説明

土壌に殺虫剤を適用するための高圧注入システム

殺虫剤を適用するための高圧注入システムは、可搬型の手持ち式適用器具及び適用器具に接続されたマニホルドヘッドを含む。マニホルドヘッドは少なくとも一つの内部通路を有する。少なくとも一つの高圧ノズルは、マニホルドヘッド内に、且つ少なくとも一つの内部通路と流体連通して位置付けられる。少なくとも一つの高圧ノズルは、約25psi〜約10,000psi(約0.17N/mm2から約68.9N/mm2)の圧力で操作可能である。接触プレートは、マニホルドヘッドに搭載され、少なくとも一つの高圧ノズルと位置合わせされた少なくとも一つの開口部を有する。殺虫剤源は、少なくとも一つの高圧ノズルに流体接続される。吐出弁は、殺虫剤が少なくとも一つの高圧ノズルへと流れるのが妨げられる閉位置と、殺虫剤が少なくとも一つの高圧ノズルへと流れる開位置との間で移動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として土壌処理に関し、より具体的には、殺虫剤が注入される前に土壌表面を乱さないような形で、構造物に隣接して位置付けることができる手持ち式の適用器具を使用して地表の下に殺虫剤を適用するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
昆虫若しくは他の害虫の発生を防止又は低減するため、建物付近の土壌に土壌処理剤を挿入することが使用されてきた。処理剤を用いなければ、これらの害虫は建物の所有者又は占有者にとって著しく迷惑又は危険なものとなる可能性がある。かかる害虫は、建物の構造を攻撃することが知られており、建物に侵入してその占有者に対して他の問題を引き起こすことがある。
【0003】
土壌処理の少なくとも一つの既知の方法としては、構造物の下又は周りの土壌、装飾用植栽、柱、フェンス、デッキ、若しくは他の木製要素の周り又は付近に、殺虫剤、肥料、又は他の土壌処理剤を直接入れることが挙げられる。この直接的な配置方法は、掘削、溝掘り(trenching)、及び/又は棒突き(rodding)(即ち、土壌に適用デバイスを押し込む)を行い、次に掘溝の掘り出された範囲に土壌処理剤を直接入れることを含む。この既知の方法は、植生に損害をもたらし、景観を壊すとともに、植物が回復するか又は新たな植栽が設置されるまで、処理済みの範囲の美観及び価値に多大な影響を与え、又はそれを損なう可能性がある。
【0004】
例えば、一部の一般的なシロアリ処理では、構造物の周りの土壌にシロアリ防除剤(termiticide)を直接入れるには、およそ幅4〜6インチ(10.16〜15.24cm)、深さ6インチ(15.24cm)の掘溝を掘削し、深さ1フィート(30.48cm)当たり10リニアフィート(3.05リニアメーター)の掘溝当たり4ガロン(3.79L)の割合でシロアリ防除剤組成物をその中に適用することを伴う。土壌処理剤を掘溝に適用することに加えて、土壌処理剤は、地中又は根積み(即ち、建物の基礎の一部)の頂部に差し込まれる棒状注入器具を使用することによって、地中にも分配されてもよい。200リニアフィート(60.96リニアメーター)の周囲を有する一般的な構造物の場合、土壌処理剤を準備し、掘削し、注入して完了するためには、土壌の種類と、処置が技術者二人又は一人のどちらによって行われるかに応じて、少なくとも4〜6時間を要する。
【0005】
土壌処理の別の既知の方法は、器具を地面に直接挿入し、殺虫剤、肥料、又は他の土壌処理剤を地中に送達することを含む。土壌処理剤を土壌の表面下に適用することは、処理剤の流出を制限する一つの手法として使用されてきた。かかる土壌処理を実施するための一般的なデバイスは、土壌処理剤を地面に挿入できるようにする通路を土壌に作るため、針又は他の機械的デバイスを利用してきた。これらのデバイスは、土壌に穴を作るので、見た目が悪く、又は挿入箇所に隣接した好ましくない土壌圧縮などの他の悪影響をもたらすとともに、機械的力を使用して穴を作ることを必要とするという明白な制限がある。
【0006】
土壌表面の下に物質を有効に注入する方法としての高圧流の使用は、モンロー(Monroe)に付与された「Apparatus and Method for Aerating and/or Introducing Particulate Matter into a Ground Surface」という名称の米国特許第5,370,069号などで、これまで説明されてきた。これらの方法は、土壌処理剤が流体に溶解しているか、又は流体によって運ばれる粒状物質であるかによって、土壌処理剤を混入した空気又は水などの流体の高圧噴流を使用する。高圧噴流は、物質が入れられる小さな穴を表面に形成することができ、或いは物質を迅速に表面に吸収させることができるので、土壌の乱れは最小限である。圧力噴流を使用することの一つの利点は、土壌処理物質を土壌の表面下に入れるための基礎としての通路を作るために、機械的な労力を必要としないことである。また、器具を地表の下に直接入れるなど、土壌の他の乱れも何ら要しないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
モンロー(Monroe)の特許に開示されたようなデバイスは、土壌処理物質を表面下に入れるのに有効であるが、土壌表面下の短い距離に、且つ広いオープンスペース範囲にわたってかかる物質を分配するように設計されており、機器のサイズは制限されない。これらの既知のデバイスは、昆虫の発生に対する処理に特に関連する処理が一般的である、構造物、装飾用植栽、柱、フェンス、デッキ、並びに他の木製要素の下及び周りに土壌処理剤を戦略的に注入するのには適していない。
【0008】
