圧搾機構付きワイパー
【課題】圧搾機構付きワイパーを、スポンジ製の清掃部材に払拭シートを簡単に装着できるように構成して、上記清掃部材で直接床を拭く清掃法と払拭シートで拭く清掃法との両方を選択的に行うことができるようにする。
【解決手段】柄棒4の先端に取り付けられたヘッドプレート2と、このヘッドプレート2に取り付けられた吸水性の清掃部材1とを、ハンドル38の起倒操作により屈曲させて該清掃部材1を圧搾するワイパーにおいて、上記ヘッドプレート2の両端部に、開閉自在のクリップ47をそれぞれ一つずつ設け、清掃部材1に装着した払拭シート6の左右両シート端を、該クリップ47によってヘッドプレート2との間に止着する。
【解決手段】柄棒4の先端に取り付けられたヘッドプレート2と、このヘッドプレート2に取り付けられた吸水性の清掃部材1とを、ハンドル38の起倒操作により屈曲させて該清掃部材1を圧搾するワイパーにおいて、上記ヘッドプレート2の両端部に、開閉自在のクリップ47をそれぞれ一つずつ設け、清掃部材1に装着した払拭シート6の左右両シート端を、該クリップ47によってヘッドプレート2との間に止着する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柄棒の先端に取り付けたスポンジ製の清掃部材に水を含ませた状態で床を水拭き清掃するワイパーに関するものであり、更に詳しくは、上記清掃部材を絞るための圧搾機構を備えたワイパーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
柄棒の先端に取り付けたスポンジ製の清掃部材に水を含ませた状態で床を拭くタイプのワイパーで、上記清掃部材を屈曲させて絞るための圧搾機構を備えたものは、例えば特許文献1によって公知である。
この公知の圧搾機構付きワイパーは、ハンドル操作で屈伸するヘッドプレートに細長い棒状をした上記清掃部材が取り付けられていて、該清掃部材の吸水量の調整時に、このヘッドプレートを清掃部材と一緒に二つに屈曲させることにより、屈曲したヘッドプレートで上記清掃部材を両側から強圧して搾るものである。そして、吸水量を調整した上記清掃部材を床に直接押し付けて清掃するように構成されている。
このようなワイパーは、上記清掃部材が吸水性と保水性とに勝れているため、一度水分を含ませるだけで広い面積の床を拭くことができるという特徴を有する。
【0003】
一方、水で湿潤した不織布製の払拭シート(ウエットシート)を板状のヘッドに装着して床を拭くタイプのワイパーも、一般に良く知られている。この種のワイパーは、不織布製の払拭シートを使用するため、細かい塵埃や汚れ等をきめ細かく拭き取ることができるという利点を有するが、払拭シートの保水性が低いために該払拭シートがすぐに水気を失い、シート交換や水分の補給等を頻繁に行わなければならないという欠点がある。
【0004】
また、フローリング製の床を水拭き清掃するような場合、汚れの状況によっては、スポンジ製の清掃部材で直接拭く清掃法が好ましい場合と、払拭シートで拭く清掃法が好ましい場合とがある。このような場合、上述した2種類のワイパーを使い分ければ良いが、2種類のワイパーを両方とも用意しなければならないため、費用や保管場所等の無駄が多くなる。従って、好ましくは、一つのワイパーを使用して上記2種類の清掃法を選択的に行うことであり、より好ましくは、保水性に勝れる前者の圧搾機構付きワイパーを使用して両方の清掃法を行うことである。
しかし、上記従来の圧搾機構付きワイパーは、清掃部材を床に直接押し付けて清掃するように構成されていて、払拭シートを装着することができないため、上述した2種類の清掃法を選択的に行うことはできない。
【特許文献1】特開2007−7069号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記圧搾機構付きワイパーを、スポンジ製の清掃部材に払拭シートを簡単に装着できるように構成して、上記清掃部材で直接床を拭く清掃法と払拭シートで拭く清掃法との両方を選択的に行うことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の圧搾機構付きワイパーは、握持用の柄棒と、該柄棒の先端部に取り付けられた二股状のヘッド支持枠と、該ヘッド支持枠の二つの分岐枝に中央部において屈曲可能なるように取り付けられた左右に細長いヘッドプレートと、該ヘッドプレートに屈伸可能に保持され、吸水状態での清掃時には該ヘッドプレートと共に伸長姿勢を保って床を直接又は払拭シートを介して水拭き清掃し、吸水量の調整時には該ヘッドプレートと共に屈曲して該ヘッドプレートで圧搾される細長い棒状をしたスポンジ製の清掃部材と、該清掃部材に被着するための不織布製の上記払拭シートと、上記ヘッドプレートを屈曲させるための操作機構とを有している。
上記操作機構は、上記柄棒に回動自在に連結されたハンドルと、両端部を該ハンドルと上記ヘッドプレートとに連結され、該ハンドルの操作力をヘッドプレートに伝える連繋棒とを有していて、上記ハンドルは、上記ヘッドプレート及び清掃部材を清掃時の伸長姿勢に保持する第1操作位置と、これらのヘッドプレート及び清掃部材を圧搾のために屈曲させる第2操作位置との間で変位自在である。
また、上記ヘッドプレートには、清掃部材に装着された上記払拭シートを止着するための止着機構が設けられ、この止着機構は、上記ヘッドプレートの長さ方向の両端部の位置にそれぞれ配設された開閉自在のクリップからなり、該クリップと上記ヘッドプレートとの間に払拭シートを挟持するように構成されている。
【0007】
また、本発明のワイパーは、上記クリップが、細長いアーム状の部材であって、上記ヘッドプレートの両端部に該ヘッドプレートの長さ方向に延在させてそれぞれ一つずつ配設され、また、該クリップは、上記ヘッドプレートの中央側を向く基端部と、該ヘッドプレートの端部側を向く先端部とを有し、上記基端部がヘッドプレートに回動自在に支持されることにより先端部側が開閉するように構成されていても良い。
【0008】
この場合、上記ヘッドプレートの両端部には、該ヘッドプレートの長さ方向に延びる止着溝が形成されていて、この止着溝内に上記クリップが嵌合状態に配設され、このクリップの先端部には、上記止着溝の溝底から延出する部分に、開閉操作のための指掛部が形成されると共に、弾性ある係止片が形成され、上記止着溝の溝端には係止部が形成されていて、この係止部に上記係止片が弾力的に係止することによって上記クリップが止着位置に保持されるように構成されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のワイパーは、ヘッドプレートに開閉自在のクリップを設けることによって払拭シートの装着を可能としたため、スポンジ製の清掃部材で直接床を拭く清掃法と、該清掃部材に払拭シートを装着してこの払拭シートを介して床を拭く清掃法との、両方を選択的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図は本発明に係る圧搾機構付きワイパーの一実施形態を示すものである。このワイパーは、図1及び図2から分かるように、合成樹脂発泡体のような吸水性と保水性とに勝れた多孔質素材からなる細長い棒状をした清掃部材1と、この清掃部材1を着脱自在に取り付けるための左右に細長くかつ中央部で二つに屈曲自在のヘッドプレート2と、該ヘッドプレート2を支持するヘッド支持枠3と、該ヘッド支持枠3の上端中央部に取り付けられた長さが伸縮調節自在の柄棒4と、上記ヘッドプレート2を屈曲操作するための操作機構5とを有するもので、上記ヘッドプレート2と清掃部材1とでワイパーヘッドHが形成されている。そして、上記柄棒4を手に持ち、水を含ませた清掃部材1を床等の清掃対象に直接押し付けて水拭き清掃を行うか、あるいは、上記清掃部材1の外面に払拭シート6を被着し、この払拭シート6を介して水拭き清掃を行うものである。
