説明

土木建築用ボルト

【課題】ねじ込み終了時にボルトに生じるねじ込みトルクによる衝撃力を緩和して破断を効果的に抑制することができる土木建築用ボルトを提供する。
【解決手段】H型鋼6等に設けられる取付穴8にねじ込まれる第1雄ネジ部11と、この第1雄ネジ部11に連続して取付穴8に導入可能な導入ネジ軸部13と、この導入ネジ軸部13に外嵌されるとともに外径が取付穴8よりも大径に設定されることにより、取付穴8の周縁部と係合してねじ込みトルクによる衝撃力を緩和する緩衝筒体15とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一端部又は両端部にネジ部を有し、例えばH型鋼にコンクリート型枠保持用の金具を取り付けるために使用される土木建築用ボルトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の土木建築用ボルトは、部材間の締結や、取付対象物に対する部材の固定のために広く用いられており、その用途は多種多様である。例えば、両端にネジ部を有する土木建築用ボルトは、コンクリート型枠を保持するための保持装置にも用いられている。
【0003】
このコンクリート型枠の保持装置に用いられる土木建築用ボルトは、例えば特許文献1に示されるように、一端部にH型鋼に設けられた取付穴にねじ込まれるタッピングネジ付のドリルネジ部が設けられ、他端部にも取付雄ネジ部が設けられている。この取付雄ネジ部には、セパレータの長さ調節用に用いられる連結金具(枠体)の一端部に形成された雌ネジが装着される。そして、この土木建築用ボルトは、インパクトレンチなどの電動工具を利用してそのドリルネジ部をH型鋼などの金属部分にねじ込み固定するものとなされている。なお、このねじ込み固定にあたって、あらかじめ電動ドリルなどでH型鋼などの金属部分に下穴を穿ち、ドリルネジ部をガイドすることも一般的に行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−206263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種の土木建築用ボルトにおいては、上記コンクリート型枠保持装置にも例示されるように、インパクトレンチ、インパクトドライバーやドリルドライバーなどの電動工具を用いて取り付けられる場合が多く、このような電動工具のトルクを適切に調整しておかなければ、土木建築用ボルトの頭(工具取付部)が着座するねじ込み終了時にトルクが衝撃力として土木建築用ボルトに生じ、当該ボルトが破断する場合があった。
【0006】
したがって、土木建築用ボルトの軸径をある程度大きいものを選択するか、電動工具のトルクを調整しながらねじ込むか、しなければならないという問題があった。
【0007】
一方、土木建築用ボルトの中には、その軸径を細くすることが望まれているものもあり、このように土木建築用ボルトの軸径を細くすると上記破断の問題が顕著に表れる。
【0008】
例えば、上記コンクリート型枠の保持装置に用いられる土木建築用ボルトでは、上記のように、取付対象物に対し下穴を穿つことがあるが、この下穴の径は土木建築用ボルトの軸径に応じて変えられることが多く、同軸径が大きければ大きいほど、大きい径の下穴が穿たれる。このため、軸径の大きい土木建築用ボルトを用いる場合には、下穴の穿孔作業に時間を費やし作業効率が低下するため、土木建築用ボルトの軸径を細くしたいという要望がある。
【0009】
また、コンクリートの打設後にH型鋼が引き抜き再利用されることがあるが、この場合、土木建築用ボルトを破断させてH型鋼を引き抜くものとなされており、この土木建築用ボルトの軸径が大きいとその引き抜き力も大きくなることから、軸径を細くすることが望まれる場合もある。
【0010】
このように土木建築用ボルトにおいては、過大なトルクでねじ込みが行われると破断する可能性があることから大きな軸径が望まれる一方、作業効率等を向上する観点から小さな軸径が望まれ、これらの相反する要望を同時に満たすことが課題であった。
【0011】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、ねじ込み終了時にボルトに生じるねじ込みトルクによる衝撃力を緩和して土木建築用ボルトの破断を抑制することにより上記相反する要望を同時に満たす土木建築用ボルトを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、この発明に係る土木建築用ボルトは、取付対象物に設けられる取付穴にねじ込まれるネジ部と、このネジ部に連続して上記取付穴に導入可能な導入軸部と、この導入軸部に外嵌されるとともに外形が上記取付穴よりも大きく設定されることにより、上記取付穴周縁部と係合してねじ込みトルクによる衝撃力を緩和する緩衝部材とを備えることを特徴とするものである。なお、上記取付穴は予め取付対象物に設けられているものであってもよいし、また土木建築用ボルトの上記ネジ部により形成されるものであってもよい。
