圧力容器の支持構造および車両
【課題】圧力容器が受ける衝撃等に起因する圧力容器およびブラケットに対する外力を緩衝し、負荷を軽減する一方、通常時には圧力容器を適切に保持する。
【解決手段】圧力容器10aと、圧力容器10aの長手方向の両端部分をそれぞれ保持し、サイドメンバ110a,110bに取り付けるためのブラケット50,60とを備える。ブラケット50,60が、取り付け部材34,44と、保持部材32,42と、外力緩衝部材55,65と、をそれぞれ備える。
【解決手段】圧力容器10aと、圧力容器10aの長手方向の両端部分をそれぞれ保持し、サイドメンバ110a,110bに取り付けるためのブラケット50,60とを備える。ブラケット50,60が、取り付け部材34,44と、保持部材32,42と、外力緩衝部材55,65と、をそれぞれ備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力容器の支持構造および車両に関し、特に、流体を圧縮して貯留し得る圧力容器の支持構造、および該支持構造を用いて圧力容器を支持し、搭載した車両に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、天然ガスや水素ガスなどの常温常圧では気体の物質を高圧で圧縮し、充填した高圧タンクなどの圧力容器が知られている。天然ガス自動車や燃料電池自動車などの車両には、燃料となる天然ガスや水素ガスなどに圧力を付加して充填し、貯留した圧力容器が搭載される。車両に搭載する圧力容器には、一般に、燃費の向上などのために軽量化が望まれており、このため、例えば炭素繊維強化プラスティック(CFRP)やガラス繊維強化プラスティック(GFRP)などの繊維強化プラスティック(FRP)製の圧力容器が好適に採用されている。
【0003】
図6に例示する圧力容器10は、中空形状のライナ12と、ライナ12の外周部分を被覆する繊維強化樹脂層(FRP層)14とを備え、構成されている。圧力容器10の端部にはまた、少なくとも一つの口金部16を有する。口金部16は、ここでは図示しないバルブを接続可能に構成されており、このバルブの開閉動作により圧力容器10の内外への高圧流体の流通を制御することができる。ライナ12には、例えば、6−ナイロン、6,6−ナイロンなどのナイロン樹脂やポリプロピレン樹脂などの高いガスバリア性を有する熱可塑性樹脂に、必要に応じてエラストマーを添加して構成される。
【0004】
繊維強化樹脂層14は一般に、例えばガラス繊維、炭素繊維、ケブラ繊維などからなる、長く連続した糸状の繊維を複数束ねた繊維束(フィラメント)に、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂を含む樹脂液を含浸させ、必要に応じて乾燥および/または半硬化させたいわゆるプリプレグ繊維をライナ12の外周表面に巻きつけて、その後該樹脂液を硬化させることにより形成することができる。このとき、ライナ12の材質および/または厚みの他、例えば、繊維強化樹脂層14を構成する繊維または繊維束の太さやプリプレグ繊維の巻き数等を調整し、繊維強化樹脂層14の厚みを調整することにより、圧力容器10の耐圧性および耐衝撃性、その他の設計強度を所望のものとすることができる。
【0005】
このような圧力容器を車両に搭載する場合には、例えば車両後部や中央部など、衝撃などの外部からの影響が比較的少ない箇所に配置されていたが、近年、単位容積あたりの充填量を上昇させる必要性から圧力容器の耐圧性が向上し、これに伴い耐衝撃性も向上したこと、また、搭乗空間または積載容積の確保の要請などの点から、車両の形状や用途によっては車両の下部または底部に搭載することが望ましい場合もある。
【0006】
図7は、図6に示す圧力容器10を車両の下部または底部に搭載した車両の一例を示したものである。図7に示す圧力容器10は、その長手方向(軸方向)が車両の側面方向であって、かつ水平面にほぼ平行となるように配置されている。圧力容器10の軸方向の一方端部、より具体的には図6において口金部16の開口部分に相当する部分には、バルブ18が設けられている。なお、ここでは1つの圧力容器10を搭載した車両について例示しているが、必要に応じて、直列または並列に配置された複数の圧力容器を車両に搭載することができる。
【0007】
図8は、図6に示す圧力容器10の、従来の支持構造の一例について説明するための要部拡大図である。圧力容器10は、一対のブラケット130,140を介して、基材である車体の底部、より具体的には、例えば車両の前後方向に延設された、剛性の比較的高い一対のサイドメンバ110a,110bの底面112,114に取り付けられている。
【0008】
ブラケット130,140にはそれぞれ、保持部132,142と、保持部132,142に対しほぼ直角となるように屈曲部158,168をそれぞれ屈曲させて配置された取り付け部134,144とを有する。
【0009】
保持部132,142は一般に、圧力容器10の軸方向の両端部分をそれぞれ保持することができるように構成されている。保持部132は、例えば、圧力容器10のバルブ18を挿入可能な開口を有することができる。このとき、保持部132に挿入させたバルブ18を口金部に取付けることにより、保持部132が口金部とバルブ18との間に挟みこまれ、圧力容器10とブラケット130とが固定される。一方、圧力容器10の軸方向の両端部分のうち、バルブ18側とは反対側のいわゆるエンド側端部を保持するためのブラケット140の保持部142もまた、ブラケット130の保持部132と同様の構成とすることもできるが、車載した圧力容器10が容易に脱落しないように適切に保持することが可能な構成であればよく、保持部132,142の形状に制限はない。
【0010】
取り付け部134,144には一般に、1または複数の挿通孔(図示せず)がそれぞれ設けられている。サイドメンバ110a,110bの底面112,114に取り付け部134,144をそれぞれ当接させるとともに、挿通孔に挿通させたボルトまたはネジなどの締結部材136,146を用いて締め付けると、ブラケット130,140は締結部材136,146の頭部と車両のサイドメンバ110a,110bの底面112,114との間にそれぞれ挟まれ、固定される。このようにして、圧力容器10が車両の下部または底部に搭載される。
【0011】
このように、車両の下部または底部に圧力容器を搭載した場合であっても、通常の走行では不具合はほとんど発生しないが、例えば未舗装路などの路面の凹凸が著しい悪路や、石などの障害物上を車両が通過すると、路面または路面上の障害物と車両の下部または底部とが干渉し、荷重を受ける場合がある。このとき、圧力容器や該圧力容器の取り付けに用いられるブラケットに許容限度を超えた荷重を受けると、場合によっては圧力容器および/またはブラケットの変形、破損などの不具合が生じうる。
【0012】
これに対し、圧力容器の下方側から 受ける荷重を緩衝するために、外力の入力に応じて伸縮するバネ部材の適用が考えられる。例えば図9Aに示す圧力容器の支持構造は、ブラケット130,140に代えてブラケット150,160を備えることを除き、図8に示す圧力容器の支持構造とほぼ同様の構成を有している。ブラケット150,160はそれぞれ、保持部132,142と取り付け部134,144との間に、バネ部138,148を備える。このような構成を有する圧力容器の支持構造においては、図9Bに示すように、圧力容器10の下方から外力Fを受けると、その外力Fに応じて圧力容器10が上方へ移動するとともにバネ部138,148が上方に伸びる。図9A、図9Bに示す圧力容器の支持構造によれば、バネ部138,148を備えるブラケット150,160のこのような働きにより、外力Fにより圧力容器10およびブラケット150,160が受ける荷重による衝撃を緩和することができる。
