説明

園芸施設用スターリングエンジン装置

【課題】高温熱交換器のフィンに酸化触媒を胆持して、燃焼熱を供給し、しかも熱および清浄な二酸化炭素リッチなガスに加えて電力を園芸施設に供給できる園芸施設用スターリングエンジン装置を実現する。
【解決手段】スターリングエンジン2の高温熱交換器6は、ヒータチューブ9と、ヒータチューブ9に取り付けられ上下方向に間隔をおいて多層に積層配置された複数枚のフィン10とを備えており、複数枚のフィン10は、その表面に触媒燃焼を促進すべき燃焼触媒を担時しており、燃料ガスは、複数枚のフィン10の間で触媒燃焼され、その排ガスは、前記予熱器4において、燃料ガス及び燃料ガスとともに前記複数枚のフィン10の間に供給される空気を予熱し、凝縮器14は、予熱器4を通過した排ガス中の水分を凝縮するものであり、凝縮器14で水分が低減された排ガスは、園芸施設7に排気管13で供給され、園芸施設7内にCO施肥を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガスによりCOの施肥を行い、発電により得た電力を園芸用の温熱、照明等に利用する等、スターリングエンジンの特徴を活して、エネルギーの有効利用を可能とする園芸施設用スターリングエンジン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
施設園芸や新しい農業形態である植物工場では、
(1)気温が下がる冬場や夜間での暖房
(2)光合成を促進するための照明
(3)二酸化炭素の高濃度化(二酸化炭素施肥)、
等を行って、植物の成長を促進している。
【0003】
暖房には重油バーナや灯油バーナが用いられ、二酸化炭素施肥には、暖房と兼用で使用できる場合は、燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を利用する方式が経済性に優れているものの、熱需要とは独立に気候変化に対応できる液化二酸化炭素が現在のところ使用されている。
【0004】
照明等の電力需要に対しては、商用電力を利用している場合が殆どである。なお、エネルギーの有効利用としては、内燃機関による熱、二酸化炭素および電力の同時供給も有望である。しかし、排ガスを直接施設内に導入するにはその清浄度に問題があり、一般に普及していない。
【0005】
一方、近年、省エネ及び地球環境の改善に適合したエンジンとして、スターリングエンジンが着目されている。スターリングエンジンは、熱効率が高く、外燃機関であるために静粛性にすぐれ、各種の燃料が使用可能であることから、定置式又は可搬式の発電機の動力源として最適である。
【0006】
スターリングエンジンは、加圧された作動ガスが封入され、燃焼器等で加熱されたシリンダ内の高温室と低温室の空間容積の変化によりピストンを往復駆動させ、この往復駆動力をエネルギー源として取り出す動力装置である。
【0007】
スターリングエンジンの構成としては、いろいろなタイプの構造があるが、シリンダ内を往復動するディスプレーサにより膨張室(高温室)と圧縮室(低温室)を仕切り、両室間に高温熱交換器、再生器及び低温熱交換器を介してガスを流動させ、該ガスの加熱冷却を行って圧縮室を往復動する動力ピストンで動力を取り出すディスプレーサ型スターリングエンジンが知られている(特許文献1、2参照)。
【0008】
また、圧縮室及び膨張室を夫々含む圧縮シリンダと膨張シリンダを備え、圧縮シリンダと膨張シリンダをそれぞれ往復動するピストンの往復運動を回転力に変換する回転力取出機構を設け、この回転力取出機構を配設するハウジングを圧縮シリンダと膨張シリンダを気密的に結合した構成は公知である(特許文献3参照)。
【0009】
また、従来、触媒をスターリングエンジンの加熱部のヒータチューブに担持する方法は知られている(特許文献4参照)。
【0010】
【特許文献1】特開平7−187315号公報
【特許文献2】特開平5−187315号公報
【特許文献3】特開2000−188619号公報
【特許文献4】特開平8−296501号公報
【非特許文献1】温室における燃焼式蓄熱型二酸化炭素施肥システムの省エネルギー性・環境負荷低減性・経済性評価、川村淳浩、秋澤淳、柏木孝夫、植物環境工学 205巻212号(2005)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記のとおり、施設園芸では、暖房、照明、二酸化炭素施肥のそれぞれの目的に対して個別に対応しており、必ずしもエネルギーが有効利用されているとは云えず、この分野でのエネルギー利用の効率化が望まれている。
