説明

固気分離兼計量装置

【課題】固気分離した粉粒体を精度よく計量することのできる、固気分離兼計量装置を提供すること。
【解決手段】気体中の粉粒体を固気分離し、固気分離した粉粒体を計量する固気分離兼計量装置1であって、サイクロン装置2、サイクロン装置2が設けられ、固気分離された粉粒体を受け入れるためのホッパ3、ホッパ3を計量するためのロードセル4、サイクロン装置2の入口側および出口側に接続される入口側フレキシブルチューブ5および出口側フレキシブルチューブ6を備え、出口側フレキシブルチューブ6を、入口側フレキシブルチューブ5に対してサイクロン装置2を挟むように配置し、それらを上下方向において略同一位置に配置し、入口側フレキシブルチューブ5が延びる方向D1に沿って固気分離装置を投影したときに、その投影面内に出口側フレキシブルチューブ6の上流側端部を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固気分離兼計量装置、詳しくは、気体中の粉粒体を固気分離し、計量する固気分離兼計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、気体中の粉粒体を固気分離し、計量する固気分離兼計量装置が知られている。
例えば、可撓性材料から形成される輸送パイプおよび吸引パイプが接続され、内部に濾材が設けられ、鉛直方向に延びる円筒形状のホッパにおいて、吸引パイプの下流端に接続される吸引装置の駆動によって、粉粒体を含む気体を、輸送パイプから吸い込みながら、濾材により粉粒体を固気分離し、その後、粉粒体が受け入れられたホッパをホッパの下方に設けられる計量機により計量することにより、ホッパ内の粉粒体を計量することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、特許文献1の装置では、吸引パイプが、ホッパの上端に接続され、輸送パイプが、ホッパの上下方向途中に接続されている。さらに、輸送パイプは、ホッパの外周において接線方向に接続され、吸引パイプは、ホッパの中心において径方向に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭49−5796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、特許文献1の装置では、吸引装置を駆動させて、それに連通する輸送パイプおよび吸引パイプの内部空間が減圧されると、輸送パイプおよび吸引パイプは、可撓性材料から形成されていることから、ともに収縮する。
すると、輸送パイプおよび吸引パイプの鉛直方向の位置が異なるため、ホッパは、それらの収縮に伴って、ホッパの鉛直方向の位置が変位する場合がある。
【0006】
さらに、輸送パイプは、ホッパの外周において接線方向に沿って接続され、吸引パイプは、ホッパの中心において径方向に接続されているため、ホッパは、それらの収縮に伴って、水平方向の位置が変位する場合がある。
その結果、ホッパの鉛直方向および水平方向の位置が不安定となり、ホッパを精度よく計量できず、さらには、固気分離した粉粒体を精度よく計量することができない場合がある。
【0007】
本発明の目的は、固気分離した粉粒体を精度よく計量することのできる、固気分離兼計量装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の粉粒体兼計量装置は、気体中の粉粒体を固気分離し、固気分離した粉粒体を計量する固気分離兼計量装置であって、気体中の粉粒体を固気分離するための固気分離装置、前記固気分離装置が設けられ、それによって固気分離された粉粒体を受け入れるためのホッパ、前記ホッパを計量するためのロードセル、前記固気分離装置の入口側に接続される入口側フレキシブルチューブ、および、前記固気分離装置の出口側に接続される出口側フレキシブルチューブを備え、前記出口側フレキシブルチューブは、前記入口側フレキシブルチューブに対して前記固気分離装置を挟むように配置され、前記入口側フレキシブルチューブと前記出口側フレキシブルチューブとは、上下方向において略同一位置に配置され、前記入口側フレキシブルチューブが延びる方向に沿って前記固気分離装置を投影したときに、その投影面内に前記出口側フレキシブルチューブの上流側端部が配置されていることを特徴としている。
【0009】
固気分離兼計量装置では、出口側フレキシブルチューブに接続される吸引装置、または、入口側フレキシブルチューブに接続される送風装置を設けて、吸引装置または送風装置を駆動させた場合には、出口側フレキシブルチューブおよび入口側フレキシブルチューブが収縮または伸長しようする。