【0013】
この発明によれば、ネジ部に連続して取付穴に導入可能な導入軸部が設けられているので、上記ネジ部のねじ込み終了時であってもこの導入軸部がねじ込みにあたっての遊びとして機能する。また、この導入軸部には外形が上記取付穴よりも大きく設定された緩衝部材が外嵌されているので、導入軸部が取付穴に導入されるにあたって緩衝部材が取付穴周縁部と係合してねじ込みに対する緩衝効果を付与する。
【0014】
したがって、工具、特に電動工具などによりこの土木建築用ボルトをねじ込む場合には、このねじ込み終了時にねじ込みトルクが一挙に衝撃力として土木建築用ボルトに作用することが抑制され、このねじ込みトルクによるせん断力が徐々に土木建築用ボルトに作用する。このため、ねじ込み終了時の土木建築用ボルトの破断を効果的に抑制することができ、また従来のものと比べて、土木建築用ボルトの径を小径に形成することもできる。
【0015】
この発明において、上記緩衝部材は、導入軸部における全範囲に配設されているものであってもよいし、またその一部に配設されているものであってもよいが、少なくとも上記導入軸部におけるネジ部側の端部に配設されているのが好ましい(請求項2)。
【0016】
このように構成すれば、上記ネジ部の全長が上記取付穴内にねじ込まれるねじ込み終了時に緩衝部材が取付穴周縁部に係合するので、直ちに緩衝効果を作用させることができる。
【0017】
この発明において、上記緩衝部材は、取付穴周縁部に係合してねじ込みトルクによる衝撃力を緩和するものであればその具体的構成は特に限定するものではないが、例えば上記緩衝部材は、弾性部材から構成されるものであってもよいし(請求項3)、上記取付穴周縁部に係合することにより圧壊するものであってもよい(請求項7)。
【0018】
上記緩衝部材が弾性部材から構成される場合には、この弾性部材の弾性変形に伴い、ねじ込みトルクによる衝撃力を効果的に緩和することができる。しかも、上記緩衝部材を構成する素材にもよるが、上記緩衝部材が弾性部材から構成されれば、上記取付穴周縁部の損壊を有効に防止することができる。一方、上記緩衝部材が上記取付穴周縁部に係合することにより圧壊するものから構成されれば、この圧壊に伴いねじ込みトルクによる衝撃力を効果的に緩和することができる。なお、上記取付穴周縁部に係合することにより圧壊するものとしては、例えば弾性部材であるか否かにかかわらず、コルクや木材等、柔らかい又は脆い素材で構成され、上記取付穴周縁部に係合することにより破壊され、この破壊に伴って緩衝効果を得ることができるものや、あるいは例えば薄い鋼板、ベントナイトによって碗型等、立体的に構成され、上記取付穴周縁部に係合することにより塑性変形し、この塑性変形に伴い緩衝効果を得ることができるものなどを例示することができる。なお、ベントナイトにより緩衝部材が構成される場合には止水効果を得ることができる。
【0019】
この発明において、上記緩衝部材の具体的素材は特に限定するものではないが、緩衝部材として弾性部材を用いる場合には、この緩衝部材が防水材により構成されているのが好ましい(請求項4)。
【0020】
このように構成すれば、緩衝部材により上記取付穴を通じた浸水を有効に防止することができ、止水効果を得ることができる。例えば、防水材としては、軟質ポリ塩化ビニル、軟質ポリエチレン、軟質ポリプロピレンなどの軟質合成樹脂や、アクリルゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、スチロールゴム、シリコーンゴム等のゴムなどを例示することができる。
【0021】
この発明において、上記導入軸部の具体的構成を特に限定するものではないが、例えば上記導入軸部の長さは当該導入軸部の最小径の0.2倍から2.0倍の範囲内に設定され、上記緩衝部材はこの導入軸部の軸方向の全範囲に亘って外嵌されているのが好ましい(請求項5)。
【0022】
すなわち、導入軸部がその最小径の0.2倍よりも短ければ、緩衝効果を十分に得ることができない。一方、導入軸部がその最小径の2.0倍より長ければ、十分な締付けができない。従って、導入軸部の長さは、上記範囲に設定されるのが好ましい。
【0023】
この発明において、ボルトの具体的構成を特に限定するものではなく、ネジ部を有すればどのようなボルト(本明細書ではネジも含む概念である)でもよいが、例えば上記ネジ部と反対側の端部に第2のネジ部をさらに備えるいわゆるスタッドボルトとして構成されていてもよい(請求項6)。