上記吸水性と保水性とに勝れた合成樹脂発泡体としては、例えばポリビニルアルコール(PVA)製のスポンジがある。
【0011】
上記清掃部材1は、角柱の底面部分と両角部分とに丸みを持たせたような断面形状を有していて、その底面から両側面の下端部にかけて、該清掃部材1の長手方向に全長にわたって延びる複数の小溝1aが平行に設けられている。しかし、この小溝1aは必ずしも必要なものではない。また、該清掃部材1の平らな上面には、図3及び図5から分かるように、圧搾時に折曲部となる中央部分1bを除き、上記ヘッドプレート2における一対のヘッド基板16,16と対応する位置に、それぞれ連結プレート10,10が取り付けられている。
【0012】
上記連結プレート10は、硬質又は半硬質の合成樹脂により形成されていて、上記清掃部材1に接着剤で固定されており、該連結プレート10の上面には、複数の係止弾片11A,11Bが一体に設けられている。この係止弾片11A,11Bは、連結プレート10から上向きに立ち上がった脚部11aと、この脚部11aの上端から横向きに延出する係止部11bとからなるもので、上記連結プレート10の幅方向(短手方向)の一端側に位置する第1係止弾片11Aと他端側に位置する第2係止弾片11Bとを一対として、二対の係止弾片11A,11Bが、上記連結プレート10の長手方向の一端寄りの位置と他端寄りの位置とに配設されている。上記第1係止弾片11Aと第2係止弾片11Bとの違いは、上記係止部11bの向きが互いに逆になっていることである。なお、以下の説明において、上記第1係止弾片11Aと第2係止弾片11Bとを特に区別して表示する必要がないときは、単に「係止弾片11」と表示するものとする。
【0013】
上記ヘッドプレート2は、中央に位置する支持基体15と、この支持基体15に回動自在に連結された左右一対の上記ヘッド基板16,16と、これらのヘッド基板16,16にそれぞれ長手方向に変移自在なるように結合された左右一対の摺動基板17,17とからなるもので、全体として左右対象をなすように形成されている。なお、このヘッドプレート2を構成する上記各部材15,16,17は、合成樹脂で形成されている。
【0014】
上記支持基体15は、上記清掃部材1が二つに折り曲げられて圧搾された状態(図12参照)にあるときの厚さとほぼ同程度の長さを有するもので、その長さ方向の両端位置に二つの軸受部18,18を有すると共に、長さ方向の中央位置に上記操作機構5の連繋棒39,39を連結するための棒連結部19を有し、上記各軸受部18,18に、上記各ヘッド基板16,16の基端部に形成された軸受部16aが、ヘッドプレート2の長さ方向と直交する方向の連結軸20を中心にしてそれぞれ回動自在に連結されている。
【0015】
また、上記ヘッド基板16,16は、実質的に平坦な下面を有し、この下面に、図4からも分かるように、上記清掃部材1の係止弾片11A,11Bを係止させるための複数の係止孔21A,21Bと、上記摺動基板17,17との相対的な移動をガイドするための複数のガイド孔22,23とが設けられている。
【0016】
上記係止孔21A,21Bは、孔幅が広い広幅部21aと孔幅が狭い狭幅部21bとからなるもので、ヘッド基板16の幅方向(短手方向)の一端寄りに位置する第1係止孔21Aと他端寄りに位置する第2係止孔21Bとを一対として、二対の係止孔21A,21Bが、各ヘッド基板16の長手方向の一端寄りの位置と他端寄りの位置とに配設されている。そして、これらの係止孔21A,21Bに上記清掃部材1の係止弾片11を広幅部21aの位置で嵌合し、そのあと該係止弾片11を狭幅部21b側に移動させて係止部11bを該狭幅部21bの孔縁に係止させることにより、図3及び図8から明らかなように、上記清掃部材1が左右のヘッド基板16,16に跨るように取り付けられている。この清掃部材1の取り付けは、該清掃部材1を適当に撓ませながら、各ヘッド基板16,16に対して片方ずつ行うようにする。なお、該清掃部材1の取り外しは、上記取り付けの場合とは逆の操作により行うことができる。
【0017】
上記複数のガイド孔22,23のうち第1ガイド孔22は、図4及び図7から分かるように、各ヘッド基板16の中央部に該ヘッド基板16の長手方向に一定長さ延びるように形成され、その内部に、各摺動基板17の下面に形成された短円柱状のガイド軸25が移動自在に嵌合しており、このガイド孔22の長さの範囲内でこれらのヘッド基板16と摺動基板17とが相対的に変移するようになっている。また、上記第2ガイド孔23は、各ヘッド基板16の先端部中央位置から該ヘッド基板16の長手方向に切り込まれ、その内部に、各摺動基板17の下面に形成された板状のガイド壁26が嵌合している。そして、これらのガイド孔22,23と各ガイド軸25及びガイド壁26との係合により、上記摺動基板17とヘッド基板16とが安定して摺動できるようになっている。
【0018】
また、上記摺動基板17は、上記ヘッド基板16の上面に変移自在なるように重設されている。この摺動基板17の長さは上記ヘッド基板16より長く、このため、該摺動基板17の長手方向の先端部17aはヘッド基板16の先端から若干延出しており、この延出する先端部17aの下面と上記ヘッド基板16の下面とがほぼ同一面上に位置するように高さを揃えられている。
一方、該摺動基板17の上記ヘッド基板16と重なる部分には、長手方向に延びて相互に嵌合する一つ又は複数の凹部と凸部とが形成され、この凹部と凸部とで基板16,17同士が幅方向に位置ずれしないように係止し合っている。しかし、これらの凹部と凸部との図示は省略されている。
【0019】
更に、上記摺動基板17の基端部を除く下面周縁部分には、下方に僅かに突出する縁枠29が形成され、この縁枠29内に上記清掃部材1の上面の連結プレート10が嵌合した状態で該清掃部材1がヘッドプレート2に取り付けられている。このとき、この清掃部材1の長さをヘッドプレート2の長さよりやや長く形成することにより、該清掃部材1の長手方向の両端部1c,1cをヘッドプレート2即ち摺動基板17,17の先端から若干延出させるのが望ましい。このように清掃部材1の両端部1c,1cをヘッドプレート2から突出させるのは、清掃時に該ヘッドプレート2即ち摺動基板17,17が壁や家具等に当接してそれらを傷付けるのを防止する上で有効である。
【0020】
図1及び図3から分かるように、上記ヘッド支持枠3は、その先端が二股状に分岐していて、各分岐枝3a,3aの先端部にそれぞれ、上記摺動基板17が連結アーム31を介して揺動自在に連結されている。上記二つの分岐枝3a,3aは、一旦ほぼ平行に延びたあと、先端が先広がり状に傾斜し、この傾斜する部分の先端部に、上記連結アーム31の基端部が、上記ヘッドプレート2の幅方向に延びるアーム取付軸32により、該アーム取付軸32を中心に回動自在なるように連結されている。
【0021】
一方、図6〜図8から分かるように、上記摺動基板17の上面の軸受部17bには、中間連結具33の下端部が、上記ヘッドプレート2の幅方向に延びる連結具支持軸34により、該連結具支持軸34を中心にして回動自在なるように連結され、この中間連結具33の上端部に、上記連結アーム31の先端部が、上記ヘッドプレート2の長さ方向に延びるヘッド傾動軸35により、該ヘッド傾動軸35を中心にして回動自在なるように連結されている。
