説明

土砂流下試験装置

【課題】防護柵等に対して土砂や土石流を加え、客観性の高い耐衝撃性能評価を可能にするシンプルな構成の土砂流下試験装置を提供する。
【解決手段】傾斜面12の上流側に設置され、底面24aが傾斜面12の向きに傾斜した土砂収容部16を有し、当該土砂収容部24の最深部の側面に、土砂Wを排出する排出口26が開口した土砂貯留槽を備える。板状体の一端である軸着端18aが排出口26の周縁部外面に軸着され、排出口26を外側から閉鎖できる回動自在な開閉部材を備える。開閉部材18の内面の開閉端部18b寄りの位置に、一端が固定されたワイヤを備える。開閉部材18を内側に引っ張るワイヤを20保持することによって開閉部材18が排出口26の閉鎖状態を維持すると共に、ワイヤ20を解放することによって開閉部材18を回動自在な状態にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、山腹の傾斜面を流下する土砂や雪崩等を道路脇等の所定の位置で受け止める防護柵等の耐久性能を評価するための土砂流下試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の試験装置として、土砂の代わりに重錘をワイヤロープ等でクレーンに吊り下げ、振り子のように振動させて防護柵に衝突させたり、重錘を自由落下により防護柵に衝突させたりする擬似的な衝撃試験装置がある。また、特許文献1に開示されているように、傾斜路に沿って重錘等の落下物を流下させて防護柵に衝突させる衝撃試験装置もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−296165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自然に囲まれた山間地域において、山腹の傾斜面を滑り落ちてくる落下物として、土に砂や小石が混じった土砂、大きな岩石、土砂に雨水が混じった土石流、雪崩などが考えられる。従って、それらを受け止める防護柵等の耐久性能の評価は、様々な落下物を想定して行う必要がある。しかし、従来の衝撃試験装置(特許文献1の衝撃試験装置を含む)は、いずれも重錘等の塊を用いて衝撃を加えるものであり、防護柵等に大きな岩石が衝突したときの耐久性能を評価するのに適しているが、土砂や土石流が衝突したときの評価には不適であった。
【0005】
防護柵に大きな岩石が衝突した場合、防護柵の特定部分に衝撃力が集中するという特徴がある。一方、落下物が土砂や土石流が衝突した場合、これらは一種の流体と考えることができるので、防護柵の広い範囲に衝撃力が分散するという特徴がある。従って、同じ防護柵であっても、岩石の場合と土砂等の場合とで衝撃を受けたときの挙動が異なり、耐衝撃性能にも違いがある。
【0006】
一般に、防護柵等を新設する場合、設置場所の山腹の地盤(土質)や気候(降雨量や積雪量)などに鑑みて落下物を想定し、落下物の衝撃に対して十分な性能を備え、かつ過剰品質にならず安価に設置可能な構造の防護柵等を選定する。従って、様々なタイプの防護柵の耐衝撃性能を多面的に評価する必要があり、岩石等の塊を想定した従来の擬似的な衝撃試験装置に代わり、土砂や土石流を想定した土砂流下試験装置が求められていた。
【0007】
この発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、防護柵等に対して土砂や土石流を衝突させ、客観性の高い耐衝撃性能評価を可能にするシンプルな構成の土砂流下試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、傾斜面の下流側に設置された防護柵又は防護壁の耐久性能を評価するための土砂流下試験装置であって、前記傾斜面の上流側に設置され、底面が前記傾斜面の向きに傾斜した土砂収容部を有し、当該土砂収容部の最深部の側面に、前記土砂収容部内の土砂を前記傾斜面に排出する排出口が設けられた土砂貯留槽と、板状体の一端である軸着端が前記排出口の周縁部外面に軸着され、前記排出口を外側から閉鎖することができる回動自在な開閉部材と、前記開閉部材の内面の開閉端部寄りの位置に一端が固定されたワイヤと、前記開閉部材を内側に引っ張る前記ワイヤを保持することによって前記開閉部材が前記排出口の閉鎖状態を維持すると共に、前記ワイヤを解放することによって前記開閉部材を回動自在な状態にするワイヤ保持装置とを備えた土砂流下試験装置である。
