説明

固有番号付きシート束の包装印字管理システム

【課題】固有番号付きシートにおける包装単位のシート束を搬送ラインに投入して包装し番号情報を包装物に印字する固有番号付きシート束の包装印字管理システムを提供する。
【解決手段】搬送ラインに投入した包装単位のシート束の最上面の番号を読み取る第1の読取手段12と、第1の読取手段12により読み取られた番号データを記憶する第1の記憶手段18と、シート束を包装する包装手段13と、包装単位のシート束が到来し、第1の記憶手段18に記憶された番号データを要求し収得する番号要求手段17cと、収得した番号データを印字する番号印字手段15と、番号印字手段15により印字された番号データを読み取る第2の読取手段16と、読み取られた番号データと収得した番号データとを照合する番号照合手段17fとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装単位の抽選番号付き葉書、宝くじ、商品券等のシート束を包装し、番号表示をする固有番号付きシート束の包装印字管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、年賀葉書等の抽選番号付き葉書では、図7に示すように、PC装置1で作成された番号割り付け表により組番号印刷工程2が行われ、それを裁断工程3及び包装単位毎に分割する分割工程4を経て包装単位5を作成し、かつ包装単位5を番号ラベル配列表の流れ順序に基づいてコンベア6で移送するとともに、包装前の途中工程で包装単位5の最上面の番号を読み取り、PC装置1で照合した後、包装工程7を経て葉書束を包装し、PC装置1の番号ラベル配列表に基づいて作成された番号ラベル9を包装完了物8に貼付し、さらに梱包工程10を経て梱包するようにしている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】特開平6−144428号公報(明細書全頁,図面全図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来例の特許文献1では、年賀葉書の包装単位を番号ラベル配列表の流れ順序に基づいて移送し、包装工程へと搬送しているが、実際の作業では、印刷作業や断裁作業において不良が発生したり、或いは包装工程から番号ラベルを包装完了物に貼付するまでの間で不良が発生することがあり、包装完了するまでの各工程で番号ラベル配列表の通りに搬送されるとは限らない。このように番号ラベル配列表の流れ順序に従って処理をすると、不良が発生した際に、不良が発生する毎に手動で番号ラベルを空打ちするなどの手作業による修正作業を行わねばならず、包装作業に誤りが発生する危険性があり、また、修正作業が繁雑になる欠点がある。
【0005】
本発明は、上述のような課題に鑑みなされたものであって、固有番号付きシートにおける包装単位のシート束を搬送ラインに搬送して包装し、番号情報を包装物に印字する固有番号付きシート束の包装印字管理システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を達成したものであり、請求項1の発明は、固有番号付きシート束を搬送ラインに投入して包装し印字する固有番号付きシート束の包装印字管理システムにおいて、
前記搬送ラインに投入した包装単位のシート束の最上面の番号を読み取る第1の読取手段と、
前記第1の読取手段により読み取られた番号データを記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の読取手段から搬送される包装単位のシート束を包装して包装シート束とする包装手段と、
前記包装葉書束の到来を検出し、前記第1の記憶手段に記憶した前記シート束に対応する番号データを要求し収得する番号要求手段と、
前記包装シート束の到来を検出し、前記番号要求手段により収得した番号データを該包装シート束に印字する番号印字手段と、
前記番号印字手段により印字された番号データを読み取る第2の読取手段と、
前記第2の読取手段に読み取られた番号データと前記収得した番号データとを照合する番号照合手段と、
を備えることを特徴とする固有番号付き葉書の包装印字管理システムである。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の固有番号付きシートの包装印字管理システムが、予め処理予定の番号データを記憶する処理予定番号データ記憶部を備え、前記番号照合手段による照合結果、前記第2の読取手段で読み取られた番号データが、前記第1の読取手段で読み取られた番号データと一致した場合、前記処理予定番号データ記憶部に蓄積された処理予定番号データから前記番号照合手段で照合した番号データを消去する消去手段とを備えることを特徴とする固有番号付きシートの包装印字管理システムである。
【0008】