【0013】
しかしながら、図9A、図9Bに示す圧力容器の支持構造によれば、例えば、車両走行中のわずかな振動でもバネ部138,148が伸縮する可能性があるため、例えばバルブ18と流体流通用の配管(図示せず)との接続箇所に繰返し応力を受けることで疲労し、強度低下の要因となり得た。また、例えば、圧力容器の下方から受ける外力Fが大きい場合には、バネ部138,148が損傷し、圧力容器が脱落する要因ともなり得た。
【0014】
ところで、特許文献1には、気体燃料が充填された高圧タンクが設置された車両の高圧タンク支持構造において、前記高圧タンクが車体の後方において弾性体を介して前記車体に支持され、路面からの入力により前記車体に発生する振動に対して、前記高圧タンクおよび前記弾性体をダイナミックダンパとして構成した、車両の高圧タンク支持構造が開示されている。
【0015】
また、特許文献2には、高圧容器における一方のネック部を剛体で構成される支持部材を介して支持するとともに、他方のネック部を高圧容器の本体部側に向けて常時付勢する弾性体で構成される支持部材を介して支持する高圧容器の支持構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2009−255759号公報
【特許文献2】特開2003−127675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上述した特許文献1、2の技術では、例えば、路面干渉等に伴い高圧容器が下方から受けた外力に起因して高圧容器およびブラケットが受けうる荷重に関する対策が十分でない場合があり得た。
【0018】
本発明の目的は、圧力容器が衝撃や路面干渉等の外力を受けるような環境下では、該圧力容器およびブラケットが受けうる荷重を緩衝し、負荷を軽減する一方、通常時には圧力容器を適切に保持することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の構成は、以下の通りである。
【0020】
(1)圧力容器と、前記圧力容器の長手方向の両端部分をそれぞれ保持し、基材に取り付けるための一対のブラケットとを備え、前記一対のブラケットが、基材に取り付けるための取り付け部と、前記取り付け部に対して屈曲されてなり、前記圧力容器の端部を保持するための保持部と、前記取り付け部と前記保持部とを連結し、前記圧力容器が受ける外力を緩衝するための外力緩衝部材と、をそれぞれ備える、圧力容器の支持構造。
【0021】
(2)前記ブラケットが、少なくとも前記取り付け部および前記保持部を含み、接続部分を軸として移動可能な複数のリンク部材からなるブラケット本体部を有し、前記外力緩衝部材が、前記複数のリンク部材の移動を制限する、上記(1)に記載の圧力容器の支持構造。
【0022】
(3)前記外力緩衝部材が、前記圧力容器が受ける外力に基づいて伸長するバネ部材を含む、上記(1)または(2)に記載の圧力容器の支持構造。
【0023】
(4)前記外力緩衝部材が、前記バネ部材の伸長を制限する伸長制限部材をさらに含む、上記(3)に記載の圧力容器の支持構造。
【0024】
(5)圧力容器と、前記圧力容器の長手方向の両端部分をそれぞれ保持し、車体に取り付けるための一対のブラケットとを備え、前記一対のブラケットが、前記車体の底部に取り付けるための取り付け部と、前記取り付け部に対して上方に屈曲されてなり、前記圧力容器の端部を保持するための保持部と、前記取り付け部と前記保持部とを連結し、前記圧力容器の下方から受ける外力を緩衝するための外力緩衝部材と、をそれぞれ備える、車両。
【0025】
(6)前記ブラケットが、少なくとも前記取り付け部および前記保持部を含み、接続部分を軸として移動可能な複数のリンク部材からなるブラケット本体部を有し、前記外力緩衝部材が、前記複数のリンク部材の移動を制限する、上記(5)に記載の車両。
【0026】
(7)前記外力緩衝部材が、前記圧力容器の下方から受ける外力に基づいて伸長するバネ部材を含む、上記(5)または(6)に記載の車両。
【0027】
(8)前記外力緩衝部材が、前記バネ部材の伸長を制限する伸長制限部材をさらに含む、上記(7)に記載の車両。
【発明の効果】
【0028】
圧力容器が受ける外力に起因する圧力容器およびブラケットに対する荷重を緩衝し、負荷を軽減する一方、通常時には圧力容器を適切に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1A】本発明の実施の形態において、圧力容器を備える車両の構成の概略を説明するための側面視した図である。
【図1B】本発明の実施の形態において、圧力容器を備える車両の構成の概略を説明するための背面視した図である。
【図2A】本発明の実施の形態において、車両における圧力容器の支持構造の構成の概略を説明するための背面視した要部拡大図である。
【図2B】図2Aに示す圧力容器の支持構造の動作例について説明するための図である。
【図3】図2Aの部分拡大図である。
【図4A】本発明の実施の形態において、ブラケット本体部の構成の概略について説明するための図である。
【図4B】本発明の他の実施の形態において、ブラケット本体部の構成の概略について説明するための図である。
【図5】本発明の他の実施の形態において、車両における圧力容器の支持構造の構成の概略を説明するための背面視した要部拡大図である。
【図5A】図5の部分拡大図である。
【図6】圧力容器の構成の概略を示す部分断面図である。
【図7】圧力容器を備える車両の構成の概略を説明するための背面視した図である。
【図8】圧力容器の支持構造の一例について説明するための背面視した要部拡大図である。
【図9A】圧力容器の支持構造の他の例について説明するための背面視した要部拡大図である。
【図9B】図9Aに示す圧力容器の支持構造の動作例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0031】
図1A,図1Bは、図6に示す圧力容器10を車両の下部または底部に搭載した車両の一例を示したものである。図1Aは、車両を側面視した図であり、図1Bは、この車両を背面視した図である。なお、ここでは2つの圧力容器10a,10bを搭載した車両について例示しているが、これに限定されるものではなく、車両に搭載する圧力容器は1つであっても良く、また3つ以上であっても良い。
【0032】
圧力容器10a,10bは、車両100の背面22寄り、本実施形態では後輪24の近傍に、その長手方向が車両100の側面方向であって、かつ水平面にほぼ平行となるように並列に配置されている。圧力容器10a,10bの長手方向の一方端部、より具体的には図6において口金部16の開口部分に相当する部分には、それぞれ、電流の有無に応じて開閉するバルブ18a,18bが設けられている。
【0033】
バルブ18a,18bとしては、例えば、内蔵するソレノイドの作用に応じて、図示しない電源からの通電によって開弁し、通電解除によって閉弁することにより、圧力容器10a,10bの内外の流体の流通を制御可能となるように構成された電磁弁を適用することができる。
【0034】
図2Aは、図1Bに示す圧力容器10aの支持構造を備える車両100の一例について説明するための要部拡大図である。圧力容器10aは、一対のブラケット30,40を介して、車体の底部、より具体的には、例えば車両100の前後方向に延設された一対のサイドメンバ110a,110bの底面112,114に取り付けられている。
【0035】