したがって、構造物に隣接した地面の表面下にシロアリ防除剤又は他の殺虫剤を適用するための、手持ち式の高圧適用器具が必要とされている。なお、かかる手持ち式器具は、家屋、デッキ、家屋及び/又はデッキに近接していることがあるあらゆる緑地、電柱の周り、並びに植物の周りなど、構造物の周りに操作者が戦略的に器具を位置付けることを可能にし、殺虫剤を所望の所定深さまで注入するため、制御圧力で所定量の殺虫剤を適用する複数のノズルを含むことができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一つの態様では、殺虫剤を適用するための高圧注入システムは、全体として、可搬型の手持ち式適用器具及び適用器具に接続されたマニホルドヘッドを備える。マニホルドヘッドは少なくとも一つの内部通路を有する。少なくとも一つの高圧ノズルは、マニホルドヘッド内に、且つ少なくとも一つの内部通路と流体連通して位置付けられる。少なくとも一つの高圧ノズルは、約25psi〜約10,000psi(約0.17N/mm2〜約68.9N/mm2)の圧力で操作可能である。接触プレートは、マニホルドヘッドに搭載され、少なくとも一つの高圧ノズルと位置合わせされた少なくとも一つの開口部を有する。殺虫剤源は、少なくとも一つの高圧ノズルに流体接続される。吐出弁は、殺虫剤が少なくとも一つの高圧ノズルへと流れるのが妨げられる閉位置と、殺虫剤が少なくとも一つの高圧ノズルへと流れる開位置との間で移動可能である。
【0010】
別の態様では、殺虫剤を適用するための高圧注入システム向けの可搬型の手持ち式適用器具は、全体として、ハンドル及びハンドルに接続されたマニホルドヘッドを備える。マニホルドヘッドは少なくとも一つの内部通路を有する。少なくとも一つの高圧ノズルがマニホルドヘッド内に位置付けられ、且つ少なくとも一つの内部通路に流体接続される。少なくとも一つの高圧ノズルは、約25psi〜約10,000psi(約0.17N/mm2〜約68.9N/mm2)の圧力で操作可能である。接触プレートは、マニホルドヘッドに搭載され、少なくとも一つの高圧ノズルと位置合わせされた少なくとも一つの開口部を有する。殺虫剤源は、少なくとも一つの高圧ノズルに流体接続される。吐出弁は、殺虫剤が少なくとも一つの高圧ノズルへと流れるのが妨げられる閉位置と、殺虫剤が少なくとも一つの高圧ノズルへと流れる開位置との間で移動可能である。
【0011】
更に別の態様では、殺虫剤を適用するための高圧注入システムは、全体として、可搬型の手持ち式適用器具を備える。少なくとも一つの内部通路を有するマニホルドヘッドは、適用器具に接続される。少なくとも一つのノズルが、マニホルドヘッド内に、且つ少なくとも一つの内部通路と流体連通して位置付けられる。接触プレートがマニホルドヘッドに搭載される。接触プレートは、少なくとも一つのノズルと位置合わせされた少なくとも一つの開口部を有する。高圧殺虫剤源は、少なくとも一つのノズルに流体接続される。高圧源は、約25psi〜約10,000psi(約0.17N/mm2〜約68.9N/mm2)である。吐出弁は、殺虫剤が高圧源から少なくとも一つのノズルへと流れるのを妨げる閉位置と、殺虫剤が高圧源から少なくとも一つの高圧ノズルへと流れる開位置との間で移動可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】システムがベースユニット及び手持ち式の適用器具を含む例示的な実施形態による、シロアリ防除剤を地面に注入する高圧注入システムの概略図である。
【図2】一部を切り欠いた、図1の手持ち式の可搬型適用器具の概略正面図である。
【図3】図2の手持ち式の可搬型適用器具の概略側面図である。
【図4】適用器具とともに使用される細長い形状のマニホルドヘッドの概略斜視図である。
【図5】適用器具とともに使用されるアーチ形状のマニホルドヘッドの概略斜視図である。
【図6】高圧ノズルに隣接して低圧ノズルが位置付けられた、図2に示されるマニホルドヘッドの概略斜視図である。
【図7】高圧ノズルと同心の低圧ノズルを有する、図2に示されるマニホルドヘッドの概略斜視図である。
【図8】マーキング材料を適用するノズルを周囲に有する、図2に示されるマニホルドヘッドの概略底面図である。
【図9】図1に示されるベースユニットの概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
地面の表面下に殺虫剤、防虫剤、又はシロアリ防除剤を適用するための高圧注入システムを、以下に詳細に記載する。本明細書で開示されるシステムは、あらゆる適切な殺虫剤、防虫剤、又はシロアリ防除剤を適用するのに使用することができ、様々な種類の害虫を抑制又は制御するのに使用できることが理解される。例えば、シロアリ、アリ、ゴキブリ、カブト虫、ハサミムシ、セイヨウシミ、コオロギ、クモ、ムカデ、ヤスデ、サソリ、ダンゴムシ、ワラジムシ、ハエ、カ、ブヨ、ガ、バチ、スズメバチ、ミツバチなどを抑制及び/又は制御するのが望ましいことがある。本明細書で使用するとき、用語「殺虫剤」は、昆虫、動物(例えば、ハツカネズミ、ネズミ)、植物(例えば、雑草)、菌類、微生物(例えば、バクテリア及びウィルス)、偽体腔動物(例えば、線虫)、並びにプリオンを含むあらゆる害虫を予防、駆除、忌避、又は軽減する、あらゆる物質若しくは混合物を指す。用語「防虫剤」は一種の殺虫剤であり、本明細書では、昆虫を予防、駆除、忌避、又は軽減するあらゆる物質若しくは混合物を意味するのに使用される。用語「シロアリ防除剤」は一種の防虫剤であり、本明細書では、シロアリを予防、駆除、忌避、又は軽減するあらゆる物質若しくは混合物を意味するのに使用される。
【0014】
本明細書に記載される方法及びシステムは、地面の表面下にシロアリ防除剤を適用することに関するが、方法及びシステムは、殺虫剤、防虫剤、又は他の土壌処理剤を適用するのに使用することもできる。本明細書に記載されるようなシロアリ防除剤の使用は、いかなる形でも限定的であることを意図しない。より正確には、これは例示目的のものである。したがって、本明細書に記載される方法及びシステムは、あらゆる種類の土壌処理剤(例えば、殺虫剤、肥料、他の土壌改良剤、及び構造物の周囲の周りに置かれる防虫剤を含む昆虫処理剤)を地面の下に適用するのに使用されてもよく、シロアリ防除剤には一切限定されない。
【0015】