また、請求項3の発明は、前記第1の読取手段により読み取られた番号データに基づいて、シート束の最上面のシートを除くシート束の枚数を最上面の番号データに加算する演算手段を有し、該演算手段によって、包装単位のシート束の最下面の番号データを定めることを特徴とする請求項1又は2に記載の固有番号付きシートの包装印字管理システムである。
【0009】
また、請求項4の発明は、前記第1の読取手段から前記番号要求手段の位置までのシート束の搬送位置を搬送ラインに連動して動作する計数手段により判定することを特徴とする請求項1,2又は3に記載の固有番号付きシートの包装印字管理システムである。
【0010】
また、請求項5の発明は、前記番号印字手段の前段に、前記包装シート束の通過検出を行い、所定タイミングで包装シート束の通過検出ができない場合、前記第1の記憶手段に番号データを要求することなく、次の包装したシート束を待ち受けることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の固有番号付きシートの包装印字管理システムである。
【0011】
また、請求項6の発明は、前記処理予定番号データ記憶部から消去された番号データを前記消去手段により再び消去操作を行った場合、搬送ラインを停止する異常停止手段を備えることを特徴とする請求項2から6の何れかに記載の固有番号付きシートの包装印字管理システムである。
【0012】
また、請求項7の発明は、前記搬送ラインに順番に、前記第1の読取手段と前記番号要求手段と前記番号印字手段と前記第2の読取手段の各位置が定められ、該各位置に包装シート束の到来を検出する位置センサを設けたことを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の固有番号付きシートの包装印字管理システムである。
【0013】
また、請求項8の発明は、前記シートが抽選番号付き葉書、宝くじ、商品券であることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の固有番号付きシートの包装印字管理システムである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明では、固有番号付きシート束を搬送ラインに投入して包装し印字する固有番号付きシート束の包装印字管理システムにおいて、
前記搬送ラインに投入した包装単位のシート束の最上面の番号を読み取る第1の読取手段と、
前記第1の読取手段により読み取られた番号データを記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の読取手段から搬送される包装単位のシート束を包装して包装シート束とする包装手段と、
前記包装葉書束の到来を検出し、前記第1の記憶手段に記憶した前記シート束に対応する番号データを要求し収得する番号要求手段と、
前記包装シート束の到来を検出し、前記番号要求手段により収得した番号データを該包装シート束に印字する番号印字手段と、
前記番号印字手段により印字された番号データを読み取る第2の読取手段と、
前記第2の読取手段に読み取られた番号データと前記収得した番号データとを照合する番号照合手段と、
を備えることを特徴とする固有番号付き葉書の包装印字管理システムであるであるので、シート束を包装した包装物(包装シート束)に包装不良が発生して搬送ラインから当該包装シート束を取り除いたとしても当該包装シートが印字位置に来た時に搬送ラインを停止させることなく、運転を継続することができ、作業性が改善される利点がある。また、順不同にシート束を搬送ラインに投入したとしてもシート束の最上面の番号を読み取り、包装紙に包装シート束の番号データを印字することができる利点がある。なお、包装単位のシート束とは、所定枚数の連続番号のシート束であり、シート束が抽選券付き葉書である場合、通常100枚や200枚又はそれらの倍数を一単位としており、無論、これらシート束の枚数は限定するものではない。また、シートは、葉書の他に宝くじ、商品券等が相当し、これらにおいても所定の包装単位が存在する。
【0015】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の固有番号付きシートの包装印字管理システムが、予め処理予定の番号データを記憶する処理予定番号データ記憶部を備え、前記番号照合手段による照合結果、前記第2の読取手段で読み取られた番号データが、前記第1の読取手段で読み取られた番号データと一致した場合、前記処理予定番号データ記憶部に蓄積された処理予定番号データから前記番号照合手段で照合した番号データを消去する消去手段とを備えることを特徴とする固有番号付きシートの包装印字管理システムであるので、処理予定のシート束の番号データが処理予定番号データ記憶部に記憶されており、番号照合手段の照合結果、一致した番号データを、処理予定番号データ記憶部の番号データから消去することによって、順不動にシート束を搬送ラインに投入したとしても処理予定番号データ記憶部の番号データが完全に消去されることによって、処理予定のシート束の包装・印字・検査の各工程が完了したことを知ることができるし、また、処理予定番号データ記憶部には、途中工程の未処理のシート束の番号データが記憶されており、処理予定番号データ記憶部の番号データの情報を表示したり、印字することができるので、未処理番号データを読み出すことができるし、また、消去された番号データも処理予定番号と対比することで容易に確認でき、現在の処理状況を容易に把握することができる利点がある。