカップを多数トレーに載置した形態でスムーズにチャンバ内に搬入し、殺菌・冷却し、更に殺菌済み固形物が充填された殺菌用のカップを容器充填領域に搬出することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００８】
図１を参照しつつ、本発明が適用される固形物入り食品の殺菌及び容器充填の流れ全般についてまず説明する。固形物入り食品を充填密封する容器及び蓋は図の左側に示すように殺菌室で薬剤殺菌され、無菌環境が保たれた状態で充填室に移送される。固形物は図の中央部に示すように予め調理された状態で充填室に搬送され、本発明の殺菌専用カップに計量小分けされる。小分けされた固形物は本発明の殺菌環境において殺菌され、殺菌専用カップから先の殺菌済み容器内に移される。内容液は図の右側に示すように予め調理調合した内容液を高温短時間殺菌処理し、無菌加圧タンクに貯蔵しておく。無菌環境の充填室内で先の固形物が入れられた充填容器内にこの内容液を供給し、先の殺菌された蓋体でシールする。この様な無菌充填工程によって固形物入り食品の容器詰め製品は製造される。
【０００９】
本発明の加熱殺菌用カップとその殺菌環境（チャンバ）は、上記の無菌充填工程において図１中央の破線部分で使用されるものである。時前調理した固形物を個食分に計量し、殺菌専用のカップ１に充填する。殺菌専用カップ１は、図２に示されるように上部を開口し、底部を有する形状とする。側壁２は、開口に近い上部領域では孔のないなめらかな筒状２ａとし、底部に近い側壁下部領域では固形物が通過しない大きさの孔を多数穿設した形状２ｂとする。また底部３は、孔のない形状とし、図２の左側に示すような平底カップと、好ましい例として右側に示すような中央部分を山形に形成した凸状底部カップを提示する。開口されている殺菌用カップ１の上方から蒸気流が噴射されると、前者の形態では蒸気流が上方から底部３へ向かって流れるが、底部３には排出孔が無いため、蒸気流は底部３に当たって側壁２の方向に曲げられ、側壁部の下方領域２ｂに穿設された孔から排出される。特許文献２の殺菌容器のように単に容器内を蒸気流が上から下に流れる形態と異なり、積み上げ状態で詰められた固形物間を放射方向に曲げられて流れることにより、熱交換率がよくなり、迅速加熱がなされる。また、後者の凸状底部カップ形態では底部の中央が山形になっていることにより、上方から底部３にぶつかる蒸気流が底部で滞留することなく、流線的に放射方向にスムーズに誘導され、詰められた固形物の間を均一に流れ、全体をむら無く加熱殺菌することが出来る。加熱が不均一であるときは加熱されにくい部分が殺菌されるまで加熱を持続しなければならない。加熱されやすい部分は過熱状態となり、固形物４が形崩れや変色を起こし、好ましくないが、過熱状態に均一化が図れれば過熱状態の部分や加熱不足の部分はなく、短時間の殺菌が出来る。
【００１０】
固形物４が充填された殺菌用カップ１は殺菌環境に搬入されて殺菌処理がなされる。図３に示すように複数の殺菌用カップ１をトレー５に乗せて殺菌チャンバ６に入れて殺菌を行う。この例では複数の殺菌カップ１を１列に並べて載置したトレー５を円筒形のチャンバ６の一方の鏡面の扉を開き搬入する。チャンバ内での殺菌には加熱水蒸気を用いる。図４は円筒形状のチャンバ６の断面図で、この図に示されるように殺菌チャンバ６の構造は、天井位置に蒸気・冷却ガスの供給路６ａが形成されており、その下に整流板の作用を兼ねた噴射プレート６ｂが配置されている。床部分にはレール６ｃを支持する固定部材６ｄが間隔をおいて配置され、チャンバ６の底部には蒸気・冷却ガスの排気路兼ドレン排出路６ｅが配置されている。レール６ｃは円筒形の軸長手方向に２本配置され、前記トレー５は殺菌用カップ１を装置した状態でこのレール６ｃ上をスライドしてチャンバ６内に搬入される。
【００１１】
このような殺菌チャンバ６において、供給路６ａを介して供給される蒸気・冷却ガスは噴射プレート６ｂによって整流され、殺菌カップ用１の開口部のある下方へ噴射される。蒸気は、ルーバー形状の整流板(供給路６ａ)の作用によって、カップ１の開口面に均一に噴射される構造となっている。噴射された蒸気はカップ上部の孔のない筒形状２ａによって側壁２の面に沿うように整流化された後、固形物４に到達する。固形物４に噴射された蒸気は下方へ流れるが本発明の殺菌用カップ１は底部３には孔が無く、蒸気の排出は側壁下方領域２ｂに設けられた孔からであるため、蒸気流は上下方向から横方向、すなわち、固形物４の間を通り放射方向に強制的に偏向される。このように蒸気は固形物４間を通過後、側壁２ｂの孔から排気される。