図2Aにおいて、第1のサイドメンバ110aに取り付けられたブラケット30は、一連のリンク機構として接続された保持部材32、取り付け部材34および可動部材37を含むブラケット本体部70と、保持部材32および取り付け部材34を連結する外力緩衝部材35とを含み、構成されている。また、第2のサイドメンバ110bに取り付けられたブラケット40は、一連のリンク機構として接続された保持部材42、取り付け部材44および可動部材47を含むブラケット本体部80と、保持部材42および取り付け部材44を連結する外力緩衝部材45とを含み、構成されている。
【0036】
図2Aに示す保持部材32,42は、圧力容器10aの軸方向の両端部分をそれぞれ保持することができるように構成されている。保持部材32は、例えば、圧力容器10aのバルブ18aを挿入可能な開口を有することができる。このとき、保持部材32に挿入させたバルブ18aを口金部(図6参照)に取り付けることにより、保持部材32が口金部とバルブ18aとの間に挟みこまれ、圧力容器10aとブラケット30とが固定される。一方、圧力容器10aの軸方向の両端部分のうち、バルブ18a側とは反対側のエンド側端部を保持するためのブラケット40の保持部材42もまた、ブラケット30の保持部材32と同様の構成とすることもできるが、車載した圧力容器10aが容易に脱落しないように適切に保持することが可能な構成であればよく、保持部材32,42の形状に制限はない。
【0037】
また、取り付け部材34,44には、1または複数の挿通孔(図示せず)がそれぞれ設けられている。サイドメンバ110a,110bの底面112,114に取り付け部134,144をそれぞれ当接させるとともに、挿通孔に挿通させたボルトまたはネジなどの締結部材36,46を用いて締め付けると、ブラケット30,40は締結部材36,46の頭部と車両のサイドメンバ110a,110bの底面112,114との間にそれぞれ挟まれ、固定される。このようにして、圧力容器10aが車両の下部または底部に搭載される。
【0038】
図2Aに示す外力緩衝部材35は、図3に示すように、伸縮機能を有する弾性部材であるバネ部材356と、バネ部材356の両端部分をそれぞれ固定するためのバネ固定部材352,354とを含み、構成されている。バネ固定部材352,354はそれぞれ、図2Aに示す保持部材32および取り付け部材34に対し、例えばボルト、ビス、接着剤、その他の適当な固定化部材および/または固定化材料により容易に脱落しない程度に固定されており、保持部材32および取り付け部材34の移動が制限される。一方、図2Aに示す外力緩衝部材45もまた、外力緩衝部材35とほぼ同様の構成とすることができる。そして、外力緩衝部材35,45は、圧力容器10aおよびサイドメンバ110a,110bに取り付けられたブラケット本体部70,80の通常時の形状をそれぞれ保持することができる。なお、バネ固定部材352,354を含む外力緩衝部材35に代えて、バネ部材356の両端を、図2Aに示す保持部材32および取り付け部材34に直接取り付ける構成とすることも可能である。
【0039】
一方、ブラケット本体部70は、図4Aに示すように、取り付け部材34と可動部材37とが接続部材72により、可動部材37と保持部材32とが接続部材74により、それぞれ接続されており、接続部材72,74を軸として移動可能なリンク機構の一部材、つまりリンク部材として機能する。図2Aに示すブラケット本体部80もまた、ブラケット本体部70と対称配置されることを除きほぼ同様の構成とすることができるため、詳細な説明は省略する。適正なバネ強度および長さを有する外力緩衝部材35を保持部材32および取り付け部材34に、外力緩衝部材45を保持部材42および取り付け部材44に、それぞれ取り付け、固定することにより、図2Aに示すような形状を有するブラケット30,40が作製される。
【0040】
図4Bに示すブラケット本体部90は、図4Aに示すブラケット本体部70の変形例である。ブラケット本体部90は、可動部材37とは形状の異なる可動部材39を有することを除き、図4Aに示すブラケット本体部70とほぼ同様の構成を有している。図示したブラケット本体部90においては、可動部材39の左端が取り付け部材34の右端に当接している。このため、基材に取り付けられた取り付け部材34に対し、可動部材39は図示した以上時計回りには回転しないように構成されている。なお、図2Aに示すブラケット30,40として適用可能なブラケット本体部の形状および/または構成は、図4A、図4Bに例示したものに限らず、同様の機能を有するものであれば適用可能である。例えば、図4Aに示す接続部材72,74に代えて丁番(蝶番)を適用し、各リンク部材を接続させてブラケット本体部とすることも可能である。
【0041】
図2Aに戻り、ブラケット30,40を用いて車両100に取り付けられた圧力容器10aは、図2Bに示すように圧力容器10aの下方から外力Fを受けると、ブラケット本体部70,80のリンク機構が変形するとともに、外力緩衝部材35,45、より具体的にはバネ部材(図3参照)が伸長し、圧力容器10aが車両100の上方に移動する。このとき、可動部材37,47は車両100に対して大きく移動するにもかかわらず、圧力容器10aと保持部材32,42、サイドメンバ110a,110bと取り付け部材34,44、の間の相対的な位置関係はそれぞれほとんど変化しない。このため、停止時や通常走行時には圧力容器10aを適切に支持することができるとともに、圧力容器10aの下方から受けた外力Fに対し、圧力容器10aおよび配管その他の圧力容器10aと接続する部材ならびにブラケット30,40が受ける負荷を緩和することができる。このとき、保持部材32,42による圧力容器10aの保持部分、つまり図6に示す口金部16を含む、バルブ18aと圧力容器10a本体との接続部分が受ける荷重を、特に軽減することができる。このため、場合によっては図6に示す口金部16を含む開口部分の外径を小さくすることができ、口金部16の外径だけでなく、繊維強化樹脂層14の厚みを低減させることもできる。したがって、本実施の形態によれば、圧力容器の軽量化、さらにはコスト低下にも寄与しうる。
【0042】
また、本実施の形態によれば、外力緩衝部材35,45が、圧力容器10aの移動方向とは傾斜して配置されているため、圧力容器10aの移動長に対して外力緩衝部材35,45に設けられたバネ部材の伸長が抑制され、外力緩衝部材35,45が受ける負荷を低減することができる。さらに、外力緩衝部材35,45が、ブラケット本体部70,80とは別部材として構成されているため、仮に外力緩衝部材35,45が故障または損傷した場合であっても、ブラケット本体部70,80により圧力容器10aを適切に保持することができる。
【0043】
図5は、図1Bに示す圧力容器10aの支持構造を備える車両の他の例について説明するための要部拡大図である。図5に示す車両200は、外力緩衝部材35,45をそれぞれ有するブラケット30,40に代えて、外力緩衝部材55,65をそれぞれ有するブラケット50,60を備えることを除き、図2Aに示す車両100とほぼ同様の構成を有している。
【0044】
図5Aに示すように、外力緩衝部材55は、伸縮機能を有する弾性部材であるバネ部材556、バネ部材556の両端部分をそれぞれ固定するためのバネ固定部材552,554、バネ部材556の伸長を制限する伸長制限部材558、保持部材32に固定するための第1の固定用部材560、および取り付け部材34に固定するための第2の固定用部材562を含み、構成されている。バネ部材556およびバネ固定部材552,554からなる構成は、図3に示すバネ部材356およびバネ固定部材352,354からなる外力緩衝部材35とほぼ同様の構成とすることができる。バネ固定部材552,554はそれぞれ、第1の固定用部材560および第2の固定用部材562に対し、例えば接着剤その他の適当な接合材料等により容易に脱落しない程度に接着または接合その他の手法により固設されている。