【0022】
従って、上記ヘッドプレート2即ちワイパーヘッドHは、柄棒4に対して上記ヘッド傾動軸35を中心に傾動自在であり、床面等の清掃時には、図2、図6及び図8に示すように、清掃部材1の向きが柄棒4の軸線L1に対して傾いた向きとなる傾斜姿勢を占めることができる。換言すれば、上記柄棒4の軸線L1と、上記ヘッドプレート2及び清掃部材1の中央を縦方向に貫くワイパーヘッドHの中心軸線(ヘッド軸線)L2との間に、一定の傾斜角度θが保たれるようになっている。このとき、連結アーム31の一部が上記摺動基板17の軸受部17b又は中間連結具33に当接することにより、ワイパーヘッドHが上記傾斜角度に位置決めされる。このワイパーヘッドHの傾斜角度θは45度程度であることが望ましいが、それより大きくても小さくても構わない。
【0023】
上記連結アーム31は、床の清掃時には、上記柄棒4からヘッド支持枠3を介して伝わる清掃のための操作力を上記摺動基板17を介してヘッドプレート2に伝達し、清掃部材1の圧搾時(図12参照)には、上記ヘッド支持枠3に基端部を支えられることにより、上記摺動基板17及びヘッド基板16に両側から加圧力を加えるように機能する。
【0024】
上記操作機構5は、上記柄棒4にピン37で起倒自在なるように取り付けられたハンドル38と、該ハンドル38と上記ヘッドプレート2との間に連結されて該ハンドル38の操作力をヘッドプレート2に伝える左右一対の上記連繋棒39,39とを有している。
上記ハンドル38は、その先端部に輪状をした起倒操作のための握持部38aを有していて、基端部が、上記ピン37で柄棒4に回動自在に連結されている。そして、上記握持部38aを持って起倒させることにより、図1及び図2に実線で示す清掃時の第1操作位置Xと、図2に鎖線で示す清掃部材圧搾時の第2操作位置Yとの間を変位可能である。上記第1操作位置Xにおいては、上記ヘッドプレート2及び清掃部材1が伸長姿勢及び傾斜姿勢を保ち、第2操作位置Yにおいては、これらのヘッドプレート2及び清掃部材1が屈曲した状態(図12参照)となる。
【0025】
上記連繋棒39,39は、強度と剛弾性との大きい針金などの金属製線条からなるもので、上記柄棒4の両側を該柄棒4に沿ってほぼ並行に延び、その基端部が、上記柄棒4の握持部38aと基端部との中間に支持ピン40で回動自在に連結され、先端部は、上記ヘッド支持枠3の内部を貫通してヘッドプレート2の上部に至り、上記支持基体15の上面中央部に形成された柱状の上記棒連結部19に、連結点41の位置で連結されている。その連結の態様は、一対の連繋棒39,39の先端を互いに相対する方向である内側に向けて鈎形に折曲し、その折曲部39aを上記棒連結部19の端面に形成された係止孔に、ヘッドプレート2の長さ方向の軸線を中心に回動自在なるように嵌合、係止させたものである。
【0026】
また、上記連繋棒39,39の上記棒連結部19に対する連結点41の位置は、該棒連結部19の中央即ちヘッドプレート2の幅方向の中央ではなく、該中央よりはヘッドプレート2の幅方向一側に偏寄した位置である。しかもこの連結点41の位置は、上記連結アーム31と中間連結具33とを連結する連結具支持軸34の位置よりは高い位置、即ち柄棒4側に寄った位置でもある。
これに対して上記ヘッド傾動軸35の配設位置は、上記ヘッドプレート2の幅方向のほぼ中央である。従って、このヘッド傾動軸35の配設位置と、上記連繋棒39,39の棒連結部19に対する連結点41の位置とは、上記ヘッドプレート2の幅方向に互いに異なっている。
【0027】
上記連繋棒39,39とヘッド傾動軸35とをこのような位置関係に配置したことにより、床面等の清掃時に、ハンドル38を上記第1操作位置Xに変位させると、図2及び図6に示すように、上記ヘッドプレート2が連繋棒39に押されてヘッド傾動軸35を中心にして一方向(時計回り)に回動し、該ヘッドプレート2及び清掃部材1、即ちワイパーヘッドHが、柄棒4に対して角度θだけ傾いた上記傾斜姿勢を占めることになる。
ワイパーヘッドHのこのような傾斜姿勢は、上記清掃部材1を床面に対して広い面積で効率良く押し付けることができる姿勢であり、しかも、柄棒4に対してワイパーヘッドHが傾いているため、該ワイパーヘッドHが柄棒4の軸線L1方向を向く従来品に比べ、清掃を行い易いという利点もある。
【0028】
また、清掃を始める前に、あるいは清掃の途中において、上記清掃部材1に水を含浸させたあとその吸水量を調整するため、上記ハンドル38を上記第1操作位置Xから第2操作位置Yに変位させると、その変位の初期段階に、図9に示すように、上記ヘッドプレート2が、連繋棒39に引っ張られて上記ヘッド傾動軸35を中心にして逆方向(反時計回り)に回動し、ワイパーヘッドHの傾斜角度θがほぼゼロとなるように姿勢を変える。換言すれば、上記清掃部材1が柄棒4の軸線L1方向を向くようにヘッドプレート2の姿勢が変化する。このとき、上記連結アーム31の先端部31aが中間連結具33に当接することにより、ヘッドプレート2は上記向きに位置決めされる。
【0029】
そして、更なるハンドル38の変位により、上記ヘッドプレート2は、変更後の姿勢のまま、中央部が上記連繋棒39で柄棒4の軸線L1方向に引っ張られ、図11及び図12に順次示すように、清掃部材1の圧搾のために屈曲されることになる。即ち、上記ヘッドプレート2は、中央の支持基体15が上記連繋棒39で引き上げられる結果、図11に示すように逆V字状に折れ曲がり、それに伴って清掃部材1も折れ曲がる。そして、更にハンドル38が上記第2操作位置Yまで変位するのに伴い、図12に示すように、上記ヘッドプレート2は、一対のヘッド基板16,16及び摺動基板17,17が互いにほぼ平行になる状態まで折れ曲がり、二つのヘッド基板16,16の間に清掃部材1が挟持され、上記摺動基板17,17を介してヘッド基板16,16に作用する連結アーム31,31の加圧力によって該清掃部材1が両側から圧搾され、水が絞り出されて吸水量が調整される。
【0030】
このとき、上記ヘッドプレート2が折れ曲がるのに伴って上記摺動基板17がヘッド基板16の先端側に相対的に移動し、その移動により、連結アーム31から摺動基板17を介してヘッド基板16に作用する加圧力が調整され、適度な圧搾力がヘッド基板16を介して清掃部材1に加わることになる。また、清掃部材1のヘッドプレート2から延出していた端部1cが該摺動基板17の先端部17aで完全に覆われると共に、その部分が該先端部17aで加圧され、該清掃部材1全体が確実に圧搾されることになる。
【0031】
上記屈曲操作時における上記ヘッドプレート2及び清掃部材1の姿勢即ち向きは、該清掃部材1の互いに圧接する両半部同士の接触面積が最も広く、かつ該清掃部材1に作用するヘッド基板16及び摺動基板17の作用力が最も大きくなる向きであり、上記ヘッドプレート2及び清掃部材1をこのような向きに方向変更したあとそれらを屈曲させて圧搾することにより、該清掃部材1は効率良く絞られることになる。
【0032】
上記圧搾操作が終了したあと、上記ハンドル38を第1操作位置Xに戻すことにより、ヘッドプレート2と清掃部材1とは、図2及び図6に示すように、清掃のための伸長姿勢及び傾斜姿勢を占める。
【0033】
上記ハンドル38は、上記第1操作位置Xで柄棒4に係止する係止装置42を有している。この係止装置42は、図10に示すように、ハンドル38の中間位置から柄棒4側に向けて延出する一対の弾性係止片43,43からなっていて、相対するこれらの弾性係止片43の内面には、それぞれ凹溝43aが形成され、上記第1操作位置Xでこれらの弾性係止片43,43間に柄棒4が弾力的に嵌合して上記凹溝43aに係止することにより、上記ハンドル38がこの第1操作位置Xに保持されるように構成されている。