本明細書に記載される方法及びシステムは、シロアリ防除剤流体供給カート(ベースユニット)と、構造物、装飾用植栽、柱、フェンス、デッキ、並びに他の木製要素の下及び周りの土壌にシロアリ防除剤を適用又は注入するのを容易にする可搬型の手持ち式適用器具とを含む。例示の実施形態は、地面若しくは土壌の少なくとも表面を機械的に乱すことをいずれも必要とする、掘削、溝掘り、及び/又は棒突きなどの特定の既知の技術を使用して、シロアリ防除剤を適用する必要性をなくす。これらの既知の技術は、植生に損害をもたらし、景観を壊すとともに、植物が回復するか又は新たな植栽が設置されるまで、処理済みの範囲の美観及び価値に影響を与え、又はそれを損なう可能性がある。
【0016】
本明細書に記載される適用システムは、器具の頂部にあるT字ハンドル及び器具の底部にあるマニホルドアセンブリを有する適用器具を含む。T字ハンドルは、ハンドルとマニホルドアセンブリとの間に延在する鉛直シャフトの両側にハンドグリップ部分を含む。ハンドグリップ部分は、適用中に器具を保持するのを助け、手の負担を低減するゴム製グリップを含んでもよい。器具の鉛直シャフトは、ホッピングスティックに酷似した、ハンドルを押し下げたときにシャフトを圧縮できるようにする、いくつかの部品で構成される。シャフトの圧縮によって、吐出弁、例えばポペットを一時的に開く、電子的トリガースイッチ(概して、「アクチュエータ」)が始動する。操作者がマニホルドアセンブリ(即ち、デバイスプレート)を地面の適所で保持すると、操作者は、ハンドルを使用して下向きの圧力(約15〜20ポンド(約6.80〜9.07kg))をシャフトに加えて、トリガースイッチを作動させ、それによって次にシロアリ駆除剤が一回分地面に注入される。操作者は、スイッチを係脱するにはシャフトに加えられた圧力を解放しなければならず、その結果、システムがリセットされる。
【0017】
例示の実施形態では、シャフトを圧縮する毎にスイッチは吐出弁を一回作動させる。したがって、シャフトを圧縮する毎に、吐出弁が一回開き、所定量のシロアリ防除剤が器具から吐出される。シャフトが解放されると、器具のスイッチがリセットされる。その後、次の適用はシャフトを再び圧縮することによって行うことができる。
【0018】
適用器具はまた、マニホルドアセンブリをシャフトに搭載する取付けブラケットを含む。このブラケットによって、適用ヘッド又はマニホルドアセンブリが少なくとも一つの軸線を中心にして枢動することができる。これによって、適用スイッチを始動させる前にマニホルドアセンブリが適切に位置付けられるように、操作者が器具を調節することができる。
【0019】
マニホルドアセンブリは、入口ポート、吐出弁、複数の高圧ノズル、マニホルドヘッド、及び複数の高圧ノズルを保護する接触プレートを含む。システムはまた、少なくとも一つの高圧液体ライン、及び供給カートと手持ち式の適用器具との間に延在する電気接続を含む。システムはまた、圧力マニホルド、及び電子スイッチを始動させる毎にその間吐出弁を開いたままにする時間の長さを設定する電子コントローラ(概して、「閉弁装置(valve closer)」)を含む。
【0020】
操作の際、供給カートに収容された容器からの計量済み用量の液体シロアリ防除剤原液は、計量済み供給量の水と混合され、インライン注入システムによって適用器具に供給される。別の実施形態では、シロアリ防除剤溶液は、インライン注入ポンプ又はデバイスを必要とすることなく、タンク又は容器から適用器具に供給される。更に別の実施形態では、シロアリ防除剤原液は、操作者によって運ばれ、バックパック、肩掛けホルスター若しくはスリング、ベルトホルスター、レッグホルスター、又は殺虫剤容器を保持することができる他の適切なデバイス内に形成される、且つ/又はその中で保持される運搬可能な容器に収容することができる。
【0021】
本明細書に記載される方法及びシステムは、高圧を利用してシロアリ防除剤を地面の表面下の土壌に注入する。本明細書に記載される高圧注入システムは、現行の業界標準の液体シロアリ防除剤注入システムが、25〜35psi(0.17〜0.24N/mm2)の圧力を使用し、且つ単一の注入ポート又は先端部を通して液体を地面に注入するという点で、土壌に適用するためにシロアリ防除剤を適用する少なくとも一部の既知の液体注入システムとは異なる。本明細書に記載される例示のシステムは、約50psi〜約10,000psi(約0.34N/mm2〜約68.9N/mm2)の範囲、別の実施形態では約1,000psi〜約7,000psi(約6.89N/mm2〜約48.2N/mm2)、更に別の実施形態では約4,000psi(約27.5N/mm2)の圧力でシロアリ防除剤溶液を地面に注入する。
【0022】
操作の際、適用器具はシロアリ防除剤を適用するための所望の圧力に設定される。次に、操作者はマニホルドアセンブリを、より具体的には注入ノズルを保護する接触プレートを、所望の適用範囲に置く。所望の範囲は、構造物の壁又は基礎に隣接していてもよい。次に、操作者は、適用ハンドルを押し下げて器具のシャフトを圧縮する。この下向きの圧力によって、デバイスシャフトの上側及び下側部分が一体となり、それによって電子スイッチが始動する。スイッチは、吐出弁を一時的に開き、所定量のシロアリ防除剤溶液が高圧注入ノズルを通過し、地面に入ることを可能にする。スイッチは、一回分の吐出量(即ち、定義済みの量のシロアリ防除剤溶液)のみがノズルを通過することを可能にする。スイッチは、ハンドルに対する圧力を解放し、電子スイッチの二つの部品を分離させることによってリセットされる。次に、操作者アプリケータは、手持ち式の適用器具を持ち上げるか、又は壁に沿って次の適用ポイントへと滑らせ、ハンドルを再び押し下げ、それによって土壌へのシロアリ防除剤溶液の注入を繰り返す。操作者は、所望の適用範囲が注入されるまで、手持ち式の適用器具を移動させ、シロアリ防除剤を注入することを継続する。一例では、所望の適用範囲は構造物の周囲なので、シロアリ防除剤の障壁は構造物を完全に取り囲み、それによってシロアリが障壁を通り抜けて構造物に至るのを抑制する。
【0023】