【0045】
一方、伸長制限部材558は、第1および第2の固定用部材560,562に対し、容易に脱落しない程度に接着または接合によりそれぞれ固設されている。なお、バネ固定部材552および第1の固定用部材560、バネ固定部材554および第2の固定用部材562の固設に代えて、バネ部材556の両端を、第1および第2の固定用部材560,562に直接固定する構成とすることも可能である。
【0046】
伸長制限部材558は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの伸長性が乏しく、かつ、所定の程度を超える引張り力を付与することにより延伸せずに破断するような材料により構成することができる。伸長制限部材558の両端は、接着または接合その他の適切な方法により第1および第2の固定用部材560,562とそれぞれ固設されている。本実施の形態によれば、車両200走行時の振動等に伴う圧力容器10aの上下動を抑制し、ブラケット50,60や圧力容器10a、さらにバルブ18aと図示しない流体配管との接続部分が受ける応力負荷を低減させることができる一方、圧力容器10aが下方から外力を受けると、伸長制限部材558が破断して、バネ部材556の伸長制限機能が解除される。このため、圧力容器10aの下方から受けた外力に対し、圧力容器10aおよび配管その他の圧力容器10aと接続する部材ならびにブラケット50,60が受ける負荷を緩和することができる。このとき、保持部材32,42による圧力容器10aの保持部分、つまり図6に示す口金部16を含む、バルブ18aと圧力容器10a本体との接続部分が受ける荷重を、特に軽減することができる。このため、場合によっては図6に示す口金部16を含む開口部分の外径を小さくすることができ、口金部16の外径だけでなく、繊維強化樹脂層14の厚みを低減させることもできる。したがって、本実施の形態によれば、圧力容器の軽量化、さらにはコスト低下にも寄与しうる。
【0047】
また、本実施の形態によれば、外力緩衝部材55,65が、圧力容器10aの移動方向とは傾斜して配置されているため、圧力容器10aの移動長に対して外力緩衝部材55,65に設けられたバネ部材の伸長が抑制され、外力緩衝部材55,65が受ける負荷を低減することができる。さらに、外力緩衝部材55,65が、ブラケット本体部70,80とは別部材として構成されているため、仮に外力緩衝部材55,65が故障または損傷した場合であっても、ブラケット本体部70,80により圧力容器10aを適切に保持することができる。
【0048】
本実施の形態において、必要に応じて、伸長制限部材558を所定の厚みおよび/または太さを付与させて作製することにより、伸長制限部材558の撓みや縮みを抑制し、伸縮制限部材としてバネ部材556の縮みをもあわせて制限する構成とすることも好適である。
【0049】
本発明の実施形態の圧力容器の支持構造は、例えば車両の下部または底部に搭載する態様において適用することができる。圧力容器としては、例えば、FRP製のものに限らず、例えば鋼鉄製のものであっても構わないが、車両に搭載する場合には好ましくはFRP製の圧力容器である。また、圧力容器に充填する流体は天然ガスや水素に限らず、例えば窒素や酸素などであってもよい。
【0050】
また、圧力容器が外力を受けることに伴う圧力容器の移動に関し、例えば、(1)該圧力容器の端部に設けられたバルブに接続された図示しないガス配管が追従して移動可能な程度に圧力容器の移動を制限する、あるいは、(2)圧力容器の移動に追従して移動可能な継手部材を設ける、等の、圧力容器の端部に設けられたバルブに接続されたガス配管その他の部品の脱落や損傷その他の不具合を防止する機構を必要に応じて併設することも好適である。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の実施形態の車両には、車両の下部または底部に圧力容器を搭載し得る、例えば、自動二輪車、自転車、電車等、あらゆる車両が含まれ得る。本実施形態の車両は特に、圧力容器の配置の態様によって該圧力容器の底部と路面との干渉等が起こりうる、例えば天然ガス自動車や燃料電池自動車などの自動車に好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0052】
10,10a,10b 圧力容器、12 ライナ、14 繊維強化樹脂層、16 口金部、18,18a,18b バルブ、22 背面、24 後輪、30,40,50,60,130,140,150,160 ブラケット、32,42 保持部材、34,44 取り付け部材、35,45,55,65 外力緩衝部材、36,46,136,146 締結部材、37,39,47 可動部材、70,80、90 ブラケット本体部、72,74 接続部材、100,200 車両、110a,110b サイドメンバ、112,114 底面、132,142 保持部、134,144 取り付け部、138,148 バネ部、158,168 屈曲部、352,354,552,554 バネ固定部材、356,556 バネ部材、558 伸長制限部材、560,562 固定用部材。
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力容器の支持構造および車両に関し、特に、流体を圧縮して貯留し得る圧力容器の支持構造、および該支持構造を用いて圧力容器を支持し、搭載した車両に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、天然ガスや水素ガスなどの常温常圧では気体の物質を高圧で圧縮し、充填した高圧タンクなどの圧力容器が知られている。天然ガス自動車や燃料電池自動車などの車両には、燃料となる天然ガスや水素ガスなどに圧力を付加して充填し、貯留した圧力容器が搭載される。車両に搭載する圧力容器には、一般に、燃費の向上などのために軽量化が望まれており、このため、例えば炭素繊維強化プラスティック(CFRP)やガラス繊維強化プラスティック(GFRP)などの繊維強化プラスティック(FRP)製の圧力容器が好適に採用されている。
【0003】
図6に例示する圧力容器10は、中空形状のライナ12と、ライナ12の外周部分を被覆する繊維強化樹脂層(FRP層)14とを備え、構成されている。圧力容器10の端部にはまた、少なくとも一つの口金部16を有する。口金部16は、ここでは図示しないバルブを接続可能に構成されており、このバルブの開閉動作により圧力容器10の内外への高圧流体の流通を制御することができる。ライナ12には、例えば、6−ナイロン、6,6−ナイロンなどのナイロン樹脂やポリプロピレン樹脂などの高いガスバリア性を有する熱可塑性樹脂に、必要に応じてエラストマーを添加して構成される。
【0004】
繊維強化樹脂層14は一般に、例えばガラス繊維、炭素繊維、ケブラ繊維などからなる、長く連続した糸状の繊維を複数束ねた繊維束(フィラメント)に、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂を含む樹脂液を含浸させ、必要に応じて乾燥および/または半硬化させたいわゆるプリプレグ繊維をライナ12の外周表面に巻きつけて、その後該樹脂液を硬化させることにより形成することができる。このとき、ライナ12の材質および/または厚みの他、例えば、繊維強化樹脂層14を構成する繊維または繊維束の太さやプリプレグ繊維の巻き数等を調整し、繊維強化樹脂層14の厚みを調整することにより、圧力容器10の耐圧性および耐衝撃性、その他の設計強度を所望のものとすることができる。
【0005】