【0024】
なお、この発明において、上記のように第2のネジ部が設けられ、この第2ネジ部に金具が装着されて、この金具を介して土木建築用ボルトを取付対象物にねじ込むもの等であってもよいが、例えば、上記導入軸部におけるネジ部と反対側の端部に設けられ、上記ネジ部に回転トルクを付与する工具が着脱自在に取り付けられる工具取付部を更に備えるのが好ましい。
【0025】
このように構成すれば、工具取付部に工具を装着して土木建築用ボルトを取付対象物にねじ込むことができ、利便性を向上することができる。なお、この工具取付部は、上記導入軸部に直接的に設けられ、すなわち導入軸部に連続して設けられるものであってもよいが、首部を構成する軸部を介して間接的に設けられるものであってもよい。
【0026】
また、この発明において、上記導入軸部は、上記ネジ部のねじ山に連続して形成されたねじ山が設けられ、上記ネジ部に続いて上記取付穴にねじ込み可能に構成されているものであってもよいし、あるいは上記導入軸部は、上記ネジ部の内径以下の径を有する小径の軸部であり、上記ネジ部に続いて取付穴に挿入可能に構成されているものであってもよい。
【0027】
上記導入軸部が上記ネジ部と同様にネジが形成されている場合には、より確実に土木建築用ボルトを取付対象物に固定することができる。一方、上記導入軸部が小径の軸部として構成されている場合には、この導入軸部のねじ込みに対する抵抗を低減することができる。
【0028】
さらに、この発明において、導入軸部および緩衝部材の具体的構成を特に限定するものではないが、上記導入軸部は上記ネジ部の1ピッチから6ピッチの範囲内に設定され、上記緩衝部材はこの導入軸部の軸方向の全範囲に亘って外嵌されているのが好ましい。このように構成すれば、緩衝部材による緩衝効果を確実に得ることができる。すなわち、導入軸部の長さがネジ部の1ピッチよりも小さいと緩衝効果を十分に得ることができない。一方、導入軸部の長さがネジ部の6ピッチよりも大きいと緩衝部材の存在により十分な締付けができない。従って、導入軸部の長さは、上記範囲内に設定されるのが好ましい。
【0029】
また、この発明において、上記ネジ部はH型鋼に設けられた上記取付穴にねじ込まれるものであり、上記導入軸部の径は3mm〜7mmの範囲内に設定されているのが好ましい。また、更に好ましくは、導入軸部の径は、下限が4mm以上で、上限が6mm以下に設定されるのが好ましい。
【0030】
すなわち、例えばコンクリート型枠を形成するために用いられる土木建築用ボルトは、H型鋼にねじ込まれることがあり、このような範囲に導入軸部の径を設定することにより、既存の土木建築用ボルトをねじ込む場合に比べて、上記取付対象物に設けられる取付穴の径を細くすることができ、作業効率が向上するとともに、コンクリートを打設後にH型鋼を抜き取って再利用する場合に、この抜き取りに要する力を低減することができ、この点においても作業効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る土木建築用ボルトによれば、工具、特に電動工具などによりこの土木建築用ボルトをねじ込む場合には、ねじ込み終了時にボルトに作用するねじ込みトルクが一気に上昇して衝撃力として土木建築用ボルトに作用することが抑制され、このねじ込みトルクの上昇によるせん断力を徐々に土木建築用ボルトに作用させることができる。このため、ねじ込み終了時における土木建築用ボルトの破断を効果的に抑制することができる。このようにねじ込み終了時における破断を効果的に抑制することができることから、例えば土木建築用ボルトの軸径も細くすることができ、作業効率や利便性等の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態に係る土木建築用ボルトを含むコンクリート型枠保持装置の全体を示す一部断面図である。
【図2】同ボルトを示す正面図である。
【図3】同ボルトを示す分解斜視図である。
【図4】同ボルトを取付前の状態で示す一部断面図である。
【図5】同ボルトを取付状態で示す一部断面図である。
【図6】同ボルトの導入軸部の変形例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明に係る一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態の土木建築用ボルトは、コンクリート型枠保持用金具を取り付けるために用いられるボルト(以下「取付用ボルト」という)について説明するが、この土木建築用ボルトの用途としてはこれに限定されず、例えば足場構築用、軽天の下地構築用等、土木建築に用いられるものであればその用途を限定するものではない。