代替実施形態では、操作者が指若しくは親指でボタン又はスイッチを押し下げることによって始動させることができる、器具のT字ハンドル部分上又はその付近に電子スイッチを位置付けることができる。別の実施形態では、器具は、シロアリ防除剤が適用されるときに適用される、発泡体、粉末、粉、塗料、又は染料などの位置マーカーを含むことができる。位置マーカーは、適用毎に接触プレートの位置を印付けするため、マーキング材料を地面に適用する。これによって、構造物の周囲の周りでシロアリ防除剤を確実に継続して適用するため、どこに適用が行われたか、どこにデバイスプレートを位置付け直すべきかを操作者が視覚的に判断することができる。マーカーはまた、適用範囲におけるシロアリ防除剤溶液の過度な適用又は適用不足を防ぐ助けとなる。
【0024】
本明細書に記載される高圧適用器具及びその使用方法は、既知のシステムに対して多くの利点を有する。例えば、本明細書に記載される器具は、多量のシロアリ防除剤溶液を混合する必要性をなくし、公道又は私有地で多量のシロアリ防除剤を運搬する又は取り扱うことに関連する危険を低減する、インライン注入アセンブリを含んでもよい。高圧注入器具の使用によって、シロアリ防除剤溶液を地面に適用する前に掘削(即ち、溝掘り)を行う必要性もなくなる。これは、処理される構造物の周囲の周りにおける景観及び/又は自然植生の破壊を低減する。高圧注入器具はまた、シロアリ防除剤溶液を適用するために適用デバイスで土壌を棒突きする必要性を低減するか又はなくす。高圧器具はまた、ノズル当たり特定量のシロアリ防除剤溶液を送達し、適用圧力を制御することによって溶液が土壌に浸透する深さを制御するようにプログラムすることができる。量及び圧力を制御することによって、シロアリ防除剤の適用量を、標準的な液体シロアリ防除剤適用量の25%〜80%低減し、それによってコストを節約するとともに水の需要を低減することができる。これは、より乾燥した気候において、又は乾期中には特に重要である。高圧器具はまた、構造物の周りのシロアリ防除剤処理を完了するのに要する時間を大幅に低減する。この時間の低減は40%〜80%の範囲であり得る。その結果、現場で費やす時間が少なくなり、それによって現場の準備及び適用に関連する労働コストが低減される。また、シロアリ防除剤を地面に注入するときに注入ノズルを地面に近接させて置くように設計された適用器具は、適用範囲のすぐ近くに居る操作者又は他者に対する暴露の危険を低減する。
【0025】
図面を参照すると、図1は、本発明の例示的な実施形態による、シロアリ防除剤を地面に注入する高圧注入システム10の概略図である。注入システム10は、手持ち式の可搬型適用器具12(概して、「注入装置」)及びシロアリ防除剤流体供給カート14(概して、「ベースユニット」)を含む。適用器具12は、流体通路を画定する導管13(例えば、ホース)及び少なくとも一つの電気接続15を介してカート14に接続される。導管13は、流体(例えば、水及び/又はシロアリ防除剤溶液)がカート14から適用器具12まで流れることを可能にする。電気接続15は、適用器具12とカート14との間で様々な制御信号を送信するのに使用される。
【0026】
図2は、手持ち式の可搬型適用器具12の概略正面図であり、図3は、適用器具12の概略側面図である。手持ち式の可搬型適用器具12は、ハンドル17及びハンドルに搭載されたマニホルドヘッド16を含む。ハンドル17は上側部分18及び下側部分19を含む。上側部分18は、管状区画20及び管状区画20の上端部24に取り付けられたハンドグリップ区画22を含む。その結果、ハンドル17の上側部分18はほぼT字形を有する。管状であるハンドル17の下側部分19は、ハンドルの上側部分18の管状区画20に挿入されるようにサイズ決めされる。ハンドル17の下側部分19がハンドルの上側部分18の管状区画20に挿入されるので、上側部分は第一の延長位置から第二の圧縮位置へと下側部分に対して移動することができる。ハンドル17の上側部分18をその第一の延長位置に向かって付勢するため、バネ26などの付勢要素が設けられる。しかし、あらゆる既知の付勢要素26が使用されてもよいことが理解される。ハンドル17の下側部分19が引っ張られるか、或いは別の形で上側部分18から引き抜かれるのを妨げ、それによって下側部分が上側部分に入れ子状に取り付けられたままであることを確保するため、フランジ(図示なし)又は他の適切な保定具(一つ若しくは複数)が設けられてもよい。ハンドル17の下側部分19の下端部28は、逆U字形の取付けブラケット30に取り付けられる。マニホルドヘッド16は、その端部32、34それぞれで、一対の枢動ピン36を介して取付けブラケット30に枢動可能に取り付けられる。
【0027】
マニホルドヘッド16は、内部通路と流体連通している複数の高圧ノズル38にシロアリ防除剤を分配する少なくとも一つの内部通路を含む。図3に見られるように、図示されるマニホルドヘッド16は、二つの主要内部通路40、42、及び主要内部通路を接続する横断通路44を含む。マニホルドヘッド16は任意の数(一つを含む)の高圧ノズル38を含んでもよい。例えば、例示的な実施形態のマニホルドヘッド16は、各ノズルが相互にほぼ等距離である、六つの高圧ノズル38のマトリックスを有する。高圧ノズル38はそれぞれ、一実施形態では、約0.002インチ〜約0.01インチ(約0.005cm〜約0.025cm)の範囲のオリフィス径を有する。
【0028】
図2を再び参照すると、高圧ノズル38を保護するため、接触プレート50がマニホルドヘッド16の底面52に取り付けられる。図示される実施形態では、接触プレート50は複数の開口部54を含み、開口部はそれぞれ、複数の高圧ノズル38の個々の一つとほぼ位置合わせされる。その結果、高圧ノズル38は接触プレート50によって土壌から離隔され、したがって土壌に直接接触しない。更に、接触プレート50は、シロアリ防除剤の注入中に「蹴立てられる」ことがある土壌、岩、及び/又は他の岩屑を遮蔽するか、或いは別の形で遮断する。接触プレート50は、器具12の滑りを容易にするように丸み付けられた縁部を含む。接触プレート50は、任意の適切な材料、例えば金属及び/又はプラスチックから作ることができる。
【0029】