また、手作業で包装シート束の番号を確認する必要がなく、全てのシート束の包装・印字・検査の各工程を自動的に行うことができる。
【0016】
また、請求項3の発明は、前記第1の読取手段により読み取られた番号データに基づいて、シート束の最上面のシートを除くシート束の枚数を最上面の番号データに加算する演算手段を有し、該演算手段によって、包装単位のシート束の最下面の番号データを定めることを特徴とする請求項1又は2に記載の固有番号付きシートの包装印字管理システムであるので、シート束は定められた枚数を包装単位としており、シート束の最上面の番号データを読み取ることによって、シート束の最下面の番号を演算処理で求めることが可能であり、上記演算手段により算出されたシート束の最下面の番号を、シート束の最上面の番号データとともに包装紙に印字することができる利点がある。また、上記演算手段によれば、任意のシート枚数を包装単位に設定することも可能である。
【0017】
また、請求項4の発明は、前記第1の読取手段から前記番号要求手段の位置までのシート束の搬送位置を搬送ラインに連動して動作する計数手段により判定することを特徴とする請求項1,2又は3に記載の固有番号付きシートの包装印字管理システムであるので、搬送ラインと連動したエンコーダ等からのパルスを計数する計数手段が備えられ、計数手段はパルスを計数するカウンタであり、計数値は各番号データ毎に記憶され、計数値から包装したシート束が搬送ラインの何れの位置に搬送されているかを容易に把握することが可能であり、この計数値(所定の数値)と通過検出信号とに基づいて、番号印字手段により包装紙に番号を印字することが可能になる。
【0018】
また、請求項5の発明は、前記番号印字手段の前段に、前記包装シート束の通過検出を行い、所定タイミングで包装シート束の通過検出ができない場合、前記第1の記憶手段に番号データを要求することなく、次の包装したシート束を待ち受けることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の固有番号付きシートの包装印字管理システムであるので、搬送ラインの途中で包装不良のシート束を取り除いたとしても印字を空打ちしたりといった手作業による修正作業を行う必要がなく、自動的にシート束の包装、印字及び検査工程をすることができる利点がある。
【0019】
また、請求項6の発明は、前記処理予定番号データ記憶部から消去された番号データを前記消去手段により再び消去操作を行った場合、搬送ラインを停止する異常停止手段を備えることを特徴とする請求項2から6の何れかに記載の固有番号付きシートの包装印字管理システムであるので、同一番号が検出された場合、搬送ラインを停止して確認することが可能であり、同一番号が混入することがなく、包装処理の誤りを無くすことができる利点がある。
【0020】
また、請求項7の発明は、前記搬送ラインに順番に、前記第1の読取手段と前記番号要求手段と前記番号印字手段と前記第2の読取手段の各位置が定められ、該各位置に包装シート束の到来を検出する位置センサを設けたことを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の固有番号付きシートの包装印字管理システムであるので、シート束の搬送位置を計数手段と位置センサとで検出して包装処理が可能であり、位置センサにより通過検出信号を第1の読取手段、番号印字手段、及び第2の読取手段のトリガ(動作タイミング信号)として利用することによって、信頼性の高い包装作業が可能である利点がある。
【0021】
また、請求項8の発明は、前記シートが抽選番号付き葉書、宝くじ、商品券であることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の固有番号付きシートの包装印字管理システムであるので、抽選番号付き葉書、宝くじ、商品券等の連続番号が印刷されたシートを包装単位に包装し、その内容物の連続番号を包装紙等に印字し、これらの番号を確認しながら包装処理が行われるので、手作業による煩わしさが改善されるとともに、人手によるミスを低減できる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係る固有番号付きシートの包装印字管理システムの実施の形態について図面を参照し説明する。先ず、図面について説明すると、図1は、本発明に係る固有番号付きシートの包装印字管理システムの一実施形態を示すブロック図であり、図2はその機能ブロック図である。図3は年賀葉書の番号割り付け表である。図4は葉書束の搬送位置を検出し、番号を印字し印字した番号を検査する処理フローを示す図である。図4は本発明に係る固有番号付きシートの包装印字管理システムの他の実施形態を示すブロック図であり、図5はその機能ブロック図である。