【0034】
図1は、本実施形態に係る取付用ボルト(土木建築用ボルト)を含むコンクリート型枠保持装置の全体を示す横断面図である。
【0035】
本実施形態におけるコンクリート型枠保持装置Aは、地中にコンクリート壁を形成する場合のコンクリート型枠を保持するためのものであり、土留め壁又は連続地中壁等の壁体5側に配設されたH型鋼6(金属部分)又は型枠パネル(不図示)と、これらのH型鋼6等と所定の間隔を隔てて配設された型枠パネル7とを保持するものである。
【0036】
この型枠保持装置Aは、両端にネジ部11,12を有し一端ネジ部11がH型鋼6等にねじ込み固定される取付用ボルト1と、この取付用ボルト1の他端ネジ部12に螺合される調整筒体2と、調整筒体2の他端部に一端部が螺合されるセパレータ3とを備え、セパレータ3の調整筒体2に対するねじ込み量によってセパレータ3の調整筒体2からの突出長さを調整し、図1におけるH型鋼6と型枠パネル7との間隔を調整しつつ、型枠パネル7等を保持するものとなされている。
【0037】
取付用ボルト1については、後に詳細に説明するが、まずこの型枠保持装置Aにおける取付用ボルト1以外の各部材について簡単に説明する。
【0038】
調整筒体2は、図1におけるH型鋼6又は不図示の型枠パネルとこれらに対向配置された型枠パネル7との間隔に応じて、セパレータ3の突出長さを調整するものである。この調整筒体2は、取付用ボルト1に一端部が螺合される第1筒体21と、この第1筒体21の他端縮径部211に一端部が外嵌される第2筒体22と、この第2筒体22の他端部に一端部が内嵌され、セパレータ3に係合してセパレータ3の回転を阻止するストッパ23とを備える。なお、第2筒体22又は第2筒体22およびストッパ23は適宜省略可能である。
【0039】
第1筒体21は、筒本体210と、この筒本体210に延設され該筒本体210の外径よりも小径の縮径部211とを備える。筒本体210は、縮径部211と反対側の端部の内周面に雌ネジ部210aが設けられ、この雌ネジ部210aに取付用ボルト1が螺合されるようになっている。また、この筒本体210の内径はセパレータ3の外径よりも僅かに大きく形成され、セパレータ3が挿通されるように設定されている。一方、縮径部211は、その略全長の内周面に雌ネジ部211aが設けられ、この雌ネジ部211aにセパレータ3の一端部が螺合されるように構成されている。そして、この縮径部211に対するセパレータ3のねじ込み量を調整することにより、調整筒体2からのセパレータ3の突出量を調整するものとなされている。
【0040】
第2筒体22は、その一端部(図1では右端部)内周面が、第1筒体21の縮径部211に外嵌されるように寸法設定されるとともに、他端部にかけて拡径するように構成されている。従って、第2筒体22の内周面は、一端部所定位置から他端にかけてテーパー状に形成され、セパレータ3の挿入がし易く設計されている。この第2筒体22は、第1筒体21の縮径部211に、外嵌状態で溶接等により連結固定されている。
【0041】
ストッパ23は、第2筒体22のテーパー部221に内嵌される筒状のストッパ本体231と、ストッパ本体231の他端部に径方向外方に突出するフランジ部232とを有する。ストッパ本体231は、一端部外周面が先細り状に構成され、第2筒体22に嵌入し易い構造となっている。またストッパ本体231は、軸方向に沿うスリット(不図示)が周方向に複数本形成され、縮径し易いように構成されている。フランジ部232は、ストッパ23を第2筒体22に圧入する際にハンマー等で打撃されるものであり、その用途に応じた寸法設定がなされている。
【0042】
このストッパ23は、第1筒体21にセパレータ3が螺合されている状態で、フランジ部232がハンマー等で打撃されることにより、第2筒体22に内嵌状態で圧入され、一端部が縮径してセパレータ3に押圧する。これにより、セパレータ3の第1および第2筒体21,22に対する相対的な回転が阻止され、セパレータ3の調整筒体2からの突出量を維持することができる。
【0043】
セパレータ3は、図1に示すように所定長さの丸棒状のもので、調整筒体2側の端部に雄ねじが所定長さ範囲にわたって形成されている。このセパレータ3の他端部(図1では左端部)には、板状の型枠パネル7を内側から支持するピーコン32が取り付けられている。ピーコン32は、そのネジ部321が型枠パネル7に設けられた貫通孔71に挿通され、ナット4により型枠パネル7に固定される。
【0044】
次に取付用ボルト1について説明する。図2は取付用ボルトの正面図であり、図3は同ボルトの分解斜視図である。
【0045】