このような圧力容器を車両に搭載する場合には、例えば車両後部や中央部など、衝撃などの外部からの影響が比較的少ない箇所に配置されていたが、近年、単位容積あたりの充填量を上昇させる必要性から圧力容器の耐圧性が向上し、これに伴い耐衝撃性も向上したこと、また、搭乗空間または積載容積の確保の要請などの点から、車両の形状や用途によっては車両の下部または底部に搭載することが望ましい場合もある。
【0006】
図7は、図6に示す圧力容器10を車両の下部または底部に搭載した車両の一例を示したものである。図7に示す圧力容器10は、その長手方向(軸方向)が車両の側面方向であって、かつ水平面にほぼ平行となるように配置されている。圧力容器10の軸方向の一方端部、より具体的には図6において口金部16の開口部分に相当する部分には、バルブ18が設けられている。なお、ここでは1つの圧力容器10を搭載した車両について例示しているが、必要に応じて、直列または並列に配置された複数の圧力容器を車両に搭載することができる。
【0007】
図8は、図6に示す圧力容器10の、従来の支持構造の一例について説明するための要部拡大図である。圧力容器10は、一対のブラケット130,140を介して、基材である車体の底部、より具体的には、例えば車両の前後方向に延設された、剛性の比較的高い一対のサイドメンバ110a,110bの底面112,114に取り付けられている。
【0008】
ブラケット130,140にはそれぞれ、保持部132,142と、保持部132,142に対しほぼ直角となるように屈曲部158,168をそれぞれ屈曲させて配置された取り付け部134,144とを有する。
【0009】
保持部132,142は一般に、圧力容器10の軸方向の両端部分をそれぞれ保持することができるように構成されている。保持部132は、例えば、圧力容器10のバルブ18を挿入可能な開口を有することができる。このとき、保持部132に挿入させたバルブ18を口金部に取付けることにより、保持部132が口金部とバルブ18との間に挟みこまれ、圧力容器10とブラケット130とが固定される。一方、圧力容器10の軸方向の両端部分のうち、バルブ18側とは反対側のいわゆるエンド側端部を保持するためのブラケット140の保持部142もまた、ブラケット130の保持部132と同様の構成とすることもできるが、車載した圧力容器10が容易に脱落しないように適切に保持することが可能な構成であればよく、保持部132,142の形状に制限はない。
【0010】
取り付け部134,144には一般に、1または複数の挿通孔(図示せず)がそれぞれ設けられている。サイドメンバ110a,110bの底面112,114に取り付け部134,144をそれぞれ当接させるとともに、挿通孔に挿通させたボルトまたはネジなどの締結部材136,146を用いて締め付けると、ブラケット130,140は締結部材136,146の頭部と車両のサイドメンバ110a,110bの底面112,114との間にそれぞれ挟まれ、固定される。このようにして、圧力容器10が車両の下部または底部に搭載される。
【0011】
このように、車両の下部または底部に圧力容器を搭載した場合であっても、通常の走行では不具合はほとんど発生しないが、例えば未舗装路などの路面の凹凸が著しい悪路や、石などの障害物上を車両が通過すると、路面または路面上の障害物と車両の下部または底部とが干渉し、荷重を受ける場合がある。このとき、圧力容器や該圧力容器の取り付けに用いられるブラケットに許容限度を超えた荷重を受けると、場合によっては圧力容器および/またはブラケットの変形、破損などの不具合が生じうる。
【0012】
これに対し、圧力容器の下方側から 受ける荷重を緩衝するために、外力の入力に応じて伸縮するバネ部材の適用が考えられる。例えば図9Aに示す圧力容器の支持構造は、ブラケット130,140に代えてブラケット150,160を備えることを除き、図8に示す圧力容器の支持構造とほぼ同様の構成を有している。ブラケット150,160はそれぞれ、保持部132,142と取り付け部134,144との間に、バネ部138,148を備える。このような構成を有する圧力容器の支持構造においては、図9Bに示すように、圧力容器10の下方から外力Fを受けると、その外力Fに応じて圧力容器10が上方へ移動するとともにバネ部138,148が上方に伸びる。図9A、図9Bに示す圧力容器の支持構造によれば、バネ部138,148を備えるブラケット150,160のこのような働きにより、外力Fにより圧力容器10およびブラケット150,160が受ける荷重による衝撃を緩和することができる。
【0013】
しかしながら、図9A、図9Bに示す圧力容器の支持構造によれば、例えば、車両走行中のわずかな振動でもバネ部138,148が伸縮する可能性があるため、例えばバルブ18と流体流通用の配管(図示せず)との接続箇所に繰返し応力を受けることで疲労し、強度低下の要因となり得た。また、例えば、圧力容器の下方から受ける外力Fが大きい場合には、バネ部138,148が損傷し、圧力容器が脱落する要因ともなり得た。
【0014】
ところで、特許文献1には、気体燃料が充填された高圧タンクが設置された車両の高圧タンク支持構造において、前記高圧タンクが車体の後方において弾性体を介して前記車体に支持され、路面からの入力により前記車体に発生する振動に対して、前記高圧タンクおよび前記弾性体をダイナミックダンパとして構成した、車両の高圧タンク支持構造が開示されている。
【0015】
また、特許文献2には、高圧容器における一方のネック部を剛体で構成される支持部材を介して支持するとともに、他方のネック部を高圧容器の本体部側に向けて常時付勢する弾性体で構成される支持部材を介して支持する高圧容器の支持構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2009−255759号公報
【特許文献2】特開2003−127675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上述した特許文献1、2の技術では、例えば、路面干渉等に伴い高圧容器が下方から受けた外力に起因して高圧容器およびブラケットが受けうる荷重に関する対策が十分でない場合があり得た。
【0018】
本発明の目的は、圧力容器が衝撃や路面干渉等の外力を受けるような環境下では、該圧力容器およびブラケットが受けうる荷重を緩衝し、負荷を軽減する一方、通常時には圧力容器を適切に保持することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の構成は、以下の通りである。
【0020】
(1)圧力容器と、前記圧力容器の長手方向の両端部分をそれぞれ保持し、基材に取り付けるための一対のブラケットとを備え、前記一対のブラケットが、基材に取り付けるための取り付け部と、前記取り付け部に対して屈曲されてなり、前記圧力容器の端部を保持するための保持部と、前記取り付け部と前記保持部とを連結し、前記圧力容器が受ける外力を緩衝するための外力緩衝部材と、をそれぞれ備える、圧力容器の支持構造。
【0021】
(2)前記ブラケットが、少なくとも前記取り付け部および前記保持部を含み、接続部分を軸として移動可能な複数のリンク部材からなるブラケット本体部を有し、前記外力緩衝部材が、前記複数のリンク部材の移動を制限する、上記(1)に記載の圧力容器の支持構造。
【0022】
(3)前記外力緩衝部材が、前記圧力容器が受ける外力に基づいて伸長するバネ部材を含む、上記(1)または(2)に記載の圧力容器の支持構造。
【0023】
(4)前記外力緩衝部材が、前記バネ部材の伸長を制限する伸長制限部材をさらに含む、上記(3)に記載の圧力容器の支持構造。
【0024】