【0012】
これまでの研究により、触媒燃焼によって極めてクリーンな燃焼ガスが得られることは良く知られている。触媒燃焼技術はガスタービン燃焼器を対象として1980年代に活発に研究開発され、窒素酸化物、一酸化炭素の排出濃度が極めて低いクリーンな排気性状が得られる。
【0013】
しかし、触媒燃焼器をガスタービンで要求される1200℃以上の温度で使用することは技術的に難しく、希薄予混合燃焼法の開発とそれに続く普及により、この分野で実用化されることはなかった。
【0014】
そこで、本発明者らは、このような問題を解消すべき鋭意研究開発を進めた結果、触媒燃焼の長所を活かし欠点を補う手段として、スターリングエンジンの利用に着目した。
【0015】
ところで、前述のとおり、従来、触媒をスターリングエンジンの加熱部のヒータチューブに担持する手段は知られている、これは、燃焼ガス中に含まれる一酸化炭素や未燃燃料をヒータチューブに担持したパラジウム触媒で燃焼させ、ヒータ効率の向上、燃焼器の小型化を目指しており、一酸化炭素や未燃燃料を低減することは可能であるが、燃焼器での燃焼で生じる窒素酸化物濃度を下げることはできない。
【0016】
そのため、園芸施設におけるエネルギー利用効率を高めるには、燃焼ガスの清浄性をさらに高めることのできる触媒燃焼方式のみにより加熱するスターリングエンジンが必要となるという知見を、本発明者らは得た。そして、園芸施設におけるエネルギー利用効率を高めるために、燃焼ガスの清浄性をさらに高めることのできる触媒燃焼方式のみにより加熱するスターリングエンジンシステムを利用するという構成に想到した。
【0017】
本件発明は、高温熱交換器のフィンに酸化触媒を胆持して、それによって燃焼熱を供給し、しかも熱および清浄な二酸化炭素リッチなガスに加えて電力をも園芸施設に供給できる園芸施設用スターリングエンジン装置を実現することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は上記課題を解決するために、スターリングエンジン、起動用燃焼器及び予熱器とを備えた園芸施設用スターリングエンジン装置において、スターリングエンジンの高温熱交換器は、ヒータチューブと、該ヒータチューブに取り付けられ上下方向に間隔をおいて多層に積層配置された複数枚のフィンとを備えており、複数枚のフィンは、その表面に触媒燃焼を促進すべき燃焼触媒を担時しており、燃料ガスは、複数枚のフィンの間で触媒燃焼され、その排ガスは、園芸施設に排気管で供給され、園芸施設内にCO施肥を行うことを特徴とする園芸施設用スターリングエンジン装置を提供する。
【0019】
本発明は上記課題を解決するために、スターリングエンジン、予熱器及び凝縮器とを備えた園芸施設用スターリングエンジン装置において、スターリングエンジンの高温熱交換器は、ヒータチューブと、該ヒータチューブに取り付けられ上下方向に間隔をおいて多層に積層配置された複数枚のフィンとを備えており、複数枚のフィンは、その表面に触媒燃焼を促進すべき燃焼触媒を担持しており、燃料ガスは、複数枚のフィンの間で触媒燃焼され、その排ガスは、前記予熱器において、前記燃料ガス及び該燃料ガスとともに前記複数枚のフィンの間に供給される空気を予熱し、前記凝縮器は、前記予熱器を通過した前記排ガス中の水分を凝縮するものであり、該凝縮器で水分が低減された排ガスは、園芸施設に排気管で供給され、園芸施設内にCO施肥を行うことを特徴とする園芸施設用スターリングエンジン装置を提供する。
【0020】
前記スターリングエンジンの低温熱交換器から得られた廃熱は、前記園芸施設に供給される構成としてもよい。
【0021】
前記スターリングエンジンは、発電機の動力源となり、該発電機から得られた電力は、前記園芸施設に供給される構成としてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る園芸施設用スターリングエンジン装置よれば、次のような効果が生じる。
(1)従来のバーナ燃焼法、特許文献4に記載された触媒併用法に比べ、本触媒燃焼法は以下の利点を有する。
イ.一酸化炭素、窒素酸化物の排出濃度をppmオーダまで下げることができる。
ロ.触媒層温度および触媒種の選定、フィンの設計などを適切に行えば、一酸化炭素、窒素酸化物と同様に、未燃燃料の排出濃度も下げることができる。