そして、本発明の固気分離兼計量装置では、出口側フレキシブルチューブは、入口側フレキシブルチューブに対して固気分離装置を挟むように配置され、入口側フレキシブルチューブと出口側フレキシブルチューブとが上下方向において略同一位置に配置されている。そのため、収縮または伸縮により出口側フレキシブルチューブがホッパに与える応力と、収縮または伸縮により入口側フレキシブルチューブがホッパに与える応力とが、鉛直方向で同じ位置において作用されて、互いに打ち消される。
【0010】
その結果、ホッパの鉛直方向の位置を安定して確保することができる。
また、入口側フレキシブルチューブが延びる方向に沿って固気分離装置に投影したときに、その投影面内に出口側フレキシブルチューブの上流側端部が配置されている。そのため、上記した吸引装置または送風装置の駆動により、入口側フレキシブルチューブと出口側フレキシブルチューブとは、ともに収縮または伸長しても、それにより、出口側フレキシブルチューブがホッパに与える応力と、入口側フレキシブルチューブがホッパに与える応力とが、水平方向において互いに打ち消される。
【0011】
その結果、ホッパの水平方向の位置を安定して確保することできる。
従って、ホッパの鉛直方向および水平方向の位置を安定して確保することができ、これにより、固気分離した粉粒体を精度よく計量することができる。
また、本発明の固気分離兼計量装置では、前記入口側フレキシブルチューブが延びる方向と、前記出口側フレキシブルチューブが延びる方向とが、略平行であることが好適である。
【0012】
この固気分離兼計量装置では、入口側フレキシブルチューブの伸縮方向と、出口側フレキシブルチューブの伸縮方向とは、略平行である。そのため、それらに基づく応力は、互いに確実に打ち消される。
そのため、ホッパの水平方向の位置をより一層安定して確保することできる。
また、本発明の固気分離兼計量装置では、前記入口側フレキシブルチューブの長さと、前記出口側フレキシブルチューブの長さとは、略同一であること好適である。
【0013】
この固気分離兼計量装置では、吸引装置または送風装置の駆動により、入口側フレキシブルチューブと出口側フレキシブルチューブとが収縮または伸長しても、それらの長さが略同一であるため、それらの収縮の範囲または伸長の範囲が略同一である。そのため、収縮または伸長により入口側フレキシブルチューブがホッパに与える応力と、収縮または伸長により出口側フレキシブルチューブがホッパに与える応力とは、略同一の大きさとなり、それらは確実に打ち消される。
【0014】
その結果、ホッパの水平方向および鉛直方向の位置をより一層安定して確保することできる。
また、本発明の固気分離兼計量装置では、前記ロードセルを介して前記ホッパを支持する支持台を備え、前記入口側フレキシブルチューブの搬送方向上流側端部と、前記出口側フレキシブルチューブの搬送方向下流側端部とが、前記支持台に支持されていること好適である。
【0015】
この固気分離兼計量装置において、入口側フレキシブルチューブと、出口側フレキシブルチューブと、ホッパとが、同じ支持台に支持されている。そのため、入口側フレキシブルチューブと出口側フレキシブルチューブとホッパとの相対配置を精度よく確保することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の固気分離兼計量装置によれば、ホッパの鉛直方向および水平方向の位置を安定して確保することができ、これにより、固気分離した粉粒体を精度よく計量することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の固気分離兼計量装置の一実施形態の側面図である。
【図2】図1に示す固気分離兼計量装置の平面図である。
【図3】本発明の固気分離兼計量装置の他の実施形態(出口側フレキシブルチューブがサイクロン装置の接線方向に沿って配置される態様)の平面図である。
【図4】本発明の固気分離兼計量装置の他の実施形態(入口側フレキシブルチューブと出口側フレキシブルチューブとが同一直線上に配置される態様)の平面図である。
【図5】本発明の固気分離兼計量装置の他の実施形態(入口側フレキシブルチューブと出口側フレキシブルチューブとの軸線が交差する態様)の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の固気分離兼計量装置の一実施形態の側面図、図2は、図1に示す固気分離兼計量装置の平面図である。
なお、以下の説明において、空気および粉粒体(例えば、ペレットなど。)の搬送方向上流側および搬送方向下流側を、単に「上流側」および「下流側」という。
図1および図2において、この固気分離兼計量装置1は、気体中の粉粒体を固気分離し、固気分離した粉粒体を計量する固気分離兼計量装置である。
【0019】