【0023】
(実施形態1)
本実施形態は、固有番号付きシートの包装印字管理システムに関し、シートには、例えば年賀葉書、宝くじ、商品券等の固有の番号が印刷されており、本実施形態では、シートの一例として年賀葉書について説明する。年賀葉書には、抽選番号が印刷され、付き葉書を所定の印刷紙に所定の番号割り付け表に従って印刷する。年賀葉書の場合では、図3に示すように、一枚の印刷紙が横11列(a,b,〜,j,k)と縦5列(a,b,〜,d,e)の55面に割り付けられ、1面が葉書1枚であって、50面が同一組のA組であり、他のX組が5面が割り付けられている。同図の番号は6桁の抽選番号である。割り付けの一例とし、横a列,縦a列(以下、横縦(a,a)と記載する)の面には、抽選番号009,999〜000,000の1万枚が印刷され、横縦(a,b)の面には抽選番号019,999〜010,000の1万枚が印刷される。同図の例ではA組が000,000〜499,999の50万枚印刷され、さらに、同様のA組が500,000〜999,999の50万枚印刷され、合わせて100万枚が印刷される。また、図3の例では、X組は横縦(k,a)〜横縦(k,e)の000,000〜049,999の5万枚が印刷される。年賀葉書は、例えば連番で200枚を一束とし包装し、葉書束200枚を一包装単位とする。なお、包装単位は100枚、またその倍数としてもよい。また、葉書束を包装した包装紙には、その葉書束の組番と開始番号と連番最終番号とが、(A組番又はB組番、自000,000至000,000)のように印字され、開封することなく、包装された葉書束の番号が判るようになされている。
【0024】
本実施形態は、図1に示すように、葉書束を搬送する搬送ラインAを形成する無端ベルトによる搬送コンベア11と、搬送ラインの始段に、搬送コンベア11により搬送する葉書束の最上面の番号データをCCDカメラ12aにより撮影して読み取る読取検査装置(第1の読取手段)12と、搬送コンベア11の葉書束が読取検査装置12の位置に到来したことを検出し位置信号を出力する位置センサ12bと、読取検査装置12の後段に包装単位の葉書束を包装する包装装置(包装手段)13と、包装した葉書束(以下、包装葉書束と称する)が所定位置(後述の番号印字装置15の前段であり、番号データ要求位置14)に到来したことを検出する位置センサ14aと、包装葉書束が到来し、位置センサ15aの検出信号に基づいて、読取検査装置12で読み取られた番号データを包装葉書束に印字する番号印字装置(番号印字手段)15と、包装葉書束が到来し、位置センサ16bの検出信号に基づいて、番号印字装置15で包装葉書束に印字された番号データを読み取り、検査するCCDカメラ16aによる印字検査装置(第2の読取手段)16と、これら搬送ラインAの各工程を制御する葉書束包装制御装置17とが備えられている。
【0025】
搬送コンベア11には、所定の間隔で葉書束を載置する載置領域A〜A13が設けられ、各載置領域に対応して爪が設けられ、載置領域A〜A13は矢印Yで示した方向に順次移動する。搬送コンベア11にはコンベアを駆動する回転軸に連動するエンコーダ11aが設けられ、エンコーダ11aは回転軸の所定回転角で1パルスが発生し、このパルスが葉書束包装制御装置17に入力され、エンコーダ11aからのパルスを計数することによって、投入部の基点(位置センサ12bの位置)からの搬送位置を特定することができる。なお、年賀葉書の場合、組番号と6桁抽選番号とが付与されており、これらを2台のCCDカメラ12aで撮影して読み取る。無論、葉書に印刷された番号が一箇所であれば、CCDカメラは1台でもよい。また、番号印字装置15は、例えば、インクジェットプリンタ(IJP)が用いられる。
【0026】
また、読取検査装置(第1の読取手段)12の前段又は前工程の断裁時に小切れ検査機によりシート(葉書)の包装単位(包装枚数)が検査を通じて、上面の全番号の読み取り、番号の連続性、員数の確認が行われており、これらの検査工程と読取検査装置12とが連続して行われる場合は、この検査工程において、この包装単位の検出工程において、所定包装単位以外の葉書束が検出されたならば、搬送コンベア11の運転を停止することができる。なお、通常、包装単位は、葉書100枚、或いは200枚であり、これらの倍数の場合が多い。無論、指定した番号が読めない場合や読めない文字があった場合にも同様に搬送コンベア11の運転を停止させることができる。葉書束包装制御装置17には、このような異常を検出して搬送ラインを停止する異常検出手段が備えられている。さらに、読取検査装置12が、番号データの読み込みできない場合は、オペレータがキー操作による番号データを入力することができ、この番号データは、後述の葉書束包装制御装置17の内部又は外部記憶部に記憶される。