【0009】
前記ワイヤ保持装置は、前記排出口がある側面と対向する側面の上端部に固定された基台と、基端部が前記基台の軸部に支持され、先端部が軸部を中心に上下方向に回動自在なアーム部材と、前記アーム部材の下面から下向きに突設された係止突起と、前記基台上に設けられ、前記アーム部材と一体に下向きに移動したとき前記係止突起の先端部が内側に係合する溝部とを備え、前記ワイヤは、前記開閉部材に固定された一端と反対側の一端に、リング状端部が設けられ、前記ワイヤ保持装置に前記ワイヤを保持させる際は、前記アーム部材を下向きに回動させることによって、前記リング状端部の内側に前記係止突起を挿通させると共に、当該係止突起の先端部を前記溝部に係合させ、前記ワイヤ保持装置が保持している前記ワイヤを解放する際は、前記アーム部材を上向きに回動させることによって、前記係止突起と前記溝部との係合を解除し、前記リング状端部を前記係止突起から脱落させるものである。
【0010】
また、前記開閉部材は、前記軸着端が前記排出口の下側の周縁部外面に軸着されるのが好ましい。前記土砂収容部には前記傾斜面の幅方向に複数の排出口が連続的に設けられ、前記複数の排出口ごとに、前記開閉部材、前記ワイヤ及び前記ワイヤ保持装置が個別に設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
この発明の土砂流下試験装置は、山間地や採石場等の傾斜面を利用し、その上流側に土砂貯留槽を設置することによって容易に構成することができる。また、防護柵等に衝突させる土砂についても、土の種類、砂の粒径、水分の含有量など、特に制限なく自由に設定することができる。
【0012】
排出口を閉鎖する開閉部材は、ワイヤ保持装置に保持されたワイヤを解放することによってほとんど抵抗なく瞬時に開くので、排出口から排出される土砂の初速度や時間当たりの流量が安定する。従って、土砂流下試験を繰り返し行う際も、試験条件の再現性が確保される。開閉部材を開閉する動作は、非常に簡単な機構により実現されるので、装置全体を非常にシンプルに構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の土砂流下試験装置の一実施形態と試験対象の防護柵を示す正面図(a)、右側面図(b)、A−A断面図(c)である。
【図2】この実施形態の土砂流下試験装置の部分拡大A−A断面図である。
【図3】この実施形態の土砂流下試験装置のワイヤ保持装置がワイヤを保持する動作を説明する右側面図(a)、係止突起及び溝部の係合状態を示す模式図(b)、ワイヤを解放する動作を説明する右側面図(c)である。
【図4】この実施形態の土砂流下試験装置に土砂を投入する様子を示す部分断面図である。
【図5】この実施形態の土砂流下試験装置のワイヤ保持装置を操作して開閉部材を開く動作を説明する部分断面図(a),(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の土砂流下試験装置の一実施形態の構成について、図1〜図3に基づいて説明する。この実施形態の土砂流下試験装置10は、採石場等の傾斜面12の上流側に設置され、下流側の平坦部に設置された防護柵14に土砂Wを流下させる装置である。ここで、試験対象の防護柵14は、例えば全高3〜4m、全幅12〜15mの大きさで、傾斜面12の幅方向に一列に立設された4本の支柱14aにネット14bが張設されたものである。
【0015】
土砂流下試験装置10は、傾斜面12の上流側の例えば約25mの高さに造成した平坦部に設置され、図1に示すように、土砂貯留槽16、開閉部材18、ワイヤ20及びワイヤ保持装置22で構成されている。傾斜面12の傾斜角は、想定する斜面や設置可能な傾斜面に合わせて適宜選択され、例えば約50度の傾斜面に設定される。