この固気分離兼計量装置1は、固気分離装置としてのサイクロン装置2、サイクロン装置2が設けられるホッパ3、ホッパ3を計量するためのロードセル4、サイクロン装置2の入口側(空気および粉粒体の搬送方向上流側)に接続される入口側フレキシブルチューブ5、および、サイクロン装置2の出口側(空気および粉粒体の搬送方向下流側)に接続される出口側フレキシブルチューブ6を備えている。
【0020】
サイクロン装置2は、気体中の粉粒体を固気分離する。サイクロン装置2は、固気分離兼計量装置1の上部で、平面視略中央に設けられ、鉛直方向に延びる略円筒形状をなしている。
サイクロン装置2は、鉛直方向に延びる略円筒形状の第1本体部10と、第1本体部10の上端部を閉鎖する第1蓋部11と、第1本体部10の側面に接続される第1接続管7と、第1蓋部11の上面に接続される第2接続管8と、第1本体部10の側面に設けられる第3接続管9とを備えている。
【0021】
第1本体部10は、例えば、ステンレスや鉄鋼などの剛性材料から形成されている。また、第1本体部10は、鉛直方向に軸線Xを有する略円筒形状に形成されている。
第1蓋部11は、例えば、上記と同様の剛性材料から形成されている。また、第1蓋部11は、平面視略円板形状に形成されている。
第1接続管7は、例えば、上記と同様の剛性材料から形成されている。第1接続管7は、第1本体部10の上下方向途中(中央)において、水平方向に延びており、より具体的には、第1接続管7が第1本体部10の接線方向D3に沿うように、第1接続管7の下流側端部が第1本体部10の側面と接続されている。また、第1接続管7の上流側端部は、後述する入口側フレキシブルチューブ5と接続される。
【0022】
第2接続管8は、例えば、シリコーン樹脂などの可撓性材料から形成されている。
第2接続管8の上流側端部は、第1蓋部11の中央に接続されており、これにより、第2接続管8は、第1本体部10に連通している。また、第2接続管8の下流側端部は、次に述べる第3接続管9と接続される。
また、第2接続管8は、搬送方向途中部において、第1蓋部11の上方および第1本体部10の側方において、それらと間隔を隔てて迂回するように、側面視および平面視略U字形状に形成されている。
【0023】
第3接続管9は、例えば、上記した剛性材料から形成されている。第3接続管9は、3つの口部が形成されるT字管であって、上記した口部うちの1つの口部が第1本体部10に固定されている。
すなわち、第3接続管9には、互いに対向配置される第1口部29および第3口部31と、第1口部29および第3口部31の間の直管部(分岐点)からT字状に分岐する分岐管の端部に設けられる第2口部30とが形成されている。
【0024】
そして、第2口部30は、第2接続管8の下流側端部と接続される。また、第1口部29は、後述する出口側フレキシブルチューブ6の上流側端部と接続される。
一方、第3口部31は、第1本体部10の外側面に固定される固定端部とされ、第1本体部10の外側面によって閉鎖される。
また、第3接続管9において、第1口部29および第3口部31の対向方向D4は、第1本体部10の径方向に沿い(つまり、第1本体部10の軸線Xに向かい)、かつ、第1接続管7が第1本体部10に接続する接線方向D3と略平行している。
【0025】
さらに、第1接続管7と第3接続管9とは、上記した第1接続管7が第1本体部10に接続する接線方向D3に直交する方向に投影したときには、第1本体部10の軸線Xを挟むように配置されている。つまり、第1接続管7と第3接続管9とは、第1接続管7の第1本体部10に対する接線方向D3における、第1本体部10の軸線Xの両側に配置されている。
【0026】
ホッパ3は、サイクロン装置2によって固気分離された粉粒体を受け入れる。ホッパ3は、サイクロン装置2の下部に設けられている。また、ホッパ3は、鉛直方向に投影したときに、サイクロン装置2を含んでいる。ホッパ3は、第2本体部22と、第2蓋部23と、アーム部25と、エアバイブレータ14と、排出部24とを備えている。
第2本体部22は、例えば、上記と同様の剛性材料から形成されている。第2本体部22は、第1本体部10の軸線Xを共有しており、上部分が、円筒形状に形成され、上部分の下端部に連続する下部分が、上側から下側へ向かうに従って次第に縮径される略円錐筒形状に形成されている。
【0027】
第2蓋部23は、平面視略円環板形状に形成されており、第2本体部22の上端部を閉鎖している。また、第2蓋部23の内周には、上記した第1本体部10の下端部が接続されている。これにより、第1本体部10と第2本体部22とは、互いに連通している。