【0027】
葉書束包装制御装置17は、図2に示すように、搬送ラインAを制御する中央制御装置(CPU)であり、CCDカメラ12(12a,12b),16aと、光電センサ等による位置センサ12b,14a,15a,16bと、番号印字装置15と、エンコーダ11aが接続され、かつ読み取られた番号データを記憶する番号データ記憶部(第1の記憶手段)18が接続されている。無論、番号データ記憶部18は、葉書束包装制御装置17に内蔵したものであったり、外部接続したものであってもよい。
【0028】
葉書束包装制御装置17の機能としては、CCDカメラ12で読み取られた画像による番号データを読み取る番号データ読取手段17aと、エンコータ11aと位置センサ12a,14a,15a,16bとからの位置信号に基づいて、包装した葉書束の通過を検出し、検出信号を送出する通過検出手段17b(位置センサ12a,14a,15a,16bの位置に対応してそれぞれ通過検出を行う)と、位置センサ14aからの検出信号に基づいて、番号データ記憶部18に番号データを要求し取得する番号データ要求手段17cと、印字装置15に収得した番号データを送出して包装物(包装葉書束)に印字するための番号印字手段17dと、CCDカメラ16aによる画像から印字した番号データを読み取る番号データ読取手段17eと、番号データ読取手段17eで読み取られた番号データと番号データ要求手段17cが要求した番号データとの照合を行って、一致するか否かを判定する番号照合手段17fと、最下面番号演算手段17gとを備えている。なお、番号データ読取手段17aは番号をCCDカメラで撮影して得られる画像データから番号データを読み取ることができる。
【0029】
最下面番号演算手段17gは、包装物に印字する番号データを作成する機能を有し、番号データ読取手段17aが読み取る番号は葉書束の最上面の6桁抽選番号であり、葉書束の最下面の番号を読み取ることができないので、最下面の番号は所定枚数の葉書束の包装単位により定めることができ、包装単位が、例えば200枚であれば、最上面の番号が(000,000)であれば、最下面の番号は(000,199)となる。即ち、最下面番号演算手段17gは、葉書束の最上面の葉書を除く葉書束(包装単位)の枚数を最上面の番号データに加算する演算手段であり、最下面の番号データは、最上面の番号データと包装単位から最下面の番号データを算出することができ、(最上面番号+包装単位枚数−1)の演算式で求めることができる。
【0030】
次に、本実施形態の番号検査の処理動作について、図1,図2及び図4を参照し説明する。本実施形態は、所定枚数、例えば200枚を包装単位とする葉書束が所定の間隔で搬送コンベア11に投入されて搬送され、包装・印字・検査の各工程が実施されている。葉書は一例とし年賀葉書とする。年賀葉書には組番号と6桁抽選番号が印刷されており、投入される葉書束は、最上面の葉書の6桁抽選番号が最も若い番号であり、最下面の葉書の6桁抽選番号が最も古い番号となっている。先ず、搬送コンベア11の所定の載置位置に葉書束が載置されてY矢印方向に1ステージ毎に移動し、位置センサ12bが読取検査装置(第1の読取手段)12の位置で載置された葉書束を検出し、位置センサ12bが位置信号を出力し、この位置信号に基づいて、その位置を通過する葉書束の最上面の番号をCCDカメラ12a,12bのシャッターを切り、番号を画像データとして葉書束包装制御装置17に取り込み、この画像データから番号データを読み取って、番号データ記憶部18に記憶エリアに格納する。2台のCCDカメラ12aは年賀葉書の組番と連番6桁抽選番号とをそれぞれ撮影して番号データを読み取る。番号データ記憶部18の記憶エリアには、包装単位の葉書束に対応して、組番号と連番6桁抽選番号の番号データとを記憶する記憶部が作成される。なお、上記位置センサ12bは、発光素子と受光素子とからなる光電センサである。
【0031】
読取検査装置12を通過した葉書束は、搬送コンベア11により包装装置(包装手段)13に搬送されて葉書束が包装され、包装葉書束が後段へと搬送される。さらに、その後段には、搬送コンベア11の載置領域A〜A10で示す搬送部分があり、この搬送領域では包装不良が発生した場合、包装不良の葉書束が取り除くことができる作業領域が設けられており、包装不良が搬送コンベア11から取り除かれた場合、載置領域A〜A10の何れかが空の状態で次工程へと搬送されることになる。
【0032】