(5)圧力容器と、前記圧力容器の長手方向の両端部分をそれぞれ保持し、車体に取り付けるための一対のブラケットとを備え、前記一対のブラケットが、前記車体の底部に取り付けるための取り付け部と、前記取り付け部に対して上方に屈曲されてなり、前記圧力容器の端部を保持するための保持部と、前記取り付け部と前記保持部とを連結し、前記圧力容器の下方から受ける外力を緩衝するための外力緩衝部材と、をそれぞれ備える、車両。
【0025】
(6)前記ブラケットが、少なくとも前記取り付け部および前記保持部を含み、接続部分を軸として移動可能な複数のリンク部材からなるブラケット本体部を有し、前記外力緩衝部材が、前記複数のリンク部材の移動を制限する、上記(5)に記載の車両。
【0026】
(7)前記外力緩衝部材が、前記圧力容器の下方から受ける外力に基づいて伸長するバネ部材を含む、上記(5)または(6)に記載の車両。
【0027】
(8)前記外力緩衝部材が、前記バネ部材の伸長を制限する伸長制限部材をさらに含む、上記(7)に記載の車両。
【発明の効果】
【0028】
圧力容器が受ける外力に起因する圧力容器およびブラケットに対する荷重を緩衝し、負荷を軽減する一方、通常時には圧力容器を適切に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1A】本発明の実施の形態において、圧力容器を備える車両の構成の概略を説明するための側面視した図である。
【図1B】本発明の実施の形態において、圧力容器を備える車両の構成の概略を説明するための背面視した図である。
【図2A】本発明の実施の形態において、車両における圧力容器の支持構造の構成の概略を説明するための背面視した要部拡大図である。
【図2B】図2Aに示す圧力容器の支持構造の動作例について説明するための図である。
【図3】図2Aの部分拡大図である。
【図4A】本発明の実施の形態において、ブラケット本体部の構成の概略について説明するための図である。
【図4B】本発明の他の実施の形態において、ブラケット本体部の構成の概略について説明するための図である。
【図5】本発明の他の実施の形態において、車両における圧力容器の支持構造の構成の概略を説明するための背面視した要部拡大図である。
【図5A】図5の部分拡大図である。
【図6】圧力容器の構成の概略を示す部分断面図である。
【図7】圧力容器を備える車両の構成の概略を説明するための背面視した図である。
【図8】圧力容器の支持構造の一例について説明するための背面視した要部拡大図である。
【図9A】圧力容器の支持構造の他の例について説明するための背面視した要部拡大図である。
【図9B】図9Aに示す圧力容器の支持構造の動作例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0031】
図1A,図1Bは、図6に示す圧力容器10を車両の下部または底部に搭載した車両の一例を示したものである。図1Aは、車両を側面視した図であり、図1Bは、この車両を背面視した図である。なお、ここでは2つの圧力容器10a,10bを搭載した車両について例示しているが、これに限定されるものではなく、車両に搭載する圧力容器は1つであっても良く、また3つ以上であっても良い。
【0032】
圧力容器10a,10bは、車両100の背面22寄り、本実施形態では後輪24の近傍に、その長手方向が車両100の側面方向であって、かつ水平面にほぼ平行となるように並列に配置されている。圧力容器10a,10bの長手方向の一方端部、より具体的には図6において口金部16の開口部分に相当する部分には、それぞれ、電流の有無に応じて開閉するバルブ18a,18bが設けられている。
【0033】
バルブ18a,18bとしては、例えば、内蔵するソレノイドの作用に応じて、図示しない電源からの通電によって開弁し、通電解除によって閉弁することにより、圧力容器10a,10bの内外の流体の流通を制御可能となるように構成された電磁弁を適用することができる。
【0034】
図2Aは、図1Bに示す圧力容器10aの支持構造を備える車両100の一例について説明するための要部拡大図である。圧力容器10aは、一対のブラケット30,40を介して、車体の底部、より具体的には、例えば車両100の前後方向に延設された一対のサイドメンバ110a,110bの底面112,114に取り付けられている。
【0035】
図2Aにおいて、第1のサイドメンバ110aに取り付けられたブラケット30は、一連のリンク機構として接続された保持部材32、取り付け部材34および可動部材37を含むブラケット本体部70と、保持部材32および取り付け部材34を連結する外力緩衝部材35とを含み、構成されている。また、第2のサイドメンバ110bに取り付けられたブラケット40は、一連のリンク機構として接続された保持部材42、取り付け部材44および可動部材47を含むブラケット本体部80と、保持部材42および取り付け部材44を連結する外力緩衝部材45とを含み、構成されている。
【0036】
図2Aに示す保持部材32,42は、圧力容器10aの軸方向の両端部分をそれぞれ保持することができるように構成されている。保持部材32は、例えば、圧力容器10aのバルブ18aを挿入可能な開口を有することができる。このとき、保持部材32に挿入させたバルブ18aを口金部(図6参照)に取り付けることにより、保持部材32が口金部とバルブ18aとの間に挟みこまれ、圧力容器10aとブラケット30とが固定される。一方、圧力容器10aの軸方向の両端部分のうち、バルブ18a側とは反対側のエンド側端部を保持するためのブラケット40の保持部材42もまた、ブラケット30の保持部材32と同様の構成とすることもできるが、車載した圧力容器10aが容易に脱落しないように適切に保持することが可能な構成であればよく、保持部材32,42の形状に制限はない。
【0037】
また、取り付け部材34,44には、1または複数の挿通孔(図示せず)がそれぞれ設けられている。サイドメンバ110a,110bの底面112,114に取り付け部134,144をそれぞれ当接させるとともに、挿通孔に挿通させたボルトまたはネジなどの締結部材36,46を用いて締め付けると、ブラケット30,40は締結部材36,46の頭部と車両のサイドメンバ110a,110bの底面112,114との間にそれぞれ挟まれ、固定される。このようにして、圧力容器10aが車両の下部または底部に搭載される。
【0038】
図2Aに示す外力緩衝部材35は、図3に示すように、伸縮機能を有する弾性部材であるバネ部材356と、バネ部材356の両端部分をそれぞれ固定するためのバネ固定部材352,354とを含み、構成されている。バネ固定部材352,354はそれぞれ、図2Aに示す保持部材32および取り付け部材34に対し、例えばボルト、ビス、接着剤、その他の適当な固定化部材および/または固定化材料により容易に脱落しない程度に固定されており、保持部材32および取り付け部材34の移動が制限される。一方、図2Aに示す外力緩衝部材45もまた、外力緩衝部材35とほぼ同様の構成とすることができる。そして、外力緩衝部材35,45は、圧力容器10aおよびサイドメンバ110a,110bに取り付けられたブラケット本体部70,80の通常時の形状をそれぞれ保持することができる。なお、バネ固定部材352,354を含む外力緩衝部材35に代えて、バネ部材356の両端を、図2Aに示す保持部材32および取り付け部材34に直接取り付ける構成とすることも可能である。
【0039】
一方、ブラケット本体部70は、図4Aに示すように、取り付け部材34と可動部材37とが接続部材72により、可動部材37と保持部材32とが接続部材74により、それぞれ接続されており、接続部材72,74を軸として移動可能なリンク機構の一部材、つまりリンク部材として機能する。図2Aに示すブラケット本体部80もまた、ブラケット本体部70と対称配置されることを除きほぼ同様の構成とすることができるため、詳細な説明は省略する。適正なバネ強度および長さを有する外力緩衝部材35を保持部材32および取り付け部材34に、外力緩衝部材45を保持部材42および取り付け部材44に、それぞれ取り付け、固定することにより、図2Aに示すような形状を有するブラケット30,40が作製される。