取付用ボルト1は、両端部にネジ部11,12を有する、いわゆるスタッドボルトであり、炭素鋼、合金鋼などの鉄鋼、ステンレス等の公知のネジの素材により構成されている。具体的には、この取付用ボルト1は、H型鋼6に設けられる取付穴8にねじ込まれる第1雄ネジ部11(ネジ部に相当)と、この第1雄ネジ部11に連続して取付穴8にねじ込まれる導入ネジ軸部13(導入軸部に相当)と、この導入ネジ軸部13に首部16を介して連設される工具取付部14と、この工具取付部14に首部121を介して連設される第2雄ネジ部12と、導入ネジ軸部13に外嵌された緩衝筒体15(緩衝部材に相当)とを備える。図3に示すように、取付用ボルト1は、第1および第2雄ネジ部11,12、導入ネジ軸部13、工具取付部14が軸心を一致させた状態で一体に設けられ、このうち導入ネジ軸部13に緩衝筒体15が外嵌装着されることにより構成されている。なお、工具取付部14と導入ネジ軸部13又は第2雄ネジ部12との間の首部は適宜省略することができる。
【0046】
第1雄ネジ部11は、本実施形態では、ピッチPのタッピングネジとして構成されているが、このネジの種類は特に限定されるものではなく、ボルトネジ、ドリリングネジ、木ネジ等であってもよく、その取付対象物もH型鋼6等の金属に限定されるものではなく、コンクリート、木材、プラスチック等、種々適用可能である。この第1雄ネジ部11の外径、軸長等は、取付対象物、取付条件等に応じて適宜設定される。
【0047】
導入ネジ軸部13は、ボルトの締付け工程で、第1雄ネジ部11のねじ込みに続いて取付穴8に導入されるものであり、第1雄ネジ部11のねじ込みについての遊びに相当するものである。本実施形態では、導入ネジ軸部13は、第1雄ネジ部11のねじ山に連続して形成されたねじ山が設けられ、第1雄ネジ部11に続いて取付穴8にねじ込み可能に構成されている。すなわち、本実施形態では、導入ネジ軸部13は、第1雄ネジ部11と、一体のネジとして構成され、そのピッチ、内径、有効径、材質、ねじ山などの具体的構成が第1雄ネジ部11と同一に形成されている。
【0048】
この導入ネジ軸部13の長さは、本実施形態では導入ネジ軸部13の最小径に基づいて定められている。具体的には、導入ネジ軸部13の長さは、導入ネジ軸部13の内径(最小径)の0.2倍〜2.0倍の範囲内で設定される。本実施形態の導入ネジ軸部13の長さは、その内径の約0.7倍に設定され、外周面に約3.5ピッチのねじ山が形成されている。
【0049】
ここで、導入軸部の長さを上記範囲に設定しているのは、次の理由による。すなわち、導入ネジ軸部13がその内径の0.2倍よりも短ければ、緩衝筒体15による緩衝効果を十分に得ることができない。一方、導入ネジ軸部13がその内径の2.0倍よりも長ければ、この取付用ボルト1のH型鋼6に対する締付けが十分にできない。従って、導入ネジ軸部13の長さは、上記範囲内で設定されるのが好ましい。より好ましくは、導入ネジ軸部13の長さは、その内径の0.5倍〜1.0倍の範囲内で設定されるのがよい。なお、本実施形態では、第1雄ネジ部11と導入ネジ軸部13の軸方向における長さの比率が約7:5に設定されている。すなわち、導入ネジ軸部13は、第1雄ネジ部11に対して短い。
【0050】
また、導入ネジ軸部13の長さは、第1雄ネジ部11の1ピッチから6ピッチの範囲に設定されるのが更に好ましく、本実施形態では第1雄ネジ部11の3.5ピッチに相当する長さに寸法設定されている。すなわち、導入ネジ軸部13の長さが第1雄ネジ部11の1ピッチよりも小さいと緩衝効果を十分に得ることができない。一方、導入ネジ軸部13の長さが第1雄ネジ部の6ピッチよりも大きいとより十分な締付けができない。従って、導入ネジ軸部13の長さは、上記範囲内に設定されるのが好ましい。
【0051】
なお、導入ネジ軸部13の径は、この種コンクリート型枠保持装置に用いる場合には3〜8mmの範囲内に設定されるのが好ましい。また、更に好ましくは、導入ネジ軸部13の径は、下限が4mm以上で、上限が7mm以下に設定されるのが好ましい。
【0052】
工具取付部14は、この取付用ボルト1をH型鋼6(および壁体5)にねじ込む場合に、第1雄ネジ部11および導入ネジ軸部13に回転トルクを付与する工具(例えばインパクトレンチなどの電動工具)が装着されるものである。本実施形態の工具取付部14は、その一側面(図2で左側面)に緩衝筒体15の一側面が当接してこの緩衝筒体15の右方向の移動を拘束する緩衝筒体15の位置決め部としての機能も果たしている。
【0053】
この工具取付部14は、首部16を介して導入ネジ軸部13の他端部に連続して設けられ、本実施形態では六角ナット状に形成されている。なお、この工具取付部14に取り付けられる工具Tは、第2雄ネジ部12との干渉を回避する凹部T1と、その先端側に配設され工具取付部14に嵌合する嵌合部T2とを有するアタッチメントが先端に装着されて使用される(図4参照)。