【0034】
上記ワイパーは、上述したように清掃部材1を床に直接押し付けて拭くことができるものであるが、図1、図6及び図7に鎖線で示すように、該清掃部材1に払拭シート6を装着し、この払拭シート6を床に押し付けることによりこの払拭シート6で水拭き清掃を行うこともできるものである。このため、上記ヘッドプレート2には、図7からも分かるように、その長さ方向の両端部の位置に、上記払拭シート6を止着するための止着機構46がそれぞれ設けられている。
【0035】
上記止着機構46は、細長いアーム状をした開閉自在のクリップ47からなるもので、このクリップ47が、ヘッドプレート2の両端部の上面中央位置に該ヘッドプレート2の長さ方向に形成された止着溝48内に、基端部47aを該ヘッドプレート2の中心側即ちヘッド軸線L2側に向けると共に、先端部47bを該ヘッドプレート2の端部側に向けることにより、該ヘッドプレート2の長さ方向に延在させた状態でそれぞれ一つずつ配設されている。そして、上記基端部47aが、上記止着溝48の溝壁に、ヘッドプレート2の幅方向を向くクリップ支持軸49を中心にして回動自在に連結されることにより、先端部47b側が開閉するようになっている。
上記クリップ47が実際に取り付けられているヘッドプレート2の部分は、2つの摺動基板17,17であり、該摺動基板17,17に対して上記連結アーム31が連結されている位置よりも外端部側に寄った位置である。
【0036】
上記クリップ47の先端部47bには、上記止着溝48の溝底より外側に延出する部分に、開閉操作のための指掛部47cが延設されると共に、該指掛部47cよりやや手前の位置に、係止突子47eを下端に有する弾性係止片47dが下向きに延設され、これに対して上記止着溝48の溝端には、突部状の係止部48aが形成されていて、この係止部48aに上記弾性係止片47dの係止突子47eが弾力的に係止することにより、上記クリップ47が止着位置に保持されるようになっている。
【0037】
上記ワイパーヘッドHに対する払拭シート6の装着は、図7に鎖線で示すようにクリップ47を開放位置に回動させた状態で行い、清掃部材1を覆うように払拭シート6を装着したあと、該払拭シート6の左右両シート端を、ヘッドプレート2の長さ方向の両端部においてそれぞれ上記止着構48内に重ねて押し込み、上記クリップ47を図7の実線位置に戻すことにより、上記止着溝48内において該クリップ47とヘッドプレート2との間に上記シート端が挟持されることになる。このとき、該クリップ47の先端の係止片47dが上記止着溝48の溝底先端の係止部48aに弾力的に係止することにより、該クリップ47はその位置に保持される。
従って、上記払拭シート6の左右両シート端は、ヘッドプレート2の長さ方向の両端部において、それぞれ、該ヘッドプレート2の幅方向の中央に位置する一つのクリップ47によって止着、固定されることになる。
【0038】
かくして清掃部材1に払拭シート6を装着し、この払拭シート6で床を拭くことも可能であり、この場合には、該払拭シート6自体の保水性が低くても、保水性の大きい上記清掃部材1から水が少しずつ放出されて該払拭シート6に供給されるため、上記清掃部材1に一度吸水させるだけで床を広範囲にわたり水の補給なしに拭くことができ、非常に効率的である。
【0039】
なお、上記払拭シート6を、ヘッドプレート2の長さ方向の中央部付近で該ヘッドプレート2の上面に係止しないように装着しておけば、この払拭シート6を装着した状態のままでも、上記ヘッドプレート2及び清掃部材1を屈曲させて吸水量の調整を行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る圧搾機構付きワイパーの一実施形態を示す正面図である。
【図2】上記ワイパーの要部側面図である。
【図3】上記ワイパーの、清掃部材を分離した状態を示す要部正面図である。
【図4】上記ワイパーにおけるヘッドプレートの下面図である。
【図5】上記ワイパーにおける清掃部材の側面図である。
【図6】図2の要部拡大図である。
【図7】図6における中央位置での縦断面図である。
【図8】図7におけるA−A線に沿った要部のみの断面図である。
【図9】上記ワイパーにおけるワイパーヘッドの向きが異なる場合を示す要部側面図である。
【図10】図2のB−B線での断面図である。
【図11】上記ワイパーにおける圧搾操作の途中の段階を示す要部側面図である。
【図12】上記ワイパーにおける圧搾操作の最終段階を示す要部側面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 清掃部材
2 ヘッドプレート
3 ヘッド支持枠
3a 分岐枝
4 柄棒
5 操作機構
6 払拭シート
38 ハンドル
39 連繋棒
46 止着機構
47 クリップ
47a 基端部
47b 先端部
47c 指掛部
47d 係止片
48 止着溝
48a 係止部
X 第1操作位置
Y 第2操作位置
【技術分野】
【0001】
本発明は、柄棒の先端に取り付けたスポンジ製の清掃部材に水を含ませた状態で床を水拭き清掃するワイパーに関するものであり、更に詳しくは、上記清掃部材を絞るための圧搾機構を備えたワイパーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
柄棒の先端に取り付けたスポンジ製の清掃部材に水を含ませた状態で床を拭くタイプのワイパーで、上記清掃部材を屈曲させて絞るための圧搾機構を備えたものは、例えば特許文献1によって公知である。
この公知の圧搾機構付きワイパーは、ハンドル操作で屈伸するヘッドプレートに細長い棒状をした上記清掃部材が取り付けられていて、該清掃部材の吸水量の調整時に、このヘッドプレートを清掃部材と一緒に二つに屈曲させることにより、屈曲したヘッドプレートで上記清掃部材を両側から強圧して搾るものである。そして、吸水量を調整した上記清掃部材を床に直接押し付けて清掃するように構成されている。
このようなワイパーは、上記清掃部材が吸水性と保水性とに勝れているため、一度水分を含ませるだけで広い面積の床を拭くことができるという特徴を有する。
【0003】
一方、水で湿潤した不織布製の払拭シート(ウエットシート)を板状のヘッドに装着して床を拭くタイプのワイパーも、一般に良く知られている。この種のワイパーは、不織布製の払拭シートを使用するため、細かい塵埃や汚れ等をきめ細かく拭き取ることができるという利点を有するが、払拭シートの保水性が低いために該払拭シートがすぐに水気を失い、シート交換や水分の補給等を頻繁に行わなければならないという欠点がある。
【0004】
また、フローリング製の床を水拭き清掃するような場合、汚れの状況によっては、スポンジ製の清掃部材で直接拭く清掃法が好ましい場合と、払拭シートで拭く清掃法が好ましい場合とがある。このような場合、上述した2種類のワイパーを使い分ければ良いが、2種類のワイパーを両方とも用意しなければならないため、費用や保管場所等の無駄が多くなる。従って、好ましくは、一つのワイパーを使用して上記2種類の清掃法を選択的に行うことであり、より好ましくは、保水性に勝れる前者の圧搾機構付きワイパーを使用して両方の清掃法を行うことである。
しかし、上記従来の圧搾機構付きワイパーは、清掃部材を床に直接押し付けて清掃するように構成されていて、払拭シートを装着することができないため、上述した2種類の清掃法を選択的に行うことはできない。