アーム部25は、第2本体部22の上部分の上端部の外側面に設けられており、第2本体部22の周方向に等間隔を隔てて複数(3本)設けられている。各アーム部25は、水平方向に延びており、具体的には、第2本体部22の上部分の外側面から径方向外側に向かって延びる、平面視略矩形状に形成されている。
【0028】
エアバイブレータ14は、第2本体部22の下部分に設けられ、具体的には、第2本体部22の下部分の外側面に固定されている。
排出部24は、第2本体部22の下側に設けられている。排出部24は、排出部24の上部に設けられる第1排出弁26と、第1排出弁26の下側に設けられる排出シュート27と、排出シュート27の下側に設けられる第2排出弁28とを備えている。
【0029】
排出シュート27は、鉛直方向に延びる略円筒形状に形成されており、排出シュート27の上端部が、第1排出弁26に接続され、排出シュート27の下端部が、第2排出弁28に接続されている。排出シュート27は、第1排出弁26を介して第2本体部22の下部分の下端部に接続されている。
第2排出弁28の下流側には、例えば、成形機などの他の処理装置(図示せず)が接続される。
【0030】
ロードセル4は、アーム部25と、枠部18(後述)および橋部32(後述)との間に複数設けられており、各ロードセル4は、各アーム部25の下面と接触するようにそれぞれ配置されている。
入口側フレキシブルチューブ5は、可撓性を有するフレキシブルチューブである。入口側フレキシブルチューブ5としては、固気分離兼計量装置1の処理容量やスケールなどによって適宜選択され、例えば、直管を、その軸線に沿う方向の断面視で波(蛇腹)形状に成形加工されたものなどが用いられる。なお、入口側フレキシブルチューブ5を形成する材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレスなどが用いられる。
【0031】
より具体的には、入口側フレキシブルチューブ5は、入口側フレキシブルチューブ5が延びる方向D1(図1における左右方向、図2における水平方向。)に伸縮自在である。詳しくは、入口側フレキシブルチューブ5は、後述する吸引ブロワ(図示せず)の駆動に起因する入口側フレキシブルチューブ5の内部空間の減圧によって、入口側フレキシブルチューブ5が延びる方向D1に収縮自在である。
【0032】
入口側フレキシブルチューブ5は、水平方向に沿って直線状に延びるように配置されている。また、入口側フレキシブルチューブ5の下流側端部は、第1接続管7に接続されている。これにより、入口側フレキシブルチューブ5は、第1本体部10に第1接続管7を介して連通している。
また、入口側フレキシブルチューブ5は、平面視および側面視において、第1接続管7と同一直線上に配置されている。これによって、入口側フレキシブルチューブ5は、サイクロン装置2に対して接線方向に延びるように配置される。
【0033】
また、入口側フレキシブルチューブ5の寸法は、固気分離兼計量装置1の処理容量やスケールなどによって適宜選択される。
また、入口側フレキシブルチューブ5の上流側端部には、第4接続管20の下流側端部が接続されている。
第4接続管20は、例えば、上記と同様の剛性材料から形成されている。また、第4接続管20の上流側端部には、粉粒体が貯蔵された図示しない貯蔵タンクが接続される。
【0034】
出口側フレキシブルチューブ6は、可撓性を有するフレキシブルチューブである。出口側フレキシブルチューブ6としては、固気分離兼計量装置1の処理容量やスケールなどによって適宜選択され、例えば、直管を、その軸線に沿う方向の断面視で波(蛇腹)形状に成形加工されたものなどが用いられる。なお、出口側フレキシブルチューブ6を形成する材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレスなどが用いられる。
【0035】
出口側フレキシブルチューブ6は、出口側フレキシブルチューブ6が延びる方向D2(図1における左右方向、図2における水平方向。)に伸縮自在である。詳しくは、出口側フレキシブルチューブ6は、後述する吸引ブロワ(図示せず)の駆動に起因する出口側フレキシブルチューブ6の内部空間の減圧によって、出口側フレキシブルチューブ6が延びる方向D2に収縮自在である。
【0036】
また、出口側フレキシブルチューブ6は、水平方向に沿って直線状に延びるように配置されている。出口側フレキシブルチューブ6の上流側端部は、第3接続管9の第1口部29に接続されている。これにより、出口側フレキシブルチューブ6は、第1本体部10に第3接続管9および第2接続管8を介して連通している。
これにより、出口側フレキシブルチューブ6では、入口側フレキシブルチューブ5が延びる方向D1に沿ってサイクロン装置2を投影したときに、その投影面内に出口側フレキシブルチューブ6の上流側端部が配置されている。
【0037】