蒸気は下降流から円周方向への流れをとることで、均一に短時間で昇温することができる。なお、底部３を凸型形状３ａにすることで、効果的に均一に短時間で昇温することができることは前述したところである。固形物を加熱殺菌して側壁２ｂの孔から排気された蒸気は、レール６ｃを支持する固定部材６ｄ間を通り排気路兼ドレン排出路６ｅを経て排出される。チャンバ内で結露したドレンもこの排気路兼ドレン排出路６ｅへ流れ込み、外へ排出されるが、この際、ドレンを排水しつつ、圧力バランスを取りながら排気する。殺菌完了後、今度は上方の供給路６ａ、噴射プレート６ｂを通して、冷却ガスあるいは冷却水をカップ１の内外面に均一に噴射する。このときの冷却ガスの流れは先の蒸気と同様である。効率よく短時間で熱交換される。殺菌・冷却完了後、殺菌用カップ１が載置されたトレー５は搬入した扉と異なる、反対側の鏡面にある無菌室に繋がる扉を開き、無菌室側にトレー５ごと殺菌用カップ１を排出する。
【００１２】
殺菌処理され、殺菌チャンバ６から充填室に移送された殺菌カップ１は収納している固形物を充填容器に移す工程に進む。この工程において、本発明の固形物殺菌用のカップ１は上下位置を反転させ、開口部から充填容器内へ固形物４を流し込むのであるが、この動作は殺菌用カップ１の側壁をグリッパ７で把持させて行う。この工程の便を考慮して、本発明の殺菌用カップ１は、図５に示されるようにその側壁２の外周面には間隔を空けてグリッパ７に係合する上帯８ａと下帯８ｂが固定される構成をとるものとした。それは上帯８ａと下帯８ｂ間にグリッパ７が挿入され、充填容器の開口上部位置まで移送した後、上下反転駆動させて殺菌用カップ１内の固形物が充填容器内へ流下させることが可能な形態とするためである。また、この殺菌用カップ１内の固形物を充填容器内へ流下させる動作を確実にするため、本発明の固形物殺菌用のカップは、図６に示すように、上帯８ａと下帯８ｂの間隔をグリッパ７の幅より大きくする構成を採用する。図６の(１)は殺菌用カップ１をグリッパ７が把持した形態であって、Ｕ字型のグリッパ把持部の一端が殺菌用カップ１の上帯８ａの内側端部に係合された状態であり、このときグリッパ把持部の他端と下帯８ｂの内側端部との間にはクリアランスが存在している。この把持状態で殺菌用カップ１は充填容器の開口部上方まで移送される。次に、グリッパ７の腕が回転駆動されると図の(２)に示されるように殺菌用カップ１は横転させられ、更に回転駆動されると図の（３）に示されるように、殺菌用カップ１は完全に反転させられる。この状態となると、グリッパ把持部の一端と殺菌用カップ１の上帯８ａの内側端部の係合関係は解除され、グリッパ把持部の他端と下帯８ｂの内側端部との間のクリアランス分だけ殺菌用カップ１が自然落下し、図の(４)に示されるようにグリッパ把持部の他端が下帯８ｂの内側端部に係合して停止する。この上下反転駆動に伴って殺菌用カップ１がスライドして係合するときの衝撃によって、殺菌用カップ１内の固形物の流下が促進されることになる。
【００１３】
また、この殺菌用カップ１内の固形物を充填容器内へ流下させる動作を更に確実にするため、本発明の固形物殺菌用のカップの一例としては図７に示すように底部が側壁に非固定形態とされると共にカップの上下端部にはストッパ９ａ，９ｂが取り付けられ、前記底部は側壁内面に沿ってストッパ間９ａ，９ｂで摺動可能な形態であるような構成を提示する。図の左側に示されるように殺菌用カップ１内に固形物４が収納されている状態を図の右側に示すようにグリッパ７の駆動によって、殺菌用カップ１が反転させられると、ストッパ９ｂに係止されただけで側壁２に固定されていない底部３が上方に上げられるため、底部３が自重により摺動を開始し、開口部のストッパ９ａに当接するまで側壁内を落下する。収納されていた固形物４は強制的に開口部より流下させられる。底部３が自重によってストッパ９ａの位置まで摺動落下し停止させられる際の衝撃は底部３に貼り付いている固形物４の落下をも促進させる。この底部３の摺動落下をより確実にするためにこの底部３に錘３ａを取り付ける構成を採用してもよい。また、この構成は先の側壁２の外周面には間隔を空けてグリッパ７に係合する上帯８ａと下帯８ｂが固定される構成とを組合わせれば、２回の衝撃が殺菌用カップ１に加えられることとなり、固形物４の流下をより確実にさせることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明が適用される固形物入り食品の殺菌及び容器充填の流れを示す全般システムズである。
【図２】本発明の殺菌専用カップの形状と蒸気の流れを説明する図である。