【特許文献1】特開2007−7069号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記圧搾機構付きワイパーを、スポンジ製の清掃部材に払拭シートを簡単に装着できるように構成して、上記清掃部材で直接床を拭く清掃法と払拭シートで拭く清掃法との両方を選択的に行うことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の圧搾機構付きワイパーは、握持用の柄棒と、該柄棒の先端部に取り付けられた二股状のヘッド支持枠と、該ヘッド支持枠の二つの分岐枝に中央部において屈曲可能なるように取り付けられた左右に細長いヘッドプレートと、該ヘッドプレートに屈伸可能に保持され、吸水状態での清掃時には該ヘッドプレートと共に伸長姿勢を保って床を直接又は払拭シートを介して水拭き清掃し、吸水量の調整時には該ヘッドプレートと共に屈曲して該ヘッドプレートで圧搾される細長い棒状をしたスポンジ製の清掃部材と、該清掃部材に被着するための不織布製の上記払拭シートと、上記ヘッドプレートを屈曲させるための操作機構とを有している。
上記操作機構は、上記柄棒に回動自在に連結されたハンドルと、両端部を該ハンドルと上記ヘッドプレートとに連結され、該ハンドルの操作力をヘッドプレートに伝える連繋棒とを有していて、上記ハンドルは、上記ヘッドプレート及び清掃部材を清掃時の伸長姿勢に保持する第1操作位置と、これらのヘッドプレート及び清掃部材を圧搾のために屈曲させる第2操作位置との間で変位自在である。
また、上記ヘッドプレートには、清掃部材に装着された上記払拭シートを止着するための止着機構が設けられ、この止着機構は、上記ヘッドプレートの長さ方向の両端部の位置にそれぞれ配設された開閉自在のクリップからなり、該クリップと上記ヘッドプレートとの間に払拭シートを挟持するように構成されている。
【0007】
また、本発明のワイパーは、上記クリップが、細長いアーム状の部材であって、上記ヘッドプレートの両端部に該ヘッドプレートの長さ方向に延在させてそれぞれ一つずつ配設され、また、該クリップは、上記ヘッドプレートの中央側を向く基端部と、該ヘッドプレートの端部側を向く先端部とを有し、上記基端部がヘッドプレートに回動自在に支持されることにより先端部側が開閉するように構成されていても良い。
【0008】
この場合、上記ヘッドプレートの両端部には、該ヘッドプレートの長さ方向に延びる止着溝が形成されていて、この止着溝内に上記クリップが嵌合状態に配設され、このクリップの先端部には、上記止着溝の溝底から延出する部分に、開閉操作のための指掛部が形成されると共に、弾性ある係止片が形成され、上記止着溝の溝端には係止部が形成されていて、この係止部に上記係止片が弾力的に係止することによって上記クリップが止着位置に保持されるように構成されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のワイパーは、ヘッドプレートに開閉自在のクリップを設けることによって払拭シートの装着を可能としたため、スポンジ製の清掃部材で直接床を拭く清掃法と、該清掃部材に払拭シートを装着してこの払拭シートを介して床を拭く清掃法との、両方を選択的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図は本発明に係る圧搾機構付きワイパーの一実施形態を示すものである。このワイパーは、図1及び図2から分かるように、合成樹脂発泡体のような吸水性と保水性とに勝れた多孔質素材からなる細長い棒状をした清掃部材1と、この清掃部材1を着脱自在に取り付けるための左右に細長くかつ中央部で二つに屈曲自在のヘッドプレート2と、該ヘッドプレート2を支持するヘッド支持枠3と、該ヘッド支持枠3の上端中央部に取り付けられた長さが伸縮調節自在の柄棒4と、上記ヘッドプレート2を屈曲操作するための操作機構5とを有するもので、上記ヘッドプレート2と清掃部材1とでワイパーヘッドHが形成されている。そして、上記柄棒4を手に持ち、水を含ませた清掃部材1を床等の清掃対象に直接押し付けて水拭き清掃を行うか、あるいは、上記清掃部材1の外面に払拭シート6を被着し、この払拭シート6を介して水拭き清掃を行うものである。
上記吸水性と保水性とに勝れた合成樹脂発泡体としては、例えばポリビニルアルコール(PVA)製のスポンジがある。
【0011】
上記清掃部材1は、角柱の底面部分と両角部分とに丸みを持たせたような断面形状を有していて、その底面から両側面の下端部にかけて、該清掃部材1の長手方向に全長にわたって延びる複数の小溝1aが平行に設けられている。しかし、この小溝1aは必ずしも必要なものではない。また、該清掃部材1の平らな上面には、図3及び図5から分かるように、圧搾時に折曲部となる中央部分1bを除き、上記ヘッドプレート2における一対のヘッド基板16,16と対応する位置に、それぞれ連結プレート10,10が取り付けられている。
【0012】
上記連結プレート10は、硬質又は半硬質の合成樹脂により形成されていて、上記清掃部材1に接着剤で固定されており、該連結プレート10の上面には、複数の係止弾片11A,11Bが一体に設けられている。この係止弾片11A,11Bは、連結プレート10から上向きに立ち上がった脚部11aと、この脚部11aの上端から横向きに延出する係止部11bとからなるもので、上記連結プレート10の幅方向(短手方向)の一端側に位置する第1係止弾片11Aと他端側に位置する第2係止弾片11Bとを一対として、二対の係止弾片11A,11Bが、上記連結プレート10の長手方向の一端寄りの位置と他端寄りの位置とに配設されている。上記第1係止弾片11Aと第2係止弾片11Bとの違いは、上記係止部11bの向きが互いに逆になっていることである。なお、以下の説明において、上記第1係止弾片11Aと第2係止弾片11Bとを特に区別して表示する必要がないときは、単に「係止弾片11」と表示するものとする。
【0013】
上記ヘッドプレート2は、中央に位置する支持基体15と、この支持基体15に回動自在に連結された左右一対の上記ヘッド基板16,16と、これらのヘッド基板16,16にそれぞれ長手方向に変移自在なるように結合された左右一対の摺動基板17,17とからなるもので、全体として左右対象をなすように形成されている。なお、このヘッドプレート2を構成する上記各部材15,16,17は、合成樹脂で形成されている。
【0014】
上記支持基体15は、上記清掃部材1が二つに折り曲げられて圧搾された状態(図12参照)にあるときの厚さとほぼ同程度の長さを有するもので、その長さ方向の両端位置に二つの軸受部18,18を有すると共に、長さ方向の中央位置に上記操作機構5の連繋棒39,39を連結するための棒連結部19を有し、上記各軸受部18,18に、上記各ヘッド基板16,16の基端部に形成された軸受部16aが、ヘッドプレート2の長さ方向と直交する方向の連結軸20を中心にしてそれぞれ回動自在に連結されている。
【0015】
また、上記ヘッド基板16,16は、実質的に平坦な下面を有し、この下面に、図4からも分かるように、上記清掃部材1の係止弾片11A,11Bを係止させるための複数の係止孔21A,21Bと、上記摺動基板17,17との相対的な移動をガイドするための複数のガイド孔22,23とが設けられている。
【0016】