ハ.火炎温度が高い条件においても触媒を損傷することなく燃焼が可能であり、エンジン性能の低下を避けることができる。
【0023】
(2)園芸施設に、熱および清浄な二酸化炭素リッチなガスを施肥用に供給できるとともに、電力をも供給でき、地球環境の改善に多大の効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明に係る園芸施設用スターリングエンジン装置を実施するための最良の形態を実施例に基づいて図面を参照して、以下に説明する。
【実施例1】
【0025】
図1は、本発明に係る園芸施設用スターリングエンジン装置の実施例を説明する図である。この園芸施設用スターリングエンジン装置1は、スターリングエンジン2、起動用燃焼器3、及び予熱器4とを備えている。
【0026】
スターリングエンジン2は、スターリングエンジン本体5と高温熱交換器6を備えている。スターリングエンジン本体5は、前記特許文献1〜4等の従来知られている構成のものを使用するので、ここでは説明を省略する。
【0027】
スターリングエンジン2は、発電機(図示せず)を接続し、発電機の動力源として利用する。この発電機で得られた電力は、園芸施設7(例えば、温室、ビニールハウス等)等の照明、加熱器、送風器等の電力源として利用する。
【0028】
図2(a)、(b)は、高温熱交換器6の構成を示す図である。高温熱交換器6は、スターリングエンジン2の膨張空間と再生器の間を連通するように、マニホールド部8を介して全体として略U字型に取り付けられたヒータチューブ9と、このヒータチューブ9に取り付けられた上下方向に間隔をおいて積層配置された複数枚のフィン10とを備えている。
【0029】
このフィン10は、具体的な形状は、図2(b)に示すように、円形ドーナッツ状の平板であり、SUS310のような材料で形成される。ヒータチューブ9は、図2(a)に示すように、複数枚のフィン10を上下方向に貫通するように配設されている。
【0030】
複数枚のフィン10のそれぞれに、触媒燃焼を促進すべき触媒(例えば、白金やパラジウム)が担持(具体的にはフィン10の表面に塗布)されている。この構成は、本発明の特徴的構成の一つである。フィン10の仕様(積層間隔、大きさ、厚さ、耐熱温度など)を適宜、設計することにより、未燃燃料の排出濃度が設定される。
【0031】
起動用燃焼器3は、燃料を燃焼させてヒータチューブ9を加熱する機能を有するものであり、本実施例では、ガス燃料を吹き込んで燃焼させるガスバーナを使用する。燃料を燃焼させてヒータチューブ9を加熱するものであれば、ガスバーナ以外のもの、例えば、電熱ヒータを利用してもよい。
【0032】
起動用燃焼器3を始動する手段としては、図示はしないが、燃料と空気を供給した後に圧電素子などを用いた点火装置によって混合気を点火するという、スターリングエンジンの燃焼器としては周知の構成が用いられる。起動用燃焼器3から触媒燃焼への移行は、フィン10を触媒反応が持続できる温度まで起動用燃焼器3により昇温した後に、一旦燃料の供給を遮断し、再度燃料を供給することで容易に行える。
【0033】
また、起動用燃焼器3及び触媒燃焼の停止は、通常のガスバーナと同様に燃料の供給を停止することで行う。
【0034】
フィン付きヒータチューブ9及び起動用燃焼器3は、断熱材で形成されたフレーム11内に配置されている。ヒータチューブ9を加熱した燃焼ガスは、フレーム11内に連通する排気マニホールド12から排出され、排気管13によって予熱器4に送られる。
【0035】
予熱器4は、燃料と空気をそれぞれ取り込み、燃焼排ガスにより予熱し、この予熱された燃料と空気をそれぞれ配管で起動用燃焼器3及びフィン付きヒータチューブ9に送り、燃料・空気混合気として吹き出す構成である。起動用燃焼器3において起動時に燃料・空気混合気燃焼をさせる。そして、起動時以降のスターリングエンジン2の運転中は、燃料と空気をフィン付きヒータチューブ9の外面において燃焼させる。
【0036】
予熱器4には、凝縮器14が排気管13を介して連通するように取り付けられており、燃焼排ガスは、空気予熱器4からさらに凝縮器14に送られる。
【0037】
凝縮器14は、排ガス中の水分を凝縮する機能を有するものであり、排気管13を介してさらに園芸施設7(例えば、温室、ビニールハウス等)内に連通しており、凝縮器14で水分が減じられた排ガスが園芸施設7内に供給される。
【0038】