また、出口側フレキシブルチューブ6は、第3接続管9の第1口部29および第3口部31の対向方向D4に沿う直線と、平面視および側面視において、同一直線上に配置されている。これによって、出口側フレキシブルチューブ6は、サイクロン装置2に対して径方向に延びるように配置される。
そして、入口側フレキシブルチューブ5と出口側フレキシブルチューブ6とは、上下方向(鉛直方向)において略同一位置に配置されているとともに、入口側フレキシブルチューブ5が延びる方向D1と、出口側フレキシブルチューブ6が延びる方向D2とは、略平行である。
【0038】
また、出口側フレキシブルチューブ6と入口側フレキシブルチューブ5とは、水平方向(出口側フレキシブルチューブ6が延びる方向D2)において、サイクロン装置2(と第1接続管7、第2接続管8および第3接続管9と)を挟むように配置されている。
出口側フレキシブルチューブ6の寸法は、固気分離兼計量装置1の処理容量やスケールなどによって適宜選択され、例えば、内径が、入口側フレキシブルチューブ5の内径と略同一である。また、出口側フレキシブルチューブ6の長さL2は、入口側フレキシブルチューブ5の長さL1と略同一である。
【0039】
また、出口側フレキシブルチューブ6の下流側端部には、第5接続管21の上流側端部が接続されている。
第5接続管21は、例えば、上記と同様の剛性材料から形成されている。また、第5接続管21の下流側端部には、吸引ブロワなどの図示しない吸引装置が接続される。
また、この固気分離兼計量装置1は、ホッパ3を支持するための支持台15をさらに備えている。
【0040】
支持台15は、例えば、上記と同様の剛性材料から形成されている。支持台15は、平面視において、サイクロン装置2の周囲に設けられている。より具体的には、支持台15は、サイクロン装置2を囲む平面視略矩形枠形状に形成されている。支持台15は、下支持部16と、下支持部16の上部に設けられる上支持部17とを一体的に備えている。
下支持部16は、平面視略矩形枠形状の枠部18と、枠部18の下側に設けられる脚部33と、枠部18に架設される橋部32とを一体的に備えている。
【0041】
枠部18は、入口側フレキシブルチューブ5が延びる方向D1(出口側フレキシブルチューブ6が延びる方向D2)と平行して、互いに平行して対向配置される2本の第1枠部18aと、2本の第1枠部18aの長手方向両端部間を連結して、互いに平行して対向配置される2本の第2枠部18bとを一体的に備えている。
一方の第1枠部18a(図2の紙面下側)の上側には、その長手方向中央において、アーム部25が対向配置されており、その対向部分には、スペーサ36を介してロードセル4が設けられている。
【0042】
脚部33は、枠部18の四隅から下垂し、脚部33の下端部が、仮想線で示すベース35の上面に固定されている。
橋部32は、互いに直交する2つの枠部18の内側(サイクロン装置2側)に、それらに対して傾斜するように2本架設されている。詳しくは、2本の橋部32のうち、一方の橋部32は、他方の第1枠部18aと一方の第2枠部18bとの間に架設され、他方の橋部32は、他方の第1枠部18aと他方の第2枠部18bとの間に架設されている。
【0043】
各橋部32の上側には、その長手方向中央において、アーム部25が対向配置されており、その対向部分には、スペーサ36を介してロードセル4がそれぞれ設けられている。
各ロードセル4(第1枠部18aの上側に配置される1台のロードセル4aおよび橋部32の上側に配置される2台のロードセル4b)は、上下方向において略同一位置に配置されている。また、橋部32の上側に配置される2台のロードセル4bは、平面視において、第1枠部18aの上側に配置されるロードセル4aとサイクロン装置2の軸線Xとを通過する直線SLを中心とする線対称で配置されている。
【0044】
そして、下支持部16において、第1枠部18aおよび橋部32の上側に配置されるロードセル4に、それらに対向配置されるアーム部25の下面が接触する。これによって、ロードセル4は、ホッパ3を計量することができる。また、下支持部16の第1枠部18aおよび橋部32は、ロードセル4を介して、ホッパ3を支持する。
上支持部17は、2つの第2枠部18bに対応して複数(2つ)設けられる、第1の上支持部17aおよび第2の上支持部17bを備えている。第1の上支持部17aおよび第2の上支持部17bは、各第2枠部18bの上面に設けられており、第2枠部18bの上面から上方に延びる杆状に形成されている。
【0045】
第1の上支持部17aは、一方の第2枠部18bにおける長手方向略中央よりやや長手方向一方側にずれて配置されている。また、第2の上支持部17bは、他方の第2枠部18bにおける長手方向略中央に配置されている。