上記係止孔21A,21Bは、孔幅が広い広幅部21aと孔幅が狭い狭幅部21bとからなるもので、ヘッド基板16の幅方向(短手方向)の一端寄りに位置する第1係止孔21Aと他端寄りに位置する第2係止孔21Bとを一対として、二対の係止孔21A,21Bが、各ヘッド基板16の長手方向の一端寄りの位置と他端寄りの位置とに配設されている。そして、これらの係止孔21A,21Bに上記清掃部材1の係止弾片11を広幅部21aの位置で嵌合し、そのあと該係止弾片11を狭幅部21b側に移動させて係止部11bを該狭幅部21bの孔縁に係止させることにより、図3及び図8から明らかなように、上記清掃部材1が左右のヘッド基板16,16に跨るように取り付けられている。この清掃部材1の取り付けは、該清掃部材1を適当に撓ませながら、各ヘッド基板16,16に対して片方ずつ行うようにする。なお、該清掃部材1の取り外しは、上記取り付けの場合とは逆の操作により行うことができる。
【0017】
上記複数のガイド孔22,23のうち第1ガイド孔22は、図4及び図7から分かるように、各ヘッド基板16の中央部に該ヘッド基板16の長手方向に一定長さ延びるように形成され、その内部に、各摺動基板17の下面に形成された短円柱状のガイド軸25が移動自在に嵌合しており、このガイド孔22の長さの範囲内でこれらのヘッド基板16と摺動基板17とが相対的に変移するようになっている。また、上記第2ガイド孔23は、各ヘッド基板16の先端部中央位置から該ヘッド基板16の長手方向に切り込まれ、その内部に、各摺動基板17の下面に形成された板状のガイド壁26が嵌合している。そして、これらのガイド孔22,23と各ガイド軸25及びガイド壁26との係合により、上記摺動基板17とヘッド基板16とが安定して摺動できるようになっている。
【0018】
また、上記摺動基板17は、上記ヘッド基板16の上面に変移自在なるように重設されている。この摺動基板17の長さは上記ヘッド基板16より長く、このため、該摺動基板17の長手方向の先端部17aはヘッド基板16の先端から若干延出しており、この延出する先端部17aの下面と上記ヘッド基板16の下面とがほぼ同一面上に位置するように高さを揃えられている。
一方、該摺動基板17の上記ヘッド基板16と重なる部分には、長手方向に延びて相互に嵌合する一つ又は複数の凹部と凸部とが形成され、この凹部と凸部とで基板16,17同士が幅方向に位置ずれしないように係止し合っている。しかし、これらの凹部と凸部との図示は省略されている。
【0019】
更に、上記摺動基板17の基端部を除く下面周縁部分には、下方に僅かに突出する縁枠29が形成され、この縁枠29内に上記清掃部材1の上面の連結プレート10が嵌合した状態で該清掃部材1がヘッドプレート2に取り付けられている。このとき、この清掃部材1の長さをヘッドプレート2の長さよりやや長く形成することにより、該清掃部材1の長手方向の両端部1c,1cをヘッドプレート2即ち摺動基板17,17の先端から若干延出させるのが望ましい。このように清掃部材1の両端部1c,1cをヘッドプレート2から突出させるのは、清掃時に該ヘッドプレート2即ち摺動基板17,17が壁や家具等に当接してそれらを傷付けるのを防止する上で有効である。
【0020】
図1及び図3から分かるように、上記ヘッド支持枠3は、その先端が二股状に分岐していて、各分岐枝3a,3aの先端部にそれぞれ、上記摺動基板17が連結アーム31を介して揺動自在に連結されている。上記二つの分岐枝3a,3aは、一旦ほぼ平行に延びたあと、先端が先広がり状に傾斜し、この傾斜する部分の先端部に、上記連結アーム31の基端部が、上記ヘッドプレート2の幅方向に延びるアーム取付軸32により、該アーム取付軸32を中心に回動自在なるように連結されている。
【0021】
一方、図6〜図8から分かるように、上記摺動基板17の上面の軸受部17bには、中間連結具33の下端部が、上記ヘッドプレート2の幅方向に延びる連結具支持軸34により、該連結具支持軸34を中心にして回動自在なるように連結され、この中間連結具33の上端部に、上記連結アーム31の先端部が、上記ヘッドプレート2の長さ方向に延びるヘッド傾動軸35により、該ヘッド傾動軸35を中心にして回動自在なるように連結されている。
【0022】
従って、上記ヘッドプレート2即ちワイパーヘッドHは、柄棒4に対して上記ヘッド傾動軸35を中心に傾動自在であり、床面等の清掃時には、図2、図6及び図8に示すように、清掃部材1の向きが柄棒4の軸線L1に対して傾いた向きとなる傾斜姿勢を占めることができる。換言すれば、上記柄棒4の軸線L1と、上記ヘッドプレート2及び清掃部材1の中央を縦方向に貫くワイパーヘッドHの中心軸線(ヘッド軸線)L2との間に、一定の傾斜角度θが保たれるようになっている。このとき、連結アーム31の一部が上記摺動基板17の軸受部17b又は中間連結具33に当接することにより、ワイパーヘッドHが上記傾斜角度に位置決めされる。このワイパーヘッドHの傾斜角度θは45度程度であることが望ましいが、それより大きくても小さくても構わない。
【0023】
上記連結アーム31は、床の清掃時には、上記柄棒4からヘッド支持枠3を介して伝わる清掃のための操作力を上記摺動基板17を介してヘッドプレート2に伝達し、清掃部材1の圧搾時(図12参照)には、上記ヘッド支持枠3に基端部を支えられることにより、上記摺動基板17及びヘッド基板16に両側から加圧力を加えるように機能する。
【0024】
上記操作機構5は、上記柄棒4にピン37で起倒自在なるように取り付けられたハンドル38と、該ハンドル38と上記ヘッドプレート2との間に連結されて該ハンドル38の操作力をヘッドプレート2に伝える左右一対の上記連繋棒39,39とを有している。
上記ハンドル38は、その先端部に輪状をした起倒操作のための握持部38aを有していて、基端部が、上記ピン37で柄棒4に回動自在に連結されている。そして、上記握持部38aを持って起倒させることにより、図1及び図2に実線で示す清掃時の第1操作位置Xと、図2に鎖線で示す清掃部材圧搾時の第2操作位置Yとの間を変位可能である。上記第1操作位置Xにおいては、上記ヘッドプレート2及び清掃部材1が伸長姿勢及び傾斜姿勢を保ち、第2操作位置Yにおいては、これらのヘッドプレート2及び清掃部材1が屈曲した状態(図12参照)となる。
【0025】
上記連繋棒39,39は、強度と剛弾性との大きい針金などの金属製線条からなるもので、上記柄棒4の両側を該柄棒4に沿ってほぼ並行に延び、その基端部が、上記柄棒4の握持部38aと基端部との中間に支持ピン40で回動自在に連結され、先端部は、上記ヘッド支持枠3の内部を貫通してヘッドプレート2の上部に至り、上記支持基体15の上面中央部に形成された柱状の上記棒連結部19に、連結点41の位置で連結されている。その連結の態様は、一対の連繋棒39,39の先端を互いに相対する方向である内側に向けて鈎形に折曲し、その折曲部39aを上記棒連結部19の端面に形成された係止孔に、ヘッドプレート2の長さ方向の軸線を中心に回動自在なるように嵌合、係止させたものである。
【0026】
また、上記連繋棒39,39の上記棒連結部19に対する連結点41の位置は、該棒連結部19の中央即ちヘッドプレート2の幅方向の中央ではなく、該中央よりはヘッドプレート2の幅方向一側に偏寄した位置である。しかもこの連結点41の位置は、上記連結アーム31と中間連結具33とを連結する連結具支持軸34の位置よりは高い位置、即ち柄棒4側に寄った位置でもある。
これに対して上記ヘッド傾動軸35の配設位置は、上記ヘッドプレート2の幅方向のほぼ中央である。従って、このヘッド傾動軸35の配設位置と、上記連繋棒39,39の棒連結部19に対する連結点41の位置とは、上記ヘッドプレート2の幅方向に互いに異なっている。
【0027】