【0040】
図4Bに示すブラケット本体部90は、図4Aに示すブラケット本体部70の変形例である。ブラケット本体部90は、可動部材37とは形状の異なる可動部材39を有することを除き、図4Aに示すブラケット本体部70とほぼ同様の構成を有している。図示したブラケット本体部90においては、可動部材39の左端が取り付け部材34の右端に当接している。このため、基材に取り付けられた取り付け部材34に対し、可動部材39は図示した以上時計回りには回転しないように構成されている。なお、図2Aに示すブラケット30,40として適用可能なブラケット本体部の形状および/または構成は、図4A、図4Bに例示したものに限らず、同様の機能を有するものであれば適用可能である。例えば、図4Aに示す接続部材72,74に代えて丁番(蝶番)を適用し、各リンク部材を接続させてブラケット本体部とすることも可能である。
【0041】
図2Aに戻り、ブラケット30,40を用いて車両100に取り付けられた圧力容器10aは、図2Bに示すように圧力容器10aの下方から外力Fを受けると、ブラケット本体部70,80のリンク機構が変形するとともに、外力緩衝部材35,45、より具体的にはバネ部材(図3参照)が伸長し、圧力容器10aが車両100の上方に移動する。このとき、可動部材37,47は車両100に対して大きく移動するにもかかわらず、圧力容器10aと保持部材32,42、サイドメンバ110a,110bと取り付け部材34,44、の間の相対的な位置関係はそれぞれほとんど変化しない。このため、停止時や通常走行時には圧力容器10aを適切に支持することができるとともに、圧力容器10aの下方から受けた外力Fに対し、圧力容器10aおよび配管その他の圧力容器10aと接続する部材ならびにブラケット30,40が受ける負荷を緩和することができる。このとき、保持部材32,42による圧力容器10aの保持部分、つまり図6に示す口金部16を含む、バルブ18aと圧力容器10a本体との接続部分が受ける荷重を、特に軽減することができる。このため、場合によっては図6に示す口金部16を含む開口部分の外径を小さくすることができ、口金部16の外径だけでなく、繊維強化樹脂層14の厚みを低減させることもできる。したがって、本実施の形態によれば、圧力容器の軽量化、さらにはコスト低下にも寄与しうる。
【0042】
また、本実施の形態によれば、外力緩衝部材35,45が、圧力容器10aの移動方向とは傾斜して配置されているため、圧力容器10aの移動長に対して外力緩衝部材35,45に設けられたバネ部材の伸長が抑制され、外力緩衝部材35,45が受ける負荷を低減することができる。さらに、外力緩衝部材35,45が、ブラケット本体部70,80とは別部材として構成されているため、仮に外力緩衝部材35,45が故障または損傷した場合であっても、ブラケット本体部70,80により圧力容器10aを適切に保持することができる。
【0043】
図5は、図1Bに示す圧力容器10aの支持構造を備える車両の他の例について説明するための要部拡大図である。図5に示す車両200は、外力緩衝部材35,45をそれぞれ有するブラケット30,40に代えて、外力緩衝部材55,65をそれぞれ有するブラケット50,60を備えることを除き、図2Aに示す車両100とほぼ同様の構成を有している。
【0044】
図5Aに示すように、外力緩衝部材55は、伸縮機能を有する弾性部材であるバネ部材556、バネ部材556の両端部分をそれぞれ固定するためのバネ固定部材552,554、バネ部材556の伸長を制限する伸長制限部材558、保持部材32に固定するための第1の固定用部材560、および取り付け部材34に固定するための第2の固定用部材562を含み、構成されている。バネ部材556およびバネ固定部材552,554からなる構成は、図3に示すバネ部材356およびバネ固定部材352,354からなる外力緩衝部材35とほぼ同様の構成とすることができる。バネ固定部材552,554はそれぞれ、第1の固定用部材560および第2の固定用部材562に対し、例えば接着剤その他の適当な接合材料等により容易に脱落しない程度に接着または接合その他の手法により固設されている。
【0045】
一方、伸長制限部材558は、第1および第2の固定用部材560,562に対し、容易に脱落しない程度に接着または接合によりそれぞれ固設されている。なお、バネ固定部材552および第1の固定用部材560、バネ固定部材554および第2の固定用部材562の固設に代えて、バネ部材556の両端を、第1および第2の固定用部材560,562に直接固定する構成とすることも可能である。
【0046】
伸長制限部材558は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの伸長性が乏しく、かつ、所定の程度を超える引張り力を付与することにより延伸せずに破断するような材料により構成することができる。伸長制限部材558の両端は、接着または接合その他の適切な方法により第1および第2の固定用部材560,562とそれぞれ固設されている。本実施の形態によれば、車両200走行時の振動等に伴う圧力容器10aの上下動を抑制し、ブラケット50,60や圧力容器10a、さらにバルブ18aと図示しない流体配管との接続部分が受ける応力負荷を低減させることができる一方、圧力容器10aが下方から外力を受けると、伸長制限部材558が破断して、バネ部材556の伸長制限機能が解除される。このため、圧力容器10aの下方から受けた外力に対し、圧力容器10aおよび配管その他の圧力容器10aと接続する部材ならびにブラケット50,60が受ける負荷を緩和することができる。このとき、保持部材32,42による圧力容器10aの保持部分、つまり図6に示す口金部16を含む、バルブ18aと圧力容器10a本体との接続部分が受ける荷重を、特に軽減することができる。このため、場合によっては図6に示す口金部16を含む開口部分の外径を小さくすることができ、口金部16の外径だけでなく、繊維強化樹脂層14の厚みを低減させることもできる。したがって、本実施の形態によれば、圧力容器の軽量化、さらにはコスト低下にも寄与しうる。
【0047】
また、本実施の形態によれば、外力緩衝部材55,65が、圧力容器10aの移動方向とは傾斜して配置されているため、圧力容器10aの移動長に対して外力緩衝部材55,65に設けられたバネ部材の伸長が抑制され、外力緩衝部材55,65が受ける負荷を低減することができる。さらに、外力緩衝部材55,65が、ブラケット本体部70,80とは別部材として構成されているため、仮に外力緩衝部材55,65が故障または損傷した場合であっても、ブラケット本体部70,80により圧力容器10aを適切に保持することができる。
【0048】
本実施の形態において、必要に応じて、伸長制限部材558を所定の厚みおよび/または太さを付与させて作製することにより、伸長制限部材558の撓みや縮みを抑制し、伸縮制限部材としてバネ部材556の縮みをもあわせて制限する構成とすることも好適である。
【0049】
本発明の実施形態の圧力容器の支持構造は、例えば車両の下部または底部に搭載する態様において適用することができる。圧力容器としては、例えば、FRP製のものに限らず、例えば鋼鉄製のものであっても構わないが、車両に搭載する場合には好ましくはFRP製の圧力容器である。また、圧力容器に充填する流体は天然ガスや水素に限らず、例えば窒素や酸素などであってもよい。