【0054】
この工具取付部14の他端部には、首部121を介して第2雄ネジ部12が連設されている。第2雄ネジ部12は、調整筒体2の雌ネジ部210aに螺合されるものである。この螺合により調整筒体2が取付用ボルト1に取り付けられる。この第2雄ネジ部12は、第1雄ネジ部11と順方向にネジが形成されている。
【0055】
次に、導入ネジ軸部13に外嵌されている緩衝筒体15について説明する。この緩衝筒体15は、図3に示すように、円筒状の部材として構成され、その外径が取付穴8の径よりも大きく設定されている。言い換えると、緩衝筒体15の外形は、取付穴8よりも大きく設定されている。具体的には、緩衝筒体15は、その内径が導入ネジ軸部13の内径に略等しく設定され、その外径が導入ネジ軸部13の内径の約1.4倍に設定される。この緩衝筒体15の外径は、導入ネジ軸部13の最小径に応じて定められるのが良く、例えば導入ネジ軸部13の最小径の1.2倍〜2.0倍の範囲内で定められる。
【0056】
緩衝筒体15の軸方向長さは、導入ネジ軸部13よりも短ければ特に限定されるものではないが、本実施形態では、導入ネジ軸部13と同等の長さに設定されている。すなわち、緩衝筒体15は、導入ネジ軸部13の全長にわたって外嵌されている。このため、取付用ボルト1の取付穴8へのねじ込みにあたって、導入ネジ軸部13が取付穴8に導入されると、当初から緩衝筒体15の外周縁部が取付穴8の周縁部に係合して緩衝効果を得ることができる。
【0057】
この緩衝筒体15は、防水性を有する弾性部材からなる。具体的には、緩衝筒体15は、例えば軟質ポリ塩化ビニル、軟質ポリエチレン、軟質ポリプロピレンなどの軟質合成樹脂や、アクリルゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、スチロールゴム、シリコーンゴム等のゴムなどから構成されている。
【0058】
この緩衝筒体15は、第1雄ネジ部11からねじ込まれ、導入ネジ軸部13に外嵌される。なお、導入ネジ軸部13に外嵌された緩衝筒体15は、導入ネジ軸部13のねじ山によって軸方向の摺動が抑制される。
【0059】
なお、本実施形態の緩衝筒体15は、切込みのない完全な筒体として構成されているが、軸方向の全長あるいは一部に切込みを設けてもよい。このような切込みを設けた場合には、緩衝筒体15の導入ネジ軸部13への外嵌が容易になる。また、緩衝筒体15の軸方向又は径方向に貫通する貫通孔を1ないし複数本設けるものであってもよい。また、緩衝筒体15の具体的形状は円筒状のものに限定されるものではなく、例えば角筒状、三角筒状等、外形が取付穴8よりも大きい筒状のものであれば良い。
【0060】
次に、本実施形態におけるコンクリート型枠保持装置Aの設置方法について説明する。図4は取付用ボルトを対象物に取付前の状態で示す一部断面図であり、図5は同ボルトを取付状態で示す一部断面図である。
【0061】
まず、H型鋼6に、ドリル等で下穴である取付穴8を形成する。なお、第1雄ネジ部11がドリリングネジで構成されている場合には、この下穴の穿孔工程を省略してもよい。
【0062】
次に、インパクトレンチなどの電動工具Tの凹部T1および嵌合部T2のそれぞれに取付用ボルト1の第2雄ネジ部12および工具取付部14を挿入して、図4に示すように、取付穴8に第1雄ネジ部11を位置合わせし、その状態で電動工具Tを作動させる。この作動に伴い、第1雄ネジ部11に回転トルクが付与され、当該第1雄ネジ部11が回転して取付穴8に螺入される。このとき、第1雄ネジ部11により取付穴8の内周面に雌ネジが形成される。
【0063】
第1雄ネジ部11を取付穴8に螺入していくと、緩衝筒体15の一端面(図4で右側面)が取付穴8の周縁部に当接する。そして、この状態でさらに第1雄ネジ部11を取付穴8に螺入すると、緩衝筒体15が取付穴8の周縁部に係合することにより該緩衝筒体15が弾性変形しつつ、導入ネジ軸部13が取付穴8にねじ込まれる。このため、ネジ部のねじ込み終了時に頭部(ないしは工具取付部)が着座して、軸部に作用する回転トルクによるせん断力が一気に上昇する従来の取付用ボルトと異なり、本実施形態の取付用ボルト1では、第1雄ネジ部11に続いて導入ネジ軸部13が取付穴8にねじ込まれるので、一気に軸部(第1雄ネジ部11、導入ネジ軸部13)に作用する回転トルクによるせん断力が上昇することはなく、緩衝筒体15の弾性変形に伴い、取付用ボルト1の上記軸部に作用する上記せん断力が徐々に上昇する。従って、電動工具Tによりこの取付用ボルト1をねじ込む場合には、第1雄ネジ部11のねじ込み終了時にねじ込みトルクが一挙に衝撃力として土木建築用ボルトに作用することが抑制される。しかも、従来の取付用ボルトと比べ、電動工具Tにより取付用ボルト1をねじ込むに際し、当該取付用ボルト1に作用する回転トルクが破断トルクに達するまでに時間的余裕が生じることから、その間に電動工具Tの作動を停止して、取付用ボルト1の破断を効果的に抑制することができる。また、このように取付用ボルト1の破断を効果的に抑制することができることから、従来のものに比べて、取付用ボルト1の径を小径に設定することができる。