上記連繋棒39,39とヘッド傾動軸35とをこのような位置関係に配置したことにより、床面等の清掃時に、ハンドル38を上記第1操作位置Xに変位させると、図2及び図6に示すように、上記ヘッドプレート2が連繋棒39に押されてヘッド傾動軸35を中心にして一方向(時計回り)に回動し、該ヘッドプレート2及び清掃部材1、即ちワイパーヘッドHが、柄棒4に対して角度θだけ傾いた上記傾斜姿勢を占めることになる。
ワイパーヘッドHのこのような傾斜姿勢は、上記清掃部材1を床面に対して広い面積で効率良く押し付けることができる姿勢であり、しかも、柄棒4に対してワイパーヘッドHが傾いているため、該ワイパーヘッドHが柄棒4の軸線L1方向を向く従来品に比べ、清掃を行い易いという利点もある。
【0028】
また、清掃を始める前に、あるいは清掃の途中において、上記清掃部材1に水を含浸させたあとその吸水量を調整するため、上記ハンドル38を上記第1操作位置Xから第2操作位置Yに変位させると、その変位の初期段階に、図9に示すように、上記ヘッドプレート2が、連繋棒39に引っ張られて上記ヘッド傾動軸35を中心にして逆方向(反時計回り)に回動し、ワイパーヘッドHの傾斜角度θがほぼゼロとなるように姿勢を変える。換言すれば、上記清掃部材1が柄棒4の軸線L1方向を向くようにヘッドプレート2の姿勢が変化する。このとき、上記連結アーム31の先端部31aが中間連結具33に当接することにより、ヘッドプレート2は上記向きに位置決めされる。
【0029】
そして、更なるハンドル38の変位により、上記ヘッドプレート2は、変更後の姿勢のまま、中央部が上記連繋棒39で柄棒4の軸線L1方向に引っ張られ、図11及び図12に順次示すように、清掃部材1の圧搾のために屈曲されることになる。即ち、上記ヘッドプレート2は、中央の支持基体15が上記連繋棒39で引き上げられる結果、図11に示すように逆V字状に折れ曲がり、それに伴って清掃部材1も折れ曲がる。そして、更にハンドル38が上記第2操作位置Yまで変位するのに伴い、図12に示すように、上記ヘッドプレート2は、一対のヘッド基板16,16及び摺動基板17,17が互いにほぼ平行になる状態まで折れ曲がり、二つのヘッド基板16,16の間に清掃部材1が挟持され、上記摺動基板17,17を介してヘッド基板16,16に作用する連結アーム31,31の加圧力によって該清掃部材1が両側から圧搾され、水が絞り出されて吸水量が調整される。
【0030】
このとき、上記ヘッドプレート2が折れ曲がるのに伴って上記摺動基板17がヘッド基板16の先端側に相対的に移動し、その移動により、連結アーム31から摺動基板17を介してヘッド基板16に作用する加圧力が調整され、適度な圧搾力がヘッド基板16を介して清掃部材1に加わることになる。また、清掃部材1のヘッドプレート2から延出していた端部1cが該摺動基板17の先端部17aで完全に覆われると共に、その部分が該先端部17aで加圧され、該清掃部材1全体が確実に圧搾されることになる。
【0031】
上記屈曲操作時における上記ヘッドプレート2及び清掃部材1の姿勢即ち向きは、該清掃部材1の互いに圧接する両半部同士の接触面積が最も広く、かつ該清掃部材1に作用するヘッド基板16及び摺動基板17の作用力が最も大きくなる向きであり、上記ヘッドプレート2及び清掃部材1をこのような向きに方向変更したあとそれらを屈曲させて圧搾することにより、該清掃部材1は効率良く絞られることになる。
【0032】
上記圧搾操作が終了したあと、上記ハンドル38を第1操作位置Xに戻すことにより、ヘッドプレート2と清掃部材1とは、図2及び図6に示すように、清掃のための伸長姿勢及び傾斜姿勢を占める。
【0033】
上記ハンドル38は、上記第1操作位置Xで柄棒4に係止する係止装置42を有している。この係止装置42は、図10に示すように、ハンドル38の中間位置から柄棒4側に向けて延出する一対の弾性係止片43,43からなっていて、相対するこれらの弾性係止片43の内面には、それぞれ凹溝43aが形成され、上記第1操作位置Xでこれらの弾性係止片43,43間に柄棒4が弾力的に嵌合して上記凹溝43aに係止することにより、上記ハンドル38がこの第1操作位置Xに保持されるように構成されている。
【0034】
上記ワイパーは、上述したように清掃部材1を床に直接押し付けて拭くことができるものであるが、図1、図6及び図7に鎖線で示すように、該清掃部材1に払拭シート6を装着し、この払拭シート6を床に押し付けることによりこの払拭シート6で水拭き清掃を行うこともできるものである。このため、上記ヘッドプレート2には、図7からも分かるように、その長さ方向の両端部の位置に、上記払拭シート6を止着するための止着機構46がそれぞれ設けられている。
【0035】
上記止着機構46は、細長いアーム状をした開閉自在のクリップ47からなるもので、このクリップ47が、ヘッドプレート2の両端部の上面中央位置に該ヘッドプレート2の長さ方向に形成された止着溝48内に、基端部47aを該ヘッドプレート2の中心側即ちヘッド軸線L2側に向けると共に、先端部47bを該ヘッドプレート2の端部側に向けることにより、該ヘッドプレート2の長さ方向に延在させた状態でそれぞれ一つずつ配設されている。そして、上記基端部47aが、上記止着溝48の溝壁に、ヘッドプレート2の幅方向を向くクリップ支持軸49を中心にして回動自在に連結されることにより、先端部47b側が開閉するようになっている。
上記クリップ47が実際に取り付けられているヘッドプレート2の部分は、2つの摺動基板17,17であり、該摺動基板17,17に対して上記連結アーム31が連結されている位置よりも外端部側に寄った位置である。
【0036】
上記クリップ47の先端部47bには、上記止着溝48の溝底より外側に延出する部分に、開閉操作のための指掛部47cが延設されると共に、該指掛部47cよりやや手前の位置に、係止突子47eを下端に有する弾性係止片47dが下向きに延設され、これに対して上記止着溝48の溝端には、突部状の係止部48aが形成されていて、この係止部48aに上記弾性係止片47dの係止突子47eが弾力的に係止することにより、上記クリップ47が止着位置に保持されるようになっている。
【0037】
上記ワイパーヘッドHに対する払拭シート6の装着は、図7に鎖線で示すようにクリップ47を開放位置に回動させた状態で行い、清掃部材1を覆うように払拭シート6を装着したあと、該払拭シート6の左右両シート端を、ヘッドプレート2の長さ方向の両端部においてそれぞれ上記止着構48内に重ねて押し込み、上記クリップ47を図7の実線位置に戻すことにより、上記止着溝48内において該クリップ47とヘッドプレート2との間に上記シート端が挟持されることになる。このとき、該クリップ47の先端の係止片47dが上記止着溝48の溝底先端の係止部48aに弾力的に係止することにより、該クリップ47はその位置に保持される。
従って、上記払拭シート6の左右両シート端は、ヘッドプレート2の長さ方向の両端部において、それぞれ、該ヘッドプレート2の幅方向の中央に位置する一つのクリップ47によって止着、固定されることになる。
【0038】
かくして清掃部材1に払拭シート6を装着し、この払拭シート6で床を拭くことも可能であり、この場合には、該払拭シート6自体の保水性が低くても、保水性の大きい上記清掃部材1から水が少しずつ放出されて該払拭シート6に供給されるため、上記清掃部材1に一度吸水させるだけで床を広範囲にわたり水の補給なしに拭くことができ、非常に効率的である。
【0039】