【0016】
土砂貯留槽16は、上端が開口した略矩形の箱体であり、その内側に土砂収容部24が設けられている。土砂収容部24は、底面24a全体が傾斜面12の方向に大きく傾斜しており、土砂貯留槽16の容積のうち、斜め上半分が土砂収容部24になっている。土砂貯留槽16の上端の開口は、土砂収容部24に土砂Wを搬入する搬入口となる。さらに土砂貯留槽16には、土砂収容部24の最深部の側面に、土砂収容部24の幅いっぱいに連続的に開口する矩形の排出口26が4つ設けられ、後述する開閉部材18が開いたとき、内部の土砂Wが自重で傾斜面12に排出されるようになっている。
【0017】
開閉部材18は、個々の排出口26よりも大きい4枚の板状体であり、各排出口26の下側の周縁部の外面に、各板状体の一端である軸着端18aが回動自在に軸着されている。そして、各開閉部材18を土砂貯留槽16の側に回動させることによって、図1(b),(c)に示すように、排出口26を外側から個々に閉鎖することができる。
【0018】
ワイヤ20は、開閉部材18を引っ張って排出口26を閉鎖するための部材であり、開閉部材18ごとに1本ずつ設けられ、図2に示すように、一端が、開閉部材18の開閉端18b寄りの内面に固定されている。ワイヤ20の他端には、ワイヤ20の端部をリング状に処理したリング状端部20aが設けられている。
【0019】
ワイヤ保持装置22は、各ワイヤ20ごとに1台ずつ設けられ、ワイヤ20を引っ張った状態でリング状端部20aを保持すると共に、保持しているリング状端部20aを瞬時に解放することができる装置である。ワイヤ保持装置22は、図3に示すように、土砂貯留槽16の排出口26と反対側の側面の上端部に固定された基台28と、基台28に取り付けられたアーム部材30とで構成されている。アーム部材30は、基端部30aが基台28の軸部32に支持され、先端部30bが排出口26の側に向いて突出し、軸部32を中心に上下方向に回動自在になっている。アーム部材30の下面の基端部30a寄りの位置には、係止突起30cが下向きに突設されている。係止突起30cは、リング状端部20aの内側に挿抜自在な太さに形成され、その先端部が、アーム部材30と一体に下向きに移動したときに、基台28上に設けた溝部34の内側に係合する構造になっている。
【0020】
ワイヤ保持装置22は、図3(a),(b)に示すように、開閉部材18を閉じる方向に引っ張るワイヤ20のリング状端部20aが係止突起30cに挿通され、アーム部材30の先端部30bの側が下向きに移動させる操作がされることによって、係止突起30cの先端部が溝部34内に係合してリング状端部20aを保持し、開閉部材18が排出口26の閉鎖状態を維持する。さらに、その状態からアーム部材30の先端部30bの側を上向きに移動させる操作がされ、係止突起30cの先端部と溝部34との係合が解除すると、図3(c)に示すように、リング状端部20aが係止突起30cから脱落してワイヤ20が解放され、開閉部材18が回動自在な状態にする。
【0021】
次に、土砂流下試験装置10を用いて防護柵14に対する土砂流下試験を行うときの手順と動作について、図4、図5に基づいて説明する。まず、土砂収容部24に土砂Wがないことを確認し、各開閉部材18で4つの排出口26を個々に閉鎖し、各ワイヤ保持装置22で対応するワイヤ20のリング状端部20aを保持し、閉鎖状態を維持する(図1(a)、図2に示す状態)。次に、図4に示すように、パワーショベル36等の重機を用いて、土砂収容部24に土砂Wを投入する。ここでは、土砂Wは、土、小石、水などを所定の配合で混合した実験用の土砂であり、例えば上述の土砂収容部24の大きさの場合、1回の土砂流下試験に約50立方メートルの土砂Wを使用する。
【0022】