第1の上支持部17aおよび第2の上支持部17bの下端部は、第2枠部18bの上面にそれぞれ固定されている。また、第1の上支持部17aおよび第2の上支持部17bの上端部には、水平方向に貫通する貫通孔37(37aおよび37b)がそれぞれ形成されている。
【0046】
第1の上支持部17aの貫通孔37aには、第4接続管20が挿入され、これにより、第4接続管20が、第1の上支持部17aに固定される。
第2の上支持部17bの貫通孔37bには、第5接続管21が挿入され、これにより、第5接続管21が第2の上支持部17bに固定される。
これにより、第1の上支持部17aは、第4接続管20を介して、入口側フレキシブルチューブ5の上流側端部を支持している。また、第2の上支持部17bは、第5接続管21を介して、出口側フレキシブルチューブ6の下流側端部を支持している。
【0047】
また、上支持部17は、サイクロン装置2を、入口側フレキシブルチューブ5が延びる方向D1(出口側フレキシブルチューブ6が延びる方向D3)において、入口側フレキシブルチューブ5および出口側フレキシブルチューブ6の収縮の範囲に対応する範囲内で揺動可能に支持している。
次に、この固気分離兼計量装置1を用いて、気体中の粉粒体を固気分離し、固気分離した粉粒体を計量する方法について説明する。
【0048】
この方法では、まず、第5接続管21に接続された図示しない吸引ブロワを駆動する。
これにより、第5接続管21、出口側フレキシブルチューブ6、第3接続管9、第2接続管8、サイクロン装置2、ホッパ3、第1接続管7および第4接続管20の内部空間が減圧となる。すると、第4接続管20に接続された図示しない貯蔵タンクにおける粉粒体が、第4接続管20、入口側フレキシブルチューブ5および第1接続管7を介して、空気とともにサイクロン装置2に流入する。
【0049】
そして、サイクロン装置2において、固気分離されて、固気分離した粉粒体が、ホッパ3に落下して、ホッパ3に一時貯蔵される。一方、固気分離した空気は、第2接続管8、第3接続管9、出口側フレキシブルチューブ6および第5接続管21を介してサイクロン装置2からその外部に排出される。
これと同時に、粉粒体が貯蔵されたホッパ3を、ロードセル4によって計量する。
【0050】
ロードセル4によるホッパ3の計量は、吸引ブロワが駆動している間に実施する。
次いで、ロードセル4が所定量の粉粒体を計量した後、吸引ブロワの駆動を中断し、その後、排出部24の第1排出弁26および第2排出弁28を開くとともに、エアバイブレータ14を作動させて、ホッパ3に振動を付与することによって、ホッパ3に貯蔵された粉粒体を、所定量、排出部24を介して図示しない処理装置(成形機)に搬送する。
【0051】
固気分離兼計量装置1では、吸引ブロワを駆動させているときには、収縮自在に設けられた出口側フレキシブルチューブ6および入口側フレキシブルチューブ5がそれぞれ収縮しようする。
そして、この固気分離兼計量装置1では、出口側フレキシブルチューブ6は、入口側フレキシブルチューブ5に対してサイクロン装置2を挟むように配置され、入口側フレキシブルチューブ5と出口側フレキシブルチューブ6とが上下方向において略同一位置に配置されている。
【0052】
そのため、出口側フレキシブルチューブ6が収縮によりサイクロン装置2を介してホッパ3に与える応力と、入口側フレキシブルチューブ5が収縮によりサイクロン装置2を介してホッパ3に与える応力とが、鉛直方向で同じ位置において作用されて、互いに打ち消される。
その結果、ホッパ3の鉛直方向の位置を安定して確保することができる。
【0053】
また、入口側フレキシブルチューブ5が延びる方向D1に沿ってサイクロン装置2に投影したときに、その投影面内に出口側フレキシブルチューブ6の上流側端部が配置されている。
そのため、上記した吸引ブロワの駆動により、入口側フレキシブルチューブ5と出口側フレキシブルチューブ6とは、ともに収縮しても、それらの収縮により、出口側フレキシブルチューブ6がサイクロン装置2を介してホッパ3に与える応力と、入口側フレキシブルチューブ5がサイクロン装置2を介してホッパ3に与える応力とが、水平方向において互いに打ち消される。
【0054】
その結果、ホッパ3の水平方向の位置を安定して確保することできる。
従って、ホッパ3の鉛直方向および水平方向の両方の位置を安定して確保することができ、これにより、固気分離した粉粒体を精度よく計量することができる。
また、この固気分離兼計量装置1では、入口側フレキシブルチューブ5と、出口側フレキシブルチューブ6と、ホッパ3とが、同じ支持台15に支持されている。そのため、入口側フレキシブルチューブ5と出口側フレキシブルチューブ6とホッパ3との相対配置を精度よく確保することができる。
【0055】