(作用)
上記構成の園芸施設用スターリングエンジン装置1の作用を説明する。予熱器4を通り排ガスにより予熱された空気と燃料の混合気(希薄予混合気)を起動用燃焼器3に送るとともに、触媒付きフィン10上で触媒燃焼させる。燃焼熱はヒータチューブ9内を流動する作動ガスと排ガスの加熱に使用される。
【0039】
起動用燃焼器3は、起動時に、触媒燃焼が開始する温度に達するまで、触媒付きフィン10の温度を上昇させるために用いられるものである。起動時を除いて、燃料の全てを触媒付きフィン10上で触媒燃焼させる。園芸施設用スターリングエンジン装置1では、触媒燃焼をさせることにより未燃燃料、一酸化炭素、窒素酸化物の濃度が極めて低くなり、排ガスがいわゆる洗浄された状態となる。
【0040】
このように、触媒燃焼により生成された清浄な燃焼ガスは、排気管13、予熱器4を通り、凝縮器14で水分調節(一部の水分が凝縮除去される。)された後、二酸化炭素肥料として園芸施設7に供給される。
【0041】
一方、スターリングエンジン2から得られた動力は、発電機により電力に変換される。さらに、スターリングエンジン2の図示しない低温熱交換器(クーラ)からは温熱が得られ、これらも園芸施設7その他の需要に利用することができ、エネルギーの有効利用が図られる。なお、清浄された排ガス中の二酸化炭素濃度は、少なくとも数%以上あり、施肥効果が得られる1000ppmより充分高い。
【0042】
(実験例)
実験装置及び方法:
本発明者は、本発明に係る園芸施設用スターリングエンジン装置1の効果を確認するための実験を行った。この実験は、図3に示すように、実施例とほぼ同様の構成の装置を対象とした。
【0043】
フィン10は、ドーナッツ状の平板であり、内径44mm、外径100mm、厚さ0.5mmのSUS310S製で、間隔1mmで70枚積層されている。フィン10の上流、フィン10の下流および排ガスの各温度を測定するため、上下方向3箇所に計18本の熱電対15−1(3本)、15−2(12本)、15−3(3本)を設置した。
【0044】
このような装置により、メタンガスは起動用バーナの燃料マルチノズルを出たところで空気と急速に混合し、燃焼室に入り予混合気が形成される。起動時にはここで混合気は燃焼し、スターリングエンジン2を加熱する。
【0045】
ほぼ定常状態に達すると、燃料の供給を一旦停止して消炎した後、燃料を再度供給することで触媒燃焼に移行させる。希薄予混合気は、複数枚のフィン10の間を通りながら触媒と反応して燃焼し、その排ガスは、排気マニホールド12、排気管13を経て排気される(図1、3参照)。
【0046】
膨張空間ガス温度は773Kから873Kの範囲で、当量比は0.38から0.46程度の範囲で、予熱温度は600Kから800Kの範囲でそれぞれ変化させた。排気管13の下流において排ガスをサンプリングし、メタン、一酸化炭素、酸素、窒素酸化物の濃度を分析計で計測した。
【0047】
実験結果:
図4に、上記実験の結果を示す。平均圧力Pmを2.9MPa、膨張空間ガス温度Teを873K、予熱温度を783K、エンジン回転数を1200rpmと一定にして、混合気の当量比を0.38から0.46程度まで変化させた時のメタン、一酸化炭素および窒素酸化物の排出濃度をバーナ燃焼時と触媒燃焼時の各々に対して示した。
【0048】
バーナ燃焼時には、当量比が増加すると、メタン濃度は40ppmから1ppm程度まで減少、一酸化炭素濃度は3ppmから1ppmの間で変化、窒素酸化物は10ppmから50ppm程度まで増加している。バーナ燃焼時においても、燃焼ガスは酸化触媒を担持したフィン10の間を通過するため、一酸化炭素の排出濃度は、バーナ直後の値である数百ppmから大幅に減少している。
【0049】
これに対して、窒素酸化物は酸化触媒と反応しないため、バーナ直後と殆ど変わらない値を示している。一方、触媒燃焼時のCOおよびNOxの排出濃度はppmオーダであるのに対し、CH4排出量は、バーナ燃焼時の数ppmから大きく増加し、1000ppmから300ppmの間の値を示している。
【0050】
本実験のようなフィン10温度ではメタンの表面反応速度が充分速くないために、メタン排出濃度が高くなったと考えられるが、触媒種の変更、フィン10の最適設計で未燃分を減少させることは可能である。
【0051】