土砂収容部24への土砂Wの投入が終わると、各排出口26を開放するための準備を行う。まず、4つのアーム部材30のうちの両端2台の設置間隔よりも長さの長い鋼材38を用意する。次に、土砂流下試験装置10のほぼ中央の位置にパワーショベル36を配置し、図5(a)に示すように、バケット36aの基端係合部に複数の吊下ワイヤ40を取り付け、鋼材38が水平になるように左右均等に吊り下げる。ここで、図5の鋼材38は、図面の奥行き方向に長く、複数の吊下ワイヤ40は図面の奥行き方向に設けられている。次に、各アーム部材30の先端部30bから、同じ長さの連結ワイヤ42を上方に引き出し、その端部を鋼材38の下側にそれぞれ固定する。この時点で図5(a)に示す状態となり、開閉部材18を開放する準備が終了する。
【0023】
開閉部材18を開放する操作は、図5(b)に示すように、ショベルカー36で鋼材38を持ち上げることによって行う。鋼材38がショベルカー36のアームにより持ち上げられて水平を維持しながら上昇すると、各アーム部材30も連結ワイヤ42に引っ張られて上方に移動し、各ワイヤ20のリング状端部20aがほぼ同時に解放され、各開閉部材18が回動自在な状態になる。すると、土砂Wが底面24aを滑り落ちようとする力に押されて傾斜面12の側に倒れて大きく開き、土砂Wが排出口26から勢いよく排出される。そして、傾斜面12を流下した土砂Wは防護柵14の側面に衝突し、防護柵14に所定の衝撃が加わることになる。
【0024】
土砂を受け止めた防護柵14は、破損状態に基づいて耐衝撃性能が評価される。このとき、あらかじめ、防護柵14の支柱14aやネット14bの各所、および防護柵14が設置されている地盤の各所に衝撃センサ等を取り付けておき、防護柵14等に加わった衝撃に関する詳細データを取得することが好ましい。そうすれば、土砂流下試験結果を分析する際、土砂流下を受けた防護柵14の破損状態を観察するだけでなく、土砂Wが防護柵14の各部に加えた衝撃力の分布(大きさ、向き)等を詳細に把握し、試験条件及び結果の妥当性の評価も行うことができる。
【0025】
なお、この土砂流下試験装置10は、ワイヤ20に過剰な引張力が加わって断線するのを防止するため、ワイヤ20を4本に増やしている。それにより、1本当たりのワイヤ20が担当する開閉部材18の大きさ、すなわち1本当たりのワイヤ20が支持する土砂Wの量が制限されている。また、開閉部材18が4つに分けて設けてあるのも、ワイヤ20の断線を防止するためである。仮に4つの開閉部材18を一体に設けた場合、開閉部材18を開けるとき、4つのリング状端部20aが各係止突起30cから解放されるタイミングにズレが生じ、解放が遅れたワイヤ20に引張力が集中して断線するおそれがある。土砂流下試験装置10では、4つのリング状端部20aが解放されるタイミングを一致させるため、複数のアーム部材30を1本の鋼材38を介して連結して同時に上昇させている。さらに、ワイヤ20を4本に増やし開閉部材18も4つに分割し、特定のワイヤ20に引張力が集中しないようにしてある。
【0026】
以上説明したように、この実施形態の土砂流下試験装置10は、採石場等の傾斜面12を利用し、その上流側に土砂貯留槽16を設置することによって容易に構成することができる。また、排出口18から排出して防護柵14に衝突させる土砂Wについても、土の種類、砂の粒径、水分の含有量など、特に制限なく自由に変更することができる。
【0027】
また、土砂Wは不定形な流体であり、防護柵14の各部に加わる衝撃力の分布(向き、大きさ)を毎回一律に制御することが困難なので、試験を何回か繰り返えし行うこともある。その場合でも、排出口16を閉鎖する開閉部材18は、ワイヤ保持装置22に保持されたワイヤ20を解放することによってほとんど抵抗なく瞬時に開くので、排出口26から排出される土砂Wの初速度や時間当たりの流量が安定し、試験条件の再現性を確保することができる。
【0028】
また、開閉部材18を開閉する動作は、一端が開閉部材18に固定されたワイヤ20の他端のリング状端部20aを引っ張り、係止突起30cに引っ掛けて保持し、その後解放する、という非常に簡単な機構であり、例えば、土砂搬入用のショベルカー36の動力を利用して容易に駆動できるので、専用の動力源や制御装置等の高価な設備が不要である。また、装置全体をシンプルに構成できるので、土砂流下試験装置10を試験現場に運搬し、設営し、撤収するという作業の負担が軽減される。