搬送コンベア11の載置領域Aには、載置領域Aに包装葉書束の通過を検出する位置センサ14aが設けられている。位置センサ14aは、発光素子と受光素子とからなる光電センサであり、発光素子からの光が包装葉書束(包装物)に照射され、その反射光を受光素子で検出することによって、番号データ要求位置14における包装葉書束の通過を検出することができる。
【0033】
一方、葉書束が読取検査装置12を通過した際に、組番と、組番の下位レベルに6桁の番号データとが番号データ記憶部(第1の記憶手段)18の記憶部に記憶されていると同時に、エンコータ11aのパルスと位置センサ12bの検出信号とに基づいて、通過検出手段17bによる通過検出信号により、カウンタが計数を開始し、番号データ要求位置14(搬送コンベア11の載置領域Aの位置)にて、カウンタの計数値が所定計数値T1に達し、包装葉書束が番号データ要求位置14に到来したことを示すタイミング信号が出力される。かつ、位置センサ14aが作動して位置信号を出力する。なお、計数値は、各番号データを記憶する記憶エリアに記憶され、搬送コンベア11のステップ毎に計数値が加算され、このカウンタの計数値によって、搬送位置を特定することができる。
【0034】
続いて、番号データ要求位置14以降の動作について、図4の処理フローを参照して説明する。番号データ要求位置14にて、位置センサ14aによる位置信号とエンコーダ11aによるタイミング信号とによる包装葉書束の通過検出を行う(ステップS1)。ステップS1において、搬送コンベア11に載置された包装葉書束が番号データ要求位置14を通過して通過検出手段17bが通過検出信号を送出し、ステップS2に進み、番号データ記憶部(第1の記憶手段)18に所定包装葉書束の番号データを番号データ要求手段17cにより要求し取得し、ステップS3に進む。また、ステップS1において、所定のタイミングで包装葉書束が番号データ要求位置14を通過しない場合、即ち、通過検出手段17bが通過検出信号を送出しない場合、ステップS3に進む。
【0035】
ステップS3では、エンコーダ11aのパルスを計数して、番号データ記憶部18の記憶部の計数値が所定計数値T2に達すると、タイミング信号を出力するとともに、位置センサ15aが包装葉書束の通過を検出し、通過検出手段17bが通過検出信号を送出し、ステップS4に進み、収得した番号データを番号印字装置(番号印字手段)15により包装紙に印字し、ステップS5に進む。また、ステップS3において、所定のタイミングで包装葉書束の通過検出ができない場合、ステップS5に進む。
【0036】
ステップS5では、エンコーダ11aのパルスを計数し、番号データ記憶部18の記憶部のカウンタの計数値が所定計数値T3に達すると、タイミング信号を出力するとともに、位置センサ15aが包装葉書束の通過を検出し、通過検出手段17bが通過検出信号を出力し、ステップS6に進み、通過検出信号をトリガとし、包装葉書束に印字された番号データをCCDカメラ(第2の読取手段)16aで撮影し画像データから番号データを読み取り、ステップS7に進む。また、位置センサ15aが包装葉書束の通過検出できない場合、終了する。
【0037】
ステップS7では、CCDカメラ16aで読み取られた番号データと、ステップS2で収得した番号データとが番号照合手段17fにより照合され、一致しているか否かが判定される。番号データが一致している場合は終了する。一致していない場合は、何らかの異常が発生したものとしてステップS8に進み、異常検出手段により搬送ラインAの運転を停止する。
【0038】
以上のような包装・印字・検査の各工程を経て、包装単位の葉書束を包装し、包装葉書束の包装紙に番号データを印字し、その印字した番号データが葉書束の番号データと一致するか否かを検査し、その後、包装物を次工程の梱包工程へと搬出する。
【0039】
なお、ステップS4の印字工程では、抽選番号の組番とともに、上記説明した最下面番号算出手段17gにより算出された最下面番号が最上面番号とともに印字される。
【0040】
本実施形態は、番号印字装置15の1つ前の番号データ要求位置14にて包装葉書束の有無を検出し、包装葉書束が到来したときのみ番号データの要求を行うようになされており、包装葉書束が到来しない場合、番号データの要求及び収得が行われないので、番号印字装置15が動作することがなく、人手による空打ちといった作業を行う必要がない。また、投入された葉書束の番号を読み出して印字し、照合するようになされているので、葉書束を順不同に搬送ラインに投入したとしても支障なく処理することができるし、搬送過程で不良包装物を取り除いたとしても搬送ラインAを停止することなく、運転することができる。
【0041】