【0064】
このように取付用ボルト1の径(例えば第1雄ネジ部11や導入ネジ軸部13)を小径に設定することができるため、取付穴8を予め穿つ場合には、その径を細くすることができ作業効率を向上させることができる。しかも、コンクリート打設後にH型鋼6を引き抜き再利用する場合には、この引き抜きに要する力を低減することができ、H型鋼6の引き抜き作用の作業効率も向上させることができる。
【0065】
さらに、導入ネジ軸部13にねじ山が形成されているため、この導入ネジ軸部13が取付穴8へ導入されることにより取付用ボルト1をより確実にH型鋼6に固定することができる。しかも、このねじ山が緩衝筒体15の滑り止めの役目を果たし、緩衝筒体15の軸方向に沿った摺動がほどよく阻止され、適度な緩衝効果を得ることができる。
【0066】
図5に示すように、取付用ボルト1のH型鋼6等への取付が完了すると、緩衝筒体15は偏平な形状に弾性変形し、その弾性回復力により取付穴8の周縁部に密着する。この緩衝筒体15は、防水材により構成されているので、この取付穴8の周縁部に密着した緩衝筒体15がシール材として機能し、取付穴8を通じた浸水を有効に防止するという止水効果を得ることができる。
【0067】
次に、この取付用ボルト1の第2雄ネジ部12に調整筒体2の第1筒体21の雌ネジ部210aを螺合することにより、取付用ボルト1に調整筒体2を取り付ける。なお、この際、調整筒体2にストッパ23が軽く内嵌されている状態であってもよいが、本実施形態ではストッパ23が取り付けられていない状態で調整筒体2を取付用ボルト1に取り付ける。
【0068】
そして、セパレータ3の雄ネジが形成された端部に、ストッパ23を予め挿通させ、この状態でセパレータ3を調整筒体2に取り付ける。このとき、第2筒体22の内周面がテーパー状に形成されているため、この内周面に案内されてセパレータ3の一端部が第1筒体21の縮径部211に案内される。続いて、セパレータ3を回転することにより、セパレータ3を第1筒体21の縮径部211にねじ込み、このねじ込み量を調整することによりセパレータ3の調整筒体2からの突出長さを調整する。
【0069】
セパレータ3の上記突出長さを適当な状態に設定した後、ストッパ23を適切に配置してセパレータ3の調整筒体2に対する相対的な回転を阻止する。具体的には、ストッパ23の本体231を第2筒体22に内嵌させて、この状態でフランジ部232をハンマー等でストッパ23を第2筒体22に挿入する方向に打撃する。これにより、ストッパ本体231の先端部が縮径してセパレータ3に押圧されることによりセパレータ3の相対的な回転が阻止される。
【0070】
最後に、セパレータ3の他端側に取り付けられたピーコン32を型枠パネル7に取り付ける。これにより、型枠パネル7をH型鋼6から所定間隔隔てた状態で保持することができる。
【0071】
なお、以上に説明した取付用ボルトは、本発明に係る土木建築用ボルトの一実施形態であり、その具体的構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、その変形例を説明する。
【0072】
(1)上記実施形態では、導入軸部がねじ山が形成された導入ネジ軸部13として構成されているが、導入軸部の具体的構成はこれに限定されるものではない。例えば、図6に示すように、取付用ボルト101の導入軸部が、第1雄ネジ部11の内径d1以下の径d2を有する小径の軸部103として構成され、第1雄ネジ部11に続いて取付穴8に挿入可能に構成されているものであってもよい。このように構成すれば、導入軸部103のねじ込みに対する抵抗を低減することができる。
【0073】
(2)上記実施形態では、導入ネジ軸部13に首部を介して間接的に工具取付部14が設けられているが、この工具取付部14は導入ネジ軸部13(導入軸部)に直接的に設けられるものであってもよい。
【0074】