マニホルドヘッド16のサイズ及び形状は、器具12を使用することが意図される特定の用途に基づいて選択されてもよい。一実施形態では、マニホルドヘッド16は、図4に示されるように列状で直線的に配列された高圧ノズル38のように、長さ対幅の比が大きい形状を有する。別の実施形態では、マニホルドヘッド16は図5に示されるようなアーチ形状を有する。アーチ形状のマニホルドヘッド16は、木の周りなど、円形の縁部の周りに適応させるのに使用されてもよい。マニホルドヘッド16は交換可能であり得る。つまり、器具12の操作者はマニホルドヘッド16を選択的に取り替えることができる。また、シロアリ防除剤の供給量を低圧で送達するため、マニホルドヘッド16を他の送達手段(例えば、棒状注入器具)と交換できる。これらの低圧送達手段は、高圧注入に余り適さない範囲に使用することができる。
【0030】
マニホルドヘッド16の重量は、操作者が器具を手動で位置付け移動させるのが面倒になり過ぎることなく、複数の高圧ノズル38からの吐出中、マニホルドヘッド16の質量が器具12を適所で保定するのを支援するように選択されてもよい。一般に、マニホルドヘッド16の質量が軽量であるほど、高圧ノズル38からシロアリ防除剤を吐出している間、器具12を適所で保定するために操作者がハンドル17に加えなければならない力が大きくなる。
【0031】
図2に示されるように、吐出弁56はマニホルドヘッド16に取り付けられており、マニホルドヘッドの内部通路40、42、44及びシロアリ防除剤の供給源と流体連通している。より具体的には、吐出弁56の一端は高圧入口ポート58に連結され、吐出弁の他端はホース13に連結される。吐出弁56は開位置と閉位置との間で移動可能である。吐出弁がその閉位置にあるとき、シロアリ防除剤が、ホース13を介してシロアリ防除剤の供給源から高圧入口ポート58を介してマニホルドヘッドの内部通路40、42、44へと流れるのが妨げられる。吐出弁56が開かれると、シロアリ防除剤溶液は、シロアリ防除剤の供給源からホース13を通して高圧下で入口ポート58に流入する。入口ポート58から、加圧シロアリ防除剤は、マニホルドヘッド16の内部通路40、42、44に流入し、高圧ノズル38を通してそこからシロアリ防除剤が地面に注入される。一実施形態では、シロアリ防除剤は、約25psi〜約10,000psi(約0.17N/mm2〜約68.9N/mm2)、別の実施形態では約1,000psi〜約7,000psi(約6.89N/mm2〜約48.2N/mm2)、更に別の実施形態では約4,000psi(約27.5N/mm2)の圧力に加圧される。
【0032】
適切な一実施形態では、吐出弁56は、使用中の圧力に基づいて土壌の適当な深さに、また特定の用途に対して適当な量のシロアリ防除剤溶液が浸透できるようにするため、所望の時間パラメータ内で吐出弁56を開閉できるようにする十分に迅速な動作が可能なソレノイド式ポペット弁である。水圧で作動する弁を使用することが可能であるが、かかる弁のサイズ及び重量の制約が、別の形で手持ち式の適用器具12の有用性を制限することがある。
【0033】
別の適切な実施形態では、マニホルドヘッド16は、複数の高圧ノズル38全体にわたるシロアリ防除剤流体の均等な分配が確保できるように、高圧ノズル38それぞれと関連した関連した吐出弁56を有してもよい。吐出の釣り合わせは、単に内部通路40、42、44の適正なサイズ決めによって合理的なパラメータ内で得ることができるが、必要とされる場合、且つ費用が妥当である場合は、吐出弁56のそれぞれに供給される供給ホースに含まれる加圧シロアリ防除剤溶液が、適当な量のシロアリ防除剤溶液が高圧ノズル38のそれぞれに対して利用可能であることを規定できるように、複数の吐出弁56が使用されてもよい。しかし、かかる構成は、単一の作動に応答してコントローラが複数の吐出弁56を作動させることができなければならないという点で、即ち、弁を制御するのに必要な配線量及び動力を増加させるという点でシステム10を複雑にする。動力要件はより小型の吐出弁56を使用することによって相殺されてもよい。
【0034】
図2に示されるように、トリガースイッチ60(概して、「アクチュエータ」)はハンドル17の下側部分19に搭載され、トリガースイッチアクチュエータ62は上側部分18に搭載される。吐出弁56に電気的に連結されるトリガースイッチ60は、トリガースイッチアクチュエータ62がトリガースイッチ60を係合すると吐出弁56を始動させる。図示される実施形態では、また図3に見られるように、ハンドル17の上側部分18がその第二の圧縮位置へと移動されると、トリガースイッチアクチュエータ62がトリガースイッチと係合される。したがって、ハンドル17の上側部分18に力を加えて、トリガースイッチアクチュエータがトリガースイッチ60を係合するまでハンドルの下側部分19に対して下向きに滑らせることにより、上側部分をその第一の延長位置からその第二の圧縮位置へと移動させることによって、トリガースイッチ60を作動させることができる。
【0035】
別の実施形態(図示なし)では、トリガースイッチ60は、指又は親指を使用して操作者が作動させることができる、ハンドル17の上側部分18のハンドグリップ区画22に位置させることができる。トリガースイッチは、吐出弁56から高圧ノズル38へのシロアリ防除剤の流れを中断する機械的デバイスであってもよく、或いは、吐出弁56への電気信号を中断し、結果として吐出弁56の作動を防ぐ電気的スイッチであってもよい。
【0036】
シロアリ防除剤を地面に注入するため、操作者は、接触プレート50が地面と接触するようにして、手持ち式の可搬型適用器具12を位置付ける。約15〜20ポンド(約6.80〜9.07kg)の下向きの力が操作者によってハンドル17の上側部分18に加えられて、上側部分18がその第一の位置からその第二の位置へと移動し、それによって、上側部分に搭載されたトリガースイッチアクチュエータ62が下側部分19に搭載されたトリガースイッチ60を係合する。トリガースイッチアクチュエータ62及びトリガースイッチ60の係合によって、トリガースイッチ60が作動する。その結果、電子信号がトリガースイッチ60から吐出弁56に送られて、吐出弁が所定の時間量の間その閉位置からその開位置へと移動し、それによって、シロアリ防除剤を地面に注入するため、シロアリ防除剤が高圧ノズル38へと流れ、そこから流出することができる。次に、操作者は圧力をハンドル17から解放し、それによってトリガースイッチをリセットする。より具体的には、バネ26によってハンドル17の上側部分18がその第一の延長位置に戻る。図示されるトリガースイッチ60は、ハンドル17がリセットされるまでに吐出弁56が繰返し開くのを防ぐため、ハンドル17を圧縮する毎に一度だけ働くように構成される。