また、本実施形態には、搬送ラインAと同様の搬送ラインBを併設して生産性を高めることも可能であり、搬送ラインAと搬送ラインBとに同一組番号の葉書束が包装処理されることがあり、また双方の作業終了時に各々の照合の終わった番号データを重ね合わせ照合することにより、全数処理が終わったか、重複番号、未処理番号がないかどうかを確認することができる。例えば、搬送ラインAと搬送ラインBの各葉書束包装制御装置17,19が相互に番号データ情報を共有するようにし、同一組番号内の連番6桁抽選番号の番号データが重複して存在しないかを監視することができるし、重複して存在した場合は搬送ラインを停止することが可能である。さらに、出荷地域別に製品が異なる場合に、組番と6桁抽選番号の番号範囲をあらかじめ設定してから消し込みを行うことで、他地域担当分の混入がないか否かを管理することも可能である。
【0042】
(実施形態2)
次に、本発明の他実施形態について図5,図6を参照して説明する。本実施形態は、上記実施形態に処理予定番号データ記憶部(第2の記憶手段)20が設けられており、他の構成は上記実施形態と同様の構成であるので、詳細な説明は省略する。処理予定番号データ記憶部20は、予め葉書束を包装する全ての葉書の番号データを記憶する記憶領域であり、上記番号照合手段17fにより番号データを照合し一致した場合、番号消去手段17hにより、処理予定番号データ記憶部20の番号データから照合の終わった番号データを消去するようにしている。このように照合が完了した葉書束の番号データを消去して予定の検査が完了すると、処理予定番号データ記憶部20の番号データが全て消去され、確実に包装・印字・検査の各工程が完了したことを把握することができる。
【0043】
無論、処理予定番号データ記憶部20は、照合した結果、一致した番号が消去されるが、別の記憶領域には、処理予定の葉書の全ての組番号と連番6桁の全て記憶されており、このデータを利用し、消去された番号と比較することによって、処理完了状況や未処理データが把握され、現在の処理状況を把握することができる。これらの状況を印字したり、表示することができることは言うまでもない。
【0044】
一方、番号消去手段17hによる照合が完了し、番号消去手段17hにより、処理予定番号データ記憶部20の番号データを消去する際、既に消去されているか、又は処理対象以外の番号データである場合、葉書束の包装及び番号データの印字等に異常が発生したものとして搬送ラインの運転を停止する異常検出手段を備えている。また、番号データ読取手段17aにて、包装単位以外の葉書束が検出された場合も、この異常検出手段を作動させて、搬送ラインを停止させることができる。
【0045】
また、葉書束包装制御装置17又は19は、処理予定番号データ記憶部20の現在の処理状況として未処理番号の一覧をプリンタで印字したり、ディスプレイに表示することができる。搬送ラインが複数あり、葉書束包装制御装置が互いに接続され、各ラインの処理情報を共有し、番号の重複を防止したり、未処理、通数を表示したり、プリントすることができる。
【0046】
また、位置センサ14aが設置された位置の搬送コンベア11の載置領域に包装葉書束が存在しない場合、番号データ要求手段17cは番号データ記憶部18に対して番号データの要求を行わないので、その後段の番号印字装置15が作動することがなく、空打ちといった手作業を行う必要がない。従って、本実施形態では、順不同に搬送ラインに投入しても処理することができ、作業性が極めて良好なものとなる。
【0047】
また、本実施形態では、第1の読取手段で番号データを読み取った際に、それぞれの番号データに対応した記憶領域が開かれ、この記憶領域に、番号データ、搬送コンベアの回転軸の回転角に対応したステップ毎のカウント数、処理時間、不良事項等が記憶されており、途中で運転を中止して、再び運転を開始したとしても、処理データが記憶部に格納されており、引き続き運転を開始しても、この記憶部に処理情報を追加して格納して処理することができる。
【0048】
また、葉書束を包装し、包装物に番号データの印字が完了すると、包装葉書束が段積みされるが、この記憶領域に格納さられた処理時間情報からどの位置に包装葉書束が存在するかを容易に探し出すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の活用例としては、年賀葉書、カモメール等の抽選番号付き葉書を所定枚数(包装単位)を束にし、包装し、包装した葉書束の番号情報を包装紙やラベルに印字し、印字した番号情報を検査して梱包工程へと搬出する処理工程に利用され、抽選番号付き葉書以外には、宝くじ、商品券等の包装印字管理用の固有番号付きシートの包装印字管理システムとして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る固有番号付きシートの包装印字管理システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の機能ブロック図である。
【図3】年賀葉書の番号割り付け表を示す図である。
【図4】本実施形態の葉書束の搬送位置を検出し、番号を印字し印字した番号を検査する処理フローを示す図である。