(3)上記実施形態では、緩衝部材としての緩衝筒体15が弾性部材により構成され、この緩衝筒体15が取付穴8の周縁部と係合することにより弾性変形してこれにより緩衝効果を得るものとなされているが、この緩衝部材は、例えば取付穴周縁部に係合することにより圧壊するものであってもよい。上記取付穴周縁部に係合することにより圧壊するものとしては、例えば弾性部材であるか否かにかかわらず、コルク、木材や蝋塊等、柔らかい又は脆い素材で構成され、上記取付穴周縁部に係合することにより破壊され、この破壊に伴って緩衝効果を得ることができるものや、あるいは例えば薄い鋼板によって一側方が開放された碗型、同方向が開放された箱形等、立体的に構成され、上記取付穴周縁部に係合することにより塑性変形し、この塑性変形に伴い緩衝効果を得ることができるものなどを例示することができる。
【0075】
このように、緩衝部材が上記取付穴8の周縁部に係合することにより圧壊するものから構成されれば、この圧壊に伴いねじ込みトルクによる衝撃力を効果的に緩和することができる。
【0076】
また、緩衝部材としての弾性部材は、上記実施形態における緩衝筒体15に限定されるものではなく、つる巻きバネ、板バネ等であってもよい。
【0077】
(4)上記実施形態では、緩衝部材である緩衝筒体15が導入ネジ軸部13の全長にわたって配設されているが、導入ネジ軸部13(導入軸部)の軸方向における一部に配設されているものであってもよい。この場合、少なくとも導入ネジ軸部13の第1雄ネジ部11側の端部に配設されているのが好ましい。このように構成すれば、第1雄ネジ部11の全長が取付穴8内にねじ込まれるねじ込み終了時に緩衝筒体15が取付穴8の周縁部に係合するので、直ちに緩衝効果を作用させることができる。
【0078】
(5)上記実施形態では、工具取付部14に電動工具Tの嵌合部T2を外嵌させるものとなされているが、この工具取付部14に代えて、第2雄ネジ部12の端面にすり割等の工具取付用の溝部を設けても良い。また、これらの工具取付部を省略するものであってもよく、この場合、取付用ボルトのねじ込みにあたって、まず調整筒体2を取付用ボルトの第2雄ネジ部12に取り付けた後、この調整筒体2を電動工具で回転させることにより、第1雄ネジ部11に回転トルクを付与するようにしてもよい。
【0079】
導入軸部13におけるネジ部11側の端部と反対側の端部に設けられた工具装着部14を省略する場合には、緩衝筒体15の変位を拘束する観点から、緩衝筒体15(緩衝部材)の変位拘束構造を設けるのが良い。変位拘束構造は、具体的には、緩衝筒体15の一端面が当接するフランジ部を設けるものであってもよいし、緩衝筒体15の第2雄ネジ部12側の端部が接着等により導入ネジ軸部13に固定されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 取付用ボルト(土木建築用ボルト)
2 調整筒体
3 セパレータ
6 H型鋼
7 型枠パネル
8 取付穴
11 第1雄ネジ部(ネジ部)
12 第2雄ネジ部
13 導入ネジ軸部(導入軸部)
14 工具取付部
15 緩衝筒体(緩衝部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付対象物に設けられる取付穴にねじ込まれるネジ部と、このネジ部に連続して上記取付穴に導入可能な導入軸部と、この導入軸部に外嵌されるとともに外形が上記取付穴よりも大きく設定されることにより、上記取付穴周縁部と係合してねじ込みトルクによる衝撃力を緩和する緩衝部材とを備えることを特徴とする土木建築用ボルト。
【請求項2】
上記緩衝部材は、少なくとも上記導入軸部におけるネジ部側の端部に配設されていることを特徴とする請求項1記載の土木建築用ボルト。
【請求項3】
上記緩衝部材は、弾性部材からなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の土木建築用ボルト。
【請求項4】
上記緩衝部材は、防水材により構成されていることを特徴とする請求項3記載の土木建築用ボルト。
【請求項5】
上記導入軸部の長さは当該導入軸部の最小径の0.2倍から2.0倍の範囲内に設定され、上記緩衝部材はこの導入軸部の軸方向の全範囲に亘って外嵌されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の土木建築用ボルト。
【請求項6】
上記ネジ部と反対側の端部に第2のネジ部をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の土木建築用ボルト。
【請求項7】
上記緩衝部材は、上記取付穴周縁部に係合することにより圧壊するものであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の土木建築用ボルト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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