【0037】
シロアリ防除剤が地面に浸透する深さは、シロアリ防除剤溶液が器具12から吐出される圧力と、シロアリ防除剤が吐出される土壌の種類とに応じて決まる。例えば、粘土などの固く締まった土壌又は圧縮土壌はより浸透しづらく、柔らかい砂質土壌よりも高い圧力を要することがある。したがって、所与の圧力での砂質土壌へのシロアリ防除剤の浸透は約12〜14インチ(約30.48〜35.56cm)であることがあり、同じ圧力での砂土壌へのシロアリ防除剤の浸透は約6〜9インチ(約15.24〜22.86cm)であることがあり、同じ圧力での粘土質土壌へのシロアリ防除剤の浸透は約2〜5インチ(約5.08〜12.70cm)であることがある。
【0038】
図6及び7も参照すると、マニホルドヘッド16はまた、複数の低圧ノズル66を含んでもよい。図6に図示される実施形態では、より低圧のノズル66はそれぞれ、複数の高圧ノズル38それぞれに隣接して位置付けられる。図7に示される別の実施形態では、低圧ノズル66はそれぞれ高圧ノズル38の一つと同心である。低圧吐出弁68が開かれると、低圧ノズル66は地面の上にシロアリ防除剤溶液を適用する。より低圧の吐出弁は上述した吐出弁65と同じように動作する。低圧ノズル66は、約35psi(約0.24N/mm2)未満の圧力でシロアリ防除剤溶液を地面に適用するように構成される。
【0039】
次に図8を参照すると、手持ち式の可搬型適用器具12はまた、シロアリ防除剤が注入された範囲を示すために位置マーカー材料を土壌の表面上に置き、適用毎の間のマニホルドヘッド16の位置を印付けする、複数のノズル70(概して、「ディスペンサ」)を含んでもよい。マニホルドヘッド16の位置を印付けすることによって、シロアリ防除剤がどこに適用されたか、マニホルドヘッドを次にどこに位置付けるべきかを操作者が視覚的に観察することができるので、シロアリ防除剤の均一な適用を構造物の周囲の周りに適用することができる。それに加えて、適用されたマーキング材料は、シロアリ防除剤の過度な適用及び/又は適用不足を防ぐ助けにもなってもよい。任意の適切なマーキング材料、例えば発泡体、粉、塗料、及び染料が使用されてもよい。図示される実施形態では、マーキング材料は、マニホルドヘッド16の外周の周りにある複数のノズル70によって適用される。マーキング材料を含む容器72は、塗布器具12、又は図1に示されるカート14などの離れて位置するデバイスによって運ばれてもよい。マーキング材料は任意の適切な送達デバイスによって適用されてもよく、依然として本発明の範囲内にあってもよいことが理解される。
【0040】
シロアリ防除剤溶液の供給は供給カート14によってもたらされてもよい。一実施形態では、カート14は、水リザーバ80、シロアリ防除剤溶液を加圧する高圧ポンプ82、シロアリ防除剤原液リザーバ84、及び適正量の水と混合される適正量のシロアリ防除剤原液を供給してシロアリ防除剤溶液を形成する混合デバイス86を含む。外部水源(例えば、標準的な住居用水栓)からの水を受け入れる水入口81も設けられる。水リザーバ80又は水入口81のどちらかを省略することができる。供給カート14はまた、圧力ポンプ82を動作させる動力を発生し、器具12と関連付けられたコントローラ92を動作させる電流を発生する発電機90を備えたガソリンエンジン88を含む。別の実施形態では、電力は、適用現場に置かれた電気コンセントに接続することによって供給することができる。
【0041】
供給カート14は、カート14を作業現場へと牽引し、次にそれ自体の動力によって区域を動き回らせることができるように、車載型(例えば、トラック、小型トラック、ATV)、トレーラー搭載型、自動推進式、又は更にはそれらの組み合わせであってもよい。また、供給カート14に搭載されるものとして本明細書に記載されるシステム10の様々な構成要素の一部は、適用器具12に搭載されてもよい。例えば、シロアリ防除剤原液リザーバ84及び混合デバイス86を、供給カート14の代わりに適用器具12に搭載することができる。更に、供給カート14を省略することができる。かかる実施形態では、少なくともシロアリ防除剤原液リザーバ84、混合デバイス86、及び水入口81は適用器具12に積載される。
【0042】
カート14に搭載されるコントローラ92によって、システム10の操作者が、シロアリ防除剤を注入するパルス持続時間及び圧力レベルを選択的に設定することができる。コントローラ92は、混合デバイス86を通る用量を適切に制御できるように、又は注入回数を追跡できるように、オリフィスの数及びそれらのサイズ、使用中のシロアリ防除剤溶液のパラメータを定義することなどによって、操作者が使用中の特定のマニホルドヘッド16と関連付けられたパラメータを入力できるように、プログラム可能であってもよい。
【0043】
本明細書は、最良の形態を含めて本発明を開示するとともに、あらゆるデバイス又はシステムの作成と使用及び任意の組み込まれた方法の実施を含めて、当業者が本発明を実施できるようにするため、実施例を使用している。本発明の特許可能な範囲は請求項によって定義され、当業者が想起する他の実施例を含んでもよい。かかる他の実施例は、請求項の文言と異ならない構造的要素を有する場合、又は請求項の文言と実質的に異ならない等価の構造的要素を含む場合は、請求項の範囲内にあるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬型の手持ち式適用器具と、
前記適用器具に接続されたマニホルドヘッドであって、少なくとも一つの内部通路を有するマニホルドヘッドと、