【図5】本発明に係る固有番号付きシートの包装印字管理システムの他の実施形態を示すブロック図であり、
【図6】他の実施形態の機能ブロック図である。
【図7】従来の抽選番号付き葉書の包装印字管理システムのブロック図である。
【符号の説明】
【0051】
11 搬送コンベア
11a エンコーダ
12 読取検査装置(第1の読取手段)
12a,16a CCDカメラ
12b,14a,15a,16b 位置センサ
13 包装装置(包装手段)
14 番号データ要求位置
15 番号印字装置(番号印字手段)
16 印字検査装置(第2の読取手段)
17,19 葉書束包装制御装置
17a 番号データ読取手段
17b 通過検出手段
17c 番号データ要求手段
17d 番号印字手段
17e 番号データ読取手段
17f 番号照合手段
17g 最下面番号演算手段
18 番号データ記憶部(第1の記憶手段)
20 処理予定番号データ記憶部(第2の記憶手段)
〜A13 載置領域
A,B 搬送ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固有番号付きシート束を搬送ラインに投入して包装し印字する固有番号付きシート束の包装印字管理システムにおいて、
前記搬送ラインに投入した包装単位のシート束の最上面の番号を読み取る第1の読取手段と、
前記第1の読取手段により読み取られた番号データを記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の読取手段から搬送される包装単位のシート束を包装して包装シート束とする包装手段と、
前記包装葉書束の到来を検出し、前記第1の記憶手段に記憶した前記シート束に対応する番号データを要求し収得する番号要求手段と、
前記包装シート束の到来を検出し、前記番号要求手段により収得した番号データを該包装シート束に印字する番号印字手段と、
前記番号印字手段により印字された番号データを読み取る第2の読取手段と、
前記第2の読取手段に読み取られた番号データと前記収得した番号データとを照合する番号照合手段と、
を備えることを特徴とする固有番号付き葉書の包装印字管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の固有番号付きシートの包装印字管理システムが、予め処理予定の番号データを記憶する処理予定番号データ記憶部を備え、前記番号照合手段による照合結果、前記第2の読取手段で読み取られた番号データが、前記第1の読取手段で読み取られた番号データと一致した場合、前記処理予定番号データ記憶部に蓄積された処理予定番号データから前記番号照合手段で照合した番号データを消去する消去手段とを備えることを特徴とする固有番号付きシートの包装印字管理システム。
【請求項3】
前記第1の読取手段により読み取られた番号データに基づいて、シート束の最上面のシートを除くシート束の枚数を最上面の番号データに加算する演算手段を有し、該演算手段によって、包装単位のシート束の最下面の番号データを定めることを特徴とする請求項1又は2に記載の固有番号付きシートの包装印字管理システム。
【請求項4】
前記第1の読取手段から前記番号要求手段の位置までのシート束の搬送位置を搬送ラインに連動して動作する計数手段により判定することを特徴とする請求項1,2又は3に記載の固有番号付きシートの包装印字管理システム。
【請求項5】
前記番号印字手段の前段に、前記包装シート束の通過検出を行い、所定タイミングで包装シート束の通過検出ができない場合、前記第1の記憶手段に番号データを要求することなく、次の包装したシート束を待ち受けることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の固有番号付きシートの包装印字管理システム。
【請求項6】
前記処理予定番号データ記憶部から消去された番号データを前記消去手段により再び消去操作を行った場合、搬送ラインを停止する異常停止手段を備えることを特徴とする請求項2から6の何れかに記載の固有番号付きシートの包装印字管理システム。
【請求項7】
前記搬送ラインに順番に、前記第1の読取手段と前記番号要求手段と前記番号印字手段と前記第2の読取手段の各位置が定められ、該各位置に包装シート束の到来を検出する位置センサを設けたことを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の固有番号付きシートの包装印字管理システム。
【請求項8】
前記シートが抽選番号付き葉書、宝くじ、商品券であることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の固有番号付きシートの包装印字管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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