【0029】
なお、この発明の土砂流下試験装置は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、排出口、開閉部材、ワイヤ保持装置の数や大きさは、試験対象の防護柵等の大きさ、使用するワイヤの強度、流下させる土砂の量などに合わせて適宜増減することができる。また、この土砂流下試験装置が設置される傾斜面の態様(傾斜角、高さ、平坦度など)についても、特に制限はなく、防護柵等に加える狙いの衝撃力を得ることができるものであればよい。
【0030】
また、ワイヤ保持装置の構成は、開閉部材を開くときに保持しているワイヤの端部を瞬時に解放できる構造であればよく、ワイヤのリング状端部に係止突起を挿入して保持する構成以外の公知の構造を使用してもよい。
【0031】
また、開閉部材が土砂の重さよりも十分に軽いときは、開閉部材の軸着端を排出口の上側の周縁部外面に軸着し、開閉部材を吊り下げるような構造にしてもよい。そうすれば、排出口から土砂が排出される動作を妨げることがなく、開閉部材を閉じる作業も容易である。
【符号の説明】
【0032】
10 土砂流下試験装置
12 傾斜面
16 土砂貯留槽
18 開閉部材
18a 軸着端部
18b 開閉端部
20 ワイヤ
20a リング状端部
22 ワイヤ保持装置
24 土砂収容部
24 底面
26 排出口
28 基台
30 アーム部材
30a 基端部
30b 先端部
30c 係止突起
32 軸部
34 溝部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜面の下流側に設置された防護柵又は防護壁の耐久性能を評価するための土砂流下試験装置であって、
前記傾斜面の上流側に設置され、底面が前記傾斜面の向きに傾斜した土砂収容部を有し、当該土砂収容部の最深部の側面に、前記土砂収容部内の土砂を前記傾斜面に排出する排出口が設けられた土砂貯留槽と、
板状体の一端である軸着端が前記排出口の周縁部外面に軸着され、前記排出口を外側から閉鎖することができる回動自在な開閉部材と、
前記開閉部材の内面の開閉端部寄りの位置に一端が固定されたワイヤと、
前記開閉部材を内側に引っ張る前記ワイヤを保持することによって前記開閉部材が前記排出口の閉鎖状態を維持すると共に、前記ワイヤを解放することによって前記開閉部材を回動自在な状態にするワイヤ保持装置とを備えたことを特徴とする土砂流下試験装置。
【請求項2】
前記ワイヤ保持装置は、前記排出口がある側面と対向する側面の上端部に固定された基台と、基端部が前記基台の軸部に支持され、先端部が軸部を中心に上下方向に回動自在なアーム部材と、前記アーム部材の下面から下向きに突設された係止突起と、前記基台上に設けられ、前記アーム部材と一体に下向きに移動したとき前記係止突起の先端部が内側に係合する溝部とを備え、
前記ワイヤは、前記開閉部材に固定された一端と反対側の一端に、リング状端部が設けられ、
前記ワイヤ保持装置に前記ワイヤを保持させる際は、前記アーム部材を下向きに回動させることによって、前記リング状端部の内側に前記係止突起を挿通させると共に、当該係止突起の先端部を前記溝部に係合させ、
前記ワイヤ保持装置が保持している前記ワイヤを解放する際には、前記アーム部材を上向きに回動させることによって、前記係止突起と前記溝部との係合を解除し、前記リング状端部を前記係止突起から脱落させる請求項1記載の土砂流下試験装置。
【請求項3】
前記開閉部材は、前記軸着端が前記排出口の下側の周縁部外面に軸着されている請求項1又は2記載の防護柵用の土砂流下試験装置。
【請求項4】
前記土砂収容部には前記傾斜面の幅方向に複数の排出口が連続的に設けられ、
前記複数の排出口ごとに、前記開閉部材、前記ワイヤ及び前記ワイヤ保持装置が個別に設けられている請求項1又は2記載の土砂流下試験装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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