前記マニホルドヘッド内に、且つ前記少なくとも一つの内部通路と流体連通して位置付けられた少なくとも一つの高圧ノズルであって、約25psiから約10,000psi(約0.17N/mm2から約68.9N/mm2)の圧力で操作可能な少なくとも一つの高圧ノズルと、
前記マニホルドヘッドに搭載された接触プレートであって、前記少なくとも一つの高圧ノズルと位置合わせされた少なくとも一つの開口部を有する接触プレートと、
前記少なくとも一つの高圧ノズルに流体接続された殺虫剤源と、
殺虫剤が前記少なくとも一つの高圧ノズルから流れるのを妨げる閉位置と、殺虫剤が前記少なくとも一つの高圧ノズルから流れる開位置との間で移動可能な吐出弁とを備えている、殺虫剤を適用するための高圧注入システム。
【請求項2】
前記マニホルドヘッドが約20psi(約0.14N/mm2)未満の圧力で操作可能な少なくとも一つの低圧ノズルを更に備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも一つの低圧ノズルが前記少なくとも一つの高圧ノズルに隣接して位置付けられている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも一つの低圧ノズルが前記少なくとも一つの高圧ノズルと同心である、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記殺虫剤がどこに適用されたかを示すため、マーカー材料を選択的に配置するディスペンサを更に備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記マーキング材料が、発泡体、粉、塗料、及び染料の少なくとも一つを含んでいる、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記接触プレートがプラスチック材料である、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
ユーザが作動させることによって、前記吐出弁を前記閉位置から前記開位置へと移動させるアクチュエータを更に備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記吐出弁を前記開位置から前記閉位置へと移動させるように適合された閉弁装置を更に備えている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
所定量の殺虫剤が前記少なくとも一つの高圧ノズルから流れた後に前記吐出弁を閉じるように、前記閉弁装置を操作可能である、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記マニホルドヘッドが少なくとも一つの低圧ノズルを更に備え、所定量の殺虫剤が前記少なくとも一つの低圧ノズルから流れた後に前記吐出弁を閉じるように前記閉弁装置を操作可能である、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記可搬型の手持ち式適用器具が、上側部分及び下側部分を有するハンドルであって、前記上側部分が第一の位置と第二の位置との間で前記下側部分に対して選択的に移動可能であるハンドルと、前記上側部分を前記第一の位置に向かって付勢する付勢部材とを備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記付勢部材がバネを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ハンドルに搭載されたアクチュエータを更に備え、前記アクチュエータをユーザが作動させることによって前記吐出弁が前記閉位置から前記開位置へと移動し、前記ハンドルの前記上側部分を前記第一の位置から前記第二の位置へと移動させることによって前記アクチュエータが作動する、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記アクチュエータが、前記ハンドルの前記下側部分に搭載されたトリガースイッチと、前記ハンドルの前記上側部分に搭載されたトリガースイッチアクチュエータとを備えている、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記マニホルドヘッドが前記ハンドルに枢動可能に接続されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記殺虫剤源が、前記可搬型の手持ち式適用器具に少なくとも部分的に搭載されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記殺虫剤源が前記可搬型の手持ち式適用器具に完全に搭載されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記殺虫剤源を加圧する加圧デバイスを運搬するベースユニットと、前記ベースユニットを前記可搬型の手持ち式適用器具に流体接続する導管とを更に備え、前記可搬型の手持ち式適用器具が前記ベースユニットとは独立して移動可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記殺虫剤源を含む手動で運搬される可搬型リザーバと、前記可搬型リザーバを前記可搬型の手持ち式適用器具に流体接続する導管とを更に備え、前記可搬型リザーバが前記可搬型の手持ち式適用器具及び前記ベースユニットとは独立して移動可能である、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記ベースユニットが車輪付きカートを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記殺虫剤源が防虫剤源である、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記防虫剤源がシロアリ防除剤源である、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