本実験条件での火炎温度は最高1541℃にまで達しており、燃焼と除熱を同時に行うことにより、従来の触媒燃焼法では難しいとされる1200℃を超える燃焼条件においても触媒燃焼が可能であることがわかる。なお、バーナ燃焼法と触媒燃焼法とではエンジン性能に差異は見られなかった。
【0052】
以上、本発明に係る園芸施設用スターリングエンジン装置の最良の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されることなく、特許請求の範囲記載の技術的事項の範囲内で、いろいろな実施例があることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、以上のような構成であるから、温室、ビニールハウス等の園芸施設のCO施肥、熱及び電力の供給のために最適であるものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施例を説明する図である。
【図2】本発明の実施例の高温熱交換器を説明する図である。
【図3】本発明の実験例の実験装置及び方法を説明する図である。
【図4】実験結果を説明する図である。
【符号の説明】
【0055】
1 園芸施設用スターリングエンジン装置
2 スターリングエンジン
3 起動用燃焼器
4 予熱器
6 高温熱交換器
7 園芸施設
8 マニホールド部
9 ヒータチューブ
10 フィン
11 フレーム
12 排気マニホールド
13 排気管
14 凝縮器
15−1、15−2、15−3 熱電対

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スターリングエンジン、起動用燃焼器及び予熱器とを備えた園芸施設用スターリングエンジン装置において、スターリングエンジンの高温熱交換器は、ヒータチューブと、該ヒータチューブに取り付けられ上下方向に間隔をおいて多層に積層配置された複数枚のフィンとを備えており、複数枚のフィンは、その表面に触媒燃焼を促進すべき燃焼触媒を担時しており、燃料ガスは、複数枚のフィンの間で触媒燃焼され、その排ガスは、園芸施設に排気管で供給され、園芸施設内にCO施肥を行うことを特徴とする園芸施設用スターリングエンジン装置。
【請求項2】
スターリングエンジン、予熱器及び凝縮器とを備えた園芸施設用スターリングエンジン装置において、スターリングエンジンの高温熱交換器は、ヒータチューブと、該ヒータチューブに取り付けられ上下方向に間隔をおいて多層に積層配置された複数枚のフィンとを備えており、複数枚のフィンは、その表面に触媒燃焼を促進すべき燃焼触媒を担時しており、燃料ガスは、複数枚のフィンの間で触媒燃焼され、その排ガスは、前記予熱器において、前記燃料ガス及び該燃料ガスとともに前記複数枚のフィンの間に供給される空気を予熱し、前記凝縮器は、前記予熱器を通過した前記排ガス中の水分を凝縮するものであり、該凝縮器で水分が低減された排ガスは、園芸施設に排気管で供給され、園芸施設内にCO施肥を行うことを特徴とする園芸施設用スターリングエンジン装置。
【請求項3】
前記スターリングエンジンの低温熱交換器から得られた廃熱は、前記園芸施設に供給されることを特徴とする請求項1又は2記載の園芸施設用スターリングエンジン装置。
【請求項4】
前記スターリングエンジンは、発電機の動力源となり、該発電機から得られた電力は、前記園芸施設に供給されることを特徴とする請求項1、2又は3記載の園芸施設用スターリングエンジン装置。

【図3】
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【図4】
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【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−185670(P2009−185670A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−25497(P2008−25497)
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度、経済産業省委託研究「次世代型分散エネルギーシステム基盤技術研究開発/固体酸化物形燃料電池の高性能化のための支援技術開発/SOFCと熱機関のハイブリッドシステムの研究」産業技術力強化法第19条の適用をうける特許出願
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】