なお、上記払拭シート6を、ヘッドプレート2の長さ方向の中央部付近で該ヘッドプレート2の上面に係止しないように装着しておけば、この払拭シート6を装着した状態のままでも、上記ヘッドプレート2及び清掃部材1を屈曲させて吸水量の調整を行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る圧搾機構付きワイパーの一実施形態を示す正面図である。
【図2】上記ワイパーの要部側面図である。
【図3】上記ワイパーの、清掃部材を分離した状態を示す要部正面図である。
【図4】上記ワイパーにおけるヘッドプレートの下面図である。
【図5】上記ワイパーにおける清掃部材の側面図である。
【図6】図2の要部拡大図である。
【図7】図6における中央位置での縦断面図である。
【図8】図7におけるA−A線に沿った要部のみの断面図である。
【図9】上記ワイパーにおけるワイパーヘッドの向きが異なる場合を示す要部側面図である。
【図10】図2のB−B線での断面図である。
【図11】上記ワイパーにおける圧搾操作の途中の段階を示す要部側面図である。
【図12】上記ワイパーにおける圧搾操作の最終段階を示す要部側面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 清掃部材
2 ヘッドプレート
3 ヘッド支持枠
3a 分岐枝
4 柄棒
5 操作機構
6 払拭シート
38 ハンドル
39 連繋棒
46 止着機構
47 クリップ
47a 基端部
47b 先端部
47c 指掛部
47d 係止片
48 止着溝
48a 係止部
X 第1操作位置
Y 第2操作位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
握持用の柄棒と、該柄棒の先端部に取り付けられた二股状のヘッド支持枠と、該ヘッド支持枠の二つの分岐枝に中央部において屈曲可能なるように取り付けられた左右に細長いヘッドプレートと、該ヘッドプレートに屈伸可能に保持され、吸水状態での清掃時には該ヘッドプレートと共に伸長姿勢を保って床を直接又は払拭シートを介して水拭き清掃し、吸水量の調整時には該ヘッドプレートと共に屈曲して該ヘッドプレートで圧搾される細長い棒状をしたスポンジ製の清掃部材と、該清掃部材に被着するための上記払拭シートと、上記ヘッドプレートを屈曲させるための操作機構とを有し、
上記操作機構は、上記柄棒に回動自在に連結されたハンドルと、両端部を該ハンドルと上記ヘッドプレートとに連結され、該ハンドルの操作力をヘッドプレートに伝える連繋棒とを有していて、上記ハンドルは、上記ヘッドプレート及び清掃部材を清掃時の伸長姿勢に保持する第1操作位置と、これらのヘッドプレート及び清掃部材を圧搾のために屈曲させる第2操作位置との間で変位自在であり、
上記ヘッドプレートには、清掃部材に装着された上記払拭シートを止着するための止着機構が設けられ、この止着機構は、上記ヘッドプレートの長さ方向の両端部の位置にそれぞれ配設された開閉自在のクリップからなり、該クリップと上記ヘッドプレートとの間に払拭シートを挟持するように構成されていることを特徴とする圧搾機構付きワイパー。
【請求項2】
上記クリップは、細長いアーム状の部材であって、上記ヘッドプレートの両端部に該ヘッドプレートの長さ方向に延在させてそれぞれ一つずつ配設され、また、該クリップは、上記ヘッドプレートの中央側を向く基端部と、該ヘッドプレートの端部側を向く先端部とを有し、上記基端部がヘッドプレートに回動自在に支持されることにより先端部側が開閉するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のワイパー。
【請求項3】
上記ヘッドプレートの両端部には、該ヘッドプレートの長さ方向に延びる止着溝が形成されていて、この止着溝内に上記クリップが嵌合状態に配設され、このクリップの先端部には、上記止着溝の溝底から延出する部分に、開閉操作のための指掛部が形成されると共に、弾性ある係止片が形成され、上記止着溝の溝端には係止部が形成されていて、この係止部に上記係止片が弾力的に係止することによって上記クリップが止着位置に保持されるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のワイパー。
【請求項1】
握持用の柄棒と、該柄棒の先端部に取り付けられた二股状のヘッド支持枠と、該ヘッド支持枠の二つの分岐枝に中央部において屈曲可能なるように取り付けられた左右に細長いヘッドプレートと、該ヘッドプレートに屈伸可能に保持され、吸水状態での清掃時には該ヘッドプレートと共に伸長姿勢を保って床を直接又は払拭シートを介して水拭き清掃し、吸水量の調整時には該ヘッドプレートと共に屈曲して該ヘッドプレートで圧搾される細長い棒状をしたスポンジ製の清掃部材と、該清掃部材に被着するための上記払拭シートと、上記ヘッドプレートを屈曲させるための操作機構とを有し、
上記操作機構は、上記柄棒に回動自在に連結されたハンドルと、両端部を該ハンドルと上記ヘッドプレートとに連結され、該ハンドルの操作力をヘッドプレートに伝える連繋棒とを有していて、上記ハンドルは、上記ヘッドプレート及び清掃部材を清掃時の伸長姿勢に保持する第1操作位置と、これらのヘッドプレート及び清掃部材を圧搾のために屈曲させる第2操作位置との間で変位自在であり、
上記ヘッドプレートには、清掃部材に装着された上記払拭シートを止着するための止着機構が設けられ、この止着機構は、上記ヘッドプレートの長さ方向の両端部の位置にそれぞれ配設された開閉自在のクリップからなり、該クリップと上記ヘッドプレートとの間に払拭シートを挟持するように構成されていることを特徴とする圧搾機構付きワイパー。
【請求項2】
上記クリップは、細長いアーム状の部材であって、上記ヘッドプレートの両端部に該ヘッドプレートの長さ方向に延在させてそれぞれ一つずつ配設され、また、該クリップは、上記ヘッドプレートの中央側を向く基端部と、該ヘッドプレートの端部側を向く先端部とを有し、上記基端部がヘッドプレートに回動自在に支持されることにより先端部側が開閉するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のワイパー。
【請求項3】
上記ヘッドプレートの両端部には、該ヘッドプレートの長さ方向に延びる止着溝が形成されていて、この止着溝内に上記クリップが嵌合状態に配設され、このクリップの先端部には、上記止着溝の溝底から延出する部分に、開閉操作のための指掛部が形成されると共に、弾性ある係止片が形成され、上記止着溝の溝端には係止部が形成されていて、この係止部に上記係止片が弾力的に係止することによって上記クリップが止着位置に保持されるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のワイパー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−28243(P2009−28243A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−194950(P2007−194950)
【出願日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(000101363)アズマ工業株式会社 (33)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(000101363)アズマ工業株式会社 (33)
【Fターム(参考)】
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