【図３】本発明の殺菌専用カップを載置するトレーと殺菌チャンバを示す図である。
【図４】本発明の殺菌チャンバにおける殺菌動作を説明する図である。
【図５】本発明の殺菌専用カップの好ましい形態を説明する図である。
【図６】本発明の殺菌専用カップの反転動作を説明する図である。
【図７】本発明の可動式底部形態の殺菌専用カップの動作を説明する図である。
【符号の説明】
【００１５】
１ 殺菌専カップ ２ 側壁
2a 上方孔無し領域 2b 下方孔有り領域
３ 底部 3a 錘
４ 固形物 ５ トレー
６ 殺菌チャンバ 6a 蒸気・冷却ガス供給路
6b 噴射プレート 6c レール
6d 固定部材 6e 排気路
７ グリッパ 8a 上帯
8b 下帯 9a 上部ストッパ
9b 下部ストッパ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
側壁は上方部分には孔がなく、下方部分には多数の孔が空けられた筒状体であって、筒状体上方は開口され、底部は孔が無い面形状とされている固形物殺菌用のカップ。
【請求項２】
底部は中央部分が山形に底上げ形状とされている請求項１に記載の固形物殺菌用のカップ。
【請求項３】
側壁には外周面に間隔を空けてグリッパに係合する上帯と下帯が固定され、グリッパによって上下反転駆動が可能な形態である請求項１または２に記載の固形物殺菌用のカップ。
【請求項４】
底部は側壁に非固定形態であると共にカップの上下端部にはストッパが取り付けられ、前記底部は側壁内面に沿ってストッパ間で摺動可能な形態である請求項１乃至３のいずれかに記載の固形物殺菌用のカップ。
【請求項５】
上方には蒸気または冷却ガスを下方に整流して供給する噴射プレートが配置され、請求項１に記載の固形物殺菌用のカップが載置される底部の下方には排気流路が形成されたものであって、供給される蒸気または冷却ガスがカップ内の固形物に迅速且つ均一に加熱殺菌・冷却を施すことを特徴とする固形物殺菌チャンバ。
【請求項６】
室内は円筒状に形成され、底部上面には長手方向にレールが配置され、多数の固形物殺菌用のカップが載置されたトレーを鏡面から出し入れ可能な形態で形成された請求項５に記載の固形物殺菌チャンバ。
【請求項１】
側壁は上方部分には孔がなく、下方部分には多数の孔が空けられた筒状体であって、筒状体上方は開口され、底部は孔が無い面形状とされている固形物殺菌用のカップ。
【請求項２】
底部は中央部分が山形に底上げ形状とされている請求項１に記載の固形物殺菌用のカップ。
【請求項３】
側壁には外周面に間隔を空けてグリッパに係合する上帯と下帯が固定され、グリッパによって上下反転駆動が可能な形態である請求項１または２に記載の固形物殺菌用のカップ。
【請求項４】
底部は側壁に非固定形態であると共にカップの上下端部にはストッパが取り付けられ、前記底部は側壁内面に沿ってストッパ間で摺動可能な形態である請求項１乃至３のいずれかに記載の固形物殺菌用のカップ。
【請求項５】
上方には蒸気または冷却ガスを下方に整流して供給する噴射プレートが配置され、請求項１に記載の固形物殺菌用のカップが載置される底部の下方には排気流路が形成されたものであって、供給される蒸気または冷却ガスがカップ内の固形物に迅速且つ均一に加熱殺菌・冷却を施すことを特徴とする固形物殺菌チャンバ。
【請求項６】
室内は円筒状に形成され、底部上面には長手方向にレールが配置され、多数の固形物殺菌用のカップが載置されたトレーを鏡面から出し入れ可能な形態で形成された請求項５に記載の固形物殺菌チャンバ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２００９−３９０５９（Ｐ２００９−３９０５９Ａ）
【公開日】平成２１年２月２６日（２００９．２．２６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−２０８９５２（Ｐ２００７−２０８９５２）
【出願日】平成１９年８月１０日（２００７．８．１０）
【出願人】（０００００３７６８）東洋製罐株式会社 (1,150)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年２月２６日（２００９．２．２６）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年８月１０日（２００７．８．１０）
【出願人】（０００００３７６８）東洋製罐株式会社 (1,150)
【Ｆターム（参考）】
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