【0050】
また、圧力容器が外力を受けることに伴う圧力容器の移動に関し、例えば、(1)該圧力容器の端部に設けられたバルブに接続された図示しないガス配管が追従して移動可能な程度に圧力容器の移動を制限する、あるいは、(2)圧力容器の移動に追従して移動可能な継手部材を設ける、等の、圧力容器の端部に設けられたバルブに接続されたガス配管その他の部品の脱落や損傷その他の不具合を防止する機構を必要に応じて併設することも好適である。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の実施形態の車両には、車両の下部または底部に圧力容器を搭載し得る、例えば、自動二輪車、自転車、電車等、あらゆる車両が含まれ得る。本実施形態の車両は特に、圧力容器の配置の態様によって該圧力容器の底部と路面との干渉等が起こりうる、例えば天然ガス自動車や燃料電池自動車などの自動車に好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0052】
10,10a,10b 圧力容器、12 ライナ、14 繊維強化樹脂層、16 口金部、18,18a,18b バルブ、22 背面、24 後輪、30,40,50,60,130,140,150,160 ブラケット、32,42 保持部材、34,44 取り付け部材、35,45,55,65 外力緩衝部材、36,46,136,146 締結部材、37,39,47 可動部材、70,80、90 ブラケット本体部、72,74 接続部材、100,200 車両、110a,110b サイドメンバ、112,114 底面、132,142 保持部、134,144 取り付け部、138,148 バネ部、158,168 屈曲部、352,354,552,554 バネ固定部材、356,556 バネ部材、558 伸長制限部材、560,562 固定用部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力容器と、前記圧力容器の長手方向の両端部分をそれぞれ保持し、基材に取り付けるための一対のブラケットとを備え、前記一対のブラケットが、
基材に取り付けるための取り付け部と、
前記取り付け部に対して屈曲されてなり、前記圧力容器の端部を保持するための保持部と、
前記取り付け部と前記保持部とを連結し、前記圧力容器が受ける外力を緩衝するための外力緩衝部材と、
をそれぞれ備えることを特徴とする圧力容器の支持構造。
【請求項2】
前記ブラケットが、少なくとも前記取り付け部および前記保持部を含み、接続部分を軸として移動可能な複数のリンク部材からなるブラケット本体部を有し、
前記外力緩衝部材が、前記複数のリンク部材の移動を制限することを特徴とする請求項1に記載の圧力容器の支持構造。
【請求項3】
前記外力緩衝部材が、前記圧力容器が受ける外力に基づいて伸長するバネ部材を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の圧力容器の支持構造。
【請求項4】
前記外力緩衝部材が、前記バネ部材の伸長を制限する伸長制限部材をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の圧力容器の支持構造。
【請求項5】
圧力容器と、前記圧力容器の長手方向の両端部分をそれぞれ保持し、車体に取り付けるための一対のブラケットとを備え、前記一対のブラケットが、
前記車体の底部に取り付けるための取り付け部と、
前記取り付け部に対して上方に屈曲されてなり、前記圧力容器の端部を保持するための保持部と、
前記取り付け部と前記保持部とを連結し、前記圧力容器の下方から受ける外力を緩衝するための外力緩衝部材と、
をそれぞれ備えることを特徴とする車両。
【請求項6】
前記ブラケットが、少なくとも前記取り付け部および前記保持部を含み、接続部分を軸として移動可能な複数のリンク部材からなるブラケット本体部を有し、
前記外力緩衝部材が、前記複数のリンク部材の移動を制限することを特徴とする請求項5に記載の車両。
【請求項7】
前記外力緩衝部材が、前記圧力容器の下方から受ける外力に基づいて伸長するバネ部材を含むことを特徴とする請求項5または6に記載の車両。
【請求項8】
前記外力緩衝部材が、前記バネ部材の伸長を制限する伸長制限部材をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の車両。
【請求項1】
圧力容器と、前記圧力容器の長手方向の両端部分をそれぞれ保持し、基材に取り付けるための一対のブラケットとを備え、前記一対のブラケットが、
基材に取り付けるための取り付け部と、
前記取り付け部に対して屈曲されてなり、前記圧力容器の端部を保持するための保持部と、
前記取り付け部と前記保持部とを連結し、前記圧力容器が受ける外力を緩衝するための外力緩衝部材と、
をそれぞれ備えることを特徴とする圧力容器の支持構造。
【請求項2】
前記ブラケットが、少なくとも前記取り付け部および前記保持部を含み、接続部分を軸として移動可能な複数のリンク部材からなるブラケット本体部を有し、
前記外力緩衝部材が、前記複数のリンク部材の移動を制限することを特徴とする請求項1に記載の圧力容器の支持構造。
【請求項3】
前記外力緩衝部材が、前記圧力容器が受ける外力に基づいて伸長するバネ部材を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の圧力容器の支持構造。
【請求項4】
前記外力緩衝部材が、前記バネ部材の伸長を制限する伸長制限部材をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の圧力容器の支持構造。
【請求項5】
圧力容器と、前記圧力容器の長手方向の両端部分をそれぞれ保持し、車体に取り付けるための一対のブラケットとを備え、前記一対のブラケットが、
前記車体の底部に取り付けるための取り付け部と、
前記取り付け部に対して上方に屈曲されてなり、前記圧力容器の端部を保持するための保持部と、
前記取り付け部と前記保持部とを連結し、前記圧力容器の下方から受ける外力を緩衝するための外力緩衝部材と、
をそれぞれ備えることを特徴とする車両。
【請求項6】
前記ブラケットが、少なくとも前記取り付け部および前記保持部を含み、接続部分を軸として移動可能な複数のリンク部材からなるブラケット本体部を有し、
前記外力緩衝部材が、前記複数のリンク部材の移動を制限することを特徴とする請求項5に記載の車両。
【請求項7】
前記外力緩衝部材が、前記圧力容器の下方から受ける外力に基づいて伸長するバネ部材を含むことを特徴とする請求項5または6に記載の車両。
【請求項8】
前記外力緩衝部材が、前記バネ部材の伸長を制限する伸長制限部材をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の車両。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図5A】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図5A】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【公開番号】特開2012−97857(P2012−97857A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−247076(P2010−247076)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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