なお、上記した説明では、出口側フレキシブルチューブ6の長さL2と、入口側フレキシブルチューブ5の長さL1とを略同一に設定しているが、それらの長さは、固気分離兼計量装置1の処理容量やスケールなどによって適宜選択され、特に限定されない。
例えば、出口側フレキシブルチューブ6の長さL2を、入口側フレキシブルチューブ5の長さL1に対して、短く設定することができ、例えば、50〜99%の範囲内に設定することができる。
【0056】
あるいは、出口側フレキシブルチューブ6の長さL2を、入口側フレキシブルチューブ5の長さL1に対して、長くあるいは同一長さに設定することもでき、例えば、100〜200%の範囲内に設定することもできる。
好ましくは、出口側フレキシブルチューブ6の長さL2と、入口側フレキシブルチューブ5の長さL1とを略同一に設定する。これにより、吸引ブロワの駆動により、入口側フレキシブルチューブ5と出口側フレキシブルチューブ6とが収縮しても、それらの長さが略同一であるため、それらの収縮の範囲が略同一である。そのため、収縮により入口側フレキシブルチューブ5がサイクロン装置2を介してホッパ3に与える応力と、収縮により出口側フレキシブルチューブ6がサイクロン装置2を介してホッパ3に与える応力とは、略同一の大きさとなり、それらは確実に打ち消される。
【0057】
その結果、ホッパ3の水平方向および鉛直方向の位置をより一層安定して確保することできる。
また、上記した説明では、固気分離装置としてサイクロン装置2を例示しているが、例えば、粉粒体を固気分離する装置であれば特に限定されず、例えば、集塵機、具体的には、濾材として濾布などを備えるフィルタ(バグフィルタ)、あるいは、濾材としてパンチングプレートを備えるフィルタなどを用いることもできる。
【0058】
また、上記した説明では、固気分離兼計量装置1において、吸引装置として吸引ブロワ(図示せず)を第5接続管21の下流側端部に接続しているが、図示しないが、例えば、上記した吸引ブロワに代えて、送風装置として送風ブロワを、第4接続管20の上流側端部に接続することもできる。
この固気分離兼計量装置1では、上記した送風ブロワの駆動により、入口側フレキシブルチューブ5と出口側フレキシブルチューブ6とは、ともに伸長しても、伸長により出口側フレキシブルチューブ6がホッパ3に与える応力と、伸長により口側フレキシブルチューブ5がホッパ3に与える応力とが、鉛直方向で同じ位置において作用されて、かつ、水平方向において互いに打ち消される。
【0059】
そのため、ホッパ3の鉛直方向および水平方向の位置を安定して確保することができ、これにより、固気分離した粉粒体を精度よく計量することができる。
図3〜図5は、本発明の固気分離兼計量装置の他の実施形態の平面図であって、図3は、出口側フレキシブルチューブがサイクロン装置の接線方向に沿って配置される態様、図4は、入口側フレキシブルチューブと出口側フレキシブルチューブとが同一直線上に配置される態様、図5は、入口側フレキシブルチューブと出口側フレキシブルチューブとの軸線が交差する態様である。
【0060】
なお、上記した各部に対応する部材については、以降の各図において同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上記した図2の説明では、第3接続管9を、第1口部29および第3口部31の対向方向D4が第1本体部10の径方向に沿うように、第1本体部10に固定しているが、例えば、図3に示すように、第1口部29および第3口部31の対向方向D4が、第1接続管7が第1本体部10に接続する接線方向D3に沿うように、固定することもできる。
【0061】
図3において、第3接続管9における第1口部29および第3口部31の対向方向D4と、第1接続管7が第1本体部10に接続する接線方向D3とは、略平行である。
また、第3接続管9は、第1接続管7と、平面視において、第1本体部10の軸線Xを中心とする点対称で配置されている。
また、出口側フレキシブルチューブ6が延びる方向D2は、入口側フレキシブルチューブ5が延びる方向D1と略平行であり、出口側フレキシブルチューブ6では、入口側フレキシブルチューブ5が延びる方向D1に沿ってサイクロン装置2を投影したときに、その投影面内に出口側フレキシブルチューブ6の上流側端部が配置されている。
【0062】
また、図4に示すように、第3接続管9を、平面視において、第1接続管7と、上記した第1枠部18aの上側に配置されるロードセル4aとサイクロン装置2の軸線Xとを通過する直線SLを中心とする線対称で配置することもできる。
図4において、第3接続管9における第1口部29および第3口部31の対向方向D4と、第1接続管7が第1本体部10に接続する接線方向D3とは、略平行であって、詳しくは、それらは同一直線上に配置されている。