ハンドルと、
前記ハンドルに接続されたマニホルドヘッドであって、少なくとも一つの内部通路を有するマニホルドヘッドと、
前記マニホルドヘッド内に位置付けられ、且つ前記少なくとも一つの内部通路に流体接続された少なくとも一つの高圧ノズルであって、約25psiから約10,000psi(約0.17N/mm2から約68.9N/mm2)の圧力で操作可能な少なくとも一つの高圧ノズルと、
前記マニホルドヘッドに搭載された接触プレートであって、前記少なくとも一つの高圧ノズルと位置合わせされた少なくとも一つの開口部を有する接触プレートと、
前記少なくとも一つの高圧ノズルに流体接続された殺虫剤源と、
殺虫剤が前記少なくとも一つの高圧ノズルから流れるのを妨げる閉位置と、殺虫剤が前記少なくとも一つの高圧ノズルから流れる開位置との間で移動可能な吐出弁とを備えている、殺虫剤を適用するための高圧注入システム向けの可搬型の手持ち式適用器具。
【請求項25】
前記マニホルドヘッドが約20psi(約0.14N/mm2)未満の圧力で操作可能な少なくとも一つの低圧ノズルを更に備えている、請求項24に記載の可搬型の手持ち式適用器具。
【請求項26】
前記少なくとも一つの低圧ノズルが前記少なくとも一つの高圧ノズルに隣接して位置付けられている、請求項24に記載の可搬型の手持ち式適用器具。
【請求項27】
前記少なくとも一つの低圧ノズルがそれぞれ前記少なくとも一つの高圧ノズルと同心である、請求項24に記載の可搬型の手持ち式適用器具。
【請求項28】
前記殺虫剤がどこに適用されたかを示すため、マーカー材料を配置するディスペンサを更に備えている、請求項24に記載の可搬型の手持ち式適用器具。
【請求項29】
前記マーキング材料が、発泡体、粉、塗料、及び染料の少なくとも一つを含んでいる、請求項28に記載の可搬型の手持ち式適用器具。
【請求項30】
前記接触プレートが鋼鉄材料及びプラスチック材料のうちの一つである、請求項24に記載の可搬型の手持ち式適用器具。
【請求項31】
ユーザが作動させることによって、前記吐出弁を前記閉位置から前記開位置へと移動させるアクチュエータを更に備えている、請求項24に記載の可搬型の手持ち式適用器具。
【請求項32】
前記吐出弁を前記開位置から前記閉位置へと移動させるように適合された弁クロージャを更に備えている、請求項31に記載の可搬型の手持ち式適用器具。
【請求項33】
所定量の殺虫剤が前記少なくとも一つの高圧ノズルから流れた後に前記吐出弁を閉じるように、前記弁クロージャを操作可能である、請求項32に記載の可搬型の手持ち式適用器具。
【請求項34】
前記マニホルドヘッドが少なくとも一つの低圧ノズルを更に備え、所定量の殺虫剤が前記少なくとも一つの低圧ノズルから流れた後に前記吐出弁を閉じるように、前記閉弁装置を操作可能である、請求項32に記載の可搬型の手持ち式適用器具。
【請求項35】
前記可搬型の手持ち式適用器具が、上側部分及び下側部分を有するハンドルであって、前記上側部分が第一の位置と第二の位置との間で前記下側部分に対して選択的に移動可能であるハンドルと、前記上側部分を前記第一の位置に向かって付勢する付勢部材とを備えている、請求項24に記載の可搬型の手持ち式適用器具。
【請求項36】
前記付勢部材がバネを含む、請求項35に記載の可搬型の手持ち式適用器具。
【請求項37】
前記ハンドルに搭載されたアクチュエータを更に備え、前記アクチュエータをユーザが作動させることによって前記吐出弁が前記閉位置から前記開位置へと移動し、前記ハンドルの前記上側部分を前記第一の位置から前記第二の位置へと移動させることによって前記アクチュエータが作動する、請求項35に記載の可搬型の手持ち式適用器具。
【請求項38】
前記アクチュエータが、前記ハンドルの前記下側部分に搭載されたトリガースイッチと、前記ハンドルの前記上側部分に搭載されたトリガースイッチアクチュエータとを備えている、請求項37に記載の可搬型の手持ち式適用器具。
【請求項39】
前記マニホルドヘッドが前記ハンドルに枢動可能に接続されている、請求項24に記載の可搬型の手持ち式適用器具。
【請求項40】
前記殺虫剤源が防虫剤源である、請求項24に記載の可搬型の手持ち式適用器具。
【請求項41】
前記防虫剤源がシロアリ防除剤源である、請求項40に記載の可搬型の手持ち式適用器具。
【請求項42】
可搬型の手持ち式適用器具と、
前記適用器具に接続されたマニホルドヘッドであって、少なくとも一つの内部通路を有するマニホルドヘッドと、
前記マニホルドヘッド内に、且つ前記少なくとも一つの内部通路と流体連通して位置付けられた少なくとも一つのノズルと、
前記マニホルドヘッドに搭載された接触プレートであって、前記少なくとも一つのノズルと位置合わせされた少なくとも一つの開口部を有する接触プレートと、
前記少なくとも一つのノズルに流体接続された高圧殺虫剤源であって、約25psiから約10,000psi(約0.17N/mm2から約68.9N/mm2)の高圧源と、
殺虫剤が前記高圧源から前記少なくとも一つのノズルへと流れるのが妨げられる閉位置と、殺虫剤が前記高圧源から前記少なくとも一つの高圧ノズルへと流れる開位置との間で移動可能な吐出弁とを備えている、殺虫剤を適用するための高圧注入システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2013−520177(P2013−520177A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554103(P2012−554103)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【国際出願番号】PCT/US2011/025908
【国際公開番号】WO2011/106410
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(512217352)
【出願人】(512217363)ドライジェクト,インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】