【0063】
換言すれば、入口側フレキシブルチューブ5と出口側フレキシブルチューブ6とは、同一直線上に配置されている。
さらに、上記した図2〜図4の説明では、平面視において、入口側フレキシブルチューブ5と出口側フレキシブルチューブ6とを、略平行に配置しているが、例えば、図5に示すように、それらの軸線が交差するように配置することもできる。
【0064】
図5において、第3接続管9は、分岐点からY字状に分岐する、第1分岐管12、第2分岐管38および第3分岐管13を備えるY字管である。
第1分岐管12の端部には、第1口部29が、第3接続管9の下流側端部として形成され、出口側フレキシブルチューブ6の上流側端部が接続されている。第1分岐管12の軸線は、出口側フレキシブルチューブ6の軸線と同一直線上に配置されている。
【0065】
第2分岐管38の端部には、第2口部30が、第3接続管9の上流側端部として形成され、第2接続管8の下流側端部が接続されている。
第3分岐管13は、第1接続管7が第1本体部10に接続する接線方向D3に沿って延びており、第3分岐管13の端部は、第1本体部10の外側面に固定される固定端部とされている。第3分岐管13の軸線は、入口側フレキシブルチューブ5および第1接続管7の軸線と同一直線上に配置されている。
【0066】
また、出口側フレキシブルチューブ6では、入口側フレキシブルチューブ5が延びる方向D1に沿ってサイクロン装置2を投影したときに、その投影面内に出口側フレキシブルチューブ6の上流側端部が配置されている。
また、入口側フレキシブルチューブ5が延びる方向D1と出口側フレキシブルチューブ6が延びる方向D2との成す角度αは、特に限定されず、例えば、0〜90度、好ましくは、0〜45度である。
【0067】
好ましくは、図2〜図4に示すように、入口側フレキシブルチューブ5と出口側フレキシブルチューブ6とを、平面視において、略平行に配置する。これにより、入口側フレキシブルチューブ5の収縮方向と、出口側フレキシブルチューブ6の収縮方向とは、略平行であるので、入口側フレキシブルチューブ5および出口側フレキシブルチューブ6を、それらの軸線が交差するように配置する場合に比べて、入口側フレキシブルチューブ5および出口側フレキシブルチューブ6の収縮に基づく応力は、より一層互いに確実に打ち消される。
【0068】
そのため、ホッパ3の水平方向の位置をより一層安定して確保することできる。
【符号の説明】
【0069】
1 固気分離兼計量装置
2 サイクロン装置
3 ホッパ
4 ロードセル
5 入口側フレキシブルチューブ
6 出口側フレキシブルチューブ
15 支持台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体中の粒体を固気分離し、固気分離した粉粒体を計量する固気分離兼計量装置であって、
気体中の粉粒体を固気分離するための固気分離装置、
前記固気分離装置が設けられ、それによって固気分離された粉粒体を受け入れるためのホッパ、
前記ホッパを計量するためのロードセル、
前記固気分離装置の入口側に接続される入口側フレキシブルチューブ、および、
前記固気分離装置の出口側に接続される出口側フレキシブルチューブを備え、
前記出口側フレキシブルチューブは、前記入口側フレキシブルチューブに対して前記固気分離装置を挟むように配置され、
前記入口側フレキシブルチューブと前記出口側フレキシブルチューブとは、上下方向において略同一位置に配置され、
前記入口側フレキシブルチューブが延びる方向に沿って前記固気分離装置を投影したときに、その投影面内に前記出口側フレキシブルチューブの上流側端部が配置されていることを特徴とする、固気分離兼計量装置。
【請求項2】
前記入口側フレキシブルチューブが延びる方向と、前記出口側フレキシブルチューブが延びる方向とが、略平行であることを特徴とする、請求項1に記載の固気分離兼計量装置。
【請求項3】
前記入口側フレキシブルチューブの長さと、前記出口側フレキシブルチューブの長さとは、略同一であることを特徴とする、請求項1または2に記載の固気分離兼計量装置。
【請求項4】
前記ロードセルを介して前記ホッパを支持する支持台を備え、
前記入口側フレキシブルチューブの搬送方向上流側端部と、前記出口側フレキシブルチューブの搬送方向下流側端部とが、前記支持台に支持されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の固気分離兼計量装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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